JP4636220B2 - 物理量検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に浮かせて設けた振動子の変位により角速度、加速度、圧力等の物理量を検出する物理量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等の車両で使用される物理量検出装置には、可動側電極と、固定側電極が接触することを防止するストッパを備えたものがあり、このような物理量検出装置として、例えば、特開平11−173851号公報に開示された角速度検出装置がある。この角速度検出装置は、図10に示すように、基板40の上面に、固定部41と、固定部41に対して変位可能な振動子42とが設けられて構成されている。そして、固定部41には、固定側駆動電極41aと、固定側検出電極41bとが形成され、振動子42には、固定側駆動電極41aに対応する可動側駆動電極42aと、固定側検出電極41bに対応する可動側検出電極42bとが形成されている。
【0003】
この構成において、図示X方向の一対の固定側駆動電極41a,41aに交流電圧を印加することにより、固定側駆動電極41aと可動側駆動電極42aとの間に静電引力を発生させて、振動子42を図示のX方向に振動させることができる。その際に、Z軸回りの角速度が基板40に作用すると、振動子42は、コリオリ力によってY方向に振動する。この振動子42が振動する際の固定側検出電極41bに対する可動側検出電極42bの変位量による静電容量の変化から角速度を検出するというものである。
【0004】
また、この角速度検出装置50には、振動子42の近傍にストッパ43が設けられて、可動側検出電極42bが固定側検出電極41bに接触してショートすることを防止している。このストッパ43と、ストッパ43に衝突する振動子42の部分を拡大した状態を図11に示している。この振動子42とストッパ43は、シリコン材料をエッチング処理することにより形成され、所定間隔でエッチングホール42a,43aが形成されてそれぞれ格子状になっている。また、ストッパ43の先端部(振動子42側)には、平面視三角状の突起43bが2個並設されている。
【0005】
また、他の例として、図12(a)およびそのD−D‘断面図である図12(b)に示すような、振動子45とストッパ46を備えた角速度検出装置もある。この振動子45とストッパ46には、図11と同様にエッチングホールは形成されているが、図12では図の簡略化のため、エッチングホールは省略している。ストッパ46の先端部の突起は、平面視半円状の1個の突起46aで構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の角速度検出装置のうちの前者では、振動子42とストッパ43が衝突する際の衝撃によって接触点に応力が集中し、ストッパ43の突起43bまたは、振動子42におけるストッパ43との当接部分が破損され易いという問題がある。また、後者では、図12(b)、(c)のように、振動子45がストッパ46に衝突する際、接触点の応力は緩和するが、振動子45の先端(ストッパ46側)下部側の角部45aが、ストッパ46における突起46aの先端(振動子45側)上部側の角部46bに衝突し、角部45aまたは角部46bが破損するという問題がある。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたもので、その目的は、振動子がストッパに衝突する際の衝撃を緩和することにより、ストッパや振動子の破損を防止することのできる物理量検出装置を提供することにある。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明に係る物理量検出装置の特徴は、基板に固定された固定部に形成された固定側電極と、固定部に対して変位可能に配設された振動子に形成された可動側電極と、振動子の固定部に対する変位量を規制し、固定側電極と可動側電極とが接触することを防止するストッパとを備え、固定側電極に対する可動側電極の変位に応じて物理量を検出する物理量検出装置において、固定部、振動子およびストッパを、所定間隔でホールが形成されて格子状になった梁で構成し、振動子におけるストッパと衝突する部分近傍には、格子状の梁のうちの振動子の変位方向に沿って延びる梁が形成されてなく所定間隔で形成されたホールよりも大きいホールが形成されることによって、ストッパが振動子の変位量を規制する際のストッパと振動子の衝突の衝撃力を緩衝する衝撃緩衝手段が設けられていることにある。
【0009】
前記のように構成した本発明の特徴によれば、衝撃緩衝手段によって、振動子とストッパの衝撃が緩和され、ストッパや振動子の当接部分の破損が防止される。これによって、物理量検出装置の寿命が長くなる。
【0010】
また、ホールを大きくすることにより、そのホールの周囲の梁が長くなる。これによって、その部分が柔らかくなって弾性が増し、振動子とストッパの衝撃を緩和するようになる。この結果、ストッパや振動子の破損が少なくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の物理量検出装置の一実施形態である角速度検出装置の要部を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る角速度検出装置の振動子10とストッパ11を示している。この角速度検出装置は、サーフェイスマイクロマシニング技術を用いて製造されており、振動子10にはエッチングホール10aが、ストッパ11にはエッチングホール11aがそれぞれ所定間隔で設けられて、全体が格子状に構成されている。なお、サーフェイスマイクロマシニング技術で、角速度検出装置等の構造体を製造する際には、構造体に多くのエッチングホールを形成して、構造体の下部に形成された酸化膜をフッ化水素酸等を用いてエッチングすることが行われている。
【0014】
また、ストッパ11における振動子10に対向する部分には、平面視三角形の突起11bが三角形の頂部を振動子10に向けて2個並設されている。そして、振動子10における突起11bに対向する部分には、格子状を形成する一部の梁が形成されてなくその部分に大きなエッチングホール10bが形成されている。すなわち、このエッチングホール10bは、振動子10におけるストッパ11側の最前列の梁10cの後部側に、エッチングホール10aを6個(図示における横方向2列縦方向3列)連続させた状態で設けられ、その大きさは、エッチングホール10aが6個分と、エッチングホール10aの周囲を形成する梁が7個分とを合わせた大きさに設定されている。
【0015】
したがって、梁10cが後部側を支持する梁を失って弾性を増すようになり、振動子10が、ストッパ11の突起11bに衝突する際の衝撃が緩和されるようになる。本実施形態による角速度検出装置のそれ以外の部分の構成については、図10に示した従来例の角速度検出装置50と同様である。以上のように構成したため、振動子10が振動によってストッパ11に繰り返し衝突しても、その衝撃が緩和されて、ストッパ11や振動子10が破損されにくくなる。これによって、角速度検出装置の寿命が長くなる。
【0016】
図2は、本発明の他の実施形態による角速度検出装置の要部を示している。この角速度検出装置では、振動子12及びストッパ13に、図1に示したエッチングホール10a,11aと同様のエッチングホール12a,13aがそれぞれ形成されている。そして、振動子12におけるストッパ13側の梁12bに平面視三角形の突起12cが三角形の頂部をストッパ13に向けて2個並設され、梁12bの後部側には、梁12bおよび突起12cを強固に支持するための梁が形成されてなく、その部分に大きなエッチングホール12dが形成されている。
【0017】
エッチングホール12dは、振動子12のストッパ13に対する進退方向に沿う方向の長さがエッチングホール12aの1個分の長さと等しくなっており、前記方向に直交する方向の長さがエッチングホール12aが4個分の長さと梁の幅が3個分の長さを合わせた長さに設定されている。そして、ストッパ13における振動子12に対向する部分には、突起が設けられてなく、ストッパ13の先端部は平面状になっている。このため、振動子12が振動してストッパ13側に移動すると、まず、突起12cがストッパ13の先端部に衝突して、振動子12のストッパ13側への移動が規制される。
【0018】
この際、突起12cおよび梁12bを支持する梁が、梁12bの後方にないため、梁12bが弾性を増すようになり、この弾性作用によって、振動子12の突起12cとストッパ13の衝突の際の衝撃力が緩和される。これによって、突起12cおよびストッパ13が破損することを防止され、角速度検出装置の寿命が長くなる。
【0019】
図3(a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態による角速度検出装置の要部を示している。この角速度検出装置では、ストッパ15における振動子14側に突設された突起が、振動子14の移動を最終的に停止させる平面視半円状の小突起15aと、小突起15aの外周面と所定間隔を保って小突起15aを囲むようにして設けられた半円リング状の半環状弾性片15bとで構成されている。
【0020】
図3(b)は、図3(a)のA−A‘断面を示しており、この図3(b)に示すように、ストッパ15の本体部分15cおよび小突起15aは、Si製の基板16の上面に形成されたSiO2膜17に固定されて、基板16に対して固定されており、振動子14および半環状弾性片15bは、下面側のSiO2膜がエッチングによって除去されて、基板16から離間した状態になっている。また、半環状弾性片15bのばね定数は、小突起15aのばね定数よりも小さくなるように設定されている。したがって、振動子14が振動して、ストッパ15側に移動すると、振動子14は、まず、ストッパ15の半環状弾性片15bに当接し、半環状弾性片15bのばね作用によって、その勢いを低減した状態で、半環状弾性片15bを撓ませて小突起15aに当接させる。そして、小突起15aによって、振動子14のストッパ15側への移動は停止する。
【0021】
このように、振動子14の移動の勢いは、半環状弾性片15bと小突起15aによって、段階的に抑えられるため、衝撃力を徐々に低減することができる。また、半環状弾性片15bを半円リング状に形成して、振動子14との衝突の際の応力を半環状弾性片15b全体に分散できるようにしているとともに、半環状弾性片15bのばね定数を小突起15aのばね定数よりも小さく設定して、半環状弾性片15bの破損を防止できるようにしている。また、振動子14および小突起15aへの衝撃力も低減されるため、これらの破損も防止できる。
【0022】
なお、半環状弾性片15bは、ストッパ15でなく、振動子14に設けることもできる。その場合、小突起15aと半環状弾性片15bの位置をずらしておいて、半環状弾性片15bがストッパ15の本体部分15cに衝突したのちに、振動子14と小突起15aが当接するようにすることが好ましい。これによっても、半環状弾性片15bをストッパ15に設けた場合と同様の効果を奏することができる。また、小突起15aおよび半環状弾性片15bの双方を振動子14に設けることもでき、その場合は、半環状弾性片15bの内部側に小突起15aを配設することが好ましい。
【0023】
図4は、本発明の他の実施形態による角速度検出装置の要部を示している。この角速度検出装置では、ストッパ18における振動子19側の面に、平面視半円状の小突起18aが突設され、小突起18aから所定距離離れたストッパ18の先端面から、小突起18aと振動子19の間に先端部が位置するようにして、棒状弾性片18bが斜め方向に突設されている。また、図4(a)のB−B‘断面を図4(b)に示すように、ストッパ18の本体部分18dおよび小突起18aは、SiO2膜17aを介して基板16aに固定され、棒状弾性片18bおよび振動子19は、図3の半環状弾性片15bおよび振動子14と同様、下面側のSiO2膜が除去されて、基板16aと離間した状態になっている。また、棒状弾性片18bの先端部18cは、小突起18aと同様の半円状に形成されている。
【0024】
したがって、振動子19が振動してストッパ18側に移動すると、まず、振動子19は、棒状弾性片18bの先端部18cに当接し、振動子19の押圧力によって棒状弾性片18bがストッパ18の小突起18a側に撓むとともに振動子19の勢いは弱められる。そして、振動子19と棒状弾性片18bの先端部18cは、さらに小突起18a側に進み、先端部18cと小突起18aが当接して振動子19のストッパ18側への移動は停止する。この場合も、棒状弾性片18bのばね定数は、小突起18aのばね定数よりも小さく設定されて、棒状弾性片18bが破損しにくくなるようにしている。なお、この角速度検出装置においても、小突起18aおよび棒状弾性片18bを適宜選択して振動子19側に配設することができる。
【0025】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による角速度検出装置の要部を示している。この角速度検出装置では、ストッパ20における振動子21に対向する面に2段の段差が設けられており、その振動子21に対して突出した面に平面視半円状の小突起20aが設けられ、振動子21に対して後退した面には、L形棒状弾性片20bが振動子21に向かって突設されている。L形棒状弾性片20bは、ストッパ20の本体部分20cと連結された幅広の横片20dと、横片20dに対して直交してつながり、振動子21の前面21aと平行する縦片20eと、縦片20eの先端に形成された平面視丸形の先端部20fとで構成されている。
【0026】
また、L形棒状弾性片20bに押圧力が付加されてない状態では、先端部20fが、振動子21に最も近い位置に位置し、つぎに、小突起20aが振動子21に近い位置に位置するように設定されている。図5(a)のC−C‘断面を図5(b)に示すように、L形棒状弾性片20bおよび振動子21は、下面側のSiO2膜が除去されて、基板16bと離間した状態になっている。また、ストッパ20の本体部分20cおよび小突起20aは、SiO2膜17bを介して、基板16bに固定されている。なお、この場合も、L形棒状弾性片20bのばね定数は、小突起20aのばね定数よりも小さく設定されている。
【0027】
したがって、振動子21がストッパ20に向かって移動すると、まず、振動子21の前面21aは、L形棒状弾性片20bの先端部20fに衝突する。この先端部20fとの衝突で、振動子21はその勢いを弱められ、L形棒状弾性片20bの縦片20eは、ストッパ20の本体部分20c側に撓む。そして、さらに、振動子21が先端部20fとともにストッパ20の本体部分20c側に進むと、振動子21の前面21aは、小突起20aに当接して完全にストッパ20側への移動が停止する。このように、このストッパ20を用いた場合も、振動子21の移動は段階的に弱められて停止するため、ストッパ20のL形棒状弾性片20bおよび小突起20aの破損が防止される。また、振動子21の破損も防止される。なお、この角速度検出装置においても、小突起20aおよびL形棒状弾性片20bを適宜選択して振動子21側に配設することができる。
【0028】
図6は、本発明の他の実施形態による角速度検出装置の要部を示している。この角速度検出装置では、ストッパ22および振動子23のいずれにも衝撃緩衝用の突起や弾性片は設けられてなく、ストッパ22における振動子23に対向する面22aと、上面22bとの角部が取り除かれて、その部分に、縦断面形状の縁部が下向きの円弧状になる傾斜部22cが形成されている。そして、振動子23におけるストッパ22に対向する面23aと、上面23bとの角部が取り除かれて、その部分に、縦断面形状の縁部が下向きの円弧状になる傾斜部23cが形成されている。
【0029】
また、ストッパ22は、SiO2膜17cを介して、基板16cに固定され、振動子23は基板16cから離間した状態になっている。このため、振動子23がストッパ22側に移動して、ストッパ22に衝突しても、図6(b)に示すように、振動子23の前端部(面23a側)は、ストッパ22の傾斜部22cに当接して、傾斜部22cの傾斜に沿って上方に移動するようになる。この結果、振動子23は、移動の方向を水平方向から上方に変え、勢いを弱められた状態で、徐々に停止するようになり、振動子23とストッパ22が衝突した際の衝撃力が緩衝される。これによって、ストッパ22および振動子23の破損が防止される。
【0030】
また、ストッパ22および振動子23を備えた角速度検出装置は、図7に示すような工程によって製造される。まず、図7(a)に示すように、単結晶シリコンからなる基板16cの上面にSiO2膜24を形成し、その上面に単結晶シリコン基板25を形成する。ついで、図7(b)に示すように、単結晶シリコン基板25の上面に、所定形状のP−SiOマスク26を形成する。
【0031】
つぎに、図7(c)に示すように、等方性エッチングにより、P−SiOマスク26に形成された切欠部26aを介して、単結晶シリコン基板25における切欠部26aに対応する部分の上部側部分を除去し、凹部25aを形成する。そして、図7(d)に示すように、異方性エッチングにより、単結晶シリコン基板25に形成された凹部25aの底部側を除去し、凹部25aの底部を、SiO2膜24に貫通させる。これによって、ストッパ22と振動子23が形成される。
【0032】
さらに、犠牲層エッチングにより、振動子23の下側に対応するSiO2膜24および凹部25aの底部に露呈したSiO2膜24を除去するとともに、P−SiOマスク26を除去することにより、ストッパ22および振動子23が表面に現われ、振動子23は基板16cから離間する。また、ストッパ22は、残ったSiO2膜17cによって基板16cに固定された状態を維持する。これによって、ストッパ22および振動子23を備えた角速度検出装置が得られる。
【0033】
図8は、本発明のさらに他の実施形態による角速度検出装置の要部を示しており、この要部であるストッパ28と振動子29は、図6に示したストッパ22と振動子23を変形したものである。この角速度検出装置では、ストッパ28に形成される傾斜部28aが、ストッパ28の前面28bと下面28cの角部を除去して形成されており、その傾斜部28aの傾斜は、縦断面形状の縁部が上向き円弧状になるように形成されている。また、振動子29に形成される傾斜部29aは、振動子29の前面29bと下面29cの角部を除去して形成されており、その傾斜部29aの傾斜は、縦断面形状の縁部が上向き円弧状になるように形成されている。
【0034】
また、ストッパ28は、SiO2膜17dを介して、基板16dに固定され、振動子29は基板16dから離間した状態になっている。したがって、振動子29がストッパ28側に移動して、ストッパ28に衝突すると、図8(b)に示すように、振動子29の先端部(前面29b側)は、ストッパ28の先端部(前面28b側)と衝突したのち、ストッパ28の前面28bを乗り越えるように移動する。
【0035】
すなわち、振動子29の先端部は、傾斜部29aをストッパ28の先端部に被わせるようにして、上昇して勢いを弱めてストッパ28側への移動を停止する。
このように、振動子29は、ストッパ28の先端部に傾斜部29aを沿わせることによって、移動方向を変えながら徐々に停止するため、ストッパ28と振動子29が衝突する際の衝撃が緩和される。これによって、ストッパ28と振動子29の破損が防止される。
【0036】
また、ストッパ28および振動子29を備えた角速度検出装置は、図9に示すような工程によって製造される。まず、図9(a)、(b)に示すように、単結晶シリコンからなる基板16dの上面にSiO2膜30を形成し、その上面に単結晶シリコン基板31を形成する。ついで、単結晶シリコン基板31の上面に、所定形状のP−SiOマスク32を形成する。
【0037】
つぎに、図9(c)に示すように、異方性エッチングにより、P−SiOマスク32に形成された切欠部32aを介して、単結晶シリコン基板31における切欠部32aに対応する部分を異方性エッチングによりSiO2膜30まで貫通させる。
【0038】
つぎに、図9(d)に示すように、さらに異方性エッチングを継続すると、SiO2膜30は、エッチングガスのイオンにより帯電する。その結果、エッチングガスは、SiO2膜30で反射され、貫通部の下部がエッチングされ、傾斜部28a,29aを形成する。
【0039】
さらに、犠牲層エッチングにより、P−SiOマスク32を除去するとともに、振動子29から傾斜部28aにかかる部分の下側に対応するSiO2膜30を除去することにより、ストッパ28および振動子29が表面に現われ、振動子29は基板16dから離間する。また、ストッパ28は、残ったSiO2膜17dによって基板16dに固定された状態を維持する。これによって、ストッパ28および振動子29を備えた角速度検出装置が得られる。
【0040】
なお、前記各種実施形態においては、本発明を角速度検出装置に適用した例について説明したが、本発明は振動子10等の変位に基づいて同振動子10等に作用する加速度に伴う力、圧力などの物理量を検出する加速度検出素子、圧力検出素子および同検出装置にも適用できるものである。そして、本製造技術により製造されるアクチュエータ(例えば、マイクロモータ、マイクロクリッパ)にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による角速度検出装置の要部を示す平面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態による角速度検出装置の要部を示す平面図である。
【図3】 (a)は他の実施形態による角速度検出装置の要部を示す平面図であり、(b)はそのA−A‘断面図である。
【図4】 (a)は他の実施形態による角速度検出装置の要部を示す平面図であり、(b)はそのB−B‘断面図である。
【図5】 (a)は他の実施形態による角速度検出装置の要部を示す平面図であり、(b)はそのC−C‘断面図である。
【図6】 (a)は他の実施形態による角速度検出装置の要部を示す断面図であり、(b)はその振動子がストッパに乗り上がった状態を示す断面図である。
【図7】 (a)ないし(e)は図6に示した角速度検出装置の製造方法を説明する断面図である。
【図8】 (a)は他の実施形態による角速度検出装置の要部を示す断面図であり、(b)はその振動子がストッパに乗り上がった状態を示す断面図である。
【図9】 (a)ないし(e)は図8に示した角速度検出装置の製造方法を説明する断面図である。
【図10】 従来例による角速度検出装置の平面図である。
【図11】 図10に示した角速度検出装置の要部を示す平面図である。
【図12】 (a)は他の従来例による角速度検出装置の要部を示す平面図であり、(b)はそのD−D‘断面図で、(c)はその振動子がストッパに衝突した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10,12,14,19,21,23,29…振動子、10a,10b,11a,12a,12d,13a…エッチングホール、10c,12b…梁、15a,18a,20a…小突起、15b…半環状弾性片、16,16a,16b,16c,16d…基板、18b…棒状弾性片、22c,23c,28a,29a…傾斜部。
Claims (1)
- 基板に固定された固定部に形成された固定側電極と、
前記固定部に対して変位可能に配設された振動子に形成された可動側電極と、
前記振動子の前記固定部に対する変位量を規制し、前記固定側電極と前記可動側電極とが接触することを防止するストッパと、
を備え、前記固定側電極に対する可動側電極の変位に応じて物理量を検出する物理量検出装置において、
前記固定部、前記振動子および前記ストッパを、所定間隔でホールが形成されて格子状になった梁で構成し、
前記振動子における前記ストッパと衝突する部分近傍には、前記格子状の梁のうちの前記振動子の変位方向に沿って延びる梁が形成されてなく前記所定間隔で形成されたホールよりも大きいホールが形成されることによって、
前記ストッパが前記振動子の変位量を規制する際の前記ストッパと前記振動子の衝突の衝撃力を緩衝する衝撃緩衝手段が設けられていることを特徴とする物理量検出装置。
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