JP4637149B2 - 通気管における騒音発生防止装置 - Google Patents

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本発明は、地下タンクの弁付通気管における騒音の発生防止装置に関する。
ガソリンスタンドにおける地下燃料タンクには、安全のために、タンク内部の揮発性ガスを大気中に放出させるための通気管が取り付けられている。
そして、近年、揮発性ガスの自然放出による大気汚染とタンク内の液体燃料の揮発損失を低減するために、この通気管に大気弁(通気弁)を取り付けた構造のものもある(特許文献1)。
さらに、近年、環境問題と燃料節減の厳密化により、タンク内圧力をゲージ圧で5kPa程度高い圧力に維持してタンク内の液体燃料の揮発を抑制する弁機構を設けた通気管が提案されている(特許文献2)。
図9は、液体燃料タンクの通気管の先端の通気弁Aにタンク内圧力調整用の弁機構100を設けた例を示す。
同図において、弁機構100は、通気弁支持体1の上部に設けられた円形の通気口2と円板状の通気弁本体3とを備え、通常時は通気弁本体3が自重によって通気口2を上側からOリング4を介して閉止し、タンク内圧力が上昇すると、その圧力により上昇して通気口2を開放する機構となっている。
さらに、通気弁本体3の下側には錘5が一体的に設けられている。この錘5は通気口2より下方に位置するように延設されている。これによって、通気弁本体3の重心位置が通気口2よりも低い位置になり、通気弁本体3のバランスが良くなってスムーズに上下動できるようになる。また、錘5の重量を調整することで、開放の規定圧力がゲージ圧で5kPaとなるように調整する。
同図に示す弁機構100は、通気弁のほか吸気弁も備えており、吸気弁本体6が通常時は通気弁本体3に設けられた吸気口7を下側から閉止し、タンク内圧力が下降すると外気圧との差圧により下降して吸気口7を開放するように構成されている。吸気弁本体6は通常時は吸気口7を閉止するようにコイルスプリング8によって上方に付勢されており、その開放の規定圧力(吸気弁本体6が丁度下降するときの圧力)の調整はコイルスプリング8の強さを調整することにより行われる。そして、通気弁Aは、弁機構100を上方から覆う防火網9とキャップ10を有する。
この通気弁Aに備えられた弁機構100においては、タンクへの荷卸し等による在庫量の増加により内部気体が圧縮され5kPa以上のゲージ圧がタンク内に生じる場合は、安全性の観点より通気弁が自動的に開放して大気中に逃し5kPa以内でのゲージ圧の範囲を維持するが、それ以外のときは気密性を高めた通気弁は常に閉じており、ほぼ密閉されたタンク内の空間を形成し揮発損失を積極的に低減するものである。
ところが、係る構造を有する弁機構を有する通気管においては、弁機構の不安定な挙動によって誘引されるエオルス音等が、ガソリンスタンドの所在地周辺への騒音となる。この騒音は、不定期的に発生し、しかも、50dB以上程度にも達し、ガソリンスタンドの周辺はかなりの騒音公害を被ることになる。とくに夜間における荷卸し時にはタンクの内圧の変動により、騒音が近隣に鳴り響き大きな社会問題になり得る。
そこで、本発明者が、係る騒音の発生原因を調べたところ、この騒音は、通気弁本体を気体が通過する際の通気弁本体の不安定な挙動によって発生する騒音、通気弁本体の機械的振動による通気弁支持体との接触音、気体の急激な充満による通気弁本体の持ち上げ後の急速な落下時における通気弁支持体との衝撃など、多くの原因によって生じるものであるが、いずれにしろ、タンク内圧力が所定値を超えたときの通気弁の作動時の不安定な挙動が主たる原因であることがわかった。
すなわち、タンクが加圧状態のときは、通気弁本体に静圧Psがかかり(図9参照)、これが通気弁本体にかかる重力等の荷重と釣り合ったときに始めて通気弁本体が見かけ上無重量状態になる。ところが、この弁機構における通気弁本体は、いわゆる落とし蓋方式の蓋体であるため、タンクへの荷卸し時等には、時間に対して周期関数的に通気弁本体の上昇高さが変化して通気面積が安定せず静圧が安定しない。そのとき、音は空気を媒体にした圧力波なので静圧が変化すれば騒音が発生してしまう。
これに対して、本発明者は、先に特願2007−171268において、弁機構の通気弁本体部分を揮発性ガスが通過する際に発生する騒音を防止するため、弁機構、とくに弁機構を構成する通気弁本体等の騒音発生部位に、不安定な挙動を機械的に制御する衝撃吸収部材(ショックアブソーバー)として、振動減衰機構を配置することを提案した。そして、振動減衰機構としては、弁機構への取り付け及び配置の調整が容易で、しかも狭隘な弁機構内にも取り付けが可能であることから、ワイヤーロープが好適であり、さらにその配置の態様として、通気弁本体の作動時の回転運動も効率的に減衰させるために、複数本のワイヤーロープを弁機構の中心に対して対称位置に配置することを開示した。
この複数本のワイヤーロープによる振動減衰機構により、通気管の通気弁に配置された弁機構の垂直、水平及び回転等の振動を減衰させることができ、弁機構の不安定な挙動によって誘引される騒音の発生を防止することができるようになった。
しかし、複数本(2本)のワイヤーロープによる振動減衰機構を実際に様々なガソリンスタンドの通気管に設置して試験したところ、タンクの容量や通気管の管路抵抗及びタンクローリーによる荷卸し条件等によっては振動の減衰が不可能である特異領域が存在することがわかった。具体的には、管路が通常に比べて非常に短い場合やタンクローリーから単位時間当たりの荷卸し量が多い場合など、管路内ガス流速が非常に大きくなる厳しい条件下で振動の減衰が不可能となった。
特開2001−163400号公報 特開2007−99331号公報
本発明が解決すべき課題は、通気管の管路内ガス流速が非常に大きくなる厳しい条件下であっても、通気管に設置される弁機構の不安定な挙動によって誘引される騒音の発生を確実に防止する機構を提供することにある。
2本のワイヤーロープによる振動減衰機構において、通気管の管路内ガス流速が非常に大きくなると振動の減衰が不可能になる原因を検討したところ、管路内ガス流速の増加によって、通気弁本体の振動が2本のワイヤーロープによる減衰能力を大幅に超えてしまったためであることがわかった。
以下、この原因を具体的に説明する。
まず、本発明のような、いわゆる落とし蓋方式の通気弁本体にかかる外力fは、次式(1)で表される。
f=Ps×A+Pw …(1)
ここで、Psは通気弁本体にかかるタンク内圧力による静圧、Aは静圧がかかる通気弁本体の投影面積、Pwはワイヤーロープによる引っ張り力である。また、落とし蓋方式の通気弁本体にかかる静圧Psは時間tの関数となるのでPs(t)と表され、ワイヤーロープによる引っ張り力Pwは通気弁本体の上昇高さxの関数となるのでPw(x)と表される。すなわち、通気弁本体にかかる外力fは時間tと通気弁本体の上昇高さxの関数となり、上記式(1)は次式(2)のように書き換えられる。
f(t,x)=Ps(t)×A+Pw(x) …(2)
この式(2)で表される運動系において、通気弁本体の質量をm、ワイヤーロープのばね定数をKw、粘性減衰係数をCwとすると、この運動系の運動方程式は次式(3)で表される。
f(t,x)=m(dx/dt)+Cw(dx/dt)+Kw・x …(3)
この式(3)で表される線形系の特性として通気弁本体の上昇高さxの振幅の大きさは強制力f(t,x)の大きさに比例し、通気弁本体の上昇高さの静的平衡点xstは、次式(4)となる
st=f(t,x)/Kw …(4)
上記式(3)において、Cw>Cc=2(m・Kw)1/2が成立するとき(Ccは臨界粘性係数)、通気弁本体の上昇高さxは単調減衰関数の和で表される。これは時間の経過とともに減衰していく現象を示し、振動的ではない。この現象を過減衰という。この過減衰の現象により、上記式(4)で求められる静的平衡点xstにおいて通気弁本体は振動しないことになる。すなわち、ワイヤーロープによる振動減衰機構において、Cw>Cc=2(m・Kw)1/2が成立して過減衰の条件が満たされれば、通気弁本体の振動は減衰し、騒音の発生が防止される。
これに対して、2本のワイヤーロープによる振動減衰機構では、ばね定数Kwが大きくなる。そのため通気管の管路内ガス流速が非常に大きくなる厳しい条件下では、上記式(3)においてCw>Cc=2(m・Kw)1/2が成立しえなくなり過減衰の条件が満たされなくなったため、通気弁本体の振動が減衰不能に陥ったものと考えられる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、ワイヤーロープを1本だけ使用してばね定数Kwを小さくすることにより、通気管の管路内ガス流速が非常に大きくなる厳しい条件下であっても上記式(3)においてCw>Cc=2(m・Kw)1/2が成立し、過減衰の条件が満たされるようにしたものである。
すなわち、本発明は、通常は通気弁本体が通気口を閉止し、タンク内圧力の上昇により通気口を開放する通気管の弁機構において、振動減衰機構として、通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材とその周囲の固定部材(固定されて動かない部材)との間にワイヤーロープを1本のみ介在させたことを特徴とするものである。なお、ワイヤーロープは通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材とその周囲の固定部材との間に介在させれば良く、必ずしも通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材とその周囲の固定部材とを直接連結する必要はない。
ワイヤーロープを1本だけ使用することにより、ワイヤーロープを2本使用する場合に比べ、管路内ガス流速が増加したときに対する振動減衰能が大幅に改善される。ただし、2本使用の場合と同様に、荷卸し終盤における管路内ガス流速の低下によって起きる通気弁本体の不安定な挙動が見られることがある。これは静圧Psが減少して通気弁本体が静的平衡点まで上昇できなくなり、不減衰自由振動に移行してしまうためである。
この対策としては、上記式(3)においてCw>Cc=2(m・Kw)1/2が成立するようにするために、通気弁本体の質量mを削減することが考えられる。しかし、通気弁本体の質量を削減すると、通気弁本体の気密性が失われることが懸念される。
そこで、本発明の好ましい態様においては、通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材に、タンク内から排出されるガスを受けて、このガスの流れによる浮力を増加させる遮蔽体を設けるようにした。この遮蔽体により、通気弁本体にかかる静圧が増加して浮力が増加する。これは擬似的に通気弁本体の質量mの削減と同義であり、Cw>Cc=2(m・Kw)1/2が成立しやすくなる。これより、荷卸し終盤における管路内ガス流速の低下によって起きる通気弁本体の振動も減衰により制御可能となる。
また、本発明ではワイヤーロープを1本だけ使用するようにしたことで、若干ではあるが通気弁本体の回転運動が吸収されきれずに、不安定になる傾向が見られることがある。管路内ガス流速(流量)が通常であれば問題ない程度のものであるが、管路内ガス流速(流量)が大きく厳しい条件下では微小な擾乱が通気弁本体の大きな振動を誘引することが考えられる。
そこで、本発明においては、通気弁本体がタンク内圧力の上昇により通気口を開放したときにのみ、通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材と接触可能な接触可能領域を設けるようにした。このように接触可能領域を設けると、通気弁本体が上昇したときに接触可能領域と接触して摩擦力が発生し、これが通気弁本体の回転運動及び上下運動の抵抗となるため、通気弁本体の挙動はさらに安定性を増すことになる。この接触可能領域は、複数設けることが好ましく、具体的には通気弁支持体の上方に設けたストッパー部材と通気弁支持体の内周面とすることができる。
以上、振動減衰機構としてワイヤーロープを使用した例によって本発明を説明したが、振動減衰機構としてはワイヤーロープほか、同様の性質を有する線状部材を使用することができる。ワイヤーロープは、多数の金属線がロープとして撚られたものであり、ワイヤーロープに荷重がかかってもそれぞれの金属線同士が接触しているために摩擦しあい運動エネルギーが熱エネルギーに変換され放出さることにより、振動を吸収(減衰)するが、例えば天然繊維または合成繊維を撚って形成した撚糸体によっても同様の効果を奏する。すなわち、振動減衰機構として振動減衰能を有するものであれば、ワイヤーロープに限定されず、その他の線状部材を使用することができる。
本発明によれば、通気管の通気弁に配置された弁機構に1本のワイヤーロープからなる振動減衰機構を配置することによって、通気管の管路内ガス流速が非常に大きくなる厳しい条件下であっても、弁機構の垂直、水平及び回転等の振動を減衰させることができ、弁機構の不安定な挙動によって誘引される騒音の発生を確実に防止することができる。
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。
同図に示す通気弁Aは、図示しない通気管の先端に設置されるもので、この通気弁Aに備えられた弁機構100は、通気弁支持体1の上部に設けられた円形の通気口2と円板状の通気弁本体3とを備え、通常時は通気弁本体3が自重によって通気口2を上側からOリング4を介して閉止し、タンク内圧力が上昇すると、その圧力により上昇して通気口2を開放する機構となっている。
さらに、通気弁本体3の下側には錘5が一体的に設けられている。この錘5は通気口2より下方に位置するように延設されている。これによって、通気弁本体3の重心位置が通気口2よりも低い位置になり、通気弁本体3のバランスが良くなってスムーズに上下動できるようになる。
同図に示す弁機構100は、通気弁のほか吸気弁も備えており、吸気弁本体6が通常時は通気弁本体3に設けられた吸気口7を下側から閉止し、タンク内圧力が下降すると大気圧との差圧により下降して吸気口7を開放するように構成されている。吸気弁本体6は通常時は吸気口7を閉止するようにコイルスプリング8によって上方に付勢されており、その開放の規定圧力(吸気弁本体6が丁度下降するときの圧力)の調整はコイルスプリング8の強さを調整することにより行われる。
そして、通気弁Aは、防火網9とキャップ10を有する。防火網9は、円筒状の防火網用基体9aの周面4箇所に開けられた開口部に取り付けられており、この防火網用基体9aを通気弁支持体1の上部に嵌合することにより通気弁Aに取り付けられる。
以上の基本構成において、本実施例では、振動減衰機構として、通気弁本体3とこれを支持する通気弁支持体1との間を1本のワイヤーロープ11によって連結している。ワイヤーロープ11は、例えば断面直径1mmのステンレス製であり、その一端が通気弁本体3の上面に固定され、他端が通気弁支持体1の上端面に固定されている。
また、円板状の通気弁本体3の下面には、その外周に沿って遮蔽体12が筒状に設けられ、通気弁支持体1の上端面には、後述する接触可能領域を提供するために、2つのストッパー部材13が上方に向けて突出して設けられている。各ストッパー部材13は、その上端部分が通気弁本体3の中心側に向けて屈曲する逆L字状に形成されており、通気弁本体3の中心に対して対称位置に配置されている。
次に、振動減衰機構として1本のワイヤーロープ11を備えた弁機構100の動作を図2を参照して説明する。
通常時は、図2(a)に示すように、通気弁本体3が通気口2を上側から閉止し、密閉されたタンク内の空間を形成し揮発損失が積極的に低減される。そして、タンク内圧力が上昇すると、その圧力により通気弁本体3が上昇して通気口2が開放される。この開放の規定圧力は、錘5の重量とワイヤーロープ11の断面直径及び、支持長さを調整することで、5kPaとなるように調整している。
タンク内圧力により通気弁本体3が上昇するときは、上述のとおり振動減衰機構としてワイヤーロープ11を配置しているので、通気弁本体3の上昇に伴ってワイヤーロープ11がねじれ、通気弁本体3は図2(a)の矢印方向に回転する。その後、タンク内が減圧して通気弁本体3が下降するときには、ワイヤーロープの復元力及び弁体の自重によって上昇時とは逆方向(図2(b)の矢印方向)に回転し、元の位置に戻る。
このように、1本のワイヤーロープ11によって、通気弁本体3の上昇による運動エネルギー及び位置エネルギーとともに、通気弁本体3の回転運動エネルギーも吸収することができ、これにより通気弁本体3の挙動が安定し優れた防振、防音効果が得られる。
さらに、ワイヤーロープを1本だけ使用するようにしたことにより、先に説明したようにばね定数Kwが小さくなり、通気管の管路内ガス流速が非常に大きくなる厳しい条件下であっても上記式(3)においてCw>Cc=2(m・Kw)1/2が成立し、過減衰の条件が満たされるようになる。よって、弁機構の不安定な挙動によって誘引される騒音の発生を確実に防止することができる。
また、本実施例では、先に説明したようにストッパー部材13を設けており、これにより、通気弁本体2が上昇したときにその通気弁本体2と接触可能な接触可能領域が提供される。
具体的に図2を参照して説明すると、本発明ではワイヤーロープ11を1本だけ使用するため、通気弁本体3が上昇する際には通気弁本体3にワイヤーロープ11接続部を中心として反時計回りの回転モーメントがかかる。よって図2(b)に示すように、通気弁本体3が反時計回りに傾斜し、各ストッパー部材13の領域A及びBに接触可能領域が提供される。通気弁本体3が各ストッパー部材13と接触する位置は条件により変わるが、通気弁本体3は各ストッパー部材13のいずれかの位置で接触可能である。すなわち、各ストッパー部材13はその全体が接触可能領域であり、数箇所の接触点が生じる(接触点が1箇所の場合もある)。
また、通気弁本体3が傾斜しながら上昇するのに伴い、通気弁本体3の下方に一体的に設けられている錘5を含む部材は、図2(b)に示すように通気弁支持体1の上部内周面領域C及びDにおいて通気弁支持体1と接触する。具体的に接触する位置は条件により変わるが、通気弁本体3は通気弁支持体1の内周面のいずれかの位置で接触可能である。すなわち、通気弁支持体1の内周面はその全体が接触可能領域であり、数箇所の接触点が生じる(接触点が1箇所の場合もある)。
このように複数の接触可能領域を設けると、通気弁本体3が上昇したときに複数の接触可能領域と接触して摩擦力が発生し、これが通気弁本体3の回転運動及び上下運動の抵抗となるため、通気弁本体3の挙動はさらに安定感を増すことになる。そして、この複数の接触可能領域による接触及びワイヤーロープ11による減衰効果により通気弁本体3に起こり得るすべての振動を実質的に制御することが可能になる。
次に、図1に示した遮蔽体12の作用効果を図3を参照して説明する。ここで、図3(a)は遮蔽体を設けていない場合、図3(b)は遮蔽体を設けている場合を示す。
図3(b)に示すように、通気弁本体3の下面側に遮蔽体12を設けると、通気弁本体3を通じて排出されるガスが通気弁本体3の下方で安定的な渦を生成し通気弁本体3にかかる静圧が増加(動圧及び流速は減少)する。これは浮力の増加として捉えられ、遮蔽体12を設けることにより、遮蔽体を設けていない図3(a)の場合に比べ、通気弁本体3は上方にシフトする。なお、図3中の曲線及び矢印は流線を表し、流線間の距離は流速を示す。すなわち流線間距離が近いほど流速が速いことを示す。図3に示すように、遮蔽体を設けていない場合は流速が速く、遮蔽体を設けている場合は流速が遅くなる。
上述の遮蔽体12による浮力の増加は、擬似的に通気弁本体3の質量mの削減と同義である。よって、先に説明した過減衰の条件(上記式(3)においてCw>Cc=2(m・Kw)1/2)を満たすmが存在することになり、遮蔽体12を設けると通気弁本体3の挙動が振動減衰効果により安定しやすくなる。これより、荷卸し終盤における管路内ガス流速の低下によって起きる通気弁本体の振動も減衰により制御可能となる。
図4は本発明の第2実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。
この実施例はワイヤーロープ11の取り付け位置の変更例であり、具体的には、通気弁本体3とキャップ10に固定された接続具10aとの間を1本のワイヤーロープ11で連結したものである。なお、この実施例では防火網9は、キャップ10の下端部と通気弁支持体1との間に取り付けられている。
図5は本発明の第3実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。
この実施例もワイヤーロープ11の取り付け位置の変更例であり、具体的には、通気弁本体3上面とキャップ10の天板部分を1本のワイヤーロープ11で連結したものである。
以上の第1〜第3実施例で示したように、ワイヤーロープ11の他端を固定する位置は、通気弁本体3の周囲の固定部材であれば、とくに限定されない。また、ワイヤーロープ11の一端についても、通気弁本体3自体に固定する必要はない。例えば、通気弁本体3と一体的に設けられている錘5等の部材にワイヤーロープの一端を固定し、通気弁支持体1の内周面にワイヤーロープの他端を固定して連結するようにしてもよい。また、ワイヤーロープによって直接連結するのではなく、接続具を介して間接的に連結するようにしてもよい。これらのワイヤーロープ11の配置例によっても第1実施例で説明したものと同様の効果を奏する。また、ワイヤーロープの取り付け方法においては通気弁本体とワイヤーロープ間に摩擦力を発生させるために、ワイヤーロープ端を通気弁本体または接続具に固定しても良いし、自由度を持たせて通気弁本体または接続具に取り付ける方法で支持させても良い。これらは同様の効果を奏する。
図6は本発明の第4実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。
この実施例は、通気弁本体3の開放の規定圧力を調整するために、通気弁本体3上面とキャップ10との間にコイルスプリング14を設けたものである。すなわち、コイルスプリング14のバネ定数等を調整することによって、通気弁本体3の開放の規定圧力がゲージ圧で5kPaとなるように調整する。
図7は、本発明の第5実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。
この実施例は、第4実施例の変形例で、通気弁本体3の開放の規定圧力を調整するために、通気弁本体3下面と通気弁支持体1(錘5)との間にコイルスプリング14を設けたものである。
図8は、本発明の第6実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。
この実施例は、第5実施例の変形例で、通気弁本体3の開放の規定圧力を調整するために、通気弁本体3(錘5)下面と通気弁支持体1に固定された接続具1aとの間にコイルスプリング14を設けたものである。
以上の第4〜第6実施例で示したように、本発明は、第1〜第3実施例のように通気弁本体の自重のみを利用した弁機構のほかに、通気弁本体の開放の規定圧力を調整するために、通気弁本体と他の部材との間にコイルスプリング等の弾性体を設けた弁機構にも適用可能であり、いずれも同様の効果を奏する。なお、第4〜第6実施例ではコイルスプリング14によって通気弁本体3の開放の規定圧力を調整できるので、錘5は設けなくてもよい。
また、以上の実施例では、遮蔽体12は、通気弁本体3の下面に直接設けたが、通気弁本体3と一体的に設けられている部材に設けてもよい。
本発明はガソリンスタンドにおける地下燃料タンクに好適に利用できるが、その利用分野はこれに限定されるものではない。タンク内部の貯蔵物はガソリン等の燃料に限らず、揮発性のものであれは良く、また地下タンクに限らず地上タンク等のあらゆるタンクに利用可能である。
本発明の第1実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。 本発明を適用した弁機構の動作を示す。 遮蔽体の作用効果を説明する図で、(a)は遮蔽体を設けていない場合、(b)は遮蔽体を設けている場合を示す。 本発明の第2実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。 本発明の第3実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。 本発明の第4実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。 本発明の第5実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。 本発明の第5実施例を示し、(a)は平面透視図、(b)は縦断面図である。 従来の弁機構を示す。
符号の説明
A 通気弁
100 弁機構
1 通気弁支持体
1a 接続具
2 通気口
3 通気弁本体
4 Oリング
5 錘
6 吸気弁本体
7 吸気口
8 コイルスプリング
9 防火網
9a 防火網用基体
10 キャップ
10a 接続具
11 ワイヤーロープ
12 遮蔽体
13 ストッパー部材
14 コイルスプリング

Claims (4)

  1. 通常は通気弁本体が通気口を閉止し、タンク内圧力の上昇により通気口を開放する通気管の弁機構において、振動減衰機構として、通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材とその周囲の固定部材との間に線状部材を1本のみ介在させ、通気弁本体がタンク内圧力の上昇により通気口を開放したときにのみ、通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材と接触する接触可能領域を設けた通気管における騒音発生防止装置。
  2. 前記線状部材が、ワイヤーロープである請求項1に記載の通気管における騒音発生防止装置。
  3. 通気弁本体または通気弁本体と一体的に設けられている部材に、タンク内から排出されるガスを受けて、このガスの流れによる浮力を増加させる遮蔽体を設けた請求項1または請求項2に記載の通気管における騒音発生防止装置。
  4. 接触可能領域が、通気弁支持体の上方に設けたストッパー部材と通気弁支持体の内周面である請求項1〜のいずれかに記載の通気管における騒音発生防止装置。
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