JP4633391B2 - 画像表示装置及び画像表示方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる画像表示素子を用いた画像表示装置及び画像表示方法に関する。
強誘電性液晶又は反強誘電性液晶を用いた画像表示素子は、ネマティック液晶を用いた画像表示素子に比べて高速駆動が可能であることから、広く研究開発されており、その一部が商品化されている。その反面、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶を用いた画像表示素子は、これらの液晶を電界駆動する場合に印加電圧に直流(DC)成分が残存すると、イオン性物質が生成されて良好な駆動が妨げられることが知られている。そこで、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶を利用した従来の画像表示装置は、画像表示の時間単位としての1フレームを2つのサブフレームに分割して、半分の時間で画像表示信号に応じた電圧(+V)を印加しながら画像表示素子からの出射光を観察者が視認できるように出射し、残り半分の時間は上記印加電圧と逆極性の電圧(−V)を印加しながら遮光するようにしている(例えば非特許文献1参照)。
また、別の従来の画像表示装置は、第1偏光板と第2偏光板との間に画像表示素子としての表示パネル、補正パネルをこの順に設け、表示パネルから出射した画像光の偏光面を補正パネルにより切替えるようにしている(例えば特許文献1参照)。
Hirokazu Furuta, Jun Xu, Shunsuke Kobayashi共著「Electro-optic properties of an intrinsic half-V-mode FLCD and its application to field-sequential full color LCDs using a poly-Si TFT matrix array, Journal of the SID」 V. 11, No. 3,2003年出版、 P. 433 特開2003−121872号公報
しかしながら、上記従来の画像表示装置のうち、前者の画像表示装置にあっては、比較的簡単な構造で高コントラストの画像が得られる利点を有するものの、遮光により光利用効率が実質的に半減してしまうといった問題があった。また、後者の画像表示装置にあっては、可視光全域にわたって偏光面を精度良く切替えることのできる補正パネルを製作するのは困難であり、またコントラストの低下を招きやすくなるのみならず、補正パネルが画像表示素子と投射レンズとの間に挿入されるので、投射レンズのバックフォーカス長が長くなり投射レンズが大型化してしまうといった問題点があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、遮光に起因した光利用効率の低下を防ぐとともに、補正パネルの挿入に起因した、コントラストの低下、製作困難性、及び装置の大型化を解消することができる画像表示装置及び画像表示方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明の画像表示装置は、少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、透明の基板の液晶層側に設けられて強誘電性液晶又は反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画素電極とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示装置において、照明光学系内に、画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるように、該画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替える偏光状態切替え手段を設けるとともに、偏光状態切替え手段が、一対の透明基板と、該透明基板間に設けられ透明基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、透明基板の内面側に設けられて液晶層の配向方向をフレーム信号に応じて切り替える電極とを有する光学素子である構成を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置において、偏光状態切替え手段が、互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系と、照明光学系の照明光を時間的に切替えて画像表示素子を照明する照明切替え手段とを備えた構成を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像表示装置において、互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系の光源が固体レーザである構成を有する。
請求項4に記載の発明は、少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、透明の基板の液晶層側に設けられて強誘電性液晶又は反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画素電極とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示装置において、照明光学系内に、画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるように、該画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替える偏光状態切替え手段を設けるとともに、偏光状態切替え手段が、照明光の入射面及び出射面となる複数の異なる偏光方向の偏光フィルタ面が形成され、回転中心が照明光の光軸と直交する方向を向いた状態で光源と画像表示素子との間に配置されて、フレーム周波数と同期する回転速度で回転され、照明光光線の入射面及び出射面の組合せを異ならせることにより偏光状態を切り替える多角体偏光フィルタを備えた構成を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項に記載の画像表示装置において、多角体偏光フィルタは四角柱状であり、4つの側面が偏光フィルタ面である構成を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の画像表示装置において、多角体偏光フィルタによって画像表示素子上の画素に入射する光の偏光状態が切り替わるタイミングと、画像表示信号による画素の書替えタイミングとが一致するようにした構成を有する。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像表示装置において、1つの画像フレームを構成する複数のサブフレームごとに画像表示素子からの出射光の位置を変位させ、画像表示素子のみかけ上の画素数を増やして表示する光路偏向手段を設けた構成を有する。
請求項8に記載の発明は、一対の基板が、両基板とも透明基板からなる請求項1乃至7のいずれかに記載の画像表示装置において、画像表示素子が、この各画素の入射光側の基板上に設けられて照明光を画素の中央に集光する集光素子を備えた構成を有する。
請求項9に記載の本発明の画像表示方法は、少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、透明の基板の液晶層側に設けられて強誘電性液晶又は反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画電極素とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示方法において、画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替えることにより、画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるようにするとともに、画像表示素子に入射される入射光の偏光状態の切り替えが、一対の透明基板と、該透明基板間に設けられ透明基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、透明基板の内面側に設けられて液晶層の配向方向をフレーム信号に応じて切り替える電極とを有する光学素子により行われる構成を有する。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像表示方法において、互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系から照射される照明光を時間的に切り替えることにより、画像表示素子に入射する入射光の偏光状態を切り替える構成を有する。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像表示方法において、互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系の光源が固体レーザである構成を有する。
請求項12に記載の発明は、少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、透明の基板の液晶層側に設けられて強誘電性液晶又は反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画電極素とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示方法において、画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替えることにより、画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるようにするとともに、画像表示素子に入射される入射光の偏光状態の切り替えが、照明光の入射面及び出射面となる複数の異なる偏光方向の偏光フィルタ面が形成され、回転中心が照明光の光軸と直交する方向を向いた状態で光源と画像表示素子との間に配置されて、フレーム周波数と同期する回転速度で回転され、照明光光線の入射面及び出射面の組合せを異ならせることにより偏光状態を切り替える多角体偏光フィルタにより行われる構成を有する。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像表示方法において、多角体偏光フィルタは四角柱状であり、4つの側面が偏光フィルタ面である構成を有する。
請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載の画像表示方法において、多角体偏光フィルタによって画像表示素子上の画素に入射する光の偏光状態が切り替わるタイミングと、画像表示信号による画素の書替えタイミングとが一致するようにした構成を有する。
請求項15に記載の発明は、請求項9乃至14のいずれかに記載の画像表示方法において、1つの画像フレームを構成する複数のサブフレームごとに画像表示素子からの出射光の位置を変位させ、画像表示素子のみかけ上の画素数を増やして表示する構成を有する。
請求項16に記載の発明は、一対の基板が、両基板とも透明基板からなる請求項9乃至15のいずれかに記載の画像表示方法において、画像表示素子が、この各画素の入射光側の基板上に設けられて照明光を画素の中央に集光する集光素子を備えた構成を有する。
請求項1に記載の発明の画像表示装置によれば、遮光に起因した光利用効率の低下を防ぐとともに、補正パネルの挿入に起因した、コントラストの低下、製作困難性、及び投射レンズの大型化を解消することができる。
また、光学素子内の液晶配向方向を、光学素子に入射する偏光の振動方向もしくは回転方向に合わせて設定して時間的に切り替えることで、時間的に偏光状態を切り替える照明光を形成することができる。この場合、従来のランプを用いた画像表示装置と比較してほぼ同等の大きさの照明光学系とすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、可視光全域に渡って良好な偏光状態を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、固体レーザーが出射状態で直線偏光しているので、偏光変換ロスを伴うことなく照明光学系を構築できる。また、固レーザーにより広い色再現範囲が得られ、ランプ光源を用いた場合に比べて優れた演色性を有する画像表示装置を構成することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、画像表示素子が線順次駆動される場合に、画像の書替えタイミングと照明の偏光状態の切替えタイミングとを一致させることができ、コントラストのさらなる向上を図ることができる。
請求項に記載の発明によれば、偏光状態切替え手段を最も偏光面数が少ない小型のものとすることができ、この結果、装置全体の小型化を図ることができる。また、その形状が直方体形状であるので、加工が容易でコストを低下させることができる。
請求項に記載の発明によれば、画像の書替えタイミングと照明の偏光状態の切替えタイミングとを一致させることができ、コントラストのさらなる向上を図ることができる。
請求項に記載の発明によれば、高速でスイッチング可能な画像素子を用いることで画像のコントラストを向上させ光利用効率を高めることができる。特に、透過型の画像表示素子を用いた場合には、偏光ビームスプリッタ等を光路偏向手段と画像表示素子との間に挿入する必要がなくなり、光路偏向手段の大型化を抑えることができる。
請求項に記載の発明によれば、画像表示素子の各画素液晶部の照明範囲を画素範囲より小さくでき、照明光が液晶駆動用トランジスタ等の非透明部に遮られずに透過できるので、光利用効率が高まり、またその高速駆動特性によるコントラストの改善が図れるとともに、見かけの画素数を向上させた時の画素間の重なりを容易に回避することができる。
請求項に記載の本発明の画像表示方法によれば、遮光に起因した光利用効率の低下を防ぐとともに、補正パネルの挿入に起因した、コントラストの低下、製作困難性、及び投射レンズの大型化を解消することができる。
また、光学素子内の液晶配向方向を、光学素子に入射する偏光の振動方向もしくは回転方向に合わせて設定して時間的に切り替えることで、時間的に偏光状態を切り替える照明光を形成することができる。この場合、従来のランプを用いた画像表示装置と比較してほぼ同等の大きさの照明光学系とすることができる。
請求項10に記載の発明によれば、可視光全域に渡って良好な偏光状態を得ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、固体レーザーが出射状態で直線偏光しているので、偏光変換ロスを伴うことなく照明光学系を構築できる。また、固体レーザーにより広い色再現範囲が得られ、ランプ光源を用いた場合に比べて優れた演色性を有する画像表示方法を構成することが可能となる。
請求項12に記載の発明によれば、画像表示素子が線順次駆動される場合に、画像の書替えタイミングと照明の偏光状態の切替えタイミングとを一致させることができ、コントラストのさらなる向上を図ることができる。
請求項13に記載の発明によれば、多角体偏光フィルタを最も偏光面数が少ない小型のものとすることができ、この結果、装置全体の小型化を図ることができる。また、その形状が直方体形状であるので、加工が容易でコストを低下させることができる。
請求項14に記載の発明によれば、画像の書替えタイミングと照明の偏光状態の切替えタイミングとを一致させることができ、コントラストのさらなる向上を図ることができる。
請求項15に記載の発明によれば、高速でスイッチング可能な画像素子を用いることで画像のコントラストを向上させ光利用効率を高めることができる。特に、透過型の画像表示素子を用いた場合には、偏光ビームスプリッタ等を光路偏向手段と画像表示素子との間に挿入する必要がなくなり、光路偏向手段の大型化を抑えることができる。
請求項16に記載の発明によれば、画像表示素子の各画素液晶部の照明範囲を画素範囲より小さくでき、照明光が液晶駆動用トランジスタ等の非透明部に遮られずに透過できるので、光利用効率が高まり、またその高速駆動特性によるコントラストの改善が図れるとともに、見かけの画素数を向上させた時の画素間の重なりを容易に回避することができる。
以下、本発明に係る実施の形態の画像表示装置及び画像表示方法について、図面を用いて説明する。なお、以下の各実施例において、実質的の同じ部については同じ符号を付し、その説明を省略する。
まず、画像表示装置で用いられる画素表示素子の構成につき、図1を用いて説明する。図1(a)は、画像表示素子1の平面図、図1(b)は画像表示素子1の側面断面図をそれぞれ示す。同図に示すように、画像表示素子1は、2次元に配列された複数の画素1aを有し、画素1aごとにそれぞれ独立に液晶層5に電圧を印加可能な画素電極3が設けられている。
液晶層5は、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなり、一対の透明な基板2a、2b間に挟まれる。一対の基板2a、2bのうち、入射光側にある基板2aの液晶層5側の面には,画素表示素子1の画像表示領域全面にわたり、透明な導電性材料からなる画素電極3が、また出射光側にある基板2bの液晶層5側の面には,画素表示素子1の画像表示領域全面にわたり、透明な導電性材料からなる対極電極4がそれぞれ設けられる。なお、画像表示装置によっては、液晶を所定方向に配向させる配向膜や、液晶層の厚さを均一に保つスペーサ等が用いられることもあるが、これらは図1では省略してある。
入射光としては直線偏光や円偏光等が用いられ、印加電圧によりその偏光状態を変化させた液晶層5を通って出射するようにしている。この画像表示素子1の出射光側には偏光フィルタが設けられ、ここで偏光状態の変化を光量変化に置換してスクリーン上に投射するようになっている。
なお、ここで本発明の画像表示装置は、観察者の視認形態に関わらず、画像表示素子1を照明しその出射光を画像光として利用できるものであればよい。すなわち、スクリーンに対して投射光学系と同じ側から画像を視認するフロント型である場合と、スクリーンに対して投射光学系と逆側から画像を視認するリア型である場合とでは、装置の構成が異なるが、本発明の画像表示装置にあってはどちらの投射型でも適用可能である。さらには、スクリーンに投射することなく、空間像を観察者が視認する非投射型のものであっても適用可能である。
図2は、画像表示素子1の一つの画素1aを拡大し、その中にある液晶の配向状態を示す図である。画像表示素子1には、強誘電性液晶に分類されるスメクチックC液晶、又は反強誘電性液晶のいずれの液晶をも用いることも可能である。
なお、スメクチック液晶とは、液晶分子の長軸方向が層状に配列している液晶分子であり、この層の法線方向(層法線方向)と液晶分子長軸方向とが一致している液晶をスメクチックA相、層法線方向と液晶分子長軸方向とが一致していない液晶をキラルスメクチックC相という。キラルスメクチックC相強誘電液晶は、一般的に外部電界が作用していない状態においては各層ごとに液晶ダイレクタ方向が螺旋状に回転している、いわゆる螺旋構造をとる。なお、キラルスメクチックC相反強誘電性液晶では、各層ごとに液晶ダイレクタが対向する方向を向く。このような螺旋構造の螺旋ピッチをスメクチック層ピッチという。
ここで、キラルスメクチックC相の液晶層の厚さを液晶分子が螺旋構造をとれないほど薄い層厚に設定すると、液晶層内の液晶分子は液晶層界面での分子長軸方向により規制されて同じ方向をとることとなる。これらの液晶分子は、その分子構造中に不斉炭素を有し、この不斉炭素により自発分極をしている結果、自発分極Psと外部電界Eとから決定される方向に液晶分子が再配列するため、その光学特性を制御することが可能となる。
キラルスメクチックC相強誘電液晶の構造は、主鎖、スペーサ、骨格、結合部、キラル部等よりなる。主鎖構造としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリオキシエチレン等が利用可能である。スペーサは、分子回転を担う骨格、結合部、キラル部を主鎖と結合させるものであり、適当な長さのメチレン鎖等が選択される。またカイラル部とビフェニル構造などの剛直な骨格とを結合する結合部には−COO−結合等が選択される。
図2は、電界の方向を紙面に対し上下方向に変化させた時の、液晶分子5aの配向方向の変化を示す。ここでは、液晶は自発分極Psが負となるものを想定している。また液晶はここではいわゆる双安定方向をとる場合を示しているが、単安定方向の液晶であっても問題なく用いることが可能である。同図中、反転中心8は、液晶分子5aが一点鎖線6と一点鎖線7との間に並ぶスメクチック層の層面に対して垂直な方向であり、この反転中心8に対して同じ角度(「コーン角」という)θだけ左右に傾いた状態で液晶分子5aが安定する。
ここでコーン角θを22.5度に設定し、ある波長λにおける液晶の屈折率差Δnと液晶層厚dとの間に、Δn・d=λ/2の関係がある場合につき、入射光の偏光状態がどのように変化するかを説明する。
照明光の進行方向と入射前の偏光方向を同図(a)に示すように設定する。すなわち、偏光は直線偏光であり、液晶分子5aの長軸方向と平行な縦方向である。この場合、直線偏光は液晶分子5aの屈折率異方性を感じることなく、偏光状態を縦方向に維持したまま出射する。一方、液晶分子5aの長軸方向と直線偏光とが45度の傾きをとる同図(b)の場合では、直線偏光の、液晶分子5aの長軸に平行な成分と垂直な成分で位相ずれが発生して、液晶層を通過する間にλ/2の位相ずれを生じ、言い換えれば偏光面の回転が発生し、この結果、入射光の偏光面から直角に傾いた状態で出射する。この場合、出射光側に、入射光の偏光方向と平行な透過軸を有する偏光子を設ければ、同図(a)の状態では明表示、同図(b)の状態では暗表示が得られることになる。
次に、強誘電性液晶及び反強誘電性液晶の極性反転について説明する。極性反転とは、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶の駆動時の電圧にDC成分が残存することに起因した不具合を解消するために行う駆動方法である。なお、ここでは極性反転の方法を理解するため、まず従来から利用されている極性反転につき図3と図4に示す2つの方法を採り上げて説明し、その後、これらと対比しながら本発明の各実施例ごとにその特徴を説明していくことにする。
図3は、極性反転をさせながら画像を表示するための遮光を用いた方式を説明するためのタイムチャートである。
すなわち、この極性反転では、同図に示すように、照明光は、画像表示の時間単位としての1フレームTf間に照明期間と遮光期間とが同じ時間長さとなるように設定する。照明期間において、液晶駆動信号onの期間T1が「明」表示期間であり、液晶駆動信号offの期間T2が「暗」表示期間である。なお、液晶駆動信号onの期間T1の長さは、表示画像の階調情報により決定される。
一方、遮光期間は照明光を遮光するため画像形成には何ら関与せず、液晶の極性反転のために設けられる期間であって、液晶駆動信号offの期間T1'及び液晶駆動信号onの期間T2'はそれぞれ期間T1、T2と長さが等しくなるように設定される。これによって、期間T1と期間T1'、また期間T2と期間T2'の電圧が平均的に中和されることとなり、DC成分がなくなる。このように、極性反転にあっては、画像を表示するための電圧に対し、逆極性の電圧を同じ時間だけ印加することでDC成分を相殺する。
図4は、図3の場合とは異なり、遮光を用いることなく極性反転を可能にするもので、補正パネルを用いた例を示す。同図中、照明光は左から右に向かい、第1偏光板11と第2偏光板12との間に画像表示素子1と補正パネル13とが光進行方向に対してこの順で配置される。画像表示素子1を極性反転させるのと同期させながら補正パネル13の配向方向を変化させれば、図3の遮光を用いる場合のように光利用効率を低下させることなく、画像を表示することが可能となる。
以下、本発明の各実施例の画像表示装置につき、図とともに説明する。
[実施例1]
本発明に係る実施例1の画像表示装置の構成を図5に示す。
画像表示装置は、異なる偏光状態をとる第1照明光学系21および第2照明光学系22と、これら第1、第2照明光学系21、22の光を時間的に切替えて画像表示素子1を照明する照明切替え手段20とを備えている。ここで、異なる偏光状態とは、直線偏光の振動方向、円偏光の回転方向等、画像表示素子1の液晶配向方向を切替えることでその配列状態を変え得る偏光状態を指す。なお、第1、第2の照明光学系21、22と照明切替え手段20とは、本発明の偏光状態切替え手段を構成する。
第1及び第2照明光学系21、22は、レーザーを発する第1光源23、第2光源24をそれぞれ有しており、図中の光路内に示す偏光方向をとるように、あらかじめそれらの方位が設定される。第1光源23及び第2光源24から出射した光は、コリメートレンズ25、26や均一な光量分布を得るためのインテグレータ(図示せず)、スペックルパターンを抑制するための拡散板(図示せず)等により、所定範囲内で均一な光量分布となる照明光として生成される。
第1光源23からの偏光した照明光はこれより後方に配置した偏光ビームスプリッタ(PBS)27に対しp偏光として入射し、PBS27を透過する。これに対し、第2光源24からの偏光はこれより後方に配置したPBS27に対してs偏光として入射し、PBS27で反射される。このように、第1照明光学系21からの照明光がPBS27を透過し第2照明光学系22からの照明光がPBS27で反射されることで、いずれの照明光も画像表示素子1に到達する。
照明切替え手段20は、第1光源23及び第2光源24のon、offを画像表示素子1の画像書替えタイミングに同期して切替え制御するものである。たとえば、図6に示すように、第1光源23及び第2光源24にそれぞれ3原色(赤R、緑G、青B)を配置してこれらをフィールドシーケンシャル駆動する。すなわち、極性反転しながらこのようなフィールドシーケンシャル駆動を行う場合、カラーブレークを低減するため、1R→2R→1G→2G→1B→2B→・・・といった順序ではなく、図6に示すように1R→1G→1B→2R→2G→2B→・・・といった順序で駆動するのが好ましい。
このように液晶駆動信号を極性反転させ液晶配向方向を反転させただけでも、極性反転前後で同じ時間(例えば図6中T1とT1')だけ明表示が可能となるが、以下、この理由を図2と図6に基づき説明する。
図2においては入射偏光を縦方向に設定していたが、同図(a)の場合には出射光も縦偏光であることから、画像表示素子の後方に設けた偏光子によりこの光が明表示となることを前述した。これは図6において液晶駆動信号のon(+V)電圧が、図2(a)に示す電界方向と同方向の電界を発生させる場合に相当し、期間T1では液晶がこの状態をとることから明表示となる。
一方、図2(b)の場合には、出射光が横偏光となることから、画像表示素子の後方に設ける偏光子によってこの光が暗表示となる。これは図6において期間T2の液晶の状態に相当し、この期間T2では暗表示となる。ここで、画像表示素子1を照明するのは図5における第1の照明光学系21であり、その偏光方向は図2の縦方向であるとした。期間T1'の状態では、液晶状態は図2(b)と同様の状態であるが、入射する偏光の方向が図5における第2の照明光学系22によって横方向となるため、出射する偏光は縦方向となる。すなわち、この期間の出射光の偏光状態は期間T1での偏光状態と等しくなり、明表示となる。同様に、期間T2'の状態では、液晶状態は図2(a)と同様の状態であるが、入射する偏光の方向が横方向であることから、出射する偏光は横方向のままであり、出射光の偏光状態は期間T2での偏光状態に等しい。
以上説明したように、本実施例1の画像表示装置においては、極性反転を行いながらT1とT1'(ただし、T1'=T1)とで設定される所望の光量の出力が可能となって遮光を必要としないので、図3に示す場合に比べて光利用効率を向上させることができる。
[実施例2]
本発明に係る実施例2の画像表示装置の構成を図7に示す。
本実施例にあっては、光源30は図5の第1光源23と同じものを用いる。光源30の後方にあるコリメートレンズ31とこの後方の画像表示素子1との間には偏光状態切替用光学素子32が配置される。この偏光状態切替用光学素子32は、本発明の偏光状態切替え手段を構成し、図1に示したものと同様に、一対の透明基板と、これらの透明基板間に設けられて基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、透明基板の内面側に設けられて液晶層の配列方向をフレーム信号に応じて切替える電極とを備えている。
偏光状態切替え用光学素子32内の液晶の配列は図2に示すものと同じである。その機能は偏光状態切替え用光学素子32に入射する照明光の偏光方向を極性反転のタイミングに一致させ90度回転させることであり、全面一括してスイッチングする以外は、図2における画素内の液晶の動作と同様であるので、この詳細な説明は省略する。
なお、画像表示素子1が線順次駆動の場合に、画像の書替えタイミングと偏光状態切替えのタイミングとを一致させることにより、きわめて良好な画像を得ることができ、図2の電極を画像表示素子1の副走査方向に平行ないくつかの帯状電極に分割して、帯状電極の電圧反転タイミングを画像書替えタイミングと一致させるようにしてもよい。
図8は、光源30からの照明光、偏光状態切替え用光学素子32の液晶駆動信号、画像表示素子1の液晶駆動信号のタイムチャートを示す。
偏光状態切替え用光学素子32の液晶駆動信号、画像表示素子1の液晶駆動信号が両者ともonである場合には、光源30からの直線偏光は回転することなく進み、明表示となる。偏光状態切替え用光学素子32の液晶駆動信号がoff、画像表示素子1の液晶駆動信号がonの場合には、偏光状態切替え用光学素子32から出射した偏光が90度回転され、画像表示素子1では偏光がこの偏光状態を保ったまま透過するので、暗表示となる。偏光状態切替え用光学素子32の液晶駆動信号がon、画像表示素子1の液晶駆動信号がoffの場合には、偏光状態切替え用光学素子32から出射した偏光は、回転することなく透過し、画像表示素子1で90度回転するので、暗表示となる。偏光状態切替え用光学素子32の液晶駆動信号、画像表示素子1の液晶駆動信号が両者ともoffである場合には、偏光状態切替え用光学素子32から出射した偏光が90度回転し、画像表示素子1でさらに90度回転するので、明表示となる。
なお、図7と図8では光源30に3色のレーザーを使用しているが、ランプ光源を用いて回転カラーホイール等によるフィールドシーケンシャルカラー生成を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例2の画像表示装置においては、極性反転を行いながらT1とT1'(T1'=T1)とで設定される所望の光量の出力が可能となって、図3の例に比較して遮光を必要としないので、光利用効率を向上させることができる。また、図4の構成のものに比べて画像表示素子1と光進行方向の最後方に位置する投射レンズ28(図4では図示せず)との間に補正パネルがないことから、コントラストの低下を抑止することが可能となる。
[実施例3]
本実施例3の画像表示装置の構成を図9に示す。
本実施例3の画像表示装置にあっては、照明光学系の光源40として高圧水銀ランプ等のように無偏光の光を出射するものを適用している。光源40から出射した光は回転カラーホイール41等により時分割で3色以上の光に分割された後、コリメートレンズ42により照明角を調整された後、多角体偏光フィルタ43に入射される。多角体偏光フィルタ43は、異なる方向の偏光フィルタを周期的に設けた多角柱状の回転体であり、その回転が照明光の光軸と直交する方向を向いた状態で設けられて、フレーム周波数と同期する回転速度で回転され、照明光も光線が入射、出射する多角体偏光フィルタ43の入射面及び出射面の組合せによって偏光状態を切替える機能を有する。したがって、多角体偏光フィルタ43は、本発明の偏光状態切替え手段を構成する。なお、多角体偏光フィルタ43の前後に照明光の均一性を向上させるためのフライアイレンズ等を設けてもよい。多角体偏光フィルタ43を出射した光はコンデンサレンズ44を経て画像表示素子1へ入射され、ここから出射し投射レンズ28を透過する。
図10及び図11は、その多角体偏光フィルタ43の表面構造の例を示したものである。多角体偏光フィルタ43は、直線偏光を入射させる場合、入射面と出射面との透過軸を平行に設定する必要があるため、その面数が4の倍数となるように設定される。たとえば、図10の多角体偏光フィルタ43は、偏光フィルタ面43a、43b、・・・が4面になるような4角柱状に形成され、また図11の多角体偏光フィルタ45は、偏光フィルタ面45a、45b、45c、・・・が8面になるような8角柱状に形成される。これらを比較すると、後者は、特に高速で偏光フィルタ面を切替える場合に前者より有利であり、この傾向は面数が多いほど強まる。反面、前者は、同じ面積の偏光面を使いながら小型化が可能となり、装置の省スペース化が図れるといった利点がある。一般的に、画像表示装置にあっては数十Hzの駆動周波数で駆動するので、速度的な面では4面の偏光面でも問題ないことから、通常は4面の多角体偏光フィルタを用いるのが好ましい。
図12は、多角体偏光フィルタ43の機能を概念的に示す図である。多角体偏光フィルタ43は照明光路中に位置され、同図(a)〜同図(c)に示すように回転している。多角体偏光フィルタ43の表面には、図10に示した偏光フィルタが設けられている。図12(a)の状態では、照明光の入射面と出射面とに位置する偏光フィルタと光軸は垂直であり、照明光はすべて1つの面(入射面50a)から入射し1つの面(出射面50b)から出射する。入射面50aと出射面50bとに縦方向の透過軸を有する偏光フィルタを設けることにより、縦方向の偏光のみ出射する。同様に、同図(c)の状態では、横方向の成分のみ射する。また、同図(b)の状態では、入射面51a、52a、出射面51b、52bともに2つの面にまたがる。第1入射面51aでは偏光フィルタが縦方向の透過軸を有するので縦方向の成分のみ透過させるが、この光は多面体偏光フィルタ43内部の透明材質の屈折率に応じて屈折して第1出射面51bに導かれる。第1出射面51bでは第1入射面51aと同様に縦方向の偏光を透過するので、この出射光は縦方向偏光成分のみを有することとなる。第2入射面52aでは偏光フィルタが横方向の透過軸を有するので横方向の成分のみ透過させるが、上記同様に、この光は多角体偏光フィルタ43の屈折率に応じて屈折し第2出射面52bに導かれる。第2出射面52bでは第2入射面52aと同様に横方向の偏光を透過するので、この出射光は横方向偏光成分のみを有することになる。
図9に示すように、多角体偏光フィルタ43の後方に配置したコンデンサレンズ44のパワーを適切に設定することにより、画像表示素子1に到達する照明光は偏光方向が上から下へ順次変化することになる。
なお、図12(d)に示すように、画像表示素子1が線順次駆動される場合には、この偏光状態切替えのタイミングと画像書替えのタイミングとを一致させることにより、きわめて良好な画像を得ることができる。
なお、ここでは無偏光の照明光を多角体偏光フィルタ43に入射させるようにしているが、直線偏光の入射光であっても多角体偏光フィルタ43を用いることが可能であり、図13にこの例を示す。
同図において、多角体偏光フィルタ43として第1入射面51a及び第1出射面51bに位置する面に1/4波長フィルタを設け、第2入射面52a及び第2出射面52bに位置する面には、上記1/4波長フィルタの透過率と同等の等方媒質を設ける。これにより、第1入射面51aから入射した照明光は多角体偏光フィルタ43中では円偏光となり第1出射面51bを通過した後、偏光面が入射光とは90度異なる直線偏光となる。第2入射面52aから入射した照明光はその偏光状態を変えることなく第2出射面52bから出射する。
また、ランプ光源等の無偏光の照明光を直線偏光に変換させる方法は偏光変換素子を用いることが従来から提案されており、本画像表示装置においても利用することができる。
次に、本発明に係る別の実施の形態に係る画像表示装置につき図とともに説明する。この画像表示装置では、反射型の画像表示素子10を用いており、その構成を図14に示す。
この画像表示装置では、その照明光学系を、図9の照明光学系において画像表示素子1に照明するためのコンデンサレンズ44のパワーを変更するとともに、投射レンズ28のバックフォーカス長を調整することで構成することが可能である。このように反射型の画像表示素子10を用いて画像表示装置を得ることも可能である。
図15に示すように、本実施例の画像装置は、光源40からの光照明をダイクロイックミラー49a、49b、49cにより3色に分離した後、多角体偏光フィルタ53a、53b、53cにより偏光状態を切替え、コンデンサレンズ44a、44b、44cを透過させた後、ダイクロイックミラー50a、50b、50cで方向変改して投射レンズ28を透過させるように構成している。また、ダイクロイックミラー49a、49b間、ダイクロイックミラー49b、49c間には、コンデンサレンズ54a、コンデンサレンズ54bがそれぞれ配置される。このように構成することで、図9の回転カラーホイールを用いる画像表示装置に比べて光利用効率を高めることができる。ここで、多角体偏光フィルタ53a、53b、53cは、本発明の偏光状態切替え手段を構成する。なお、画像表示素子は、ここではその図示を省略しているが、ダイクロイックミラー50cと投射レンズ28との間に配置する。
[実施例4]
図16に示す本実施例4の画像表示装置は、図9に示した照明光学系において画像表示素子1と投射レンズ28との間に光路偏向素子47を配置したもので、その他の構成は図9のものと同様である。この照明光学系を用いる画像表示装置では、複数のサブフレームにより1つの画像フレームを構成し、光路偏向素子47でサブフレームごとに画像表示素子1からの出射光の位置を変位させ、画像表示素子1のみかけ上の画素数を増やして表示することができる。ここで、光路偏向素子47およびその駆動方法としては、たとえば特開2002−328402号公報に記載されたものを用いる。なお、ここでも、偏光状態切替え手段としての多角体偏光フィルタ43を用いる。
[実施例5]
本実施例5の画像表示素子は、図17に示すように、投射型画像表示装置に搭載する透過型の画像表示素子15であって、各画素液晶部の照明範囲が画素範囲より小さくなるように、各画素に対応させて、入射側の基板2a上に集光素子としてのレンズ48が複数個配置される。その他の構成は図1のものと同様である。
従来からネマティック液晶を用いた透過型の画素表示素子は存在していたものの、応答速度が数msから数十msであり図16の投射型画像表示装置に搭載するには十分な応答速度ではなかった。今回対象とする強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる画素表示素子は数十μsから数百μsのより早い応答性を有しており、きわめてコントラスト改善に対する効果が高い。そして、集光素子としてのレンズ48を設けることにより、照明光が液晶駆動用トランジスタ等の非透明部に遮られずに透過できるので、光利用効率を高めることができ、さらに光偏向により見かけの画素数を向上させた時の画素間の重なりを回避することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる画像表示装置及び画像表示方法は、光利用効率の低下を防ぐとともに、コントラストの低下、製作困難性、及び装置の大型化を抑えることができるという効果を有し、液晶による画像表示や画像形成のための装置や方法として有用である。
本発明の実施の形態に係る画像表示素子の平面図と側面断面図である。 図1の画像表示素子の画素中における電界方向に応じた液晶分子の配列方向変化を説明する図である。 従来から利用されている、極性反転を得るための液晶駆動電流のタイムチャートである。 従来から利用された別の極性反転を得る方法であって補正パネルを用いるものの説明図である。 本発明に係る実施例1の画像表示装置の構成を示す図である。 実施例1の画像表示装置で利用される液晶駆動信号のタイムチャートである。 本発明に係る実施例2の画像表示装置の構成を示す図である。 実施例2の画像表示装置で利用される液晶駆動信号のタイムチャートである。 本発明に係る実施例3の画像表示装置の構成を示す図である。 実施例3の画像表示装置で用いられる4つの偏光フィルタ面を有する多角体偏光フィルタの斜視図である。 実施例3の画像表示装置で用いられる8つの偏光フィルタ面を有する多角体偏光フィルタの斜視図である。 多角体偏光フィルタの回転位置と入射光及び出射光との関係を説明する図である。 無偏光の入射光を用いた場合の角体偏光フィルタと入射光及び出射光との関係を説明する図である。 本発明の別の実施の形態である反射型画像表示装置の構成を示す図である。 図14の反射型画像表示装置に、照明光を3色に分離するダイクロイックミラーを適用した画像表示装置を示す図である。 本発明に係る実施例4の画像表示装置の構成を示す図である。 本発明に係る実施例5の集光素子を取り付けた画像表示素子の側面断面図である。
符号の説明
1、10、15 画像表示素子
1a 画素
2a、2b 基板
3 画素電極
5 液晶層
5a 液晶分子
20 照明切替え手段
21 第1照明光学系
22 第2照明光学系
23、24、30、40 光源
27 偏光ビームスプリッタ
28 投射レンズ
32 偏光状態切替用光学素子
43、45、53a、53b、53c 多角体偏光フィルタ
43a、43b、45a、45b、45c 偏光フィルタ面
48 レンズ(集光素子)
50a、51a、52a 入射面
50b、51b、52b 出射面

Claims (16)

  1. 少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、前記透明の基板の液晶層側に設けられて前記強誘電性液晶又は前記反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画素電極とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示装置において、
    前記照明光学系内に、前記画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるように、該画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替える偏光状態切替え手段を設けるとともに、
    前記偏光状態切替え手段が、一対の透明基板と、該透明基板間に設けられ前記透明基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、前記透明基板の内面側に設けられて前記液晶層の配向方向をフレーム信号に応じて切り替える電極とを有する光学素子であることを特徴とする画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置において、
    前記偏光状態切替え手段が、互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系と、該照明光学系の照明光を時間的に切り替えて前記画像表示素子を照明する照明切替え手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
  3. 請求項2に記載の画像表示装置において、
    前記互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系の光源が固体レーザであることを特徴とする画像表示装置。
  4. 少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、前記透明の基板の液晶層側に設けられて前記強誘電性液晶又は前記反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画素電極とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示装置において、
    前記照明光学系内に、前記画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるように、該画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替える偏光状態切替え手段を設けるとともに、
    前記偏光状態切替え手段が、前記照明光の入射面及び出射面となる複数の異なる偏光方向の偏光フィルタ面が形成され、回転中心が照明光の光軸と直交する方向を向いた状態で前記光源と前記画像表示素子との間に配置されて、フレーム周波数と同期する回転速度で回転され、前記照明光光線の前記入射面及び前記出射面の組合せを異ならせることにより偏光状態を切り替える多角体偏光フィルタを有することを特徴とする画像表示装置。
  5. 請求項に記載の画像表示装置において、
    前記多角体偏光フィルタは四角柱状であり、4つの側面が偏光フィルタ面であることを特徴とする画像表示装置。
  6. 請求項4又は5に記載の画像表示装置において、
    前記多角体偏光フィルタによって前記画像表示素子上の画素に入射する光の偏光状態が切り替わるタイミングと、前記画像表示信号による前記画素の書替えタイミングとが一致するようにしたことを特徴とする画像表示装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の画像表示装置において、
    1つの画像フレームを構成する複数のサブフレームごとに前記画像表示素子からの出射光の位置を変位させ、前記画像表示素子のみかけ上の画素数を増やして表示する光路偏向手段を設けたことを特徴とする画像表示装置。
  8. 前記一対の基板が、両基板とも透明基板からなる請求項1乃至7のいずれかに記載の画像表示装置において、
    前記画像表示素子が、この各画素の入射光側の基板上に設けられて照明光を前記画素の中央に集光する集光素子を有することを特徴とする画像表示装置。
  9. 少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、前記透明の基板の液晶層側に設けられて前記強誘電性液晶又は前記反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画電極素とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示方法において、
    前記画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替えることにより、前記画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるようにするとともに、
    前記画像表示素子に入射される入射光の偏光状態の切り替えが、前記一対の透明基板と、該透明基板間に設けられ前記透明基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、前記透明基板の内面側に設けられて前記液晶層の配向方向をフレーム信号に応じて切り替える電極とを有する光学素子により行われることを特徴とする画像表示方法。
  10. 請求項9に記載の画像表示方法において、
    互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系から照射される照明光を時間的に切り替えることにより、前記画像表示素子に入射する入射光の偏光状態を切り替えることを特徴とする画像表示方法。
  11. 請求項10に記載の画像表示方法において、
    前記互いに異なる偏光状態をとる複数の照明光学系の光源が固体レーザであることを特徴とする画像表示方法。
  12. 少なくとも片方が透明である一対の基板と、該基板間に設けられて該基板と平行な面内で配向方向が切り替えられる強誘電性液晶又は反強誘電性液晶からなる液晶層と、前記透明の基板の液晶層側に設けられて前記強誘電性液晶又は前記反強誘電性液晶の配列方向を画像表示信号に応じて切り替える画電極素とを有する画像表示素子を用い、該画像表示素子を照明光学系の光源からの偏光状態を変化させる照明光で照明して画像を表示する画像表示方法において、
    前記画像表示素子に入射される入射光の偏光状態を時間的に切り替えることにより、前記画像表示素子の極性反転前後における出射画像光の偏光状態が同一となるようにするとともに、
    前記画像表示素子に入射される入射光の偏光状態の切り替えが、前記照明光の入射面及び出射面となる複数の異なる偏光方向の偏光フィルタ面が形成され、回転中心が照明光の光軸と直交する方向を向いた状態で前記光源と前記画像表示素子との間に配置されて、フレーム周波数と同期する回転速度で回転され、前記照明光光線の前記入射面及び前記出射面の組合せを異ならせることにより偏光状態を切り替える多角体偏光フィルタにより行われることを特徴とする画像表示方法。
  13. 請求項12に記載の画像表示方法において、
    前記多角体偏光フィルタは四角柱状であり、4つの側面が偏光フィルタ面であることを特徴とする画像表示方法。
  14. 請求項12又は13に記載の画像表示方法において、
    前記多角体偏光フィルタによって前記画像表示素子上の画素に入射する光の偏光状態が切り替わるタイミングと、前記画像表示信号による前記画素の書替えタイミングとが一致するようにしたことを特徴とする画像表示方法。
  15. 請求項9乃至14のいずれかに記載の画像表示方法において、
    1つの画像フレームを構成する複数のサブフレームごとに前記画像表示素子からの出射光の位置を変位させ、前記画像表示素子のみかけ上の画素数を増やして表示することを特徴とする画像表示方法。
  16. 前記一対の基板が、両基板とも透明基板からなる請求項9乃至15のいずれかに記載の画像表示方法において、
    前記画像表示素子が、この各画素の入射光側の基板上に設けられて照明光を前記画素の中央に集光する集光素子を有することを特徴とする画像表示方法。
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