JP4645454B2 - リニアガイド装置 - Google Patents
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Description
このような、レールカバーはレールの上面の全幅を覆っているため、転動体がボールの場合に、レールの上面と両側の側面との角部にそれぞれ形成されたレール軌道溝を有するレールを用いたリニアガイド装置には装着することができないという問題がある。
また、溝部の幅がレールカバーの幅より狭いと、レールカバーが外側に凸の円弧状に変形し、その円弧面によりシール体のリップ部が押上げられ、レール上面とレールカバーとの接続部等に隙間が生じ、シール性を損なう虞があるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、レールの上部の角部にレール軌道溝を有するレールであっても、レールカバーの取付けを容易にする手段を提供することを目的とする。
レール上面と両側のレール側面との角部にそれぞれボールが転動するレール軌道溝を有するレールと、前記レールを高さ方向に貫通するレール取付穴と、前記レールを直線的に移動するスライダとを備えたリニアガイド装置において、前記レール上面に、前記レール取付穴の穴径より広く、両側の前記レール軌道溝と前記レール上面との接続部間の距離より狭い幅の突条上面を有し、前記レールの長手方向の全長に渡る突条を設けると共に、前記突条を覆うレールカバーを設け、前記レールカバーを、前記突条に設置したことを特徴とする。
また、突条にレールカバーを設置するので、レールカバーに変形が生ずることを防止することができ、シール体のシール性を十分に確保してスライダの外部からの異物の侵入を防止することができるという効果が得られる。
なお、図1はエンドキャップおよびサイドシールを取り除いた状態で示した正面図である。
図1、図2において、1はリニアガイド装置である。
レール2の両側の側面(レール側面2bという。)には、それぞれ長手方向に沿ってレール転動体ガイド面としてのレール軌道溝4a、4bが形成されており、レール軌道溝4aはレール2の上面(レール上面2aという。)とレール側面2bとの角部に略1/4円弧状断面の溝として、レール軌道溝4bはレール側面2bに略半円弧状断面の溝として形成されている。
スライダ5の両方の袖壁5bには、その内側にスライダ転動体ガイド面としてのスライダ軌道溝7a、7bがそれぞれレール軌道溝4a、4b(区別することが必要な場合を除き、レール軌道溝4という。)に対向して設けられ、その厚肉部にはスライダの移動方向(スライダ移動方向という。)にスライダ5を貫通する転動体としてのボール9の直径より大きい貫通穴である戻り路8がそれぞれのスライダ軌道溝7a、7b(区別することが必要な場合を除き、スライダ軌道溝7という。)に対応して設けられている。
11はエンドキャップであり、金属材料や樹脂材料等で製作され、スライダ5のスライダ移動方向の前後端部に配置され、そのスライダ5側には後述する負荷路とスライダ5の戻り路8とをそれぞれ接続する湾曲した通路である方向転換路12が設けられている。
13はサイドシールであり、合金鋼等の板材で製作された芯金とこの芯金のレール2側に設けられた天然ゴムや合成ゴム等で製作されたシール部14とにより構成されてエンドキャップ11の外側の端面に配置され、ボルト等の締結手段によりエンドキャップ11と共にスライダ5に取付けられる。
15は突条であり、レール上面2aに、レール上面2aから突出してレール2の長手方向の全長に渡って形成された矩形断面を有する突出部であって、その短手方向の長さ(幅という。)は、レール取付穴3の大径部の直径(穴径という。)より広く、レール2の両側の上部のレール軌道溝4aとレール上面2aとの接続部(レール軌道溝4aの端部という。)間の距離より狭く形成される。
16はレールカバーであり、ステンレス鋼等の薄板またはポリプレン、ポリアセタール、ポリエチレン、ナイロン等の樹脂材料等の弾性を有する弾性材によりレール2の長手方向の長さと略同等の長さに製作され、図3に示すようにその両方の長手方向に沿った側縁部を直角に折曲げた折曲部17と、両方の折曲部17の間を突条上面15aと同じ幅で突条上面15aに平行な平面とした平面部18とにより構成されており、その折曲部17の突条15側(内側という。)の面が、突条15のレール2の高さ方向と平行に形成された側面(嵌合面15bという。)に嵌合する。
上記のレールカバー16をレール2に装着する場合は、レールカバー16の平面部18の内側の面に接着テープ19の一方の面を貼付し、両方の折曲部17の内側の面を突条15の嵌合面15bに沿わせて差込み、レールカバー16の弾性を利用してその平面部18を押圧することにより接着テープ19の他方の面を突条上面15aに接着し、レールカバー16の折曲部17の内側面を嵌合面15bに嵌合させてレールカバー16をレール2に装着する。
また、レール上面2aに突条15を設け、これにレールカバー16を嵌合させ、接着テープ19により接着して取付けるので、レール上面2aに設ける突条15の幅を、レールカバー16の折曲部17の内側面間の幅の下限と同等に設定しておけば、レールカバー16の平面部18に変形が生ずることはなく、通常の寸法精度を用いてレール2を容易に製造することができると共に、スライダ5がレール2を移動する場合には、サイドシール13のシール部14のリップ部が変形のないレールカバー16のカバーの上面やレール上面2a等を摺動するので、十分なシール性を確保することができ、スライダ5の外部からの異物の侵入および内部からの潤滑剤の漏洩を防止することができる他、レール上面2aとレール側面2bとの角部にレール軌道溝4aを有するレール2であっても、レール軌道溝4aにおけるボール9の転動を妨げることなく、取付ボルト穴3を覆うレールカバー16を容易に取付けることができる。
更に、折曲部17で接着テープ19を覆うので、リニアガイド装置1がクーラント等の水溶性の物質がかかる環境で使用される場合においても、水溶性の物質の侵入等によるの接着剤の劣化を防止することができ、レールカバー16の浮き上がりや脱落を長期間に渡って防止することができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4において、21は傾斜面としての斜面であり、レール取付穴3の穴径より広い幅でレール上面2aに形成された突条15の突条上面15aの長手方向に沿った両側の角部に突条上面15aからレール2の下面に向かって幅方向に拡大する傾斜した平面として形成されている。このため本実施例の突条15は台形状の断面形状を有している。
本実施例のレールカバー16は、図4に示すようにその両方の長手方向に沿った側縁部を斜面21に沿うように90度より大きい角度(鈍角という。)で折曲げた折曲部17と、両方の折曲部17の間に突条上面15aに平行な平面として形成された平面部18とにより構成され、折曲部17の先端間の幅は、上部のレール軌道溝4aを転動するボール9との干渉を避けるために、両側のレール軌道溝4aの端部の間の距離より狭くなるように形成されている。
このような、同時加工は総形砥石を用いた研削加工によっても行うことができる。斜面21、つまり上部のレール軌道溝4aの端部と突条上面15aとの間の面を研削面とすれば、形状がやや複雑であってもシール体14によるシール性を損なうことはない。
レールカバー16をレール2に装着する場合は、レールカバー16の平面部18の内側の面に接着テープ19の一方の面を貼付し、折曲部17の内側面が斜面21に当接するように配置し、レールカバー16の弾性を利用してそのカバーの上面を押圧することにより接着テープ19の他方の面を突条上面15aに接着し、折曲部17の内側面が斜面21を僅かに押圧するようにしてレールカバー16をレール2に装着する。
このようにしても、上記と同様の装着性と加工性の効果を得ることができると共に、上部のレール軌道溝と突条上面との間を研削面とすることができ、シール体によるシール性を向上させることができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図6において、23は傾斜上面であり、実施例1と同様に形成された突条15の突条上面15a側の嵌合面15bを残し、その下端部とレール軌道溝4aの端部との間に形成された傾斜したレール上面である。
上記のレールカバー16をレール2に装着する場合は、上記実施例1と同様にレールカバー16を接着テープ19により突条上面15aに接着して装着する。
また、水平面が存在しないので、実施例2と同様に、嵌合面15bと傾斜上面23とをレール側面2b側からレール側面2bおよびレール軌道溝4a、4bと同時に加工することが可能になり、レール側面2bに対して突条15の平行度誤差を小さく抑えることができると共に、加工工数を増やすことがないので製造コストを増加させることもない。
なお、上記実施例1および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7において、25は係合面であり、上記実施例3で嵌合面23として残した突条15の突条上面15a側の側面を、レール2の下面に向かって幅方向に縮小する傾斜した平面として形成されている。
また、レールカバー16の内側深さは、係合面25の高さより僅かに深くなるように形成されている。
このような折曲部17を有するレールカバー16を係合面25を有するレール2に装着する場合は、一方の係合面25に、レールカバー16を傾けて折曲部17を係合させ、その状態で他の側の折曲部17をその弾性により押し広げて他方の係合面25に係合させてレールカバー16をレール2に装着する。
また、水平面が存在しないので、実施例2と同様に、係合面25と傾斜上面23とをレール側面2b側からレール側面2bおよびレール軌道溝4a、4bと同時に加工することが可能になり、レール側面2bに対して突条15の平行度誤差を小さく抑えることができると共に、加工工数を増やすことがないので製造コストを増加させることもない。
以上説明したように、本実施例では、上記実施例1および実施例2と同様の効果に加えて、突条の側面にレールの下面に向かって幅方向に縮小する係合面を形成したことによって、接着テープ等の接着材を用いなくともレールの突条にレールカバーを装着することができ、リニアガイド装置の製造コストの削減を図ることができる。
また、上記実施例1、実施例2および実施例3においては、接着材は両面に接着剤を塗布した接着テープであるとして説明したが、接着材は前記に限らず、耐水性を有するアクリル系またはシリコン系等の接着剤を突条上面またはレールカバーの内側面に塗布して接着材として用いるようにしてもよい。
2 レール
2a レール上面
2b レール側面
3 レール取付穴
4 レール軌道溝
5 スライダ
5a スライダ上面
5b 袖壁
6 取付ねじ穴
7 スライダ軌道溝
8 戻り路
9 ボール
11 エンドキャップ
12 方向転換路
13 サイドシール
14 シール部
15 突条
15a 突条上面
15b 嵌合面
16 レールカバー
17 折曲部
18 平面部
19 接着テープ
21 斜面
23 傾斜上面
25 係合面
Claims (6)
- レール上面と両側のレール側面との角部にそれぞれボールが転動するレール軌道溝を有するレールと、前記レールを高さ方向に貫通するレール取付穴と、前記レールを直線的に移動するスライダとを備えたリニアガイド装置において、
前記レール上面に、前記レール取付穴の穴径より広く、両側の前記レール軌道溝と前記レール上面との接続部間の距離より狭い幅の突条上面を有し、前記レールの長手方向の全長に渡る突条を設けると共に、前記突条を覆うレールカバーを設け、
前記レールカバーを、前記突条に設置したことを特徴とするリニアガイド装置。 - 請求項1において、
前記突条が、矩形の断面形状を有することを特徴とするリニアガイド装置。 - 請求項1において、
前記突条上面の両側の角部に、前記レールの下面に向かって幅方向に拡大する傾斜面を設けたことを特徴とするリニアガイド装置。 - 請求項3において、
前記突条の傾斜面を、複数の斜面により形成したことを特徴とするリニアガイド装置。 - 請求項3において、
前記突条の傾斜面を、円弧面により形成したことを特徴とするリニアガイド装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記突条上面と、前記レール上面とレール側面との角部に形成されたレール軌道溝との間の面が、研削面であることを特徴とするリニアガイド装置。
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JP2001227542A (ja) * | 2000-02-18 | 2001-08-24 | Thk Co Ltd | 運動案内装置 |
JP2005114031A (ja) * | 2003-10-07 | 2005-04-28 | Nsk Ltd | リニアガイド装置 |
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