JP4634890B2 - プリーツ型カートリッジフィルタ装置 - Google Patents
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Description
従って、本発明は従来から慣用されている通常のフィルタ材や支持体を使用しても、有効ろ過面積が維持できるプリーツ型カートリッジフィルタ装置を提供することを課題とする。
前記ろ材は、フィルタ材を次の特徴を有するように折り込んで構成される。すなわち、ろ材はコア側からスリーブ側を見て折線の山及び谷を定めたとき、(a)前記コアに接する少なくとも2つのコア側谷折線とこれらの間に設けられコア側谷折線よりも1つだけ少なく且つ距離Bよりも低いコア側山折線とを含むコア側プリーツ単位と、(b)該コア側プリーツ単位に連接する、前記スリーブに接する少なくとも2つのスリーブ側山折線とこれらの間に設けられスリーブ側山折線よりも1つだけ少なく且つ前記コアに至らない高さの谷折線とを含むスリーブ側プリーツ単位を有し、(c)コア側プリーツ単位のコア側山折線の高さAは前記スリーブ側プリーツ単位の谷折線の高さCよりも高い位置に形成され、それにより前記コア側山折線を有する山部と前記スリーブ側谷折線を有する谷部とが互いに部分的に重畳しており、上記コアの外径D 1 (mm)、上記スリーブの内径D 2 (mm)、フィルタ材及びサポート材の総厚さt(mm)に対するフィルタ材のコア側谷折線の総数n 1 は、n 1 =(πD 1 /2t)×(1.1〜1.9)の関係を有し、スリーブ側の山折線の総数n 2 は、n 2 =(πD 2 /2t)×(0.25〜0.5)の関係を有していることを特徴とする。
ここに重畳とは直接の重畳ではなくてフィルタ材のプリーツが介在する重畳である。また折線はろ材(サポート材を使用する場合にはろ材とサポート材)の厚みのために明確に指定できないので、折線部分のろ材の外側の頂部(谷折では底縁、山折では頂縁)と定義する。
(2)好ましい形態では、前記スリーブ側の山折線の数は前記コア側の谷折線の数と同一又はそれより少ない。
(3)好ましくは、上記フィルタ材の少なくとも片面にサポート材が使用されて補強効果を与え且つ流路を増す。
(4)上記コアの外径D1(mm)、上記スリーブの内径D2(mm)、フィルタ材及びサポート材の総厚さt(mm)に対するフィルタ材のコア側谷折線の総数n1は、n1=(πD1/2t)×(1.1〜1.9)の関係を有し、スリーブ側の山折線の総数n2は、n2=(πD2/2t)×(0.25〜0.5)の関係を持たせているので、スリーブ側の充填率が低く抑えられろ過容量が増す。
(5)前記コア側山折線の高さAは広くは前記コアから前記スリーブまでの半径方向距離の30〜90%、好ましくは40〜80%である。
先に説明したように特願2004−120359号では、コア側にスリーブに達しない低い山折部を作り、コア側のフィルター材密度を上げてn1=(πD1/2t)×(圧縮率)としたが、この状態ではスリーブ側が粗になり過ぎ、そのためスリーブ側の山が倒れてしまい、本来の意図した目的が充分に達成されない。そこで、上記のようにスリーブ側に谷折部を形成し、コアとスリーブの中間部分でコア側の山折りとスリーブ側の谷折りを重畳させる。この重畳のある中間部における直径をDとしたときの2tを単位とする最密充填数(つまり折り線数に換算したもの)は(πD/2t)×(圧縮率)となり、圧縮がないこと(圧縮率=1)を仮定すると直径Dにおける充填率(常識で圧縮率1としたとき)は実際の充填数をnとすると充填率=n/(πD/2t)となる。後で検討するが、実施例の図1〜2の簡単な考察からnはコア側谷折り数n1とスリーブ側山折り数n2に対して次の関係にある。
図2(実施例2)の場合にはn1:n2:n=3:2:4、換言するとn2=(2/3)n1、n=(4/3)n1である。
実施例3の場合はn1:n2:n=5:4:7、換言するとn2=(4/5)n1、n=(7/5)n1である。
特願2004−120359号ではn1:n2:n=2:1:2、換言するとn2=(1/2)n1、n=n1である。
今D2=2D1とし、重畳部がちょうどD2とD1の中央すなわち直径D=(D1+D2)/2=1.5D1のところにあるとすると、充填率=n/(1.5πD1/2t)=n/1.5n1となる。
図2の例では、n2=(4/3)n1を考慮すれば充填率0.89(=89%)となり、中央部の重畳により充分な支持強度が提供できる。ちなみに、特願2004−120359号では重畳部がなく中央部Dの個所の充填率は0.67(=67%)となるが、スリーブ側に大きい空所が存在するのでこの充填率では支持強度不足を生じて不十分である。なお従来の通常のプリーツフィルタ材もn1=n2=nであり、中央部で充填率約0.67(=67%)となる。
このように重畳部を形成して機械的な強化を行うと、フィルタ膜の折れ曲がりや座屈が生じないので、重畳部の上側に大きいスペースが確保でき、ろ過残渣の貯留容量が大きくなる。
さらに重畳部の下側の充填密度は最大でも100%に圧縮率を乗じた程度であるので、ろ過に余裕があり、ろ液の排出性も良い。
図1は本発明の第1実施例を示し、コア2の外面とスリーブ3の内面の間に装着された本発明に従った構造を有するろ材1の折線に直交する断面を示している。なお折線の半径方向高さの定義は先に述べたとおりである。
図2は別の実施例を示す。この例では(a)コア2に接する3つのコア側谷折線a1、a3、a5とこれらの間に設けられスリーブ3に至らないコア側山折線a2、a4とを含むコア側プリーツ単位と、(b)このコア側プリーツ単位に連接する、スリーブ3に接する少なくとも2つのスリーブ側山折線b1、b3とこれらの間に設けられコア2に至らないスリーブ側谷折線b2とを含むスリーブ側プリーツ単位(この例ではM形をなす)を有している。これらの単位(a)と(b)は交互に繰り返す。そして(c)コア側プリーツ単位のコア側山折線a2の高さAはスリーブ側プリーツ単位の谷折線b2の高さCよりも高い位置に形成され、それによりコア側山折線a2、a4を有する山部とスリーブ側谷折線b2を有する谷部とがプリーツを介在して互いに部分的(AとCの間の部分)に重畳していることを特徴とする。これによりスリーブ側のプリーツ単位(b)はコア側のプリーツ単位(a)により及びA−C間の重畳による充填密度の増大により支持されて座屈が防止される。この例ではろ過残渣(固形分)のためのスペースが実施例1よりもより大きくなる。
図6のように実施例1と実施例2の中間形態としてコア側を1つの山折線a2と2つの山折線a4、a6山折が交互に現れるように変更しても良い。なおコア側の谷折線はa1、a3、a5、a7、a9で、またスリーブ山折線はb1、b3、b5、b7でそれぞれ表した。
なおコア側の圧縮率を考慮すれば上記は若干修正される。
以上から一般にスリーブ側の充填率は0.25〜0.5に設定すればよい。
また重畳部の充填率は0.7以上1の範囲(約70〜100%)で設定すると良い。
サポート材は、ネット状、多孔質シート状、不織布状で用いられ、例えば、PFA、PTFE、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(以下ETFEと記す)、PVDF等の熱可塑性フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、SUS等の材質が好ましく用いられる。
本発明のカートリッジフィルタ装置は、アウトインパス方式に使用できる。流体がプリーツ型フィルタを通過する際には、流体供給方向に対して低い山折部分を囲んでいる高い山折部分が開口部となり流体に含まれる粒子及び/又は異物が効果的に捕捉され、フィルタの露出表面を充分に活用することができる。
樹脂系材料の場合、流体供給側(一次側)サポート材の種類は、プリーツ加工時またはプリーツ加工後において、プリーツの山形状(高低)を保持し得るサポート材の組み合わせを種々選択することにより多数存在する。
又、流体として液体、気体のいずれでも使用できる。
一次側(流体供給側)サポート材として厚さ450μmのPFA製2重織りネット(繊維直径0.22mm)、プレフィルタとして厚さ100μmのポリテトラフルオロエチレン(ザイテックス社製、PTFE)不織布、二次側(流体排出側)サポート材として厚さ220μmの材料PFA製厚手ネット(繊維直径0.11mm)、及び膜面積約7800cm2で公称孔径0.1μmのPTFE膜フィルタをこの順に重ねあわせ、実施例1により、コア側山折線a2の高さA=12mm/スリーブ側谷折線b2の高さC=10mm/スリーブ側山折線b1、b3の高さB=15mmから構成される繰り返し単位を繰り返してプリーツ加工してコア側谷折り数n1=114及びスリーブ側山折数n2=114としてから両側縁を封着してろ材とし、カートリッジフィルタ装置(スリーブ内径76mmコア外径46mm)を組み立てた。
比較のため、実施例1の試作例において、従来の通常のプリーツ折りによりn1=n2=114の試作品を作製した。膜面積は約6500cm2であった。
実施例1及び比較例のろ材を使用して構成したカートリッジフィルタ装置に、ダスト(ベントナイト中位径5μm)を濃度10ppmで含有する供給水を、室温にて、流量一定流量5L/分で、流し、時間と差圧(供給圧力−排出圧力の差圧)の関係をプロットした結果を図5に示す。図から寿命(供給圧力−排出差圧が1kgf/cm2に到達するまでのろ過体積)は、実施例1では5L/分×約200分=約1000Lであり、比較例(従来例)の場合には5L/分×約100分=約500Lであることが分る。
2 コア
3 スリーブ
4 フィルタ材
a1、a3、a5、a7、a9 コア側谷折線
a2、a4、a6 コア側山折線
b1、b3、b5、b7 スリーブ側山折線
b2、b4 スリーブ側谷折線
Claims (2)
- シート状のフィルタ材をプリーツ状に折り畳み、フィルタ材のプリーツ折りに平行な両端縁を互いに封着して円筒状に形成されたろ材と、内側多孔コアと、外側多孔スリーブと、二つのエンドキャップとを有し、上記コアと上記スリーブとの間に前記円筒状に形成されたろ材を挿入して前記上下エンドキャップで挟み前記ろ材の上下端縁部分をエンドキャップに液密に熱溶着した、カートリッジフィルタ装置において;
前記ろ材は、コア側からスリーブ側を見て前記プリーツの山谷を定めたとき、(a)前記コアに接する少なくとも2つのコア側谷折線とこれらの間に設けられコア側谷折線よりも1つだけ少なく且つスリーブ内径に至らないコア側山折線とを含むコア側プリーツ単位と、(b)該コア側プリーツ単位に連接する、前記スリーブに接する少なくとも2つのスリーブ側山折線とこれらの間に設けられスリーブ側山折線よりも1つだけ少なく且つ前記コア外径に至らない谷折線とを含むスリーブ側プリーツ単位を有し、(c)コア側プリーツ単位のコア側山折線の高さは前記スリーブ側プリーツ単位の谷折線の高さよりも高い位置に形成され、それにより前記コア側山折線を有する山部と前記スリーブ側谷折線を有する谷部とがプリーツを介在して互いに部分的に重畳しており、上記コアの外径D 1 (mm)、上記スリーブの内径D 2 (mm)、フィルタ材及びサポート材の総厚さt(mm)に対するフィルタ材のコア側谷折線の総数n 1 は、n 1 =(πD 1 /2t)×(1.1〜1.9)の関係を有し、スリーブ側の山折線の総数n 2 は、n 2 =(πD 2 /2t)×(0.25〜0.5)の関係を有するカートリッジフィルタ装置。 - 上記フィルタ材の少なくとも片面にサポート材が使用されている請求項1に記載のカートリッジフィルタ装置。
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