JP4635944B2 - 計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物に発生する物理量の大きさおよびその方向を取得する計測装置に関し、特に、電気回路が形成されたプリント基板に流れる電流の方向を検出するものに用いて好適である。
従来より、電気回路が形成されたプリント基板に発生する磁界の方向を検出する装置が、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、この装置は、第1コイルが表面に形成されたX軸方向の第1基板と、第2コイルが表面に形成されたY軸方向の第2基板と、からなる直交する一体構成の磁界検出基板が備えている。
上記磁界検出基板をプリント基板上に配置させ、第2コイルから出力される第1誘起電圧値を検出すると共に、一体構成の基板をほぼ距離ALだけY軸方向に移動させて第1コイルから出力される第2誘起電圧値を検出する。この距離ALは、X軸およびY軸に垂直な軸をZ軸とし、このZ軸方向を見たとき、Y軸方向に平行な第2基板がX軸方向に平行な第1基板に接合される接合点と第2基板に形成された第2コイルの中心点との間のY軸方向の距離に相当する。このような距離ALだけ移動した位置において第1コイルと第2コイルとを並列接続して並列接続されたコイルから出力される第3誘起電圧値を検出する。
そして、第1誘起電圧値と第2誘起電圧値との比と、第1誘起電圧値と第2誘起電圧値のうち大きい方の誘起電圧値が第3誘起電圧値より大きいか否かと、に基づいて磁界方向を検出する方法が提案されている。このような磁界方向を検出する方法によって、電流の向きを検出することが可能である。
特開平11−166963号公報
しかしながら、上記従来の技術のように、磁界検出基板をプリント基板で移動させて各誘起電圧値を計測する場合、1つの計測ポイントに対して磁界検出基板の各コイルの中心点を配置させなければならない。すなわち、計測ポイントに第2基板の第2コイルの中心点を配置させて第1誘起電圧値を計測した後、磁界検出基板をY軸方向に距離ALだけ移動させ、計測ポイントに第1基板の第1コイルの中心点を配置させて第2誘起電圧値を測定しなければならない。
これにより、1つの計測ポイントの磁界を検出するために磁界検出基板を移動させなければならず、計測ポイントに対して各コイルの中心点がずれてしまう可能性がある。これにより、各計測ポイントにおける磁界の検出精度が低下してしまう可能性がある。
また、上記のように1つの計測ポイントに対して磁界検出基板を移動させる工程や第1コイルと第2コイルとを並列接続させる工程が必要になるため、1つの計測ポイントでの計測時間がかかると共に、1つのプリント基板にかかるトータルの計測時間が長くなってしまう。
本発明は、上記点に鑑み、計測時間を短縮することができ、かつ、計測精度を向上することができる計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴では、まず、制御部(40)は、一軸方向に感度を有するセンサ(14〜16)を用いて測定対象平面(50)のうち基準方向(x)に対して0〜πの範囲内に角度θxだけ回転した第1方向(x’)にて測定される第1出力(s)と、基準方向に対して0〜πの範囲内に角度θxよりも大きい角度θyだけ回転した第2方向(y’)にて測定される第2出力(t)と、をそれぞれ検出部(10)から入力する。そして、測定ポイントに発生する物理量の大きさ(r)および基準方向に対する角度θrを取得すると共に、基準方向する第3方向(v、w)にて測定される第3出力(v’、w’)と、基準方向に対する角度θrと、を用いて物理量の向きを取得する。
これにより、1つの測定ポイントにおいて3方向における各出力を取得するだけであるので、1つの測定ポイントにおける検出部の位置ずれを防止することができる。したがって、検出部における測定精度を向上できる。さらに、測定対象平面上の1つの測定ポイントに対して上記第1〜第3方向の各方向の物理量を測定するだけであるので、例えば各方向に向けられた3つのセンサをあらかじめ用意し、これらのセンサで物理量を検出することにより、1つの計測ポイントにおける計測時間を低減することができる。
また、上記のように測定対象平面に設定する座標を斜交座標系とし、斜交座標系をなす2つの方向において第1出力および第2出力を取得することにより、斜交座標系において物理量の大きさを得ることができる。さらに、他の第3方向において第3出力を取得することにより、基準方向に対する物理量の向きを得ることができる。
この場合、制御部は、斜交座標系における三角関数の関係(後述する数5〜数8参照)から、物理量の大きさrおよび基準方向に対する角度θrを取得することができる。
また、斜交座標系において、3つめの方向として、第1方向と第2方向とのなす角の範囲内であって基準方向に対して角度θvの方向(v)、または第1方向と第2方向とのなす角の範囲外であって基準方向に対して角度θwの方向(w)のいずれかにおいて第3出力を測定する。
これにより、物理量の大きさおよび基準方向に対する角度θrしか得られていなかったが、この第3出力を用いることによって第1および第2方向における各大きさとの比較が可能となり、例えば三角関数による大小関係によって物理量の方向が基準方向に対して時計回りの角度の方向であるのか。または反時計回りの角度の方向であるのかを判定することができる。
さらに、第3方向として、第1方向と第2方向とのなす角の範囲内の方向(v)における出力v’と、第1方向と第2方向とのなす角の範囲外の方向(w)における出力w’と、をそれぞれ測定し、出力v’が出力w’よりも大きいか否かを判定することにより、物理量が基準方向を基準にして0〜π/2の範囲にある方向であるか、または基準方向を基準にしてπ/2〜πの範囲にある方向であるかを判定することができる。
このように、3方向に加え、1方向の測定を増やすことにより、物理量の方向をより確実に判定することが可能となる。
本発明の第2の特徴では、一軸方向に感度を有するセンサ(14〜16)を有する検出部(10)によって、測定対象平面(50)上の第1方向にて測定される第1出力(V1)と、その第1方向に直交する第2方向にて測定される第2出力(V3)と、第1方向と第2方向との直交関係を二分割する第3方向にて測定される第3出力(V2)と、をそれぞれ検出する。そして、第1出力から得られる第1成分の二乗と、第2出力から得られる第2成分の二乗と、の和の平方根から物理量の大きさを取得する。続いて、第3出力が、第1出力および第2出力のうち大きい値を2−(1/2)倍した値より大きいか否かを判定し、2−(1/2)倍した値より大きい場合、物理量は第1方向とその第1方向に直交する第2方向とによって形成される平面を通過するA方向であると判定する。逆に、2−(1/2)倍した値より小さい場合、物理量はA方向を第1方向もしくは第2方向を基準に反転させたB方向であると判定する。こうして、測定ポイントに発生する物理量の大きさおよびその方向を取得する。
このようにすれば、1つの測定ポイントにおいて3方向における各出力を取得するだけであるので、測定対象平面上の測定ポイントに対して検出部の位置がずれることがない。したがって、測定精度を向上させることできる。また、検出部を測定ポイントから移動させることがないため、1つの計測ポイントにおける計測時間を低減することができる。
この場合、制御部は、第1方向に対して鈍角となる第4方向における第4出力(V4)を検出部から入力し、第方向における第出力が第4方向における第4出力よりも大きいか否かを判定する。そして、第出力が第4出力より大きい場合、物理量はA方向であると判定し、第出力が第4出力より小さい場合、物理量はB方向であると判定することにより、物理量の方向を取得することを特徴とする。
このように、測定対象平面上の1計測ポイントにおける測定方向を1つ増やすことで、測定ポイントにおける物理量の絶対値が小さい場合であっても、精度良く物理量の方向を判定することができる。
また、第4方向を第方向に直交させることが好ましい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される計測装置は、電気回路が形成されたプリント基板において、電気回路を作動させたときに配線パターンに流れる電流やグランドに流れる電流等のプリント基板50に流れるトータルの電流の向きを検出することにより、電流の漏れによるノイズや電気回路の不具合等を検出するものとして用いられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る計測装置の概略ブロック図である。この図に示されるように、計測装置100は、磁界プローブ10と、電圧計20と、駆動部30と、制御部40と、を備えて構成されている。
磁界プローブ10は、いわゆるシールデッドループであり、プリント基板50に発生する磁界を検出する検出部である。具体的に、図1に示されるように、磁界プローブ10は、ロッド11の一端側に金属導体のループアンテナ12が接合されたものとして構成されている。ロッド11には同軸線が内蔵されており、その同軸線はループアンテナ12内に芯線13として引き伸ばされている。そして、ループアンテナ12のうち、ロッド11とは反対側の一部が取り除かれて、芯線13が露出した状態になっている。このようなループアンテナ12として、ループの直径が例えばφ30のものが採用される。
なお、プリント基板50として、例えば30mm×30mm等のサイズのものや、200mm×350mm等のサイズのものなど、様々なサイズのものを対象とすることができる。また、測定対象物50は本発明の測定対象平面を示すものである。
上記ループアンテナ12に磁界を通過させると、芯線13に流れる電流の変化に伴い、芯線13の両端すなわち同軸線の両端にループアンテナ12の出力として起電圧が発生する。このことについて、図2を参照して説明する。
図2は、磁界プローブ10において誘導起電圧が発生する原理を説明する図である。この図に示されるように、コイル60を横切る磁束をφとすると、コイル60の両端に発生する起電圧VeはVe=−∂φ/∂t=−iωNπaBと表される。ここで、iはコイル60に流れる電流、ωは角周波数、Nはコイル60の巻き数、Bはコイル60を通過する磁界の磁束密度である。このように、コイル60すなわちループアンテナ12を横切る磁束の変化に応じて発生する起電圧Veを測定することにより、プリント基板50に発生する磁界、ひいてはプリント基板50に流れる電流の向きを検出する。
また、図1に示される電圧計20は、上記磁界プローブ10に発生した起電圧Ve、すなわちループアンテナ12を横切る磁界の変化に応じた電圧値を計測するものである。この電圧計20で計測された起電圧Veは制御部40に出力される。
駆動部30は、磁界プローブ10をプリント基板50上で移動させる3次元移動手段である。磁界プローブ10に対向するプリント基板50の面をx−y平面とすると、駆動部30は、磁界プローブ10をプリント基板50のx−y平面で移動させる機能や、ロッド11の長軸を中心にして磁界プローブ10を回動させる機能等を有している。このような駆動部30は、制御部40から入力される指令信号に基づいて磁界プローブ10を駆動するようになっている。
制御部40は、駆動部30に対してプリント基板50上で磁界プローブ10を移動させる機能や、電圧計20から入力される起電圧Veに基づいてプリント基板50に流れる電流の方向を取得する機能を有するものである。このような機能を有する制御部40は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えた周知のパーソナルコンピュータとして構成される。
すなわち、制御部40は、駆動部30に対し、プリント基板50の各計測ポイントに磁界プローブ10を移動させる移動プログラム、駆動部30に対し、ロッド11の長軸を中心にして磁界プローブ10を一定角度で回転させる回転プログラム、電圧計20で測定された起電圧Veから磁界の方向を求め、この磁界の方向から電流の向きを得る電流方向検出プログラム等のプログラムを例えばハードディスクに備えている。制御部40では、これらのプログラムがCPUにより実行されることで、プリント基板50に流れる電流の向きが得られるようになっている。
次に、上記計測装置100を用いて、プリント基板50に形成された電気回路が作動したときにプリント基板50に流れる電流の向きを取得する方法について、図を参照して説明する。
図3は、プリント基板50に流れる電流の向きの一例を示した図である。プリント基板50上の電流はプリント基板50の導体部分に流れるので、電流はプリント基板50平面上の電流ベクトル71として表される。また、本実施形態では、四角形のプリント基板50の一辺をx軸とし、プリント基板50の平面内でx軸に垂直な軸をy軸としている。
なお、周知のように電流の向きは磁界の向きに対して直交しているため、x軸およびy軸に垂直な軸(すなわちプリント基板50の平面に垂直な方向)をz軸とすると、z軸方向からループアンテナ12を見たときのループアンテナ12の長手方向に平行な軸の成分が電流ベクトル71の成分として測定される。具体的には、ループアンテナ12の長手方向がx軸に平行である場合、電流ベクトル71のx軸成分が測定される。同様に、ループアンテナ12の長手方向がy軸に平行である場合、電流ベクトル71のy軸成分が測定される。
図4は、電流ベクトル71のx軸成分およびy軸成分を測定する様子を示した図である。例えば、図4に示されるように、制御部40の指令により駆動部30を駆動して磁界プローブ10をプリント基板50上の計測ポイントに移動させ、電流ベクトル71のx軸成分81を測定すると共に磁界プローブ10をロッド11の長軸を中心に90°回転させて電流ベクトル71のy軸成分82を測定したとする。なお、図4以降では、x軸およびy軸が交わる点を中心とした円でプリント基板50を表現してある。
このように、電流ベクトル71のx軸成分81およびy軸成分82を測定することにより、得られた各成分81、82の二乗の和の平方根、つまりx軸成分81の二乗とy軸成分82の二乗との和の平方根を求めることで電流ベクトル71の大きさを得ることができる。しかしながら、図4に示されるように、その電流ベクトル71の向きが、実線で示される電流ベクトル71の向きであるか、または実線で示される電流ベクトル71(A方向)をx軸もしくはy軸で反転させた破線で示される電流ベクトル72(B方向)の向きであるかを判定することができない。
そこで、本実施形態では、上記のように2方向の測定ではなく、プリント基板50上の3方向における磁界プローブ10に発生する起電圧Veを測定することにより、プリント基板50に発生している磁界の向き、ひいてはプリント基板50に流れる電流の向きを取得する。
すなわち、図5(a)、(b)に示されるように、例えば45°方向の電流ベクトル71の45°成分83a、83bを測定する。これにより、実線で示された電流ベクトル71の45°成分83a(図5(a)参照)と、破線で示された電流ベクトル72の45°成分83b(図5(b)参照)と、が得られる。これにより、電流ベクトル71が第1および第3象限にある場合と電流ベクトル72が第2および第4象限にある場合とで各45°成分83の大きさに違いが生じることがわかる。したがって、各45°成分83の大きさの違いを利用することで、電流ベクトル71の向きを判定することができるのである。
具体的に、電流ベクトル71がx軸に平行な状態(0°)からy軸方向に回転して再びx軸に平行な状態(180°)になったとき、電流ベクトル71の向きに応じて変化する電流ベクトル71の45°成分について検討する。図6〜図13は、それぞれ電流ベクトル71の向きに応じた45°成分83を示した図である。
図6に示されるように、電流ベクトル71がx軸に平行な状態、すなわち0°の状態では、電流ベクトル71の45°成分83はx軸成分81の2−(1/2)倍となる。続いて、電流ベクトル71がx軸に対して0°以上45°未満の範囲内にある場合、図7に示されるように、電流ベクトル71の45°成分83は、電流ベクトル71の回転と共にx軸成分81の2−(1/2)倍から増加していく。また、電流ベクトル71のx軸成分81は減少していく。そして、図8に示されるように、電流ベクトル71がx軸に対して45°になった状態では、電流ベクトル71の45°成分83は、電流ベクトル71のx軸成分81の21/2倍になる。なお、電流ベクトル71の45°成分83は、電流ベクトル71のy軸成分82の21/2倍でもある。
また、電流ベクトル71がx軸に対して45°以上90°未満の範囲内にある場合、図9に示されるように、電流ベクトル71の45°成分83は、電流ベクトル71のy軸成分82の21/2倍から減少していく。そして、図10に示されるように、電流ベクトル71がx軸に対して90°になった状態(すなわちy軸に平行になった状態)では、電流ベクトル71の45°成分83はy軸成分82の2−(1/2)倍になる。
以上のように、電流ベクトル71がx軸に対して平行な状態から90°まで回転した範囲において、電流ベクトル71のx軸成分81およびy軸成分82は、電流ベクトル71がx軸に対して0°〜45°の範囲ではx軸成分81>y軸成分82となり、45°〜90°の範囲ではx軸成分81<y軸成分82となる。つまり、電流ベクトル71が第1および第3象限にあるとき、その45°成分83は、x軸成分81およびy軸成分82のうち大きい値を2−(1/2)倍した値よりも大きくなる。
同様に、電流ベクトル71がx軸に対して90°〜180°の範囲にある場合、図11に示されるように、電流ベクトル71の45°成分83はy軸成分82の2−(1/2)倍から減少する。そして、電流ベクトル71がx軸に対して135°回転すると、図12に示されるように、電流ベクトル71の45°成分83は0になる。さらに、電流ベクトル71がx軸に対して135°〜180°の範囲にある場合、図13に示されるように、電流ベクトル71の45°成分83は0の状態から増加し、180°回転した場合では図6に示される状態と同じ状態になり、電流ベクトル71の45°成分83はx軸成分81の2−(1/2)倍となる。
以上のように、電流ベクトル71がx軸に対して90°の状態から180°まで回転した範囲において、電流ベクトル71のx軸成分81およびy軸成分82は、電流ベクトル71がx軸に対して90°〜135°の範囲ではy軸成分82>x軸成分81となり、135°〜180°の範囲ではy軸成分82<x軸成分81となる。つまり、電流ベクトル71が第2および第4象限にあるとき、その45°成分83は、x軸成分81およびy軸成分82のうち大きい値を2−(1/2)倍した値よりも小さくなる。
したがって、制御部40は、磁界プローブ10および駆動部30を介して、プリント基板50上の1つの測定ポイントにおける電流ベクトル71のx軸成分81およびy軸成分82、そして45°成分83に相当する各起電圧V1〜V3を取得し、それら各起電力V1〜V3の値を用いて電流ベクトル71の45°成分83が、x軸成分81およびy軸成分82のうち大きい値を2−(1/2)倍した値より大きいかまたは小さいかを判定する。
これにより、制御部40は、45°成分83が、x軸成分81およびy軸成分82のうち大きい値を2−(1/2)倍した値より大きい場合、電流ベクトル71は第1、第3象限にあると判定し、45°成分83が、x軸成分81およびy軸成分82のうち大きい値を2−(1/2)倍した値より小さい場合、電流ベクトル71は第2、第4象限にあると判定することができる。
なお、このような判定は、上述のように、制御部40に備えられた電流方向検出プログラムが実行されることによりなされる。また、x軸成分81およびy軸成分82が得られるため、それらの二乗平均を求めることにより、電流ベクトル71の大きさを得ることもできる。これは、上記電流方向検出プログラムにより算出される。また、電流ベクトル71の方向が得られるが、その正負(第1象限から第3象限に向かうベクトルであるのか、または第3象限から第1象限に向かうベクトルであるのか。第2、第4象限に電流ベクトル71がある場合も同様である。)については、電流ベクトル71の方向が得られた後、例えばプリント基板50の配線パターン等から総合的に判断される。
上記の測定原理を踏まえて、プリント基板50のx−y平面における3方向の電流ベクトル71の成分をそれぞれ測定することにより、プリント基板50に流れる電流の向きを取得する具体的な方法について説明する。以下では、1つの測定ポイントにおける電流ベクトル71の向きを得る方法について説明する。
まず、プリント基板50を図示しない固定台に固定し、プリント基板50に形成した電気回路を作動させる。そして、制御部40で移動プログラムを実行させて駆動部30に指令信号を出力し、磁界プローブ10をプリント基板50上の計測ポイントに移動させる。
この後、制御部40で回転プログラムを実行することにより、磁界プローブ10をロッド11の長軸を中心にして3つの角度で回転させる。これにより、磁界プローブ10の各回転角度に応じて磁界プローブ10に生じる起電圧Veを電圧計20で測定し、その電圧値を制御部40に出力する。
ここで、磁界プローブ10の回転角度とは、具体的に、プリント基板50のx軸およびy軸に垂直なz軸方向からループアンテナ12(プリント基板50側)を見たときのループアンテナ12の長手方向とx軸とのなす角度に相当する。すなわち、ループアンテナ12の長手方向がx軸に平行である場合を0°とする。この角度では、上述のように、電流ベクトル71のx軸成分を測定することができる。また、ループアンテナ12の長手方向がy軸に平行である場合を90°とする。この角度では、上述のように、電流ベクトル71のy軸成分を測定することができる。
したがって、プリント基板50上の1つの測定ポイントにおいて、磁界プローブ10を回転させ、ループアンテナ12が0°の場合における起電圧V1(本発明の第1起電圧に相当)、45°における起電圧V2(本発明の第3起電圧に相当)、90°における起電圧V3(本発明の第2起電圧に相当)の3つの起電圧をそれぞれ測定し、電圧計20から各起電圧値のデータを制御部40に出力する。
そして、制御部40で電流方向検出プログラムを実行することにより、上述の方法に従って、電圧計20から入力された各起電圧値から電流ベクトル71の大きさおよび方向を取得する。こうして、1つの測定ポイントにおける電流ベクトル71の大きさおよび方向を得ることができる。
こうして1つの測定ポイントにおける電流ベクトル71の大きさおよび方向を取得した後、駆動部30を介して磁界プローブ10をプリント基板50のx−y平面で移動させて各測定ポイントにおける各起電圧を測定し、各測定ポイントにおける電流ベクトル71を取得する。なお、プリント基板50の各測定ポイントにおける磁界プローブ10の各起電圧をあらかじめ測定した後、電流ベクトル71の大きさおよび方向を算出するようにしても構わない。
上記のようにして得られた電流ベクトル71の向きや大きさをマップとして構成することにより、プリント基板50上のどの部分にどれくらいの大きさの電流が流れているかを知ることができる。
なお、制御部40に電流ベクトル71を描画するプログラムを備え、このプログラムを実行することにより、上記のようにして得られた各測定ポイントにおける各起電圧や電流ベクトル71の向きのデータから、プリント基板50に流れる電流の大きさおよび向きをモニタ等の表示手段を用いて視覚的に出力することも可能である。
本実施形態において、プリント基板50上の平面におけるx軸方向は本発明の第1方向、y軸方向は本発明の第2方向、上記45°の方向は本発明の第3方向にそれぞれ相当する。また、上記第1象限は、x軸(第1方向)とそのx軸(第1方向)に直交するy軸(第2方向)とによって形成される平面に相当する。
以上説明したように、本実施形態では、プリント基板50上の一測定ポイントに磁界プローブ10を配置させ、その測定ポイントにおいて磁界プローブ10の測定向きを変更することにより、測定ポイントにおける3方向の電流ベクトル71の各成分を各起電圧V1〜V3として測定することを特徴としている。このように、1つの測定ポイントにおいて磁界プローブ10をロッド11の長軸を中心に3方向に回転させるだけであるので、測定ポイントに対して磁界プローブ10がずれない。これにより、測定ポイントにおける各起電圧V1〜V3の測定精度を確保することができる。
また、1つの測定ポイントにおける各起電圧V1〜V3を測定するために、測定ポイントに対して磁界プローブ10を何度も移動させることがなく、3方向のみを測定するだけであるので、1つの測定ポイントにおける測定時間を短縮することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第1実施形態においてプリント基板50上の3方向における各起電圧の測定に加え、さらにもう1つの方向、詳しくはx軸に対して鈍角となる方向における起電圧を測定し、この起電圧を用いて電流ベクトル71の方向を判定することが特徴である。具体的には、本実施形態では、電流ベクトル71の135°成分に相当する起電圧を測定する。
図14は、電流ベクトル71の135°成分を測定する様子を示した図である。図14(a)に示されるように、第1および第3象限にある電流ベクトル71がx軸に対して0〜45°の範囲内にある場合、電流ベクトル71の45°成分83aは、電流ベクトル71の135°成分84aよりも大きくなっている。また、図14(b)に示されるように、第2および第4象限に電流ベクトル71がある場合、電流ベクトル72の135°成分84bは、電流ベクトル72の45°成分83bよりも大きくなっている。
すなわち、電流ベクトル71の45°成分と135°成分とを比較することにより、電流ベクトル71が第1および第3象限にあるのかまたは第2および第4象限にあるのかを判定することができる。
したがって、まず、第1実施形態と同様にループアンテナ12の長手方向をx軸に対して0°、45°、90°の各起電圧V1〜V3を測定した後、ループアンテナ12の長手方向をx軸に対して135°回転させて起電圧V4を測定する。
そして、45°における起電圧V2と135°における起電圧V4とを比較する。この比較によって、起電圧V2>起電圧V4である場合、電流ベクトル71は第1、3象限にあると判定し、起電圧V2<起電圧V4である場合、電流ベクトル71は第2、4象限にあると判定する。
以上のように、プリント基板50上における測定方向を1つ増やすことで、測定ポイントを流れる電流が小さい場合であっても、精度良く電流の方向を判定することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、直交座標系に基づいて電流ベクトル71の方向を決定する方法が示されているが、直交座標系は特殊な座標系であって、より一般化された斜交座標系であっても電流ベクトル71を求めることができる。以下、斜交座標系において電流ベクトル71の大きさおよびその方向を取得する内容について、図を参照して説明する。
まず、斜交座標系を定義する。図15は、斜交座標系における電流ベクトル71を示した図である。この図に示されるように、任意の軸xを基準軸として、このx軸(本発明の基準方向)に対して反時計回りの方向に角度θxだけ回転した軸をx’軸(本発明の第1方向)とし、x軸に対して反時計回りの方向に角度θyだけ回転した軸をy’軸(本発明の第2方向)とする。これにより、x’軸およびy’軸で構成される座標を斜交座標系として定義できる。
なお、図15では、直交座標系から斜交座標系をイメージしやすいように、x軸に直交したy軸も描いてある。また、x軸を基準として軸を回転した場合、π〜2πの場合は0〜πの場合と同じであり、電流ベクトル71の方向が得られれば良いため、以下ではπ〜2πの説明を省略する。
次に、上記斜交座標系における電流ベクトル71の大きさおよびその方向を求める方法について説明する。まず、図15に示される斜交座標系において、電流ベクトル71の大きさをrと定義し、x軸に対する電流ベクトル71の角度をθrと定義すると、電流ベクトル71のx’軸成分sはs=rCos[θr−θx]と表され、y’軸成分tはt=rCos[θy−θr]と表される。したがって、これら2式により、電流ベクトル71の大きさrは、
Figure 0004635944
として得られる。また、x軸に対する電流ベクトル71の角度θrは、
Figure 0004635944
として得られる。
上記のx’軸成分sおよびy’軸成分tはそれぞれ計測値(絶対値)であるため、s>0およびt>0、s<0およびt>0、s>0およびt<0、s<0およびt<0の4通りの場合が考えられる。しかしながら、本実施形態では、上記のようにx軸に対してπ〜2πの範囲を省略するため、t>0の場合のみを考えれば良い。したがって、x’軸成分sの符号が正または負の場合の解が得られる。
すなわち、s>0およびt>0の場合、上記数1および数2から電流ベクトル71の大きさおよびその方向が得られる。また、s<0およびt>0の場合、sが負であるので、上記数1および数2のsを−sに置換すれば良く、電流ベクトル71の大きさrは、
Figure 0004635944
として得られ、x軸に対する電流ベクトル71の角度θcは、
Figure 0004635944
として得られる。
これらをまとめると、図15に示される電流ベクトル71、71’がx軸を基準にして0〜π/2の範囲にある場合(s>0およびt>0)、その電流ベクトル71、71’の大きさrおよびその方向(x軸に対する角度θc)は上記数1および数2で得られる。また、電流ベクトル71、71’がπ/2〜πの範囲にある場合(s<0およびt>0)、その電流ベクトル71、71’の大きさrおよびその方向(x軸に対する角度θc)は上記数3および数4で得られることとなる。
なお、上記数1〜数4において、θx=0、θy=π/2とすると、直交座標系での扱いとなるため、第1、第2実施形態と同様になる。すなわち、電流ベクトル71が第1象限にある場合(s>0およびt>0)、その電流ベクトル71の大きさrおよびその方向(x軸に対する角度θc)は、
Figure 0004635944
として得られる。また、電流ベクトル71’が第2象限にある場合(s<0およびt>0)、その電流ベクトル71’の大きさrおよびその方向(x軸に対する角度θc)は、
Figure 0004635944
として得られる。
以上のように、電流ベクトル71、71’のx’軸成分sおよびy’軸成分tから電流ベクトル71、71’の大きさを得ることができる。しかしながら、これら2方向の各成分s、tだけでは、電流ベクトル71、71’の方向がx軸に対して反時計回りに回転した場合であるのか、時計回りに回転した場合であるのか、すなわち図15においてx軸を基準にして0〜π/2の範囲にある電流ベクトル71なのか、またはπ/2〜πの範囲にある電流ベクトル71’であるのかはわからない。したがって、上記実施形態と同様に、電流ベクトル71、71’の方向を決定するためにもう1方向の成分を取得する。このことについて、図16を参照して説明する。
図16は、斜交座標系において、電流ベクトル71、71’の方向を決定するための第3の成分を測定する様子を示した図である。本実施形態では、電流ベクトル71、71’の方向を決定するための成分を測定する際、x’軸とy’軸とのなす角の範囲内の軸v(本発明の第3方向)におけるv軸成分v’、またはx’軸とy’軸とのなす角の範囲外の軸w(本発明の第3方向)におけるw軸成分w’のいずれかを取得する。
具体的に、x’軸とy’軸とのなす角が範囲内、より詳しくはx’軸とy’軸とのなす角度(|θx−θy|)が|θx−θy|<π/4の場合に図16に示されるv軸でv軸成分v’(本発明の第3出力に相当、実際はループアンテナ12で測定される起電圧となる)を測定した場合、s・|Cos[θv−θx]|<v’、かつ、t・|Cos[θv−θy]|<v’を満たすとき、x軸を基準にして0〜π/2の範囲にある電流ベクトル71であると言える。なお、前記条件を満たさないときは、π/2〜πの範囲にある電流ベクトル71’であると言える。
また、x’軸とy’軸とのなす角が範囲外、より詳しくはx’軸とy’軸とのなす角度(|θx−θy|)が|θx−θy|>π/4の場合に図16に示されるw軸でw軸成分w’(本発明の第3出力に相当)を測定した場合、s・|Cos[θw−θx]|<w’、かつ、t・|Cos[θw−θy]|<w’、さらに、s<w’およびt<w’を満たすとき、x軸を基準にしてπ/2〜πの範囲にある電流ベクトル71’であると言える。なお、前記条件を満たさないときは、0〜π/2の範囲にある電流ベクトル71であると言える。
このように、第3の方向の測定においては上記v軸またはw軸いずれか一方を測定し、各条件を満たすか否かによって電流ベクトル71、71’の方向を判定することができる。なお、基準軸xを決めることにより、角度θx、θyを知ることができるので、|θx−θy|の値がπ/4より大きいかまたは小さいかに応じて、上記各条件のうちいずれかを選択して電流ベクトル71、71’の方向を取得すれば良い。
以上のようにして、斜交座標系において3方向を測定することにより、電流ベクトル71、71’の大きさおよびその方向を取得することができる。なお、測定方法は上記実施形態と同様である。
(第4実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第3実施形態において、さらにもう1つの方向における起電圧を測定し、この起電圧を用いて電流ベクトル71、71’の方向を判定することが特徴である。
具体的には、電流ベクトル71、71’の方向を決定するための成分を測定する際、x’軸とy’軸とのなす角の範囲内の軸vにおけるv軸成分v’、およびx’軸とy’軸とのなす角の範囲外の軸wにおけるw軸成分w’をそれぞれ取得する。
そして、v’>w’のとき、x軸を基準にして0〜π/2の範囲にある電流ベクトル71であると判定する。また、v’<w’のとき、0〜π/2の範囲にある電流ベクトル71’であると判定する。
なお、x’軸とy’軸とのなす角の範囲外の軸vにおけるv軸成分v’、およびx’軸とy’軸とのなす角の範囲内の軸wにおけるw軸成分w’をそれぞれ取得しても良い。この場合、v’<w’のとき、x軸を基準にして0〜π/2の範囲にある電流ベクトル71であると判定する。また、v’>w’のとき、0〜π/2の範囲にある電流ベクトル71’であると判定する。
以上のように、x’軸とy’軸とのなす角の範囲内および範囲外における各軸v、wにおいてそれぞれ取得した各成分v’、w’を比較することにより、電流ベクトル71、71’の方向を判定することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、磁界を検出するものとして磁界プローブ10を用いたが、本実施形態では、一軸方向に感度を有する複数のセンサで構成された検出部を採用することが特徴となっている。
図17は、第5実施形態に係る検出部の概略図を示したものであり、(a)はブロック図、(b)はセンサの平面図を示したものである。この図に示されるように、検出部10は、3つのセンサ14〜16を備えて構成されている。
これらセンサ14〜16は、空間における物理量に対して一軸方向に感度を有し、感度方向の物理量を検出してその物理量に応じたレベルの出力(例えば起電圧)を発生するものである。そして、図17(b)に示されるように、各センサ14〜16の感度方向が測定方向に向けられて固定された状態になっている。なお、図17では、各センサ14〜16の感度方向を矢印で示している。
上記センサ14〜16の出力は、その出力を計測する物理量計測部41にて取得され、その計測結果が制御部40に入力されることとなる。
以上のように、一軸方向の物理量を検出する各センサ14〜16を検出したい方向に向けてあらかじめ配置させておいたものを検出部10として構成することもできる。このような場合、検出部10そのものを回転させる必要がないため、上記各実施形態に対してさらに計測時間を短縮することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、プリント基板50に設定したx軸およびy軸を基準にして磁界プローブ10を0°、45°等としているが、これらの角度は一例を示すものであって、上記各実施形態に示した角度以外の角度で3方向もしくは4方向における各起電圧を測定するようにしても構わない。なお、電流ベクトル71の大きさを二乗平均で得るために少なくとも2方向は直交していることが好ましい。すなわち、直交している2方向の間に少なくとも1方向の角度における測定を行えば良い。この1方向の角度は上記各実施形態では例えば45°となっているが、他の角度であっても構わない。
また、磁界プローブ10を回転させる角度の順序は、上記各実施形態に限定されるものではない。磁界プローブ10の3方向もしくは4方向の各方向における起電圧を測定できれば各方向の測定順序はどの順番でも構わない。
上記各実施形態では、検出部として電流ベクトル71の測定に磁界プローブ10を用いているが、この他に電界プローブ等の他の測定機器を用いても良い。
上記第2実施形態では、電流ベクトル71の方向を判定するための方向(上記実施形態の例では45°や135°)は直交していることが好ましい。
上記各実施形態では、磁界プローブ10に発生する起電圧Veを電圧計20で測定していたが、例えばスペクトラアナライザやオシロスコープ等を用いて測定しても構わない。
上記各実施形態では、磁界プローブ10に発生する起電圧Veを検出していたが、起電流を測定するようにしても構わない。このような場合、電圧計20ではなく電流計を用いるようにすればよい。また、制御部40では、起電流の値からプリント基板50に生じる磁界の向き、ひいては電流の向きを得るプログラムを用いるようにすれば良い。
上記各実施形態では、プリント基板50上に流れる電流の大きさおよび方向を検出していたが、一軸方向に成分をもつ物理量であれば、電流以外の物理量であってもその大きさおよび方向を測定することが可能である。
上記各実施形態では、磁界プローブ10に発生する起電圧を電圧計20で測定していたが、磁界プローブ10の出力を直接制御部40に入力するようにしても構わない。
また、上記各実施形態では、測定対象物としてプリント基板50の例について説明したが、プリント基板50以外のものを測定対象物としても構わない。
本発明の一実施形態に係る計測装置の概略ブロック図である。 磁界プローブにおいて誘導起電圧が発生する原理を説明する図である。 プリント基板に流れる電流の向きの一例を示した図である。 電流ベクトルのx軸成分およびy軸成分を測定する様子を示した図である。 電流ベクトルの45°成分を測定する様子を示した図である。 電流ベクトルがx軸に平行である場合の45°成分を示した図である。 電流ベクトルが0°〜45°の範囲にある場合の45°成分を示した図である。 電流ベクトルが45°である場合のx軸成分およびy軸成分を示した図である。 電流ベクトルが45°〜90°の範囲にある場合の45°成分を示した図である。 電流ベクトルが90°である場合の45°成分を示した図である。 電流ベクトルが90°〜135°の範囲にある場合の45°成分を示した図である。 電流ベクトルが135°である場合のx軸成分およびy軸成分を示した図である。 電流ベクトルが135°〜180°の範囲にある場合の45°成分を示した図である。 第2実施形態において、電流ベクトルの135°成分を測定する様子を示した図である。 第3実施形態において、斜交座標系における電流ベクトルを示した図である。 斜交座標系において、電流ベクトルの方向を決定するための第3の成分を測定する様子を示した図である。 第5実施形態に係る検出部の概略図を示したものであり、(a)はブロック図、(b)は(a)に示すセンサの平面図である。
符号の説明
10…検出部としての磁界プローブ、11…ロッド、12…ループアンテナ、20…電圧計、30…駆動部、40…制御部、50…プリント基板、71…電流ベクトル。

Claims (9)

  1. 空間における物理量に対して一軸方向に感度を有するセンサ(14〜16)が備えられ、前記センサの感度方向の物理量を検出してその物理量に応じたレベルの出力を発生する検出部(10)と、測定対象平面(50)に存在する物理量が前記検出部で測定され、前記検出部で得られた出力に基づいて前記測定対象平面に存在する物理量の大きさおよびその方向を取得する制御部(40)と、を備えており、
    前記制御部は、前記検出部によって前記測定対象平面上の計測ポイントのうち基準方向(x)に対して0〜πの範囲内に角度θxだけ回転した第1方向(x’)にて測定される第1出力(s)と、前記基準方向に対して0〜πの範囲内に前記角度θxよりも大きい角度θyだけ回転した第2方向(y’)にて測定される第2出力(t)と、をそれぞれ前記検出部から入力して前記測定ポイントに発生する前記物理量の大きさ(r)および前記基準方向に対する角度θrを取得すると共に、前記基準方向に対する第3方向(v、w)にて測定される第3出力(v’、w’)と、前記基準方向に対する角度θrと、を用いて前記物理量の向きを取得するようになっていることを特徴とする計測装置。
  2. 前記制御部は、前記第1出力をsとし、前記第2出力をtとし、前記第3出力をv’とし、さらに前記物理量の大きさをrとしたとき、前記物理量が前記基準方向を基準にして0〜π/2の範囲にあると仮定した場合、
    Figure 0004635944
    Figure 0004635944
    により、前記物理量の大きさrおよび前記基準方向に対する角度θrを取得し、前記物理量が前記基準方向を基準にしてπ/2〜πの範囲にあると仮定した場合、
    Figure 0004635944
    Figure 0004635944
    により、前記物理量の大きさrおよび前記基準方向に対する角度θrを取得するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記検出部は、前記第3方向として、前記第1方向と前記第2方向とのなす角の範囲内であって前記基準方向に対して角度θvの方向(v)、または前記第1方向と前記第2方向とのなす角の範囲外であって前記基準方向に対して角度θwの方向(w)のいずれかにおいて前記第3出力を測定するようになっており、
    前記制御部は、前記第1方向と前記第2方向とのなす角の範囲内であって、前記第1方向と前記第2方向とのなす角がπ/4よりも小さい場合、前記範囲内における方向を第3方向(v)として前記検出部にて測定された第3出力の大きさをv’とし、この第3出力v’およびその角度θvが、s・|Cos[θv−θx]|<v’、かつ、t・|Cos[θv−θy]|<v’を満たすとき、前記物理量は前記基準方向を基準にして0〜π/2の範囲にある方向であると判定し、満たさないとき、前記物理量は前記基準方向を基準にしてπ/2〜πの範囲にある方向であると判定するようになっており、前記第1方向と前記第2方向とのなす角範囲外であって、前記第1方向と前記第2方向とのなす角がπ/4よりも大きい場合、前記範囲外における方向を第3方向(w)として前記検出部にて測定された第3出力の大きさをw’とし、この第3出力w’およびその角度θwが、s・|Cos[θw−θx]|<w’、かつ、t・|Cos[θw−θy]|<w’、さらにs<w’およびt<w’を満たすとき、前記物理量は前記基準方向を基準にしてπ/2〜πの範囲にある方向であると判定し、満たさないとき、前記物理量は前記基準方向を基準にして0〜π/2の範囲にある方向であると判定するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の計測装置。
  4. 前記検出部は、前記第3方向として、前記第1方向と前記第2方向とのなす角の範囲内の方向(v)における出力v’と、前記第1方向と前記第2方向とのなす角の範囲外の方向(w)における出力w’と、をそれぞれ測定し、
    前記制御部は、前記出力v’が前記出力w’よりも大きいか否かを判定し、前記出力v’が前記出力w’より大きい場合、前記物理量は前記基準方向を基準にして0〜π/2の範囲にある方向であると判定し、前記出力v’が前記出力w’より小さい場合、前記物理量は前記基準方向を基準にしてπ/2〜πの範囲にある方向であると判定することにより、前記物理量の方向を取得するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の計測装置。
  5. 空間における物理量に対して一軸方向に感度を有するセンサ(14〜16)が備えられ、前記センサの感度方向の物理量を検出してその物理量に応じたレベルの出力を発生する検出部(10)と、測定対象平面(50)に存在する物理量が前記検出部で測定され、前記検出部で得られた出力に基づいて前記測定対象平面に存在する物理量の大きさおよびその方向を取得する制御部(40)と、を備えており、
    前記制御部は、前記検出部によって前記測定対象平面上の計測ポイントのうち第1方向にて測定される第1出力(V1)と、その第1方向に直交する第2方向にて測定される第2出力(V3)と、前記第1方向と前記第2方向との直交関係を二分割する第3方向にて測定される第3出力(V2)と、をそれぞれ前記検出部から入力し、前記第1出力から得られる前記物理量の前記第1方向に相当する第1成分の二乗と、前記第2出力から得られる前記物理量の前記第2方向に相当する第2成分の二乗と、の和の平方根から前記測定ポイントに発生する前記物理量の大きさを取得すると共に、前記第3方向における第3出力が、前記第1出力および前記第2出力のうち大きい値を2−(1/2)倍した値より大きいかまたは小さいかを判定し、前記2−(1/2)倍した値より大きい場合、前記物理量は前記第1方向とその第1方向に直交する前記第2方向とによって形成される平面を通過するA方向であると判定し、前記2−(1/2)倍した値より小さい場合、前記A方向を前記第1方向もしくは前記第2方向を基準に反転させたB方向であると判定することにより、前記測定ポイントに発生する前記物理量の大きさおよびその方向を得るようになっていることを特徴とする計測装置。
  6. 前記検出部では、前記第1方向に対して鈍角となる第4方向における第4出力(V4)が測定され、
    前記制御部は、前記第方向における前記第出力が前記第4方向における前記第4出力よりも大きいか否かを判定し、前記出力が前記第4出力より大きい場合、前記物理量は前記A方向であると判定し、前記第出力が前記第4出力より小さい場合、前記物理量は前記B方向であると判定することにより、前記物理量の方向を取得するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の計測装置。
  7. 前記第4方向は前記第方向に直交していることを特徴とする請求項6に記載の計測装置。
  8. 前記検出部は、ロッド(11)の先端に一軸方向に感度を有するループアンテナ(12)を備え、前記ループアンテナを横切る物理量を検出してその物理量に応じたレベルの出力を発生するようになっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の計測装置。
  9. 前記検出部では、前記物理量として、前記測定対象平面に流れる電流によって生じる磁界に応じた起電圧が測定されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の計測装置。
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