JP4634337B2 - ヒートポンプ式融雪空調装置 - Google Patents

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Description

この発明は、通常の空調装置の他に、冷凍サイクルを用いたヒートポンプにより昇温した温水による融雪装置を兼ね備えたヒートポンプ式融雪空調装置に関するものである。
従来のヒートポンプ式融雪装置は、自治体等が設備する道路等の融雪のみを目的とした大規模なものであり、家庭用として玄関前や駐車スペース及びこれらへのアプローチ部分の融雪用としては普及が進まなかった。
また、従来の空気調和機は、住宅内の居住空間を対象として冷房、暖房及び床暖房するものである(例えば、特許文献1参照)。
また、冷却貯蔵庫が設置された店舗において、駐車場などの融雪を効果的に行うことができる融雪装置として、店舗の低温ショーケースを冷却する冷凍機の圧縮機の出口側の配管に第1三方弁を設ける。第1三方弁の他方の出口側の配管を熱交換器内に引き込む。熱交換器内に融雪水を流通させ、圧縮機からの高温冷媒と熱交換させた後、散水ノズルより駐車場に散水する融雪装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−46417号公報 特開平10−111042号公報
冬季に積雪の多い地方では、夏季の冷房需要があまり大きくない上、暖房用としては、燃焼系の暖房装置が一般的で、ヒートポンプ式暖房は普及していない。
一方、京都議定書で日本が負っている二酸化炭素排出量の1990年比6%削減の一助として、暖房用にヒートポンプ式暖房を普及させることは有効である。
また、店舗の低温ショーケースの冷凍サイクルを融雪に利用する融雪装置は、家庭用として玄関前や駐車スペース及びこれらへのアプローチ部分の融雪用には使用できない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、通常の空調装置の他に、冷凍サイクルを用いたヒートポンプによる融雪装置を兼ね備えたヒートポンプ式融雪空調装置を提供することを目的とする。
また、融雪運転中に室内機から暖房または冷房等の指令が来ても、融雪運転を優先させ、確実に雪を融かすヒートポンプ式融雪空調装置を提供することを目的とする。
この発明に係るヒートポンプ式融雪空調装置は、住宅に近接して路面下に設置され、内部を2次熱媒体が循環する融雪パイプを有する融雪部と、この融雪部の融雪パイプへ2次熱媒体を循環させるポンプと、2次熱媒体と圧縮機で圧縮した冷凍サイクルの高温高圧な冷媒とが熱交換を行う融雪負荷側熱交換器と、冷凍サイクルの副絞り装置とを有する融雪用熱交換ユニットと、空調負荷側熱交換器を有し、居住空間の空調を行う空調用室内ユニットと、圧縮機と、外気と熱交換する熱源側熱交換器と、冷媒を低圧低温にする絞り装置と、室外機制御部とを有する室外ユニットと、ヒートポンプ式融雪空調装置の使用者が融雪用熱交換ユニットの融雪運転を指令する融雪用リモコンとを備え、圧縮機と、融雪負荷側熱交換器と、副絞り装置と、空調負荷側熱交換器と、絞り装置と、熱源側熱交換器とを順に接続して前記冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、使用者が融雪用リモコンにより融雪運転を指令した場合、室外機制御部が、融雪負荷側熱交換器にて2次熱媒体が加熱され、ポンプにより加熱された2次熱媒体が融雪パイプを循環する融雪用熱交換ユニットによる路面の融雪運転を開始することを特徴とする。
この発明に係るヒートポンプ式融雪空調装置は、上記構成により、通常の空調装置の他に、住宅に近接して路面下に設置される、冷凍サイクルを用いたヒートポンプによる融雪装置を兼ね備えたヒートポンプ式融雪空調装置を提供することができる。
実施の形態1.
図1乃至10は実施の形態1を示す図で、図1はヒートポンプ式融雪空調装置20の全体構成図、図2はヒートポンプ式融雪空調装置20の詳細な構成図、図3はヒートポンプ式融雪空調装置20の変形例を示す部分構成図、図4は玄関前への融雪パイプの敷設例を示す図、図5は降雪センサ14を示す図、図6はヒートポンプ式融雪空調装置20の冷媒回路及び2次側熱媒体回路のブロック図、図7はヒートポンプ式融雪空調装置20に用いる二重管式の融雪用熱交換器4の構成を示す図、図8は融雪用熱交換器4における冷媒とブラインの熱交換による冷媒とブラインの温度変化を示す図、図9は融雪用熱交換器4の変形例を示す図、図10は融雪運転時のモリエル線図、図11はヒートポンプ式融雪空調装置20の制御系の接続関係を示す図である。
図1において、ヒートポンプ式融雪空調装置20は、熱源機である室外機15(室外ユニット)と、この室外機15に一体に組合される温水ユニット16(融雪用熱交換ユニット)と、この温水ユニット16に収納される融雪用熱交換器(図示せず)に配管で接続される融雪パイプ7aを有する融雪部7と、降雪センサ14とを有し、これらの、室外機15と、温水ユニット16と、融雪部7と、降雪センサ14とが室外に設置される。
一方、ヒートポンプ式融雪空調装置20は、居住空間10に、室外機15に冷媒配管で接続される、居住空間10の空調用の室内機11(空調用室内ユニット)と、ユーザが使用する空調用リモコン12と、室内機11に設けられる、空調用リモコン12から発せられる赤外線信号を受ける赤外線受光部11a、室外の降雪センサ14及び温水ユニット16と信号線で接続された融雪用リモコン13とを備える。
ヒートポンプ式融雪空調装置20のさらに詳細な構成を図2により説明する。ヒートポンプ式融雪空調装置20は、室外機15の冷媒流出口32を温水ユニット16の冷媒流入口51に冷媒配管33を介して接続し、温水ユニット16の副絞り装置18に接続した冷媒流出口52を室内機11に冷媒配管34を介して接続し、室外機15の冷媒流入口31を室内機11に冷媒配管35を介して接続することにより冷媒回路が構成される。
また、温水ユニット16のブライン流出口54を融雪部7のブライン流入口71にブライン配管(往き)74を介して接続し、温水ユニット16のブライン流入口53を融雪部7のブライン流出口72にブライン配管(戻り)73を介して接続することによってブライン回路が構成される。ブライン(水)を、2次媒体と呼ぶ。
図1、2では、室外機15と温水ユニット16とが一体に組合されたものを示したが、図3に示すように、室外機15と温水ユニット16は別体でもよい。
図4により、ブライン配管(戻り)73、ブライン配管(往き)74を介して温水ユニット16に接続される融雪パイプ7aの住宅100(一戸建て住宅)の玄関前への敷設例を説明する。
玄関前部分を所定深さ(例えば、400mm)掘削し、その後に先ず砕石砂利を埋め戻す(例えば、300mm)。その上に、コンクリートを例えば30mm程度の厚さに敷き、ヒートポンプ式融雪空調装置20の融雪パイプ7aを載せてさらにコンクリートで固める(例えば、40mm)。最後に、アスファルト仕上げをして完了する(例えば、30mm)。
また、図4に示すように、融雪パイプ7aが敷設された路面には路面温度センサ17が設けられている。路面温度センサ17を用いることにより、ブライン(水)の凍結保護を行うことができる。但し、路面温度センサ17は必須ではない。
次に、図5により、公知の降雪センサ14の一例について簡単に説明する。降雪センサ14は、水分電極14aと、雪温センサ14bとを有する。水分電極14aは、耐蝕・耐候性に優れたカーボン製樹脂であり、雪の水分を検知する。電極面の裏側に面ヒータがあり雪をすばやく融解する。雪温センサ14bは、上向きに露出しており、降雪中は雪の温度を測定する。そのため降雪中は常に0℃以下の状態を保持する。降雪センサ14は、水分電極14aにより水分、雪温センサ14bにより雪温を検知し、水分と雪温(0℃以下)を検知した場合に降雪状態とみなし降雪信号を出力する。
図6により、ヒートポンプ式融雪空調装置20の冷媒回路と、融雪用の2次側熱媒体回路の構成を説明する。ヒートポンプ式融雪空調装置の冷媒回路は、低温低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し高温高圧のガス冷媒を吐出する圧縮機1と、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁2と、融雪用の2次側熱媒体(ブラインと呼ぶ、具体的には、例えばプロピレングリコール30%水溶液)と冷媒とが熱交換を行う融雪用熱交換器4(融雪負荷側熱交換器、温水ユニット16に収納される)と、副絞り装置18と、室内熱交換器3(空調負荷側熱交換器)と、絞り装置5と、室外熱交換器6(熱源側熱交換器)とを順次接続して構成されている。圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器6、絞り装置5は室外機15に設置され、室内熱交換器3は室内機11に設置され、融雪用熱交換器4、副絞り装置18は温水ユニット16に設置される。
また、融雪用の2次側熱媒体回路は、融雪用の2次側熱媒体と冷媒とが熱交換を行う融雪用熱交換器4と、融雪部7の融雪パイプ7aと、2次側熱媒体を循環させるポンプ8とを備える。
即ち、図6に示すように、圧縮機1の吐出側に一端が接続された四方弁2を介して室外熱交換器6が接続される。この室外熱交換器6に絞り装置5を介して室内熱交換器3が接続される。さらに、副絞り装置18を介して融雪用熱交換器4が接続され、この融雪用熱交換器4の他端は四方弁2に接続されて冷媒回路が構成される。
一方、融雪部7の融雪パイプ7aの一端は、融雪用熱交換器4に接続され、他端はポンプ8を介して融雪用熱交換器4に接続され2次側熱媒体である温水を循環する構成である。
融雪用熱交換器4は、例えば、図7に示すような二重管式のものを用いる。図7(a)に示すように、融雪用熱交換器4は、外側配管4aと、内側配管4bとを有し、融雪運転時は、外側配管4aの両端部が、ブライン入口管43、ブライン出口管44となり、内側配管4bの両端部が、冷媒入口管41、冷媒出口管42となる。冷媒入口管41とブライン出口管44とが二重管の一側端部に位置し、冷媒出口管42とブライン入口管43とが他側端部に位置する。
図7(b)に示すように、融雪用熱交換器4は、大小の円管が互いに接しないように二重に配置され、内側の径の小さい内側配管4bの内部を冷媒が流通し、その外側の内側配管4bより径の大きい外側配管4aとで挟まれた流路を融雪部7の融雪パイプ7aに循環するブラインが流通する。
融雪運転時の融雪用熱交換器4内の冷媒及びブラインの流れについて説明する。
圧縮機1を吐出した高温高圧のガス冷媒は冷媒入口管41より流入する(図7(a)の実線矢印)。一方、2次側熱媒体であるブラインはブライン入口管43より流入する(図7(a)の二重線矢印)。ガス冷媒は融雪用熱交換器4内を流れながら、ブラインと熱交換し、冷媒出口管42では凝縮液化して下流側の副絞り装置18へ流れる。ブラインは融雪用熱交換器4内を流れながら、冷媒と熱交換し、ブライン出口管44では高温のブラインとなって流出する。
図8により、融雪用熱交換器4内における冷媒とブラインの熱交換による冷媒とブラインの温度変化を説明する。融雪用熱交換器4は、冷媒とブラインを互いに逆方向に流す所謂対向流で流す構成としているため、冷媒とブラインとの平均温度差を小さくでき熱交換効率が向上する。図6の例では、融雪後のブライン温度は低いが(例えば、10℃)、融雪用熱交換器4を通過した後は、40℃程度まで上昇し、融雪に必要な十分な熱量を得ることができる。
冷媒とブラインの流路は、図7(b)とは逆に、内側配管4b内部をブライン、内側配管4bと外側配管4aとで挟まれた流路を冷媒が流れるように構成してもよい。
図7では、融雪用熱交換器4に二重管式熱交換器を使用したが、図9に示すプレート熱交換器を用いてもよい。二重管式熱交換器と同様の効果を奏する。
融雪運転時には、圧縮機1から出た高温高圧の冷媒は、融雪用熱交換器4で放熱して凝縮液化する。その後、副絞り装置18で中温中圧に絞られて室内機11へ流入する。室内機11では、送風機(図示せず)が停止している上に、冷媒と室温の温度差がほとんどないため、冷媒は凝縮または蒸発することなく、室内熱交換器3を通過する。この冷媒は、絞り装置5で低圧低温の二相冷媒となり、室外熱交換器6へ流入し、ここで、外気から吸熱して自らは蒸発ガス化して再び圧縮機1に戻る。副絞り装置18は、室内熱交換器3の配管温度が室内温度と同等となるように開度をフィードバック制御する。
これを、モリエル線図で表すと図10のようになる。圧縮機1より高温高圧のガス冷媒が吐出し、四方弁2を通った後融雪用熱交換器4に流入する(図10のイ)。融雪用熱交換器4に流入したガス冷媒はポンプ8により循環しているブラインと熱交換することにより凝縮液化する(図10のロ)。融雪用熱交換器4を流出した液冷媒は、副絞り装置18で中温中圧に絞られて室内熱交換器3へ流入する(図10のハ)。室内機11では、送風機(図示せず)が停止している上に、冷媒と室温の温度差がほとんどないため、冷媒は凝縮または蒸発することなく、室内熱交換器3を流出する(図10のニ)。室内熱交換器3では、冷媒の状態変化がないので、図10のハとニの位置は、ほとんど同じである。
融雪用熱交換器4で20〜40℃に加熱されたブライン(温水)は、ポンプ8によって温水ユニット16から融雪部7に敷設された融雪パイプ7aに流入する。既に、図4に示したように、融雪パイプ7aは、住宅100の玄関前や駐車スペース及びこれらと道路との間のアプローチ部分などに設置されており、融雪パイプ7a内を循環するブライン(温水)からの放熱によって、雪が積もらないようアスファルト表面が0℃より高い温度に維持される。
図11はヒートポンプ式融雪空調装置20の制御系の接続関係を示す図である。融雪用熱交換器4での熱交換運転は、降雪センサ14によって降雪を検出した場合か、ヒートポンプ式融雪空調装置20の使用者が、融雪用リモコン13で融雪運転を指令した場合に実施される。降雪センサ14と室外機15内の室外機制御部15aの運転指令入力用端子台15bとの間は、融雪用リモコン13を介して有線で接続されている。
降雪センサ14からの降雪検知信号は、室外機制御部15aに取り込まれ、四方弁2を切り替え暖房回路として冷媒が循環することによって、融雪用熱交換器4での冷媒とブラインとの熱交換運転が開始される。このとき、居住空間10内の融雪用リモコン13には、融雪運転中である旨表示され、使用者に融雪運転中であることを知らせる。
融雪用熱交換器4での熱交換運転中、使用者が空調用リモコン12を操作して、室内機11に暖房等を指令した場合、融雪用熱交換器4での熱交換運転が優先される。室内機制御部11bを経由して伝送された室内機運転指令は、室外機制御部15aでマイクロコンピュータ(図示せず)によって融雪用熱交換器4での熱交換運転を優先する判断がなされ、室内機11を待機状態とする信号を室内機制御部11bに伝送する。室内機11は、意匠面に設置されているLED(発光ダイオード)等で待機状態を示すか、空調用リモコン12を操作した際に“ピッピッピッ”というような音で待機状態であることを使用者に知らせると同時に、室内送風機(図示せず)、ベーン(風向偏向装置、図示せず)も停止状態とする。
以上のように、この実施の形態によれば、通常の空調装置の他に、住宅100の玄関前や駐車スペース及びこれらと道路との間のアプローチ部分などに設置される、冷凍サイクルを用いたヒートポンプによる融雪装置を兼ね備えたヒートポンプ式融雪空調装置が得られる。
また、融雪運転中に室内機11から暖房等の指令が来ても、融雪運転を優先させ、確実に雪を融かすことができる。
実施の形態2.
図12は実施の形態2を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の冷媒回路及び2次側熱媒体回路のブロック図である。
図12では、室内熱交換器3と絞り装置5aとの回路に、融雪用熱交換器4と絞り装置5bとの回路が並列に接続されている。絞り装置5a、絞り装置5bを制御して、融雪運転優先、融雪運転と暖房運転を同時に行う等、実施の形態1と同様の運転が可能である。
融雪運転優先の場合、絞り装置5aは基本的には全閉であるが、室内熱交換器3へ冷媒が溜まり循環冷媒量が減少することを抑制するために、常時若干開けるか、定期的に開いて室内熱交換器3に溜まった冷媒を放出する必要がある。
図12に示す冷媒回路は、室外機(圧縮機1、四方弁2、絞り装置5a、絞り装置5b、室外熱交換器6)部分が、多室形空調機の室外機と同じという利点がある。
実施の形態3.
図13、図14は実施の形態3を示す図で、図13はヒートポンプ式融雪空調装置20の構成図、図14はヒートポンプ式融雪空調装置20の制御系の接続関係を示す図である。
ヒートポンプは、低温になるほど能力が低下する傾向がある。そこで、本実施の形態では、低外気温での融雪を可能とするために、温水ユニット16から融雪部7に向かう2次熱媒体配管であるブライン配管(往き)74の途中に2次熱媒体であるブライン(水)を加熱する補助ヒーター80を追加した。
図13に示すように、補助ヒーター80は、温水ユニット16の2次熱媒体流出口であるブライン流出口54と融雪部7の2次熱媒体流入口であるブライン流入口71との間に接続される2次熱媒体配管であるブライン配管(往き)74の途中に設けられる。
補助ヒーター80は、電源81に接続され、スイッチ82でオン/オフされる。
図14に示すように、補助ヒーター80は、室外機制御部15aで制御され、温水ユニット16のオン/オフに連動して、スイッチ82により補助ヒーター80も同時にオン/オフする。
また、図13に示すように、温水ユニット16は、融雪部7の2次熱媒体流出口であるブライン流出口72から出る2次熱媒体配管であるブライン配管(戻り)73に接続するポンプ8と融雪用熱交換器4との間に、戻りブラインの温度を検出する温度センサー83(2次媒体温度検出手段の一例)を備える。
図14に示すように、室外機制御部15aは、温度センサー83からのデータを取り込む。室外機制御部15aは、戻りブラインの温度を検出する温度センサー83の検出する温度が所定値Taより低い場合は、補助ヒーター80をオンし、温度センサー83の検出する温度が所定値Tbより高い場合は、補助ヒーター80をオフする。Tbは、Taより、例えば、10deg高くする。
室外機制御部15aは、ヒートポンプ式融雪空調装置20の運転開始時は、温度センサー83の検出する温度にかかわらず、所定時間必ず補助ヒーター80をオンし、所定時間経過後、温度センサー83の検出する温度が所定値Taより低い場合は、補助ヒーター80をオンし、温度センサー83の検出する温度が所定値Tbより高い場合は、補助ヒーター80をオフする制御に移行する。
温度センサー83は、融雪用熱交換器4の出口に設けてもよい。
本実施の形態によれば、補助ヒーター80をブライン配管(往き)74の途中に設けたことにより、融雪能力が向上し、低外気温での融雪が可能となる。
また、戻りブラインの温度を検出する温度センサー83を備えることにより、効率よく補助ヒーター80をオン/オフするので、省エネになる。
また、ヒートポンプ式融雪空調装置20の運転開始時は、補助ヒーター80を強制的にオンするので、ブラインの温度をすばやく上昇させ、ヒートポンプの弱点である立上りの悪さを補う。
実施の形態4.
以上の実施の形態では、ヒートポンプ式融雪空調装置20について説明したが、空調を除いたヒートポンプ式融雪装置90の形態でもよい。図15はヒートポンプ式融雪装置90の全体構成図である。
図15において、ヒートポンプ式融雪装置90は、熱源機である室外機15(室外ユニット)と、この室外機15に一体に組合される温水ユニット16(融雪用熱交換ユニット)と、この温水ユニット16に収納される融雪用熱交換器(図示せず)に配管で接続される融雪パイプ7aを有する融雪部7と、降雪センサ14とを有し、これらの、室外機15と、温水ユニット16と、融雪部7と、降雪センサ14とが室外に設置される。
一方、居住空間10には、室外の降雪センサ14及び温水ユニット16と信号線で接続された融雪用リモコン13とを備える。
ヒートポンプ式融雪装置90は、融雪専用であるから、室外機15の能力の全部を融雪に使用することができる。
本実施の形態のヒートポンプ式融雪装置90にも、実施の形態3の補助ヒーター80による融雪能力の改善、及び温度センサー83による制御を適用することができる。
実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の全体構成図である。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の詳細な構成図である。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の変形例を示す部分構成図である。 実施の形態1を示す図で、玄関前への融雪パイプの敷設例を示す図である。 実施の形態1を示す図で、降雪センサ14を示す図である。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の冷媒回路及び2次側熱媒体回路のブロック図である。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20に用いる二重管式の融雪用熱交換器4の構成を示す図である。 実施の形態1を示す図で、融雪用熱交換器4における冷媒とブラインの熱交換による冷媒とブラインの温度変化を示す図である。 実施の形態1を示す図で、融雪用熱交換器4の変形例を示す図である。 実施の形態1を示す図で、融雪運転時のモリエル線図である。 実施の形態1を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の制御系の接続関係を示す図である。 実施の形態2を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の冷媒回路及び2次側熱媒体回路のブロック図である。 実施の形態3を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の構成図である。 実施の形態3を示す図で、ヒートポンプ式融雪空調装置20の制御系の接続関係を示す図である。 実施の形態4示す図で、ヒートポンプ式融雪装置90の全体構成図である。
符号の説明
1 圧縮機、2 四方弁、3 室内熱交換器、4 融雪用熱交換器、4a 外側配管、4b 内側配管、5 絞り装置、5a 絞り装置、5b 絞り装置、6 室外熱交換器、7 融雪部、7a 融雪パイプ、8 ポンプ、10 居住空間、11 室内機、11a 赤外線受光部、11b 室内機制御部、12 空調用リモコン、13 融雪用リモコン、14 降雪センサ、14a 水分電極、14b 雪温センサ、15 室外機、15a 室外機制御部、15b 運転指令入力用端子台、16 温水ユニット、17 路面温度センサ、18 副絞り装置、20 ヒートポンプ式融雪空調装置、31 冷媒流入口、32 冷媒流出口、33 冷媒配管、34 冷媒配管、35 冷媒配管、41 冷媒入口管、42 冷媒出口管、43 ブライン入口管、44 ブライン出口管、51 冷媒流入口、52 冷媒流出口、53 ブライン流入口、54 ブライン流出口、71 ブライン流入口、72 ブライン流出口、73 ブライン配管(戻り)、74 ブライン配管(往き)、80 補助ヒーター、81 電源、82 スイッチ、83 温度センサー、90 ヒートポンプ式融雪装置、100 住宅。

Claims (9)

  1. 住宅に近接して路面下に設置され、内部を2次熱媒体が循環する融雪パイプを有する融雪部と、
    この融雪部の前記融雪パイプへ前記2次熱媒体を循環させるポンプと、前記2次熱媒体と圧縮機で圧縮した冷凍サイクルの高温高圧な冷媒とが熱交換を行う融雪負荷側熱交換器と、冷凍サイクルの副絞り装置とを有する融雪用熱交換ユニットと、
    空調負荷側熱交換器を有し、居住空間の空調を行う空調用室内ユニットと、
    前記圧縮機と、外気と熱交換する熱源側熱交換器と、前記冷媒を低圧低温にする絞り装置と、室外機制御部とを有する室外ユニットと、
    当該ヒートポンプ式融雪空調装置の使用者が前記融雪用熱交換ユニットの融雪運転を指令する融雪用リモコンとを備え、
    前記圧縮機と、前記融雪負荷側熱交換器と、前記副絞り装置と、前記空調負荷側熱交換器と、前記絞り装置と、前記熱源側熱交換器とを順に接続して前記冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、
    記使用者が前記融雪用リモコンにより融雪運転を指令した場合、前記室外機制御部が、前記融雪負荷側熱交換器にて前記2次熱媒体が加熱され、前記ポンプにより加熱された前記2次熱媒体が前記融雪パイプを循環する前記融雪用熱交換ユニットによる前記路面の融雪運転を開始することを特徴とするヒートポンプ式融雪空調装置。
  2. 住宅に近接して路面下に設置され、内部を2次熱媒体が循環する融雪パイプを有する融雪部と、
    この融雪部の前記融雪パイプへ前記2次熱媒体を循環させるポンプと、前記2次熱媒体と圧縮機で圧縮した冷凍サイクルの高温高圧な冷媒とが熱交換を行う融雪負荷側熱交換器と、冷凍サイクルの副絞り装置とを有する融雪用熱交換ユニットと、
    空調負荷側熱交換器を有し、居住空間の空調を行う空調用室内ユニットと、
    前記圧縮機と、外気と熱交換する熱源側熱交換器と、前記冷媒を低圧低温にする絞り装置と、室外機制御部とを有する室外ユニットと、
    水分と雪温とにより降雪を検出する降雪センサと、を備え、
    前記圧縮機と、前記融雪負荷側熱交換器と、前記副絞り装置と、前記空調負荷側熱交換器と、前記絞り装置と、前記熱源側熱交換器とを順に接続して前記冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、
    前記降雪センサが降雪を検出した場合、前記室外機制御部が、前記融雪負荷側熱交換器にて前記2次熱媒体が加熱され、前記ポンプにより加熱された前記2次熱媒体が前記融雪パイプを循環する前記融雪用熱交換ユニットによる前記路面の融雪運転を開始することを特徴とするヒートポンプ式融雪空調装置。
  3. 前記空調用室内ユニットに指令を行う空調用リモコンを備え、前記融雪運転時に前記使用者が前記空調用リモコンにより暖房運転を指令した場合、前記室外機制御部は、前記融雪運転を優先させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ式融雪空調装置。
  4. 前記空調用室内ユニットは送風機を有し、前記室外機制御部が前記融雪運転を優先させる制御を行う場合、前記室外機制御部は冷凍サイクルの前記副絞り装置の開度を、前記空調負荷側熱交換器の冷媒の温度と室温との温度差がないように設定し、且つ前記空調用室内ユニットの送風機を停止することを特徴とする請求項記載のヒートポンプ式融雪空調装置。
  5. 前記融雪用熱交換ユニットの2次熱媒体流出口と、前記融雪部の2次熱媒体流入口とを接続する2次熱媒体配管を有し、この2次熱媒体配管に前記2次熱媒体を加熱する補助ヒーターを設けたことを特徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ式融雪空調装置。
  6. 前記融雪用熱交換ユニットは、前記2次熱媒体の温度を検出する2次熱媒体温度検出手段を有し、前記室外機制御部は、前記2次熱媒体温度検出手段が検出する2次熱媒体の温度により前記補助ヒーターの入切を制御することを特徴とする請求項記載のヒートポンプ式融雪空調装置。
  7. 前記室外機制御部は、前記融雪運転開始時に、所定時間前記補助ヒーターを動作させることを特徴とする請求項記載のヒートポンプ式融雪空調装置。
  8. 住宅に近接して路面下に設置され、内部を2次熱媒体が循環する融雪パイプを有する融雪部と、
    この融雪部の前記融雪パイプへ前記2次熱媒体を循環させるポンプと、前記2次熱媒体と圧縮機で圧縮した冷凍サイクルの高温高圧な冷媒とが熱交換を行う融雪負荷側熱交換器とを有する融雪用熱交換ユニットと、
    空調負荷側熱交換器を有し、居住空間の空調を行う空調用室内ユニットと、
    前記圧縮機と、外気と熱交換する熱源側熱交換器と、前記冷媒を低圧低温にする絞り装置とを有する室外ユニットと、を備え、
    前記圧縮機と、前記融雪負荷側熱交換器と、前記空調負荷側熱交換器と、前記絞り装置と、前記熱源側熱交換器とを順に接続して前記冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、
    前記空調用室内ユニットによる居住空間の空調の他に、前記融雪負荷側熱交換器にて前記2次熱媒体が加熱され、前記ポンプにより加熱された前記2次熱媒体が前記融雪パイプを循環する前記融雪用熱交換ユニットによる前記の融雪運転が可能であることを特徴とするヒートポンプ式融雪空調装置。
  9. 住宅に近接して路面下に設置され、内部を2次熱媒体が循環する融雪パイプを有する融雪部と、
    この融雪部の前記融雪パイプへ前記2次熱媒体を循環させるポンプと、前記2次熱媒体と圧縮機で圧縮した冷凍サイクルの高温高圧な冷媒とが熱交換を行う融雪負荷側熱交換器とを有する融雪用熱交換ユニットと、
    空調負荷側熱交換器を有し、居住空間の空調を行う空調用室内ユニットと、
    前記圧縮機と、外気と熱交換する熱源側熱交換器と、前記空調負荷側熱交換器に接続される絞り装置Aと、前記融雪負荷側熱交換器に接続される絞り装置Bとを有する室外ユニットと、を備え、
    前記圧縮機と、前記空調負荷側熱交換器と、前記絞り装置Aと、前記熱源側熱交換器とを順に接続するとともに、前記空調負荷側熱交換器と前記絞り装置Aとが接続される回路に、前記融雪負荷側熱交換器と前記熱源側熱交換器の間に前記絞り装置Bが配置するよう前記融雪負荷側熱交換器と前記絞り装置Bとが接続される回路を並列に接続して前記冷媒が循環する冷凍サイクルを構成し、
    前記空調用室内ユニットによる居住空間の暖房運転と、前記融雪用熱交換ユニットによる前記路面の融雪運転と同時に行えることを特徴とするヒートポンプ式融雪空調装置。
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