JP4632474B2 - 超音波探傷画像表示方法及び超音波探傷画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を利用して鉄道レール等の被検査体を探傷してその画像表示を行う超音波探傷画像表示方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の鉄道レール1などを超音波で探傷する際の計測状態を示す斜視図であり、図3は超音波探傷装置2の機能構成を示すブロック図である。この例では、探傷対象のレール1上を、超音波探傷装置2と接続されるケーブル3の先端に設けられた超音波探触子4を移動させてレール1の探傷を行っている。
【0003】
この際、送信部2aから一定周期で出力される送信信号が超音波探触子4に入力され内部の図示しない振動子からの超音波パルスがレール1に入射され、この超音波パルスがレール1の傷などで反射し、反射波が超音波探触子4の振動子で受信される。
【0004】
そして、この受信信号が受信部2bに入力され、増幅された後に信号処理部2cに入力される。信号処理部2cは、所定の伝搬時間、即ち超音波探触子4からレール1に入射された超音波パルスが傷などで反射して再び超音波探触子4で受信されるまでの時間の範囲のみを検出対象とするためのゲート回路を有しており、受信信号をゲート回路に通して、A/D変換後、受信信号のレベルを判定レベルと比較して反射エコーを検出する。
【0005】
信号処理部2cに入力された受信信号や、信号処理部2cで検出された反射エコー信号は、表示部2d及び記録部2eに出力され、表示及び記録が行われる。その表示には、Aスコープ表示やBスコープ画像表示が用いられる。Bスコープ画像は、例えば、横軸に探触子位置、縦軸に反射エコーの伝搬距離をとって反射エコーをプロットするものであるが、屈折角(超音波がレールに入射するときの入射方向と、入射面すなわちレール表面の法線とのなす角)を考慮して反射エコーの反射源の位置を算出してプロットすれば断面画像となる。反射源の実体に即したこの断面画像表示は非常に有効な表示方法である。
【0006】
このようなレール探傷では、複数の超音波探触子を用いて、傷の方向性等を考慮した超音波をレールに入射して探傷を行っている。例えば、水平裂を検出するためには、屈折角が0°である垂直探触子を用い、45°程度の傾きの横裂を検出するためには、屈折角が45°となる斜角探触子が用いられている。これらの探触子により、例えば、レールに存在するボルト穴1bでは、垂直探触子と屈折角45°の互いに逆向きに設置された2つの斜角探触子からの反射エコーによって、図4のような断面画像が得られる。
【0007】
ところで、溶接部の溶け込み不足や縦割れを検出するために、特開平11−118770号公報記載の探傷方法(以下、モード変換タンデム法と呼ぶことにする)が用いられることがある。この方法は、屈折角が同一の2つの斜角探触子を用いる従来のタンデム法の欠点を解決して、探触子間隔を小さくして限られたスペースでも適用可能で、かつ、底面からの反射エコーを検出することなく、さらに、損失を少なくして効率よい超音波探傷を可能とし、縦割れ傷からの反射エコーを確実に検出するものである。
【0008】
図5はこのモード変換タンデム法の原理を説明するための図である。図中、破線は横波超音波、一点鎖線は縦波超音波を表している。第一の斜角探触子41からレール1に屈折角αで入射された縦波超音波が、レール表面1aに平行な底面1dでモード変換せずに反射したのち、レール内部の縦割れ傷1e(反射点での法線はレール表面1aに平行)でモード変換して反射し、レール表面1aの法線とのなす角がβで戻ってくる横波超音波を、第二の斜角探触子42で受信している。なお、第二の斜角探触子42から横波超音波を屈折角βで送信し、レール内部の縦割れ傷1eでモード変換して反射し、第一の斜角探触子41でレール表面1aの法線とのなす角がαで戻ってくる縦波超音波を受信することも可能である。
【0009】
ここで、底面1dおよび縦割れ傷1eでの反射においては、音速と入射角または反射角の正弦関数との比は一定であるというスネルの法則が満足される。すなわち、底面1dでの反射においては、反射前後とも縦波で両者の音速が等しいため、反射波の底面の法線とのなす角(反射角)もαである。また、縦割れ傷1eでの反射においては、傷に対して入射してくる縦波超音波の反射点での法線とのなす角(入射角)90°−αと、横波反射波の反射点での法線とのなす角(反射角)90°−βとの関係は、
【0010】
【数1】
となり、したがって、
【0011】
【数2】
が成り立つ。ただし、C1、C2は、それぞれレール中での縦波、横波の音速で、レールすなわち鋼中の実際の音速は、C1=5900m/s、C2=3230m/sである。
【0012】
ここで、レール高さをhとし、レール長手方向にX軸、レール表面をy=0として深さ方向にY軸をとり、第一の斜角探触子41の位置を(x1,0)、第二の斜角探触子42の位置を(x2,0)とすると、縦割れ傷1eでの反射点の位置(x,y)は、次の連立方程式
【0013】
【数3】
の解として決定される。なお、図5とは反対にx1>x2としてX軸の正方向に送信した場合は、(3)式における“x1−x”、“x2−x”は、各々“x−x1”、“x−x2”となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の探触子は多少広がりを持った送受信特性を有するため、超音波が幅を持つことになって、探触子の位置に対して反射エコーが検出されるレール内部の反射源の位置は、1点ではなくある範囲を有することになる。そのため、反射エコーが検出されたときに、超音波の広がりを考慮せずに、第一の斜角探触子の設計上の屈折角を用いて(3)式により反射源の位置を決定するのでは、正確な位置を求めることができず、反射源の実体に即した断面画像を生成し、その画像表示を行うことができないという問題がある。
【0015】
また、例えば従来のレール探傷車によるレール探傷においては、探傷中にレールの種類が変わってレール高さが変わることがあるため、レール高さを既定値として予め与えることは難しく、そのような場合に、モード変換タンデム法において反射源の位置の算出を行うことはさらに困難を極めることになる。
【0016】
さらには、被検査体がレールの場合には、ボルト穴のような人工構造や、継目での遊間部(レール端面)において、モード変換タンデム法によって反射エコーが検出されることがあり、モード変換タンデム法だけによる断面画像としたときに、これらと傷とを識別可能なように表示することができないという問題がある。
【0017】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、第1の目的は、モード変換タンデム法で検出された反射エコーについて、正確に反射源の位置を算出し、反射源の実体に即した断面画像を生成することができる超音波探傷画像表示方法及び超音波探傷画像表示装置を提供することを目的としている。
【0018】
また、第2の目的は、第1の目的に加えて、表示の際に、不正な反射エコーやノイズを画像表示しないことによって、信頼性の高い断面画像表示を行うことができる超音波探傷画像表示方法及び超音波探傷画像表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、第3の目的は、第1の目的に加えて、被検査体の表面から底面(背面)までの距離が変わっても、問題なく反射源の位置の特定ができ、反射源の実体に即した断面画像を生成することができる超音波探傷画像表示方法及び超音波探傷画像表示装置を提供することを目的とする。
【0020】
また、第4の目的は、第1の目的に加えて、モード変換タンデム法で検出された反射エコーの反射源の位置と、その他の探触子によって検出された反射エコーの反射源の位置とを重畳して断面画像表示することによって、より有効な表示とすることができる超音波探傷画像表示方法及び超音波探傷画像表示装置を提供することをも目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、被検査体の表面に第一の斜角探触子及び第二の斜角探触子を当接させて、第一の斜角探触子から縦波超音波を送信し、その縦波超音波が底面(背面)でモード変換せずに反射したのち、被検査体内部の反射源でモード変換して反射した横波超音波を第二の斜角探触子で受信して、または、第二の斜角探触子から横波超音波を送信し、その横波超音波が被検査体内部の反射源で縦波超音波に変換して反射したのち、底面(背面)でモード変換せずに反射した縦波超音波を第一の斜角探触子で受信することによって前記被検査体を探傷して、検出された反射エコーに基づいて断面画像表示を行う超音波探傷画像表示方法であって、
前記被検査体の表面、底面(背面)及び被検査体内部の反射源の法線は平行であり、かつ、底面(背面)での反射及び被検査体内部の反射源での反射においてはスネルの法則を満足するものとして、第一または第二の斜角探触子から被検査体へ入射する超音波の屈折角のある角度範囲で、第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置と、表面から底面(背面)までの距離とを一定としたときの、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する近似式を予め求めておき、
反射エコーが検出されたときに、超音波が送信されてから該検出された反射エコーが受信されるまでの伝搬時間と前記近似式から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出し、さらに、第一の斜角探触子または第二の斜角探触子の位置を用いて、検出された反射エコーの反射源の位置を特定して、
断面画像表示を行うことを特徴とする。
【0022】
または、本発明は、被検査体の表面に第一の斜角探触子及び第二の斜角探触子を当接させて、第一の斜角探触子から縦波超音波を送信し、その縦波超音波が底面(背面)でモード変換せずに反射したのち、被検査体内部の反射源でモード変換して反射した横波超音波を第二の斜角探触子で受信して、または、第二の斜角探触子から横波超音波を送信し、その横波超音波が被検査体内部の反射源で縦波超音波にモード変換して反射したのち、底面(背面)でモード変換せずに反射した縦波短音波を第一の斜角探触子で受信することによって前記被検査体を探傷して、検出された反射エコーに基づいて断面画像表示を行う超音波探傷画像表示装置であって、
第一の斜角探触子及び第二の斜角探触子の位置を計測する探触子位置計測手段と、
反射エコーを検出して、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間を計測する反射エコー検出手段と、
検出された反射エコーの反射源の位置を特定する反射源位置特定手段であって、
前記被検査体の表面、底面(背面)及び被検査体内部の反射源の法線が平行であり、かつ、底面(背面)での反射及び被検査体内部の反射源での反射においてはスネルの法則を満足するものとして、第一または第二の斜角探触子から被検査体へ入射する超音波の屈折角のある角度範囲で、第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置と、表面から底面(背面)までの距離とを一定としたときの、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する近似式を用いて、超音波が送信されてから該検出された反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する相対位置算出手段と、
前記相対位置算出手投で算出された第一または第二の斜角探触子に対する反射源の相対的位置と、第一または第二の斜角探触子の位置とから、検出された反射エコーの反射源の位置を決定する位置決定手段と、からなる前記反射源位置特定手段と、
前記反射源位置特定手段で特定された反射源の位置を表す断面画像を生成する画像生成手段と、を有することを特徴とする。モード変換タンデム法による超音波の伝搬時間と、反射源との位置には、一定の関係が成り立つので、伝搬時間及び被検査体の表面から底面(背面)までの距離を用いて、反射エコーの反射源の位置を特定することができる。従って、斜角探触子の屈折角に広がりがあったとしても、この屈折角に依存せずに、反射源を特定することができ、反射源の実体に即した断面画像を生成することができる。
【0023】
また、被検査体内部の反射源の法線が、表面、底面(背面)と平行であり、かつ底面での反射及び反射源での反射においてスネルの法則が満足するものとした場合に、伝搬時間と反射源の位置とを所定の関係式に基づき決定することができる。
【0024】
また、前記超音波探傷画像表示方法において、第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置毎に、かつ、表面から底面(背面)までの距離毎に、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する近似式を予め求めておき、反射エコーが検出されたときに、そのときの第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置及び表面から底面(背面)までの距離に対応する前記近似式から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出し、さらに、第一または第二の斜角探触子の位置を用いて、検出された反射エコーの反射源の位置を特定することができる。または、前記超音波探傷画像表示装置において、前記反射源位置特定手段は、前記第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置、前記被検査体の表面から底面(背面)までの距離及び前記伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を近似的に算出する相対位置算出手段と、前記相対位置算出手投で算出された第一または第二の斜角探触子に対する反射源の相対的位置と、第一または第二の斜角探触子の位置とから、検出された反射エコーの反射源の位置を決定する位置決定手段とから構成することができる。伝搬時間から反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する近似式を予め求めておくことにより、迅速に反射源の位置を特定することができるようになる。第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との間の相対的位置毎、かつ表面から底面(背面)までの距離毎に、近似式を求めることにより、探傷環境の変化に対応することができる。
【0025】
また、前記超音波探傷画像表示方法において、前記伝搬時間が所定の範囲内である反射エコーについてのみ画像表示することができる。または、前記前記超音波探傷画像表示装置において、前記反射源位置特定手投は、前記伝搬時間が所定の範囲内である反射エコーについて反射源の位置を特定することができる。伝搬距離が所定の範囲内にある反射エコーのみを対象とすることにより、不正な反射エコーやノイズを除去することができる。所定の範囲とは、例えば、入射される超音波の屈折角の広がりに見合った伝搬距離の範囲とするとよい。
【0026】
また、前記超音波探傷画像表示方法において、前記被検査体の表面から底面(背面)までの距離を、その表面に当接した超音波の送受信用の垂直探触子により超音波を送信してから底面(背面)で反射したエコーが受信されるまでの伝搬時間及び超音波の音速から算出することができる。または、前記超音波探傷画像表示装置において、さらに、前記被検査体の表面に当接される超音波の送受信用の垂直探触子を有し、前記反射エコー検出手段は、この送受信用の垂直探触子によって検出された反射エコーについても反射エコーを検出して伝搬時間を計測するものであり、送受信用の垂直探触子により超音波を送信してから底面(背面)で反射したエコーが受信されるまでの伝搬時間及び超音波の音速から、前記被検査体の表面から底面(背面)までの距離を算出する表面底面間距離算出手段を有することとすることができる。垂直探触子による超音波の送受信の時間から表面底面間距離を求めることにより、被検査体の表面底面(背面)間距離の変化に対応することができる。
【0027】
また、前記超音波探傷画像表示方法において、さらに、超音波の送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子を用いて前記被検査体を探傷したときに検出された反射エコーに対して、この探触子の位置及びその設計上の屈折角と、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間と、超音波の音速とから、反射源の位置を算出して、前記断面画像に重畳して表示することができる。または、前記超音波探傷画像表示装置において、さらに、超音波の送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子を有し、前記探触子位置計測手段は、この送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子の位置をも計測し、前記反射エコー検出手段は、前記送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子によって検出された反射エコーについても反射エコーを検出して伝搬時間を計測し、前記反射源位置特定手段は、前記送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子の位置及び設計上の屈折角と、前記探触子によって検出された反射エコー伝搬時間と、超音波の音速とから、この探触子によって検出された反射エコーの反射源の位置をも算出し、前記反射源位置特定手段で検出された当該反射エコーの反射源の位置を重畳して断面画像表示を行うことができる。モード変換タンデム法で検出された反射エコーの反射源の位置と、モード変換タンデム法以外の探触子によって検出された反射エコーの反射源の位置とを重畳して断面画像表示することで、被検査体の中の種々の反射源の実体に即した断面画像表示することができる。尚、ここで、送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子とは、送信用及び受信用の垂直探触子、送信用の斜角探触子と受信用の斜角探触子、送受信用及び受信用の斜角探触子等の1つまたは複数の組み合わせが考えられる。
【0028】
また、前記超音波探傷画像表示方法または前記超音波探傷画像表示装置において、前記被検査体はレールとすることができ、また、超音波レール探傷車におけるレール探傷画像表示装置に使用することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明による超音波探傷画像表示方法を実施するための、またはレール探傷車に搭載される超音波探傷画像表示装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。超音波探傷画像表示装置10は、探触子ブロック40、多チャネル超音波送受信部14、探触子位置計測部16、反射エコー検出部18、伝搬距離算出部20、表面底面間距離算出部22、反射源位置特定部24、画像生成部28、表示部30を備えている。以上の各部は、ゲート回路、A/D変換器、カウンタ、論理回路、CPU、メモリ、I/O回路、D/A変換器、ビデオアンプ、CRT等によって実現することができる。
【0031】
以下、各部の詳細をその作用と共に説明する。
【0032】
探触子ブロック40は、例えば、図6に示すように、モード変換タンデム用の第一の斜角探触子41及び第二の斜角探触子42、送受信用の垂直探触子(屈折角0°)44及び互いに逆向きに設置された2つの送受信用の斜角探触子(例えば屈折角45°)43,45が所定の位置関係で配置されているものからなる。第一の斜角探触子41は、該探触子41からの(または探触子41への)縦波超音波の屈折角が例えば20°となるように設定されている一方で、第二の斜角探触子42は、該探触子42への(または探触子42からの)横波超音波の屈折角が例えば59°となるように設定されている。これらの角度は、▲1▼第一の斜角探触子41からレール1に縦波超音波が入射される際の効率、▲2▼レール1の底面での反射効率、▲3▼傷での横波超音波へのモード変換効率、▲4▼さらに、第二の斜角探触子42での横波超音波の入射効率を考慮し、非常に効率のよい探触を行うことが可能である角度となっている。縦波超音波の屈折角は、5°乃至30°程度であることが好ましく、その場合、横波超音波の屈折角は、57°乃至62°程度となる。
【0033】
多チャネル超音波送受信部14は、探触子ブロック40の各探触子41,42,44,43及び45に対応した各チャネル(モード変換タンデムチャネル、垂直チャネル、+45°チャネル及び−45°チャネル)の送受信部を備えている。
【0034】
探触子ブロック40はレール1上を接触して移動し、その位置が探触子位置計測部16によって計測される。この際、多チャネル超音波送受信部14は、探触子位置計測部16からの探触子位置データに基づいて、各チャネルとも一定間隔で送信信号を第一の斜角探触子41または送受信用探触子44,43,45に出力し、その結果、各探触子の図示しない振動子から超音波パルスがレール1に入射される。この超音波パルスがレール1の傷などで反射し、その反射エコーが第二の斜角探触子42または送受信用の探触子の振動子44,43,45で受信されると、この受信信号が多チャネル超音波送受信部14で増幅され、反射エコー検出部18へと出力される。なお、ここでのモード変換タンデムチャネルは、第一の斜角探触子41から縦波超音波を送信し、第二の斜角探触子42で横波超音波を受信するものとする。勿論、第二の斜角探触子42から横波超音波を送信し、第一の斜角探触子41で縦波超音波を受信する場合も同様に適用できることは言うまでもない。
【0035】
反射エコー検出部18は、多チャネル超音波送受信部14からの各チャネルの受信信号を、まず、ゲート回路によって所定の伝搬時間の範囲のみを検出対象として選択してA/D変換する。ゲート回路は、例えば、垂直チャネルではレール表面から入射された超音波が底面で反射して戻って来るのに要する時間に応じたゲート設定がなされる。モード変換タンデムチャネルでは、第一の斜角探触子41の設計上の屈折角とレール高さによって伝搬時間は計算上は定まるが、前述のように超音波が幅を持つことや、レールの種類によってレール高さが変わることを見込んでゲートが比較的広く設定される。
【0036】
次に、受信信号レベルと所定の判定レベルを比較し、受信信号レベルが判定レベル以上の場合を反射エコーとして、例えばその受信信号レベルと伝搬時間を検出する。なお、受信信号レベルが連続して判定レベル以上である場合、つまり、反射エコーが時間的に幅を持つ場合は、例えば、受信信号レベルはその極大値とし、伝搬時間には、受信信号レベルが極大値となるときまたは判定レベルを越えたときの伝搬時間を採用することができる。
【0037】
伝搬距離算出部20は、反射エコー検出部18において検出されたモード変換タンデムチャネルを除く、各チャネルの反射エコーについて、超音波の音速に伝搬時間を乗ずることによって伝搬距離を算出する。垂直チャネルの超音波は縦波、±45°チャネルの超音波は横波で、鋼製のレール中の音速はそれぞれC1=5900m/s、C2=3230m/sである。
【0038】
表面底面間距離算出部22は、垂直チャネルで検出された反射エコーの伝搬距離から表面底面間距離、即ち、レール高さを求めるもので、例えば、想定されるレール高さの約2倍の伝搬距離の反射エコーが連続的に検出されていることを条件としてレールの底面からの反射エコーを抽出し、その伝搬距離の1/2をレール高さとする。なお、レールの種類としては、60kg、50T、50kgN、50kgPS、40kgN、37kgA及び30kgAがあり、それぞれのレール高さは174mm、160mm、153mm、144.46mm、140mm、122.24mm及び107.95mmである。
【0039】
反射源位置特定部24は、各チャネルで検出された反射エコーの反射源の位置を特定するものである。まず、モード変換タンデムチャネルについての反射源の位置特定について説明する。反射源位置特定部24は、モード変換タンデムチャネルでの反射源の位置特定を行うための手段として、反射源の探触子からの相対的位置を算出する相対位置算出部24−1と、該相対位置算出部24−1で算出された相対的位置と、探触子の位置とから反射源の位置を決定する位置決定部24−2と、からなる。
【0040】
図5のように、レール長手方向にX軸、レール表面をy=0として深さ方向にY軸をとり、第一の斜角探触子41の位置を(x1、0)、第二の斜角探触子42の位置を(x2、0)、表面底面間距離(レール高さ)をhとし、第一の斜角探触子41からX軸の負方向に屈折角αで縦波超音波がレールに入射したとすると、反射源の位置(x,y)は、前述の(3)式の解として求められる。また、このとき、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間tは、
【0041】
【数4】
となる。
【0042】
ここで、実際には超音波が幅を持ち、屈折角αが第一の斜角探触子41の設計上の屈折角のような一定値ではなく、ある範囲の値を取ることになる。今、第一の斜角探触子41の位置(x1,0)に対する反射源の相対的位置を(x−x1,y)=(xr,y)、第一の斜角探触子41の位置(x1,0)に対する第二の斜角探触子42の相対的位置を(x2−x1,0)=(d,0)とおいて、d=50mm、第一の斜角探触子41の設計上の屈折角を20°とする。さらに、レール種類が60kgレールで、h=174mmとする。そして、屈折角αが20°±5°の範囲の値をとるとすると、αを1°おきに変化させたとき、xr、y、tは(3)式及び(4)式から以下の表のようになる。
【0043】
【表1】
また、tとxr、yの関係をグラフにすると図7に示すものとなる。この図から、xr、yはtの1次式a・t+bで十分正確に近似できることがわかり、具体的には、xrについてはa=−3.1、b=213、yについてはa=1.3、b=−46となる。
【0044】
以上では60kgレールを例にとって説明したが、他のレール種類に対しても同様にして近似式を求めることができる。なお、この例では、第一の斜角探触子41と第二の斜角探触子42とが所定の位置関係にあってdが一定であるが、そうでない場合には、想定されるdの値あるいはそのうちのいくつかの値毎に、近似式を求めておけば良い。
【0045】
反射源位置特定部24の相対位置算出部24−1は、モード変換タンデムチャネルについて、以上のようにして予め求められた近似式を用いて、反射エコー検出部18で求められた伝搬時間tと、表面底面間距離算出部22で求められた表面底面間距離(レール高さ)hから、まず、反射エコーの反射源の第一の斜角探触子41に対する相対的位置(xr,y)を求める。すなわち、レール高さhに対応する近似式を用いて、伝搬時間tから反射源の相対的位置(xr,y)を算出する。このとき、実際に求められたレール高さhが、想定したレール高さのいずれとも一致しないときは、例えば、想定したレール高さの中で最も値の近いものに対応する近似式を用いれば良い。あるいは、想定した中で最も値の近い2つのレール高さに対応するそれぞれの近似式から相対的位置を算出し、その単純平均また重み付け平均によって反射源の相対的位置を求めてもよい。
【0046】
次に、位置決定部24−2において、上記のようにして求めた反射源の第一の斜角探触子41に対する相対的位置(xr,y)と、探触子位置計測部16によって計測された第一の斜角探触子41の位置(x1,0)とから、x=xr+x1により、最終的に反射エコーの反射源の位置(x,y)を決定する。
【0047】
なお、反射エコーの伝搬時間tは、第一の斜角探触子41からレール1に入射される縦波超音波の広がり、すなわち設計上の屈折角(例えば20°)と指向角から決まる最小屈折角及び最大屈折角によって制限されることになる。従って、最小屈折角及び最大屈折角がわかっている場合には、それに応じて決定される伝搬距離の範囲の反射エコーのみを対象とすることにより、不正な反射エコーやノイズを除去することができる。
【0048】
反射源位置特定部24は、その他のチャネルについては、図8に示すように、反射エコーの伝搬距離2rと、探触子位置計測部16によって計測された探触子の位置(x0,0)及び符号付きの(設計上の)屈折角θから、反射源の位置(x,y)を次式により求める。
【0049】
【数5】
画像生成部28は、反射源位置特定部24で算出された反射源の位置を表す断面画像を生成するものである。これは、例えば、反射源の位置に対応する点が明るく、その他の点が暗くなるような画像信号として出力する。あるいは、両者の色を違うものにしてもよい。また、反射源の位置に対応する点は、反射エコーのチヤネルに応じてもしくは受信信号レベルに応じて、色や明るさを変えても良い。
【0050】
表示部30は、画像生成部28から出力された断面画像信号を実際に表示するものである。
【0051】
以上に説明した超音波探傷画像表示装置において、実際に得られる断面画像表示の例として、レールの継目付近の腹部に水平裂が存在する場合の断面画像の例を図9に示す。図6に示した探触子ブロック40の構成による、レール底面、水平裂、4つのボルト穴1b及び遊間部1cの反射エコーが表示されている。図において、番号を付した各反射源の表示は、次の反射エコーのものである。
【0052】
▲1▼垂直チヤネルでのレール底面1dからの反射エコー
▲2▼垂直チヤネルでの水平裂の反射エコー
▲3▼垂直チヤネルでのボルト穴1bからの反射エコー
▲4▼+45°チヤネルでのボルト穴1bからの反射エコー
▲5▼−45°チヤネルでのボルト穴1bからの反射エコー
▲6▼モード変換タンデムチヤネルでのボルト穴1bからの反射エコー
▲7▼+45°チヤネルでの遊間部1c(レール端面と底面の角)からの反射エコー
▲8▼−45°チヤネルでの遊間部1c(レール端面と底面の角)からの反射エコー
▲9▼モード変換タンデムチヤネルでの遊間部(レール端面)からの反射エコー
このように、反射源の実体に即した断面画像表示が得られる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1ないし14記載の発明によれば、モード変換タンデム法で検出された反射エコーについて、その伝搬時間及び被検査体の表面から背面までの距離から反射源の位置を特定し、反射源の実体に即した断面画像表示を行うことが可能となる。
【0054】
また、請求項3または10記載の発明によれば、入射される超音波の屈折角と広がりに見合った伝搬時間の反射エコーのみに注目することによって、不正な反射エコーやノイズを除去することができる。
【0055】
また、請求項4または11記載の発明によれば、探傷途中で被検査体の表面から底面(背面)までの距離が変わったとしても、問題なく上記の反射源の位置の特定ができる。
【0056】
さらに、請求項5または請求項12記載の発明によれば、モード変換タンデム法で検出された反射エコーの反射源の位置と、モード変換タンデム法以外の探触子によって検出された反射エコーの反射源の位置とを重畳して断面画像表示することによって、より有効な表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波探傷画像表示装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】従来の鉄道レールなどを超音波で探傷する際の計測状態を示す斜視図である。
【図3】図2の超音波探傷装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】ボルト穴付近におけるBスコープ画像図である(ボルト穴を重畳して表す)。
【図5】モード変換タンデム法の原理を表す説明図である。
【図6】探触子ブロックの構成を表す説明図である。
【図7】伝搬時間tと、反射源の位置(xr、y)の関係を表すグラフである。
【図8】送受信用斜角探触子と、反射エコーの反射源との位置関係を表す説明図である。
【図9】実際に得られるレールの継目付近の腹部に水平裂が存在する場合の断面画像の例である。
【符号の説明】
1 レール
1b ボルト穴
1c 遊間部
16 探触子位置計測部(探触子位置計測手段)
22 表面底面間距離算出部(表面底面間距離算出手段)
24 反射源位置特定部(反射源位置算出手段)
24−1 相対位置算出部(相対位置算出手段)
24−2 位置決定部(位置決定手段)
28 画像生成部(画像生成手段)
41 第一の斜角探触子
42 第二の斜角探触子
44 垂直探触子
43 送受信用斜角探触子
45 送受信用斜角探触子
Claims (14)
- 被検査体の表面に第一の斜角探触子及び第二の斜角探触子を当接させて、第一の斜角探触子から縦波超音波を送信し、その縦波超音波が底面(背面)でモード変換せずに反射したのち、被検査体内部の反射源でモード変換して反射した横波超音波を第二の斜角探触子で受信して、または、第二の斜角探触子から横波超音波を送信し、その横波超音波が被検査体内部の反射源で縦波超音波に変換して反射したのち、底面(背面)でモード変換せずに反射した縦波超音波を第一の斜角探触子で受信することによって前記被検査体を探傷して、検出された反射エコーに基づいて断面画像表示を行う超音波探傷画像表示方法であって、
前記被検査体の表面、底面(背面)及び被検査体内部の反射源の法線は平行であり、かつ、底面(背面)での反射及び被検査体内部の反射源での反射においてはスネルの法則を満足するものとして、第一または第二の斜角探触子から被検査体へ入射する超音波の屈折角のある角度範囲で、第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置と、表面から底面(背面)までの距離とを一定としたときの、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する近似式を予め求めておき、
反射エコーが検出されたときに、超音波が送信されてから該検出された反射エコーが受信されるまでの伝搬時間と前記近似式から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出し、さらに、第一の斜角探触子または第二の斜角探触子の位置を用いて、検出された反射エコーの反射源の位置を特定して、
断面画像表示を行うことを特徴とする超音波探傷画像表示方法。 - 請求項1記載の超音波探傷画像表示方法において、
第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置毎に、かつ、表面から底面(背面)までの距離毎に、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する近似式を予め求めておき、
反射エコーが検出されたときに、そのときの第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置及び表面から底面(背面)までの距離に対応する前記近似式から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出し、さらに、第一の斜角探触子または第二の斜角探触子の位置を用いて、検出された反射エコーの反射源の位置を特定することを特徴とする超音波探傷画像表示方法。 - 請求項1または2記載の超音波探傷画像表示方法において、
前記伝搬時間が所定の範囲内である反射エコーについてのみ画像表示することを特徴とする超音波探傷画像表示方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波探傷画像表示方法において、
前記被検査体の表面から底面(背面)までの距離を、その表面に当接した超音波の送受信用の垂直探触子により超音波を送信してから底面(背面)で反射したエコーが受信されるまでの伝搬時間及び超音波の音速から算出することを特徴とする超音波探傷画像表示方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の超音波探傷画像表示方法において、さらに、
超音波の送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子を用いて前記被検査体を探傷したときに検出された反射エコーに対して、この探触子の位置及びその設計上の屈折角と、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間と、超音波の音速とから、反射源の位置を算出して、前記断面画像に重畳して表示することを特徴とする超音波探傷画像表示方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の超音波探傷画像表示方法において、
前記被検査体はレールであることを特徴とする超音波探傷画像表示方法。 - 請求項6記載の超音波探傷画像表示方法は、超音波レール探傷車におけるレール傷判定装置に使用されることを特徴とする超音波探傷画像表示方法。
- 被検査体の表面に第一の斜角探触子及び第二の斜角探触子を当接させて、第一の斜角探触子から縦波超音波を送信し、その縦波超音波が底面(背面)でモード変換せずに反射したのち、被検査体内部の反射源でモード変換して反射した横波超音波を第二の斜角探触子で受信して、または、第二の斜角探触子から横波超音波を送信し、その横波超音波が被検査体内部の反射源で縦波超音波にモード変換して反射したのち、底面(背面)でモード変換せずに反射した縦波短音波を第一の斜角探触子で受信することによって前記被検査体を探傷して、検出された反射エコーに基づいて断面画像表示を行う超音波探傷画像表示装置であって、
第一の斜角探触子及び第二の斜角探触子の位置を計測する探触子位置計測手段と、
反射エコーを検出して、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間を計測する反射エコー検出手段と、
検出された反射エコーの反射源の位置を特定する反射源位置特定手段であって、
前記被検査体の表面、底面(背面)及び被検査体内部の反射源の法線が平行であり、かつ、底面(背面)での反射及び被検査体内部の反射源での反射においてはスネルの法則を満足するものとして、第一または第二の斜角探触子から被検査体へ入射する超音波の屈折角のある角度範囲で、第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置と、表面から底面(背面)までの距離とを一定としたときの、超音波が送信されてから反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する近似式を用いて、超音波が送信されてから該検出された反射エコーが受信されるまでの伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する相対位置算出手段と、
前記相対位置算出手投で算出された第一または第二の斜角探触子に対する反射源の相対的位置と、第一または第二の斜角探触子の位置とから、検出された反射エコーの反射源の位置を決定する位置決定手段と、からなる前記反射源位置特定手段と、
前記反射源位置特定手段で特定された反射源の位置を表す断面画像を生成する画像生成手段と、を有することを特徴とする超音波探傷画像表示装置。 - 請求項8記載の超音波探傷画像表示装置において、前記相対位置算出手段は、前記第一の斜角探触子と第二の斜角探触子との相対的位置、前記被検査体の表面から底面(背面)までの距離に応じた近似式を用いて、前記伝搬時間から、検出された反射エコーの反射源の第一または第二の斜角探触子に対する相対的位置を算出する、
ことを特徴とする超音波探傷画像表示装置。 - 請求項8または9に記載の超音波探傷画像表示装置において、
前記反射源位置特定手投は、前記伝搬時間が所定の範囲内である反射エコーについて反射源の位置を特定することを特徴とする超音波探傷画像表示装置。 - 請求項8ないし10のいずれか1項に記載の超音波探傷画像表示装置において、さらに、
前記被検査体の表面に当接される超音波の送受信用の垂直探触子を有し、
前記反射エコー検出手段は、この送受信用の垂直探触子によって検出された反射エコーについても反射エコーを検出して伝搬時間を計測するものであり、
送受信用の垂直探触子により超音波を送信してから底面(背面)で反射したエコーが受信されるまでの伝搬時間及び超音波の音速から、前記被検査体の表面から底面(背面)までの距離を算出する表面底面間距離算出手段を有することを特徴とする超音波探傷画像表示装置。 - 請求項8ないし11のいずれか1項に記載の超音波探傷画像表示装置において、さらに、
超音波の送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子を有し、
前記探触子位置計測手段は、この送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子の位置をも計測し、
前記反射エコー検出手段は、前記送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子によって検出された反射エコーについても反射エコーを検出して伝搬時間を計測し、
前記反射源位置特定手段は、前記送信用及び/または受信用の1つまたは複数の垂直または斜角探触子の位置及び設計上の屈折角と、前記探触子によって検出された反射エコー伝搬時間と、超音波の音速とから、この探触子によって検出された反射エコーの反射源の位置をも算出し、
前記反射源位置特定手段で検出された当該反射エコーの反射源の位置を重畳して断面画像表示を行うことを特徴とする超音波探傷画像表示装置。 - 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の超音波探傷画像表示装置において、
被検査体がレールであることを特徴とする超音波探傷画像表示装置。 - 請求項8ないし13記載の超音波探傷画像表示装置は、超音波レール探傷車におけるレール探傷画像表示装置に使用されることを特徴とする超音波探傷画像表示装置。
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