JP4633871B2 - 硬化性シリコーン組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度の発泡体又はエラストマーをもたらす硬化性シリコーン組成物に関する。これらの発泡体又はエラストマーは、基剤ポリマーとしてのオルガノポリシロキサンの組み合わせにより提供される高い強度特性を有する。この高強度特性は、当該技術において見られる硬化したシリコーン組成物の高い強度特性に匹敵し、あるいはそれより良好であるが、調製するのにそれほど費用がかからないという利益がある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
発泡性組成物と硬化性エラストマー組成物は当該技術分野においてよく知られている。それらは典型的に、ヒドロキシル基を含有する硬化性ポリオルガノシロキサン基剤ポリマーと、オルガノ水素シロキサン架橋剤と、そして硬化触媒を含む。発泡性組成物は、米国特許第3923705号及び同第5414023号明細書に一般的に説明されている。
【0003】
硬化性エラストマー組成物は、米国特許第5279894号、第4590222号、第4487906号、第5011865号及び第5162397号各明細書に説明されている。
【0004】
米国特許第5279894号明細書には、硬化性エラストマー組成物において追加のシロキサンポリマーを使用すること、すなわちその記載によれば希釈剤として使用されるジメチルビニル基で連鎖を停止された低粘度のジメチルポリシロキサンと、組成物のために付着力を得るのに用いられる、実際のところ樹脂状物質である、「枝分かれ鎖」のポリマーとを使用することが開示されている。
【0005】
後者の物質はしばしば、「樹脂強化ポリマー」と呼ばれる。とは言え、このようなポリマーを用いることは本発明を予想させるものでもなく、自明にするものでもない。と言うのは、いわゆる「枝分かれ鎖」のポリマーは実際には樹脂であり、そして本発明においては基剤ポリマーの樹脂状物質は必要とされないからである。更に、この米国特許明細書では、本発明の特定のシロキサン物質をここに開示される組み合わせでもって一緒にして本発明の発明者らが見いだした思いもよらぬ利益を得ることは示唆されていない。
【0006】
本発明のエラストマー形成組成物は、引張強さ、ジュロメーター値及びモジュラスが増大する一方で、引裂強さも比較的一定に保持することで示されるように高強度のエラストマーを提供する。発泡した材料においては、本発明についての引張測定値と引裂測定値により示されるようにより強度の高い発泡体が調製される。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高強度の発泡体をもたらす硬化性シリコーン組成物を提供する。このような特性は、本発明の、高分子量のものと低分子量のものとを一緒にするビニル基含有非樹脂状シロキサンの特定の組み合わせと、発泡剤としてベンジルアルコールを用いることによりもたらされる。
【0008】
本発明は、高強度の硬化性シリコーンエラストマー発泡体組成物であり、これらは、下記のA〜Dを含む硬化性シリコーン組成物である。
A.次に掲げる(i)と(ii)との組み合わせである基剤ポリマー系であって、それらのポリマーが分子当たり少なくとも二つのビニル基を含有している、非樹脂状シロキサン基剤ポリマー系
(i)末端にのみビニル基を含有し、30,000〜1,000,000グラム/モルの分子量をもち、0.01〜0.16重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
(ii)下記のa〜dからなる群より選ばれた、ビニル基含有の第二のシロキサンポリマー
a.ビニル基がペンダントの位置にのみ配置されており、272〜40,000グラム/モルの分子量をもち、0.2から55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー、
b.ビニル基がペンダントの位置と末端の両方に配置されており、272〜40,000グラム/モルの分子量をもち、0.2〜55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
c.ビニル基がペンダントの位置にのみ配置されており、40,000〜1,000,000グラム/モルの分子量をもち、0.01〜55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
d.ビニル基がペンダントの位置と末端の両方に配置されており、40,000〜1,000,000グラム/モルの分子量をもち、0.01〜55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
(ここで、A(i)とA(ii)a又はA(ii)bとの重量比は、99.7:0.3〜5:95であり、A(i)とA(ii)c又はA(ii)dとの重量比は、95:5〜5:95である。)
B.上記シロキサン基剤ポリマー系のための架橋剤であって、分子当たり少なくとも二つの−SiH原子団を含有している、ケイ素含有架橋剤(成分AとBのおのおのの相対的な量は、20:1〜1:10の重量比である);及び
C.成分Aと成分Bを一緒にした重量を基にして、100万重量部当り、0.1〜500重量部の白金族金属濃度(ppm)の、当該シリコーン組成物を硬化させるための白金族触媒
D.発泡体を作るための発泡剤としてのベンジルアルコール。
【0009】
本発明の本質は、(A)(i)のポリマーと(A)(ii)(a)〜(d)のうちのいずれかのポリマーとを組み合わせて基剤ポリマー系を作り、かつ発泡剤としてベンジルアルコールを用いることにより、向上した物理的性質を得ることである。本発明にあっては、この明細書で言及する分子量はいずれもグラム/モルを基にしている。
【0010】
架橋剤、あるいは硬化剤(B)は、本発明の組成物を硬化させるのに必要とされるケイ素に結合した水素原子を供給する少なくとも1種のオルガノ水素シロキサンを含有するものである。このオルガノ水素シロキサンは、線状あるいは枝分かれした構造を持つことができ、そしてホモポリマー、コポリマー、又はこれらのポリマーの混合物から選ばれる。
【0011】
好ましい線状オルガノ水素シロキサンは、25℃での粘度が0.01〜10Pa・s であり、ジアルキルシロキサン単位とアルキル水素シロキサン単位をトリアルキルシロキシ末端単位とともに含む。これらのアルキル基は炭素原子数が1〜4であり、最も好ましくはメチル基である。
【0012】
好ましい組成物は2種類のオルガノ水素シロキサンを含有し、そのうちの一方はポリメチル水素シロキサン、もう一方はメチル水素シロキサン単位とジメチルシロキサン単位とを含むコポリマーである。
【0013】
成分AとBのおのおのの相対的な量は、20:1から1:10までの重量比である。好ましい比は16:1から4:1までであり、一番好ましい比は8:1である。
【0014】
成分Cは、周期表の白金族の金属、又はそのような金属の化合物である。これらの金属には、白金、パラジウム及びロジウムが含まれる。白金及び白金化合物が、ヒドロシリル化反応でのこれらの触媒の活性レベルの高いことに基づいてより好ましいものでる。好ましい硬化触媒の例は、白金黒、種々の固体担体上の白金金属、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、及び塩化白金酸とエチレン系不飽和結合を持つ液体化合物との、例えばオレフィンやケイ素に結合したエチレン系不飽和炭化水素基を含有するオルガノシロキサンといったものとの錯体である。塩化白金酸と、エチレン系不飽和炭化水素基を含有している上述のオルガノシロキサンとの錯体は、米国特許第3419593号明細書に記載されており、これは本発明において好ましい触媒を教示している。
【0015】
成分Cの濃度は、成分Aと成分Bを一緒にした重量を基にして、100万重量部当たり、0.1〜500重量部の白金族金属、好ましくは5〜100重量部の白金族金属という白金族金属濃度(ppm)に相当する。
【0016】
硬化は、白金が0.1ppm未満では思うとおりに進行せず、一方500ppmより多くを使用すると硬化速度が目に見えるほど上昇せず、従って不経済である。本発明の組成物では、さらに成分Dの発泡剤としてベンジルアルコールを用いる。
【0017】
成分(A)(i)と(A)(ii)(a)〜(d)は入手の可能なポリシロキサンであり、それらの調製方法は当業者に知られている。更に、それらの方法のうちの一部は上述の米国特許明細書に記載されている。それゆえに、この明細書でそのような物質の調製を詳細に説明することが必要とは考えられない。
【0018】
成分(A)(i)は、分子中のビニル基の本質的に全部が両末端に位置している高分子量のジオルガノポリシロキサンである。「本質的に」とは、ポリマーがそのような分子のシロキサン鎖に沿ってペンダントであるビニル基をほとんど又は少しも持たないことを意味する。そのようなポリシロキサンは主として、種々の末端ブロック基、例として
【0019】
【化1】
【0020】
といったもの等、を有するジアルキル置換されたジオルガノポリシロキサンであり、上記の式において、また以下の記載において、Phはフェニル基である。
【0021】
本発明にとって好ましいものは、ジメチルビニルシロキシ及びメチルフェニルビニルシロキシ末端ブロック基であり、一方最も好ましいのはジメチルビニルシロキシ末端ブロック基である。この発明について言えば、(A)(i)の「高分子量」という用語は、分子量が30,000〜1,000,000の範囲内でビニル基含有量が0.01〜0.16重量%の範囲内にあるということである。
【0022】
成分(A)(ii)(a)〜(d)、すなわち本発明のビニル基含有シロキサンポリマーの二番目の組は、周知のシロキサン類であり、そして(a)ビニル基がシロキサン鎖のペンダントの位置にのみ配置されている低分子量のシロキサンポリマー、(b)ビニル基がシロキサン鎖のペンダントの位置と末端の両方に配置されている低分子量のシロキサンポリマー、(c)ビニル基がシロキサン鎖のペンダントの位置にのみ配置されている高分子量のシロキサンポリマー、及び(d)ビニル基がシロキサン鎖のペンダントの位置と末端の両方に配置されている高分子量のシロキサンポリマー、からなる群より選ばれる。
【0023】
例示を目的として、それらのなかでも下記のタイプのポリマーが上記の定義に当てはまるとされるものである。
【0024】
(A)(i)は、
【0025】
【化2】
【0026】
であり、この式のMeはメチル基であり、uは(A)(i)についての上述の範囲内の分子量を与えるような値を有する。
【0027】
(A)(i)’は、(A)(i)において述べた分子量範囲内にあるが、uの値は一例として(A)(i)の分子量の下端の方の分子量を与えるような、すなわち38,000グラム/モルほどの分子量を与えるような値を持つ。
【0028】
(A)(ii)(a)は、(Me3 )SiO〔Me(CH2 =CH)SiO〕v Si(Me3 )あるいは(Me3 )SiO〔Me(CH2 =CH)SiO〕v 〔(Me2 )SiO〕w Si(Me3 )であり、この式と以下において記載されるMeはメチル基を表し、そしてvとwは(A)(ii)(a)についての後述の範囲の分子量を与えるような値を有する。
【0029】
(A)(ii)(b)は、(CH2 =CH)(Me2 )SiO〔Me(CH2 =CH)SiO〕x Si(Me2 )(CH=CH2 )あるいは(CH2 =CH)(Me2 )SiO〔Me(CH2 =CH)SiO〕x 〔(Me2 )SiO〕y Si(Me2 )(CH=CH2 )であり、この式のxとyは(A)(ii)(b)についての後述の範囲の分子量を与えるような値を有する。
【0030】
(A)(ii)(c)は、上述の(A)(ii)(a)について示したのと同じタイプの分子であるが、但しvとwの値は(A)(ii)(c)についての後述の範囲の分子量を与えるようなものである。
【0031】
(A)(ii)(d)は、上述の(A)(ii)(b)について示したのと同じタイプの分子であるが、但しxとyの値は(A)(ii)(d)についての後述の範囲の分子量を与えるようなものである。
【0032】
(A)(ii)(e)は、上述の(A)(i)について示したのと同じタイプの分子であるが、但しuの値は(A)(ii)(e)についての後述の範囲の分子量を与えるようなものである。
【0033】
(A)(ii)(a)と(A)(ii)(b)のポリマーに関しては、分子量は272〜40,000の範囲であり、ビニル基含有量は0.2〜55.1重量%の範囲である。更に、(A)(ii)(c)と(A)(ii)(d)のポリマーについての分子量範囲は40,000〜1,000,000であり、ビニル基の含有量は0.01〜55.1重量%の範囲である。そして最後に、(A)(ii)(e)についての分子量範囲は186〜30,000であり、ビニル基含有量は0.18〜14.5重量%の範囲である。
【0034】
(A)(i)と特定の(A)(ii)ポリマーの使用量は、用いられる特定の組み合わせに依存する。例えば、(A)(i)の(A)(ii)(a)又は(A)(ii)(b)に対する重量比は本質的に同じであって、99.7:0.3から5:95までである。好ましい比は95:5から30:70までであり、最も好ましい比は90:10から60:40までである。
【0035】
(A)(i)と(A)(ii)(c)又は(A)(ii)(d)の組み合わせについて言うと、重量比は95:5から5:95までであり、好ましい比は90:10から30:70まで、そして最も好ましい比は85:15から60:40までである。
【0036】
そして最後に、(A)(i)と(A)(ii)(d)の組み合わせについて言うと、比率は99.7:0.3から5:95までである。より効果的な比は95:5から30:70まで、そして最も好ましいのは90:10から60:40までの比である。
【0037】
他の任意的な成分を本発明の組成物とともに使用することができるが、但しそれらは硬化を妨げず、あるいは本発明の最終硬化物質の所望の物理的性質を消失させないものとする。
【0038】
そのような任意的物質は、硬化物質のその他の性質を変えることができ、あるいはそれらの調製を助けることができる。例えば、これらの物質には補強用及び非補強用の無機質充填剤、例として石英や炭酸カルシウムの如きものや、金属酸化物、例としてアルミナ、水和アルミナ、酸化第二鉄及び二酸化チタンといったものや、顔料、例としてカーボンブラック及び酸化亜鉛といったものや、有機顔料及び染料や、酸化防止剤や、熱安定剤や、紫外線安定剤や、難燃剤や、硬化性組成物の作業時間を増加させるための触媒抑制剤、例えば環式メチルビニルシロキサンといったものや、発泡体を作るための発泡剤、その他が含まれる。
【0039】
本発明の組成物でよく使われる任意的成分は、トリオルガノシロキシ単位とSiO4/2 単位を有する樹脂状オルガノシロキサンコポリマーである。このコポリマーにおけるトリオルガノシロキシ単位は、式R3 3SiO1/2 で表され、この式のR3 は一価の不置換又は置換炭化水素基を表す。好ましいコポリマーにおいては、R3 により表される炭化水素基は炭素原子数が1〜6の低級アルキル基の組み合わせであり、最も好ましくはメチル基である。コポリマーにおけるトリオルガノシロキシ単位のSiO4/2 単位に対するモル比は、典型的には0.5〜1.6である。このコポリマーは、当該コポリマーと硬化性組成物を一緒にした重量の最高で30%までを構成する。コポリマー中のケイ素原子の少なくとも一部分は、エチレン系不飽和炭化水素基、例としてビニル基の如きものを有する。
【0040】
本発明の硬化性組成物は、本発明の組成物の成分をブレンドして均質にすることにより調製される。この組成物は、成分をこのようにして一緒にすると、硬化し始め、そして発泡剤を利用している場合には発泡し始める。硬化及び/又は発泡する前に組成物を貯蔵することが所望される場合には、少なくともオルガノ水素シロキサンと硬化触媒とは別々の容器に入れて、成分を2以上の容器でもって包装することによりそれを達成する。本発明の組成物は、機械装置によりブレンドするため3、4又は5以上の別々の容器で包装するのに適している。
【0041】
硬化反応も発泡反応も、硬化性組成物を加熱することで加速される。発泡体とエラストマーのための反応温度は55〜200℃である。最も好ましいのは65〜90℃の温度である。本発明の組成物の硬化と発泡のために必要とされる時間は、使用成分の反応性と使用温度を基にして、典型的に0.5〜60分であり、エラストマーについては0.5〜24時間である。
【0042】
【実施例】
次に掲げる例は、特許請求の範囲に明らかにされた本発明の組成物の好ましい態様を説明するものである。これらの例における全ての部数と百分率は重量によるものであり、全ての粘度は25℃で測定された。
【0043】
これらの例においては次の物質を使用した。
【0044】
成分A(i)は、ViMe2 SiO(Me2 SiO)x SiMe2 Viであり、これは粘度が50,000〜70,000mPa・s (cP)であり、ビニル基を末端に持つ高分子量ポリマーである。
【0045】
成分A(ii)bは、ViMe2 SiO(MeViSiO)a (Me2 SiO)b SiMe2 Viであり、これは25℃での粘度が350mPa・s (cP)、重合度が128、分子量が9500g/mol、ビニル基含有量が1.18重量%であって、ビニル基のペンダントを持ち且つ末端にビニル基を持つ低分子量ポリマーである。
【0046】
成分A(ii)cは、Me3 SiO(Me2 SiO)x (MeViSiO)y SiMe3 であり、これはビニル基含有量が0.5重量%、25℃での粘度が45,000mPa・s (cP)である、ビニル基のペンダントを持つ高分子量ポリマーである。
【0047】
成分A(ii)eは、ViMe2 SiO(Me2 SiO)x SiMe2 Viであり、これは25℃での粘度が450mPa・s (cP)である、ビニル基を末端基とする低分子量ポリマーである。
【0048】
成分B(i)は、米国特許第4322518号明細書の方法により調製した物質であり、そのSiH含有量は0.76重量%である。
【0049】
成分B(ii)は、Me3 SiO(Me2 SiO)x (MeHSiO)y SiMe3 であり、0.76重量%のSiHを有し、そして式中のxは3、yは5である。
【0050】
成分Cはヒドロシリル化触媒である。
成分Dは発泡剤としてのベンジルアルコールである。
成分Eは5μmの石英充填剤である。
成分Fは市販の難燃剤である。
成分Gは環式シロキサンテトラマーである(MeViSiO)x の抑制剤である。
【0051】
〔例1〕(発泡体)
上記の物質を使って、試料を次に述べるようにして作った。成分A(i)と成分A(ii)のうちの1種以上とを成分C、D、E及びFと混合して、第一の組成物を調製した。これは表I(その1)の基剤、すなわち分割分1として使用される。1種以上の成分B、キャリヤーとして少量のA(i)、そして場合により、SiHのビニル基への付加反応のための抑制剤(G)を、一緒に混合して第二の組成物を調製した。これは表I(その2)の硬化剤、すなわち分割分2として使用される。
【0052】
基剤と硬化剤とを10:1の比率で60秒間手で混合して、試験のための試料を調製した。次に、当該発泡体をポリエステルシート上へ流して、それからもう一つのポリエステルシートとの間にはさみ込んだ。シムに支持された非柔軟性チューブを使ってこの材料を押さえつけて、所望の厚さにした。次いで、このシートにした発泡体を54℃で5分、そしてその後100℃で4分間硬化させた。次に、それを190℃で10分間後硬化させ、そして室温に戻した。張力計(米国オハイオ州AkronのMonsanto社、Monsanto Instruments & EquipmentのMonsanto(商標)T−2000)を使用して、引張強さ、引裂強さ、及び伸びを試験した。引張試験片は、引張ダイAを使って作製した。引裂試験片は引裂Cダイを用いて作製した。全ての試験片は50.8cm(20インチ)/分で引張った(ASTM D 412)。この試験からは伸びの結果も得られた。シート密度は次のようにして測定した。シートにした発泡体の中央近くから7.6×7.6cm(3インチ×3インチ)の正方形を切り取った。次に、この発泡体の厚さをシートを横切って5回測定した。測定値は、Sylvac(商標)システムディジタルマイクロメーターを使って、試料の四隅と中央で0.001mmまで求めた。重量は、Mettler(商標)スケールにより0.01gまで測定した。
【0053】
発泡体の組成を表Iに示す。物理的性質試験の結果を表IIに示す。試料1、2、3は、分割分1の基剤において1種類のポリマーのみを使用することから、本発明の範囲外である。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
〔例2〕(エラストマー)
エラストマー試料を次のようにして調製した。成分A(i)と成分A(ii)のうちの1種以上とを成分C、E、及び顔料と一緒に混合して、第一の組成物を調製した。これが分割分1である。
【0058】
成分A(i)と成分A(ii)のうちの1種以上とを成分B(ii)及びEと一緒に混合し、そして場合により、−SiHのビニル基への付加反応のための抑制剤(G)を混合して、第二の組成物を調製した。これが分割分2である。
【0059】
分割分1と2を1:1の重量比で一緒に混合した。それらは、二つの分割分の色が均一になるまで、手で一緒に攪拌した。次に、この材料を10.16cm×15.24cm×0.19cm(4インチ×6インチ×0.075インチ)のチェースに注ぎ入れた。チャースの底には、剥離コーティングとして働くワックス処理した肉包装紙を当てがった。次に、チェースを脱気し、Dake(商標)プレス機にかけて所望の厚さにした。次いで、このスラブを室温で24時間硬化させた。引張、伸び及び引裂試験をASTM D 412に基づいて行った。引張強さと伸びは50.8cm(20インチ)/分で試験した。引張ダイは6.35mm(0.25インチ)、そして引裂ダイは引裂ダイBであった。ジュロメーター値の測定はASTM D 2240に基づいて行った。
【0060】
エラストマーの物理的性質への効果を示すため二つのポリマー物質の重量割合を変化させたいくつかの試料材料を調製した。
【0061】
その二つの物質はA(i)とA(ii)bであった。試料9は、A(i)が100%、そしてA(ii)bが0%である。試料10は、A(i)が96%、A(ii)bが4%である。試料11は、A(i)が93%、A(ii)bが7%である。試料12はA(i)が88%、A(ii)bが12%であり、そして試料13はA(i)が83%、A(ii)bが17%である。これらの配合は表IIIに示され、また試験結果は表IVに示される。粘度はASTM D 1084に基づき、またスナップ時間はMil−S−23586に基づいて測定した。不粘着試験は、組成物に指を触れその指に組成物の一部を残さずに指を取り去ることが出来るようにそれが硬化するのに要する時間を基にしている。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
Claims (1)
- 下記のA〜Dを含む硬化性シリコーン組成物。
A.次に掲げる(i)と(ii)との組み合わせである基剤ポリマー系であって、それらのポリマーが分子当たり少なくとも二つのビニル基を含有している、非樹脂状シロキサン基剤ポリマー系
(i)末端にのみビニル基を含有し、30,000〜1,000,000グラム/モルの分子量をもち、0.01〜0.16重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
(ii)下記のa〜dからなる群より選ばれた、ビニル基含有の第二のシロキサンポリマー
a.ビニル基がペンダントの位置にのみ配置されており、272〜40,000グラム/モルの分子量をもち、0.2から55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー、
b.ビニル基がペンダントの位置と末端の両方に配置されており、272〜40,000グラム/モルの分子量をもち、0.2〜55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
c.ビニル基がペンダントの位置にのみ配置されており、40,000〜1,000,000グラム/モルの分子量をもち、0.01〜55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
d.ビニル基がペンダントの位置と末端の両方に配置されており、40,000〜1,000,000グラム/モルの分子量をもち、0.01〜55.1重量%の範囲のビニル基含有量を有するシロキサンポリマー
(ここで、A(i)とA(ii)a又はA(ii)bとの重量比は、99.7:0.3〜5:95であり、A(i)とA(ii)c又はA(ii)dとの重量比は、95:5〜5:95である。)
B.上記シロキサン基剤ポリマー系のための架橋剤であって、分子当たり少なくとも二つの−SiH原子団を含有している、ケイ素含有架橋剤(成分AとBのおのおのの相対的な量は、20:1〜1:10の重量比である);及び
C.成分Aと成分Bを一緒にした重量を基にして、100万重量部当り、0.1〜500重量部の白金族金属濃度(ppm)の、当該シリコーン組成物を硬化させるための白金族触媒
D.発泡体を作るための発泡剤としてのベンジルアルコール。
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