JP4643016B2 - 燃焼ガスからの水の生成 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、低塩、低TOC及び低ガス水、特に高い品質の水の生成に関する。
【0002】
世界の多くの国では、飲用水が不足している。これは、乾燥した地域や、飲用水の入念な生成や輸送のための基盤が不十分な地域で顕著な問題である。
【0003】
よって、できるだけ経済的に飲用水を取り扱うことと、できるだけ良好な可能な飲用水供給源を利用することが、一般に重要である。
【0004】
現在最も利用されている飲用水供給源は、浄化後に、飲用水として使用可能な地下水、源泉及び地表水である。場合によっては、雨水も利用される。
【0005】
本発明の目的は、今まで利用されてこなかった供給源から水を生成する方法を提供することである。ボイラー供給用水として、或いは他の技術的用途に直接使うことのできる高い純度の水を供給するという試みがここでなされる。この使用のために飲用水の通常の供給源の必要性は、ここではもはやない。
【0006】
投資やエネルギー消費に関する努力、及び他の努力が最小限であるような装置を提供する試みがさらになされる。
【0007】
化学エネルギーを力学的エネルギーに変換する装置内に放出された水含有ガスから水を生成するための生成装置はEP公開0192893より公知となっており、この生成装置は、
少なくともある程度は水分子の通過を許し、実質的には他の分子の通過を妨げるように適応させた少なくとも一つの膜と、
膜の第1の側面に沿って水蒸気を含むガスを導くための手段と、
膜の第2の側面上で放出された水を排出するために、膜の第2の側面上に配置された排出手段とから成っている。
【0008】
この先行技術刊行物は、内燃機関を有する変換装置に関する。そのような装置は、定置及び可動両方の燃焼エンジンの形で多数使われている。そのようなモータの排気ガスから水を取出すために、重くて嵩張る補助機器が必要とされる。よって、膜の第2の側面上に十分に低い圧力を維持するために、真空ポンプを使用しなければならず、膜の第2の側面上を十分に低い温度にするためにコンデンサを使用しなければならない。
【0009】
これらは、高価で重く、又嵩張る装置であり、必ず生成された水の貯蔵のための設備を設けなければならないときに、車輛に搭載するにはほとんど可能性がない。これはすでに、決して得られた水の収量に比例していない。これらの欠点は、また定置エンジンとも関連している。
【0010】
本発明の目的は、これらの欠点が生じない状態でのそのような生成装置の用途を提供することである。
【0011】
この目的は、
化学エネルギーを力学的エネルギーに変換するための変換装置が、外燃機関を有する変換装置によって形成され、
排出手段が、外燃機関を有する変換装置と連結する補助機器によって少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする、生成装置によって成し遂げられる。
【0012】
これらの手段は、外燃機関を有する化学エネルギーから力学的エネルギーのための変換装置に必要とされる補助機器の使用を可能にする。外燃機関は、補助媒体がエネルギーキャリアとして進行するカルノーサイクルを提案する。カルノーサイクルでの進行は、コンデンサの存在を要求する。ポンプは、コンデンサを低圧におくために通常存在する。
【0013】
本発明による方法は、これらの装置を効果的に使用することが可能であるので、これらのそれ自体が嵩張る装置を、離れて配置しなければならないことはない。
【0014】
そこで、今まで使用してこなかった高い品質の水の供給源、即ちエネルギー変換装置の排気ガスのような水蒸気含有ガスを使うことが可能である。現在提案される使用法において供給される水は、ボイラー供給用水或いは、他の産業用用途のための水として使用されることを注目すべきである。これは、本発明による装置によって到達できる高い純度の水によるものである。飲用水に通常存在する物質の添加後、或いは当該物資を通す膜を使うことによって、飲用水としてその水を利用することが考えられる。
【0015】
第1の実施態様では、変換装置は発電設備の一部を形成する。
【0016】
ここでは、早い速度の水含有ガス流れを有する非常に大きな大きさの変換装置がある。さらに、補助機器は対応する大きさなので、本発明による水生成装置の流れにより加えられる負荷は、補助機器の大きさに全く、或いはほとんど影響を及ぼさない。改良せずにこの補助機器を使うことさえ通常可能であるので、現存の発電設備に、そのような水生成装置を配列するのは簡単なことである。
【0017】
発電設備によって生じる非常に大量の燃焼ガスのため、水の供給源としてこの燃焼ガスを使うことは非常に興味のあることである。先に述べたように、これは大きな助けになる。
【0018】
別の実施態様により、補助機器は、コンデンサを含み、排出手段が補助機器と連結するコンデンサによって少なくとも部分的に形成されている。
【0019】
さらに別の実施態様では、コンデンサは、周囲圧力より低い圧力をコンデンサ内に維持するためにポンプと接続される。
【0020】
これらの手段はまた、既に存在する構成要素の効果的な使用をもたらす。
【0021】
別の好ましい実施態様では、膜は、蒸気の形で水分子が通過するためだけに好適である。これは膜の排出側面上で、蒸気相にあった水のみが利用可能となり、水に溶解しているか存在する物質を排除する。
【0022】
さらに別の好ましい実施態様では、膜は、幾つかのシリンダー表面形状ユニットに形成され、各シリンダー表面の軸は相互に平行に伸びており、シリンダーの少なくとも一端は、排出手段の一部を形成する収集タンクに接続される。
【0023】
本発明の大規模の適用において、もちろん目的は十分な水の排出をなすことであるが、膜は、できるだけ大きな表面領域を有しなければならないことは明らかであろう。先に述べた手段で、大きな表面領域の膜が、相対的に小さく、大きさはまだ決定されることになっている容積の範囲内で実現することができることが見出されている。どんな場合においても、これは、膜の性質、厚さ、水が抽出されるガスの流速、圧力、温度等に左右される。
【0024】
平板状、螺旋状等の別の形状の膜を使用することも原理上可能である。
【0025】
好ましい実施態様により、シリンダー表面形状ユニットは、膜の中空状のチューブやファイバー、又はキャピラリーから実質的に作られる。
【0026】
膜材料をチューブやファイバーにする最初の工程は、とりわけ先に述べた構造を作るのを可能にすることである。
【0027】
別の好ましい実施態様では、実質的にシリンダー表面形状ユニットは、実質的に垂直に伸びている燃焼ガスダクト内で、垂直軸に沿って配置されることを教示している。
【0028】
先に述べた形状の利点が、ここで組み合わされる。
【0029】
さらにこれに対して、シリンダー表面の軸を水平状に折りたたむことも可能である。
【0030】
生成装置が、水と共に稼動する燃焼ガス脱硫化装置を有する燃焼プラントの燃焼ガス排出ダクト内に適用されるとき、その装置は好ましくは燃焼ガス脱硫化装置の下流側に配置されるのが好ましい。
【0031】
燃焼ガス脱硫化装置は、一般に大量の水と共に運転され、その一部が水蒸気と飽和している燃焼ガス中に残り、大気中に放出される。そこで、本発明による装置を、燃焼ガス脱硫化装置に注入した水の回収を可能にするためにもまた、燃焼ガス脱硫化装置の下流側に配置することは重要である。
【0032】
収集タンク内を水の露点より下の温度に維持するために冷却方法が適用されることもまた可能である。
【0033】
別の対策は、膜の第2の側面上に低い温度を維持する手段が、膜の第2の側面上に放出された熱を効果的に利用するために適用されることを教示している。発電設備の効率は、ここでは僅かに改良することができる。
【0034】
さらなる効率改良が、燃焼ガス中の水含有量を減らす点で可能である。濃縮発生の危険性もまた減少する。これによって、濃縮防止のために、煙突に燃焼ガスが達する前のそのガスを付加加熱する必要性が減少する。
【0035】
発電設備は、水を生成するだけでなく、ボイラー供給用水として相当な量の水を消費する。ボイラー供給用水は、より大きな部分がコンデンサから来るので、循環が得られる。しかし、その循環は完全に閉じてないので、水損失が生じる。この水損失は、本発明による装置によって簡単に補填することができる。これによって、ボイラー構成水は高品質でなければならず、前処理した飲用水或いは源泉、地下水或いは地表水が通常使用されるので、飲用水のかなりの節約が得られる。
【0036】
本発明は、ここで添付している図に関して、さらに説明する。
【0037】
図1は、拡径部分2を有することを示した燃焼ガスダクト1を図示する。3でその全部を示した本発明による装置は、拡大部分2内に配列される。拡大部分2は、装置3の配列にもかかわらず、十分な通過領域を維持する。
【0038】
さらに、非拡径燃焼ガスダクトにこの装置を配置することも可能である。これは、その装置が存在する煙突内に配置される場合が特に当てはまる。
【0039】
現案の装置は、マニフォールド5から垂直方向に吊るされた膜材料製の幾つかのパイプ4によって形成される。ホースは、タンク8に接続されるマニフォールド5の内側に、ホースの上側が接続される。ホースの下側は、締付けリング6又は他の接続手段によって、タンク8にまた接続されるマニフォールド7に接続される。マニフォールド5,7は、一次元のものしか示していないが、一般に二次元の形をとることが明らかであろう。
【0040】
バルブ10に設けられた排出パイプ9に、タンク8は接続される。さらに、発電設備にすでにある冷却装置11と、タンク8に伸びる冷却スパイラル12を利用し、タンク8は真空ポンプ13に接続させる。
【0041】
この装置の動作を今から述べる。
【0042】
燃焼ガスがダクト1を通りぬけるにつれて、燃焼ガス内にある水蒸気が膜を通り抜けてホース4に受け入れられる。その後、ホース4の内部に入り、続いてマニフォールド7を流れてタンク8に入る。タンクは、バルプ10によって、必要に応じて排出する。
【0043】
膜の通過量を高めるために真空ポンプ13が利用され、タンク8内部の真空度を減らし、それによってまた水の分圧を減らす。
【0044】
タンク8の内容物を冷却するために、冷却装置11を利用する。これはまた、膜壁の通過量を改良する。
【0045】
上記実施態様による冷却器は、化学エネルギーを力学的エネルギーに変換する装置のコンデンサによって形成される。他の構成要素もまた、発電設備の通常の基盤の一部を形成することができる。
【0046】
この可能性はさらに、循環ガスの流れを作り出す選択を提供し、それによって、ホース内の蒸気圧は、より低いレベルによりたやすく維持することができる。この循環ガスの流れにおいて、例えば形成されるものとして、必ずしも必要でないが、窒素によってスウィープガス"sweep gas" を利用することができる。フラッシングガスは、膜の後側の水分子濃度を減少させ、それによって、水分子の通過量が高まる。
【0047】
さらに、チューブ状或いはパイプ状形状とは別の形の膜を使用することも可能である。例えば、実質的に平面の膜を置くことが可能である。排気ガスの流れは、できるだけ接触時間を長くするために、平面に沿って平行に導かれるのが好ましい。膜は、さらにできるだけ表面面積を大きくするために、リブや折り曲げを有していても良い。多数の別の膜形状もまた、考えることができる。
【0048】
本発明の有利な点は、生成装置が発電設備に一体化されたときに特に明白である。
【0049】
発電設備は、ボイラーと、燃焼ガスのためにそれに接続されている排気ダクトとから成る。膜は、任意の燃焼ガス脱硫化装置と共に、煙突を含むこの排気ダクトの内部に置かれる。膜は、本発明に好適な全ての考えられる組合わせ及び膜の形状を意味することが理解されよう。
【0050】
さらにボイラーは、カルノーサイクルを実行するための回路に組入れられ、回路は、タービン、コンデンサ及びポンプを有する。ポンプは、コンデンサ内部を十分に低い圧力に維持するために配置される。そのような回路は、一般に発電設備通用させる。本発明によると、コンデンサ及び真空ポンプを利用することが有利である。これらの双方の要素は、膜の出口側に望ましい状態を維持するために使われる。代わりに、ポンプ等のような発電設備にすでにある別の要素を利用することもまた可能である。
【0051】
また、この提案を改良することによって、多数の別の可能性が存在する。例えば、燃焼ガスダクトの周囲に沿って、シリンダー表面形状体をリング状に配置することである。
【0052】
発電設備で使われるような冷却タワーに、別の応用分野がある。発電設備の冷却回路から来る水は、表面水に供給される前にここで冷却される。このため、冷却用の水が噴霧される。この噴霧水のかなりの部分が蒸発する。蒸発エネルギーは、残った水から発生し、その水は冷たい。
【0053】
水蒸気は冷却タワー内で発生し、大気中に出ていく。これは、さらに効果的な使用で通常失われる水のかなりの量である。
【0054】
冷却タワー内に、本発明による装置を配置することによって、蒸発水の少なくともかなりの部分を回収し、効果的な目的のために使用することができる。
【0055】
ここでの問題は、本発明による装置を使って、エネルギーを使わずに利用できるようになる莫大な量の水である。これと反対に、もちろん、本発明のために必要な投資がある。
【0056】
問題の適用例において、燃焼ガスダクトの場合に使われるような形状を、非常に大きな直径ではあるが利用することができる。また、別の形状に利用することも可能である。
【0057】
膜の働きを高める状態を作り出すために、コンデンサや真空ポンプのような発電設備の基盤にある構成要素をここで用いることができる。
【0058】
加えて、前述の原理の応用も、より小さなスケールで、例えば住宅でも可能であると思われる。例えば、水の少ない温暖な国々では、エネルギーの分散発生を利用することもここでは可能である。通常、エネルギー変換が必要である空気調節システムを利用する。暖房システムもまた、本発明によるそのような装置の効果的な利用を作り出す。
【0059】
本発明は先に述べた応用に制限されるものではなく、別に、例えば、化学産業及び加工産業での利用もまた可能である。外燃機関を有する変換装置の存在と水含有ガスの流れの存在が重要なのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明による実施態様が適用される燃焼ガスダクトの概略図である。

Claims (6)

  1. 少なくともある程度は水分子の通過を許し、実質的には他の分子の通過を妨げるように適応させた少なくとも一つの膜と、
    上記膜の第1の側面に沿って水含有ガスを導くための手段と、
    上記膜の第2の側面上で放出された水を排出するために、上記膜の上記第2の側面上に配置された排出手段と、
    から成る生成装置の使用方法であって、
    該生成装置は化学エネルギーを力学的エネルギーに変換する外燃機関を有する変換装置から放出された水含有ガスから水を生成するために使用され、
    上記変換装置がコンデンサと周囲圧力よりも低いコンデンサの内圧を維持するためのポンプからなり
    記排出手段を上記コンデンサと上記ポンプから構成する水含有ガスから水を生成する生成装置の使用方法。
  2. 上記生成装置が発電設備によって放出される水含有ガスから水を生成するために使用されることを特徴とする請求項1記載の使用方法。
  3. 上記膜が、蒸気の形で水分子を通過させるためだけに好適であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の使用方法。
  4. 水と共に稼動する燃焼ガス脱硫化装置が、水含有ガスを導くための手段内に配置され、上記生成装置が、燃焼ガス脱硫化装置の下流側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の使用方法。
  5. 上記燃焼ガス脱硫化装置が、発電設備の冷却タワー内に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の使用方法。
  6. 上記生成装置が、冷却タワーにある噴霧装置の真上に配置されることを特徴とする請求項5記載の使用方法。
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