JP4638527B2 - シートベルト装着検出装置 - Google Patents

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本発明は、車両の座席に着席した乗員がシートベルトを装着したか否かを検出するシートベルト装着検出装置に関する。
従来、シートベルト装着の検出は機械的スイッチを用いて行っている。すなわち、シートベルトのタングプレートをバックルに挿入すると、バックル内に配置された検出スイッチのアクチュエータが踏込まれ、スイッチの接点が切換えられてシートベルト装着を示す信号が得られる。
しかしながら、検出スイッチは、その構造上、タングプレートとアクチュエータ間の機械的接触を繰返すので機械的磨耗を避けられない。また、機械的接点も消耗する。
よって、本発明は、タングプレートとバックルの装脱を繰返しても磨耗・消耗の生じ難いシートベルト装着検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のシートベルト装着検出装置は、車両の座席に着席した乗員のシートベルトの装着を検出するシートベルト装着検出装置において、上記シートベルトに取付けられたタングプレートと連結自在なバックルと、上記バックル内の連結位置におけるタングプレートの存在/不存在に対応した出力をタングプレートに接触することなく発生する非接触検出手段と、上記非接触検出手段の出力からシートベルト装着の有無を判断する判断手段と、を備える。
また、本発明のシートベルト装着検出装置は、車両の座席に着席した乗員のシートベルトの装着を検出するシートベルト装着検出装置において、上記シートベルトに取付けられたタングプレートと連結自在なバックルと、上記バックル内の連結位置におけるタングプレートの存在/不存在に対応した出力をタングプレートに接触することなく発生する上記バックル内部に設けられた静電容量センサと、上記静電容量センサの出力からシートベルト装着の有無を判断する判断手段と、を備え、上記静電容量センサは、上記タングプレートと上記バックルが連結した状態において当該タングプレートを間に介して互いに対向する2つの要素によって構成され、上記静電容量センサは高周波信号が供給されるローパスフィルタのキャパシタを構成し、上記判断手段は、上記静電容量センサの出力から上記シートベルト装着の有無を判断する場合、上記ローパスフィルタを経た高周波信号の検波レベルからシートベルト装着の有無を判別する、ことを特徴とする。
かかる構成とすることによって、タングプレートと接触することなくシートベルトの装着を検出することができ、シートベルト装着検出装置の長寿命化を図ることが可能となる。
好ましくは、上記非接触検出手段は、超音波センサ、静電容量センサ、磁気センサ、光センサを含む。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、シートベルト装置の概略を示している。乗員は車両の座席12に着座した後、車体側壁に取付けられたシートベルト巻取部13から支持部14を介してシートベルト15を引出す。そして、シートベルト15に取付けられたタングプレート16をバックル18の一端側に連結してシートベルト15を装着する。バックル18の他端側はベルト等の取付部材を介して座席側方の車体の床あるいは座席側方下部に取付けられる。バックル18の内部には、シートベルト装着を検出する非接触型センサが設けられている。シートベルト15の先端側はアンカープレート19によって車体の側壁下部に取付けられる。
図2は、非接触型センサとして超音波センサを用いた例を概略的に示している。同図において、シートベルト15が挿通するタングプレート16は、バックル18に挿入されて、連結機構18aによってロックされている。バックル18の内部側壁には超音波センサのピックアップ部分を構成する、送波器34及び受波器35が設けられている。タングプレート16がバックル18に挿入された状態(シートベルト装着状態)では、送波器34から放射された超音波(図中に実線で示す)はタングプレート16で反射して受波器に戻る。タングプレート16がバックル18に挿入されない状態(シートベルト非装着状態)では、送波器34から放射された超音波は(図中に点線で示す)バックル18の反対側内部側壁で反射して受波器35に戻る。従って、シートベルトの装着・非装着によって超音波の伝搬経路長が異なる。
図3は、上記超音波センサを用いたシートベルト装着検出装置の制御系を示すブロック図である。図4は、その途中の信号を説明する説明図である。
信号処理・制御部31は、車載のマイクロコンピュータシステムによって構成され、図4(a)に示すような一定周期のパルスが連続するパターン信号を変調部32に供給する。変調部32は、パターン信号によってキャリア生成部33から供給される、例えば、100KHzのキャリア信号を変調し、図4(b)に示すような、100KHzのキャリアパルスが断続する変調信号を形成する。この変調信号は送波器34に与えられ、断続する超音波に変換される。送波器34から放射された超音波はタングプレート16叉は内壁で反射して受波器35に戻る。超音波は受波器35によって電気信号に変換され、増幅器36によってレベル増幅されて、更に、例えば、100KHzを中心周波数とするバンドパスフィルタ37によってノイズが除去される。この受信信号は復調部38に供給されてレベル検波され、図4(c)及び(d)に示すような、元のパターン信号に復調されて信号処理・制御部31に供給される。
信号処理・制御部31は、パターン信号を送信してから、反射波を受信するまでの時間Δtが予め設定された所定時間内かどうかを判断する。また、パターン信号の送信パターンと受信パターンとが一致するかどうかを判別する。送受信の各パターンが一致し、応答時間Δtが第1の所定範囲内、例えば、40〜70μsであるとき、タングプレートが連結状態(シートベルト装着状態)と判断する。信号処理・制御部31は装着信号の出力あるいはシートベルト装着のフラグの設定を行う。また、送受信信号の各パターンが一致し、応答時間Δtが第2の所定範囲内、例えば、100〜130μsであるとき、タングプレートが非連結状態(シートベルト非装着状態)と判断する。信号処理・制御部31は装着信号の出力あるいはシートベルト装着のフラグの設定を行う。
更に、信号処理・制御部31は、送受信信号のパターンが一致しない場合、あるいは応答時間が所定範囲内にない場合には、外乱ノイズの影響と判断し、再度パターン信号を送出して検出動作を行う。また、パターン信号を送信しても受信信号を得られない場合には、シートベルト装着検出装置の故障と判断し、車両のコンソールパネルやメインテナンス用表示器にシートベルト装着検出装置の故障の警告表示を行う。
図5乃至図7は、第2の実施の形態を説明する説明図である。この例では、静電容量型のセンサを使用している。
図5は、バックル内に設けられた静電容量型のセンサの例を示している。シートベルト15が挿通するタングプレート16は、バックル18に挿入されると、連結機構18aによってロックされる。バックル18の内部の一方の側壁には、図示しない絶縁物を介して板状の電極41aが配置される。他方の側壁にも、図示しない絶縁物を介して板状の電極41bが配置される。電極41a及び41bは互いに対向し、キャパシタを構成する。タングプレート16がバックル18に挿入されない状態(シートベルト非装着状態)では、電極41a及び41bが第1のキャパシタを構成する。タングプレート16がバックル18に挿入された状態(シートベルト装着状態)では、電極41a及びタングプレート16、タングプレート16及び電極41bが第2のキャパシタを構成する。従って、キャパシタ容量の弁別によってシートベルト装着/非装着が判別可能となる。
図6は、キャパシタの容量を判別する装置構成例を示している。静電容量検出部42は、電極41a及び41bの容量に応じた出力を発生する。この出力を判断部で弁別することによってシートベルト装着の有無を判断し、シートベルト装着信号を出力し、あるいはコンピュータシステムの状態レジスタにシートベルト装着状態を示すフラグを設定する。
図7は、静電容量検出部42の構成例を示している。この例では、静電容量の変化をローパスフィルタのカットオフ周波数の変化として検出している。
同図において、抵抗42bと、電極41a及び41bによって形成されるキャパシタ41と、によってローパスフィルタ(LPF)が構成されている。このローパスフィルタに高周波発振器42aからカットオフ周波数近傍の周波数foの高周波信号を与える。ローパスフィルタの出力をダイオード42c及びキャパシタ42dによって形成されるレベル検波器(DET)によってレベル信号に変換し、判断部としてのレベル比較器43に与える。レベル比較器43の比較基準入力には予め定められた基準電圧Vthが供給される。
ローパスフィルタは、タングプレート16が両電極間に挿入されてキャパシタ41の容量が増加すると、カットオフ周波数が下がり通過高周波信号のレベルを大きく減少させる。また、キャパシタ41の容量が減少すると、カットオフ周波数が上がり通過高周波信号のレベル減少を少なくする。タングプレート16をバックル18に挿入した場合と挿入しない場合の、レベル検波器の2つの出力の中間値に比較基準電圧Vthを設定すると、レベル比較器43の出力にはシートベルトの装着の有無を示すシートベルト装着信号が得られる。
図8乃至図10は、第3の実施の形態を説明する説明図である。この例では、磁気センサを使用している。
図8は、バックル18内に設けられた磁気センサの例を示している。シートベルト15が挿通するタングプレート16は、バックル18に挿入されると、連結機構18aによってロックされる。バックル18の内部の一方の側壁には励磁コイル(電磁石)51が設けられ、他方の側壁には磁気センサ52が配置される。磁気センサ52は周囲の磁界の強さに応じた抵抗値を示す。磁性体のタングプレート16が励磁コイル51と磁気センサ52との間に挿入されると、タングプレート16が一種の磁気シールドとなり、磁気センサ52への励磁コイル51による磁界の影響を減少させる。従って、磁気センサ52の出力レベルの弁別によってシートベルト装着/非装着を判別可能となる。
図9及び図10は、磁気センサによるシートベル装着検出装置の制御系の構成例を示している。同図において、信号処理・制御部54は、励磁コイル51に断続的なパターンの励磁電流を供給し、図10(a)に示すように、断続的に磁界を発生させる。信号処理・制御部54は、車載のマイクロコンピュータシステムによって構成される。タングプレート16がバックル18に挿入されない状態では、磁気センサ52の出力は比較的に大きく、判別基準電圧Vthを超える。タングプレート16がバックル18に挿入された状態では、励磁コイル51の放射磁界はタングプレート16によって妨げられる。磁気センサ52の出力は比較的に小さくなり、判別基準電圧Vthを下回る。磁気センサ52の出力は、信号処理・制御部54の図示しないインタフェースでA/D変換されて、DMA動作によってデータメモリに書込まれる。
信号処理・制御部54は、励磁コイル51に励磁電流を与えたとき、磁気センサ52の出力が、図10(b)に示すように、判別値Vthを超えるものであるときは、シートベルト非装着と判別する。シートベルト信号を非装着にあるいは状態レジスタのシートベルト装着フラグをリセットにする。磁気センサ52の出力が、図10(c)に示すように、判別値Vthを超えないときは、シートベルト装着と判別する。シートベルト信号を装着にあるいは状態レジスタのシートベルト装着フラグを設定にする。
更に、信号処理・制御部54は、励磁コイル51に励磁電流を与えても磁気センサ52から出力を得られない場合や、異常に高いレベルを検出した場合には、シートベルト装着検出装置の故障と判別し、コンソールパネルに異常警告表示を行う。励磁コイル51への励磁電流パターンと磁気センサ出力パターンとが一致しない場合、あるいは励磁電流供給に対する磁気センサの応答時間が所定の範囲内にない場合には、外乱の混入と判別して再度検出を行う。
なお、励磁コイル51及び磁気センサ52をそれぞれ発光ダイオード及びフォトトランジスタに代えても同様にシートベルト装着検出装置を構成することが可能である。
このように、本発明のシートベルト装着検出装置は、タングプレートと機械的に接触することなくシートベルト装着を判別可能であるので、センサの高信頼性が期待可能である。
図1は、シートベルト装置の概要を説明する説明図である。 図2は、シートベルト装着を超音波によって検出するセンサの例を説明する説明図である。 図3は、超音波センサを使用した場合の信号処理系を説明する説明図である。 図4は、図3に示した信号処理系の一部信号を説明する信号波形図である。 図5は、シートベルト装着を静電容量によって検出するセンサの例を説明する説明図である。 図6は、静電容量型センサを使用した場合の信号処理系を説明する説明図である。 図7は、静電容量検出部42の構成例を説明する回路図である。 図8は、シートベルト装着を磁気によって検出するセンサの例を説明する説明図である。 図9は、磁気センサを使用した場合の信号処理系を説明する説明図である。 図9に示す信号処理系における信号波形例を説明する説明図である。
符号の説明
15 シートベルト、16 タングプレート、18 バックル、31,54 信号処理・制御部(マイクロコンピュータ)

Claims (1)

  1. 車両の座席に着席した乗員のシートベルトの装着を検出するシートベルト装着検出装置であって、
    前記シートベルトに取付けられたタングプレートと連結自在なバックルと、
    前記バックル内の連結位置におけるタングプレートの存在/不存在に対応した出力をタングプレートに接触することなく発生する前記バックル内部に設けられた静電容量センサと、
    前記静電容量センサの出力からシートベルト装着の有無を判断する判断手段と、を備え、
    前記静電容量センサは、前記タングプレートと前記バックルが連結した状態において当該タングプレートを間に介して互いに対向する2つの要素によって構成され、
    前記静電容量センサは高周波信号が供給されるローパスフィルタのキャパシタを構成し、
    前記判断手段は、前記静電容量センサの出力から前記シートベルト装着の有無を判断する場合、前記ローパスフィルタを経た高周波信号の検波レベルからシートベルト装着の有無を判別する、
    ことを特徴とするシートベルト装着検出装置。
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