JP4633632B2 - 走行型ロボット装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車エンジンのシリンダブロック等のような比較的重量物となる部品の加工ラインに用いて好適な、ワークの移載を行うための走行型ロボット装置及びその制御方法に関する。
従来から、例えば所定の軌道上を走行する走行装置に搭載されるロボットにより、走行装置に備えられる荷台(仮置き台)と、ワークの加工などを行う外部装置との間でワークの移載(荷降ろし・荷積み)やワークのハンドリングを行う走行型のロボット装置がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
特許文献1には、荷台にワークを載せて搬送する走行台車上に、荷台と外部装置との間でワークを移載する移載ロボットを搭載した無人搬送車についての技術が示されている。本文献に開示されている移載ロボットは、上下方向に延設されるとともに昇降可能な主軸を旋回軸とし、この主軸に対して水平方向に回転可能に取り付けられる多関節型のアームを備え、このアームの先端にワークをすくい上げるフィンガを備える構成となっている。この移載ロボットにより、フィンガをワークの下側にあてがい、主軸を上昇させてワークをすくい上げ、アームの水平方向の伸縮及び主軸の旋回によりワークを移載する。
そして、このように構成される移載ロボットが、走行台車上の進行方向(前後方向)略中央部に搭載されるとともに、移載ロボットの前後にワークを載置するための荷台が備えられている。
特開平10−315164号公報 特開2005−96018号公報
確かに、前記特許文献1に記載の移載ロボットにおいては、水平方向の動作を重量の影響を受けない関節のみの動きで行う構成とすること等により動作速度を速くすることができると考えられる。しかし、アームが略一直線状に延びた状態でワークをすくい上げる際、ワークの重量が各アームにのみかかることとなるので、その重量にアームが耐えて破損しないようにするためには、アームをワークの重量に見合った大きさに設計する必要がある。つまり、移載するワークの重量が大きくなる程、ロボットのコンパクト化を図るのが困難となる。
また、前記特許文献1に記載の無人搬送車のように、移載ロボットに対し走行台車の進行方向の前後にワークを載置するための荷台を備える構成においては、走行台車の全長が長くなるとともに、移載ロボットの旋回半径が大きくなってしまう。すなわち、ロボットの前後に荷台を設けるためのスペースが必要となることから走行台車の全長が長くなり、また、前後の各荷台に対してワークを載置する構成となるため、移載ロボットの旋回半径も大きくなる。
これらのことは、ロボットによるワークの積み降ろしにかかるサイクルタイムの短縮化や、外部装置を含めての走行型のロボット装置の省スペース化を図るうえで好ましくない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、比較的重量物であるワークに対してもアームを肥大化させることなくコンパクト化を図ることができ、ワークの積み降ろしにかかるサイクルタイムを短縮することができる走行型ロボット装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、複数のリンク機構により水平方向に旋回可能及び伸縮可能に構成されるアームと、該アームの先端部に設けられワークを支持するワーク支持体を支持するとともに昇降及び旋回させる昇降旋回手段とを有するロボットを、走行台上に備える走行型ロボット装置であって、前記走行台に対して昇降可能に設けられる昇降体と、該昇降体を昇降させるための駆動源と、前記昇降体上に設けられるガイドフレームと、該ガイドフレームに対して、前記走行台の進行方向に対する垂直方向へ移動可能に設けられるとともに、前記ワーク支持体と連結され該ワーク支持体の移動を、前記走行台の進行方向に対する垂直方向へ案内するスライドフレームとを備えるアシスト手段を設け、前記アシスト手段は、前記駆動源による前記昇降体の昇降により、前記昇降旋回手段によるワーク支持体の昇降動作をアシストするとともに、前記昇降体、ガイドフレーム、およびスライドフレームにより前記ワーク支持体を下側からスライドフレームに対して旋回可能に支持することにより、前記昇降旋回手段によるワーク支持体の旋回動作、及び前記アームの伸縮によるワーク支持体の水平方向の移動動作をアシストするものである。
請求項2においては、前記アシスト手段においては、前記ワーク支持体が前記アームの伸縮によって前記走行台の進行方向に対する垂直方向へ移動されると、ワーク支持体のスライドフレームに対する移動量と同じ量だけ、スライドフレームがガイドフレームに対してスライドするものである。
請求項3においては、前記走行台上における前記ロボットに対する該走行台の進行方向一側に、前記ロボットにより移載されるワークが、その載置姿勢での平面視形状の長手方向を前記進行方向に対して垂直方向として載置可能な荷台を備え、前記ロボットにより、前記荷台に、ワークの前記長手方向が前記進行方向に対して垂直方向となるようにワークを載置するものである。
請求項4においては、前記走行台上に、該走行台上における平面視での前記ワーク支持体の移動範囲を全部含み、クーラントを受けるとともに一部または全部が少なくとも一側に向けて下る斜面となる受面を備えるクーラント回収手段を備えるものである。
請求項5においては、前記走行台に連結されるケーブルの収容部材を、平面視略U字型に折り返すとともに前記走行台が走行する走行レールに沿わせて配置するものである。
請求項6においては、前記ワーク支持体を、ワークをすくい上げるフォークとし、前記フォークのワークをすくい上げる面に凸設され、ワークの下面側の形状に対して嵌合可能な嵌合体を設け前記嵌合体は、前記ワークの下面側の形状における釣合い位置近傍でワークに嵌合することで、前記ワークの位置決めをし、かつ複数のワーク姿勢における前記ワークの下面側の形状に対して嵌合可能な形状に形成されるものである。
請求項7においては、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の走行型ロボット装置の制御方法であって、前記アシスト手段が、前記昇降旋回手段の昇降動作と同期して、該ワーク支持体の昇降動作をアシストするように、前記昇降旋回手段と、前記アシスト手段に備えられ前記ワーク支持体の昇降動作に用いられる出力を供給する駆動源とを、制御するものである。
請求項8においては、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の走行型ロボット装置の制御方法であって、前記昇降旋回手段による出力を用いることなく、前記アシスト手段から得られる出力を用いて、前記ワーク支持体の昇降動作が行われるように、前記昇降旋回手段と前記アシスト手段の前記駆動源とを制御するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、比較的重量物であるワークに対してもロボットのアームを肥大化させることなくコンパクト化を図ることができ、ワークの積み降ろしにかかるサイクルタイムを短縮することができる。
請求項2においては、ワーク支持体の移動量の効率化を図ることができ、ワーク支持体の移動時間の短縮化を図ることができることからサイクルタイムを短くすることができる。
請求項3においては、走行型ロボット装置が、荷台への載置姿勢における平面視形状で長手方向を有するワークの移載に用いられる場合において、荷台の平面視形状(荷台の載置面の面積)の大きさが走行型ロボット装置全体の幅や長さに与える影響を低減することができ、走行型ロボット装置全体としてのコンパクト化を図ることができる。
請求項4においては、ロボットによるワークの積み降ろしの際などに滴下するクーラントを効率良く回収することが可能となり、クーラントの回収率を向上することができる。
請求項5においては、ケーブルベアの上面の面積を比較的小さくすることが可能となり、ケーブルベアに付着するクーラントの量を少なくすることができてケーブルベア内に収容される各種ケーブルの信頼性を向上することができる。
また、省スペース化が図れるとともに、見た目をすっきりさせることができ、外観の向上を図ることができる。
請求項6においては、ワークの積み降ろしにかかるサイクルタイムを短縮することができるとともに、フォークによってワークをすくい上げる際の位置決めとワークの移載中におけるフォーク上におけるズレの防止を行うことが可能となる。
請求項7においては、アシスト手段によるアシストが行われるに際し、簡便な制御により、アシスト手段の昇降にともなうストレスがロボットにかかることを防止することができる。
請求項8においては、アシスト手段によるアシストが行われるに際し、簡便な制御により、アシスト手段からロボットにストレスがかかることを防止することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本実施形態に係る走行型ロボット装置の構成について、図1〜図6を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る走行型ロボット装置の全体構成を示す斜視図、図2はワークに複数の加工を施すための加工ラインを示す平面図、図3は加工ラインにある走行型ロボット装置を示す斜視図、図4は同じく背面図、図5は同じく平面図、図6は同じく側面図である。
なお、以下においては、本実施形態に係る走行型ロボット装置1が、自動車エンジンのシリンダブロックが複数の加工を施される加工ラインに用いられる場合について説明する。
走行型ロボット装置1は、例えば、図2に示すように、二列に対向配置され加工工程ごとに設けられる複数の加工設備2・2・・・により構成される加工ラインにおいて、加工設備2・2・・・の列間に敷設される走行レール3に沿って走行するものであり、この加工ラインにおいて加工されていくワーク4の移載(荷積み・荷降ろし)を行う。
すなわち、走行型ロボット装置1は、走行レール3に沿って走行する平面視略矩形状の走行台5を備え、該走行台5上に、ワーク4を移載するロボット6と、ワーク4を載置するための荷台40とを備えている。
そして、走行型ロボット装置1は、ある加工設備2での加工後のワーク4をロボット6により荷台40へと移載し(図2矢印X参照)、予め荷台40に載置しているこの加工設備2に対して未加工のワーク4を加工設備2へと移載する(同図矢印Y参照)。このような移載動作を繰り返しながら走行型ロボット装置1が走行レール3上を走行する。なお、走行型ロボット装置1の移載動作の詳細については後述する。
以下、走行型ロボット装置1の(走行台5の)進行方向、即ち走行レール3の敷設方向(図2における上下方向)を「前後方向」とし、この前後方向に対して垂直方向(図2における左右方向)を「左右方向」とする。
走行型ロボット装置1の具体的な構成について説明する。
まず、走行台5の構成について説明する。
図3に示すように、走行台5は、略矩形板状に構成される基台18を有し、この基台18により走行台5の台部分が構成されるとともに前記のとおり走行台5が平面視で略矩形状に構成される。走行台5が走行レール3に沿って移動することにより、走行型ロボット装置1が走行する。走行台5の走行レール3に対する構成は特に限定されるものではないが、本実施形態においては、次のような構成となっている。
走行レール3は、平行に敷設される略四角柱状の二本のレール3a・3bにより構成される。各レール3a・3bは、その長手方向において所定間隔で設けられる支持脚3cによって床面15に対して所定の高さ位置で略水平状態に支持される。
走行台5の走行は、基台18に設けられる走行装置19を走行駆動源として行われる。
走行装置19は、例えば電動モータ等により構成され、その駆動軸を略鉛直方向として基台18を貫通するように設けられる。走行装置19は、基台18の下側においてその駆動軸により略水平方向に回転する駆動ローラ19aを備えており、この駆動ローラ19aを、一側(左側)のレール3aの内側面に付設される突条3xに当接させた状態で設けられる。つまり、駆動ローラ19aは前記突条3xと接した状態で係合するように構成され、該駆動ローラ19aが回転することにより、走行台5が移動するための動力を得る構成となっている。
また、同じレール3aの上面には突条3yが付設されており、この突条3yに対応する基台18の下側には、突条3yと摺動可能に係合するスライダ18aが設けられている。
一方、他側(右側)のレール3bに対しては、基台18から下方に向けて一または複数(本実施形態においては前後二箇所)突設される脚部18bが、該脚部18bに設けられるガイドローラ18c・18c及びレール3bの内側面に付設される突条3zを介して支持されることにより、走行台5が移動可能に支持される。すなわち、脚部18bには、左右方向を回転軸方向とするガイドローラ18c・18cが上下に所定の間隔を隔てて設けられており、これらガイドローラ18c・18cが突条3zの上下面に対して当接した状態となる。
このように、走行台5は、一側のレール3aに対しては、走行装置19の駆動ローラ19aを当接させるとともにスライダ18aを介して移動可能に支持され、他側のレール3bに対しては、脚部18b及びガイドローラ18cを介して移動可能に支持されている。これにより、走行型ロボット装置1が走行レール3に対して移動可能に支持されている。
次に、ロボット6の構成について説明する。ロボット6は、複数のリンク機構により水平方向に旋回可能及び伸縮可能に構成されるアーム7と、このアーム7の先端部に設けられ、ワーク4を支持するワーク支持体としてのフォーク9を、支持するとともに昇降及び旋回させる昇降旋回手段としてのロボットアーム20とを備えている。
アーム7は、走行台5の基台18上において略鉛直方向に立設される基柱10に対して水平方向に旋回可能に設けられる。基柱10は、基台18における前後方向一側(後側)辺部の左右方向略中央部において水平方向に後方に突設される突出部18d上に立設される。
アーム7は、それぞれ水平方向に旋回可能に設けられる第一リンク機構11と第二リンク機構12とを備え、これらの旋回により水平方向に伸縮可能に構成されている。すなわち、第一リンク機構11は、前記基柱10の上端部にその一端側が取り付けられることにより、該基柱10を回転軸として水平方向に旋回可能に設けられている。また、第二リンク機構12は、その一端側が第一リンク機構11の他端側において、鉛直方向が回転軸方向となるように取り付けられることにより、第一リンク機構11に対して水平方向に旋回可能に設けられている。本実施形態においては、第一リンク機構11の上側に第二リンク機構12が設けられている。
また、基柱10の上部には、ロボット6におけるアーム7の旋回やロボットアーム20の動作などをボタン操作などにより調整するための操作制御部13が設けられている。
昇降旋回手段としてのロボットアーム20は、第二リンク機構12の先端部において、該第二リンク機構12を鉛直方向に貫通した状態で設けられる軸状の主アーム21と、この主アーム21の近傍において同じく第二リンク機構12を鉛直方向に貫通した状態で設けられる軸状の補助アーム22とを備えている。
主アーム21は、一体の軸状の部材であり、第二リンク機構12内に設けられ駆動源などを備える駆動機構により昇降及び回転するように構成される。つまり、主アーム21が昇降する際には、該主アーム21は第二リンク機構12に対して貫通状態で上下に摺動するように動作する。
主アーム21の下端部にフォーク9の一端部(基部)が連結され軸支されている。したがって、主アーム21が昇降することによりフォーク9が昇降され、同じく主アーム21が回転することにより該主アーム21を回転軸としてフォーク9が水平方向に旋回される。
補助アーム22は、主アーム21の下端部において回動可能に設けられる連結プレート23を介して主アーム21に対して連結されている。補助アーム22は、第二リンク機構12において鉛直上方に向けて突設される筒状体22aに対して挿入可能に設けられることで伸縮可能に構成されている。つまり、補助アーム22は、主アーム21の昇降に追従するとともにアーム7の伸縮にともなう第二リンク機構12の主アーム21に対する相対的な回動を許容するように構成されており、主アーム21を補助する。なお、補助アーム22は複数であってもよい。
以上の構成を備える走行型ロボット装置1においては、フォーク9と連結され、該フォーク9の、ロボットアーム20による昇降動作、旋回動作及びアーム7の伸縮による水平方向の移動動作をアシストするアシスト手段30が設けられている。
アシスト手段30は、走行台5に対して昇降可能に設けられる昇降体(ブラケット)31と、該昇降体31を昇降させるための駆動源であるサーボモータ32と、昇降体31上に設けられるガイドフレーム33と、該ガイドフレーム33に対して左右方向に移動可能に設けられるとともにフォーク9と連結され該フォークの移動を案内するスライドフレーム34とを備えている。
昇降体31は、略直方体状の外形となるように枠組み形成されたフレーム体であり、図4や図6に示すように、その長手方向を上下方向として走行台5の基台18を貫通した状態で昇降可能に設けられる。つまり、基台18には、昇降体31を貫通させる開口部18e(図3参照)が形成されており、この開口部18eに昇降体31が貫通した状態で設けられる。
サーボモータ32は、フォーク9の昇降動作に用いられる出力を供給する駆動源であり、その駆動軸の軸方向を前後方向とした状態で、基台18上に設けられるハウジング35に取り付けられ、該ハウジング35内に構成される減速機を介して昇降体31を昇降動作させる。
つまり、サーボモータ32の駆動軸の回転動力が、ハウジング35内に構成される減速機及びギヤ等により構成される図示せぬ動力伝達機構を介して昇降体31の昇降動力へと変換され、昇降体31が昇降する構成となっている。
前記のとおり昇降体31上に設けられるガイドフレーム33は、短冊型の板状部材により構成されるメインフレーム33aと、このメインフレーム33aよりも若干小さめの同じく短冊型の板状部材により構成されるサブフレーム33bとが、それぞれ長手方向を左右方向とするとともに起立した姿勢で平行に配置され、前後に所定の間隔を隔てた状態で連結されて構成される。このように構成されるガイドフレーム33が、昇降体31の上面に対して支持部材36を介して固設される。
スライドフレーム34は、左右方向の長さが前記ガイドフレーム33と略同じ長さに構成されてメインフレーム33aとサブフレーム33bとの間に左右方向に移動可能に設けられる。スライドフレーム34は、その左右両端部(移動方向両端部)に設けられるローラ37・37と、これらローラ37・37に巻回されるベルト38とから構成されるチェン構造を備えており、このチェン構造によってガイドフレーム33上を摺動する。
つまり、スライドフレーム34は、ベルト38を介してガイドフレーム33上を移動するように構成され、このスライドフレーム34の移動にともないベルト38がローラ37・37とともに回転する。なお、スライドフレーム34に設けられるチェン構造の構成は、無端状の伝達部材が該スライドフレーム34に沿って回動可能に巻回される構成であれば特に限定されず、例えばスプロケットと該スプロケットに巻回されるチェン等のような組合せであってもよい。
ガイドフレーム33に対して移動可能に設けられるスライドフレーム34は、前記のとおりフォーク9と連結され該フォーク9の移動を案内する。スライドフレーム34に対するフォーク9の移動は、前記チェン構造のベルト38の回転により案内される。つまり、フォーク9は、スライドフレーム34に対してベルト38の回転にともなって移動するように構成される。
具体的には、フォーク9は、その軸支部(主アーム21との連結部)近傍において、スライドフレーム34におけるベルト38の回転にともなって移動する板状の連結体39を介して連結される。連結体39は、ロボットアーム20によるフォーク9の旋回を許容するようにフォーク9を下側から軸支するようにしてスライドフレーム34とフォーク9とを連結する。
このように、アシスト手段30においては、昇降体31とガイドフレーム33とスライドフレーム34とが、フォーク9とともに一体的に(ユニットとして)昇降可能に構成され、これらがサーボモータ32から伝達される駆動力により昇降される。
ガイドフレーム33とスライドフレーム34とフォーク9との位置関係は次のようになっている。すなわち、長手方向(左右方向)の長さが略同一に構成されるガイドフレーム33とスライドフレーム34とが、互いの左右方向中央位置を合わせた状態(左右両端位置が揃った状態)にあるときに、フォーク9をスライドフレーム34に対して連結する連結体39の位置、つまりフォーク9の軸支部の位置がスライドフレーム34における左右略中央に位置する。
そして、フォーク9がアーム7の伸縮によって左右方向に移動されると、連結体39を介してベルト38が回転される。一方、ガイドフレーム33上におけるスライドフレーム34の移動はベルト38の回転をともなう。このため、フォーク9(連結体39)がアーム7の伸縮によって左右方向に移動されると、フォーク9のスライドフレーム34に対する移動量と略同じ量、スライドフレーム34がガイドフレーム33に対してスライドすることとなる。言い換えると、フォーク9のガイドフレーム33に対する移動量は、スライドフレーム34のガイドフレーム33に対する移動量の約二倍となる。
このように、フォーク9を、昇降体31上に固設されるガイドフレーム33と、チェン構造を備えるスライドフレーム34とともに三段構成とし、また、フォーク9のみを旋回させる構成とすることにより、走行型ロボット装置1におけるロボット6によるワーク4の移載動作のサイクルタイムの短縮化及びロボット6のコンパクト化を図ることができる。
つまり、フォーク9を前記のとおり三段構成とすることにより、フォーク9の移動量の効率化を図ることができ、フォーク9の移動時間の短縮化を図ることができることからサイクルタイムを短くすることができる。また、フォーク9を三段構成とするとともにフォーク9のみを旋回させる構成とすることにより、ロボット6の旋回半径を小さくすることができ、ロボット6のコンパクト化を図ることができる。
以上のように構成されるアシスト手段30は、前記のとおりスライドフレーム34が連結体39を介してフォーク9に連結されることによって該フォーク9に連結される。
そして、アシスト手段30は、サーボモータ32による昇降体31の昇降により、ガイドフレーム33及びスライドフレーム34を介してロボットアーム20によるフォーク9の昇降動作をアシストし、機械的構造によりフォーク9を下側から支持することにより、該フォーク9の旋回動作、及びロボット6のアーム7の伸縮によるフォーク9の水平方向の移動動作をアシストする。
このように、走行型ロボット装置1においてアシスト手段30を設けることにより、比較的重量物であるワーク4に対してもアーム7を肥大化させることなくコンパクト化を図ることができ、ワーク4の積み降ろしにかかるサイクルタイムを短縮することができる。
すなわち、アシスト手段30によってフォーク9の動作がアシストされる分、アーム7がフォーク9を介して支持するワーク4の重量が軽減されることとなるので、アーム7のみによってワーク4の重量に耐え移載する構成と比較して、アーム7のコンパクト化を図ることができる。
また、ワーク4の重量がかかる部分(重量を支持する部分)が、アーム7とアシスト手段30の各部に分散されることから、各部の動作速度(アーム7の伸縮動作やロボットアーム20の昇降動作など)を高めることが可能となり、走行型ロボット装置1によるワーク4の移載のサイクルタイムを短縮化することができる。
続いて、走行型ロボット装置1における荷台40の配置構成について説明する。
前記のとおり走行台5上に備えられる荷台40は、該走行台5上におけるロボット6に対する該走行台5の進行方向一側(本実施形態においては前側)に設けられる。そして、ロボット6により移載されるワーク4が、その載置姿勢での平面視形状の長手方向(以下、ワーク4について単に「長手方向」ともいう。)を、進行方向に対して略垂直方向(略左右方向)として載置可能な構成となっている。この荷台40に対し、ロボット6により、ワーク4がその長手方向が略左右方向となるように載置される。
荷台40は、所定の高さ位置において略水平面となるワーク4の載置面42を構成する板状の載置台部41と、この載置台部41を走行台5の基台18に対して支持する複数の脚部43とを備えている。
本実施形態における走行型ロボット装置1の移載動作は、前述したように、ある加工設備2での加工後のワーク4をロボット6により荷台40へと移載し、予め荷台40に載置しているこの加工設備2に対して未加工のワーク4を加工設備2へと移載するというものである。このため、荷台40における載置面42は、ある加工設備2へと移載するためのワーク4を予め載置しておくための荷積み用の仮置き部(以下、「荷積用仮置部」という。)42aと、この加工設備2での加工後のワーク4を加工設備2から荷台40へと移載するための荷降ろし用の仮置き部(以下、「荷降用仮置部」という。)42bとを有する。そして、前記のような移載動作を繰り返しながら走行レール上を走行する。
すなわち、荷台40の載置面42においては、走行型ロボット装置1による、ある一つの加工設備2に対する移載動作において荷積用仮置部42aであった部分は、次の加工設備2に対する移載動作においては荷降用仮置部42bとなり、逆に荷降用仮置部42bであった部分は荷積用仮置部42aとなる。つまり、加工ラインにおける前後の工程に対応する加工設備ごとに、載置面42における荷積用仮置部42aと荷降用仮置部42bとは役割として交互に入れ替わることとなる。
このように、本実施形態における荷台40は、ワーク4の荷積み用の仮置き台及び荷降ろし用の仮置き台として用いられ、二つのワーク4が、その載置姿勢での平面視形状の長手方向を略左右方向として同時に載置可能な構成となっている。
また、荷台40においては、その載置面42よりも下側の所定の高さ位置でのフォーク9の移動や旋回によるフォーク9との干渉を避けるため、台部41に切欠き部41aが形成されている(図3及び図6参照)。
ここで、ワーク4に関し「載置姿勢での平面視形状の長手方向」について説明する。
本説明のようにワーク4が自動車エンジンのシリンダブロックである場合など、例えば多気筒エンジンにおけるシリンダボアが連設される方向のように、ワーク4が長手方向を有する場合がある。こうした場合、荷台40の載置面42に載置された状態でのワーク4の平面視形状の長手方向の長さは、載置面42の面積が少なくともワーク4の載置状態における平面視形状の面積よりも大きく確保される構成においては、載置面42の面積の大きさに影響を与えることとなる。つまり、載置された状態でのワーク4の平面視形状の長手方向の長さは、走行型ロボット装置1全体の幅や長さに係わる荷台40の大きさに影響を与えることとなる。
特に、本実施形態のように、ワーク4の荷積み用及び荷降ろし用の仮置き台としての載置面積が必要な場合は、走行型ロボット装置1において荷台を設ける位置や構成、即ちワーク4の載置位置や載置方向は、走行型ロボット装置1全体の幅や長さに大きく影響を与えることとなる。
つまり、ワーク4について「載置姿勢での平面視形状の長手方向」とは、ワーク4が走行型ロボット装置1の荷台40における載置状態での平面視形状の長手方向を意味する。
そこで、走行型ロボット装置1においては、二つのワーク4がその長手方向を左右方向として左右並べて配置することができる荷台40が、ロボット6の前後一側(本実施形態においては前側)に設けられている。
これにより、走行型ロボット装置1が、荷台40への載置姿勢における平面視形状で長手方向を有するワーク4の移載に用いられる場合において、荷台40の平面視形状(載置面42の面積)の大きさが走行型ロボット装置1全体の幅や長さに与える影響を低減することができ、走行型ロボット装置1全体としてのコンパクト化を図ることができる。
つまり、従来のようにロボットに対し走行台車の進行方向の前後にワークを載置するための荷台を備える構成と比較して、ワークを載置するための荷台の載置面の大きさを効率的に利用することができるので、載置面の面積の大きさが走行型ロボット装置1の幅や長さに与える影響を低減することができ、走行型ロボット装置1全体としてのコンパクト化を図ることができる。また、ロボットに対して一側のみに荷台40を設けることにより、ロボットにおけるアームの旋回半径を小さくすることも可能となるので、このことからも走行型ロボット装置1全体としてのコンパクト化を図ることができる。
ここで、走行型ロボット装置1によるワーク4の移載動作における具体的な動作態様について、図7及び図8を用いて説明する。図7は走行型ロボット装置による荷降ろし動作を説明する平面図、図8は同じく荷積み動作を説明する平面図である。
走行型ロボット装置1によるワーク4の移載動作は、フォーク9の、ロボットアーム20及びアシスト手段30による昇降動作と、ロボットアーム20の主アーム21を回転軸とする旋回動作と、アーム7の伸縮によるガイドフレーム33とスライドフレーム34に沿った左右方向の水平方向の移動動作との組合せとなる。
つまり、荷台40上あるいは加工設備2上に載置されているワーク4に対し、その下面側にあてがわれるフォーク9の上昇によってワーク4がすくい上げられ、フォーク9の水平方向における左右方向の移動動作及び旋回動作によって移動され、フォーク9の下降により所定の位置に載置される。
このため、荷台40の載置面42における荷積用仮置部42a及び荷降用仮置部42bには、フォーク9の昇降を許容してワーク4のすくい上げ及び載置を可能とするための切欠き部44がそれぞれ形成されている。また、加工設備2においてもワーク4の下側に対するフォーク9の挿入を可能とするため、ワーク4が載置される載置台2aには凹部2bが形成されており、この凹部2bを跨ぐようにしてワーク4が載置される。
走行型ロボット装置1によるワーク4の移載動作は、ある加工設備2での加工後のワーク4をロボット6により荷台40の荷降用仮置部42bへと移載する「荷降ろし動作」と、予め荷台40の荷積用仮置部42aに載置しているこの加工設備2に対して未加工のワーク4を加工設備2へと移載する「荷積み動作」とからなり、これらが交互に行われる。
なお、次においては、走行型ロボット装置1が、その左側にある一つの加工設備2xに対してワーク4の移載動作をする場合を例に、フォーク9の動作に着目して説明する。また、加工ラインにおけるいずれの加工設備2においても、ワーク4がその長手方向が前後方向として載置されるものとする。
まず、「荷降ろし動作」について図7を用いて説明する。
走行レール3上を走行する走行型ロボット装置1が、荷台40の荷積用仮置部42a(この状態では載置面42の左側を荷積用仮置部42aとする)に未加工あるいは前工程の加工設備2において加工を施されたワーク(以下、「ワーク4a」とする。)を載置した状態で、荷降ろし動作を行う加工設備2xに対して前後方向の所定の停止位置で停止する(図7(a)参照)。
ここで、走行型ロボット装置1の前後方向の所定の停止位置とは、前後方向において、フォーク9の主アーム21による軸支部(以下、「旋回軸部21a」という。)の位置が、加工設備2xの載置台2a上に載置されているワーク(以下、「ワーク4b」とする。
)の下面側にあてがわれる位置となる、走行型ロボット装置1の位置である。つまり、走行型ロボット装置1が前後方向の所定の停止位置にある状態で、フォーク9が、ワーク4b側(左側)を向く姿勢とされてワーク4bの下側(凹部2b内)へと挿入される。以下、フォーク9が加工設備2x上のワーク4b側(この場合左側)を向いた状態、即ちフォーク9がその先端をワーク4b側に向けて左右方向と略平行方向である状態を、フォーク9の「左右姿勢」とする。
走行型ロボット装置1が、加工設備2x上のワーク4bに対して所定の停止位置で停止した状態から、左右姿勢にあるフォーク9が左側へ移動され、加工設備2x上のワーク4bの下側、即ち凹部2b内へと挿入される(図7(b)参照)。
ここで、フォーク9の旋回軸部21aは、加工設備2x上に載置されているワーク4bを左右姿勢のフォーク9によりすくい上げ可能な位置まで移動される。以下、このフォーク9の旋回軸部21aの加工設備2xに対応する左右方向の位置を「設備側位置」とする。
また、凹部2b内に挿入されるフォーク9は、その上面がワーク4bの下面(載置台2aの載置面)よりも若干下となるように高さ位置が設定される。以下、この載置台2aの載置面よりも若干下となるフォーク9の高さ位置を、フォーク9の「下位置」とする。
加工装置2x上のワーク4bの下側にフォーク9が挿入された状態から、フォーク9は上昇され、これにともない加工装置2x上のワーク4bが持ち上げられる。
ここで、フォーク9は「上位置」まで上昇される。なお、フォーク9の「上位置」については後述する。
加工装置2x上のワーク4bをすくって上昇したフォーク9は、左右方向においてその旋回軸部21aの位置が、フォーク9が旋回することで荷台40の荷降用仮置部42bに対してワーク4bを載置可能な位置となるまで移動される(図7(c)参照)。以下、このフォーク9の旋回軸部21aが荷降用仮置部42bに対応する左右方向の位置を「第二仮置位置」とする。つまり、フォーク9の第二仮置位置は、この時点で荷台40の右側部分である荷降用仮置部42bに対応する位置であるため、フォーク9の左右方向の移動範囲において左右方向中心よりも右側の位置となる。
第二仮置位置まで旋回軸部21aが移動された左右姿勢のフォーク9は、前側へ向けて略90°旋回される(図7(d)参照)。このフォーク9の旋回にともない、フォーク9が荷台40側(前側)に向くとともに、ワーク4bの長手方向が左右方向(走行型ロボット装置1の進行方向に対して略直角方向)となる。以下、フォーク9が荷台40側(前側)を向いた状態、即ちフォーク9がその先端を荷台40側に向けて前後方向と略平行方向である状態を、フォーク9の「前姿勢」とする。
つまり、フォーク9の旋回軸部21aが第二仮置位置かつフォーク9が前姿勢となった状態では、フォーク9上のワーク4bは、荷降用仮置部42bにおける載置位置の上側に位置することとなる。
ここで、ワーク4bを載置しているフォーク9が左右姿勢から前姿勢へと旋回される際、荷台40の荷積用仮置部42aに載置されているワーク4aとの干渉が起こらないように、フォーク9の前記上位置が設定される。つまり、フォーク9が上位置にある状態では、フォーク9の下側面の高さ位置が、荷台40上に載置されているワーク4aの上端よりも高い位置となるように、フォーク9の上位置における高さ位置が設定される。
フォーク9が第二仮置位置かつ前姿勢となった状態から、フォーク9が下位置へと下降される。この際、フォーク9が荷降用仮置部42bの切欠き部44を介して荷台40の台部41の下側まで下降されることによりワーク4bが荷台40の荷降用仮置部42bへ載置される。つまり、加工設備2の載置台2aの載置面と荷台40の載置面42との高さ位置は略同じとされる。
これにより、ワーク4の荷降ろし動作が完了する。
次に、「荷積み動作」について図8を用いて説明する。
前述した荷降ろし動作完了後において、第二仮置位置かつ下位置にある前姿勢のフォーク9は、下位置かつ前姿勢のまま、左右方向においてその旋回軸部21aの位置が、荷台40の荷積用仮置部42aに載置されているワーク4aをすくい上げ可能な位置まで移動される(図8(a)参照)。以下、このフォーク9の旋回軸部21aの荷積用仮置部42aに対応する左右方向の位置を「第一仮置位置」とする。つまり、フォーク9の第一仮置位置は、この時点で荷台40の左側部分である荷積用仮置部42aに対応する位置であるため、フォーク9の左右方向の移動範囲において左右方向中心よりも左側の位置となる。
第一仮置位置まで移動されたフォーク9は上位置まで上昇され、これにともない荷積用仮置部42a上のワーク4aが持ち上げられる。
荷積用仮置部42a上のワーク4aをすくって上昇したフォーク9は、左右姿勢となるように略90°旋回される(図8(b)参照)。このフォーク9の旋回にともない、ワーク4aの長手方向が前後方向となる。
上位置かつ第一仮置位置で左右姿勢となったフォーク9は、その状態のまま旋回軸部21aが設備側位置へと移動される(図8(c)参照)。
ワーク4aを支持して設備側位置へと移動された左右姿勢のフォーク9は、下位置へと下降される。この際、フォーク9が加工設備2xの載置台2aの凹部2b内まで下降されることによりワーク4aが載置台2aの載置面へ載置される。
設備側位置で下位置とされた左右姿勢のフォーク9は、右側へと移動される(図8(d)参照)。ここで、フォーク9は、その旋回軸部21aが左右方向において第一仮置位置と第二仮置位置との間の略中央部位置まで戻される。以下、このフォーク9の旋回軸部21aの左右方向における第一仮置位置と第二仮置位置との間の略中央部の位置を「中央位置」とする。
左右姿勢のフォーク9が中央位置に戻されることにより、ワーク4aの「荷積み動作」が完了する。そして、荷積み動作を終えた走行型ロボット装置1は、次の加工設備2に対する所定の停止位置まで移動し、前記と同様の荷降ろし動作及び荷積みを行い、加工ラインにおいて必要な回数繰り返すこととなる。このように、荷降ろし動作が行われる前にワーク4aが載置されていた荷台40の荷積用仮置部42aは、荷積み動作終了後には荷降用仮置部42bとなり、同じく荷降用仮置部42bは荷積用仮置部42aとなる(図8(d)参照)。
以上、走行型ロボット装置1の左側に配置される加工設備2xに対するワーク4の移載動作について説明したが、右側に配置される加工設備2に対しても同様にしてワーク4の移載動作を行うことができる。すなわち、走行型ロボット装置1においては、ロボット6のアーム7及びフォーク9は略左右対称に動作できるように構成され、これらの動作に対し荷台40も略左右対称となるように配置構成される。
右側の加工設備2に対してワーク4の移載動作を行う場合は、前述した左側の加工設備2xに対するワーク4の移載動作におけるフォーク9の左右姿勢が、フォーク9が右側を向いた状態、即ちフォーク9がその先端を右側にあるワーク4に向けて左右方向と略平行方向である状態となる。また、フォーク9の設備側位置も、右側の加工設備2に対する位置となる。
このように、本実施形態の走行型ロボット装置1においては、フォーク9の旋回軸部21aの左右方向の停止位置としては、前述した中央位置、第一仮置位置、第二仮置位置及び左右の設備側位置の五箇所設定されている。また、フォーク9の上下方向(昇降方向)の停止位置としては、前述した上位置と下位置との二箇所が設定されている。また、フォーク9の姿勢(旋回状態)としては、前述した左右姿勢と前姿勢とが設定されている。
ところで、加工設備2においては、そのワーク4に施す加工内容が例えば切削加工の場合など、冷却用のクーラントが用いられる場合がある。こうした場合、前述したようなロボット6によるワーク4の移載動作が行われる際にワーク4に付着しているクーラントが滴下したり、あるいは加工設備2においてワーク4に加工が施される際にクーラントが飛散したりする。
このような切粉などを含むクーラントに対しては、従来、加工設備2の内部などにおいてフォーク9上のワーク4を旋回させたりワーク4にエアブローを施したりすることで除去されていた。また、床面15における走行型ロボット装置1の走行域や加工設備2に設けられるオイルパンにより回収されていた。
しかし、ワーク4には除去しきれないクーラントが残留し、ワーク4に付着したクーラントの残留分は滴下して走行型ロボット装置の走行域に飛散することとなっていた。また、床面15にオイルパンを設ける場合、走行型ロボット装置との干渉を避ける等のためにスペース上の制約が大きく、走行型ロボット装置の移動範囲の周辺にはオイルパンを設けることができず、クーラントを十分に回収することができなかった。
走行型ロボット装置1の走行域を含むその周辺の床面(作業床面)は、作業者によるメンテナンススペースとなる場合があるため、クーラントの飛散は防止する必要がある。また、ワーク4から滴下するクーラントをそのまま放置すると、床面や走行レール3を汚染することとなり、走行レール3における走行台5の走行の妨げとなるため、定期的な清掃が必要となる。さらに、ワーク4から滴下するクーラントは、各種ケーブルのコネクタ部などに浸入することで故障の原因となることも考えられる。
他方、走行台車にオイルパンが取り付けられているロボット走行装置も従来から提案されているが、走行台車に連結されその移動を妨げることなくロボット走行装置に必要な動力(電力)や制御信号などを供給するためのケーブルベア(登録商標)等との配置関係上、オイルパンのカバーできる範囲が制限されていた。
そこで、走行型ロボット装置1は、走行台5上に、ロボット6によるワーク4の積み降ろしの際に滴下するクーラントや加工設備2でのワーク4の加工の際に飛散するクーラントを回収するためのクーラント回収手段としてのオイルパン25を備えている。
オイルパン25は、図1等に示すように、走行台5上における平面視でのフォーク9の移動範囲を略全部含み、クーラントを受けるとともに一部または全部が少なくとも一側に向けて下る斜面を有する受面26を備える。
オイルパン25の具体的な構成について図1及び図3〜図6を用いて説明する。なお、図3においては便宜上、オイルパン25の図示を省略している。
クーラントを受ける前記受面26は、オイルパン25を構成する底板部25aにより構成される。つまり、底板部25aの上面が受面26となり、底板部25aは、本実施形態においては略矩形板状に構成される。
また、受面26は、その一部または全部が少なくとも一側に向けて下る斜面となるように構成される。本実施形態においては、受面26は全体として右側にかけて下る斜面となるように構成されている。つまり、オイルパン25においては、受面26を構成する板状の底板部25aが右側にかけて下るように傾けられた状態となる。
また、受面26の周囲には側壁面27が設けられている。側壁面27は、受面26の周囲に設けられ、受面26上のクーラントを該受面26上に保持するものであり、オイルパン25において底板部25aの周縁に構成される側壁部25bにより構成される。つまり、側壁部25bの内面が側壁面27となり、該側壁面27は、本実施形態においては、底板部25aから略鉛直上方に設けられる側壁部25bにより、前記受面26から略鉛直上方に設けられる。
すなわち、側壁面27を構成する側壁部25bは、底板部25aの周縁(各辺部)において該底板部25aを囲むように設けられる。本実施形態のように、オイルパン25が走行台5上に設けられた状態で、側壁部25bの上端の高さ位置がその全周に亘って略同一となるようにした場合、側壁面27の受面26からの高さは、該受面26の傾斜により下側となる右側にかけて傾斜に沿って高くなる。
このように、オイルパン25は、受面26を構成する底板部25aと、側壁面27を構成する側壁部25bとにより構成され、走行台5の基台18に対して図示せぬ支持部材を介して設けられる。そして、走行台5上に設けられた状態で平面視略矩形状となるオイルパン25は、その側壁部25bの対向する一対の辺部が前後または左右方向に沿うように(側壁部25bの各辺部が前後左右方向に沿うように)して走行台5の基台18上に設けられる。
ここで、オイルパン25は、その底板部25aに、前記昇降体31の昇降移動を許容するための開口部25cを備えるとともに(図1参照)、前記走行装置19及び荷台40の脚部43を貫通させた状態で設けられる。開口部25cの周縁部には、受面26上のクーラントが該開口部25cから落下するのを防止するための周壁25dが設けられている(図1参照)。
以上のように構成されるオイルパン25により、ロボット6によるワーク4の積み降ろしの際に滴下するクーラントや加工設備2でのワーク4の加工の際に飛散するクーラントが回収される。すなわち、ワーク4から滴下したり飛散したりするクーラントが、オイルパン25の受面26により受けられ、受面26上のクーラントは、受面26の傾斜により該受面26の一辺側(一部)に集まるとともにとともに側壁面27により受面26上に保持される。これにより、オイルパン25においては、受面26の傾斜が下る側にクーラントが溜まることとなる。
このため、オイルパン25は、その受面26が、走行台5上における平面視でのフォーク9の移動範囲を含むように(網羅するように)構成される。具体的に受面26が略矩形状に構成される本実施形態においては、前後方向については、少なくともフォーク9の左右方向の移動位置(ガイドフレーム33等が設けられる位置)よりも後側から、荷台40の前端よりも前側までの長さを備え、左右方向については、走行型ロボット装置1の走行を妨げないように左右の加工設備2の走行レール側側面2eに対して若干の隙間が設けられる長さを備える。
また、オイルパン25において、受面26上のクーラントを一側に集めるため斜面となる受面26に関し、その傾斜させる方向は、本実施形態のように一側(右側)に向けて下る場合に特に限定されず、例えば、左側に向けて下るように傾斜させたり、前後方向あるいは前後左右方向に対して斜め方向に傾斜させたりしてもよい。
また、受面26は、本実施形態のように全部が一側(右側)に向けて下る斜面である場合に特に限定されず、その一部に少なくとも一側に向けて下る斜面を有すればよい。例えば、受面26は、該受面26上のクーラントが受面26の傾斜によって一側(一部)に集まり易くするため、底板部25aを波状板として波状面としたり、底板部25aを屈曲させる等して複数段階あるいは複数方向に傾斜する斜面としたり、凹部を有する面としたり、曲面としたりしてもよい。さらに、受面26は、前記側壁面27を含めた連続的な曲面としてもよい。
すなわち、オイルパン25においては、その受面26によって受けるクーラントが自重によって一部に集まるような斜面を有するように受面26が構成されればよい。
ただし、オイルパン25の受面26においてクーラントを集める位置(斜面を下らせる側)としては、走行装置19の駆動ローラ19aと走行レール3aとの接触部に漏下して走行を妨げることを回避する観点からは、受面26を貫通した状態となる走行装置19の近傍は避けることが好ましい。
このように、走行台5上にオイルパン25を設けることにより、ロボット6によるワーク4の積み降ろしの際などに滴下するクーラントを効率良く回収することが可能となり、クーラントの回収率を向上することができる。
すなわち、対向する加工設備2間の走行型ロボット装置1の走行域において飛散することとなるクーラントのうち主な部分となる、ロボット6による加工設備2と荷台40との間におけるワーク4の積み降ろしの際に滴下するクーラントを、走行型ロボット装置1自身が備え、フォーク9の旋回範囲を網羅するように構成される受面26を有するオイルパン25により回収することができるので、クーラントの回収率を向上することができる。
また、床面15にオイルパンを設ける場合と比較して、走行型ロボット装置1の走行による該走行型ロボット装置1との干渉を考慮する必要がないので、スペース上の制約が小さくなる。また、床面15に対するクーラントの飛散を効率的に防止することができることから、定期的な清掃を行うことなく、作業者によるメンテナンススペースを清潔に保つことができる。
オイルパン25において貯留されるクーラントは、走行型ロボット装置1が走行する加工ラインにおける所定の位置(例えば、走行型ロボット装置1が周期的な走行を行う場合は、その原位置(スタート位置)など)において定期的に図示せぬクーラントタンクに回収されリサイクルされる。
オイルパン25内のクーラントをクーラントタンクに回収させるための構成は特に限定されるものではないが、例えば次のような構成が考えられる。
オイルパン25においてクーラントが集められる位置(本実施形態においてはオイルパン25の右端部分)の近傍の底板部25aまたは側壁部25bに、クーラントの排出口を設けるとともに該排出口の開閉を行うバルブ機構を構成する。このバルブ機構により、オイルパン25内のクーラントが定期的に自動回収される構成とする。バルブ機構としては、簡易な構成としてメカバルブが好適に用いられる。
すなわち、オイルパン25側のメカバルブには、走行型ロボット装置1の走行にともなう押圧作用などによって作動するロッド等の作動部を設ける一方、加工ライン側には、走行型ロボット装置1が所定の位置(例えば原位置)に達した状態で前記作動部に作用してバルブを開状態とする凸部などの係合部を設ける。
そして、走行型ロボット装置1が所定の位置にあり、前記係合部によって前記作動部が作動した状態では、例えばパイプ等のクーラント通路を介してオイルパン25内のクーラントがクーラントタンクに回収されるような構成とし、この所定の位置に走行型ロボット装置1を一定時間(例えば、5秒間)停止させるように制御する。ここで、オイルパン25内のクーラントをクーラントタンクに効率よく導くためにポンプ等を用いて吸引する構成としてもよい。
このようにして、走行型ロボット装置1の加工ラインにおける走行に際して定期的にオイルパン25内のクーラントを自動回収する構成とする。
また、走行型ロボット装置1においては、ロボット6によるワーク4の積み降ろしの際などに滴下するクーラントに対し、昇降体31の上方であって、ロボット6によるフォーク9の移動や旋回を妨げない位置となるガイドフレーム33の下方にクーラントカバー28が設けられている。
クーラントカバー28は、昇降体31及び該昇降体31の昇降を許容するための基台18の開口部18e及びオイルパン25の開口部25cを上方から覆うように略矩形状に構成されるとともに、上面が周縁に向けて下る斜面となるように構成される。つまり、クーラントカバー28は、その上面に滴下するクーラントが流れ落ちて、オイルパン25の受面26上に落下するような形状(例えば、勾配のある屋根状や傘状)に構成される。
このような構成のクーラントカバー28が、昇降体31の上方かつガイドフレーム33の下方において、昇降体31上にガイドフレーム33を支持するための支持部材36を貫通させた状態で、該支持部材36を介して、あるいは図示せぬ支持部材を介して設けられる。
このように、クーラントカバー28を設けることにより、ロボット6によるワーク4の積み降ろしの際などに滴下するクーラントが、昇降体31の昇降を許容する前記基台18の開口部18e及びオイルパンの開口部25cから床面15に落下したり、昇降体31が有する形状(凹凸)によって該昇降体31自体に溜まったりすることを防止することができ、オイルパン25の範囲内において滴下するクーラントをより効率よく回収することができる。
また、前記開口部18e及び25cからクーラントが落下することが防止されることにより、昇降体31を昇降させるための動力伝達機構へのクーラントによる影響を回避することができる。
一方、加工設備2におけるワーク4の加工などにより生じるクーラントが、走行型ロボット装置1側に飛散したり落下したりすることを防止するため、図9に示すように、各加工設備2には加工側カバー29を設けることもできる。図9は加工ラインにある走行型ロボット装置の一部省略背面図である。
加工側カバー29は、例えば図9に示すように略L字状に折曲げ形成される板状部材により構成され、加工設備2の基台2d上に沿う支持部29aと、該支持部29aの走行型ロボット装置1側端部において略鉛直上方に立設される壁部29bとを備える構成とする。
加工側カバー29は、各加工設備2において前後方向に所定の間隔を隔てて設けられ、走行型ロボット装置1のロボット6によるワーク4の移載動作が妨げられない範囲で設けられる。
この加工側カバー29により、加工設備2におけるワーク4の加工やロボット6によるワーク4の積み降ろしによって基台2d上に滴下したクーラントが、床面15における走行型ロボット装置1の走行域に落下することが防止される。
また、基台2d上に設けられる加工側カバー29は、その壁部29bが基台2dの上面において走行型ロボット装置1側へ若干突出するように設けられ、平面視において走行型ロボット装置1に設けられるオイルパン25の左右側端部と一部重なるようにして配設される。
すなわち、オイルパン25は、前述したようにその左右両側において走行型ロボット装置1の走行を妨げないように加工設備2の走行レール側側面2eに対して若干の隙間を隔てているところ、この隙間が、加工側カバー29が設けられる部分において上側からカバーされるように加工側カバー29が設けられる。
これにより、加工側カバー29が設けられる部分においては、オイルパン25とその左右両側における加工設備2の走行レール側側面2eとの間からクーラントが落下することを防止することができるので、床面15の走行域に飛散することとなるクーラントを減少することができる。
また、ロボット6によるワーク4の積み降ろしの際に滴下するクーラントや加工設備2でのワーク4の加工の際に飛散するクーラントに対しては、それを回収するための手段として回収ダクト24が設けられている。なお、図3においては便宜上、回収ダクト24の図示を省略している。
回収ダクト24は、樋状に構成され、加工設備2のワーク4から飛散するクーラントや移載されるワーク4から滴下するクーラントを受けて所定の方向(場所)に導くものであり、走行型ロボット装置1に設けられるオイルパン25の下方において各加工設備2の走行レール側側面2eに略接するように前後方向に延設される。ここで、回収ダクト24は、走行レール3上を走行する走行型ロボット装置1と干渉しないように設けられる。
回収ダクト24は、その受けたクーラントが所定の方向に導かれるように、例えば図1や図6に示すように、一側(本実施形態においては前側)に下るように傾斜姿勢で設けられる。回収ダクト24は、走行レール3あるいは加工設備2に対して図示せぬ支持部材により支持され所定の姿勢で設けられる。
回収ダクト24により受けられて導かれるクーラントは、クーラントタンク等により回収されたり、所定の場所に排出されたりする。クーラントがクーラントタンクにより回収されてリサイクルされる場合は、回収ダクト24がクーラントを導く所定の場所にクーラントタンクが設けられ、このクーラントタンクに回収ダクト24が接続される等して、該回収ダクト24からのクーラントが回収される構成となる。
なお、回収ダクト24は、図示においては右側に設けられる回収ダクト24のみとなっているが、左右片側であっても両側であってもよく、例えば走行型ロボット装置1を走行させるための走行装置19による動力伝達構成の配設位置などによって適宜設けられる。
続いて、走行型ロボット装置1におけるケーブルベア(登録商標)について説明する。
一般に、走行レール3上を移動する走行型ロボット装置1のように一定の軌道上を移動するロボット装置等に対し、その移動に追従するとともにその移動を妨げないように動力供給ラインや制御信号ライン等を接続するためのケーブルベアが用いられる。
本実施形態に係る走行型ロボット装置1に対しては、ロボット6や走行装置19やサーボモータ32等に、電力や油圧などの動力を供給するためやコントローラ等に対する制御信号を送受信するためのケーブルを収容する、ケーブルの収容部材としてのケーブルベアが、走行台5に連結される。
こうしたケーブルベアは、例えば、矩形状のフレーム等の連結要素群が一列に並んだ状態でピンにより互いに回動可能に連結されて蛇腹状に構成される等して屈曲可能に構成され、各種ケーブルを内包する空間を備えるとともに走行ロボット等の移動に追従できるように構成される。
従来、所定の走行レールを走行するロボット装置に連結されるケーブルベアは、ロボット装置の左右方向略中央部において、その一端側が走行台車に連結されるとともに側面視でU字型となるように(屈曲方向が上下方向となるように)折り返された状態で敷設され、その折り返し部分の形状が維持された状態で走行台車の移動に追従するとともにその移動を妨げることなく処理されていた。
しかし、ケーブルベアが、その折り返し部分が側面視でU字型となるように設けられた状態で処理される構成の場合、次のような問題点があった。
すなわち、ケーブルベアが側面視でU字型となるように折り返されて設けられる場合、ケーブルベアの上面の面積(平面視形状の面積)が大きくなりやすく、前述したようなクーラントが付着する面が大きくなる。ケーブルベアに付着するクーラントは、連結要素の連結部からケーブルベア内部に流入し、各種ケーブルのコネクタ部などに浸入することで故障の原因となることも考えられる。
また、ケーブルベアが側面視でU字型となるように折り返されて走行レールの左右方向略中央部に配された状態で敷設されると、走行レールが敷設される床面上に大きく突出した状態となるので、ロボット装置などのメンテナンススペースの確保が困難となり、外観上も改善の余地がある。
そこで、本実施形態に係る走行型ロボット装置1においては、図1に示すように、走行台5に連結されるケーブルの収容部材としてのケーブルベア45を、平面視略U字型に折り返すとともに走行台5が走行する走行レール3に沿わせて配置する構成としている。
ケーブルベア45の具体的な構成について、図1及び図10を用いて説明する。図10は走行型ロボット装置及びそのケーブルベアを示す平面図である。
図1及び図10に示すように、ケーブルベア45は、その一端側が走行レール3の端部などにおいて固定されるとともに、走行型ロボット装置1の前方において平面視略U字型となるように折り返され、他端側が走行台5の基台18の下側に設けられる図示せぬ連結部に連結されること等により走行台5に連結される。そして、走行レール3の内側、つまり左右のレール3a・3bの間において各レール3a・3bに沿うようにして配されている。
すなわち、図10に示すように、ケーブルベア45は、レール3aの内側に沿う固定連結側直線部45aと、レール3bの内側に沿う移動連結側直線部45bと、これらの折り返し部分であって平面視略半円状となる折り返し部45cとを有し、平面視略U字型に折り返された状態で設けられる。そして、平面視略U字型に折り返された形状を保ちながら走行台5の移動に追従する。言い換えると、ケーブルベア45は、走行台5の移動にともなって固定連結側直線部45aと移動連結側直線部45bとの長さを変えながら折り返し部45cの位置を変えることによって走行台5の移動に追従し処理される。
このように、平面視略U字型に折り返された形状を保った状態で処理されるケーブルベア45においては、その形状を維持させるための強制力を付与するための形状維持手段46が付設される。
形状維持手段46は、例えば、互いに屈曲可能に一列に連接される複数の板バネ等により構成され、これがケーブルベア45の内側面に貼設あるいは相対的に移動可能に付設されること等によって設けられる。
この形状維持手段46により、ケーブルベア45の内側からケーブルベア45の変形(折り返し部45cの移動)を妨げることなく折り返し部45cの形状を維持させるための強制力を付与する。
なお、形状維持手段46の構成は特に限定されるものではなく、前述したようなケーブルベア45の形状を維持させた状態での走行台5の移動に対する追従を可能とするものであればよい。
以上のように、平面視略U字型に折り返されて走行レール3に沿うように処理されるケーブルベア45により、走行台5の移動を妨げることなくその移動に追従して、走行型ロボット装置1に必要な動力の供給や制御信号の送受信が行われる。
ケーブルベア45をこのような構成とすることにより、ケーブルベアの上面の面積を比較的小さくすることが可能となり、ケーブルベアに付着するクーラントの量を少なくすることができてケーブルベア内に収容される各種ケーブルの信頼性を向上することができる。
また、ケーブルベア45が走行レール3に沿うように処理されることで、両レール3a・3b間のスペースを有効利用することができ、メンテナンススペースの確保などが容易となる。
さらに、ケーブルベア45を走行レール3から上方に突出させることなく敷設することが可能となるので、見た目をすっきりさせることができ、外観の向上を図ることができる。
また、前述したように走行台5上に設けられるオイルパン25との関係において、該オイルパン25とケーブルベア45とを互いに干渉させることなくそれぞれ設けることが可能となる。
続いて、ワーク支持体としてのフォーク9の構成について説明する。
従来、走行型のロボット装置などにおけるロボットによるワークの支持は、クランプ爪を有するロボットハンド等によるクランプ方式により行われていた。すなわち、ロボットのアームの先端部などにワークを掴むためのクランプ爪が備えられ、同じくアームに備えられるピン等が挿入されて位置決めされたワークがクランプ爪により掴まれ、その状態で支持されてワークの移載が行われていた。
このように、ロボットによるワークの移載に際し、クランプ方式によってワークが支持される構成の場合、次のような問題があった。
すなわち、前記のようなクランプ方式においては、ワークが持ち上げられる際は、アームのワークに対する位置決め及びクランプ爪による把持などの動作、また、ワークが載置される際は、クランプ爪による把持の解除などの動作がそれぞれ必要であり、アームに対するワークの着脱に際し長い時間を要していた。このため、ワークの積み降ろしにかかるサイクルタイムが長くなっていた。
また、複数の加工設備によりワークの加工が行われる加工ラインにおいては、加工設備によってワークの姿勢が変わる場合があり、ワーク姿勢が変わるとクランプ爪により掴まれる部分の位置や形状が変わることから、複数のワーク姿勢に対応してワークの着脱を行うことが困難であった。つまり、複数のワーク姿勢に対してのワークの着脱が困難となっていた。
また、クランプ方式を採用するためロボットのアームに設けられるクランプ機構が複雑となるため、コストの増加を招き、段取り替え時間(現時点でのワークの加工の終了時から、次に生産する部品のための治工具類の交換を経て、次の製品の良品一個目ができるまでの時間)も長くなっていた。
また、ロボット装置などにおいて、ロボットのアームに備えられるフォーク(フィンガ等と称される場合もある)によりワークをすくい上げ、このフォーク上にワークを載置支持した状態での移載が一般的に行われている。
しかし、フォークによるワークの移載においては、ワークがフォーク上において載置された状態でのみ支持され、フォークに対するワークの位置決めがなされず、移載されるワークによっては、フォークによる支持位置が安定なかったり、フォークの移動中にワークがずれたりするおそれがある。
そこで、走行型ロボット装置1において、ワーク4をすくい上げるフォーク9には、ワーク4の下面側における釣合い位置近傍でワーク4に嵌合することで位置決めをし、かつ複数のワーク姿勢に対応可能な位置決め手段としての治具が設けられている。
治具は、フォーク9においてワーク4をすくい上げる面、即ちフォーク9の上面(以下、「フォーク上面9a」という。)側などに設けられるものであり、ワーク4の下面側における釣合い位置近傍の形状に対応して嵌合可能な形状を備える。つまり、フォーク9がワーク4の下面側にあてがわれることにより、治具がワーク4の下面側の形状に対して嵌合し、フォーク9に対するワーク4の位置決めが行われ、その状態でワーク4が支持される。そして、治具は、加工ラインにおいて姿勢が変わるワーク4に対し、少なくとも二種類のワーク姿勢に対応できる(嵌合して位置決めできる)形状を備える。
以下、治具の具体的な構成について、本説明においてワーク4となるシリンダブロック(四気筒)の場合を例に、図11から図16を用いて説明する。
図11はフォークに設けられる治具の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、図12はワークの一面側に対する治具の嵌合状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、図13はワークの他面側に対する治具の嵌合状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
また、図14はフォークに設けられる治具の他の例を示す斜視図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、図15はワークの一面側に対する治具の嵌合状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、図16はワークの他面側に対する治具の嵌合状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
なお、図12、図13、図15及び図16においては、治具とワーク4との嵌合状態を示す便宜上、ワーク4については、その下面側の形状を表すため、下面側から所定の高さ位置における断面形状を示している。つまり、これらの図に示されるワーク4の形状は、ワーク4の下面側における下方に向かう凹凸形状を表すことになる。
まず、図11から図14を用いて、フォーク9に設けられる位置決め手段としての治具の一例である治具50について説明する。
図11に示すフォーク9上の治具50は、略水平面となるフォーク上面9aに対して、ワーク4の下面側形状に嵌合可能な形状を構成するように凸設される。本実施形態における治具50は、複数(四個)の嵌合体51〜54が、フォーク上面9aにおける所定の位置(ワーク4の下面側形状に対応する位置)に配設されることにより構成される。この治具50により、図12及び図13に示すような形状を有するワーク4に対する位置決めが行われる。
本実施形態において、治具50を構成する各嵌合体51〜54は、ボルト等の締結具55によりフォーク9に着脱可能に固定される。ただし、各嵌合体51〜54のフォーク9に対する固定方法は特に限定されず、各嵌合体51〜54がフォーク9と一体形成される構成であってもよい。
図12は、シリンダブロックであるワーク4が、その一面側を下とした姿勢(具体的には、シリンダブロックにおいてオイルパン側を下面側とした姿勢であり、シリンダボアが開口するヘッド側を上面側とする姿勢)で治具50により位置決めされた状態を示しており、図13は、同じくシリンダブロックであるワーク4が、その他面側を下とした姿勢(具体的には、図12の場合と反対面側を下とした姿勢であり、ヘッド側が下面側となる姿勢)で治具50により位置決めされた状態を示している。
以下においては、図12に示すワーク4の姿勢をワーク4の正立姿勢とし、図13に示すワーク4の姿勢をワーク4の倒立姿勢とする。
このように、図11に示す治具50は、加工ラインにおいて変えられるワーク4の前記二つの姿勢、即ち正立姿勢と倒立姿勢に対応することができ、それぞれの姿勢における下面側の形状に対し、その釣合い位置近傍で嵌合することによってワーク4の位置決めを行うように構成されている。つまりこの場合、前述した複数のワーク姿勢とは、ワークの正立姿勢と倒立姿勢を示すこととなる。
先に、正立姿勢のワーク4に対する位置決めについて説明する。
図12に示すように、ワーク4の正立姿勢については、その略長方形となる下面側において、周縁部が下方に突出するとともに、長手方向の両辺部47a・47bから短手方向に対向する突条が複数形成されている。これら複数の突条のうち、ワーク4の下面側における釣合い位置近傍にある突条48a・48bの部分が、フォーク9上の治具50に嵌合することにより、正立姿勢のワーク4がフォーク9上にて位置決めされる。
正立姿勢のワーク4の下面側における突条48a・48bは、それそれ平面視略長方形状であり、ワーク4の正立姿勢での下面側において、長手方向略中央部で短手方向に対向する方向に前記両辺部47a・47bから延出される。
このような正立姿勢のワーク4の下面側の形状に嵌合してワーク4を位置決めさせるため、治具50は次のような形状を備えている。
すなわち、一方の突条48aに対応する形状として、治具50を構成する一つの嵌合体51(図11(b)等に示す平面視で左上に配置される嵌合体)が、突条48aの一部を嵌合させる凹部51aを備えている。つまり、嵌合体51は、突条48aの形状に沿うように平面視で略凹状あるいは略U字状となる凹部51aを備え、この凹部51aに突条48aを嵌合させる。
また、他方の突条48bに対応する形状として、治具50を構成する他の二つの嵌合体53・54(図11(b)等で下側に配置されそれぞれ平面視略L字状に形成され左右略対称に配置される二つの嵌合体)が設けられている。つまり、これら二つの嵌合体53・54は、突条48bを間に挟んだ状態であって該突条48bと連続する辺部47bの内側に沿うことでワーク4の下面側に嵌合している。
このように、正立姿勢のワーク4に対しては、治具50のうち、嵌合体51、53及び54が用いられる(嵌合する)ことによりワーク4の位置決めが行われる。なお、ここで用いられない嵌合体52(図11(b)等で右上に配置される嵌合体)は、正立姿勢のワーク4の下面側において凹部となる部分などに対応する位置に配され、フォーク上面9aに対するワーク4の載置の妨げとならないように設けられる。
次に、倒立姿勢のワーク4に対する位置決めについて説明する。
図13に示すように、ワーク4の倒立姿勢については、その下面側において、各気筒に対して設けられるシリンダボアの部分が凹部となる。このため、四気筒エンジンのシリンダブロックにおいて一列に配される四つのシリンダボアのうち、ワーク4の下面側における釣合い位置近傍となる中央の二つの隣り合うシリンダボア49a・49bに対して治具50が嵌合することにより、倒立姿勢のワーク4がフォーク9上で位置決めされる。
具体的には、シリンダブロックにおいて穴部となるシリンダボアは、倒立姿勢のワーク4の下面側において凹部となるため、この凹部に対し治具50を嵌合させることで、前記中央の二つの隣り合うシリンダボア49a・49bの内周面及び各シリンダボア49a・49bの間に形成され両シリンダボア間を隔てる壁部49cが用いられてワーク4が位置決めされる。
このような倒立姿勢のワーク4の下面側の形状に嵌合してワーク4を位置決めさせるため、治具50は次のような形状を備えている。
すなわち、前記二つのシリンダボアのうち一方のシリンダボア49aに対応する形状として、治具50の嵌合体51が、シリンダボア49aの内周面形状に沿う曲面部51bを備え、前記凹部51aを含みシリンダボア49aの内周面形状に沿う形状を備えている。
つまり、嵌合体51は、前記のとおり正立姿勢のワーク4の下面側に対応するための凹部51aを備えるとともに、一方のシリンダボア49aに対応する位置に配され、倒立姿勢のワーク4の下面側に対してシリンダボア49a内に嵌ることでワーク4の位置決めを行う。
また、他方のシリンダボア49bに対応する形状として、前記嵌合体52が設けられている。つまり、嵌合体52は、嵌合体51の前記曲面部51bに対向するようにシリンダボア49bの内周面形状に沿う曲面部52aを備えており、他方のシリンダボア49bに対応する位置に配され、倒立姿勢のワーク4の下面側に対してシリンダボア49b内に嵌ることでワーク4の位置決めを行う。
したがって、これら二つの嵌合体51・52により、倒立姿勢のワーク4の下面側において両シリンダボア49a・49bを隔てる壁部49cを挟んだ状態でワーク4の位置決めがなされる。
このように、倒立姿勢のワーク4に対しては、治具50のうち、嵌合体51及び52が用いられる(嵌合する)ことによりワーク4の位置決めが行われる。なお、ここで用いられない前記嵌合体53及び54は、倒立姿勢のワーク4の下面側と干渉しない位置に配され、フォーク上面9aに対するワーク4の載置の妨げとならないように設けられる。
次に、図14から図16を用いて、フォーク9に設けられる位置決め手段としての治具の他の例である治具60について説明する。
一般に、走行型ロボット装置が用いられる加工ライン等におけるワークは、その加工過程において部品が取り付けられること等によって形状が変わることがある。次に説明する治具60は、前述した治具50により対応可能な形状のワーク4に、加工ラインにおける加工過程で部品が取り付けられること等により、フォーク9によりすくい上げられる面側の形状が変わった場合に対応してワーク4の位置決めを行うものである。
すなわち、シリンダブロックであるワーク4の一連の加工過程において、ワーク4に部品が取り付けられること等によって下面側の形状が変わる前の工程(前工程)においては、前述した治具50が用いられ、下面側の形状が変わった後の工程(後工程)においては、次に説明する治具60が用いられる。
ここで、前工程におけるワーク4と後工程におけるワーク4それぞれに対応してフォーク9上における位置決めが行われるためには、いずれの工程も一台の走行型ロボット装置1によりワーク4の移載が行われる場合は、工程が変わる際に治具50と治具60とが付け替えられる。一方、工程ごとに別の走行型ロボット装置1が用いられる場合は、各走行型ロボット装置1のフォーク9に、それぞれの工程に対応する治具50または治具60が備えられることとなる。
以下、加工ラインにおける加工過程において、シリンダブロックであるワーク4に対し、各気筒間に設けられる軸受キャップ(以下、単に「キャップ」という。)4cが取り付けられることにより、正立姿勢のワーク4の下面側の形状が変わった場合、それに対応してワーク4の位置決めを行う治具60について説明する。キャップ4cは、シリンダブロックのオイルパン側にボルト等によって締結固定され、正立姿勢のワーク4の下面側において下方に向かう突部を構成することとなる。
図14に示すフォーク9上の治具60は、前記治具50と同様、略水平面となるフォーク上面9aに対して、ワーク4の下面側形状に嵌合可能な形状を構成するように凸設される。本実施形態における治具60は、平面視略H状に形成される一体の嵌合体61により構成される。この治具60により、図15及び図16に示すような形状を有するワーク4、つまり図12及び図13に示すワーク4のオイルパン側の面側にキャップ4cが取り付けられたワーク4に対する位置決めが行われる。
本実施形態において、治具60を構成する嵌合体61は、ボルト等の締結具65によりフォーク9に固定される。ただし、嵌合体61のフォーク9に対する固定方法は特に限定されず、嵌合体61がフォーク9と一体形成される構成であってもよい。
図15は、図12と同様、ワーク4が正立姿勢で治具60により位置決めされた状態を示しており、図16は、図13と同様、ワーク4が倒立姿勢で治具60により位置決めされた状態を示している。
このように、図14に示す治具60は、キャップ4cが取り付けられたワーク4の正立姿勢と倒立姿勢に対応することができ、それぞれの姿勢における下面側の形状に対し、その釣合い位置近傍で嵌合することによってワーク4の位置決めを行うように構成されている。
先に、正立姿勢のワーク4(キャップ4c付き)に対する位置決めについて説明する。
図15に示すように、ワーク4の正立姿勢については、その下面側において、図12を用いて説明した形状に加え、各気筒間において短手方向に対向する一対の突条に対し、それぞれキャップ4cが取り付けられている。これら複数のキャップ4cのうち、前記治具50において位置決めされる部分である突条48a・48b間に取り付けられるキャップ4cと、これら突条48a・48bの隣に位置する突条48c・48d間に取り付けられるキャップ4cとが、フォーク9上の治具60に嵌合することにより、正立姿勢のワーク4がフォーク9上にて位置決めされる。
正立姿勢のワーク4の下面側に取り付けられる各キャップ4cは、突条の対向方向に長い略直方体状の外形を有し、この各キャップ4cの外形形状が、正立姿勢のワーク4の下面側において下方に突出することとなる。
このような正立姿勢のワーク4の下面側の形状に嵌合してワーク4を位置決めさせるため、治具60は次のような形状を備えている。
すなわち、フォーク上面9a上において凸設される治具60を構成する嵌合体61は、正立姿勢であるワーク4の下面側の形状における短手方向の長さと略同一長さあるいはそれを含む長さに形成され、ワーク4の下面側を載置支持する載置面61aを備えるとともに、この載置面61aに対してキャップ4cを嵌合させるための凹部61b・61cを備えている。つまり、一方(図15(b)等において右側)の凹部61bに前記突条48a・48b間に取り付けられるキャップ4cが、他方(図15(b)等において左側)の凹部61cに前記突条48c・48d間に取り付けられるキャップ4cがそれぞれ嵌るとともに、載置面61aによりワーク4の下面側における複数の突条部分や辺部47a・47bの部分が載置した状態となる。
したがって、正立姿勢のワーク4が治具60に嵌合して位置決めされた状態では、前記二つのキャップ4cが、両凹部61b・61c間に形成される縦ガイド部61dを挟んだ状態となり、この縦ガイド部61dの両端部に形成され縦ガイド部61dとともに載置面61a及び凹部61b・61cを形成する横ガイド部61e・61e間において位置決めされた状態となる。
このように、正立姿勢のワーク4については、治具60に対して凹部61b・61cにキャップ4cが嵌合するとともに他の部分が載置面61aに載置支持され、キャップ4cを介してワーク4の位置決めが行われる。このため、治具60のフォーク上面9aからの高さ(治具60の厚さ)は、少なくともワーク4の下面側におけるキャップ4cの突出部分の長さよりも高く形成される。
次に、倒立姿勢のワーク4(キャップ4c付き)に対する位置決めについて説明する。
図16に示すように、ワーク4の倒立姿勢については、その下面側の形状はキャップ4cの影響を受けず、図13に示す場合と略同一である。
そして、治具60においては、倒立姿勢のワーク4の下面側の形状に対して、前記シリンダボア49a・49bの近傍に設けられる穴部49d(具体的にはシリンダヘッド取り付け用ボルト穴)に対応する複数のピン部61fが設けられている。
ピン部61fは、治具60における載置面61aから上方に突設されるものであり、本実施形態においては、倒立姿勢であるワーク4の下面側の形状における長手方向略中央部の一辺部側に設けられる穴部49dに対応する位置と、該穴部49dに対して他方のシリンダボア49bを挟んで略反対側の位置に設けられる穴部49dに対応する位置との二箇所に設けられている。
したがって、倒立姿勢のワーク4が治具60に嵌合して位置決めされた状態では、ワーク4の下面側に設けられる穴部49dに、治具60に設けられるピン部61fが挿入するとともに、ワーク4が載置面61a上に載置支持された状態となる。
このように、倒立姿勢のワーク4に対しては、治具60のうち、載置面61a及びピン部61fが用いられることによりワーク4の位置決めが行われる。
なお、以上説明した治具50及び治具60はいずれも、これらにより位置決めされた状態のフォーク9上のワーク4が釣り合った状態で支持されるように構成される。
また、走行型ロボット装置1の走行台5上に設けられる荷台40は、その有する切欠き部44により、前述したワーク4の正立姿勢・倒立姿勢及びキャップ4cの有無に係わらずワーク4が載置可能に構成されており、いずれのワーク4にも対応可能となっている。
このように、ワーク支持体としてのフォーク9に、位置決め手段としての治具を設けることにより、フォークによるワーク4の移載を採用することで従来のクランプ方式の場合と比較してワーク4の積み降ろしにかかるサイクルタイムを短縮することができるとともに、フォーク9によってワーク4をすくい上げる際の位置決めとワーク4の移載中におけるフォーク9上におけるズレの防止を行うことが可能となる。
また、位置決め手段としての治具は、複数のワーク姿勢に対応することができるので、加工ラインにおいてワーク姿勢が変えられる場合にも、一つの治具で各姿勢に対してフォーク9上におけるワーク4の位置決めを行うことができる。
また、従来のクランプ方式の場合と比較して、ワーク4を支持するための構造を簡素化することができ、コストの低減を図ることができる。
さらに、治具は、フォーク9に対しボルト締結などによって容易に着脱可能に設けることができることから、ワーク4の加工過程において部品が取り付けられる等してワーク4の形状が変わる場合であっても、治具を付け替えることで容易に対応することができ、段取り替え時間を短縮することができる。
次に、本実施形態に係る走行型ロボット装置1の制御方法について説明する。
まず、走行型ロボット装置1における制御の主な構成について図17を用いて説明する。図17は走行型ロボット装置の制御構成の概略を示すブロック図である。
走行型ロボット装置1に対しては、制御手段としての制御装置70が備えられる。
制御装置70には、ロボットの教示作業や動作プログラムを入力するためのティーチングボックスが接続されるロボットコントローラを介する等して前記ロボット6が接続される。これにより、制御装置70とロボット6との間で制御信号の出入力が行われ、制御装置70により、ロボット6におけるアーム7の伸縮やロボットアーム20の動作などが制御される。
また、制御装置70には、該制御装置70に備えられるサーボアンプボックスを介する等して前記サーボモータ32が接続される。サーボモータ32は、制御装置70に対し、電力が供給される動力線やエンコーダ線等を介して接続される。これにより、制御装置70とサーボモータ32との間で制御信号の出入力が行われ、制御装置70により、サーボモータ32の動作などが制御される。
そして、ロボット6とサーボモータ32との間においても、制御装置70を介して信号の出入力が行われる構成となっている。つまり、ロボット6から出力される信号は、制御装置70を介してサーボモータ32に入力され、サーボモータ32から出力される信号は、制御装置70を介してロボット6に入力される構成となっている。
制御装置70は、走行型ロボット装置1に搭載されるか、あるいは加工ラインにおいて走行型ロボット装置1とは別体で床面15に設置される制御盤などにより構成されて設けられる。また、制御装置70は、その一部の構成(例えば、前記サーボアンプボックス)のみが走行型ロボット装置1に搭載される構成の場合もある。
以下に説明する走行型ロボット装置1の制御方法は、該走行型ロボット装置1において、主としてワーク4の支持をともなうフォーク9の昇降動作が行われる際に用いられる制御方法である。
したがって、本制御方法の主な制御対象としては、ロボット6に備えられる昇降旋回手段としてのロボットアーム20(具体的には、ロボットアーム20を昇降させるための駆動手段、以下、単に「ロボットアーム20」とする)と、アシスト手段30においてフォーク9の昇降動作に用いられる出力を供給する駆動源としてのサーボモータ32となる。すなわち、ワーク4の支持をともなうフォーク9の昇降動作には、ロボットアーム20による荷重(引き上げる力)と、アシスト手段30から得られる荷重(推力)とが用いられるところ、ロボットアーム20と、アシスト手段30において出力を供給するサーボモータ32とを制御する。
そして、以下に説明する制御方法としては、フォーク9のワーク4の支持をともなう昇降動作について、ロボットアーム20による出力とアシスト手段30から得られる出力との両方が用いられる際に行われる制御(以下、「同期制御」という。)と、ロボットアーム20による出力は用いられずにアシスト手段30から得られる出力のみが用いられる際に行われる制御(以下、「単独制御」という。)とがある。
まず、同期制御について説明する。
同期制御は、前記のとおりロボットアーム20による出力とアシスト手段30から得られる出力との両方が用いられて、フォーク9のワーク4の支持をともなう昇降動作が行われる際の制御であり、アシスト手段30が、ロボットアーム20の昇降動作と同期して、該フォーク9の昇降動作をアシストするように、ロボットアーム20と、アシスト手段30に備えられるサーボモータ32とが制御される。
同期制御においては、フォーク9が下位置にある状態から、まず、制御装置70からロボット6に対して上昇信号が送られる。
制御装置70からの上昇信号を受けたロボット6は、そのロボットアーム20を上昇させるとともに、制御装置70を介してサーボモータ32へと上昇指令信号を送出する。
ロボット6からの上昇指令信号を受けたサーボモータ32は、フォーク9を、所定の速度Va(m/min)(例えば、8m/min)、所定の荷重(推力)Wa(kg)にて、所定の高さ(前記上位置における高さ)Ha(mm)(例えば、床面15を基準に900mm)まで上昇させ停止させる。
ここで、フォーク9は、サーボモータ32により前記減速機を介して昇降体31が上昇されることで上昇されるところ、前記速度Va(m/min)及び高さHa(mm)はサーボモータ32からの出力により定まる。
また、前記荷重Wa(kg)は、ワーク4の重量とフォーク9の重量との合計の値(kg)と略同一に設定される。
フォーク9を上位置まで上昇させたサーボモータ32は、フォーク9が上位置に達するとともに、制御装置70を介してロボット6へと上昇端信号を送出する。
サーボモータ32からの上昇端信号を受けたロボット6は、次動作(例えば、アーム7の伸縮によるフォーク9の移動やロボットアーム20によるフォーク9の旋回)へ移る。
この同期制御において、ロボット6は、そのロボットアーム20を、所定の速度Vb(m/min)、所定の荷重Wb(kg)にて、所定の高さHb(mm)まで上昇させる。
ここで、前記速度Vb(m/min)は、前記速度Va+α(m/min)(α:微小値)に設定される。また、前記荷重Wb(kg)は、ロボットアーム20自身の重量と該ロボットアーム20をフォーク9に連結させるためロボットアーム20に取り付けられる部品(以下、「連結部品」という。)の重量との合計の値(kg)と略同一に設定される。また、前記高さHb(mm)は、前記高さHa+β(mm)(β:微小値)に設定される。
すなわち、ワーク4の支持をともなうフォーク9の昇降に際しては、主としてワーク4の重量とフォーク9の重量とロボットアーム20の重量と前記連結部品の重量とを昇降させる荷重(kg)が必要であるところ、この同期制御においては、ロボットアーム20による荷重Wb(kg)により、ロボットアーム20自身の重量と前記連結部品の重量とが賄われ、サーボモータ32による荷重Wa(kg)により、ワーク4の重量とフォーク9の重量とが賄われる。
そして、ロボット6は、サーボモータ32(アシスト手段30)によるワーク4の支持をともなうフォーク9の上昇に対し、ロボットアーム20の速度がフォーク9の速度よりも若干速くなるように、また、ロボットアーム20が達する高さがフォーク9の上昇する高さよりも若干高くなるように制御される。言い換えると、サーボモータ32により上昇されるフォーク9が、ロボットアーム20の上昇に追従するように制御されることとなる。
したがって、前述したように、ロボットアーム20の上昇に際しての速度Vb(m/min)及び高さHb(mm)について、サーボモータ32によるフォーク9の上昇に際しての速度Va(m/min)及び高さHa(mm)にそれぞれ加えられる微小値α・βは、フォーク9がサーボモータ32により上昇されることにより、下からの荷重によるストレスがロボットアーム20を介してロボット6に加わることが防止されるように設定される値となる。
一方、ワーク4を支持した状態のフォーク9の上位置から下位置への下降動作が行われる際は、前述したワーク4の支持をともなうフォーク9の上昇動作と同様にして、下降動作にともなう各部の制御が行われる。すなわち、ロボット6は、サーボモータ32(アシスト手段30)によるワーク4の支持をともなうフォーク9の下降に対し、ロボットアーム20の速度がフォーク9の速度よりも若干速くなるように、また、ロボットアーム20が達する高さがフォーク9の下降する高さよりも若干低くなるように制御される。つまり、サーボモータ32により下降されるフォーク9が、ロボットアーム20の下降に追従するように制御されることとなる。
以上説明した同期制御は、主としてロボットアーム20のみによってはワーク4の支持をともなうフォーク9を昇降できない場合、つまり、ワーク4がロボットアーム20の可搬重量を超えている場合に行われる。
例えば、ロボットアーム20の可搬重量(耐荷重)が10kgで、ワーク4が20kgの場合、サーボモータ32は、少なくとも20kg(ワーク4の重量)とフォーク9の重量とを合わせた荷重(kg)を出力してアシストする。
このような制御方法を用いることにより、ワーク4がロボットアーム20の可搬重量を超える場合などにアシスト手段30によるアシストが行われるに際し、ファジイ制御などの複雑な制御を用いることなく簡便な制御により、アシスト手段30の昇降にともなうストレスがロボット6にかかることを防止することができる。
また、制御の簡便化が図れること等から、ワーク4の移載にかかるコスト(例えば、ワーク4一個あたりのコストや単位時間あたりのコスト)を低減することができる。
次に、単独制御について説明する。
単独制御は、前記のとおりロボットアーム20による出力は用いられずにアシスト手段30から得られる出力のみが用いられて、フォーク9のワーク4の支持をともなう昇降動作が行われるる際の制御であり、ロボットアーム20による出力を用いることなく、アシスト手段30から得られる出力を用いて、フォーク9の昇降動作が行われるように、ロボットアーム20と、アシスト手段30に備えられるサーボモータ32とが制御される。
単独制御においては、フォーク9が下位置にある状態から、まず、制御装置70からロボット6に対して上昇信号が送られる。
制御装置70からの上昇信号を受けたロボット6は、そのロボットアーム20を上昇させるとともに、制御装置70を介してサーボモータ32へと上昇指令信号を送出する。
ロボット6からの上昇指令信号を受けたサーボモータ32は、フォーク9を、所定の速度(例えば、8m/min)、所定の荷重(推力)Wc(kg)にて、所定の高さ(上位置となる高さ;例えば、床面15を基準に900mm)まで上昇させ停止させる。
ここで、フォーク9は、サーボモータ32により前記減速機を介して昇降体31が上昇されることで上昇されるところ、フォーク9の上昇に際しての速度及び高さはサーボモータ32からの出力により定まる。
フォーク9を上位置まで上昇させたサーボモータ32は、フォーク9が上位置に達するとともに、制御装置70を介してロボット6へと上昇端信号を送出する。
サーボモータ32からの上昇端信号を受けたロボット6は、次動作(例えば、アーム7の伸縮によるフォーク9の移動やロボットアーム20によるフォーク9の旋回)へ移る。
この単独制御において、前述したようにロボット6からの上昇指令信号を受けたサーボモータ32によるフォーク9の上昇が開始されるとともに、ロボットアーム20は、その上昇のための出力が「0」とされ、フリー状態となるように制御される。これにより、ロボットアーム20自体の重量や前記連結部品の重量もサーボモータ32の荷重により賄われることとなる。
したがって、サーボモータ32から出力される前記荷重Wc(kg)は、ワーク4の重量とフォーク9の重量とロボットアーム20の重量と前記連結部品との重量との合計の値(kg)と略同一に設定される。
つまり、ワーク4の支持をともなうフォーク9の昇降に際して必要な荷重(kg)が、サーボモータ32のみによって賄われる。
そして、この単独制御が行われるに際しては、ロボットアーム20とフォーク9との連結部に次のような構成が施されている。ロボットアーム20とフォーク9との連結部の構成について、図18を用いて説明する。図18はロボットアーム20とフォーク9との連結部の構成を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
前述したように、フォーク9に連結されるロボットアーム20は、主アーム21によりフォーク9を旋回可能に軸支するところ、主アーム21は、その下端部に設けられ前記連結部品などにより構成される拡径部21bがフォーク9の基部9b内に埋設されることによりフォーク9に連結される。
すなわち、フォーク9の主アーム21に対する連結は、該フォーク9においてワーク4が支持される部分(フォーク上面9aが構成される部分)に比して厚く構成される基部9bにおいて行われ、この基部9b内に形成される中空部9cに主アーム21の拡径部21bが埋設される。したがって、主アーム21は、その拡径部21bをフォーク9の中空部9c内に埋設させるとともに該中空部9cから上方に開口する孔部9dを貫通した状態でフォーク9に連結される。
このようなロボットアーム20の主アーム21とフォーク9との連結構成において、主アーム21の拡径部21bとフォーク9の中空部9cとの間に上下方向(昇降方向)のクリアランス(隙間)CL(例えば、0.2mm)が設けられ、主アーム21とフォーク9とが互いに上下方向に摺動可能に構成されている。
つまり、拡径部21bの上下面及び中空部9cの上下面はいずれも略水平面に形成され、前記クリアランスCLの長さが主アーム21とフォーク9との摺動範囲の長さとなる。
そして、フォーク9が下位置にある状態では、ロボットアーム20の主アーム21とフォーク9とは、図18(b)に示すように、主アーム21の拡径部21bの上側にクリアランスCLが生じるように(主アーム21がフォーク9に対して相対的に上昇できるように)互いの高さ位置が設定される。
このようにして、主アーム21とフォーク9との間にクリアランスCLが設けられることにより、前述したような単独制御において、ロボットアーム20の上昇開始とサーボモータ32によるフォーク9の上昇開始とのタイムラグにより、サーボモータ32により上昇されるフォーク9に対するストレスが、ロボットアーム20を介してロボット6に加わることが防止される。
すなわち、この単独制御においては、前記のとおり、ロボット6によるロボットアーム20の上昇開始とともに送出される信号によってサーボモータ32によるフォーク9の上昇が開始され、このフォーク9の上昇開始とともにロボットアーム20がフリー状態となるところ、ロボットアーム20の上昇開始とフォーク9の上昇開始とにタイムラグが生じ、この間のロボットアーム20の上昇を前記クリアランスCLにより許容してフォーク9によりロボットアーム20にかかるストレスを防止しようとするものである。
したがって、前記クリアランスCLは、少なくともロボットアーム20が上昇を開始してからフリー状態になるまでに上昇する距離よりも長く設定される。
一方、単独制御において、ワーク4を支持した状態のフォーク9の上位置から下位置への下降動作が行われる際は、前述したワーク4の支持をともなうフォーク9の上昇動作と同様にして、下降動作にともなう各部の制御が行われる。すなわち、ロボットアーム20が下降されるとともにロボット6から下降指令信号がサーボモータ32へと送出され、この下降指令信号を受けたサーボモータ32によるフォーク9の下降が開始されるとともに、ロボットアーム20は、その下降のための出力が「0」とされ、フリー状態となるように制御される。
そして、フォーク9が上位置にある状態では、ロボットアーム20の主アーム21とフォーク9とは、主アーム21の拡径部21bの下側にクリアランスCLが生じるように(主アーム21がフォーク9に対して相対的に下降できるように)互いの高さ位置が設定される。
これにより、ロボットアーム20の下降開始とサーボモータ32によるフォーク9の上昇開始とのタイムラグにより、サーボモータ32により上昇されるフォーク9に対するストレスが、ロボットアーム20を介してロボット6に加わることが防止される。
このような制御方法を用いることにより、ワーク4がロボットアーム20の可搬重量を超える場合などにアシスト手段30によるアシストが行われるに際し、ファジイ制御などの複雑な制御を用いることなく簡便な制御により、アシスト手段30からロボット6にストレスがかかることを防止することができる。
また、制御の簡便化が図れること等から、ワーク4の移載にかかるコスト(例えば、ワーク4一個あたりのコストや単位時間あたりのコスト)を低減することができる。
さらに、ロボットアーム20による出力を用いることなく、ワーク4の支持をともなうフォーク9の昇降を行うことができるので、ロボット6の構成の簡略化やコンパクト化を図ることができる。
以上説明した走行型ロボット装置1についての実施例を説明する。
まず、走行型ロボット装置1の寸法について、図19を用いて従来の場合と比較して説明する。図19は走行型ロボット装置の寸法の従来との比較を説明する図であり、(a)は従来の走行型ロボット装置及び比較対象寸法を示す平面図、(b)は走行型ロボット装置の寸法について従来との比較を示す図である。
図19(a)に示すように、従来の走行型ロボット装置101は、上述した走行型ロボット装置1と同様、二列に対向配置され加工工程ごとに設けられる複数の加工設備102・102・・・により構成される加工ラインにおいて、加工設備102・102・・・の列間に敷設される走行レールに沿って前後方向(図19(a)において左右方向)に走行するものであり、この加工ラインにおいて加工されていくワーク104の移載(荷積み・荷降ろし)を行うものである。
従来の走行型ロボット装置101は、走行台車105上に旋回可能なロボット106を備えるとともに、走行台車105の前後にワーク104を載置(仮置き)するための荷台140を備えていた。そしてこの荷台140に対してワーク104の平面視形状での長手方向を前後方向として載置していた。このため、走行台車105の全長が長くなり、全長寸法D2が1600mmであった。また、走行台車105の全幅寸法D1は840mmであった。
また、従来の走行型ロボット装置101においては、荷台140が走行台車105の前後にあることに加え、ロボット106によるワーク104の支持は、クランプ爪109を有するロボットハンド等によるクランプ方式により行われていた。このため、ロボット106の旋回半径が大きく、ロボット106の動作範囲を含めた全幅寸法(対向する加工設備102間の通路幅寸法と略同じ寸法)D3は1600mmであった。
このような従来の走行型ロボット装置101と比較して、本実施形態に係る走行型ロボット装置1においては、前述したように、走行台5上に設けられる荷台40を、進行方向(前後方向)一側に配置し、この荷台40にワーク4をその長手方向を進行方向に対して略垂直方向として載置する構成としたので、走行型ロボット装置1のコンパクト化を図ることができ、荷台40を含めた走行台5の全幅寸法D1を950mm、全長寸法D2を1000mmとすることができた。
図19(b)に示すように、本実例の走行型ロボット装置1における全幅及び全長と従来の走行型ロボット装置101における全幅及び全長とを比較すると、その占有面積(平面視外形面積:全幅×全長)を、従来の840mm×1600mmから、950mm×1000mmとすることができ、約70%に縮小することができた。
また、従来のクランプ方式からフォーク9を用いたすくい方式とし、このフォーク9を前述したように三段構成のスライド式とするとともに、フォーク9のみを旋回させる構成としたので、ロボット6の旋回半径を小さくすることができ、ロボット6の動作範囲を含めた全幅寸法D3を約1000mmとすることができた。
次に、走行型ロボット装置1のワークの移載動作にかかるサイクルタイムの実施例について図20を用いて説明する。図20は走行型ロボット装置におけるワークの移載動作のサイクルタイムを示す図である。
次に説明するワークの移載動作にかかるサイクルタイムは、走行型ロボット装置1が、その荷台40にワーク4を載置した状態で所定の原位置から発進し、ある工程における加工設備Xに対して前述した荷降ろし動作及び荷積み動作を行い、次の工程における加工設備Yに対する所定の停止位置で停止するという一連の動作において1サイクルが含まれるものであり、この1サイクルにかかる時間を示すものとなる。
なお、本実施例は、走行型ロボット装置1がその左側の加工設備2に対してワーク4の移載動作を行った場合を示すものである。
図20を用いて、前記一連の動作において、走行型ロボット装置1の各部の動作をそれにかかる所要時間とともに説明する。
まず、図中Aの時点から、走行型ロボット装置1が原位置から加工設備Xまで移動する(矢印(イ)参照;所要時間2秒)。つまり走行台5が原位置から発進し加工設備Xに対する所定の停止位置で停止する。
図中Aの時点における走行型ロボット装置1の発進と同時に、前姿勢のフォーク9(の旋回軸部21a)の左右方向(スライド方向)の位置について、該フォーク9が中央位置から第二仮置位置へと移動する(矢印(ロ)参照;所要時間1秒)。
中央位置から第二仮置位置に達したフォーク9は、略90°旋回して前姿勢から左右姿勢へと旋回する(矢印(ハ)参照;所要時間1.5秒)。このフォーク9が左右姿勢となった時点(図中Bの時点)を、1サイクルの開始時点(時間0秒)とする。
1サイクルの開始時点である図中Bの時点から、フォーク9が第二仮置位置から左側の設備側位置まで移動する(矢印(ニ)参照;所要時間1秒)。つまり、左右姿勢のフォーク9が加工設備Xのワーク4をすくい上げる位置まで移動する。
フォーク9が設備側位置(左)に達した時点(図中Cの時点)から、下位置にあるフォーク9が上昇して上位置へと移動する(矢印(ホ)参照;所要時間1.5秒)。これにより、ワーク4が持ち上げられる。
フォーク9がワーク4の支持をともなって上位置に達した時点(図中Dの時点)から、設備側位置(左)にあるフォーク9が第二仮置位置まで移動する(矢印(ヘ)参照;所要時間1秒)。
ワーク4を支持したフォーク9が第二仮置位置まで達した時点(図中Eの時点)から、フォーク9は、略90°旋回して左右姿勢から前姿勢へと旋回する(矢印(ト)参照;所要時間1.5秒)。
第二仮置位置においてフォーク9が前姿勢となった時点(図中Fの時点)から、上位置にあるフォーク9が下降して下位置へと移動する(矢印(チ)参照;所要時間1.5秒)。これにより、ワーク4が荷台40の荷降用仮置部42bに載置され、荷降ろし動作が完了する。つまり、第二仮置位置においてワーク4を支持したフォーク9が上位置から下位置に達した時点(図中Gの時点)で荷降ろし動作が完了する。
荷降ろし動作が完了した時点(図中Gの時点)から、下位置にあるフォーク9は前姿勢のまま第一仮置位置へと移動する(矢印(リ)参照;所要時間0.5秒)。つまり、前姿勢のフォーク9が荷台40の荷積用仮置部42aに載置されているワーク4をすくい上げる位置まで移動する。
フォーク9が第一仮置位置に達した時点(図中Hの時点)から、下位置にあるフォーク9が上昇して上位置へと移動する(矢印(ヌ)参照;所要時間1.5秒)。これにより、ワーク4が持ち上げられる。
フォーク9がワーク4の支持をともなって上位置に達した時点(図中Iの時点)から、ワーク4を支持したフォーク9は、略90°旋回して前姿勢から左右姿勢へと旋回する(矢印(ル)参照;所要時間1.5秒)。このフォーク9の旋回の開始にともない、第一仮置位置にあるフォーク9は一旦第二仮置位置に移動する(矢印(ヲ)参照;所要時間0.5秒)。
フォーク9が左右姿勢となった時点(図中Jの時点)から、フォーク9は第二仮置位置から設備側位置(左)まで移動する(矢印(ワ)参照;所要時間1秒)。
ワーク4を支持したフォーク9が設備側位置(左)まで達した時点(図中Kの時点)から、上位置にあるフォーク9が下降して下位置へと移動する(矢印(カ)参照;所要時間1.5秒)。これにより、ワーク4が加工設備X上に載置される。
フォーク9がワーク4の載置をともなって下位置に達した時点(図中Lの時点)から、フォーク9は設備側位置(左)から中央位置へと移動し、荷積み動作が完了する(矢印(ヨ)参照;所要時間1秒)。つまり、設備側位置(左)においてワーク4を載置したフォーク9が中央位置に戻った時点(図中Mの時点)で荷積み動作が完了する。
ここで、フォーク9が設備側位置(左)から中央位置に戻る途中において、走行型ロボット装置1が加工設備Xから移動を開始し、次の加工工程における加工設備Yまで移動する(矢印(タ)参照;所要時間2秒)。つまり、走行台5が加工設備Xに対する所定の停止位置から加工設備Yに対する所定の位置まで移動して停止する。
このように走行型ロボット装置1が次の加工設備Yに達した時点(図中Nの時点)を、1サイクルの終了時点とする。つまり、図中Bの時点からNの時点までが1サイクルとなる。したがって、図20に示すように、本実施例においては、1サイクルにかかる時間(サイクルタイム)を15秒とすることができた。
本実施形態に係る走行型ロボット装置の全体構成を示す斜視図。 ワークに複数の加工を施すための加工ラインを示す平面図。 加工ラインにある走行型ロボット装置を示す斜視図。 同じく背面図。 同じく平面図。 同じく側面図。 走行型ロボット装置による荷降ろし動作を説明する平面図。 同じく荷積み動作を説明する平面図。 加工ラインにある走行型ロボット装置の一部省略背面図。 走行型ロボット装置及びそのケーブルベアを示す平面図。 フォークに設けられる治具の一例を示す図。 ワークの一面側に対する治具の嵌合状態を示す図。 ワークの他面側に対する治具の嵌合状態を示す図。 フォークに設けられる治具の他の例を示す斜視図。 ワークの一面側に対する治具の嵌合状態を示す図。 ワークの他面側に対する治具の嵌合状態を示す図。 走行型ロボット装置の制御構成の概略を示すブロック図。 ロボットアームとフォークとの連結部の構成を示す概略図。 走行型ロボット装置の寸法の従来との比較を説明する図。 走行型ロボット装置におけるワークの移載動作のサイクルタイムを示す図。
1 走行型ロボット装置
2 加工設備
3 走行レール
4 ワーク
5 走行台
6 ロボット
7 アーム
9 フォーク(ワーク支持体)
11 第一リンク機構
12 第二リンク機構
20 ロボットアーム(昇降旋回手段)
21 主アーム
25 オイルパン(クーラント回収手段)
26 受面
30 アシスト手段
32 サーボモータ(駆動源)
40 荷台
45 ケーブルベア
50・60 治具(位置決め手段)
70 制御装置

Claims (8)

  1. 複数のリンク機構により水平方向に旋回可能及び伸縮可能に構成されるアームと、該アームの先端部に設けられワークを支持するワーク支持体を支持するとともに昇降及び旋回させる昇降旋回手段とを有するロボットを、走行台上に備える走行型ロボット装置であって、
    前記走行台に対して昇降可能に設けられる昇降体と、該昇降体を昇降させるための駆動源と、前記昇降体上に設けられるガイドフレームと、該ガイドフレームに対して、前記走行台の進行方向に対する垂直方向へ移動可能に設けられるとともに、前記ワーク支持体と連結され該ワーク支持体の移動を、前記走行台の進行方向に対する垂直方向へ案内するスライドフレームとを備えるアシスト手段を設け、
    前記アシスト手段は、
    前記駆動源による前記昇降体の昇降により、前記昇降旋回手段によるワーク支持体の昇降動作をアシストするとともに、
    前記昇降体、ガイドフレーム、およびスライドフレームにより前記ワーク支持体を下側からスライドフレームに対して旋回可能に支持することにより、前記昇降旋回手段によるワーク支持体の旋回動作、及び前記アームの伸縮によるワーク支持体の水平方向の移動動作をアシストする、
    ことを特徴とする走行型ロボット装置。
  2. 前記アシスト手段においては、
    前記ワーク支持体が前記アームの伸縮によって前記走行台の進行方向に対する垂直方向へ移動されると、ワーク支持体のスライドフレームに対する移動量と同じ量だけ、スライドフレームがガイドフレームに対してスライドする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の走行型ロボット装置。
  3. 前記走行台上における前記ロボットに対する該走行台の進行方向一側に、前記ロボットにより移載されるワークが、その載置姿勢での平面視形状の長手方向を前記進行方向に対して垂直方向として載置可能な荷台を備え、前記ロボットにより、前記荷台に、ワークの前記長手方向が前記進行方向に対して垂直方向となるようにワークを載置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の走行型ロボット装置。
  4. 前記走行台上に、該走行台上における平面視での前記ワーク支持体の移動範囲を全部含み、クーラントを受けるとともに一部または全部が少なくとも一側に向けて下る斜面となる受面を備えるクーラント回収手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の走行型ロボット装置。
  5. 前記走行台に連結されるケーブルの収容部材を、平面視略U字型に折り返すとともに前記走行台が走行する走行レールに沿わせて配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の走行型ロボット装置。
  6. 前記ワーク支持体を、ワークをすくい上げるフォークとし、
    前記フォークのワークをすくい上げる面に凸設され、ワークの下面側の形状に対して嵌合可能な嵌合体を設け、
    前記嵌合体は、前記ワークの下面側の形状における釣合い位置近傍でワークに嵌合することで、前記ワークの位置決めをし、かつ複数のワーク姿勢における前記ワークの下面側の形状に対して嵌合可能な形状に形成される、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の走行型ロボット装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の走行型ロボット装置の制御方法であって、
    前記アシスト手段が、
    前記昇降旋回手段の昇降動作と同期して、該ワーク支持体の昇降動作をアシストするように、
    前記昇降旋回手段と、前記アシスト手段に備えられ前記ワーク支持体の昇降動作に用いられる出力を供給する駆動源とを、制御することを特徴とする走行型ロボット装置の制御方法。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の走行型ロボット装置の制御方法であって、
    前記昇降旋回手段による出力を用いることなく、前記アシスト手段から得られる出力を用いて、前記ワーク支持体の昇降動作が行われるように、
    前記昇降旋回手段と前記アシスト手段の前記駆動源とを制御することを特徴とする走行型ロボット装置の制御方法。
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