JP4642025B2 - 治療的ポリペプチドのクロマトグラフィー分離 - Google Patents

治療的ポリペプチドのクロマトグラフィー分離 Download PDF

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Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、2003年9月9日に出願された米国特許出願番号第60/501,610号の利益を主張する。上記仮出願の開示は、あたかも完全に本明細書中に記載されたかのように、その全体があらゆる目的のために本明細書中に参考として援用される。
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、実証された治療的価値を有するポリペプチドの精製および商業化に関する。
(2.当該分野の状態)
(参照)
以下の文献刊行物が、本節において引用される。全ての指定された刊行物は、あたかも個々の刊行物がそれぞれ具体的に、かつ個別にその全体が参考として援用されるのと同じ程度に、それらの全体が参考として本明細書中に援用される:非特許文献1および2。
疾患の処置のために現在市販されている多くの治療的に重要なポリペプチドが存在する。例えば、インターフェロンは、抗ウイルス活性、抗増殖性活性および免疫調節活性を示す重要なサイトカインである。このような活性は、多数の疾患状態(例えば、肝炎、種々の癌および多発性硬化症)のために、そのポリペプチドから臨床上の利益を引き出すために使用されている。インターフェロンは、異なる2つのクラス(I型およびII型)に分類されている。インターフェロンα、β、τおよびωは、I型インターフェロンのメンバーであり、一方でインターフェロンγは、別のII型クラスの唯一の既知のメンバーである。
ヒトインターフェロンβは、166アミノ酸残基からなり、そして約22kDaの分子量を有する。インターフェロンβは、身体におけるほとんどの細胞により産生されるが、ウイルス感染または他の生物学的侵入物に応答して特に線維芽細胞により産生される。インターフェロンβの結合標的は多量体細胞表面レセプターであり、インターフェロンβは、結合の際に、抗ウイルス特性、抗増殖性特性および免疫調節特性の発現につながる細胞内事象のカスケードを活性化する。
多様な種々の技術が、ヒトインターフェロンβの構造を特徴付けるために使用されている。例えば、ヒトインターフェロンのアミノ酸配列(非特許文献3)、ならびにヒトインターフェロンβおよびマウスインターフェロンβの両方の結晶構造(それぞれ、非特許文献4、5)が報告されている。このような構造データもまた、総説の論文の対象となっている(非特許文献6を参照のこと)。
インターフェロンβの調製物は、BETASERON(登録商標)、AVONEXTM、およびREBIF(登録商標)の商標の下で販売されている。BETASERON(登録商標)はまた、インターフェロンβ−1としても公知であり、これは、N−末端メチオニンの欠失を有する、非グリコシル化タンパク質である。インターフェロンβ−1は、17位のシステインがセリンに変異しているムテインである。これは、組み換え細菌細胞を使用して産生される。AVONEXTMおよびREBIF(登録商標)(これらは、インターフェロンβ−1の異なる市販形態である)は、グリコシル化されており、そして組み換え哺乳動物細胞を使用して産生される。インターフェロンβ−1は、アミノ酸17位に変異を有さない。これらの薬剤は、多発性硬化症の患者を処置するために使用され、そしてその疾患の悪化率を減少させるのに効果的であることが示されている。
インターフェロンβは、多発性硬化症の進行を遅延させ、そして種々の他の疾患の処置に効果的であることが示されている。その多発性硬化症を遅延させるための作用機序は、大部分が不明確なままである。しかし、その化合物の治療的効果の説明と合致して作用し得るいくつかの活性としては、以下が挙げられる:インターフェロンβは、白血球の増殖および抗原提示に対して阻害効果を有し、抗炎症性表現型に対するサイトカイン産生のプロフィールを調節し得る;そして、インターフェロンβは、T細胞基質メタロプロテアーゼの阻害を通じて、T細胞の遊走を減少させ得る(非特許文献7を参照のこと)。インターフェロンβが処置のために使用され得る他の疾患としては、骨肉種、基底細胞癌、子宮頚部形成異常、神経膠腫、急性骨髄性白血病、多発骨髄腫、ホジキン病、乳癌、黒色腫、およびウイルス感染(例えば、パピローマウイルス、ウイルス性肝炎、陰部ヘルペス、帯状ヘルペス、ヘルペス性角膜炎、単純ヘルペス、ウイルス性脳脊髄炎、サイトメガロウイルス肺炎、およびライノウイルス)が挙げられる。
Helenius,A.,McCaslin,D.R.,Fries,E.およびTanford,C.「Properties of Detergents」Methods in Enzymology,第56巻(1979)、734〜749ページ Turro,N.J.,Lei,X.,Ananthapadmanabhan,K.P.およびAronson,M.「Spectroscopic probe analysis of protein−surfactant interactions:the BSA/SDS system」Langmuir(1995),第11巻、2525〜2533ページ Taniguchi,Gene 10:11−15,1980 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:11813−11818,1997 J.Mol.Biol.253:187−207,1995 Cell Mol.Life Sci.54:1203−1206,1998 Neurol.51:682−689,1998
インターフェロンβの治療的な重要性を考えると、経済的かつ効率的な方法で上記ポリペプチドの商業的調製物を得ることが重要である。インターフェロンβ調製物の組み換え法は、相当量の化合物を産生するが、これは最初の工程に過ぎない。産生後、インターフェロンβは、医学的に受容可能な程度まで、単離および精製されなければならない。そのポリペプチドおよびこれに類似する他のポリペプチドのこのような精製が、本発明の目的である。
(発明の要旨)
本発明は、治療的価値を有するポリペプチドの精製および商業化に関する。
本発明の方法の局面において、サイズ排除クロマトグラフィーを使用してインターフェロンβ−1を精製する方法が提供される。この方法において、緩衝溶液が調製される。この緩衝溶液は、50mMより多く、500mMより少ない塩を含む。インターフェロンβ−1は、サイズ排除クロマトグラフィーのカラムに充填される。好ましくは、インターフェロンβ−1は、その緩衝溶液を使用してカラムに充填される。インターフェロンβ−1が緩衝溶液を使用して充填される場合、インターフェロンβ−1およびその緩衝溶液を含む混合物が調製され得る。インターフェロンβ−1は、ポリマー性のゲルを含むカラムを通過し、精製されたインターフェロンβ−1および緩衝溶液を含む溶出画分が回収される。インターフェロンβ−1の溶出の間、溶出プロフィールが観察され、そしてその溶出プロフィールの非対称値が決定される。溶出プロフィールの非対称値が0.1と2.0との間の場合、溶出画分が回収される。好ましくは、その溶出プロフィールの非対称値が0.2と1.9との間、0.3と1.8との間、0.4と1.7との間、0.4と1.6との間、そして0.5と1.5との間の場合に、溶出画分が回収される。さらにより好ましくは、その溶出プロフィールの非対称値が、0.8と1.2との間または0.9と1.1との間の場合に、溶出画分が回収される。
任意の所望される量のインターフェロンβ−1が、この方法を使用して精製される。しかし、代表的な量は、1.0g、2.5g、5.0g、10g、25g、50g、100g、150g、200g、250g、または300gより多い。
この方法は精製されたポリペプチドを提供し、ここで混入ポリペプチド(例えば、所望されるポリペプチドが組み換え的に産生される場合の宿主タンパク質)が、所望されるポリペプチド1mg当たり1μg未満の濃度で存在する。好ましくは、混入ポリペプチドの量は、その所望されるポリペプチド1mg当たり500ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり250ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり100ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり75ng未満の濃度で存在する。さらにより好ましくは、混入ポリペプチドの量は、その所望されるポリペプチド1mg当たり50ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり25ng未満、そしてその所望されるポリペプチド1mg当たり10ng未満の濃度で存在する。
上記ポリマー性ゲルは、任意の適切な組成である。代表的には、このゲルは、デキストランを含むゲル(すなわち、SEPHADEX(登録商標))、アガロースを含むゲル(すなわち、SEPHAROSE(登録商標))、およびポリアクリルアミドを含むゲル(SEPHACRYL(登録商標))からなる群より選択される。しばしば使用されるゲルは、Sephadex G75 SFであり、これは10μm〜40μmの乾燥粒径を有するデキストランベースのゲルである。
上記ポリマー性ゲルを含むカラムの容量は、代表的には、450cm未満である。しばしば、その容量は、400cm、350cm、または300cm未満である。
上記緩衝溶液の塩は、サイズ排除クロマトグラフィーにおいて有用な任意の塩であり得る。本発明において有用な塩としては、酢酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、ヒ酸塩、ヒスチジン、MES、ADA、Pipes、トリス、エチレンジアミン、BES、MOPS、TES、Hepes、トリエタノールアミン、EPPS、トリシン(tricine)、グリシルグリシン、ビシン(bicine)、アンモニア、塩化物、硫酸塩、フッ化物、ヨウ化物、臭化物、トリフルオロ酢酸塩、およびトリクロロ酢酸塩が挙げられる。代表的には、その緩衝溶液のイオン強度は、75mMの塩より強く、かつ250mMの塩より弱いか、または100mMの塩より強く、かつ200mMの塩より弱いか、または約150mMの塩である。好ましくは、その緩衝溶液のイオン強度は、50mMの塩、75mMの塩、100mMの塩、125mMの塩、150mMの塩、175mMの塩、200mMの塩、225mMの塩、または250mMの塩に近い。その緩衝溶液のpHは、サイズ排除クロマトグラフィーにおいて治療的なポリペプチドを精製することにおいて有用な任意のpHであり得る。代表的には、その緩衝溶液のpHは、約3と約10との間である。好ましくは、そのpHは、約4と約9との間、約5と約8との間、約5と約7との間、約6と7との間、または7と8との間である。
上記緩衝溶液の塩は、しばしば酢酸塩である。代表的には、その緩衝溶液のイオン強度は、75mMの酢酸塩より多く250mM未満の酢酸塩、または100mMの酢酸塩より多く200mM未満の酢酸塩、または約150mMの酢酸塩を含む。好ましくは、その緩衝溶液のイオン強度は、50mMの酢酸塩、75mMの酢酸塩、100mMの酢酸塩、125mMの酢酸塩、150mMの酢酸塩、175mMの酢酸塩、200mMの酢酸塩、225mMの酢酸塩、または250mMの酢酸塩に近い。任意の適した酢酸塩が使用され得、その酢酸塩としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、およびプロトン化された有機アミン(例えば、トリス、トリエチルアミン、およびピペリジン)の酢酸塩が挙げられる。
代表的には、上記緩衝溶液は、イオン性界面活性剤を含む。このような界面活性剤の例としては、ドデシル硫酸ナトリウム(すなわち、「SDS」)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、リゾレシチン、デオキシリゾレシチンエーテル、コール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、スルホン酸アルキル、アリールスルホン酸アルキル、硫酸アルキル、アリール硫酸アルキル、アルキルサルコシデート(sarcosidate)、カチオン性アルキルアミン、四級アミン、およびアルキルピリジニウム誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。イオン性界面活性剤の任意の可溶性塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)が使用され得る。存在する場合、その界面活性剤は、代表的には、0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度である。しばしば、界面活性剤は、0.075重量パーセントと0.2重量パーセントとの間の濃度、または約0.1重量パーセントの濃度にて存在する。
しばしば、上記緩衝溶液は、金属キレート剤を含む。代表的には、エチレンジアミン四酢酸が使用されるが、任意の適切な金属キレート剤が使用され得る。その緩衝溶液中の金属キレート剤の濃度は、代表的には、0.5mMと1.5mMとの間、0.75mMと1.25mMとの間、または約1mMである。
溶出画分を回収する工程は、代表的には、サイズ排除クロマトグラフィーの間の溶出プロフィールを観察することを含む。インターフェロンβ−1がカラムから出る場合、溶出画分中のその存在は、通常、その溶出画分の280nmでの吸光度を観察することにより決定される。各画分の吸光度の値は、溶出プロフィールを用意するために使用される。
上記溶出プロフィールの非対称値が計算される。その非対称値は、ピークの高さの10%にて測定された、そのピークの後半分の幅の、そのピークの前半分の幅に対する比である。インターフェロンβ−1を含む溶出画分は、その溶出プロフィールの非対称値が0.4と1.6との間の場合に回収される。しばしば、インターフェロンβ−1を含む溶出画分は、その溶出プロフィールの非対称値が0.5と1.5との間、0.6と1.4との間、0.7と1.3との間、0.8と1.2との間、または0.9と1.1との間の場合に回収される。
溶出画分中のインターフェロンβ−1の存在をモニターする方法としては、A280でのその溶出画分の吸光度を観察すること、伝導率測定、およびSDS−PAGEによる分析が挙げられるが、これらに限定されない。
インターフェロンβ−1を含む混合物が、カラムを通過するのには、代表的に48時間未満を要する。しばしば、それには、40時間未満、35時間未満、30時間未満、25時間未満、20時間未満、15時間未満、10時間未満、5時間未満、または3時間未満を要する。
本発明の別の方法の局面において、サイズ排除クロマトグラフィーを使用してポリペプチドを精製する方法が提供される。この方法において、緩衝溶液が調製される。その緩衝溶液は、50mMより多く、500mMより少ない塩を含む。ポリペプチドは、サイズ排除クロマトグラフィーのカラムに充填される。好ましくは、ポリペプチドは、その緩衝溶液を使用してカラムに充填される。ポリペプチドが緩衝溶液を使用して充填される場合、ポリペプチドおよびその緩衝溶液を含む混合物が調製され得る。ポリペプチドは、ポリマー性のゲルを含むカラムを通過し、精製されたポリペプチドおよび緩衝溶液を含む溶出画分が回収される。ポリペプチドの溶出の間、溶出プロフィールが観察され、そしてその溶出プロフィールの非対称値が決定される。溶出プロフィールの非対称値が0.1と2.0との間の場合、溶出画分が回収される。好ましくは、その溶出プロフィールの非対称値が0.2と1.9との間、0.3と1.8との間、0.4と1.7との間、0.4と1.6との間、そして0.5と1.5との間の場合に、溶出画分が回収される。さらにより好ましくは、その溶出プロフィールの非対称値が、0.8と1.2との間または0.9と1.1との間の場合に、溶出画分が回収される。
この方法により精製されるポリペプチドの非限定的な例としては、モノクローナル抗体、インターフェロン(例えば、IFN β、IFN β−1、およびIFN β−1)、インターロイキン(例えば、IL−2)、フィルグラスチム、およびエポエチン−αを含む、任意の治療的に有用なポリペプチドが挙げられる。
任意の所望される量のインターフェロンポリペプチドが、この方法を使用して精製される。しかし、代表的な量は、1.0g、2.5g、5.0g、10g、25g、50g、100g、150g、200g、250g、または300gより多い。
この方法は精製されたポリペプチドを提供し、ここで混入ポリペプチド(例えば、IFN β−1が組み換え的に産生される場合のE.Coliタンパク質)が、所望されるポリペプチド1mg当たり1μg未満の濃度で存在する。好ましくは、混入ポリペプチドの量は、その所望されるポリペプチド1mg当たり500ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり250ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり100ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり75ng未満の濃度で存在する。さらにより好ましくは、混入ポリペプチドの量は、その所望されるポリペプチド1mg当たり50ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり25ng未満、そしてその所望されるポリペプチド1mg当たり10ng未満の濃度で存在する。
上記ポリマー性ゲルは、任意の適切な組成である。代表的には、このゲルは、デキストランを含むゲル(すなわち、SEPHADEX(登録商標))、アガロースを含むゲル(すなわち、SEPHAROSE(登録商標))、およびポリアクリルアミドを含むゲル(SEPHACRYL(登録商標))からなる群より選択される。しばしば使用されるゲルは、Sephadex G75 SFであり、これは10μm〜40μmの乾燥粒径を有するデキストランベースのゲルである。
上記ポリマー性ゲルを含むカラムの容量は、代表的には、450cm未満である。しばしば、その容量は、400cm、350cm、または300cm未満である。
上記緩衝溶液の塩は、サイズ排除クロマトグラフィーにおいて有用な任意の塩であり得る。本発明において有用な塩としては、酢酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、ヒ酸塩、ヒスチジン、MES、ADA、Pipes、トリス、エチレンジアミン、BES、MOPS、TES、Hepes、トリエタノールアミン、EPPS、トリシン、グリシルグリシン、ビシン、アンモニア、塩化物、硫酸塩、フッ化物、ヨウ化物、臭化物、トリフルオロ酢酸塩、およびトリクロロ酢酸塩が挙げられる。代表的には、その緩衝溶液のイオン強度は、75mMの塩より強く、かつ250mMの塩より弱いか、または100mMの塩より強く、かつ200mMの塩より弱いか、または約150mMの塩である。好ましくは、その緩衝溶液のイオン強度は、50mMの塩、75mMの塩、100mMの塩、125mMの塩、150mMの塩、175mMの塩、200mMの塩、225mMの塩、または250mMの塩に近い。代表的には、その緩衝溶液のpHは、約3と約10との間である。好ましくは、そのpHは、約4と約9との間、約5と約8との間、約5と約7との間、約6と7との間、または7と8との間である。
上記緩衝溶液の塩は、しばしば酢酸塩である。代表的には、その緩衝溶液のイオン強度は、75mMの酢酸塩より多く250mM未満の酢酸塩、または100mMの酢酸塩より多く200mM未満の酢酸塩、または約150mMの酢酸塩を含む。好ましくは、その緩衝溶液のイオン強度は、50mMの酢酸塩、75mMの酢酸塩、100mMの酢酸塩、125mMの酢酸塩、150mMの酢酸塩、175mMの酢酸塩、200mMの酢酸塩、225mMの酢酸塩、または250mMの酢酸塩に近い。任意の適した酢酸塩が使用され得、その酢酸塩としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、およびプロトン化された有機アミン(例えば、トリス、トリエチルアミン、およびピペリジン)の酢酸塩が挙げられる。
代表的には、上記緩衝溶液は、イオン性界面活性剤を含む。このような界面活性剤の限定しない例としては、ドデシル硫酸ナトリウム(すなわち、「SDS」)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、リゾレシチン、デオキシリゾチレンエーテル、コール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、スルホン酸アルキル、アリールスルホン酸アルキル、硫酸アルキル、アリール硫酸アルキル、アルキルサルコシデート、カチオン性アルキルアミン、四級アミン、およびアルキルピリジニウム誘導体が挙げられる。イオン性界面活性剤の任意の可溶性塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)が使用され得る。存在する場合は、その界面活性剤は、代表的には、0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度である。しばしば、界面活性剤は、0.075重量パーセントと0.2重量パーセントとの間の濃度、または約0.1重量パーセントの濃度にて存在する。
しばしば、上記緩衝溶液は、金属キレート剤を含む。代表的には、エチレンジアミン四酢酸が使用されるが、任意の適切な金属キレート剤が使用され得る。その緩衝溶液中の金属キレート剤の濃度は、代表的には、0.5mMと1.5mMとの間、0.75mMと1.25mMとの間、または約1mMである。
溶出画分を回収する工程は、代表的には、サイズ排除クロマトグラフィーの間の溶出プロフィールを観察することを含む。ポリペプチドがカラムから出る場合、溶出画分中のその存在は、通常、その溶出画分の280nmでの吸光度を観察することにより決定される。各画分の吸光度の値は、溶出プロフィールを用意するために使用される。
上記溶出プロフィールの非対称値が計算される。その非対称値は、ピークの高さの10%にて測定された、そのピークの後半分の幅と、そのピークの前半分の幅との比である。ポリペプチドを含む溶出画分は、その溶出プロフィールの非対称値が0.4と1.6との間の場合に回収される。しばしば、ポリペプチドを含む溶出画分は、その溶出プロフィールの非対称値が0.5と1.5との間、0.6と1.4との間、0.7と1.3との間、0.8と1.2との間、または0.9と1.1との間の場合に回収される。
溶出画分中のポリペプチドの存在をモニターする方法としては、A280でのその溶出画分の吸光度を観察すること、伝導率測定、およびSDS−PAGEによる分析が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリペプチドを含む混合物が、カラムを通過するのには、代表的に48時間未満を要する。しばしば、それには、40時間未満、35時間未満、30時間未満、25時間未満、20時間未満、15時間未満、10時間未満、5時間未満、または3時間未満を要する。
本発明の別の方法の局面において、ポリペプチドを商業化する方法が提供される。この方法は、疾患を処置するために使用され得るポリペプチドを同定する工程を包含する。このポリペプチドは、天然経路または合成経路のいずれかを使用して産生され、次いで精製される。そのポリペプチドの精製は、多数の工程を含むサイズ排除クロマトグラフィーを使用することを含む。ポリペプチドおよび緩衝溶液を含む混合物が最初に調製される。その緩衝溶液は、50mMより多く、500mMより少ない酢酸塩を含む。その混合物は、ポリマー性ゲルを含むカラムを通過させられ、精製されたポリペプチドおよび緩衝溶液を含む画分が回収される。精製の際に、その精製されたポリペプチドは、包装、販売、および分配される。
上記サイズ排除クロマトグラフィー工程は、ポリペプチドの精製について上に記載された方法に従って行われる。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、治療的ポリペプチドの精製および商業化に関する。
(定義)
「酢酸塩」は、酢酸のアニオン性の塩をいう。
「抗体」は、外来の物質に曝露された場合に特定の白血球細胞により産生されるタンパク質をいう。
「緩衝溶液」は、規定されるpHの水性溶液をいう。
「カラム」は、クロマトグラフィーにおいて使用される固体支持体のためのハウジングをいう。カラムは、代表的には、円柱形であり、垂直方向に直立する位置で方向付けられる。
「商業化」は、特定の製品の販売および分配に関するビジネスまたはビジネスモデルを展開するこという。
「界面活性剤」は、非極性の疎水性部分と極性の親水性部分とを有する化合物をいう。イオン性界面活性剤の例としては、ドデシル硫酸ナトリウム(すなわち、「SDS」)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、リゾレシチン、デオキシリゾチレンエーテル、コール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、スルホン酸アルキル、アリールスルホン酸アルキル、硫酸アルキル、アリール硫酸アルキル、アルキルサルコシデート、カチオン性アルキルアミン、四級アミン、およびアルキルピリジニウム誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
「乾燥粒径」は、緩衝溶液の不在下でのポリマー性ゲルの直径の範囲をいう。
「溶出プロフィール」は、どのくらいの材料が、サイズ排除クロマトグラフィーの間に経時的に、緩衝溶液によりカラムから運ばれているかを示すために作成されたグラフをいう。そのグラフは、多数の異なるピークを示し得;各ピークは、最初の混合された物質とは異なる分離された材料を示す。
「エポエチン−α」は、エリスロポエチンと同じ生物学的効果を有する165アミノ酸ポリペプチドをいう。これは、EPOGEN(登録商標)の商標の下で販売されている。
「フィルグラスチム」は、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)をいう。これは、NEUPOGEN(登録商標)の商標の下で販売されている。
「インターフェロン」は、身体がウイルス感染を撃退する助けをする任意の複数のポリペプチドをいう。ウイルスの侵入の間、感染された細胞は、血流により循環し、未感染細胞をその攻撃に対して免疫性にするのを助ける三種類のインターフェロン(α、β、およびγ)を産生する。
「インターフェロンβ−1」は、165アミノ酸および約18,500ダルトンの分子量を有するインターフェロンをいう。これは代表的に、ヒトインターフェロンβser17の遺伝子を含む遺伝的に操作されたプラスミドから、細胞醗酵または組織培養により製造される。
「インターロイキン」は、抗原または分裂促進因子の存在下で、Tリンパ球およびマクロファージにより産生されたタンパク質因子の任意の一群をいう。これは、Tリンパ球の活性化および増殖を引き起こす。
「インターロイキン−2」は、抗原により活性化されるTリンパ球により産生されるタンパク質因子をいう。インターロイキン−2は、他のTリンパ球を刺激し、特定のどの抗原が関わっているかに関わらず活性化および分化させる。インターロイキン−2は、T細胞媒介免疫を達成することに関与していることが公知である。
「イオン強度」(μ)は、以下:
Figure 0004642025
のように定義され、Cは溶液中の各イオンの濃度であり、、Zは溶液中の各イオンの電荷である。一例として、0.1MのNaSO溶液は、以下:
Figure 0004642025
のイオン強度を有する。
酢酸ナトリウム緩衝液のような緩衝液において、酢酸は電荷を有さない(Z=0)ので、酢酸ナトリウム部分のみがそのイオン強度に寄与する。酢酸についてpH5.5および25℃でのpKa=4.8を使用して、本発明者らは、約80%の総酢酸塩緩衝液濃度が、その塩形態で存在すると計算した。以下の表は、pH5.5での種々の濃度の酢酸緩衝液のイオン強度を示す。
Figure 0004642025
「金属キレート剤」は、遊離金属イオンと結合し、溶液から遊離金属イオンを除去する有機化学物質をいう。金属キレート剤の非限定的な例は、エチレンジアミン四酢酸である。
「モノクローナル抗体」は、B細胞の単一クローンにより産生される抗体をいう。モノクローナル抗体は、全てが単一の抗原決定基に対して特異的な同一の抗体分子の集団からなる。
「産生の天然経路」は、具体的な化合物を産生するための細胞機構の使用をいう。この産生の形態の例は、組み換えDNA技術を使用し、標的化合物を産生する遺伝的に操作されたプラスミドを形成することである。
「包装する」は、消費者に提示するために製品を容器内に配置することをいう。
「ピーク」は、溶出プロフィールにおけるベースラインからのポジティブなふれ(deflection)をいう。
「ピーク非対称」は、ピークの高さの10%にて測定された、ピークの後半分からの幅の、ピークのリーディング半分に対する比をいう。完全な非対称は、1.0のピーク非対称値に対応する。
「ポリペプチド」は、ペプチドまたはアミノ酸の鎖をいい、ここでその鎖は、2アミノ酸長よりも長い。
「ポリマー性ゲル」は、ゲルの網目が形成されるように架橋されたポリマーをいう。サイズ排除クロマトグラフィーのために適したポリマー性ゲルの例としては、デキストラン(すなわち、SEPHADEX(登録商標))、アガロース(すなわち、SEPHAROSE(登録商標))、およびポリアクリルアミド(すなわち、SEPHACRYL(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。ポリマー性ゲル(例えば、好ましいポリマー性ゲルであるSephadex G75 SF)は、種々の製造元から市販されている。
「タンパク質」は、特定の順序の1本以上のアミノ酸鎖からなる高分子をいう。その順序は、そのタンパク質をコードしている遺伝子におけるヌクレオチドの塩基配列により決定される。タンパク質は、身体の細胞、組織および器官の構造、機能、および調節のために必要であり、各タンパク質は、独自の機能を有する。タンパク質の例としては、ホルモン、酵素、および抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
「精製(された)」は、混合物における他の成分に対する、その混合物の第一の成分の濃度における増加をいう。代表的には、精製後、その混合物における第一の成分の濃度は、50重量パーセントを超えて増加される。好ましくは、その濃度は、60重量パーセント、70重量パーセント、80重量パーセント、90重量パーセント、95重量パーセント、または99重量パーセントを超えて増加される。
「SDS−PAGE」は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動と呼ばれる周知の研究技術をいう。その技術は、代表的には、ポリペプチドを分離するために使用される分析方法である。
「販売および配送する」は、製品の商業的な譲渡をいう。
「サイズ排除クロマトグラフィー」は、異なるサイズの分子を分離するために多孔性粒子を使用する型のクロマトグラフィーをいう。これはしばしば生物学的分子を分離するために、そして分子量およびポリマーの分子量分布を決定するために使用される。その細孔のサイズよりも小さな分子は粒子に入り得、それゆえ、その粒子に入り得ない、より大きな分子よりも、長い経路および長い通過時間(保持時間)を有する。
「産生の合成経路」は、インビトロで行われる化学反応を使用する化合物の産生をいう。例は、樹脂を使用するポリペプチドの固相合成である。
(一般的なポリペプチド精製)
本発明の方法は、1つの局面において、ポリペプチドを精製するために使用される。精製され得るポリペプチドの例としては、モノクローナル抗体、インターフェロン(例えば、IFN β、IFN β−1、およびIFN β−1)、インターロイキン(例えば、IL−2)、フィルグラスチム(Filgrastin)、およびエポエチン−αのようなタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。この方法は、任意の所望される量のポリペプチドを精製するために使用されるが、1.0g、2.5g、5.0g、10g、25g、50g、100g、150g、200g、250g、または300gを超える量が代表的である。
この方法は精製されたポリペプチドを提供し、ここで混入ポリペプチド(例えば、所望されるタンパク質が組み換え的に産生される場合の宿主タンパク質)が、所望されるポリペプチド1mg当たり1μg未満の濃度で存在する。好ましくは、混入ポリペプチドの量は、その所望されるポリペプチド1mg当たり500ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり250ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり100ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり75ng未満の濃度で存在する。さらにより好ましくは、混入ポリペプチドの量は、その所望されるポリペプチド1mg当たり50ng未満、その所望されるポリペプチド1mg当たり25ng未満、そしてその所望されるポリペプチド1mg当たり10ng未満の濃度で存在する。
サイズ排除クロマトグラフィーは、この方法において使用される第一の技術であり、これは図1に関連して説明される。方法100は、ポリマー性ゲルでのカラム(例えば、2.6×90cmまたは2.6×50cm)の充填から開始する(100)。そのポリマー性ゲルは、任意の適切な組成である。ポリマー性ゲルの非限定的な例としては、デキストラン(すなわち、SEPHADEX(登録商標))、アガロース(すなわち、SEPHAROSE(登録商標))、およびポリアクリルアミド(すなわち、SEPHACRYL(登録商標))が挙げられる。10μm〜40μmの乾燥粒径を有するSephadex G75 SFは、使用されるポリマー性ゲルの1つの具体的な型である。
5.0と6.0との間のpHを有する緩衝溶液は102において調製され、これはクロマトグラフィーの溶出液として機能する。この溶液は、代表的には、75mMより多く500mMより少ない酢酸塩を含む。適した酢酸塩としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウムおよびプロトン化された有機アミンの酢酸塩(例えば、トリス、トリエチルアミンおよびピペリジン)が挙げられるが、これらに限定されない。
その緩衝系の任意の成分としては、イオン性界面活性剤および金属キレート剤が挙げられる。イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ドデシル硫酸ナトリウム(すなわち「SDS」)、臭化セチルトリメチルアンモニウム、リゾレシチン、デオキシリゾレシチンエーテル、コール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、スルホン酸アルキル、アリールスルホン酸アルキル、硫酸アルキル、アリール硫酸アルキル、アルキルサルコシデート、カチオン性アルキルアミン、四級アミン、およびアルキルピリジニウム誘導体が挙げられる。使用される場合、この界面活性剤は、代表的には、0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度で緩衝溶液中に存在する。任意の適した金属キレート剤が使用され得、エチレンジアミン四酢酸(すなわち、「EDTA」)が1つの例である。この金属キレート剤は、代表的には、0.5mMと1.5mMとの間の濃度で緩衝溶液中に存在する。
103において、カラムが緩衝溶液で平衡化される。濃縮されるポリペプチドが、そのカラムに充填され(104)、そのカラムに適した直線流速が105にて確立される。このサイズ排除クロマトグラフィーに対して使用される直線流速は、しばしば、0.8cm/時間と5cm/時間との間であり、代表的な値は1.1cm/時間と3.3cm/時間との間である。
ポリペプチド精製は、カラムの溶出プロフィールの観察によりモニタリングされる(106)。その溶出プロフィールグラフにおけるピークは、所望されるポリペプチドまたは不純物のいずれかとして同定される。そのポリペプチドの存在をモニタリングする方法としては、A280における溶出画分の吸光度の観察、溶液の伝導率、そのカラム溶出液からのアリコートを使用してゲルを泳動し(performing)標準の純粋なポリペプチドサンプルと比較することが挙げられるが、これらに限定されない。
その溶出プロフィールが0.2と1.8との間の非対称値を示す場合、標的ポリペプチドが溶出画分から回収される。しばしば、その非対称値は、0.3と1.7との間、0.4と1.6との間、0.5と1.5との間、0.6と1.4との間、0.7と1.3との間、0.8と1.2との間、または0.9と1.1との間である。
緩衝溶液中の精製されたポリペプチドを含む溶出画分は、特定の時間にわたって収集される(107)。その画分の非緩衝溶液成分は、通常、少なくとも50重量パーセントの標的ポリペプチドを含む。しかし、しばしば、その非緩衝溶液成分は、少なくとも60重量パーセント、70重量パーセント、80重量パーセント、90重量パーセント、95重量パーセントまたは99重量パーセントの標的ポリペプチドを含む。画分は、ポリペプチドがサイズ排除カラムに充填されてから48時間までに回収される。しばしば、画分は、ポリペプチドがそのカラムに充填されてから40時間後、35時間後、30時間後、25時間後、20時間後、15時間後、10時間後、5時間後または3時間後までに回収される。
108において、そのポリペプチドは、必要に応じて画分から濃縮される。精製されたポリペプチドがこのように提供される。
(インターフェロンβ−1精製)
本発明の方法は、別の局面において、インターフェロンβ−1の精製のために使用される。IFN β−1に適用するサイズ排除クロマトグラフィーは、図2に関連して記載され、これは1つの実施形態に関する。
方法200は、適した組成のポリマー性ゲルを用いるサイズ排除クロマトグラフィーカラム(例えば、2.6×90cmまたは2.6×50cm)の充填で開始する(100)。示されるように、Sephadex G75 SFが充填される。そのポリマー性ゲルを含むカラム容量は、代表的には500cm未満である。しばしば、その容量は、450cm、400cm、350cm、または300cmより少ない。この方法は、任意の所望される量のインターフェロンβ−1を精製するために使用されるが、1.0g、2.5g、5.0g、10g、25g、50g、100g、150g、200g、250g、または300gより多い量が代表的である。
5.0と6.0との間のpHを有する緩衝溶液が、202において調製され、これはクロマトグラフィーの溶出液として機能する。しばしば、その緩衝溶液のpHは、5.2と5.8との間であるか、または約5.5である。その溶液は、代表的に、75mMより多く500mMよりも少ない酢酸塩を含む。他の適した濃度としては、100mM〜225mM、100mM〜200mM、および約150mMが挙げられるが、これらに限定されない。工程202は、150mMの酢酸塩の使用を示し、この酢酸塩はしばしば酢酸ナトリウムである。
その緩衝系の任意の成分としては、イオン性界面活性剤および金属キレート剤が挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム(すなわち、「SDS」)が、しばしば界面活性剤として選択され、代表的に0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度にて含まれる。他の受容可能な濃度としては、0.075重量パーセント〜0.2重量パーセント、および約0.1重量パーセントが挙げられるが、これらに限定されない。エチレンジアミン四酢酸(すなわち、「EDTA」)が、一般に金属キレート剤として使用される。緩衝溶液中のEDTA濃度は、しばしば、0.5mMと1.5mMとの間であり、0.75mMと1.25mMとの間または約1mMの濃度が代表的である。
カラムは、203において、緩衝溶液で平衡化される。充填が一般にカラム容量の1%を超えないことを確認しながら、濃縮されたインターフェロンβ−1がそのカラムに充填される(204)。カラムの直線流速が確立される(205)。サイズ排除クロマトグラフィーに使用される直線流速は、しばしば、0.8cm/時間と5cm/時間との間であり、代表的な値は、約1.1cm/時間と約3.3cm/時間との間である。
インターフェロンβ−1の精製は、カラムの溶出プロフィールの観察によりモニタリングされる(206)。その溶出プロフィールグラフ上のピークは、インターフェロンβ−1または不純物のいずれかとして同定される。そのインターフェロンβ−1の存在をモニタリングする方法としては、A280における溶出画分の吸光度の観察、伝導率測定、およびSDS−PAGEによる分析が挙げられるが、これらに限定されない。E.Coliタンパク質混入は、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)により定量化され得る。
溶出プロフィールが0.2と1.8との間の非対称値を示す場合に、インターフェロンβ−1は溶出画分から回収される。しばしば、その非対称値は、0.3と1.7との間、0.4と1.6との間、0.5と1.5との間、0.6と1.4との間、0.7と1.3との間、0.8と1.2との間、または0.9と1.1との間である。インターフェロンβ−1に対応するピークは、0.4と1.6との間の非対称値を示す。しばしば、その非対称値は、0.5と1.5との間、0.6と1.4との間、0.7と1.3との間、0.8と1.2との間、または0.9と1.1との間である。
緩衝溶液中の精製されたインターフェロンβ−1画分が、特定の時間にわたって回収される(207)。その画分の非緩衝溶液成分は、通常、少なくとも70重量パーセントの標的ポリペプチドを含む。しかし、しばしば、その非緩衝溶液成分は、少なくとも80重量パーセント、90重量パーセント、95重量パーセントまたは99重量パーセントの標的ポリペプチドを含む。画分は、そのポリペプチドがサイズ排除クロマトグラフィーのカラムに充填されてから48時間後までに回収される。しばしば、その画分は、そのポリペプチドがカラムに充填されてから40時間後、35時間後、30時間後、25時間後、20時間後、15時間後、10時間後、5時間後または3時間後までに回収される。精製されたインターフェロンβ−1は、必要に応じて、208にてその画分から濃縮される。
図3は、150mM酢酸ナトリウムおよび0.1%SDSを含む緩衝溶液を用いて、90cmのSephadex G−75カラムを使用する、インターフェロンβ−1分離のクロマトグラムおよびSDS−PAGEを示す。図4(50mM酢酸ナトリウム)との比較は、酢酸塩の濃度がどのくらいインターフェロンβ−1の精製に影響し得るかを示す。インターフェロンβ−1に対応する図3のピーク301は、E.Coli混入物を示すブロードなピーク302から明瞭に分離されている。しかし、同様にE.Coli混入物に対応する図4のピーク402は、インターフェロンβ−1のピーク401とマージしている。言い換えると、図4に示される分離(すなわち、精製)は、図3に示される分離よりも顕著に悪い。
インターフェロンβ−1の分離に対する酢酸塩濃度の効果は、図5に関連してさらに見られる。この図は、5つの異なる酢酸塩濃度における純粋なインターフェロンβ−1のサイズ排除クロマトグラフィーの溶出プロフィールを示す。50mMの酢酸塩から100mMの酢酸塩に進むにつれて、示されるピークがより対称になることが分かる。代表的に化合物の分離に対応するピークの対称性は、150mMにおいてなおより良くなり、次いでより高い酢酸塩濃度(200mMおよび250mM)が使用されるにつれ減退する。
表1および表2は、2つの異なる流速において、酢酸ナトリウム濃度に対するインターフェロンβ−1のピークの非対称性を比較する研究を示す。表1における値は、GE Healthcareから市販されているクロマトグラフィーシステムであるUnicorn4.10を使用して測定された。
Figure 0004642025
Figure 0004642025
(ポリペプチドの商業化)
別の局面において、本発明の方法は、ポリペプチドの商業化に関する。この局面は、図6に関連して記載される。
方法600は、601において、疾患を処置するために使用され得るポリペプチドを同定することから開始する。このようなポリペプチドの例としては、モノクローナル抗体、インターフェロン(例えば、IFN β、IFN β−1a、およびIFN β−1b)、インターロイキン(例えば、IL−2)、フィルグラスチム、およびエポエチン−αが挙げられるが、これらに限定されない。任意の適切な方法が、このポリペプチドを同定するために使用され得る。しかし、このような方法は、しばしば、特定のポリペプチドについての米国またはヨーロッパの販売データまたは将来の販売を予測する市場予測の分析を包含する。
602において、そのポリペプチドが製造される。製造は、天然経路または合成経路のいずれかを使用して実行される。サイズ排除クロマトグラフィーは、そのポリペプチドを単離するために使用される。工程602において使用されるサイズ排除クロマトグラフィーの適した方法としては、「一般的なポリペプチドの精製およびインターフェロンβ−1bの精製」と題した節において上記された方法が挙げられる。
そのポリペプチドは、604において、消費者への提示のために容器に包装される。消費者の例としては、管理介護グループ、看護施設、医師および患者が挙げられるが、これらに限定されない。包装された製品の販売および配送は、605において行われる。
本発明およびその利点がより完全に理解され得るために、以下の実施例が例示のために提供されるが、これは多少なりとも本発明の範囲を限定するものとはみなされない。
(実験節)
(実施例1)
(ポリペプチドのサイズ排除クロマトグラフィーについての一般的方法)
カラム(例えば、2.6×90cmまたは2.6×50cm)に、適切なポリマー性ゲルを詰める。カラムの平衡化を、緩衝溶液を用いて行う。この緩衝溶液は、代表的にpH5.5の75〜250mMの酢酸ナトリウム、0.1%SDSおよび1mMエチレンジアミン四酢酸を含む水溶液である。このカラムに、充填がカラム容量の1%を超えないことを確かめながら、濃縮ポリペプチド(例えば、インターフェロンβ−1、モノクローナル抗体、インターロイキン2、フィルグラスチム、エポエチン−α)を充填する。そのポリペプチドの充填および溶出に対する直線流速を、約1cm/時間に設定する。クロマトグラフィーの分離に引き続き、A280におけるUV−VIS分光法または伝導率測定を行う。選択される画分を、銀染色を用いて、15%ゲル(Criterion、Bio−Rad)におけるSDS−PAGEにより分析し、E.Coliタンパク質混入物を、ELISA(QCのからの提供)により定量化する。溶出画分を回収および濃縮し、精製されたポリペプチドを得る。
(実施例2)
(サイズ排除クロマトグラフィーを使用するインターフェロンβ−1の精製)
以下の手順を、室温にて行った。2.6×50cmまたは2.6×90cmのカラムに、Sephadex G75 SFを詰めた。カラムの平衡化を、以下の成分を含むpH5.5の水性緩衝溶液を用いて行った:10mM、50mM、100mM、150mM、200mMまたは250mM酢酸ナトリウム。その緩衝溶液はまた、0.1%SDSまたは0.25%SDSおよび1mMエチレンジアミン四酢酸を含んだ。このカラムに、充填がカラム容量の1%を超えないことを確かめながら、濃縮されたインターフェロンβ−1を充填した。そのポリペプチドの充填および溶出に対する直線流速を、約1cm/時間または3.3cm/時間に設定した。クロマトグラフィーの分離を、A280におけるポリペプチドの吸光度および伝導率により観察した。選択された画分を、銀染色を用いて、15%ゲル(Criterion,Bio−Rad)におけるSDS−PAGEにより分析し、E.Coliタンパク質混入物を、ELISA(QCのからの提供)により定量化した。純粋な画分を回収および濃縮し、精製されたポリペプチドを得た。
その精製の結果を、図7〜図11において示す。
(実施例3)
(界面活性剤の存在下でのサイズ排除クロマトグラフィーに対するイオン強度の効果の考察)
濃度が臨界ミセル濃度(CMC)として知られる値に達するまで、低濃度において、イオン性界面活性剤はモノマーとして存在し、このCMCにおいて、そのモノマーは、ミセルとして知られる界面活性剤の凝集形態と共存する(Heleniusら、1979)。そのCMCは、ミセルと共存し得る最大のモノマー濃度として定義される。以下の式が、モノマーおよびミセルの挙動を説明する:
ミセル<=>モノマー。
この式は、真の化学平衡式ではなく;界面活性剤の総濃度がCMCを上回って増加する場合、モノマー界面活性剤の量は同じ(CMC)ままだが、ミセルにおける界面活性剤の量は増加する。
水溶液中のミセルは、通常、他のモノマーの疎水性テイルと相互作用する界面活性剤モノマーの疎水性テイルを有する構造であり、油滴のような構造を形成している。その界面活性剤のイオン性部分は、この微小な油滴の外相に向けられ、水性溶媒と相互作用し、その水性の相からミセルの疎水性部分を保護する。その界面活性剤のイオン性部分の電荷の相反が、そのミセルの安定性およびサイズを制限する。
1ミセル当たりのモノマーイオン性界面活性剤分子の数(それゆえ、そのイオン性ミセルのサイズ)は、イオン強度の関数である。
ミセルと接触する溶液のイオン性強度が増加すると、ミセルにおける界面活性剤分子のイオン性部分間の電荷相反が減少し、その電荷相反が、そのミセルの安定性を生む。イオン性強度の増加は、ミセルにおける界面活性剤モノマーの数を増加させ、それゆえそのミセルのサイズを増加させる。さらに、上記CMCは、イオン強度の増加に伴い減少する。
タンパク質がイオン性界面活性剤に曝露される場合、以下の式:
ミセル<=>モノマー+タンパク質=>タンパク質−ミセル
を適用する。
タンパク質へのイオン性界面活性剤の結合のモデルは、BSAのようなモデルタンパク質とSDSのようなモデル界面活性剤とで確立されている(Turroら、1995)。モノマー性SDSのタンパク質への結合は、段階的に(in stage)記載され得る。初期の界面活性剤−結合段階において、少数の界面活性剤分子が、タンパク質の選択された部位に、非常に高親和性で結合する。変性(unfolding)段階において、SDSモノマーの、新しい界面活性剤結合部位を曝しているタンパク質への協同的な結合が存在する。そして最終的に、タンパク質飽和段階において、そのタンパク質は界面活性剤の最大の結合に達する。変性段階の開始において、SDS分子は、再度外相に面している荷電界面活性剤部分と凝集してミニミセルを作製し始め、そして疎水性テイルは、互いに相互作用して再度微小な油滴を作製する。そのタンパク質は、この荷電ミニミセルを取り囲み、「ネックレスおよびビーズ(necklace and bead)構造」を作製する。
(タンパク質−(ミニミセル)に対するイオン強度の効果)
本発明者らは、0.1%SDSの存在下におけるSephadex G75 SFクロマトグラフィーの間の酢酸塩濃度の増加に伴う、IFN−SDS複合体のサイズにおける明らかな連続的な増加を観察した。このIFN−SDS複合体の明らかなサイズ増加を、酢酸塩濃度の増加に伴うIFN Kavパラメーターの減少により検出した。
Kavを定義する前に、ゲル濾過カラムにおける異なる段階を考察する。カラム総容量(Vt)は、樹脂ビーズの容量(Vb)+ビーズ間の容量(Voまたは空間容量)の和であり;樹脂ビーズの容量は、樹脂内部容量(Vi)+ゲル(Vg)の容量の和である。Vtの30%のSephadex樹脂において、このVoは定数である。従って、このVtは、以下:
=V+V=V+V+V
として定義される。
avは、以下:
av=(V−V)/(V−V
として定義される。
Veは、IFN−SDS複合体の溶出容量である。
用語(Ve−Vo)は、どのくらいの樹脂内部容量が、IFN−SDS複合体にアクセス可能であるかの測定値であり;その複合体がその樹脂の細孔を貫通するには大きすぎる場合、その複合体は、Vo(Ve=V0)かつKav=0にて溶出する。
用語(Vt−Vo)は、総樹脂ビーズ容量であり、それゆえKavは、どのくらいの分子が、そのビーズの内部容量へ分配し得るかの比である。その分子が大きいほど、そのKavは小さくなる。
サイズ排除クロマトグラフィーにおいて、IFN−SDS複合体のKavおよび溶出容量(Ve)に対するイオン強度の観察された効果に関して、2つの機構が提案される。
(SDSミセルのサイズにおける増加)
イオン性界面活性剤ミセルのサイズは、上記のようにイオン強度に伴い増加する。より大きなミセルは、樹脂ビーズの内部容量(Vi)においてより大きい容量を満たし得、それゆえそのミセルは、タンパク質−SDS複合体に利用可能なベッド(bed)の内部容量を減少させ得る。タンパク質−SDS複合体に対する正味の効果は、より小さい溶出容量(Ve)およびそのベッドの内部へのタンパク質−SDS複合体の分配の減少(Kavの減少)を生じる。1B)SDSミセルにおける高密度の陰電荷が、タンパク質−SDS中で陰電荷の電気的相反を引き起こし得る可能性があり、これはその樹脂ビーズの利用可能な内部容量(V)の減少に寄与し、溶出容量(V)を減少させ、そのベッドの内部へのタンパク質−SDS複合体の分配を減少(Kavの減少)させる。
(より強いイオン強度でのタンパク質−SDS複合体のサイズ増大)
より強いイオン強度はまた、ミニミセル中のSDS分子の数を増加させることにより、タンパク質に結合するSDSミニミセルのサイズを増加させ得る。そのタンパク質に結合したミニミセルのサイズの増加は、タンパク質−SDS複合体のサイズの増大を引き起こし得、より小さな溶出容量(V)および樹脂ビーズ内部へのタンパク質−SDS複合体の分配の減少(Kavの減少)を生じる。
最終的に、観察されたクロマトグラフィーの効果は、機構1と機構2との組み合わせの結果であり得る。
Sephadex G75 SFにおけるイオン強度に伴うIFN−SDS複合体の溶出特性における大きな変化は、その小さなKav(50mM酢酸塩において0.096)にもまた起因し得る。IFN−SDS複合体は、樹脂ビーズ内部容量(V)にほとんど分配せず、それゆえそのサイズにおける小さな変化は、その樹脂ビーズ内部容量(V)に、より容易に分配するより小さなタンパク質よりも、より劇的な効果を有する。
図1は、本発明の方法を使用してポリペプチドを精製する方法を、フローチャートを使用して示す。 図2は、本発明の方法を使用してインターフェロンβ−1を精製する方法を、フローチャートを使用して示す。 図3は、150mM酢酸ナトリウムおよび0.1%SDSを含む緩衝溶液を用いて、90cmのSephadex G−75カラムを使用した、インターフェロンβ−1分離のクロマトグラムおよびSDS−PAGEを示す。水平な線は、溶出画分の伝導率測定を示す。ヒストグラムは、カラムから不純物が溶出した溶出画分を示す。 図4は、50mM酢酸ナトリウムおよび0.1%SDSを含む緩衝溶液を用いて、90cmのSephadex G−75カラムを使用した、インターフェロンβ−1分離のクロマトグラムおよびSDS−PAGEを示す。水平な線は、溶出画分の伝導率測定を示す。ヒストグラムは、カラムから不純物が溶出した溶出画分を示す。 図5は、1.1cm/時間の直線流速にて、5つの異なる酢酸ナトリウム濃度(50mM、100mM、150mM、200mMおよび250mM)を含む緩衝溶液を用いて、50cmのSephadex G75カラムを使用した、インターフェロンβ−1分離の複数のクロマトグラムを示す。 図6は、ポリペプチドを商業化する方法を、概略的にフローチャートに示す。 図7は、50mM酢酸ナトリウムおよび0.1%SDSを含む緩衝溶液を用いて、90cmのSephadex G−75カラムを使用した、E.coliタンパク質からのインターフェロンβ−1分離のクロマトグラムおよびSDS−PAGEを示す。水平な線は、溶出画分の伝導率測定を示す。ヒストグラムは、カラムから不純物が溶出した溶出画分を示す。 図8は、インターフェロンβ−1分離の2つのクロマトグラムを示す。上のクロマトグラムは、50mM酢酸ナトリウムおよび0.1%SDSを含む緩衝溶液を用いる90cmのSephadex G−75カラムの使用を示す。下のクロマトグラムは、10mM酢酸ナトリウムおよび0.1%SDSを含む緩衝溶液を用いる90cmのSephadex G−75カラムの使用を示す。 図9は、インターフェロンβ−1分離の2つのクロマトグラムを示す。上のクロマトグラムは、pH5.5の50mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA、および0.1%SDSを含む緩衝溶液の使用を示す。下のクロマトグラムは、pH5.5の10mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA、および0.25%SDSを含む緩衝溶液の使用を示す。 図10は、インターフェロンβ−1分離の2つのクロマトグラムを示す。上のクロマトグラムは、pH5.5の150mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA、および0.1% SDSを含む緩衝溶液を用いる、90cmのSephadex G−75カラムの使用を示す。下のクロマトグラムは、pH5.5の150mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA、および0.1% SDSを含む緩衝溶液を用いる、50cmのSephadex G−75カラムの使用を示す。 図11は、3.3cm/時間の直線流速にて、5つの異なる酢酸ナトリウム濃度(50mM、100mM、150mM、200mMおよび250mM)を用いて、50cmのSephadex G75カラムを使用した、インターフェロンβ−1分離の複数のクロマトグラムを示す。

Claims (32)

  1. サイズ排除クロマトグラフィーによりインターフェロン−βを精製するための方法であって、該方法は、以下:
    50mMより強く、500mMより弱いイオン強度を有する緩衝溶液を調製する工程であって、該緩衝溶液は、さらにイオン性界面活性剤を含む、工程;
    サイズ排除クロマトグラフィーのカラムに該インターフェロン−βを充填する工程;
    該サイズ排除クロマトグラフィーのカラムから、該緩衝溶液を用いて、該インターフェロン−βを溶出する工程;
    溶出プロフィールを観察し、該溶出プロフィールの該インターフェロンのピークの非対称値を決定する工程であって、該非対称値は、ピークの高さの10%にて測定された、ピークの後半分の幅の、該ピークの前半分の幅に対する比である、工程
    該溶出プロフィールの該非対称値が0.4と1.6との間にある場合に、溶出画分を収集する工程
    を包含する、方法。
  2. 前記緩衝溶液が、75mMより強く、250mMより弱いイオン強度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記緩衝溶液が、100mMより強く、200mMより弱いイオン強度を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記緩衝溶液が、00mMのイオン強度を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記緩衝溶液が、50mMのイオン強度を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記緩衝溶液が、00mMのイオン強度を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記緩衝溶液が、酢酸ナトリウムを含む、請求項2〜6に記載の方法。
  8. 前記イオン性界面活性剤が、前記緩衝溶液中に、0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度にて存在する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記イオン性界面活性剤が、前記緩衝溶液中に、0.075重量パーセントと0.2重量パーセントとの間の濃度にて存在する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記イオン性界面活性剤が、前記緩衝溶液中に、.1重量パーセントの濃度にて存在する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記イオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸ナトリウムである、請求項8〜10に記載の方法。
  12. 前記緩衝溶液が、さらに金属キレート剤を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記金属キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記金属キレート剤が、0.5mMと1.5mMとの間の濃度にて存在する、請求項11に記載の方法。
  15. 前記金属キレート剤が、mMの濃度にて存在する、請求項11に記載の方法。
  16. サイズ排除クロマトグラフィーによりインターフェロン−βを精製するための方法であって、該方法は、以下:
    50mMより強く、500mMより弱いイオン強度を有する緩衝溶液を調製する工程であって、該緩衝溶液は、0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度のイオン性界面活性剤をさらに含む、工程;
    サイズ排除クロマトグラフィーのカラムに該インターフェロン−βを充填する工程;
    該サイズ排除クロマトグラフィーのカラムから、該緩衝溶液を用いて、該インターフェロン−βを溶出する工程;
    溶出プロフィールを観察し、該溶出プロフィールの該インターフェロンのピークの非対称値を決定する工程であって、該非対称値は、ピークの高さの10%にて測定された、ピークの後半分の幅の、該ピークの前半分の幅に対する比である、工程;および
    該溶出プロフィールの該非対称値が0.4と1.6との間にある場合に、溶出画分を収集する工程
    を包含する、方法。
  17. 前記緩衝溶液が、75mMより強く、250mMより弱いイオン強度を有し、かつ前記イオン性界面活性剤が、0.075重量パーセントと0.2重量パーセントとの間の濃度である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記緩衝溶液が、100mMより強く、200mMより弱いイオン強度を有し、かつ前記イオン性界面活性剤が、.1重量パーセントの濃度である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記緩衝溶液が、50mMのイオン強度を有し、かつ前記イオン性界面活性剤が、.1重量パーセントの濃度である、請求項16に記載の方法。
  20. 前記溶出プロフィールの非対称値が、0.5と1.5との間である、請求項16に記載の方法。
  21. 前記溶出プロフィールの非対称値が、0.6と1.4との間である、請求項16に記載の方法。
  22. 前記溶出プロフィールの非対称値が、0.8と1.2との間である、請求項16に記載の方法。
  23. 前記溶出プロフィールの非対称値が、0.9と1.1との間である、請求項16に記載の方法。
  24. サイズ排除クロマトグラフィーによりインターフェロン−βを精製する方法であって、該方法は、以下:
    50mMより強く、500mMより弱いイオン強度を有する緩衝溶液を調製する工程であって、該緩衝溶液は、0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度のイオン性界面活性剤、および0.5mMと1.5mMとの間の濃度の金属キレート剤をさらに含む、工程;
    サイズ排除クロマトグラフィーのカラムに該インターフェロン−βを充填する工程;
    該サイズ排除クロマトグラフィーのカラムから、該緩衝溶液を用いて、該インターフェロン−βを溶出する工程;
    溶出プロフィールを観察し、該溶出プロフィールの該インターフェロンのピークの非対称値を決定する工程であって、該非対称値は、ピークの高さの10%にて測定された、ピークの後半分の幅の、該ピークの前半分の幅に対する比である、工程;および
    該溶出プロフィールの該非対称値が0.4と1.6との間にある場合に、溶出画分を収集する工程
    を包含する、方法。
  25. 前記金属キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記緩衝溶液が、50mMより強く、500mMより弱いイオン強度を有し、該緩衝溶液が、0.05重量パーセントと0.25重量パーセントとの間の濃度のイオン性界面活性剤およびmMの濃度の金属キレート剤をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  27. 前記緩衝溶液が、50mMのイオン強度を有し、該緩衝溶液が、.1重量パーセントの濃度のイオン性界面活性剤およびmMの濃度の金属キレート剤をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  28. 前記溶出プロフィールの非対称値が、0.6と1.4との間である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記溶出プロフィールの非対称値が、0.8と1.2との間である、請求項27に記載の方法。
  30. 前記溶出プロフィールの非対称値が、0.9と1.1との間である、請求項27に記載の方法。
  31. 前記インターフェロン−βが、インターフェロン−β1である、請求項1〜0のいずれかに記載の方法。
  32. 精製される前記インターフェロン−βの量が、1グラムより多い、請求項1、16および24に記載の方法。
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