JP4640184B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関に関し、さらに詳しくは、エンジンの始動性を向上させ得る内燃機関に関する。
内燃機関(エンジン)では、例えば、寒冷地のような極低温の走行条件下にて、シリンダ内の燃料が着火し難くなりエンジンの始動性が悪化するという課題がある。特に、ディーゼルエンジンでは、その傾向が顕著であり、エンジンの始動性を向上すべき要請が強い。また、近年では、自然環境に対する配慮などから車両の停止時にてアイドリングストップが行われる傾向がある。かかる場合には、車両がスムーズに走行を再開するために、エンジンの再始動が速やかに行われることが好ましい。このため、エンジンの始動性を向上すべき要請が益々強まっている。
なお、この出願にかかる発明に関連する従来の内燃機関には、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の内燃機関(ターボチャージャを備えたエンジンの吸気制御装置)は、エンジンの排気マニフォルドにタービンを設け、該タービンで駆動されるコンプレッサを吸気マニフォルドに連通したターボチャージャを備えたエンジンの吸気装置において、前記コンプレッサからの管路にバイパス管を設け、このバイパス管に電磁弁と蓄圧タンクとレギュレータバルブとを直列に接続し、前記管路と前記バイパス管の合流点には方向切換弁を設け、この方向切換弁の下流側は管路を介して前記吸気マニフォルドに接続し、蓄圧タンク内のタンク圧と前記管路の前記バイパス管との合流点よりもコンプレッサ側の圧力と前記方向切換弁の下流側の管路の圧力とを検出する圧力センサを設け、これ等の圧力センサからの信号に基づき電磁弁、レギュレータバルブ、又は方向切換弁を制御する制御装置を備えたことを特徴とする。
特開平8−260991号公報
この発明は、エンジンの始動性を向上させ得る内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる内燃機関は、ピストンと前記ピストンを収容するシリンダとを有すると共に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程から成る各行程により前記ピストンが駆動されて動力を発生する内燃機関であって、前記シリンダに蓄圧ガスの流路を介して接続される蓄圧部を含み、且つ、エンジン始動時の吸気行程および圧縮行程にて前記シリンダ内が密閉され、エンジン始動時の膨張行程にて前記蓄圧部が前記シリンダ内に蓄圧ガスを供給すると共に当該蓄圧ガスの圧力により前記ピストンが駆動されることを特徴とする。
この内燃機関では、エンジン始動時の膨張行程にて、蓄圧部がシリンダ内に蓄圧ガスを供給し、この蓄圧ガスの圧力によりピストンが押し下げられて仕事をするので、エンジン始動時のクランキングが補助されてエンジンの始動性が向上する利点がある。
また、この内燃機関では、吸気行程および圧縮行程にてシリンダ内が密閉されるので、圧縮行程における圧縮仕事が低減される。すると、膨張行程にてシリンダ内に蓄圧ガスが供給されたときにシリンダ内の圧力が大きく上昇して、蓄圧ガスがピストンに付与するエネルギーが増加する。これにより、エンジン始動時のクランキングがより効率的に補助されて、エンジンの始動性がさらに向上する利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、エンジン始動時の吸気行程にて前記蓄圧部が前記シリンダ内に蓄圧ガスを供給すると共に当該蓄圧ガスの圧力により前記ピストンが駆動される。
この内燃機関では、エンジン始動時の吸気行程および膨張行程の双方にて蓄圧部がシリンダ内に蓄圧ガスを供給し、この蓄圧ガスの圧力によりピストンが押し下げられて仕事をする。したがって、膨張行程でのみ蓄圧ガスがシリンダ内に供給される構成と比較して、ピストンによる仕事量が増加する。これにより、エンジン始動時のクランキングがより効率的に補助されて、エンジンの始動性がさらに向上する利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、エンジン始動時の吸気行程にて前記蓄圧部が前記シリンダ内に蓄圧ガスを供給すると共に当該蓄圧ガスの圧力により前記ピストンが駆動され、圧縮行程にてシリンダ内のガスが排出される。
この内燃機関では、エンジン始動時の吸気行程および膨張行程の双方にて蓄圧部がシリンダ内に蓄圧ガスを供給し、この蓄圧ガスの圧力によりピストンが押し下げられて仕事をする。したがって、膨張行程でのみ蓄圧ガスがシリンダ内に供給される構成と比較して、ピストンによる仕事量が増加する。これにより、エンジン始動時のクランキングがより効率的に補助されて、エンジンの始動性がさらに向上する利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、エンジン始動時にてエンジン回転数Neが自立運転可能な所定の回転数N2よりも低いときは、前記シリンダ内への燃料供給が停止される。
この内燃機関では、エンジン始動時にて自立運転可能な所定の回転数N2までシリンダ内への燃料供給が停止されるので、エンジン始動時における燃料のロスが低減される利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、内燃機関が車両に搭載され、且つ、車両の制動時にて前記シリンダ内から取得された制動エネルギーにより前記蓄圧部への蓄圧が行われる。
この内燃機関では、車両の制動エネルギーが利用(回生)されるので、独立して蓄圧が行われる構成と比較して、エンジンの燃費を悪化させることなく蓄圧部への蓄圧が行われる利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、前記蓄圧部への蓄圧が減筒運転時における休止中の前記シリンダを用いて行われる。
この内燃機関では、蓄圧部の蓄圧が休止中のシリンダを用いて行われるので、蓄圧部への蓄圧が確実に行われる利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、可変ノズル付き過給機を有すると共に前記シリンダ内に導入される吸気量を調整するスロットル弁を有し、且つ、前記蓄圧部への蓄圧時にて、前記可変ノズルが締め側に調整されると共に前記スロットル弁が締め側に調整され、前記過給機の下流側かつ前記スロットル弁の上流側から圧力が取得されて蓄圧が行われる。
この内燃機関では、可変ノズルおよびスロットル弁の開度調整により高い圧力が効率的に取得されるので、蓄圧部への蓄圧が効率的に行われる利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、可変ノズル付き過給機を有すると共に前記シリンダ内に導入される吸気量を調整するスロットル弁を有し、且つ、前記蓄圧部への蓄圧時にて、前記可変ノズルが締め側に調整されると共に前記スロットル弁が開け側に調整され、圧縮行程中にて前記シリンダ内の余剰分の圧力が取得されて蓄圧が行われる。
この内燃機関では、可変ノズルおよびスロットル弁の開度調整により高い圧力が効率的に取得されるので、蓄圧部への蓄圧が効率的に行われる利点がある。
また、この発明にかかる内燃機関は、前記蓄圧部への蓄圧時にて前記過給機が供給する過給圧が高められる。
この内燃機関では、蓄圧時にて過給機が供給する過給圧が高められるので、蓄圧部への蓄圧が効率的に行われる利点がある。
この発明にかかる内燃機関では、エンジン始動時の膨張行程にて、蓄圧部がシリンダ内に蓄圧ガスを供給し、この蓄圧ガスの圧力によりピストンが押し下げられて仕事をするので、エンジン始動時のクランキングが補助されてエンジンの始動性が向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1〜図3は、この発明の実施例にかかる内燃機関を示す構成図(図1)および作用説明図(図2および図3)である。図4〜図7は、図1に記載した内燃機関の変形例を示す説明図である。図8は、図1に記載した内燃機関の蓄圧部への蓄圧方法を示す説明図である。図9は、図8に記載した蓄圧方法の変形例を示す説明図である。図10は、図1に記載した内燃機関の変形例を示す構成図である。
[内燃機関]
この内燃機関(エンジン)1は、多気筒4ストロークエンジンであり、例えば、車両に搭載されるディーゼルエンジン、ガソリンエンジンに適用される。この実施例では、一例として、内燃機関1がディーゼルエンジンに適用される場合について説明する。なお、ガソリンエンジンへの適用は、当業者自明の範囲内にて任意に為し得る。
この内燃機関1は、シリンダ2と、ピストン3と、吸気ポート4と、排気ポート5とを有する(図1参照)。シリンダ2には、ピストン3が往復運動可能に収容される。ピストン3は、クランクシャフト(図示省略)に連結され、その往復運動により動力をクランクシャフトに伝達する。また、シリンダ2には、吸気ポート4が接続され、この吸気ポート4に対して吸気マニホールド(図示省略)が接続される。また、吸気ポート4には吸気バルブ41が設けられ、この吸気バルブ41の開閉動作によりシリンダ2への吸気が制御される。また、シリンダ2には排気ポート5が接続され、この排気ポート5に対して排気マニホールド(図示省略)が接続される。また、排気ポート5には排気バルブ51が設けられ、この排気バルブ51の開閉動作によりシリンダ2からの排気が制御される。また、シリンダ2には、燃料を噴射するためのインジェクタ(図示省略)が取り付けられている。
ここで、内燃機関1の自立運転(定常運転)時には、吸気行程a、圧縮行程b、膨張行程cおよび排気行程dから成る各行程によりピストン3が駆動されて動力が発生する(図示省略)。なお、内燃機関1の自立運転とは、主として供給された燃料の燃焼による熱エネルギーにより膨張行程cが行われる運転状態をいい、後述するエンジン始動時の予備運転(ST11)あるいは補助運転(ST13)と区別される。
この自立運転時には、(1)吸気行程aにて、吸気バルブ41が開弁されると共に排気バルブ51が閉弁され、ピストン3が下降して吸気(空気)が吸気ポート4からシリンダ2内(燃焼室)に導入される。(2)圧縮行程bでは、吸気バルブ41および排気バルブ51が閉弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内の吸気が圧縮される。また、圧縮行程bの後期にインジェクタからシリンダ2内に燃料が噴射されて燃料供給が行われる。(3)膨張行程cでは、シリンダ2内の混合気が圧縮熱により燃焼して膨張し、ピストン3が押し下げられて仕事をする。このとき、吸気バルブ41および排気バルブ51が閉弁されている。(4)排気行程dでは、吸気バルブ41が閉弁されると共に排気バルブ51が開弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内の排気が排気ポート5から押し出される。そして、これらの(1)〜(4)の各行程が繰り返されることにより、ピストン3がシリンダ2内を往復運動して動力がクランクシャフトに伝達される。なお、この自立運転時には、スタータ(図示省略)が停止されており、また、始動補助手段6のシリンダ側バルブ62が閉弁されている。
[エンジンの始動性の向上]
ここで、この内燃機関1では、以下の構成によりエンジンの始動性の向上が図られる。まず、内燃機関1は、始動補助手段6と制御部7とを有する(図1参照)。始動補助手段6は、エンジンの始動を補助する機能を有し、蓄圧部61とシリンダ側バルブ62とを有する。蓄圧部61は、例えば、圧力エネルギーを蓄える蓄圧タンクであり、シリンダ側流路64を介してシリンダ2に接続される。また、この蓄圧部61は、自立運転時におけるシリンダ2内の圧力よりも高圧のガス(以下、蓄圧ガスという。)をシリンダ2内に供給できる。シリンダ側バルブ62は、シリンダ側流路64(蓄圧ガスの流路)を開閉するバルブであり、シリンダ側流路64の開口部(シリンダ2内に開口する部分)に設けられる。
制御部7は、例えば、内燃機関1のECU(Electronic Control Unit)により構成される。この制御部7は、吸気バルブ41、排気バルブ51、シリンダ側バルブ62、インジェクタなどを駆動制御する。また、制御部7は、各センサー(図示省略)によりエンジン回転数Ne、エンジンの冷却水温度Tw、蓄圧部61内の圧力Ps、吸気の圧力Pim、シリンダ2内の圧力P、車両の速度D、燃料の目標噴射量Pfinなどに関する情報を取得できる。また、制御部7は、後述する制御に必要なデータ(N1〜N3、D1、Pmin、Pmax、Q1など)に関する情報を有する。
エンジンの始動時には、まず、予備運転が行われる(ST11)(図2参照)。この予備運転では、シリンダ内への燃料供給(インジェクタによる燃料噴射)が行われず、例えば、スタータ(例えば、エンジンのセルモータ)によりクランクシャフトが駆動されてピストン3がシリンダ2内を往復運動する。この予備運転は、エンジンの回転数Neが所定の回転数N1になるまで継続される(ST12)。これにより、エンジンの始動直後にてクランクシャフトの回転方向が所定の一定方向に規制されて、クランクシャフトの反転が防止される。なお、予備運転(ST11)では、始動補助手段6のシリンダ側バルブ62が閉弁されている。
次に、エンジンの回転数Neが所定の回転数N1になると、スタータが停止されて予備運転(ST11)から補助運転(ST13)への移行が行われる(ST12)(図2および図3参照)。なお、図3に示すP−V線図では、容積Vがシリンダ2の行程容積を示しており、容積V1および容積V2がピストン3の上死点および下死点における各シリンダ容積を示している。また、圧力Pがシリンダ2内の燃焼室における圧力を示しており、P0が大気圧を示しており、Psが蓄圧部61から供給される蓄圧ガスの圧力を示している。
(1)補助運転の吸気行程a1では、吸気バルブ41が開弁されると共に排気バルブ51が閉弁され、ピストン3が下降して吸気が吸気ポート4からシリンダ2内に導入される(図3参照)。このとき、始動補助手段6のシリンダ側バルブ62は閉弁されている。
(2)圧縮行程b1では、吸気バルブ41、排気バルブ51およびシリンダ側バルブ62が閉弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内の吸気が圧縮される。このとき、シリンダ2内への燃料供給は行われない。
(3)膨張行程c1では、その初期にシリンダ側バルブ62が開弁される。このとき、吸気バルブ41および排気バルブ51は閉弁されている。ここで、蓄圧部61には、エンジンの自立運転時(ST15)におけるシリンダ2の内圧Pよりも高い圧力Psが蓄えられている。このため、シリンダ側バルブ62が開弁されると、蓄圧部61からシリンダ側流路64を介してシリンダ2内に蓄圧ガスが供給される。すると、この蓄圧ガスの圧力Psによりシリンダ2内の圧力Pが上昇し、ピストン3が押し下げられて仕事をする。これにより、ピストン3の駆動が補助されてエンジン始動時のクランキングが速やかに行われる。なお、シリンダ側バルブ62は、膨張行程c1中の所定の時期(排気行程d1に移行する前)に閉弁される。これにより、膨張行程c1から排気行程d1への移行が速やかに行われる。
(4)排気行程d1では、吸気バルブ41およびシリンダ側バルブ62が閉弁されると共に排気バルブ51が開弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内の排気が排気ポート5から押し出される。そして、これらの(1)〜(4)の各行程が繰り返されることにより、ピストン3がシリンダ2内を往復運動して動力がクランクシャフトに伝達される。
次に、エンジンの回転数Neが所定の回転数N2まで上昇すると、補助運転(ST13)から自立運転(ST15)への移行が行われる(ST14)。この回転数N2は、エンジンの自立運転が可能な回転数であり、例えば、蓄圧部61の圧力Psによる補助を受けることなく、燃料供給のみにより各行程a〜dが行われてピストン3が駆動され得る回転数に設定される。これにより、補助運転(ST13)から自立運転(ST15)への移行がスムーズに行われる。
なお、上記の補助運転(ST13)と自立運転(ST15)とは、各膨張行程c、c1にて相異し、他の吸気行程a、a1、圧縮行程b、b1および排気行程d、d1では略同一である。具体的には、補助運転(ST13)では、主として蓄圧部61から供給された蓄圧ガスの圧力によりピストン3が駆動されるのに対し、自立運転(ST15)では、主として供給された燃料の燃焼によりピストン3が駆動される点で相異する。しかし、これに限らず、補助運転(ST13)と自立運転時(ST15)とが併用され、蓄圧ガスの圧力と供給燃料の燃焼との双方によりピストン3が駆動されても良い。
この内燃機関1では、エンジン始動時の膨張行程c1にて、蓄圧部61がシリンダ2内に蓄圧ガスを供給し、この蓄圧ガスの圧力によりピストン3が押し下げられて仕事をする。これにより、エンジン始動時のクランキングが補助されてエンジンの始動性が向上する利点がある。
また、この内燃機関1では、エンジン始動時にて自立運転可能な所定の回転数N2までシリンダ2内への燃料供給が停止される(ST11〜ST14)。これにより、エンジン始動時における燃料のロスが低減される利点がある。例えば、低温条件下では、燃料の着火が困難なために供給された燃料が無駄になるおそれがある。そこで、エンジンの始動直後は、燃料供給が行われずに予備運転(ST11)あるいは補助運転(ST13)によりピストン3が駆動され、エンジンの回転数Neが上昇して自立運転(ST15)が可能となってから燃料供給が開始される。
[変形例1]
また、例えば、寒冷地などの極めて低温の走行条件下では、燃料の着火が困難なため、燃料を供給しても直ちに自立運転を行うことが出来ない。このため、かかる走行条件下では、エンジン始動時にて、早期にエンジン回転数Neを上昇させてシリンダ2内の圧縮端温度を高め、自立運転を行えるようにする必要がある。そこで、この内燃機関1では、上記の補助運転(ST13)が以下のように行われることが好ましい(図2および図4参照)。
(1)吸気行程a2では、吸気バルブ41および排気バルブ51が閉弁されたまま、シリンダ側バルブ62が開弁される。すると、シリンダ2内に蓄圧ガスが供給されてシリンダ2内の圧力Pが上昇し、ピストン3が押し下げられて仕事をする。すなわち、この変形例1では、蓄圧部61側から吸気が行われ、吸気ポート4側からは吸気が行われない。なお、シリンダ側バルブ62は、吸気行程a2中の所定の時期(圧縮行程b2に移行する前)に閉弁される。これにより、吸気行程a2から圧縮行程b2への移行が速やかに行われる。
(2)圧縮行程b2では、吸気バルブ41、排気バルブ51およびシリンダ側バルブ62が閉弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内のガスが圧縮される。このとき、シリンダ2内への燃料供給は行われない。
(3)膨張行程c2では、その初期にシリンダ側バルブ62が再び開弁されてシリンダ2内に蓄圧ガスが供給される。このとき、吸気バルブ41および排気バルブ51は閉弁されている。すると、この蓄圧ガスの圧力Psによりシリンダ2内の圧力Pが上昇し、ピストン3が押し下げられて再び仕事をする。なお、シリンダ側バルブ62は、膨張行程c2中の所定の時期(排気行程d2に移行する前)に閉弁される。これにより、膨張行程c2から排気行程d2への移行が速やかに行われる。
(4)排気行程d2では、吸気バルブ41およびシリンダ側バルブ62が閉弁されると共に排気バルブ51が開弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内の排気が排気ポート5から押し出される。そして、これらの(1)〜(4)の各行程が繰り返されることにより、ピストン3がシリンダ2内を往復運動して動力がクランクシャフトに伝達される。そして、エンジンの回転数Neが所定の回転数N2まで上昇すると、補助運転(ST13)から自立運転(ST15)への移行が行われる(ST14)。
かかる構成では、エンジン始動時の吸気行程a2および膨張行程c2の双方にて蓄圧部61がシリンダ2内に蓄圧ガスを供給し、この蓄圧ガスの圧力によりピストン3が押し下げられて仕事をする(図4参照)。すなわち、1サイクル中に2度、シリンダ側バルブ62が開閉動作して蓄圧ガスがシリンダ2内に供給される。したがって、膨張行程c1でのみ蓄圧ガスがシリンダ2内に供給される構成(図3参照)と比較して、ピストン3による仕事量が増加する。これにより、エンジン始動時のクランキングがより効率的に補助されて、エンジンの始動性がさらに向上する利点がある。
また、かかる構成では、吸気行程a2にて蓄圧部61側から吸気(蓄圧ガス)が導入されるので、吸気ポート4側から吸気が導入される構成(図3参照)と比較して、圧縮行程b2の初期におけるシリンダ2内の圧力Pが増加する(図4参照)。また、蓄圧ガスの圧力Psが吸気ポート4側からの吸気(大気圧P0)よりも高圧なので、シリンダ2内への吸気の導入速度が増加する。したがって、シリンダ2内の圧縮端温度および酸素密度が増加して、燃料の着火性が向上する。これにより、早期に自立運転(ST15)が可能となり、エンジンの始動性が向上する利点がある。
[変形例2]
また、例えば、アイドリングストップによるエンジンの再始動時には、瞬時にエンジン回転数Neを上昇させて自立運転(ST15)を可能とする必要がある。ここで、エンジンの再始動時には、エンジンが暖まっているため燃料の着火が比較的容易である。しかし、より早期に自立運転(ST15)を可能とするために以下の構成が採用されることが好ましい(図5および図6参照)。
まず、エンジンの再始動時には、例えば、ドライバーの発進動作(再始動の開始信号)が検出される(ST21)。この発進動作の検出では、例えば、アイドリングストップ時にてドライバーがブレーキペダルを緩める動作をセンサー(図示省略)が検出し、その検出信号を制御部7が取得する。
次に、ドライバーの発進動作が検出されると、予備運転が開始される(ST22)。この予備運転では、スタータによりクランクシャフトが駆動されて、クランクシャフトの回転方向が所定の一定方向に規制される。これにより、エンジンの再始動時におけるクランクシャフトの反転が防止される。なお、予備運転は、例えば、エンジンの回転数Neが上昇して所定の回転数N1となるまで継続される。
次に、補助運転が開始される(ST23)(図6参照)。この補助運転では、(1)吸気行程a3にて、シリンダ2内が密閉される。具体的には、吸気バルブ41、排気バルブ51およびシリンダ側バルブ62のいずれもが閉弁される。また、吸気行程a3中におけるシリンダ2内への吸気の流入が停止される。かかる吸気の停止は、例えば、内燃機関1のディーゼルスロットル、可変バルブタイミング機構などの駆動制御により行われる(図示省略)。また、スタータによりクランクシャフトが駆動されて、ピストン3がシリンダ2内を下死点(V=V2)まで移動する。なお、このスタータによるクランクシャフトの駆動は、予備運転(ST22)から継続して行われても良い。
(2)圧縮行程b3では、吸気バルブ41、排気バルブ51およびシリンダ側バルブ62が閉弁されたままスタータによりクランクシャフトが駆動されて、ピストン3が上死点(V=V1)まで移動する。このとき、理想的な断熱条件下では、上記のようにシリンダ2内が密閉されるので、先の吸気行程a3によりシリンダ2内が減圧される。したがって、圧縮行程b3では、ピストン3が上死点まで引き戻されて移動するため、圧縮仕事が低減(あるいは省略)される。なお、圧縮行程b3の終了時(膨張行程c3の開始時)には、シリンダ2内の圧力Pが略大気圧P0となる。また、このとき、シリンダ2内への燃料供給は行われない。
(3)膨張行程c3では、その初期にシリンダ側バルブ62が開弁されてシリンダ2内に蓄圧ガスが供給される。このとき、吸気バルブ41および排気バルブ51は閉弁されている。すると、シリンダ2内の圧力Pが略大気圧P0からの蓄圧ガスの圧力Psまで一気に上昇し、ピストン3が押し下げられて仕事をする。なお、シリンダ側バルブ62は、膨張行程c3中の所定の時期(排気行程d3に移行する前)に閉弁される。
(4)排気行程d3では、吸気バルブ41およびシリンダ側バルブ62が閉弁されると共に排気バルブ51が開弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内の排気が排気ポート5から押し出される。そして、これらの(1)〜(4)の各行程が繰り返されることにより、ピストン3がシリンダ2内を往復運動して動力がクランクシャフトに伝達される。そして、エンジンの回転数Neが所定の回転数N2まで上昇すると、補助運転(ST23)から自立運転(ST25)への移行が行われる(ST24)。
かかる構成では、吸気行程a3および圧縮行程b3にてシリンダ2内が密閉されるので、理想的な断熱条件下では、圧縮行程b3における圧縮仕事が低減される(行われない)。すると、膨張行程c3の開始時におけるシリンダ2内の圧力Pが吸気行程a3の開始時の圧力(大気圧P0)に略等しくなる。このため、その後の膨張行程c3にてシリンダ2内に蓄圧ガスが供給されたときに、この蓄圧ガスの圧力Psによりシリンダ2内の圧力Pが大きく上昇する。すなわち、圧縮行程b1にて圧縮仕事が行われる構成(図3参照)と比較して、蓄圧ガスがピストン3に付与するエネルギーが増加する(図6参照)。これにより、エンジン始動時のクランキングがより効率的に補助されて、エンジンの始動性がさらに向上する利点がある。
特に、エンジンの再始動時には、エンジンが既に暖められている場合が多いため、吸気行程a3にて吸気(外気)がシリンダ2内に導入されると、シリンダ2内の温度が著しく低下して燃料の着火が困難となる。また、この内燃機関1では、自立運転時(ST25)におけるシリンダ2内の圧力よりも高圧の蓄圧ガスが蓄圧部61からシリンダ2内に供給される。このため、エンジン再始動時にて上記の補助運転(ST23)が行われる構成では、当初から燃料供給によりピストン3が駆動される構成と比較して、より早くエンジンの回転数Neが上昇する利点がある。
[変形例3]
また、この内燃機関1では、上記の補助運転(ST13、ST23)が以下のように行われても良い(図2、図5および図7参照)。この補助運転では、(1)吸気行程a4にて、吸気バルブ41および排気バルブ51が閉弁されると共にシリンダ側バルブ62が開弁される。すると、シリンダ2内に蓄圧ガスが供給されてシリンダ2内の圧力Pが蓄圧ガスの圧力Psまで上昇し、ピストン3が押し下げられて仕事をする。なお、シリンダ側バルブ62は、吸気行程a4中の所定の時期(圧縮行程b4に移行する前)に閉弁される。
(2)圧縮行程b4では、吸気バルブ41または排気バルブ51の少なくとも一方が開弁され、シリンダ側バルブ62が閉弁される。そして、ピストン3が上昇してシリンダ2内のガスが吸気ポート4または排気ポート5から排出される。したがって、この圧縮行程b4では、シリンダ2内の圧力が大気圧P0のまま一定に維持され、圧縮仕事が行われない。なお、このとき、シリンダ2内への燃料供給は行われない。
(3)膨張行程c4では、その初期にシリンダ側バルブ62が開弁されてシリンダ2内に蓄圧ガスが供給される。このとき、吸気バルブ41および排気バルブ51は閉弁されている。すると、シリンダ2内の圧力Pが大気圧P0からの蓄圧ガスの圧力Psまで一気に上昇し、ピストン3が押し下げられて仕事をする。なお、シリンダ側バルブ62は、膨張行程c4中の所定の時期(排気行程d4に移行する前)に閉弁される。
(4)排気行程d4では、吸気バルブ41およびシリンダ側バルブ62が閉弁されると共に排気バルブ51が開弁され、ピストン3が上昇してシリンダ2内の排気が排気ポート5から押し出される。そして、これらの(1)〜(4)の各行程が繰り返されることにより、ピストン3がシリンダ2内を往復運動して動力がクランクシャフトに伝達される。そして、エンジンの回転数Neが所定の回転数N2まで上昇すると、補助運転(ST13、ST23)から自立運転(ST15、ST25)への移行が行われる(ST14、ST24)。
かかる構成では、エンジン始動時の吸気行程a4および膨張行程c4の双方にて蓄圧部61がシリンダ2内に蓄圧ガスを供給し、この蓄圧ガスの圧力によりピストン3が押し下げられて仕事をする(図7参照)。したがって、膨張行程c1でのみ蓄圧ガスがシリンダ2内に供給される構成(図3参照)と比較して、ピストン3による仕事量が増加する。これにより、エンジン始動時のクランキングがより効率的に補助されて、エンジンの始動性がさらに向上する利点がある。
また、かかる構成では、圧縮行程b4にてシリンダ2内のガスが排出されるので、圧縮仕事が低減される(行われない)。すると、膨張行程c4の開始時におけるシリンダ2内の圧力Pが大気圧P0に略等しくなる。このため、その後の膨張行程c4にてシリンダ2内に蓄圧ガスが供給されたときに、この蓄圧ガスの圧力Psによりシリンダ2内の圧力Pが大きく上昇する。すなわち、圧縮行程b1にて圧縮仕事が行われる構成(図3参照)と比較して、蓄圧ガスがピストン3に付与するエネルギーが増加する(図7参照)。これにより、エンジン始動時のクランキングがより効率的に補助されて、エンジンの始動性がさらに向上する利点がある。
なお、上記の構成では、吸気行程a4および膨張行程c4では、シリンダ2内の圧力Pが蓄圧部61内の圧力Psまで昇圧される前に、シリンダ側バルブ62が閉弁されてもよい(図示省略)。かかる構成としても、エンジンの始動性が効果的に向上する。
[蓄圧部への蓄圧]
また、この内燃機関1では、蓄圧部61への蓄圧を行うために以下の構成が採用される。まず、蓄圧部61が吸気ポート側流路65を介して吸気ポート4に接続される(図1参照)。また、吸気ポート側流路65には流量調整弁63が配置される。そして、この流量調整弁63により吸気ポート側流路65におけるガスの流量が調整される。
ここで、蓄圧部61への蓄圧時には、流量調整弁63が開弁されると共にシリンダ側バルブ62が閉弁される。これにより、吸気ポート4内の高圧ガスが吸気ポート側流路65を介して蓄圧部61に導かれて蓄圧が行われる。なお、蓄圧部61への蓄圧は、上記の構成に限定されず、他の構成により行われても良い。
また、蓄圧部61への蓄圧は、例えば、車両の制動時にてシリンダ2内から取得された制動エネルギー(圧力)により行われることが好ましい(図8参照)。かかる構成では、車両の制動エネルギーが利用(回生)されるので、独立して蓄圧が行われる構成と比較して、エンジンの燃費を悪化させることなく蓄圧部61への蓄圧が行われる利点がある。
例えば、車両の走行時には、制御部7がセンサー(図示省略)により車両の制動開始を監視している。そして、制動が開始されると(ST31)、車両の速度Dと所定の下限値D1とが比較され、また、エンジンの回転数Neと所定の下限値N3とが比較される(ST32)。これらの下限値D1、N3は、車両の走行性能が維持される値に設定されている。そして、車両の速度Dおよびエンジンの回転数Neが対応する下限値D1、N3以上の場合には、シリンダ2内の圧力Pと蓄圧ガスの圧力Psおよび蓄圧部61の上限圧力Pmaxとが比較される(ST33)。そして、シリンダ2内の圧力Pが蓄圧ガスの圧力Psより大きく、蓄圧部61の上限圧力Pmaxよりも小さい場合には、制動エネルギーに回生装置(図示省略)により蓄圧部61への蓄圧が行われる(ST34)。
また、上記の構成では、蓄圧ガスの圧力Psが所定の下限値Pminよりも低くなった場合(ST41)には、強制的に蓄圧部61の蓄圧が行われる(ST43)ことが好ましい(図9参照)。このとき、燃料の目標噴射量Qfinと低負荷の判断基準となる燃料噴射量Q1とが比較される(ST42)。そして、エンジンの負荷が軽い(Qfin<Q1)と判断された場合に、蓄圧部61の蓄圧が強制的に行われる。
例えば、蓄圧部61の蓄圧が休止中のシリンダ2を用いて行われる。すなわち、蓄圧の要求が高い場合には、減筒運転が行われ、燃料噴射が行われていないシリンダ2を用いて蓄圧が行われる。これにより、蓄圧部61への蓄圧が確実に行われる利点がある。
また、例えば、内燃機関1が可変ノズル付き過給機を有すると共にシリンダ2内に導入される吸気量を調整するスロットル弁を有する構成(図示省略)では、以下のように蓄圧部61への蓄圧が行われる。すなわち、低負荷運転時にて、可変ノズルが締め側(過給圧が増加する側)に調整される。例えば、可変ノズルは、過給圧が最大となる開度に調整される。また、スロットル弁が締め側(シリンダ2への空気量が減少する側)に調整される。例えば、スロットル弁は、エンジンの必要空気量が下限となる開度に調整される。そして、過給機の下流側かつスロットル弁の上流側から圧力が取得されて、蓄圧部61への蓄圧が行われる。これにより、可変ノズルおよびスロットル弁の開度調整により高い圧力が効率的に取得されるので、蓄圧部61への蓄圧が効率的に行われる利点がある。また、かかる構成では、上記の減筒運転による構成と比較して、複数のシリンダ2間におけるトルク変動が少ない。これにより、蓄圧時におけるエンジン振動が低減される利点がある。
また、例えば、上記のように、内燃機関1が可変ノズル付き過給機を有すると共にシリンダ2内に導入される吸気量を調整するスロットル弁を有する構成では、以下のように蓄圧部61への蓄圧が行われても良い。すなわち、低負荷運転時にて、可変ノズルが締め側(例えば、過給圧が最大となる開度)に調整され、スロットル弁が開け側(例えば、シリンダ2への空気量が最大となる開度)に調整される。そして、圧縮行程b中にてシリンダ2内の余剰分の圧力が取得されて蓄圧が行われる。これにより、可変ノズルおよびスロットル弁の開度調整により高い圧力が効率的に取得されるので、蓄圧部61への蓄圧が効率的に行われる利点がある。また、かかる構成では、上記の減筒運転による構成と比較して、複数のシリンダ2間におけるトルク変動が少ない。これにより、蓄圧時におけるエンジン振動が低減される利点がある。
また、上記の構成では、蓄圧時にて過給機が供給する過給圧が高められることが好ましい。これにより、蓄圧部61への蓄圧が効率的に行われる(例えば、蓄圧時間が短縮される)利点がある。例えば、蓄圧時には、排気行程dにおける排気バルブ5の開弁時期が早められて排気エネルギーが増加される。これにより、過給機の過給圧が高められる。
また、かかる構成では、シリンダ2内に供給される燃料量(燃料噴射量)が増加されることが好ましい。これにより、排気バルブ51の開弁時期の早期化に伴うエンジントルクの低下が低減される利点がある。
なお、これらの構成では、蓄圧時における可変ノズルの開度、スロットル弁の開度、シリンダ2内に供給される燃料量、排気行程dにおける排気バルブ51の開弁時期などが、エンジンの定常運転時を基準として相対的に決定される。
[内燃機関の変形例]
また、この内燃機関1では、以下の構成が採用されても良い(図10参照)。まず、蓄圧部61が吸気ポート側流路65を介して吸気ポート4に接続される。また、吸気ポート側流路には開閉弁66が設けられる。この開閉弁66は、例えば、三方弁、流量調整弁などにより構成され、ECU7により駆動制御される。また、蓄圧部61とシリンダ2とがシリンダ側流路64を介して接続され、シリンダ側流路64の開口部にシリンダ側バルブ62が配置される。また、シリンダ側流路64上には、熱交換器(冷却器)68が配置される。
かかる構成では、開閉弁66が開弁されると、蓄圧ガスが蓄圧部61から吸気ポート側流路65および吸気ポート4を介してシリンダ2に供給される。また、蓄圧部61への蓄圧時には、シリンダ側バルブ62が開弁され、シリンダ2内の圧縮ガスがシリンダ側流路64を介して蓄圧部61に導入される。このとき、圧縮ガスが熱交換器68にて冷却される。
[適用対象]
また、この内燃機関1は、例えば、過給機を有する内燃機関に適用される(図示省略)。かかる内燃機関では、一般に、過給機がタービンとコンプレッサとを有すると共に排気マニホールドに接続されて配置される。そして、排気マニホールドを通過する排気によりタービンが駆動されると共にこのタービンによりコンプレッサが駆動されて吸気が圧縮される。そして、この圧縮された吸気(過給圧)が吸気マニホールドを介してシリンダ内に供給されることにより、エンジン出力が増加される。
このような内燃機関には、エンジンの低回転時における過給遅れを改善するために、蓄圧タンクが設けられる。この蓄圧タンクは、吸気ポートに接続されて設置され、例えば、エンジンの高回転時にて生ずる余剰の過給圧を蓄える。そして、エンジンの低回転時にて過給遅れが発生したときに、この過給圧が吸気ポートを介してシリンダに供給される。これにより、過給遅れが抑制されてエンジン性能が向上する。
ここで、この内燃機関1が、かかる過給機を有する内燃機関に適用される場合には、始動補助手段6の蓄圧部61が上記の蓄圧タンクにより構成される。すなわち、既存の蓄圧タンクが蓄圧部61に兼用される。これにより、内燃機関1の構成が簡素化される利点がある。
以上のように、本発明にかかる内燃機関は、エンジンの始動性を向上させ得る点で有用である。
この発明の実施例にかかる内燃機関を示す構成図である。 この発明の実施例にかかる内燃機関を示す作用説明図である。 この発明の実施例にかかる内燃機関を示す作用説明図である。 図1に記載した内燃機関の変形例を示す説明図である。 図1に記載した内燃機関の変形例を示す説明図である。 図1に記載した内燃機関の変形例を示す説明図である。 図1に記載した内燃機関の変形例を示す説明図である。 図1に記載した内燃機関の蓄圧部への蓄圧方法を示す説明図である。 図8に記載した蓄圧方法の変形例を示す説明図である。 図1に記載した内燃機関の変形例を示す構成図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダ
3 ピストン
4 吸気ポート
41 吸気バルブ
5 排気ポート
51 排気バルブ
6 始動補助手段
61 蓄圧部
62 シリンダ側バルブ
63 流量調整弁
64 シリンダ側流路
65 吸気ポート側流路
66 開閉弁
68 熱交換器
7 制御部

Claims (9)

  1. ピストンと前記ピストンを収容するシリンダとを有すると共に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程から成る各行程により前記ピストンが駆動されて動力を発生する内燃機関であって、
    前記シリンダに蓄圧ガスの流路を介して接続される蓄圧部を含み、且つ、
    エンジン始動時の吸気行程および圧縮行程にて前記シリンダ内が密閉され、エンジン始動時の膨張行程にて前記蓄圧部が前記シリンダ内に蓄圧ガスを供給すると共に当該蓄圧ガスの圧力により前記ピストンが駆動されることを特徴とする内燃機関。
  2. エンジン始動時の吸気行程にて前記蓄圧部が前記シリンダ内に蓄圧ガスを供給すると共に当該蓄圧ガスの圧力により前記ピストンが駆動される請求項1に記載の内燃機関。
  3. エンジン始動時の吸気行程にて前記蓄圧部が前記シリンダ内に蓄圧ガスを供給すると共に当該蓄圧ガスの圧力により前記ピストンが駆動され、圧縮行程にてシリンダ内のガスが排出される請求項1に記載の内燃機関。
  4. エンジン始動時にてエンジン回転数Neが自立運転可能な所定の回転数N2よりも低いときは、前記シリンダ内への燃料供給が停止される請求項1〜のいずれか一つに記載の内燃機関。
  5. 内燃機関が車両に搭載され、且つ、車両の制動時にて前記シリンダ内から取得された制動エネルギーにより前記蓄圧部への蓄圧が行われる請求項1〜のいずれか一つに記載の内燃機関。
  6. 前記蓄圧部への蓄圧が減筒運転時における休止中の前記シリンダを用いて行われる請求項1〜のいずれか一つに記載の内燃機関。
  7. 可変ノズル付き過給機を有すると共に前記シリンダ内に導入される吸気量を調整するスロットル弁を有し、且つ、前記蓄圧部への蓄圧時にて、前記可変ノズルが締め側に調整されると共に前記スロットル弁が締め側に調整され、前記過給機の下流側かつ前記スロットル弁の上流側から圧力が取得されて蓄圧が行われる請求項1〜のいずれか一つに記載の内燃機関。
  8. 可変ノズル付き過給機を有すると共に前記シリンダ内に導入される吸気量を調整するスロットル弁を有し、且つ、前記蓄圧部への蓄圧時にて、前記可変ノズルが締め側に調整されると共に前記スロットル弁が開け側に調整され、圧縮行程中にて前記シリンダ内の余剰分の圧力が取得されて蓄圧が行われる請求項1〜のいずれか一つに記載の内燃機関。
  9. 前記蓄圧部への蓄圧時にて前記過給機が供給する過給圧が高められる請求項7または8に記載の内燃機関。
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