JP4634285B2 - ポペット弁を備えた電磁制御燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
かかる技術においては、電磁式燃料噴射弁において、針弁の内部に形成され閉塞された内部空間に、該針弁の往復動に伴う慣性力によって該内部空間を移動して、該内部空間の上部にねじ込まれたプラグの下面あるいは内部空間下壁面に衝突する磁性粉体を収納し、該磁性粉体の前記移動により、針弁のシート部への着座時におけるバウンスの発生を防止し、電磁式燃料噴射弁の耐久性を向上している。
等の問題点を有している。
前記ポペット弁はポペット弁軸方向に沿って形成された内部空間を有し、該内部空間に複数個の金属球を含む球体からなる固体質量体がポペット弁の往復動方向に沿って一列状に配列されるとともに、該ポペット弁の運動方向と逆方向の慣性力によって可動可能に収納され、且つ前記ポペット弁の運動方向と逆方向の慣性力による移動の際に前記複数個の固体質量体同士の接触及び該固体質量体の前記内部空間の内壁面への接触によって固体質量体に摩擦抵抗が生じるように、該複数個の固体質量体同士がポペット弁軸方向に可動可能に配列され、さらに、前記内部空間は前記ポペット弁の軸方向端部をプラグによって封鎖して形成され、該プラグに前記内部空間と外部の油通路とを連通する小孔を形成し、前記ポペット弁の往復動によって前記内部空間と外部の油通路との間を燃料が前記小孔を通って出入りすることによるダッシュポット機能を備え、前記複数個の固体質量体の慣性力による前記ポペット弁のバウンス力の抑制と、前記プラグに形成した小孔によって生じる前記ダッシュポット機能による前記ポペット弁のバウンス力の抑制とを組み合わせて作用せしめるように構成したことを特徴とする(請求項1)。
また、前記ポペット弁の運動方向と逆方向の慣性力による移動の際に前記複数個の固体質量体同士の接触及び該固体質量体と内部空間の内壁面との接触による摩擦抵抗によって、前記ポペット弁のバウンス力(反撥力)を打ち消すが、前記ポペット弁の内部空間に燃料、潤滑油等の液体を同時に封入することで、さらに摩擦抵抗を大きくし、バウンスを調整できる。
さらに、前記内部空間は前記ポペット弁の軸方向端部をプラグによって封鎖して形成され、該プラグに前記内部空間と外部の油通路とを連通する小孔を形成し、前記ポペット弁の往復動によって前記内部空間と外部の油通路との間を燃料が前記小孔を通って出入りすることによるダッシュポット機能を備えるので、ポペット弁のシート部への着座後のバウンス時に、かかるダッシュポット機能に伴うダンピング作用によってポペット弁のバウンス力を抑制できる。
また、前記複数個の固体質量体の慣性力による前記ポペット弁のバウンス力の抑制と、前記プラグに形成した小穴によって生じる前記ダッシュポット機能による前記ポペット弁のバウンス力の抑制とを組み合わせて作用せしめるように構成したので、前記ダッシュポット機能に伴うバウンス力ダンピング作用と前記複数個の質量体の慣性力によるバウンス力抑制作用との相乗作用によって、バウンス力の抑制効果がさらに大きくなる。
これにより、燃料噴射終り及び噴射タイミングの不整及びこれらに伴う燃料噴射量のばらつきや不整噴射の発生を、より確実に防止できる。
また、ポペット弁の内部空間に収納される複数個の固体質量体は、球体等の一定質量を有する質量体であるので、該内部空間への組み込み作業が簡単であり、かつ組み込み時及び運転時に内部空間から外部の燃料油中に混入する恐れはなく、安全性及び取扱性も良好となる。
このように構成すれば、ポペット弁のストロークによって、該ポペット弁の内部空間に収納された複数個の固体質量体が必ず1回以上、好ましくは複数回ポペット弁の内部で衝突するので、前記複数個の固体質量体の質量によって、確実にポペット弁の運動方向と逆方向の慣性力が作用して、前記内部空間の底面または上面を介してポペット弁のバウンス力を打ち消すことが可能となる。さらに前記固体質量体とポペット弁との相対速度に比例した燃料の粘性に伴う減衰効果も相乗されて、バウンス力の抑制効果がさらに大きくなる。
図7において、50は電磁式ユニットインジェクタで、次のように構成されている。
51はインジェクタ本体、7は該インジェクタ本体51内に往復動自在に設けられたプランジャ、56及び55は該プランジャ7を往復動せしめるタペット及びタペットスプリング、8は該プランジャ7で燃料が加圧されるプランジャ室、9は燃料通路、52は前記プランジャ室8内の高圧燃料を図示しないエンジンの燃焼室内に噴射する噴孔52aを備えた燃料噴射ノズル、53は該燃料噴射ノズル52内に往復動自在に設けられた針弁、54は該針弁53の開、閉弁を司る針弁ばねである。
1はポペット弁、2は内部に該ポペット弁1が往復動自在に嵌合された弁座、5aはポペット弁ばね、2bは前記インジェクタ本体51内の燃料通路9に連通される燃料通路、3はスピル通路である。
6は電磁コイル6aを備えたソレノイド装置、5は前記ポペット弁1の上端に固定されて前記電磁コイル6aに吸引あるいは離間されるアーマチュアである。
エンジンの燃料カム(図示省略)により作動せしめられる前記タペット56及びタペットスプリング55を介して往復駆動される前記プランジャ7によって高圧に加圧された燃料は、プランジャ室8内に溜められる。
そして、前記ソレノイド装置6の励磁によって前記電磁開閉弁装置100のポペット弁1が固定されたアーマチュア5が該ソレノイド装置6の電磁コイル6aに吸引されると該ポペット弁1と弁座2との間のシート部が閉じて、前記プランジャ室8から前記電磁開閉弁装置100内の燃料通路2b、インジェクタ本体51内の燃料通路9、燃料溜め52bに至る通路内の燃料圧力が上昇する。
該燃料圧力が前記針弁ばね54の開弁圧力を超えると、針弁53が開弁して燃料溜め52b内の高圧燃料が噴孔52aから図示しない燃焼室内に噴射される。
本発明はかかる電磁式ユニットインジェクタ50等の電磁制御燃料噴射装置における、電磁開閉弁装置100の改良に係るものである。
図1において、6はソレノイド装置、6aは該ソレノイド装置の電磁コイル、1は該ソレノイド装置6により往復駆動せしめられるポペット弁、5aはポペット弁ばね、2は内部に該ポペット弁1が往復動自在に嵌合された弁座で、該ポペット弁1との間にシート部4が形成されている。2aは前記燃料通路2bに連通される燃料溜め、3は弁座2に形成されたスピル通路である。
5は前記ポペット弁1の上端部に固定され前記電磁コイル6aに吸引あるいは離間されるアーマチュアである。
10は前記内部空間1aに収納された複数個の球体で、鋼球、ゴム球、プラスチック球等からなる一定質量を有する球体である。該球体10は、前記内部空間1aに、前記ポペット弁1の往復動によって該内部空間1a内を移動可能な程度に適当な間隔を存し、かつポペット弁1の往復動によって相互に接触可能に収納されている。
この際において、ポペット弁1のバウンス時に前記複数個の球体10同士の接触及び該球体10と内部空間1aの内壁面との接触による摩擦抵抗によっても、前記ポペット弁1のバウンス力(反撥力)を打ち消すことができる。
図3に示すように、かかる第1実施例(前提となる実施例)において、前記複数個の球体10のポペット弁1の軸方向における可動範囲Lsを、ポペット弁ストロークLp以下(Ls≦Lp)に設定するのが好ましい。
尚、図3において、図1と同一の部材は同一の符号で示す。
これにより、ポペット弁1のバウンスにより発生する、燃料噴射終り及び噴射タイミングに不整の発生及びこれらに伴う燃料噴射量のばらつきや不整噴射の発生を、確実に防止できる。
また、かかる第1実施例(前提となる実施例)において、前記ポペット弁1の内部空間1aに、燃料、潤滑油等の液体と共に前記球体10を封入することもできる。
このように構成すれば、前記内部空間1aに、前記球体10とともに燃料、潤滑油等の液体を同時に封入することで、さらに摩擦抵抗を大きくすることができ、バウンスの抑制効果が大きくなる。
かかる第2実施例(参考例)においては、前記ポペット弁1の内部空間1aに、前記第1実施例における球体10に代えて複数個の針状体15を収納している。該針状体15は、鋼線、ゴム棒、プラスチック棒等の針状あるいは棒状に形成されて、前記ポペット弁1の軸線1bの方向に向けて、ポペット弁1の往復動に従って該内部空間1a内を移動可能にかつ相互の外周面が接触可能に複数個収納されている。
その他の構成は図1の第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第2実施例(参考例)によれば、前記ポペット弁1の内部空間1aに収納された複数個の針状体15が、一定長さを有する針状あるいは棒状に形成されているので、ポペット弁1の軸線1b方向における針状体15同士の接触面積が大きくなって、該針状体15同士の接触による摩擦抵抗に伴うバウンス力の抑制効果が大きくなる。
その他の構成は図1に示される第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第3実施例においては、前記第1実施例と同様に、ポペット弁1の内部空間1aに複数個の球体10を、該ポペット弁1の往復動によって該内部空間1a内を移動可能な程度に適当な間隔を存し、かつポペット弁1の往復動によって相互に接触可能に収納するとともに、密閉された前記内部空間1aを封鎖するプラグ12に、該内部空間1aと外部の油通路つまり該ポペット弁1の周りの油通路とを連通する小孔13を設けている。
その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
また、ポペット弁1の内部空間1aに収納された複数個の球体10は、前記第1実施例と同様な慣性力によるバウンス力の抑制作用を行なう。
これにより、前記複数個の球体10の質量によって、確実にポペット弁1の運動方向と逆方向の慣性力が作用して、前記内部空間1aの底面または上面を介してポペット弁1のバウンス力を打ち消すとともに、前記球体10とポペット弁1との相対速度に比例した燃料の粘性に伴う減衰効果も相乗されて、前記バウンス力の抑制効果がさらに大きくなる。
尚、図5において、図4と同一の部材は同一の符号で示す。
尚、前記第1実施例の球体10に代えて、前記第2実施例の針状体15を内部空間1aに収納してもよい。
また、前記内部空間1aに球体10あるいは針状体15を収納せずに、前記小孔13によるダッシュポット機能のみでバウンス力を抑制することも可能である。
1a 内部空間
2 弁座
2b 燃料通路
3 スピル通路
5 アーマチュア
6 ソレノイド装置
6a 電磁コイル
7 プランジャ
8 プランジャ室
10 球体
11 取付けボルト
12 プラグ
13 小孔
15 針状体
50 電磁式ユニットインジェクタ
100 電磁開閉弁装置
Claims (2)
- ソレノイド装置によって往復駆動せしめられるポペット弁により、プランジャで燃料が高圧に圧縮されるプランジャ室への燃料通路と排油系へのスピル通路との間を開閉して燃料噴射始め及び燃料噴射終り時期を制御するように構成された電磁制御燃料噴射装置において、
前記ポペット弁はポペット弁軸方向に沿って形成された内部空間を有し、該内部空間に複数個の金属球を含む球体からなる固体質量体がポペット弁の往復動方向に沿って一列状に配列されるとともに、該ポペット弁の運動方向と逆方向の慣性力によって可動可能に収納され、且つ前記ポペット弁の運動方向と逆方向の慣性力による移動の際に前記複数個の固体質量体同士の接触及び該固体質量体の前記内部空間の内壁面への接触によって固体質量体に摩擦抵抗が生じるように、該複数個の固体質量体同士がポペット弁軸方向に可動可能に配列され、
さらに、前記内部空間は前記ポペット弁の軸方向端部をプラグによって封鎖して形成され、該プラグに前記内部空間と外部の油通路とを連通する小孔を形成し、前記ポペット弁の往復動によって前記内部空間と外部の油通路との間を燃料が前記小孔を通って出入りすることによるダッシュポット機能を備え、前記複数個の固体質量体の慣性力による前記ポペット弁のバウンス力の抑制と、前記プラグに形成した小孔によって生じる前記ダッシュポット機能による前記ポペット弁のバウンス力の抑制とを組み合わせて作用せしめるように構成したことを特徴とするポペット弁を備えた電磁制御燃料噴射装置。 - 前記ポペット弁の内部空間に収納された前記複数個の固体質量体のポペット弁軸方向における可動範囲(Ls)を、ポペット弁ストローク(Lp)以下(Ls≦Lp)に設定したことを特徴とする請求項1記載のポペット弁を備えた電磁制御燃料噴射装置。
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