JP4642483B2 - 折畳式携帯無線装置 - Google Patents
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Description
ところで、上記した従来の内蔵型アンテナでは、上部筐体101と下部筐体102が開かれた開状態のときにダイポールアンテナとして動作するため、主偏波は筐体の長手方向と平行になる。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る折畳式携帯無線機を示すものであり、この折畳式携帯無線機は、第1筐体(以下、「上部筐体」とよぶ)1と第2筐体(以下、「下部筐体」とよぶ)2とがヒンジ部3で連結された構造になっており、ヒンジ部3の回転軸を中心に回動することにより、開いた状態(以下、「開状態」とよぶ)と閉じた状態(以下、「閉状態」とよぶ)になる。
このうち、操作部21は、本実施形態の折畳式携帯無線機とユーザとのインターフェースであり、プッシュボタンで構成した複数の操作キーを備えており、通話状態の際にユーザ(人体)の頬に近接する下側内面2Aに配置されている。また、この下部筐体2には、一般に、この通話状態においてユーザ(人体)の頬に近接する下側内面2Aには、送話部25の音孔が設けられている。
即ち、金属フレーム12のヒンジ部3寄りの筐体幅方向に対する一方の端側には、「第1ヒンジ部」を構成する軸受部31が金属フレーム12と一体で設けられている。軸受部31の中心には、下部筐体2に設けた「第2ヒンジ部」を構成する軸部33が挿通する孔が設けられており、軸受部31と軸部33とはネジ33Aによって回動自在に連結される。ここで、軸部33は、軸受部31に設けた前述の孔の内部で、少なくとも軸の一部が接触するため、電気的に接続されており、その結果、金属フレーム12と軸部33とは軸受部31を介して電気的に接続されている。
また、金属フレーム12のヒンジ3寄りの筐体幅方向に対する他方の端側にも、軸受部32が金属フレーム12と一体で設けられている。この軸受部32の中心には軸部34が挿通する孔が設けられており、軸受部32と軸部34とはネジ34Aによって回動自在に連結される。また、軸部34は、軸受部32に設けられた孔の内部で少なくとも軸の一部が接触するため、電気的に接続されており、その結果、金属フレーム12と軸部34とは軸受部32を介して電気的に接続されている。
上記のように構成された折畳式携帯無線機において、金属フレーム12と軸受部31と軸部33と板金4とが長さ約135mm(L1+L2:L1=90mm、L2=45mm)の「上側アンテナ素子」として動作する。そして、整合回路10が、この上側アンテナ素子のインピーダンスを無線回路22Bの入力インピーダンス(一般には50Ω)に整合する機能を果たす。また、グランドパターン22Cは、長さ約90mmの「下側アンテナ素子」を構成する。即ち、上側アンテナ素子と下側アンテナ素子とは、筐体が開いた開状態のときには、ダイポールアンテナとして動作し、特に板金4の筐体幅(X)方向に対し平行な部分にアンテナ電流が強く流れるため、主偏波が筐体幅方向に傾いたダイポールアンテナとして動作する。なお、板金4において筐体幅(X)方向に対し平行に配置されている部分と、軸部33、金属フレーム12及びグランドパターン22Cとの距離は、それぞれ、極力離す(例えば2mm以上)ことがアンテナ性能上望ましい。
このようにアンテナが構成された折畳式携帯無線機では、主偏波が筐体幅(X)方向に傾くため、図1に示すような通話状態(筐体が開いた開状態)においては、基地局アンテナの主偏波である垂直偏波を送受信し易くなり、通話状態において高いアンテナ性能が得られる。
このように、本実施形態の折畳式携帯無線機では、従来のダイポールアンテナとは異なり、通話状態において高いアンテナ性能を得ることができる。
また、本実施形態では、軸部33と軸部34とを筐体幅方向の両端に配置したヒンジ構造としているが、これに限るものではない。例えば、上部筐体1と下部筐体2とが回動可能であり、金属フレーム12と電気的に接続できるような構造を有する導電性の金属で構成されたヒンジ構造であれば、特にヒンジ金具の数には関係がなく通話状態において高いアンテナ性能を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図4は本発明の第2の実施形態に係る折畳式携帯無線機を示すものであり、本実施形態の折畳式携帯無線機は、第1の実施形態の板金4の替わりに、板金5を「給電用素子」として用いている。即ち、本実施形態の折畳式携帯無線機では、「第1ヒンジ給電部」を構成する板金5及び軸部33が、取付ネジ51で電気的に接続されている点と、「第2ヒンジ給電部」を構成する板金5及び軸部34が、取付ネジ52で電気的に接続されている点と、軸部34には必ず導電性の金属を用いる点が、図1、図2に示す第1の実施形態の折畳式携帯無線機と相異する。
軸部33,34には、「給電用板金」を構成する導電性の板金5が重ねて配置されている。軸部33,34と板金5とは、それぞれ取付ネジ51,52により、同時に下部筐体2に固定されており、取付ネジ51,52の締付力によって電気的に接続される。
上記のように構成された折畳式携帯無線機において、金属フレーム12と、軸受部31,32及び軸部33,34と、板金5とが「上側アンテナ素子」として動作し、この上側アンテナ素子のインピーダンスを無線回路22Bの入力インピーダンス(一般には50Ω)に整合する機能を整合回路22Aが果たす。
また、グランドパターン22Cを「下側アンテナ素子」とする。すなわち、本実施形態の折畳式携帯無線機では、筐体が開状態の場合、下側アンテナ素子から上側アンテナ素子までは、筐体幅(Y)方向の両端に分配して給電するダイポールアンテナとして動作し、アンテナ電流の一部が板金5の筐体幅方向に対し平行な部分に流れるため、主偏波が筐体幅方向に傾いたダイポールアンテナとして動作する。また、通話状態(筐体が開状態)のときに、下部筐体2を、図5(A)に示すように右手22で把持した場合でも、或いは同図(B)に示すように左手23で把持した場合でも、板金5のいずれか一方の端が手や指から離れるため、手や指の近接による放射抵抗の低下を招き難いダイポールアンテナとして動作する。なお、板金5の筐体幅方向に対し平行に配置されている部分と、軸部33,34、金属フレーム12或いはグランドパターン22Cとの間の距離は極力離す(例えば2mm以上)ことがアンテナ性能上望ましい。
なお、本実施形態の折畳式携帯無線機では、アンテナ素子として金属フレーム12を用いているがこれに限るものではない。例えば、上部筐体1に取り付けられた適宜の板金をアンテナ素子として軸部33,34に電気的に接続してもよく、また、上部筐体1内に配置された回路基板上のグランドパターンをアンテナ素子として軸部33,34に電気的に接続しても、通話状態において高いアンテナ性能を得ることができる。このようにアンテナ素子として適宜の板金やグランドパターンを用いる場合には、金属フレーム12は、導電性の金属である必要はなく、例えば非導電性の材質である樹脂などであってもよい。
なお、本実施形態の折畳式携帯無線機では、軸部33と軸部34とを筐体幅方向の両端に配置したヒンジ構造としているが、これに限るものではない。即ち、上部筐体1と下部筐体2とが回動可能であり、かつ、金属フレーム12の両端に電気的に接続できるような構造を有する導電性の金属で構成されたヒンジ構造であれば、ヒンジ金具の数に関係がなく、通話状態において高いアンテナ性能を得ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図6に示す本発明の第3の実施形態に係る折畳式携帯無線機は、給電用素子として、板金4及び板金5の替わりに板金6を用いている点と、上部筐体1と下部筐体2の開閉状態を検出する開閉状態検出手段7としてホール素子71及び永久磁石72を用いている点と、開閉状態の検出結果に基づき、板金6と軸部34の電気的な接続又は未接続を切替える切替え手段である第1高周波スイッチ81と、同様に開閉状態の検出結果に基づき、板金6と軸部33の電気的な接続又は未接続を切り替える切替え手段である第2高周波スイッチ82とを備えている点が、第1、第2の実施形態に係る折畳式携帯無線機と相異する。
本実施形態でも、金属フレーム12と軸部33,34と板金6とは、前述したように、上側アンテナ素子として動作する。また、整合回路22Aは、この上側アンテナ素子のインピーダンスを無線回路22Bの入力インピーダンス(一般には50Ω)に整合する機能を果たす。一方、グランドパターン13は、下側アンテナ素子として動作する。
従って、筐体を開いたときに、下側アンテナ素子から上側アンテナ素子までは、筐体幅方向の両端に分配して給電するダイポールアンテナとして動作し、アンテナ電流の一部が板金6の筐体幅方向に対し平行な部分に流れるため、主偏波が筐体幅方向に傾いたダイポールアンテナとして動作する。
ここで、ホール素子71は、近傍に磁界がある場合に、第2高周波スイッチ82が板金6と軸部33とを絶縁するよう構成するとともに、第1高周波スイッチ81が板金6と軸部34とを絶縁するよう構成すると、筐体を閉じた状態のときには、板金6は整合回路22Aに接続されたモノポールアンテナ素子として動作する。そして、このモノポールアンテナ素子のインピーダンスを無線回路22Bの入力インピーダンス(一般には50Ω)に整合する機能を整合回路22Aが果たす。なお、このモノポールアンテナ素子として動作する板金6の長さは、使用する電波のλ/4波長以上(2GHzの場合で37.5mm)であることがアンテナ性能上望ましい。
なお、本実施形態の折畳式携帯無線機では、軸部33を筐体幅方向に対する一方の端部に配置し、軸部34を他方の端部に配置し、かつ、端子23を他方の端部に配置しているため、板金6が筐体幅方向全体に亙って配置されているが、これに限るものではない。即ち、少なくとも筐体幅方向に対する中央部である中心線Aよりも一方側に偏って軸部33を配置するとともに、他方側に偏って軸部34と端子23を配置し、かつ、板金6が筐体幅方向の全体長の30%以上に亙って配置されれば、従来のダイポールアンテナと比較して、通話状態において高いアンテナ性能を得ることができる。
なお、本実施形態の折畳式携帯無線機では、アンテナ素子として金属フレーム12を用いているがこれに限るものではなく、上部筐体1に貼り付けられた適宜の板金をアンテナ素子として軸部33,34に電気的に接続してもよい。また、上部筐体1内部に配置した回路基板上のグランドパターンをアンテナ素子として軸部33,34に電気的に接続しても、通話状態において高いアンテナ性能を得ることができる。このようにアンテナ素子として板金やグランドパターンを用いる場合には、金属フレーム12は、導電性の金属である必要はなく、例えば非導電性の材質である樹脂であってもよい。
なお、本実施形態の折畳式携帯無線機では、軸部33と軸部34とを筐体幅方向の両端に配置したヒンジ構造としているが、これに限るものではない。即ち、上部筐体1と下部筐体2とが回動可能であり、金属フレーム12の両端に電気的に接続できるような構造を有する導電性の金属で構成されたヒンジ構造であれば、特にヒンジ金具の数には関係がなく、通話状態において高いアンテナ性能を得ることができる。
2 第2筐体(「下部筐体」)
2C 固定部
21 操作部
22 回路基板
22A 整合回路
22B 無線回路
22C グランドパターン
23 端子(回路側給電部)
3 ヒンジ部
31、32 軸受部
33,34 軸部(第1、第2ヒンジ給電部)
33A,34A ネジ(連結部)
33B 取付ネジ(ヒンジ給電部)
4 板金(給電用素子)
4A,4B 第1板金,第2板金(給電用素子)
5 板金(第1、第2ヒンジ給電部)
51,52 取付ネジ
6 板金(給電用素子)
7 開閉状態検出手段
71 ホール素子
72 永久磁石
81 第1高周波スイッチ(第2切替え手段)
82 第2高周波スイッチ(第1切替え手段)
9 リアクタンス素子
Claims (4)
- 第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、
前記第1筐体に設けるアンテナ素子と、
前記第2筐体内部に設けグランドパターンを有する回路基板と、
前記回路基板上に設けた無線回路と
を備え、
前記ヒンジ部は、導電性の金属で構成した第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部と、前記第1ヒンジ部と前記第2ヒンジ部とを電気的に接続すると共に回動可能に支持する連結部とを有し、
前記第1ヒンジ部は、前記第1筐体に設けて前記アンテナ素子の前記ヒンジ部側の端部と電気的に接続し、
前記第2ヒンジ部は、前記第2筐体に設けて前記回路基板上のグランドパターンと所定の間隔を隔てて配置し、
前記第2ヒンジ部の筐体幅方向の一方の端部側に第1ヒンジ給電部を配置し、
前記第2ヒンジ部の筐体幅方向の他方の端部側に第2ヒンジ給電部を配置し、
前記回路基板上に前記無線回路と接続された前記回路側給電部を配置し、
前記第1ヒンジ給電部、前記第2ヒンジ給電部及び前記回路側給電部と電気的に接続するとともに少なくとも一部が筐体幅方向と平行になるよう配設された給電用素子を備える折畳式携帯無線装置。 - 前記第1筐体と前記第2筐体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
前記開閉状態検出手段の検出結果に応じて前記第1ヒンジ給電部と前記給電用素子とを電気的に接続又は絶縁する第1切替え手段と、
前記開閉状態検出手段の検出結果に応じて前記第2ヒンジ給電部と前記給電用素子とを電気的に接続又は絶縁する第2切替え手段と
を備え、
前記第1切替え手段は、前記開閉状態検出手段が、開状態を検出したときに前記第1ヒンジ給電部と前記給電用素子とを電気的に接続するとともに、閉状態を検出したときに前記第1ヒンジ給電部と前記給電用素子とを絶縁し、
前記第2切替え手段は、前記開閉状態検出手段が、開状態を検出したときに前記第2ヒンジ給電部と前記給電用素子とを電気的に接続するとともに、閉状態を検出したときに前記第2ヒンジ給電部と前記給電用素子とを絶縁する請求項1に記載の折畳式携帯無線装置。 - 前記給電用素子は、前記第2筐体内部の、操作キーが配置されている筐体面に対して反対側の筐体面側に近接して配設することを特徴とする請求項1または2に記載の折畳式携帯無線装置。
- 前記給電用素子は、少なくとも一部を前記回路基板上の印刷パターンで構成する請求項1から3のいずれか1項に記載の折畳式携帯無線装置。
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