以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図9に基づいて説明する。本実施形態の基板間接続コネクタAはヘッダ1とソケット2とで構成され、ヘッダ1およびソケット2がそれぞれ実装されたプリント配線板の間を電気的に接続するために用いられる。
ヘッダ1は、ヘッダコンタクト支持板10と、ヘッダコンタクト支持板10に取着される複数個のヘッダコンタクト11とで構成される。
ヘッダコンタクト支持板10は、絶縁材料により、板厚の薄い矩形板状(シート状)に形成されており、複数個の矩形のヘッダ側貫通孔12が左右両側部に2列に並べて貫設されている。
ヘッダコンタクト11は金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことによって形成され、ヘッダ側貫通孔12の略半分を塞ぐようにして、ヘッダコンタクト支持板10の主平面(図4(b)中の下面)におけるヘッダ側貫通孔12の周縁部に積層される短冊状の固定片11aと、ヘッダ側貫通孔12内に臨む固定片11aの側縁部から、ヘッダコンタクト支持板10の下面と直交する方向(図4(b)中の上方)に向かって突出する板状の差込片11bとで構成され、ヘッダ側貫通孔12内に臨むヘッダコンタクト11の部位には、ヘッダ側貫通孔12の端面から固定片11aおよび差込片11bの連結部位にかけて帯状の逃がし孔11cが形成されている。ここに、固定片11aにおいてヘッダコンタクト支持板10の左右の端部に対応する部位から、プリント配線板に実装するための端子が構成される。
一方、ソケット2は、ソケットコンタクト支持板20と、ソケットコンタクト支持板20に取着される複数個のソケットコンタクト21とで構成される。
ソケットコンタクト支持板20は、絶縁材料により、板厚の薄い矩形板状(シート状)に形成されており、ヘッダ側貫通孔12に対応する部位にヘッダ側貫通孔12と連通する複数個の矩形のソケット側貫通孔22が左右両側部に2列に並べて貫設されている。
ソケットコンタクト21は弾性を有する金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことによって形成され、図7及び図8に示すようにソケットコンタクト支持板20の上面において左右の端部からソケット側貫通孔22までの部位に積層される短冊状の固定片21aと、固定片21aに基端側が支持された差込受部21bとで構成されている。差込受部21bは、ソケット側貫通孔22に臨む固定片21aの側縁の両端部に一端側が連結され、中間部で下向きに折曲されて、先端がソケットコンタクト支持板20の下面より下向きに突出する支持片21c,21cと、各支持片21c,21cの先端部からそれぞれ上側に向かって折り返され、上述の差込片11bを厚み方向の両側から挟持する略4分の3円の弧状の挟持部21d,21dと、一対の挟持部21dの上端部の間を連結する連結部21eとで構成されており、固定片21aからプリント配線板に実装するための端子が構成されている。なお連結部21eは略W字型に形成され、挟持部21d,21dの上端部(差込片11bと反対側の一端部)に両端部がそれぞれ連結されており、固定片21aと略同じ高さ位置で固定片21aと平行な方向に折り曲げられて、中間部のU字型の撓み部21fの曲がり部が差込片11b側に突出するように形成されている。
この基板間接続コネクタAでは、ヘッダ1とソケット2とを嵌合する際には、ヘッダ側貫通孔12とソケット側貫通孔22の位置を合わせて、ヘッダコンタクト支持板10とソケットコンタクト支持板20とを重ね合わせるのであるが、このとき図2(b)(c)に示すようにソケットコンタクト支持板20の下面より下方に突出するソケットコンタクト21の部位がヘッダ側貫通孔12内に挿入されて、一対の挟持部21dの間に差込片11bが挿入され、一対の挟持部21dによって差込片11bが厚み方向の両側から挟持されるので、ヘッダコンタクト11とソケットコンタクト21との間が電気的に接続されるとともに、一対の挟持部21dのばね保持力によってヘッダ1とソケット2とが機械的に結合される。
次にヘッダ1およびソケット2を製造する工程について以下に説明する。先ずヘッダ1を製造するに当たっては、ポリイミド樹脂のような絶縁板からなるヘッダコンタクト支持板10と、ヘッダコンタクト11を構成する金属板(図示せず)とを適宜の方法で積層した後、金属板をエッチング加工することによって隣接するヘッダコンタクト11の間に存在する金属部分を除去し、異極間の絶縁を確保する。次にヘッダコンタクト支持板10にFHG−YAGレーザを用いたレーザ加工を施してヘッダ側貫通孔12を形成するとともに、ヘッダ側貫通孔12に臨む金属板の部位にFHG−YAGレーザによる溝加工を行って逃がし孔11cなどを形成し、ヘッダコンタクト11を所定の形状に形成した後(図5参照)、差込片11bに曲げ加工を施し、ヘッダコンタクト支持板10を所定の寸法に分断して、ヘッダ1の製造を完了する。
またソケット2もヘッダ1と同様の工程で製造され、まずポリイミド樹脂のような絶縁板からなるソケットコンタクト支持板20と、ソケットコンタクト21を構成する金属板(図示せず)とを適宜の方法で積層した後、金属板をエッチング加工することによって隣接するソケットコンタクト21の間に存在する金属部分を除去し、異極間の絶縁を確保する。次にソケットコンタクト支持板20にFHG−YAGレーザを用いたレーザ加工を施してソケット側貫通孔22を形成するとともに、ソケット側貫通孔22に臨む金属板の部位にFHG−YAGレーザによる溝加工を行って差込受部21bを所定の形状に形成した後(図6参照)、差込受部21bの中間部を略直角に折り曲げて先端を下面から下方に突出させ、ソケットコンタクト支持板20を所定の寸法に分断して、ソケット2の製造を完了する。
上述のように本実施形態では各コンタクト支持板10,20および各コンタクト11,21のレーザ加工にFHG−YAGレーザを用いており、樹脂部分(ヘッダコンタクト支持板10、ソケットコンタクト支持板20)をレーザ加工する場合、基本波YAGレーザでは樹脂部分を炭化させてしまうため、加工残渣が残って外観の見栄えが悪くなるが、本実施形態で使用するFHG−YAGレーザの波長はUV領域であり、光子の持つエネルギーが大きいので、樹脂部分にレーザ光を照射すると分子結合を直接解離する光分解加工により加工が行われることになり、したがって加工断面を平坦に仕上げることができ、加工残渣が残って外観の見栄えが悪くなることはない。また金属板をレーザ加工する場合、基本波YAGレーザではレーザ光の焦点径が0.1〜0.2mm程度であるのに対して、FHG−YAGレーザは波長が短いため、レーザ光の焦点径を0.01mm程度に小さく絞ることができ、加工のアスペクト比が3〜5程度(エッチング加工のアスペクト比は0.5程度)になり、例えば金属板の厚みが0.03mmであれば幅が0.01mmの溝加工を行えるので、微細形状の加工を行うことができる。ここで、波長が266nmのレーザ光は金属への吸収率が極めて高く、例えば銅の場合は基本波YAGレーザに比べて25倍程度になるので、溶融体積が少なく、したがって投入する溶融エネルギーを小さくできるため、金属材料の熱変形や酸化を小さくでき、加工断面を平坦に仕上げることができる。また、各コンタクト11,21をコンタクト支持板10,20にインサート成形する場合に比べて、コンタクト支持板10,20の厚みを厚くでき、機械的強度を確保しつつ、絶縁性を高めることができる。
また本実施形態では、ソケットコンタクト21の差込受部21bが備える一対の挟持部21d,21dを、ヘッダコンタクト11の差込片11bに対して厚み方向の両側であって、挟持部21d,21dが差込片11bに対して略直角に交差するように配置し、挟持部21d,21dにより差込片11bを厚み方向の両側から挟持させており、差込受部21bの基端側は、ソケットコンタクト支持板20におけるソケット側貫通孔22の周縁部に支持されているので、ソケットコンタクト支持板20の主表面と同じ面内に配置された差込受部21bの部位により挟持部21d,21dの弾性を持たせることができ、嵌合方向においてソケットコンタクト21の弾性を持たせる場合に比べて、嵌合方向におけるソケットコンタクト21の高さ寸法を小さくして、コネクタの低背化を図ることができる。また、一対の挟持部21d,21dは連結部21eを介して連結されているので、差込片11bの位置ずれにより、差込片11bが一方の挟持部21dに偏った状態で接触したとしても、他方の挟持部21dが連結部21eを介して差込片11b側に移動させられるから、他方の挟持部21dが差込片11bに追従しやすくなって、接触安定性が向上する。また更に、連結部21eの中央部にU字型の撓み部21fを設け、この撓み部21fの中間部を下向きに折り曲げて、その先端を差込片11b側に突出させているので、撓み部21fが撓むことにより、連結部21e全体の弾性を高めて、挟持部21d,21dと差込片11bとの接触圧を大きくでき、接触安定性をさらに向上させることができる。
また差込受部21bは、ソケット側貫通孔22に対応する位置で、先端側を差込片11b側に向けて突出させるように折曲形成されており、ソケットコンタクト支持板20の主表面に対して直角に交差する方向に折曲されているので、ソケットコンタクト支持板20の平面寸法を大きくすることなく、支持片21cや連結部21eの長さ寸法を大きくとることができ、差込受部21bの弾性を十分に確保できる。
さらにヘッダコンタクト11には、ソケットコンタクト21の差込受部21bと対向する部位に逃がし孔11cを形成してあるので、差込受部21bの先端(つまり挟持部21dの先端)が逃がし孔11c内に挿入される位置まで、差込受部21bを延出形成することができ、連結部21eや撓み部21fの長さを十分に確保して、差込受部21bの弾性を確保することができる。また差込受部21bの先端を逃がし孔11c内に挿入させることで、ヘッダコンタクト11の厚み分だけソケットを低背化することができる。
なお、ヘッダコンタクト支持板10及びソケットコンタクト支持板20の材料としては、例えばポリイミドのような樹脂材料が好ましく、板厚を0.05〜0.30mmとするのが好ましい。また、ヘッダコンタクト11やソケットコンタクト21の材料としては、弾性を有する導電性の良好な金属材料(例えば銅やステンレス鋼など)が好ましく、板厚が0.01〜0.06mmの金属板にレーザ加工を施して差込片11bや差込受部21bを形成した後、曲げ加工を施すことで、ヘッダコンタクト11やソケットコンタクト21を形成してある。またヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21はレーザ加工により形成されており、プレス加工で形成する場合に比べて複雑な形状のものを小型に形成することが可能なので、ヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21の小型化を図ることで、コネクタの低背化を図るとともに、各コンタクト11,21の取付ピッチを非常に狭くでき、本実施形態では各コンタクトの取付ピッチを例えば0.2〜0.5mmとすることができる。また、ヘッダ1およびソケット2の低背化を図ることで、コネクタのスタッキング高さを非常に低くでき、本実施形態ではスタッキング高さを例えば0.2〜0.6mmとすることができる。
また上述したソケットコンタクト21において、図9に示すようにソケットコンタクト21の基端側(すなわち固定片21a)から差込受部21bの折曲部位にかけて、耐熱性を有する可撓性の合成樹脂(例えば高耐熱のシリコーンゴム材料やフッ素ゴム材料など)からなる樹脂成形部23をソケットコンタクト21と一体的に保持させても良く、差込受部21bに設けた溝部に弾性を有する樹脂成形部23を形成することにより、差込受部21bの弾性を確保しつつ、強度を向上させて、ソケットコンタクト21を折損しにくくできる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図10及び図11に基づいて説明する。なおヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
ヘッダ1は、ヘッダコンタクト支持板10と、ヘッダコンタクト支持板10に取着される複数個のヘッダコンタクト11とで構成され、複数個のヘッダコンタクト11はヘッダコンタクト支持板10の左右両側部に2列に配設されている。なおヘッダコンタクト支持板10は実施形態1と同様の形状に形成されているので、その説明は省略する。
ヘッダコンタクト11は金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことによって略L字形に形成され、横片11dの先端をヘッダ側貫通孔12に臨む部位に延出させるようにして、縦片11eをヘッダコンタクト支持板10の主平面(図11(b)中の下面)におけるヘッダ側貫通孔12の周縁部に積層させている。また、横片11dの先端側をヘッダコンタクト支持板10の主平面に対して垂直な方向(図11(b)中の上側)に折り曲げて差込片11fとしてあり、差込片11fの先端を図11(b)中の上面から上方へ突出させている。なお縦片11eにおいてヘッダコンタクト支持板10の左右の端部に位置する部位から、プリント配線板に実装するための端子が構成されている。
一方、ソケット2は、ソケットコンタクト支持板20と、ソケットコンタクト支持板20に取着される複数個のソケットコンタクト21とで構成され、複数個のソケットコンタクト21はソケットコンタクト支持板20の左右両側部に2列に配設されている。なおソケットコンタクト支持板20は実施形態1と同様の形状に形成されているので、その説明は省略する。
ソケットコンタクト21は弾性を有する金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことによって形成され、ソケットコンタクト支持板20の主表面(図11(b)中の下面)において左右の端部からソケット側貫通孔22までの部位に積層される短冊状の固定片21aと、固定片21aに基端側が支持されてソケットコンタクト支持板20の主平面と平行な方向に延出する差込受部21bとで構成されている。差込受部21bは、ソケット側貫通孔22に臨む固定片21aの側縁の両端部に一端側が連結された棒状の支持片21c,21cと、各支持片21c,21cの先端部から固定片21a側に向かって折り返され、上述の差込片11fを厚み方向の両側から挟持する略4分の3円の弧状の挟持部21d,21dと、一対の挟持部21dの先端部の間を連結する連結部21eとで構成されており、固定片21aからプリント配線板に実装するための端子が構成されている。なお連結部21eは略W字型に形成され、両端部が挟持部21d,21dの先端にそれぞれ連結されており、中間部に設けたU字形の撓み部21fの曲がり部が差込片11f側に突出するように形成されている。
この基板間接続コネクタAでは、ヘッダ1とソケット2とを嵌合する際には、ヘッダ側貫通孔12とソケット側貫通孔22の位置を合わせて、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10に近付けると、図11(a)(b)に示すようにヘッダコンタクト支持板10の上面より上方に突出するヘッダコンタクト11の部位が、ソケット側貫通孔22の下側開口部に配置された差込受部21bの挟持部21d,21dと連結部21eとで囲まれる空間に挿入される。その後、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10側にさらに近付けると、差込片11fの上部に設けた傾斜面11gが挟持部21d,21dと当接して、挟持部21d,21dが外側に拡開させられる。そしてソケットコンタクト支持板20を、ソケットコンタクト21がヘッダコンタクト支持板10の上面に当接するまで、ヘッダコンタクト支持板10側に近付けると、図11(c)(d)に示すように一対の挟持部21d,21dの間に差込片11fが挿入されて、挟持部21d,21dによって差込片11fが厚み方向の両側から挟持されるので、ヘッダコンタクト11とソケットコンタクト21との間が電気的に接続されるとともに、挟持部21d,21dのばね保持力によってヘッダ1とソケット2とが機械的に結合される。
本実施形態の基板間接続コネクタAは以上のような構成を有しており、ソケットコンタクト21の差込受部21bが備える一対の挟持部21d,21dを、ヘッダコンタクト11の差込片11fに対して厚み方向の両側であって、挟持部21d,21dが差込片11fに対して略直角に交差するように配置し、挟持部21d,21dにより差込片11fを厚み方向の両側から挟持させているので、ソケットコンタクト支持板20の主表面と平行な面内(この場合は主表面と同じ面内)で各挟持部21d,21dの弾性を持たせることができ、嵌合方向においてソケットコンタクト21の弾性を持たせる場合に比べて、嵌合方向におけるソケットコンタクト21の高さ寸法を小さくして、コネクタの低背化を図ることができる。また、一対の挟持部21d,21dは連結部21eを介して連結されているので、差込片11fの位置ずれにより、差込片11bが一方の挟持部21dに偏った状態で接触したとしても、他方の挟持部21dが連結部21eを介して差込片11bに近付く向きに移動させられるから、他方の挟持部21dが差込片11fに追従しやすくなって、接触安定性が向上する。さらに、連結部21eの中央部にU字型の撓み部21fを設け、この撓み部21fの曲がり部を差込片11f側に突出させているので、撓み部21fが撓むことにより、連結部21e全体の弾性を高めて、挟持部21d,21dと差込片11fとの接触圧を大きくでき、接触安定性をさらに向上させることができる。
また本実施形態のヘッダ1およびソケット2の製造方法は、差込受部21bの曲げ工程が不要な点を除いては、実施形態1で説明したヘッダ1およびソケット2の製造方法と同様であるので、その説明は省略する。なお、ヘッダコンタクト支持板10及びソケットコンタクト支持板20の材料としては、例えばポリイミドのような樹脂材料が好ましく、板厚を0.05〜0.30mmとするのが好ましい。また、ヘッダコンタクト11やソケットコンタクト21の材料としては、弾性を有する導電性の良好な金属材料(例えば銅やステンレス鋼など)が好ましく、板厚が0.01〜0.06mmの金属板にレーザ加工を施して差込片11fや差込受部21bを形成した後、ヘッダコンタクト11にはさらに曲げ加工を施すことで、両コンタクト11,21を形成してある。またヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21はレーザ加工により形成されており、プレス加工で形成する場合に比べて複雑な形状のものを小型に形成することが可能なので、ヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21の小型化を図ることで、コネクタの低背化を図るとともに、各コンタクト11,21の取付ピッチを非常に狭くでき、本実施形態では各コンタクト11,21の取付ピッチを例えば0.2〜0.5mmとすることができる。また、ヘッダ1およびソケット2の低背化を図ることで、コネクタのスタッキング高さを非常に低くでき、本実施形態ではスタッキング高さを例えば0.2〜0.6mmとすることができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図12及び図13に基づいて説明する。なおヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21以外の構成は実施形態2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
ヘッダ1は、ヘッダコンタクト支持板10と、ヘッダコンタクト支持板10に取着される複数個のヘッダコンタクト11とで構成され、複数個のヘッダコンタクト11はヘッダコンタクト支持板10の左右両側部に2列に配設されている。なおヘッダコンタクト支持板10は実施形態1と同様の形状に形成されているので、その説明は省略する。またヘッダコンタクト11は、差込片11fの先端を平坦に形成している点を除いては、実施形態2で説明したヘッダコンタクト11と同様の形状に形成してあるので、その説明は省略する。
一方、ソケット2は、ソケットコンタクト支持板20と、ソケットコンタクト支持板20に取着される複数個のソケットコンタクト21,21’とで構成され、複数個のソケットコンタクト21,21’はソケットコンタクト支持板20の左右両側部に2列に配設されている。なおソケットコンタクト支持板20は実施形態1と同様の形状に形成されているので、その説明は省略する。
ソケットコンタクト21,21’は弾性を有する金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことによって形成され、ソケットコンタクト支持板20の主表面(図13(b)中の下面)においてソケット側貫通孔22に対して同じ側の周縁部に積層される短冊状の固定片21aと、固定片21aに基端側が支持されてソケットコンタクト支持板20の主平面と平行な方向に延出する差込受部21bとで構成されている。差込受部21bは、ソケット側貫通孔22に臨む固定片21aの側縁の両端部に一端側が連結された棒状の支持片21c,21cと、各支持片21c,21cの先端部から固定片21a側に向かって折り返され、上述の差込片11fを厚み方向の両側から挟持する略4分の3円の弧状の挟持部21d,21dと、一対の挟持部21dの先端部の間を連結する連結部21eとで構成されている。連結部21eは略W字型に形成され、両端部が挟持部21d,21dの先端部にそれぞれ連結されており、中間部に設けたU字形の撓み部21fの曲がり部が差込片11f側に突出するように形成されている。なお左右方向の片側に配置されるソケットコンタクト21と、反対側に配置されるソケットコンタクト21’とは、差込受部21bが同じ向きに突出するようにソケットコンタクト支持板20に取着されており、左右方向においてソケットコンタクト支持板20の一端側に固定片21aが配置されるソケットコンタクト21では固定片21aからプリント配線板に実装するための端子が構成されている。また、左右方向においてソケットコンタクト支持板20の中央部に固定片21aが配置されるソケットコンタクト21’では、固定片21aの側縁に、ソケット側貫通孔22の周縁部に配設されるコ字型の端子片21gの両端部が連結されており、端子片21gの中央片によりプリント配線板に実装するための端子が構成される。
この基板間接続コネクタAでは、ヘッダ1とソケット2とを嵌合する際には、ヘッダ側貫通孔12とソケット側貫通孔22の位置を合わせて、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10に近付け、図13(a)(b)に示すようにヘッダコンタクト支持板10の上面より上方に突出する差込片11fの先端部を、ソケット側貫通孔22の下側開口部に配置された差込受部21bの挟持部21d,21dと連結部21eとで囲まれる空間に挿入する。その後、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10に対して略平行な方向(差込片11fが挟持部21d,21d側に近付く方向)にスライド移動させると、差込片11fが挟持部21d,21dと当接して、挟持部21d,21dが外側に拡開させられる。そしてソケットコンタクト支持板20を、差込片11fが挟持部21d,21dの間に挿入される位置まで、水平移動させると、図13(c)(d)に示すように挟持部21d,21dによって差込片11fが厚み方向の両側から挟持されるので、ヘッダコンタクト11とソケットコンタクト21,21’との間が電気的に接続されるとともに、挟持部21d,21dのばね保持力によってヘッダ1とソケット2とが機械的に結合される。
本実施形態の基板間接続コネクタAは以上のような構成を有しており、ソケットコンタクト21,21’の差込受部21bが備える一対の挟持部21d,21dを、ヘッダコンタクト11の差込片11fに対して厚み方向の両側であって、挟持部21d,21dが差込片11fに対して略直角に交差するように配置してあり、挟持部21d,21dにより差込片11fを厚み方向の両側から挟持させているので、ソケットコンタクト支持板20の主表面と平行な面内(この場合は主表面と同じ面内)で各挟持部21d,21dの弾性を持たせることができ、嵌合方向においてソケットコンタクト21の弾性を持たせる場合に比べて、嵌合方向におけるソケットコンタクト21の高さ寸法を小さくして、コネクタの低背化を図ることができる。また、一対の挟持部21d,21dは連結部21eを介して連結されているので、差込片11fの位置ずれにより、差込片11bが一方の挟持部21dに偏った状態で接触したとしても、他方の挟持部21dが連結部21eを介して差込片11fに近付く向きに移動させられるから、他方の挟持部21dが差込片11fに追従しやすくなって、接触安定性が向上する。さらに、連結部21eの中央部にU字型の撓み部21fを設け、この撓み部21fの先端を差込片11f側に突出させているので、撓み部21fが撓むことにより、連結部21e全体の弾性を高めて、挟持部21d,21dと差込片11fとの接触圧を大きくでき、接触安定性をさらに向上させることができる。
また本実施形態のヘッダ1およびソケット2の製造方法は、差込受部21bの曲げ工程が不要な点を除いては、実施形態1で説明したヘッダ1およびソケット2の製造方法と同様であるので、その説明は省略する。なお、ヘッダコンタクト支持板10及びソケットコンタクト支持板20の材料としては、例えばポリイミドのような樹脂材料が好ましく、板厚を0.05〜0.30mmとするのが好ましい。また、ヘッダコンタクト11やソケットコンタクト21,21’の材料としては、弾性を有する導電性の良好な金属材料(例えば銅やステンレス鋼など)が好ましく、板厚が0.01〜0.06mmの金属板にレーザ加工を施して差込片11fや差込受部21bを形成した後、ヘッダコンタクト11にはさらに曲げ加工を施すことで、ヘッダコンタクト11やソケットコンタクト21,21’を形成してある。またヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21,21’はレーザ加工により形成されており、プレス加工で形成する場合に比べて複雑な形状のものを小型に形成することが可能なので、ヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21,21’の小型化を図ることで、コネクタの低背化が図れるとともに、各コンタクト11,21,21’の取付ピッチを非常に狭くでき、本実施形態では各コンタクトの取付ピッチを例えば0.2〜0.5mmとすることができる。また、ヘッダ1およびソケット2の低背化を図ることで、コネクタのスタッキング高さを非常に低くでき、本実施形態ではスタッキング高さを例えば0.2〜0.6mmとすることができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図14及び図15に基づいて説明する。なおソケットコンタクト21,21’以外の構成は上述した実施形態3と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
ヘッダ1は、ヘッダコンタクト支持板10と、ヘッダコンタクト支持板10に取着される複数個のヘッダコンタクト11とで構成され、複数個のヘッダコンタクト11はヘッダコンタクト支持板10の左右両側部に2列に配設されている。なおヘッダコンタクト支持板10は実施形態1と同様の形状に形成されているので、その説明は省略する。またヘッダコンタクト11は、差込片11fの先端を平坦に形成している点を除いては、実施形態2で説明したヘッダコンタクト11と同様の形状に形成してあるので、その説明は省略する。
一方、ソケット2は、ソケットコンタクト支持板20と、ソケットコンタクト支持板20に取着される複数個のソケットコンタクト21,21’とで構成され、複数個のソケットコンタクト21,21’はソケットコンタクト支持板20の左右両側部に2列に配設されている。なおソケットコンタクト支持板20は実施形態1と同様の形状に形成されているので、その説明は省略する。
ソケットコンタクト21,21’は弾性を有する金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことによって形成され、ソケットコンタクト支持板20の主表面(図15(b)中の上面)においてソケット側貫通孔22に対して同じ側の周縁部に積層される短冊状の固定片21aと、固定片21aに基端側が支持された差込受部21bとで構成されている。差込受部21bは、ソケット側貫通孔22に臨む固定片21aの側縁の両端部に一端側が連結された棒状の支持片21c,21cと、各支持片21c,21cの先端部から固定片21a側に向かって折り返され、上述の差込片11fを厚み方向の両側から挟持する略4分の3円の弧状の挟持部21d,21dと、挟持部21d,21dの先端部の間を連結する連結部21eとで構成されている。また連結部21eは略W字型に形成され、両端部が挟持部21d,21dの先端部にそれぞれ連結されており、中間部に設けたU字形の撓み部21fの曲がり部が差込片11f側に突出するように形成されている。ここで、差込受部21bの支持片21cは、固定片21aとの連結部位で斜め下向き(ヘッダ1側)に折り曲げられ、さらに中間部で上向きに折り返されており、差込受部21bの先端側(挟持部21d,21d)は、ソケット側貫通孔22の内部においてヘッダ1の上面と略平行な方向に突出するように形成されている。
なお左右方向の片側に配置されるソケットコンタクト21と、反対側に配置されるソケットコンタクト21’とは、差込受部21bが同じ向きに突出するようにソケットコンタクト支持板20に取着されており、左右方向においてソケットコンタクト支持板20の一端側に固定片21aが配置されるソケットコンタクト21では、固定片21aからプリント配線板に実装するための端子が構成されている。また、左右方向においてソケットコンタクト支持板20の中央部に固定片21aが配置されるソケットコンタクト21’では、固定片21aの一方の側縁から、ソケット側貫通孔22の周縁部に配設されるL字型の端子片21hが延出形成されており、端子片21hにおいてソケット側貫通孔22を挟んで固定片21aと対向する片により、プリント配線板に実装するための端子が構成される。
この基板間接続コネクタAでは、ヘッダ1とソケット2とを嵌合する際には、ヘッダ側貫通孔12とソケット側貫通孔22の位置を合わせて、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10に近付け、図15(a)(b)に示すようにヘッダコンタクト支持板10の上面より上方に突出する差込片11fの先端部を、ソケット側貫通孔22の孔内に配置された差込受部21bの挟持部21d,21dと連結部21eとで囲まれる空間に挿入する。その後、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10に対して略平行な方向(差込片11fが挟持部21d,21d側に近付く方向)にスライド移動させると、差込片11fが挟持部21d,21dと当接して、挟持部21d,21dが外側に拡開させられる。そしてソケットコンタクト支持板20を、差込片11fが挟持部21d,21dの間に挿入される位置まで、水平移動させると、図15(c)(d)に示すように挟持部21d,21dによって差込片11fが厚み方向の両側から挟持されるので、ヘッダコンタクト11とソケットコンタクト21,21’との間が電気的に接続されるとともに、挟持部21d,21dのばね保持力によってヘッダ1とソケット2とが機械的に結合される。
本実施形態の基板間接続コネクタAは以上のような構成を有しており、ソケットコンタクト21,21’の差込受部21bが備える一対の挟持部21d,21dを、ヘッダコンタクト11の差込片11fに対して厚み方向の両側であって、挟持部21d,21dが差込片11fに対して略直角に交差するように配置してあり、挟持部21d,21dにより差込片11fを厚み方向の両側から挟持させているので、ソケットコンタクト支持板20の主表面と平行な面内で各挟持部21d,21dの弾性を持たせることができ、嵌合方向においてソケットコンタクト21の弾性を持たせる場合に比べて、嵌合方向におけるソケットコンタクト21の高さ寸法を小さくして、コネクタの低背化を図ることができる。また、一対の挟持部21d,21dは連結部21eを介して連結されているので、差込片11fの位置ずれにより、差込片11bが一方の挟持部21dに偏った状態で接触したとしても、他方の挟持部21dが連結部21eを介して差込片11bに近付く向きに移動させられるから、他方の挟持部21dが差込片11fに追従しやすくなって、接触安定性が向上する。さらに、連結部21eの中央部にU字型の撓み部21fを設け、この撓み部21fの先端を差込片11f側に突出させているので、撓み部21fが撓むことにより、連結部21e全体の弾性を高めて、挟持部21d,21dと差込片11fとの接触圧を大きくでき、接触安定性をさらに向上させることができる。
また本実施形態のヘッダ1およびソケット2の製造方法は、差込受部21bに曲げ加工を施した後の曲げ形状が異なる点を除いては、実施形態1で説明したヘッダ1およびソケット2の製造方法と同様であるので、その説明は省略する。なお、ヘッダコンタクト支持板10及びソケットコンタクト支持板20の材料としては、例えばポリイミドのような樹脂材料が好ましく、板厚を0.05〜0.30mmとするのが好ましい。また、ヘッダコンタクト11やソケットコンタクト21,21’の材料としては、弾性を有する導電性の良好な金属材料(例えば銅やステンレス鋼など)が好ましく、板厚が0.01〜0.06mmの金属板にレーザ加工を施して差込片11fや差込受部21bを形成した後、ヘッダコンタクト11はさらに曲げ加工を施すことで、ヘッダコンタクト11やソケットコンタクト21,21’を形成してある。またヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21,21’はレーザ加工により形成されており、プレス加工で形成する場合に比べて複雑な形状のものを小型に形成することが可能なので、ヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21,21’の小型化を図ることで、コネクタの低背化を図るとともに、各コンタクト11,21,21’の取付ピッチを非常に狭くでき、本実施形態では各コンタクトの取付ピッチを例えば0.2〜0.5mmとすることができる。また、ヘッダ1およびソケット2の低背化を図ることで、コネクタのスタッキング高さを非常に低くでき、本実施形態ではスタッキング高さを例えば0.2〜0.6mmとすることができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図16〜図19に基づいて説明する。上述の実施形態1〜4では、ヘッダコンタクト支持板10およびソケットコンタクト支持板20の表面に金属板を積層し、各々の金属板にレーザ加工を施してヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21を形成しているのに対して、本実施形態ではフープ材にレーザ加工を施すことにより、複数のヘッダコンタクト11又はソケットコンタクト21がフレーム部分(図示せず)に連結された状態に各コンタクト11,21を形成した後、各コンタクト11,21をそれぞれヘッダコンタクト支持板10、ソケットコンタクト支持板20にインサート成形することでヘッダ1およびソケット2を形成してある。
ヘッダ1は、液晶樹脂などの絶縁性の合成樹脂成形品よりなるヘッダコンタクト支持板10と、ヘッダコンタクト支持板10にインサート成形された複数個のヘッダコンタクト11とで構成され、複数個のヘッダコンタクト11はヘッダコンタクト支持板10の左右両側部に2列に配設されている。
ヘッダコンタクト11は、図18(a)〜(c)に示すように金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことによって略L字形に形成されており、短手片の先端部を短手片と垂直な方向に折り曲げて、差込片11fとしてある。複数(本実施形態では例えば10本)のヘッダコンタクト11は、差込片11fを同じ方向に突出させるとともに、長手片の先端をヘッダコンタクト支持板10の主表面と平行な方向であって互いに反対方向に突出させた状態で2列に配置されており、これらのヘッダコンタクト11は扁平な矩形板状のヘッダコンタクト支持板10にインサート成形されている。ここで、各ヘッダコンタクト11の差込片11fはヘッダコンタクト支持板10の主表面から外部に露出しており、主表面に対して略垂直な方向に突出している。また各ヘッダコンタクト11の長手片の先端側はヘッダコンタクト支持板10の側面から外部に突出し、先端部がヘッダコンタクト支持板10の表面(図18(b)中の下面)と略同じ高さになるように折り曲げられており、この先端部がプリント配線板に実装するための端子となっている。
一方、ソケット2は、液晶樹脂などの絶縁性の合成樹脂成形品よりなるソケットコンタクト支持板20と、ソケットコンタクト支持板20に取着される複数個のソケットコンタクト21とで構成され、複数個のソケットコンタクト21はソケットコンタクト支持板20の左右両側部に2列に配設されている。
ソケットコンタクト21は、図19(a)〜(c)に示すように金属製(例えば銅やステンレス鋼など)の導電板にレーザ加工を施すことにより、帯板状の端子片21jと、端子片21jに基端側が支持された差込受部21bとを一体に形成してある。差込受部21bは、端子片21jの一側縁の両端部に一端側が連結された棒状の一対の支持片21cと、各支持片21cの先端部から端子片21j側にそれぞれ折り返され、上述の差込片11fを厚み方向の両側から挟持する略4分の3円の一対の挟持部21dと、一対の挟持部21dの先端部の間を連結する連結部21eとで構成されている。また連結部21eは略W字型に形成され、両端部が一対の挟持部21dの先端部にそれぞれ連結されており、中間部に設けたU字形の撓み部21fの曲がり部が差込片11f側に突出するように形成されている。
複数(本実施形態では例えば10本)のソケットコンタクト21は、差込受部21bを互いに対向させるとともに、端子片21jを反対方向に突出させた状態で2列に配置されており、これらのソケットコンタクト21は扁平な矩形板状のソケットコンタクト支持板20にインサート成形されている。ここで、ソケットコンタクト21は、端子片21jにおける差込受部21bの連結部位がソケットコンタクト支持板20に埋設されており、差込受部21bに対応する部位には差込受部21bを露出させるためのソケット側貫通孔22が形成されている。また端子片21jの先端側はソケットコンタクト支持板20の側面から外部に突出し、先端部がソケットコンタクト支持板20の表面(図19(b)中の下面)と略同じ高さになるように折り曲げられており、この先端部がプリント配線板に実装するための端子となっている。
この基板間接続コネクタAでは、ヘッダ1とソケット2とを嵌合する際には、差込片11fと差込受部21bの位置を合わせて、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10に近付けると、ヘッダコンタクト支持板10の表面から突出するヘッダコンタクト11の差込片11fが、ソケット側貫通孔22の孔内に配置された一対の挟持部21dと連結部21eとで囲まれる空間に挿入される。その後、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10側にさらに近付けると、差込片11fの上部に設けた傾斜面11gが一対の挟持部21dと当接して、各挟持部21dが外側に拡開させられる。そして、ソケットコンタクト支持板20をヘッダコンタクト支持板10に当接させると、一対の挟持部21dの間に差込片11fが挿入され、両挟持部21dによって差込片11fが厚み方向の両側から挟持されるので、ヘッダコンタクト11とソケットコンタクト21との間が電気的に接続されるとともに、挟持部21dのばね保持力によってヘッダ1とソケット2とが機械的に結合される。
本実施形態のヘッダ1およびソケット2を製造するに当たっては、先ず帯板状のフープ材にFHG−YAGレーザを用いたレーザ加工を施すことにより、複数のヘッダコンタクト11又はソケットコンタクト21がフレーム部分に連結された形状に形成した後、各コンタクト11,21をそれぞれヘッダコンタクト支持板10、ソケットコンタクト支持板20にインサート成形し、コンタクト11,21をフレーム部分から分離することでヘッダ1およびソケット2の製造が完了する。
本実施形態のコネクタは以上のような構成を有しており、ソケットコンタクト21の差込受部21bが備える一対の挟持部21dを、ヘッダコンタクト11の差込片11fに対して厚み方向の両側であって、一対の挟持部21dが差込片11fに対して略直角に交差するように配置してあり、両挟持部21dが差込片11fを厚み方向の両側から挟持しているので、ソケットコンタクト支持板20の主表面と平行な面内で各挟持部21d,21dの弾性を持たせることができ、嵌合方向においてソケットコンタクト21の弾性を持たせる場合に比べて、嵌合方向におけるソケットコンタクト21の高さ寸法を小さくして、コネクタの低背化を図ることができる。また、一対の挟持部21dは連結部21eを介して連結されているので、差込片11fの位置ずれにより、差込片11bが一方の挟持部21dに偏った状態で接触したとしても、他方の挟持部21dが連結部21eを介して差込片11fに近付く向きに移動させられるから、他方の挟持部21dが差込片11fに追従しやすくなって、接触安定性が向上する。さらに、連結部21eの中央部にU字型の撓み部21fを設け、この撓み部21fの曲がり部を差込片11f側に突出させているので、撓み部21fが撓むことにより、連結部21e全体の弾性を高めて、一対の挟持部21dと差込片11fとの接触圧を大きくでき、接触安定性をさらに向上させることができる。
なお、上述の実施形態1〜5では、レーザ加工によりヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21を形成しているが、ヘッダコンタクト支持板10およびソケットコンタクト支持板20の表面積を十分大きくできるのであれば、プレス加工やエッチング加工によりヘッダコンタクト11およびソケットコンタクト21を形成しても良い。