JP4644339B2 - Silane coupling agent - Google Patents

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JP4644339B2 JP2000269904A JP2000269904A JP4644339B2 JP 4644339 B2 JP4644339 B2 JP 4644339B2 JP 2000269904 A JP2000269904 A JP 2000269904A JP 2000269904 A JP2000269904 A JP 2000269904A JP 4644339 B2 JP4644339 B2 JP 4644339B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、末端にクロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を有し、他の末端にo−ニトロベンジルオキシ基又はメチレンの一つの水素が置換されたo−ニトロベンジルオキシ基を有する化合物であって、シランカップリング剤等として利用できる化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボキシル基やヒドロキシル基を有するシランカップリング剤は、ケイ素に結合する塩素基やメトキシ基がカルボキシル基やヒドロキシル基に反応するため、知られていなかった。最近、本発明者らは、シランカップリング剤として、トリメトキシシリル基を有するo−ニトロベンジルエステル誘導体である下記式で表される化合物等(山口ら、Chem. Lett., 228-229, (2000))、及びトリメトキシシリル基を有するo−ニトロベンジルエーテルである下記式で表される化合物等(山口ら、Polym. Prep. Jpn., 48, 2247-2248, (1999))を合成し発表した。
【化2】

Figure 0004644339
(上式中、GがCOOのときm=4であり、GがOのときm=3である。)
この化合物は、トリメトキシシリル基がシリカゲル等の表面に存するヒドロキシル基と反応し、表面上に付着する。その後、光を照射するとo−ニトロベンジルアルコール誘導体とのエステル結合が切れて当該表面にカルボキシル基を残し、あるいはエーテル結合が切れて当該表面にヒドロキシル基を残す。結果として、シリカゲル等の表面にカルボキシル基やヒドロキシル基を導入することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
トリメトキシシリル基を有するo−ニトロベンジルエステル誘導体や、トリメトキシシリル基を有するo−ニトロベンジルエーテルは、シランカップリング剤としてその反応性に課題があり、材料表面のヒドロキシル基との結合反応、光照射によるエステル分解又はエーテル分解により、最終的に材料表面にカルボキシル基やヒドロキシル基を導入するまでにかなり時間を要する。そこで、本発明は、短時間に安定して材料表面にカルボキシル基やヒドロキシル基を導入できるシランカップリング剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、末端にクロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を有し、他の末端にo−ニトロベンジルオキシ基又はメチレンの一つの水素が置換されたo−ニトロベンジルオキシ基を有する化合物を提供し、ヒドロキシル基を有する材料と反応させ、光照射することを特徴とする材料表面にカルボキシル基やヒドロキシル基を有する材料の製造方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、末端にクロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を有し、他の末端にo−ニトロベンジルオキシ基又はメチレンの一つの水素が置換されたo−ニトロベンジルオキシ基を有する化合物を提供する。末端とは、一端程度の意味であり、主鎖の末端に限らず側鎖の末端であっでもよく、鎖の枝分かれ部分であってもよく、二又は二以上存在するものであり広く解されるものである。o−ニトロベンジルオキシ基を有する化合物としては、好ましくはエーテル化合物、エステル化合物が挙げられる。
本発明は、好ましくは、下記一般式(1)で表される化合物を提供する。
【化3】
Figure 0004644339
(上式中、GはO又はCOOを表し、R1は水素原子又はアルキル基を表し、R2はクロロジメチルシリル基又はトリクロロシリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
一般式(1)の化合物において、R1は、水素原子または直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、好ましくは水素原子、メチル基であり、特に好ましくはエステル化合物(1ES)では光分解速度の点からメチル基でありエーテル化合物(1ET)では合成面から水素原子である。R1は特に限定されないが、炭素数が多くなると減圧蒸留が困難となり、その他の分離方法を用いる必要が生ずる。この場合、一般式(1)の化合物は加水分解しやすい性質を有すため、加水分解を避けるための工夫が必要となる。また、R1が大きいと材料表面にカップリングした場合、分子間の立体的な反撥が大きくなることに留意する必要がある。
2はクロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を表す。
nは、3以上の整数を表し、好ましくは3〜15であり、より好ましくは3〜10の整数である。nは特に限定されないが、nが大きくなるとR1の場合と同様に減圧蒸留が困難となる等の問題が生ずる。
【0006】
一般式(1)のエステル化合物(1ES)としては、特に好ましくは、5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、5−(ジクロロメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、5−(トリクロロシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、11−(クロロジメチルシリル)ウンデカン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、11−(ジクロロメチルシリル)ウンデカン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、11−(トリクロロシリル)ウンデカン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル、5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸o−ニトロベンジル、5−(ジクロロメチルシリル)ペンタン酸o−ニトロベンジル、5−(トリクロロシリル)ペンタン酸o−ニトロベンジル、11−(クロロジメチルシリル)ウンデカン酸o−ニトロベンジル、11−(ジクロロメチルシリル)ウンデカン酸o−ニトロベンジル、11−(トリクロロシリル)ウンデカン酸o−ニトロベンジルが挙げられる。
一般式(1)のエーテル化合物(1ET)としては、特に好ましくは、3−(クロロジメチルシリル)プロピル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、3−(ジクロロメチルシリル)プロピル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、3−(トリクロロシリル)プロピル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、6−(クロロジメチルシリル)ヘキシル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、6−(ジクロロメチルシリル)ヘキシル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、6−(トリクロロシリル)ヘキシル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル、3−(クロロジメチルシリル)プロピルo−ニトロベンジルエーテル、3−(ジクロロメチルシリル)プロピルo−ニトロベンジルエーテル、3−(トリクロロシリル)プロピルo−ニトロベンジルエーテル、6−(クロロジメチルシリル)ヘキシルo−ニトロベンジルエーテル、6−(ジクロロメチルシリル)ヘキシルo−ニトロベンジルエーテル、6−(トリクロロシリル)ヘキシルo−ニトロベンジルエーテルが挙げられる。
【0007】
一般式(1)のエステル化合物(1ES)の製造方法の一例を以下に示す。
【化4】
Figure 0004644339
【0008】
一般式(1)のエステル化合物(1ES)は、例えば、二重結合を有するカルボン酸(2)と、o−ニトロベンジルアルコール誘導体(3)を反応させエステル(4)を生成し、該二重結合を塩化白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を触媒として、クロロジメチルシラン又はジクロロメチルシラン又はトリクロロシランと反応させることにより得られる。エステルの生成は、例えば、WSC・HCl(WSCは水溶性カルボジイミドの略)であり、WSC・HClとしては1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドハイドロクロライドが挙げられる。)と、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で行われる。また、エステル(4)は、二重結合を有するカルボン酸(2)を塩化チオニル(SOCl2)等を用いる公知の方法で酸塩化物とし、o−ニトロベンジルアルコール誘導体(3)とDMAPのような第三級アミンの存在下反応させることによって得ることもできる。
o−ニトロベンジルアルコールは市販されており、メチレンの水素がアルキル基で置換された誘導体は、対応するケトンを水素化ホウ素ナトリウムで還元するなどの公知の方法で合成できる。
一般式(1)のエステル化合物(1ES)の製造方法は、これに限らず、公知の方法が利用できる。
【0009】
一般式(1)のエーテル化合物(1ET)の製造方法の一例を以下に示す。
【化5】
Figure 0004644339
【0010】
一般式(1)のエーテル化合物(1ET)は、例えばウィリアムソンのエーテル合成法を用いて、二重結合を有するアルコール(5)と、置換又は非置換o−ニトロベンジルハライド(例えばブロミド)(6)を反応させエーテル(7)を生成し、該二重結合を塩化白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を触媒として、クロロジメチルシラン又はジクロロメチルシラン又はトリクロロシランと反応させることにより得られる。非置換o−ニトロベンジルハライドは市販されており、置換o−ニトロベンジルハライドは、例えば、対応するアルコールから公知のハロゲン化(例えばブロモ化)で合成できる。
【0011】
式(1ET)の合成に用いるエーテル(7)は、o−ニトロベンズアルデヒド又はアルキルo−ニトロフェニルケトン(8)をヒドラジンと反応させ、二酸化マンガンで酸化してジアゾ化合物(10)とし、過塩素酸の存在下二重結合を有するアルコール(5)と反応させることによっても得られる。
【化6】
Figure 0004644339
【0012】
一般式(1)のエーテル化合物(1ET)の製造方法は、これらに限らず、公知の方法が利用できる。
【0013】
ヒドロキシル基を有する材料は、反応できるヒドロキシル基が存在すれば特に限定されないが、ガラス、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、タルク、クレー、アルミニウム、鉄、マイカ、アスベスト、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられ、好ましくは、ガラス、シリカ、アルミナ、タルク、クレー、アルミニウム、鉄、マイカ、特に好ましくは、ガラス、シリカ、アルミナである。詳しくは、エヌ・ティー・エヌ社「表面処理技術ハンドブック」等を参照されたい。これらの材料の形状は、特に限定されず、シリカ粉等の粉状物、シリコンウェハ等の板状物であってもよい。
【0014】
ヒドロキシル基を有する材料としてシリコンウェハを例にとれば、一般式(1)の化合物は、以下に示すように、シリコンウェハ表面のヒドロキシル基と反応して付着し、UV照射によりカルボン酸又はアルコールに変換される。
【化7】
Figure 0004644339
【0015】
一般式(1)の化合物において、ケイ素との結合を有する塩素原子の反応性により、ヒドロキシル基を有する材料の表面で、M−O−Si結合(Mは材料を表す。)を形成する。このシランカップリング剤を材料表面に付着させる手段は、特に限定されず、通常のシランカップリング剤による表面処理と同様である。例えば、材料が粉体の場合には、一般式(1)の化合物をベンゼン等の溶媒に溶解し、撹拌された粉状のシリカ表面等に噴射したり、溶液中にシリカ等を入れ処理する方法が用いられる。材料がシリコンウェハ等の一定の形状を有する場合には、一般式(1)の化合物をベンゼン等の溶媒に溶解した溶液にシリコンウェハ等を投入し、還流又は室温での振動撹拌を行ったり、又は溶液を材料表面に薄く塗布することにより表面修飾を行うことができる。
【0016】
材料表面に付着した一般式(1)の化合物は、UV照射により、そのエステル結合が切れて材料表面にカルボキシル基を存在させたり、又はそのエーテル結合が切れて材料表面にヒドロキシル基を存在させることとなる。これは、エタノール等の溶媒中に分散させた粉体にUV照射したり、又はシリコンウェハ表面に直接UV照射すること等により行うことができる。材料表面での反応(表面修飾)と光照射を同時に行うと、光照射により生じたカルボキシル基やヒドロキシル基がシリル基と反応することとなり不都合である。
UV照射は、通常の方法が用いられるが、一例を挙げれば、超高圧水銀ランプ(USH−500等)を光源とし、300nm以下の波長はパイレックス製ガラスフィルターでカットして5〜60分間照射する。
なお、UV照射による材料表面から置換又は非置換o−ニトロベンジル基の消失は、FT−IRやXPS等を用い、トリメトキシシリル基を有するo−ニトロベンジルエステル誘導体やo−ニトロベンジルエーテル誘導体を光照射した場合と同一の結果が得られることより確認される。詳しくは、前述の山口らの著である Chem. Lett., 228-229, (2000) 及び Polym. Prep. Jpn., 48, 2247-2248, (1999))を参照されたい。
【0017】
一般式(1)の化合物は、材料表面のヒドロキシル基と反応する反応部としてクロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を有することを特徴とする。一般式(1)の化合物を、表面ヒドロキシル基との反応部としてトリメトキシシリル基を有する以外は全く同一であるシランカップリング剤と比較する。
図1は、エステル型シランカップリング剤として、5−(トリクロロシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル(一般式(1ES)においてR1=CH3、R2=SiCl3、n=4)を用いたサンプル(I)(正方形でプロット)と、5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルを用いたサンプル(i)(菱形でプロット)とを、シリコンウェハ表面への付着のために室温で振動撹拌処理したサンプル(中抜きでプロット)と還流で処理したサンプル(中黒でプロット)について、処理時間(反応時間)とそのサンプル表面の接触角をプロットしたものである。トリクロロシリル基を有するサンプル(I)では、室温で20分間の表面修飾を施したシリコンウェハは、還流条件で1時間の表面修飾を施したシリコンウェハと同様な接触角を与える。トリクロロシリル基の場合、還流条件で1時間以上反応させても接触角の変化はない(図示せず)ことから、室温でも20分以内に反応が終了したものと考えられる。一方、トリメトキシシリル基を有するサンプル(i)では、室温で60分間の表面修飾でも還流条件1時間と同等の効果は得られなかった。
図2は、エーテル型シランカップリング剤として、2−ニトロベンジル3−(トリクロロシリル)プロピルエーテル(一般式(1ET)においてR1=H、R2=SiCl3、n=3)を用いたサンプル(II)(正方形でプロット)と、2−ニトロベンジル3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテルを用いたサンプル(ii)(菱形でプロット)とを、シリコンウェハ表面への付着のために室温で振動撹拌処理したサンプル(中抜きでプロット)と還流で処理したサンプル(中黒でプロット)について、処理時間(反応時間)とそのサンプル表面の接触角をプロットしたものである。エーテル型のカップリング剤も図1のエステル型と同様な結果を示す。
図1と図2から判るように、トリクロロシリル基は、優れた反応性を示し、室温においても還流と同様な効果が与えるものであり、また、驚くことにトリクロロシリル基中のクロロは全くニトロベンジル基の光分解を阻害しない。これらは、本発明の化合物のカップリング剤としての顕著な効果である。
【0018】
図3は、エステル型シランカップリング剤として、5−(トリクロロシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル(一般式(1ES)においてR1=CH3、R2=SiCl3、n=4)を用いたサンプル(I)(菱形でプロット)と、エーテル型シランカップリング剤として、2−ニトロベンジル3−(トリクロロシリル)プロピルエーテル(一般式(1ET)においてR1=H、R2=SiCl3、n=3)を用いたサンプル(II)(正方形でプロット)とで表面修飾したシリコンウェハついて、光照射時間と接触角との関係を示すグラフである。エステル型とエーテル型においても、光照射の時間に対して類似する挙動を示すことが判る。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1−(2−ニトロフェニル)エタノール(一般式 (3) において R 1 =CH 3 )の合成
500mlナスフラスコに2−ニトロアセトフェノン15.0g(91.0mmol)、メタノール250mlを入れ氷浴中で撹拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム10.4g(274mmol)を少しずつ加えた。そのまま氷浴中で30分間撹拌し、室温で2時間撹拌した。これをエバポレーターで濃縮し、水200mlを加え30分撹拌した後、クロロホルム(200ml×5)で抽出し、クロロホルム相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターで濃縮し、減圧蒸留(90℃/0.5mmHg)により黄色粘性液体13.9g(83.2mmol)を得た。収率91%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-7.9 (m, 4H, アロマティック), 5.4 (m, 1H, メチン), 2.4(d, 1H, ヒドロキシル), 1.6 (d, 3H, メチル)。 IR (NaCl): 3375 cm-1 (OH), 1524 (NO2), 1349 (NO2)。
【0020】
4−ペンテン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル(一般式 (4) において R 1 =CH 3 n=4 )の合成
窒素置換した100mlナスフラスコに1−(2−ニトロフェニル)エタノール11.8g(70.4mmol)、4−ペンテン酸7.74g(77.3mmol)、DMAP9.40g(76.9mmol)、無水THF10mlを入れ、これをWSC・HCl14.8g(76.9mmol)、無水THF100mlの混合溶液に窒素気流下、氷浴中で滴下した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を確認しながら、室温で2日撹拌した。これをエバポレーターで濃縮し、水100mlと2N塩酸20mlを入れ撹拌し、ヘキサン(200ml×5)で抽出し、ヘキサン相をエバポレーターで濃縮した。これに水100ml、5%炭酸水素ナトリウム100mlを入れ撹拌し、酢酸エチル(200ml×3)で抽出し、酢酸エチル相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これをエバポレーターで濃縮し、湯せん(〜50℃)しながら真空乾燥を2時間行い、黄色の油状液体16.4g(65.9mmol)を得た。収率94%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.0 (m,4H, アロマティック), 6.3 (q, 1H, メチン)、5.7-5.9 (m, 1H, メチン)、4.9-5.1 (dd, 2H, メチレン)、2.4(s, 4H, メチレン), 1.6 (d, 3H, メチル)。 IR (NaCl): 1737 cm-1 (C=O), 1527 (NO2), 1351 (NO2)。 EA(元素分析): C16H25N17に対する理論値 C 62.24, H 6.07, N 5.62; 実測値 C 62.60, H 6.15, N 5.42。
【0021】
10−ウンデセン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル(一般式 (4) において R 1 =CH 3 n=10 )の合成
窒素置換した100mlナスフラスコに10−ウンデセン酸クロライド10.0g(49.4mmol)、無水THF20mlを入れ、これに1−(2−ニトロフェニル)エタノール8.01g(47.9mmol)、DMAP6.05g(49.5mmol)、無水THF40mlの混合溶液を窒素気流下、氷浴中で滴下した。氷浴中で1時間、室温で21時間撹拌しTLCで1−(2−ニトロフェニル)エタノールのスポットがなくなったことを確認した。これをエバポレーターで濃縮し、水90mlと2N塩酸10mlを入れ撹拌し、ヘキサン(100ml×3)で抽出し、ヘキサン相をエバポレーターで濃縮した。これに水50ml、5%炭酸水素ナトリウム50mlを入れ撹拌し、ヘキサン(100ml×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターで濃縮し、湯せん(〜50℃)しながら真空乾燥を2時間行い、黄色の油状液体15.5g(46.5mmol)を得た。収率97%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.0 (m, 4H, アロマティック), 6.3 (q, 1H, メチン), 5.6-6.0 (m, 1H, メチン), 4.9-5.1 (dd, 2H, メチレン), 2.3 (t, 2H, メチレン), 2.0 (m, 2H, メチレン), 1.6 (d, 3H, メチル), 1.6 (m,2H, メチレン), 1.4 (m, 2H, メチレン), 1.3 (s, 8H, メチレン)。 IR (NaCl): 1739 cm-1 (C=O), 1528 (NO2), 1351 (NO2)。
【0022】
5−(クロロジメチルシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル(一般式 (1ES) において R 1 =CH 3 R 2 =Si(CH 3)2 Cl, n=4 )の合成
窒素置換した10mlナスフラスコに4−ペンテン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル2.03g(8.14mmol)とクロロジメチルシラン1.24g(13.1mmol)と極少量のH2PtCl6・6H2Oを入れ、窒素気流下で2時間撹拌した。その後、減圧蒸留を行い精製した。沸点156〜170℃/0.25mmHg、収量2.22g(6.46mmol)、収率79%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.0 (m,4H, アロマティック), 6.3 (q, 1H, メチン), 2.3(t, 2H, メチレン), 1.6 (d, 3H, メチル), 1.2-1.5 (m, 4H, メチレン), 0.9 (t, 2H, メチレン), 0.4 (s, 6H, メチル)。 IR (NaCl): 1738 cm-1 (C=O), 1528 (NO2), 1350 (NO2)。 EA: C15H22N14に対する理論値 C 52.39, H 6.45, N 4.07; 実測値 C 52.09, H 6.43, N 3.94。
【0023】
5−(トリクロロシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルの合成(一般式 (1ES) において R 1 =CH 3 R 2 =SiCl 3 n=4
窒素置換した10mlナスフラスコに4−ペンテン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル2.60g(10.4mmol)とトリクロロシラン1.71g(12.6mmol)と極少量のH2PtCl6・6H2Oを入れ、窒素気流下で1時間撹拌した。その後、減圧蒸留を行い精製した。沸点140〜165℃/0.3mmHg、収量3.41g(8.27mmol)、収率79%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.0 (m, 4H, アロマティック), 6.3 (q, 1H, メチン), 2.4(t, 2H, メチレン), 1.6 (d, 3H, メチル), 1.5-1.8 (m, 4H, メチレン), 1.4 (t, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1738 cm-1 (C=O), 1528 (NO2), 1351 (NO2)。 EA: C13H16N14に対する理論値 C 40.59, H 4.19, N 3.64; 実測値 C 40.17, H 4.01, N 3.49。
【0024】
4−ペンテン酸クロリドの合成
100mlナスフラスコに、4−ペンテン酸3.76g(37.6mmol)、塩化チオニル4.00ml(55.6mmol)を入れ、窒素気流下で3.5時間還流した。蒸留(b.p.118℃)により精製し、無色の液体3.42g(28.9mmol)を得た。収率77%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ5.6-6.0 (m, 1H, メチン), 5.1 (dd, 2H,メチレン), 3.0 (t, 2H, メチレン), 2.5 (q, 2H, メチレン)。
【0025】
4−ペンテン酸1−(2−ニトロフェニル)エチル(一般式 (4) において R 1 =CH 3 n=4 )の合成(酸化クロリド経由)
窒素置換した100mlナスフラスコに1−(2−ニトロフェニル)エタノール3.30g(19.7mmol)、無水THF10ml、DMAP2.47g(20.2mmol)を入れた。これに4−ペンテン酸クロリド2.03g(20.3mmol)、無水THF15mlを氷浴中で滴下した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を確認しながら室温で7日間撹拌した。これをエバポレーターで濃縮し、水100mlを加え30分間撹拌し、酢酸エチル(100ml×5回)で抽出し、酢酸エチル相をエバポレーターで濃縮した。5%炭酸水素ナトリウム100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し黄色液体3.14g(12.6mmol)を得た。Rf=0.45、収率64%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.0 (m, 4H, アロマティック), 6.3 (q, 1H, メチン), 5.7-5.8 (m, 1H, メチン), 5.0 (dd, 2H, メチレン), 2.4-2.6 (m, 4H, メチレン), 1.6 (d, 3H, メチル)。
【0026】
5−(トリクロロシリル)ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルを用いたシリコンウェハの表面修飾
得られた5−(トリクロロシリル)−ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルの無水ベンゼン溶液に、シリコンウェハを投入し、窒素雰囲気下で還流(1時間)又は室温で振動撹拌(1時間)して、表面修飾を行った。得られた修飾ウェハをクロロホルムで10分間超音波洗浄し、超高圧水銀灯(500W)を光源としてパイレックスガラスフィルターを通して所定の時間光照射し表面をカルボキシル基に変換した。接触角計(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価した。
比較例として、5−(トリメトキシシリル)−ペンタン酸1−(2−ニトロフェニル)エチルを用い、同様にしてシリコンウェハの表面修飾を行った。反応時間と接触角との関係を図1に示す。
【0027】
アリル2−ニトロベンジルエーテル(一般式 (7) において R 1 =H n=3 )の合成
窒素置換したナスフラスコ中で60%水素化ナトリウム(50.0mmol)を無水ヘキサンで洗浄し油分を取り除いた。氷浴中、窒素気流下でアリルアルコールを滴下し、さらにアリルアルコールに溶解した2−ニトロベンジルブロミド(32.4mmol)の溶液を滴下し、室温で一晩撹拌した。アリルアルコールは合計で1860mmol用いた。エバポレーターで濃縮し、2規定の塩酸で洗浄し、クロロホルムで抽出し、クロロホルム相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。減圧蒸留により精製を行った。沸点72℃/0.2mmHg、収量21.2mmol、収率66%。
1HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, アロマティック), 5.9-6.0 (m, 1H, メチン), 5.2-5.4 (dd, 2H, メチレン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 4.1 (d, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2)。EA: C10H11N13に対する理論値 C 62.17, H 5.74, N 7.25; 実測値 C 61.63, H 5.63, N 7.27。
【0028】
5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテル(一般式 (7) において R 1 =H n=6 )の合成
5−ヘキセン−1−オール(138mmol)、2−ニトロベンジルブロミド(5.0mmol)、60%水素化ナトリウム(7.7mmol)を使用し、アリル2−ニトロベンジルエーテルの合成と同様の方法で、5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテルを合成した。なお、過剰なアルコールを減圧留去により取り除きシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)による精製を行った。Rf値0.46、収量3.2mmol、収率64%。
1HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, アロマティック), 5.8-5.9 (m, 1H, メチン), 5.0-5.1 (dd, 2H, メチレン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン), 2.1 (m, 2H, メチレン), 1.7 (m, 2H, メチレン), 1.5 (m, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2), 1112 (COC)。
【0029】
9−デセニル2−ニトロベンジルエーテル(一般式 (7) において R 1 =H n=10 )の合成
9−デセン−1−オール(861mmol)、2−ニトロベンジルブロミド(32.4mmol)、60%水素化ナトリウム(50.0mmol)を使用し、アリル2−ニトロベンジルエーテルの合成と同様の方法で、9−デセニル2−ニトロベンジルエーテルを合成した。なお、過剰なアルコールを減圧留去により取り除きシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)による精製を行った。Rf値0.42、収量11.2mmol、収率34%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, アロマティック), 5.7-5.9 (m, 1H, メチン), 5.0-5.1 (dd, 2H, メチレン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン), 1.5-2.1 (m, 14H, メチレン)。
【0030】
2−ニトロアセトフェノンのヒドラゾンの合成
J.W. Walkerらの方法に従って合成した。
200mlナスフラスコに2−ニトロアセトフェノン5.0g(30mmol)、ヒドラジン一水和物3.4g(69mmol)、氷酢酸2.0ml(35mmol)、エタノール60mlをいれ、3時間還流した。エバポレーターで濃縮し、水30mlを加えた後、クロロホルム(30ml×4)で抽出し、水(30ml×3)で洗浄した。クロロホルム相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターで濃縮し、減圧蒸留により黄色油状の2−ニトロアセトフェノンのヒドラゾン4.3g(24mmol)を得た。収率78%。
1HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.3-8.2 (m, 4H, アロマティック), 5.4及び4.8 (3.3:1, br, 2H, アミン), 2.2及び2.1(3.3:1, s, 3H, メチル)。IR (NaCl): 1525 cm-1 (NO2), 1349 (NO2)。
【0031】
1−(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンの合成
J.W. Walkerらの方法に従って合成した。
100mlナスフラスコに2−ニトロアセトフェノンのヒドラゾン0.73g(3.1mmol)、クロロホルム40mlをいれた。ドラフト内で二酸化マンガン2.2g(24mmol)をいれ、室温で15分間撹拌した。濾過し二酸化マンガンを取り除いた後、0.1M炭酸水素ナトリウム100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、0.08Mクロロホルム溶液として1−(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン約40ml(3.1mmol)を得た。濃度は、反応が100%進行していると仮定して計算した。単利はせず、溶液のまま次の反応に用いた。
【0032】
5−ヘキセニル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテル(一般式 (7) において R 1 =CH 3 n=6 )の合成
氷浴中で500mlナスフラスコに5−ヘキセン−1−オール4.00g(40.0mmol)と70%過塩素酸を触媒量(10滴)加え撹拌した。1−(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン(30.3mmol)の0.2Mクロロホルム溶液150mlを滴下し、室温で一晩撹拌した。エバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)により精製し、真空乾燥して5−ヘキシル1−(2−ニトロフェニル)エチルエーテルを得た。収量3.51g(14.1mmol)、収率47%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ7.6-7.9 (m, 4H, アロマティック), 5.6-5.8 (m, 1H, メチン), 4.9 (dd, 2H, メチレン) , 4.9 (q, 1H, メチン), 3.3 (t, 2H, メチレン), 2.0 (q, 2H, メチレン), 1.5 (d, 3H, メチル), 1.2-1.7 (m, 4H, メチレン)。
【0033】
2−ニトロベンジル3−(トリクロロシリル)プロピルエーテル(一般式 (1ET) において R 1 =H R 2 =SiCl 3 n=3 )の合成
窒素置換した10mlナスフラスコにアリル2−ニトロベンジルエーテル(8.9mmol)を入れ、トリクロロシラン(9.8mmol)、極少量のH2PtCl6・6H2Oを入れた。窒素気流下、室温で15〜30分間撹拌し、その後80〜100℃で加熱撹拌した。減圧蒸留を行い精製した。沸点108℃/0.15mmHg、収量4.3mmol、収率49%。
1HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, アロマティック), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン) , 2.0 (m, 2H, メチレン) , 1.6 (t, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1527 cm-1 (NO2), 1343 (NO2)。 EA: C10H12N13Si1Cl1に対する理論値 C 36.55, H 3.68, N 4.26; 実測値 C 36.15, H 3.81, N 3.84。
【0034】
2−ニトロベンジル6−(トリクロロシリル)ヘキシルエーテル(一般式 (1ET) において R 1 =H R 2 =SiCl 3 n=6 )の合成
5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテル(5.9mmol)とトリクロロシラン(7.1mmol)を使用して、2−ニトロベンジル3−(トリクロロシリル)プロピルエーテルの合成と同様の方法により2−ニトロベンジル6−(トリクロロシリル)ヘキシルエーテルを合成した。沸点145〜150℃/0.2mmHg、収量3.6mmol、収率65%。
1HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, アロマティック), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン), 1.4-1.7 (m, 10H, メチレン)。IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2)。 EA: C13H18N13Si1Cl3に対する理論値 C 42.12, H 5.65, N 3.75; 実測値 C 42.82, H 5.65, N 3.75。
【0035】
2−ニトロベンズアルデヒドのヒドラゾン(化合物 (9) )の合成
J.W.Walker, G.P.Reid, J.A.McCray and D.R.Trentham, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170 (1988)に報告された方法、及び J.F.Wooton and D.R.Trentham, "Photochemical Probes in Biochemistry", ed. P.E.Nielsen, Kluwer Academic Publishers, p.277 (1989)に報告された方法を参考にして合成した。300mlナスフラスコに2−ニトロベンズアルデヒド12.1g(80.1mmol)、ヒドラジン一水和物8ml(156mmol)、エタノール160mlを入れ3時間還流した。エバポレーターで濃縮し、水100mlを加えた後、クロロホルム(100ml×4)で抽出し、クロロホルム相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、エバポレーターで濃縮し、クロロホルム−ヘキサンから再結晶して黄色結晶の2−ニトロベンズアルデヒドのヒドラゾン10.5g(63.6mmol)を得た。収率79%。
1HNMR (90 MHz, CDCl3/TMS): δ8.3 (s, 1H, メチン), 7.4-8.1(m, 4H, アロマティック), 5.9 (br, 2H, アミン)。
【0036】
(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン(化合物 (10) )の合成
J.W.Walker, G.P.Reid, J.A.McCray and D.R.Trentham, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170 (1988)に報告された方法を参考にして合成した。500mlナスフラスコに2−ニトロベンズアルデヒドのヒドラゾン7.00g(42.4mmol)、無水塩化メチレンを205mlを入れた。ドラフト内で二酸化マンガンを27.8g(281mmol)を入れ、室温で10分間撹拌した。濾過し二酸化マンガンを除いた後、0.1M炭酸水素ナトリウム200mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して0.2M塩化メチレン溶液として(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン約205ml(42.4mmol)を得た。濃度は、反応が100%進行していると仮定して計算した。単離はせず、溶液のまま次の反応に用いた。
【0037】
(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンを用いた5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテル(一般式 (7ET) において R 1 =H n=6 )の合成
氷浴中で1000mlナスフラスコに5−ヘキセン−1−オール(55.5mmol)と70%過塩素酸を触媒量(18滴)加え撹拌した。(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン(42.4mmol)の0.1〜0.2Mクロロホルム溶液を滴下し、室温で一晩撹拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、塩化メチレンで抽出し、塩化メチレン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、エバポレーターで濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)により精製し、真空乾燥して5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテルを得た。Rf0.42、収量15.3mmol、収率36%。
1HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, アロマティック), 5.8-5.9 (m, 1H, メチン), 5.0 (dd, 2H, メチレン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン), 2.1 (m, 2H, メチレン), 1.7 (m, 2H, メチレン), 1.5 (m, 2H, メチレン)。 IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2), 1112 (COC)。 EA: C13H17N13に対する理論値 C 66.36, H 7.28, N 5.95; 実測値 C 66.16, H 7.35, N 5.78。
【0038】
(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンを用いた9−デセニル2−ニトロベンジルエーテル(一般式 (7ET) において R 1 =H n=10 )の合成
9−デセン−1−オール(24.6mmol)、70%過塩素酸2滴、(2−ニトロフェニル)ジアゾメタン(12.5mmol)を使用し、(2−ニトロフェニル)ジアゾメタンを用いた5−ヘキセニル2−ニトロベンジルエーテルの合成と同様な方法を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)により精製し、真空乾燥して9−デセニル2−ニトロベンジルエーテルを合成した。Rf0.42、収量1.8mmol、収率15%。
1HNMR (400 MHz, CDCl3/TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, アロマティック), 5.7-5.9 (m, 1H, メチン), 4.9-5.0 (dd, 2H, メチレン), 4.9 (s, 2H, メチレン), 3.6 (t, 2H, メチレン), 2.0-2.1 (m, 2H, メチレン), 1.6-1.7 (m, 2H, メチレン), 1.3-1.4 (m, 10H, メチレン)。 IR (NaCl): 1527 cm-1 (NO2), 1343 (NO2)。 EA: C17H25N13に対する理論値 C 70.07, H 8.65, N 4.81; 実測値 C 69.02, H 8.58, N 4.57。
【0039】
2−ニトロベンジル3−(トリクロロシリル)プロピルエーテルを用いたシリコンウェハの表面修飾
得られた2−ニトロベンジル3−(トリクロロシリル)プロピルエーテルの無水ベンゼン溶液に、シリコンウェハを投入し、窒素雰囲気下で還流(1時間)又は室温で振動撹拌(30分間)して、表面修飾を行った。得られた修飾ウェハをクロロホルムで10分間超音波洗浄し、超高圧水銀灯(500W)を光源としてパイレックスガラスフィルターを通して所定の時間光照射し表面をカルボキシル基に変換した。接触角計(協和界面科学社製CA−A)を用い、液滴法(静的接触角)、JIS R3257:99に基づき、それぞれのウェハの接触角を測定し、表面状態の変化を評価した。
比較例として、2−ニトロベンジル3−(トリメトキシシリル)プロピルエーテルを用い、同様にしてシリコンウェハの表面修飾を行った。反応時間と接触角との関係を図2に示す。
【0040】
【発明の効果】
ヒドロキシル基と反応する反応部として末端にクロロジメチル基又はジクロロメチル基又はトリクロロ基を有し、他の末端にo−ニトロベンジルオキシ基又はメチレンの一つの水素が置換されたo−ニトロベンジルオキシ基を有する化合物であるシランカップリング剤を用いると、光照射により、材料表面にカルボキシル基又はヒドロキシル基を導入でき、当該表面を親水化できる。当該シランカップリング剤が、クロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を有することにより、従来のトリメトキシシリル基を有するカップリング剤と比較して、照射時間の短縮、材料表面への付着条件も緩和される。また、クロロジメチルシリル基、ジクロロメチルシリル基、トリクロロシリル基とクロロ基の数の異なるカップリング剤を選択することにより、材料表面に付着できる面積をコントロールすることができる。さらに、光照射された部分だけを親水化できる。例えば、シリコンウェハのような平面上の基板には、マスクをかけて光照射すれば、特定の部位だけを親水化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トリクロロシリル基を有するエステル型シランカップリング剤(I)(正方形でプロット)とトリメトキシシリル基を有するエステル型シランカップリング剤(i)(菱形でプロット)を用いてシリコンウェハの表面修飾を行った一例であり、室温(中抜きでプロット)と還流(中黒でプロット)条件下での反応時間と接触角との関係を示すグラフである。
【図2】トリクロロシリル基を有するエーテル型シランカップリング剤(II)(正方形でプロット)とトリメトキシシリル基を有するエーテル型シランカップリング剤(ii)(菱形でプロット)を用いてシリコンウェハの表面修飾を行った一例であり、室温(中抜きでプロット)と還流(中黒でプロット)条件下での反応時間と接触角との関係を示すグラフである。
【図3】エステル型シランカップリング剤(I)(菱形でプロット)とエーテル型シランカップリング剤(II)(正方形でプロット)を用いて表面修飾を行ったシリコンウェハについて、光照射時間と接触角との関係を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, an o-nitrobenzyloxy group having a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group or a trichlorosilyl group at the terminal and an o-nitrobenzyloxy group or one hydrogen of methylene substituted at the other terminal. The present invention relates to a compound that can be used as a silane coupling agent or the like.
[0002]
[Prior art]
A silane coupling agent having a carboxyl group or a hydroxyl group has not been known because a chlorine group or a methoxy group bonded to silicon reacts with a carboxyl group or a hydroxyl group. Recently, the present inventors have used, as silane coupling agents, compounds represented by the following formulas that are o-nitrobenzyl ester derivatives having a trimethoxysilyl group (Yamaguchi et al., Chem. Lett., 228-229, ( 2000)), and o-nitrobenzyl ether having a trimethoxysilyl group (Yamaguchi et al., Polym. Prep. Jpn., 48, 2247-2248, (1999)). Announced.
[Chemical formula 2]
Figure 0004644339
(In the above formula, when G is COO, m = 4, and when G is O, m = 3.)
In this compound, the trimethoxysilyl group reacts with a hydroxyl group existing on the surface of silica gel or the like, and adheres to the surface. Thereafter, when irradiated with light, the ester bond with the o-nitrobenzyl alcohol derivative is broken to leave a carboxyl group on the surface, or the ether bond is broken to leave a hydroxyl group on the surface. As a result, a carboxyl group or a hydroxyl group can be introduced on the surface of silica gel or the like.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The o-nitrobenzyl ester derivative having a trimethoxysilyl group or the o-nitrobenzyl ether having a trimethoxysilyl group has a problem in its reactivity as a silane coupling agent, and a bonding reaction with a hydroxyl group on the surface of the material, It takes a considerable time to finally introduce carboxyl groups and hydroxyl groups on the material surface by ester decomposition or ether decomposition by light irradiation. Then, an object of this invention is to provide the silane coupling agent which can introduce | transduce a carboxyl group and a hydroxyl group to the material surface stably in a short time.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, an o-nitrobenzyloxy group having a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group or a trichlorosilyl group at the terminal and an o-nitrobenzyloxy group or one hydrogen of methylene substituted at the other terminal. There is provided a method for producing a material having a carboxyl group or a hydroxyl group on the surface of the material, characterized in that a compound having the hydroxyl group is reacted with a material having a hydroxyl group and irradiated with light.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, an o-nitrobenzyloxy group having a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group or a trichlorosilyl group at the terminal and an o-nitrobenzyloxy group or one hydrogen of methylene substituted at the other terminal. A compound having is provided. The term “end” means about one end, and is not limited to the end of the main chain, and may be the end of a side chain, or may be a branched part of the chain, and is present in two or more and widely understood. Is. Preferred examples of the compound having an o-nitrobenzyloxy group include ether compounds and ester compounds.
The present invention preferably provides a compound represented by the following general formula (1).
[Chemical 3]
Figure 0004644339
(In the above formula, G represents O or COO, R1Represents a hydrogen atom or an alkyl group, R2Represents a chlorodimethylsilyl group or a trichlorosilyl group, and n represents an integer of 3 or more. )
In the compound of the general formula (1), R1Represents a hydrogen atom or a linear or branched alkyl group, preferably a hydrogen atom or a methyl group, and particularly preferably an ester compound (1ES) which is a methyl group and an ether compound (1ET ) Is a hydrogen atom in terms of synthesis. R1Although there is no particular limitation, vacuum distillation becomes difficult when the number of carbon atoms increases, and it becomes necessary to use other separation methods. In this case, since the compound of the general formula (1) has a property of being easily hydrolyzed, a device for avoiding hydrolysis is required. R1It should be noted that when the value is large, the steric repulsion between molecules increases when coupled to the material surface.
R2Represents a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group or a trichlorosilyl group.
n represents an integer greater than or equal to 3, Preferably it is 3-15, More preferably, it is an integer of 3-10. n is not particularly limited, but when n increases, R1As in the case of, problems such as difficult vacuum distillation occur.
[0006]
As the ester compound (1ES) of the general formula (1), particularly preferred is 5- (chlorodimethylsilyl) pentanoic acid 1- (2-nitrophenyl) ethyl, 5- (dichloromethylsilyl) pentanoic acid 1- (2 -Nitrophenyl) ethyl, 5- (trichlorosilyl) pentanoic acid 1- (2-nitrophenyl) ethyl, 11- (chlorodimethylsilyl) undecanoic acid 1- (2-nitrophenyl) ethyl, 11- (dichloromethylsilyl) 1- (2-nitrophenyl) ethyl undecanoate, 1- (2-nitrophenyl) ethyl 11- (trichlorosilyl) undecanoate, o-nitrobenzyl 5- (chlorodimethylsilyl) pentanoate, 5- (dichloromethylsilyl) ) O-nitrobenzyl pentanoate, o-nitrobenzyl 5- (trichlorosilyl) pentanoate 11- (chlorodimethylsilyl) undecanoic acid o- nitrobenzyl, 11- (dichloromethyl silyl) undecanoic acid o- nitrobenzyl, 11 include (trichlorosilyl) undecanoic acid o- nitrobenzyl.
As the ether compound (1ET) of the general formula (1), 3- (chlorodimethylsilyl) propyl 1- (2-nitrophenyl) ethyl ether, 3- (dichloromethylsilyl) propyl 1- (2- Nitrophenyl) ethyl ether, 3- (trichlorosilyl) propyl 1- (2-nitrophenyl) ethyl ether, 6- (chlorodimethylsilyl) hexyl 1- (2-nitrophenyl) ethyl ether, 6- (dichloromethylsilyl) Hexyl 1- (2-nitrophenyl) ethyl ether, 6- (trichlorosilyl) hexyl 1- (2-nitrophenyl) ethyl ether, 3- (chlorodimethylsilyl) propyl o-nitrobenzyl ether, 3- (dichloromethylsilyl) ) Propyl o-nitrobenzyl ether, 3- (trichloro) Ryl) propyl o-nitrobenzyl ether, 6- (chlorodimethylsilyl) hexyl o-nitrobenzyl ether, 6- (dichloromethylsilyl) hexyl o-nitrobenzyl ether, 6- (trichlorosilyl) hexyl o-nitrobenzyl ether Can be mentioned.
[0007]
An example of a method for producing the ester compound (1ES) of the general formula (1) is shown below.
[Formula 4]
Figure 0004644339
[0008]
The ester compound (1ES) of the general formula (1) is produced by reacting, for example, a carboxylic acid (2) having a double bond with an o-nitrobenzyl alcohol derivative (3) to form an ester (4). Bonds to platinum (IV) chloride hexahydrate (H2PtCl6・ 6H2It can be obtained by reacting O) as a catalyst with chlorodimethylsilane, dichloromethylsilane or trichlorosilane. The formation of the ester is, for example, WSC · HCl (WSC is an abbreviation for water-soluble carbodiimide), and examples of WSC · HCl include 1-ethyl-3- (3-dimethylaminopropyl) -carbodiimide hydrochloride. ) And DMAP (4-dimethylaminopyridine). In addition, ester (4) is obtained by converting carboxylic acid (2) having a double bond to thionyl chloride (SOCl2) And the like, and can be obtained by reacting with o-nitrobenzyl alcohol derivative (3) in the presence of a tertiary amine such as DMAP.
o-Nitrobenzyl alcohol is commercially available, and a derivative in which methylene hydrogen is substituted with an alkyl group can be synthesized by a known method such as reduction of the corresponding ketone with sodium borohydride.
The manufacturing method of the ester compound (1ES) of General formula (1) is not restricted to this, A well-known method can be utilized.
[0009]
An example of a method for producing the ether compound (1ET) of the general formula (1) is shown below.
[Chemical formula 5]
Figure 0004644339
[0010]
The ether compound (1ET) of the general formula (1) is obtained by using, for example, Williamson's ether synthesis method, an alcohol (5) having a double bond, and a substituted or unsubstituted o-nitrobenzyl halide (for example, bromide) (6 ) To form ether (7), and the double bond is converted to platinum (IV) chloride hexahydrate (H2PtCl6・ 6H2It can be obtained by reacting O) as a catalyst with chlorodimethylsilane, dichloromethylsilane or trichlorosilane. Unsubstituted o-nitrobenzyl halide is commercially available, and substituted o-nitrobenzyl halide can be synthesized, for example, from a corresponding alcohol by known halogenation (for example, bromination).
[0011]
The ether (7) used in the synthesis of the formula (1ET) is obtained by reacting o-nitrobenzaldehyde or alkyl o-nitrophenyl ketone (8) with hydrazine and oxidizing with manganese dioxide to obtain a diazo compound (10). It can also be obtained by reacting with an alcohol (5) having a double bond in the presence of
[Chemical 6]
Figure 0004644339
[0012]
The manufacturing method of the ether compound (1ET) of General formula (1) is not restricted to these, A well-known method can be utilized.
[0013]
The material having a hydroxyl group is not particularly limited as long as a reactive hydroxyl group is present, but glass, silica (SiO 22), Alumina (Al2OThree), Talc, clay, aluminum, iron, mica, asbestos, titanium oxide, iron oxide, etc., preferably glass, silica, alumina, talc, clay, aluminum, iron, mica, particularly preferably glass, silica Alumina. For details, please refer to the “Handbook of Surface Treatment Technology”, etc. The shape of these materials is not particularly limited, and may be a powdery material such as silica powder or a plate-like material such as a silicon wafer.
[0014]
Taking a silicon wafer as an example of a material having a hydroxyl group, the compound of the general formula (1) adheres by reacting with a hydroxyl group on the surface of the silicon wafer as shown below, and becomes a carboxylic acid or alcohol by UV irradiation. Converted.
[Chemical 7]
Figure 0004644339
[0015]
In the compound of the general formula (1), M—O—Si bonds (M represents a material) are formed on the surface of a material having a hydroxyl group due to the reactivity of a chlorine atom having a bond with silicon. The means for attaching the silane coupling agent to the material surface is not particularly limited, and is the same as the surface treatment with a normal silane coupling agent. For example, when the material is a powder, the compound of the general formula (1) is dissolved in a solvent such as benzene and sprayed on a stirred powdery silica surface or the like, and silica or the like is placed in the solution for treatment. The method is used. When the material has a certain shape such as a silicon wafer, the silicon wafer or the like is put into a solution in which the compound of the general formula (1) is dissolved in a solvent such as benzene, and the mixture is refluxed or shaken at room temperature. Alternatively, surface modification can be performed by thinly applying the solution to the material surface.
[0016]
The compound of the general formula (1) adhering to the material surface has its ester bond broken by UV irradiation to cause a carboxyl group to exist on the material surface, or its ether bond to break a hydroxyl group to exist on the material surface. It becomes. This can be performed by irradiating the powder dispersed in a solvent such as ethanol with UV or directly irradiating the silicon wafer surface with UV. If the reaction (surface modification) on the surface of the material and light irradiation are carried out simultaneously, the carboxyl group and hydroxyl group generated by the light irradiation react with the silyl group, which is inconvenient.
For UV irradiation, a normal method is used. For example, an ultrahigh pressure mercury lamp (USH-500 or the like) is used as a light source, and a wavelength of 300 nm or less is cut with a Pyrex glass filter and irradiated for 5 to 60 minutes. .
The disappearance of the substituted or unsubstituted o-nitrobenzyl group from the surface of the material by UV irradiation uses FT-IR, XPS or the like, and o-nitrobenzyl ester derivatives or o-nitrobenzyl ether derivatives having a trimethoxysilyl group. This is confirmed from the fact that the same result as that obtained when light was irradiated was obtained. For details, see Yamaguchi et al., Chem. Lett., 228-229, (2000) and Polym. Prep. Jpn., 48, 2247-2248, (1999)).
[0017]
The compound of the general formula (1) is characterized by having a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group, or a trichlorosilyl group as a reaction part that reacts with a hydroxyl group on the material surface. The compound of the general formula (1) is compared with a silane coupling agent that is exactly the same except that it has a trimethoxysilyl group as a reaction part with the surface hydroxyl group.
FIG. 1 shows an ester-type silane coupling agent having 1- (2-nitrophenyl) ethyl 5- (trichlorosilyl) pentanoate (R in general formula (1ES)).1= CHThree, R2= SiClThree, N = 4) sample (I) (plotted in squares) and sample (i) using 5- (trimethoxysilyl) pentanoic acid 1- (2-nitrophenyl) ethyl (plotted in diamonds) Treatment time (reaction time) for a sample that was vibrated and stirred at room temperature (plotted in the middle) and a sample that was treated at reflux (plotted in the middle black) for adhesion to the silicon wafer surfaceAnd itsThe contact angle of the sample surface is plotted. In the sample (I) having a trichlorosilyl group, a silicon wafer subjected to surface modification for 20 minutes at room temperature is a silicon wafer subjected to surface modification for 1 hour under reflux conditions.Same asGive different contact angles. In the case of a trichlorosilyl group, the contact angle does not change even when the reaction is carried out for 1 hour or more under reflux conditions (not shown), so it is considered that the reaction was completed within 20 minutes even at room temperature. On the other hand, in the sample (i) having a trimethoxysilyl group, an effect equivalent to 1 hour under reflux conditions was not obtained even by surface modification at room temperature for 60 minutes.
FIG. 2 shows 2-nitrobenzyl 3- (trichlorosilyl) propyl ether (R in general formula (1ET) as an ether type silane coupling agent.1= H, R2= SiClThreeN = 3) sample (II) (square plot) and 2-nitrobenzyl 3- (trimethoxysilyl) propyl ether sample (ii) (diamond plot) on the silicon wafer surface Treatment time (reaction time) for samples that were vibrated and stirred at room temperature (plotted in the middle) and samples treated at reflux (plotted in the middle black)And itsThe contact angle of the sample surface is plotted. The ether type coupling agent shows the same result as the ester type in FIG.
As can be seen from FIG. 1 and FIG. 2, the trichlorosilyl group exhibits excellent reactivity and has the same effect as reflux even at room temperature. Surprisingly, the chloro in the trichlorosilyl group is completely nitro. Does not inhibit photolysis of the benzyl group. These are remarkable effects as a coupling agent of the compound of the present invention.
[0018]
FIG. 3 shows an ester-type silane coupling agent having 1- (2-nitrophenyl) ethyl 5- (trichlorosilyl) pentanoate (R in general formula (1ES)).1= CHThree, R2= SiClThree, N = 4) and 2-nitrobenzyl 3- (trichlorosilyl) propyl ether (R in general formula (1ET) as ether type silane coupling agent)1= H, R2= SiClThree, N = 3) is a graph showing the relationship between the light irradiation time and the contact angle for a silicon wafer surface-modified with sample (II) (plotted in squares). It can be seen that the ester type and the ether type also show similar behavior with respect to the time of light irradiation.
[0019]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention in detail, this invention is not limited to this.
1- (2-Nitrophenyl) ethanol (general formula (3) In R 1 = CH Three ) Synthesis
To a 500 ml eggplant flask, 15.0 g (91.0 mmol) of 2-nitroacetophenone and 250 ml of methanol were added, and 10.4 g (274 mmol) of sodium borohydride was added little by little while stirring in an ice bath. The mixture was stirred as it was in an ice bath for 30 minutes and then at room temperature for 2 hours. This was concentrated with an evaporator, 200 ml of water was added and stirred for 30 minutes, followed by extraction with chloroform (200 ml × 5). The chloroform phase was dried over anhydrous magnesium sulfate, concentrated with an evaporator, and distilled under reduced pressure (90 ° C./0 0.5 mmHg) yielded 13.9 g (83.2 mmol) of a yellow viscous liquid. Yield 91%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.3-7.9 (m, 4H, aromatic), 5.4 (m, 1H, methine), 2.4 (d, 1H, hydroxyl), 1.6 (d, 3H, methyl). IR (NaCl): 3375 cm-1 (OH), 1524 (NO2), 1349 (NO2).
[0020]
1- (2-Nitrophenyl) ethyl 4-pentenoate (general formula (Four) In R 1 = CH Three , n = 4 ) Synthesis
1- (2-nitrophenyl) ethanol 11.8 g (70.4 mmol), 4-pentenoic acid 7.74 g (77.3 mmol), DMAP 9.40 g (76.9 mmol), anhydrous THF 10 ml were added to a nitrogen-substituted 100 ml eggplant flask. This was added dropwise to a mixed solution of 14.8 g (76.9 mmol) of WSC · HCl and 100 ml of anhydrous THF in an ice bath under a nitrogen stream. The reaction was confirmed by thin layer chromatography (TLC) and stirred at room temperature for 2 days. This was concentrated with an evaporator, 100 ml of water and 20 ml of 2N hydrochloric acid were added and stirred, extracted with hexane (200 ml × 5), and the hexane phase was concentrated with an evaporator. To this, 100 ml of water and 100 ml of 5% sodium hydrogen carbonate were added and stirred, followed by extraction with ethyl acetate (200 ml × 3), and the ethyl acetate phase was dried over anhydrous magnesium sulfate. This was concentrated with an evaporator and vacuum-dried for 2 hours with a hot water bath (˜50 ° C.) to obtain 16.4 g (65.9 mmol) of a yellow oily liquid. Yield 94%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.3-8.0 (m, 4H, aromatic), 6.3 (q, 1H, methine), 5.7-5.9 (m, 1H, methine), 4.9-5.1 (dd, 2H, methylene), 2.4 (s, 4H, methylene), 1.6 (d, 3H, methyl). IR (NaCl): 1737 cm-1 (C = O), 1527 (NO2), 1351 (NO2). EA (elemental analysis): C16Htwenty fiveN1O7Theoretical values for C 62.24, H 6.07, N 5.62; found C 62.60, H 6.15, N 5.42.
[0021]
1- (2-nitrophenyl) ethyl 10-undecenoate (general formula (Four) In R 1 = CH Three , n = 10 ) Synthesis
Into a nitrogen-substituted 100 ml eggplant flask, 10.0 g (49.4 mmol) of 10-undecenoic acid chloride and 20 ml of anhydrous THF were added, and 8.01 g (47.9 mmol) of 1- (2-nitrophenyl) ethanol and 6.05 g of DMAP ( 49.5 mmol) and anhydrous THF 40 ml were added dropwise in an ice bath under a nitrogen stream. The mixture was stirred in an ice bath for 1 hour and at room temperature for 21 hours, and it was confirmed by TLC that the 1- (2-nitrophenyl) ethanol spot disappeared. This was concentrated with an evaporator, 90 ml of water and 10 ml of 2N hydrochloric acid were added and stirred, extracted with hexane (100 ml × 3), and the hexane phase was concentrated with an evaporator. To this, 50 ml of water and 50 ml of 5% sodium hydrogen carbonate were added and stirred, followed by extraction with hexane (100 ml × 3). After drying over anhydrous magnesium sulfate, the mixture was concentrated with an evaporator and vacuum dried for 2 hours with a hot water bath (˜50 ° C.) to obtain 15.5 g (46.5 mmol) of a yellow oily liquid. Yield 97%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.3-8.0 (m, 4H, aromatic), 6.3 (q, 1H, methine), 5.6-6.0 (m, 1H, methine), 4.9-5.1 (dd, 2H, methylene), 2.3 (t, 2H, methylene), 2.0 (m, 2H, methylene), 1.6 (d, 3H, methyl), 1.6 (m, 2H, methylene), 1.4 (m, 2H, methylene), 1.3 (s, 8H, Methylene). IR (NaCl): 1739 cm-1 (C = O), 1528 (NO2), 1351 (NO2).
[0022]
1- (2-Nitrophenyl) ethyl 5- (chlorodimethylsilyl) pentanoate (general formula (1ES) In R 1 = CH Three , R 2 = Si (CH Three)2 Cl, n = 4 ) Synthesis
A nitrogen-substituted 10 ml eggplant flask was charged with 2.03 g (8.14 mmol) of 1- (2-nitrophenyl) ethyl 4-pentenoate, 1.24 g (13.1 mmol) of chlorodimethylsilane and a very small amount of H.2PtCl6・ 6H2O was added and stirred for 2 hours under a nitrogen stream. Thereafter, the residue was purified by distillation under reduced pressure. Boiling point 156-170 [deg.] C./0.25 mmHg, yield 2.22 g (6.46 mmol), yield 79%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.0 (m, 4H, aromatic), 6.3 (q, 1H, methine), 2.3 (t, 2H, methylene), 1.6 (d, 3H, methyl), 1.2-1.5 (m , 4H, methylene), 0.9 (t, 2H, methylene), 0.4 (s, 6H, methyl). IR (NaCl): 1738 cm-1 (C = O), 1528 (NO2), 1350 (NO2). EA: C15Htwenty twoN1OFourFor C 52.39, H 6.45, N 4.07; found C 52.09, H 6.43, N 3.94.
[0023]
Synthesis of 1- (2-nitrophenyl) ethyl 5- (trichlorosilyl) pentanoate (general formula (1ES) In R 1 = CH Three , R 2 = SiCl Three , n = 4)
A nitrogen-substituted 10 ml eggplant flask was charged with 2.60 g (10.4 mmol) of 1- (2-nitrophenyl) ethyl 4-pentenoate, 1.71 g (12.6 mmol) of trichlorosilane and a very small amount of H.2PtCl6・ 6H2O was added and stirred for 1 hour under a nitrogen stream. Thereafter, the residue was purified by distillation under reduced pressure. Boiling point 140-165 [deg.] C./0.3 mmHg, yield 3.41 g (8.27 mmol), yield 79%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.0 (m, 4H, aromatic), 6.3 (q, 1H, methine), 2.4 (t, 2H, methylene), 1.6 (d, 3H, methyl), 1.5-1.8 (m , 4H, methylene), 1.4 (t, 2H, methylene). IR (NaCl): 1738 cm-1 (C = O), 1528 (NO2), 1351 (NO2). EA: C13H16N1OFourTheoretical values for C 40.59, H 4.19, N 3.64; found C 40.17, H 4.01, N 3.49.
[0024]
Synthesis of 4-pentenoic acid chloride
A 100 ml eggplant flask was charged with 3.76 g (37.6 mmol) of 4-pentenoic acid and 4.00 ml (55.6 mmol) of thionyl chloride and refluxed under a nitrogen stream for 3.5 hours. Purification by distillation (b.p. 118 ° C.) gave 3.42 g (28.9 mmol) of a colorless liquid. Yield 77%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ5.6-6.0 (m, 1H, methine), 5.1 (dd, 2H, methylene), 3.0 (t, 2H, methylene), 2.5 (q, 2H, methylene).
[0025]
1- (2-Nitrophenyl) ethyl 4-pentenoate (general formula (Four) In R 1 = CH Three , n = 4 ) (Through oxidized chloride)
To a 100-ml eggplant flask purged with nitrogen was added 3.30 g (19.7 mmol) of 1- (2-nitrophenyl) ethanol, 10 ml of anhydrous THF, and 2.47 g (20.2 mmol) of DMAP. To this, 2.03 g (20.3 mmol) of 4-pentenoic acid chloride and 15 ml of anhydrous THF were added dropwise in an ice bath. The mixture was stirred for 7 days at room temperature while confirming the reaction by thin layer chromatography (TLC). This was concentrated with an evaporator, 100 ml of water was added and stirred for 30 minutes, extracted with ethyl acetate (100 ml × 5 times), and the ethyl acetate phase was concentrated with an evaporator. The extract was washed with 100 ml of 5% sodium hydrogen carbonate, dried over anhydrous magnesium sulfate, concentrated and purified by silica gel chromatography (hexane: ethyl acetate = 6: 1) to obtain 3.14 g (12.6 mmol) of a yellow liquid. Rf= 0.45, yield 64%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.3-8.0 (m, 4H, aromatic), 6.3 (q, 1H, methine), 5.7-5.8 (m, 1H, methine), 5.0 (dd, 2H, methylene), 2.4-2.6 (m, 4H, methylene), 1.6 (d, 3H, methyl).
[0026]
Surface modification of silicon wafer with 1- (2-nitrophenyl) ethyl 5- (trichlorosilyl) pentanoate
A silicon wafer was put into an anhydrous benzene solution of 1- (2-nitrophenyl) ethyl 5- (trichlorosilyl) -pentanoate thus obtained, and refluxed (1 hour) under a nitrogen atmosphere or shaken at room temperature (1 hour). And surface modification was performed. The obtained modified wafer was ultrasonically cleaned with chloroform for 10 minutes, and irradiated with light through a Pyrex glass filter for a predetermined time using an ultrahigh pressure mercury lamp (500 W) as a light source to convert the surface into carboxyl groups. Using a contact angle meter (CA-A manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd.), the contact angle of each wafer was measured based on the droplet method (static contact angle) and JIS R3257: 99, and the change in the surface state was evaluated. .
As a comparative example, 5- (trimethoxysilyl) -pentanoic acid 1- (2-nitrophenyl) ethyl was used, and the surface modification of the silicon wafer was performed in the same manner. The relationship between reaction time and contact angle is shown in FIG.
[0027]
Allyl 2-nitrobenzyl ether (general formula (7) In R 1 = H , n = 3 ) Synthesis
In an eggplant flask purged with nitrogen, 60% sodium hydride (50.0 mmol) was washed with anhydrous hexane to remove oil. In an ice bath, allyl alcohol was added dropwise under a stream of nitrogen, and a solution of 2-nitrobenzyl bromide (32.4 mmol) dissolved in allyl alcohol was added dropwise and stirred overnight at room temperature. A total of 1860 mmol of allyl alcohol was used. The mixture was concentrated with an evaporator, washed with 2N hydrochloric acid, extracted with chloroform, and the chloroform phase was dried over anhydrous magnesium sulfate and concentrated. Purification was performed by distillation under reduced pressure. Boiling point 72 ° C./0.2 mmHg, yield 21.2 mmol, yield 66%.
1HNMR (400 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 5.9-6.0 (m, 1H, methine), 5.2-5.4 (dd, 2H, methylene), 4.9 (s, 2H, methylene), 4.1 (d, 2H, methylene). IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2). EA: CTenH11N1OThreeTheoretical values for C 62.17, H 5.74, N 7.25; found C 61.63, H 5.63, N 7.27.
[0028]
5-hexenyl 2-nitrobenzyl ether (general formula (7) In R 1 = H , n = 6 ) Synthesis
Using 5-hexen-1-ol (138 mmol), 2-nitrobenzyl bromide (5.0 mmol), 60% sodium hydride (7.7 mmol) in the same manner as the synthesis of allyl 2-nitrobenzyl ether, 5-hexenyl 2-nitrobenzyl ether was synthesized. Excess alcohol was removed by distillation under reduced pressure, and purification by silica gel chromatography (hexane: ethyl acetate = 10: 1) was performed. RfValue 0.46, yield 3.2 mmol, yield 64%.
1HNMR (400 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 5.8-5.9 (m, 1H, methine), 5.0-5.1 (dd, 2H, methylene), 4.9 (s, 2H, methylene), 3.6 (t, 2H, methylene), 2.1 (m, 2H, methylene), 1.7 (m, 2H, methylene), 1.5 (m, 2H, methylene). IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2), 1112 (COC).
[0029]
9-decenyl 2-nitrobenzyl ether (general formula (7) In R 1 = H , n = 10 ) Synthesis
Using 9-decen-1-ol (861 mmol), 2-nitrobenzyl bromide (32.4 mmol), 60% sodium hydride (50.0 mmol), in a manner similar to the synthesis of allyl 2-nitrobenzyl ether, 9-decenyl 2-nitrobenzyl ether was synthesized. Excess alcohol was removed by distillation under reduced pressure, and purification by silica gel chromatography (hexane: ethyl acetate = 8: 2) was performed. RfValue 0.42, yield 11.2 mmol, yield 34%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 5.7-5.9 (m, 1H, methine), 5.0-5.1 (dd, 2H, methylene), 4.9 (s, 2H, methylene), 3.6 (t, 2H, methylene), 1.5-2.1 (m, 14H, methylene).
[0030]
Synthesis of 2-nitroacetophenone hydrazone
Synthesized according to the method of J.W. Walker et al.
A 200 ml eggplant-shaped flask was charged with 5.0 g (30 mmol) of 2-nitroacetophenone, 3.4 g (69 mmol) of hydrazine monohydrate, 2.0 ml (35 mmol) of glacial acetic acid, and 60 ml of ethanol and refluxed for 3 hours. After concentrating with an evaporator and adding 30 ml of water, the mixture was extracted with chloroform (30 ml × 4) and washed with water (30 ml × 3). The chloroform phase was dried over anhydrous magnesium sulfate, concentrated by an evaporator, and distilled under reduced pressure to obtain yellow oily 2-nitroacetophenone hydrazone 4.3 g (24 mmol). Yield 78%.
1HNMR (400 MHz, CDClThree/ TMS): δ 7.3-8.2 (m, 4H, aromatic), 5.4 and 4.8 (3.3: 1, br, 2H, amine), 2.2 and 2.1 (3.3: 1, s, 3H, methyl). IR (NaCl): 1525 cm-1 (NO2), 1349 (NO2).
[0031]
Synthesis of 1- (2-nitrophenyl) diazomethane
Synthesized according to the method of J.W. Walker et al.
A 100 ml eggplant flask was charged with 0.73 g (3.1 mmol) of hydrazone of 2-nitroacetophenone and 40 ml of chloroform. In a fume hood, manganese dioxide (2.2 g, 24 mmol) was added and stirred at room temperature for 15 minutes. After filtering and removing manganese dioxide, it was washed with 100 ml of 0.1M sodium hydrogen carbonate, dried over anhydrous magnesium sulfate, and about 40 ml (3.1 mmol) of 1- (2-nitrophenyl) diazomethane as a 0.08M chloroform solution. Got. The concentration was calculated assuming that the reaction was 100% progressing. The solution was used as it was in the next reaction.
[0032]
5-hexenyl 1- (2-nitrophenyl) ethyl ether (general formula (7) In R 1 = CH Three , n = 6 ) Synthesis
In a 500 ml eggplant flask in an ice bath, 4.00 g (40.0 mmol) of 5-hexen-1-ol and 70% perchloric acid (10 drops) were added and stirred. 150 ml of a 0.2M chloroform solution of 1- (2-nitrophenyl) diazomethane (30.3 mmol) was added dropwise and stirred overnight at room temperature. After concentration by an evaporator, the residue was purified by a silica gel column (hexane: ethyl acetate = 8: 1) and dried in vacuo to obtain 5-hexyl 1- (2-nitrophenyl) ethyl ether. Yield 3.51 g (14.1 mmol), yield 47%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.6-7.9 (m, 4H, aromatic), 5.6-5.8 (m, 1H, methine), 4.9 (dd, 2H, methylene), 4.9 (q, 1H, methine), 3.3 (t , 2H, methylene), 2.0 (q, 2H, methylene), 1.5 (d, 3H, methyl), 1.2-1.7 (m, 4H, methylene).
[0033]
2-Nitrobenzyl 3- (trichlorosilyl) propyl ether (general formula (1ET) In R 1 = H , R 2 = SiCl Three , n = 3 ) Synthesis
Allyl 2-nitrobenzyl ether (8.9 mmol) was placed in a nitrogen-substituted 10 ml eggplant flask, trichlorosilane (9.8 mmol), a very small amount of H2PtCl6・ 6H2Put O. The mixture was stirred at room temperature for 15 to 30 minutes under a nitrogen stream, and then heated and stirred at 80 to 100 ° C. Purified by distillation under reduced pressure. Boiling point 108 ° C./0.15 mmHg, yield 4.3 mmol, yield 49%.
1HNMR (400 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 4.9 (s, 2H, methylene), 3.6 (t, 2H, methylene), 2.0 (m, 2H, methylene), 1.6 (t, 2H , Methylene). IR (NaCl): 1527 cm-1 (NO2), 1343 (NO2). EA: CTenH12N1OThreeSi1Cl1Theoretical values for C 36.55, H 3.68, N 4.26; found C 36.15, H 3.81, N 3.84.
[0034]
2-Nitrobenzyl 6- (trichlorosilyl) hexyl ether (general formula (1ET) In R 1 = H , R 2 = SiCl Three , n = 6 ) Synthesis
Using a method similar to the synthesis of 2-nitrobenzyl 3- (trichlorosilyl) propyl ether using 5-hexenyl 2-nitrobenzyl ether (5.9 mmol) and trichlorosilane (7.1 mmol), 2-nitrobenzyl 6 -(Trichlorosilyl) hexyl ether was synthesized. Boiling point 145-150 ° C./0.2 mmHg, yield 3.6 mmol, yield 65%.
1HNMR (400 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 4.9 (s, 2H, methylene), 3.6 (t, 2H, methylene), 1.4-1.7 (m, 10H, methylene). IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2). EA: C13H18N1OThreeSi1ClThreeTheoretical value for C 42.12, H 5.65, N 3.75; found C 42.82, H 5.65, N 3.75.
[0035]
2-Nitrobenzaldehyde hydrazone (compound (9) ) Synthesis
JWWalker, GPReid, JAMcCray and DRTrentham, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170 (1988), and JFWooton and DRTrentham, "Photochemical Probes in Biochemistry", ed. PE The synthesis was performed with reference to the method reported in Nielsen, Kluwer Academic Publishers, p.277 (1989). A 300 ml eggplant flask was charged with 12.1 g (80.1 mmol) of 2-nitrobenzaldehyde, 8 ml (156 mmol) of hydrazine monohydrate and 160 ml of ethanol, and refluxed for 3 hours. Concentrate with an evaporator, add 100 ml of water, extract with chloroform (100 ml × 4), dry the chloroform phase with anhydrous magnesium sulfate, concentrate with an evaporator, recrystallize from chloroform-hexane to form yellow crystals. 10.5 g (63.6 mmol) of 2-nitrobenzaldehyde hydrazone was obtained. Yield 79%.
1HNMR (90 MHz, CDClThree/ TMS): δ8.3 (s, 1H, methine), 7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 5.9 (br, 2H, amine).
[0036]
(2-Nitrophenyl) diazomethane (compound (Ten) ) Synthesis
Synthesis was carried out with reference to the method reported in J.W.Walker, G.P.Reid, J.A.McCray and D.R.Trentham, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170 (1988). In a 500 ml eggplant flask, 7.00 g (42.4 mmol) of 2-nitrobenzaldehyde hydrazone and 205 ml of anhydrous methylene chloride were placed. 27.8 g (281 mmol) of manganese dioxide was placed in a fume hood and stirred at room temperature for 10 minutes. After filtering to remove manganese dioxide, it was washed with 200 ml of 0.1 M sodium bicarbonate and dried over anhydrous magnesium sulfate to obtain about 205 ml (42.4 mmol) of (2-nitrophenyl) diazomethane as a 0.2 M methylene chloride solution. It was. The concentration was calculated assuming that the reaction was 100% progressing. It was not isolated and used in the next reaction as a solution.
[0037]
5-Hexenyl 2-nitrobenzyl ether (general formula) using (2-nitrophenyl) diazomethane (7ET) In R 1 = H , n = 6 ) Synthesis
In an ice bath, a catalytic amount (18 drops) of 5-hexen-1-ol (55.5 mmol) and 70% perchloric acid was added to a 1000 ml eggplant flask and stirred. A 0.1-0.2M chloroform solution of (2-nitrophenyl) diazomethane (42.4 mmol) was added dropwise and stirred overnight at room temperature. The extract was washed with an aqueous sodium hydrogen carbonate solution and extracted with methylene chloride. The methylene chloride phase was dried over anhydrous magnesium sulfate and then concentrated with an evaporator. Purification by silica gel column chromatography (hexane: ethyl acetate = 8: 1) and vacuum drying gave 5-hexenyl 2-nitrobenzyl ether. Rf0.42, yield 15.3 mmol, yield 36%.
1HNMR (400 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 5.8-5.9 (m, 1H, methine), 5.0 (dd, 2H, methylene), 4.9 (s, 2H, methylene), 3.6 (t , 2H, methylene), 2.1 (m, 2H, methylene), 1.7 (m, 2H, methylene), 1.5 (m, 2H, methylene). IR (NaCl): 1526 cm-1 (NO2), 1344 (NO2), 1112 (COC). EA: C13H17N1OThreeTheoretical values for C 66.36, H 7.28, N 5.95; found C 66.16, H 7.35, N 5.78.
[0038]
9-decenyl 2-nitrobenzyl ether (general formula) using (2-nitrophenyl) diazomethane (7ET) In R 1 = H , n = 10 ) Synthesis
5-hexenyl using (2-nitrophenyl) diazomethane, using 9-decen-1-ol (24.6 mmol), 2 drops of 70% perchloric acid, (2-nitrophenyl) diazomethane (12.5 mmol) A method similar to the synthesis of 2-nitrobenzyl ether was performed, and the residue was purified by silica gel column chromatography (hexane: ethyl acetate = 8: 2) and dried in vacuo to synthesize 9-decenyl 2-nitrobenzyl ether. Rf0.42, yield 1.8 mmol, yield 15%.
1HNMR (400 MHz, CDClThree/ TMS): δ7.4-8.1 (m, 4H, aromatic), 5.7-5.9 (m, 1H, methine), 4.9-5.0 (dd, 2H, methylene), 4.9 (s, 2H, methylene), 3.6 (t, 2H, methylene), 2.0-2.1 (m, 2H, methylene), 1.6-1.7 (m, 2H, methylene), 1.3-1.4 (m, 10H, methylene). IR (NaCl): 1527 cm-1 (NO2), 1343 (NO2). EA: C17Htwenty fiveN1OThreeTheoretical values for C 70.07, H 8.65, N 4.81; found C 69.02, H 8.58, N 4.57.
[0039]
Surface modification of silicon wafer using 2-nitrobenzyl 3- (trichlorosilyl) propyl ether
Surface modification by putting a silicon wafer into the anhydrous benzene solution of 2-nitrobenzyl 3- (trichlorosilyl) propyl ether obtained and refluxing (1 hour) or shaking and stirring (30 minutes) at room temperature under a nitrogen atmosphere. Went. The obtained modified wafer was ultrasonically cleaned with chloroform for 10 minutes, and irradiated with light through a Pyrex glass filter for a predetermined time using an ultrahigh pressure mercury lamp (500 W) as a light source to convert the surface into carboxyl groups. Using a contact angle meter (CA-A manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd.), the contact angle of each wafer was measured based on the droplet method (static contact angle) and JIS R3257: 99, and the change in the surface state was evaluated. .
As a comparative example, 2-nitrobenzyl 3- (trimethoxysilyl) propyl ether was used, and the surface modification of the silicon wafer was performed in the same manner. The relationship between reaction time and contact angle is shown in FIG.
[0040]
【The invention's effect】
An o-nitrobenzyloxy group having a chlorodimethyl group, a dichloromethyl group or a trichloro group at the end as a reaction part that reacts with a hydroxyl group, and an o-nitrobenzyloxy group or one hydrogen of methylene substituted at the other end When a silane coupling agent, which is a compound having the above, is used, a carboxyl group or a hydroxyl group can be introduced into the material surface by light irradiation, and the surface can be hydrophilized. When the silane coupling agent has a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group, or a trichlorosilyl group, compared with a conventional coupling agent having a trimethoxysilyl group, the irradiation time is shortened and the surface of the material is reduced. Adhesion conditions are also eased. Further, by selecting a coupling agent having a different number of chlorodimethylsilyl groups, dichloromethylsilyl groups, trichlorosilyl groups and chloro groups, the area that can be attached to the material surface can be controlled. Furthermore, only the part irradiated with light can be made hydrophilic. For example, if a substrate on a plane such as a silicon wafer is irradiated with light through a mask, only a specific part can be made hydrophilic.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS FIG. 1 shows a silicon wafer using an ester type silane coupling agent (I) having a trichlorosilyl group (plotted by squares) and an ester type silane coupling agent having a trimethoxysilyl group (i) (plotted by diamonds). It is an example which surface-modified and is a graph which shows the relationship between the reaction time and contact angle on room temperature (plotted in the middle) and reflux (plotted in the middle black) conditions.
FIG. 2 shows an example of silicon wafer using an ether type silane coupling agent (II) having a trichlorosilyl group (plotted in squares) and an ether type silane coupling agent (ii) having a trimethoxysilyl group (plotted in rhombuses). It is an example which surface-modified and is a graph which shows the relationship between the reaction time and contact angle on room temperature (plotted in the middle) and reflux (plotted in the middle black) conditions.
FIG. 3 shows the irradiation time and contact of silicon wafers surface-modified with an ester type silane coupling agent (I) (plotted with diamonds) and an ether type silane coupling agent (II) (plotted with squares). It is a graph which shows the relationship with a corner.

Claims (2)

末端にクロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を有し、他の末端にo−ニトロベンジルオキシ基又はメチレンの一つの水素が置換された、下記一般式(1)
Figure 0004644339
(上式中、GはO又はCOOを表し、Rは水素原子又は直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、Rはクロロジメチルシリル基又はジクロロメチルシリル基又はトリクロロシリル基を表し、nは3以上の整数を表す。)
で表されるo−ニトロベンジルオキシ基を有する化合物。
The following general formula (1) , which has a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group or a trichlorosilyl group at the terminal and an o-nitrobenzyloxy group or one hydrogen of methylene substituted at the other terminal
Figure 0004644339
(In the above formula, G represents O or COO, R 1 represents a hydrogen atom or a linear or branched alkyl group, R 2 represents a chlorodimethylsilyl group, a dichloromethylsilyl group or a trichlorosilyl group, n represents an integer of 3 or more.)
The compound which has o-nitrobenzyloxy group represented by these .
請求項1に記載の化合物とヒドロキシル基を有する材料を反応させ、光照射することを特徴する材料表面にカルボキシル基又はヒドロキシル基を有する材料の製造方法。A method for producing a material having a carboxyl group or a hydroxyl group on the material surface, wherein the compound according to claim 1 is reacted with a material having a hydroxyl group and irradiated with light.
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