JP4632201B2 - 油吸着材及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は輸送中や貯蔵中に漏出して路上などに拡散したり水中に乳化懸濁したりした廃油類などを吸着除去するための油吸着材に関する。
従来、工場や船舶などからの含油廃水や油の流出などに際して、海洋や港湾、河川などの油汚染を防止して、漏出した油を回収除去するために油吸着材が使用される。油吸着材は一般にポリプロピレン系などの長繊維で作製された油吸着材が用いられている。このような油吸着材に関連して例えば、以下の技術のものが知られている。
特許文献1には、素材として長さ76mm以下のポリプロピレン繊維のみを使用し、カード又はランダムの製綿機により繊維密度が0.05〜0.1g/cm3になるように作製したフェルトからなる油吸着材が記載されている。
特許文献2には、ポリオレフィン系樹脂からなる基材、スターチ類からなる接合及び潤滑材料、活性炭とからなる出発材料を押し出し成型可能な状態に混合し、これらの材料を所定の形状に押し出し、蒸気発泡体よりなる押し出し成型体を形成し、その後、当該押し出し成型体を加熱処理することにより内部に油を吸収保持するための撥水性の特殊立体構造を形成させるようにした油吸着素材の製造方法が記載されている。
特許文献3には、植物性繊維からなる原料を粉砕して粉末化した吸油性粒子を用い、その表面の一部分を水溶性パラフィンワックスで被覆した油吸着材が記載されている。
特開2000−5597号公報 特開2000−51691号公報 特開2004−167481号公報
しかしながら、前記特許文献に記載の従来の技術のものは以下のような課題があった。
特許文献1のポリプロピレン系樹脂のみを用いた油吸着材では、原料面やその特性管理面でコスト高になる上、高粘性油などの特定の油に対してはその吸着材重量当たりの吸油量を大きくできない場合があるという課題があった。
特許文献2の撥水性立体構造を押し出し成形により形成させた油吸着素材では、その製造工程が複雑でしかも油吸着材の形態が押し出し成形の型枠に限定されるので汎用性に欠けるという課題があった。
特許文献3の植物性繊維を用いた油吸着材では、植物性繊維を含む原料の種類によっては、その成分や性状にばらつきがあるため、油に対する吸着特性のコントロールが困難で品質維持性に欠ける場合があるという課題があった。
本発明は前記従来の課題を解決するためになされたもので、その吸着した油の保持性と品質安定性に優れた油吸着材を提供するとともに、安価な原料を用いてバルク状やボード状などの多様な形態のものを効率的に製造でき、その原料のばらつきに対しても適正に対応して、吸着特性などの品質管理を容易に行うことのできる油吸着材の製造方法を提供することを目的とする。
(1)前記従来の課題を解決するためになされた本発明の油吸着材は、撥水剤によりその一部又は全部がコーティングされた植物繊維Xと、前記植物繊維X間に分散接着する分散接着するポリエステルファイバーYとからなる交絡組織を有してその全体がボード状やバルク状に形成され、前記植物繊維Xと前記ファイバーYとの質量混合比率(X/Y)が0.5〜0.8の範囲であることを特徴とする。
(2)本発明の油吸着材は、前記(1)において、前記撥水剤が融点65〜75℃のアニオン系パラフィンワックスであって、前記植物繊維Xに対する構成比率が5〜10質量%であることにも特徴を有している。
(3)本発明の油吸着材の製造方法は、
紙質材を粉砕調整して所定サイズの植物繊維Xを得る粉砕調整工程と、
前記植物繊維Xの表面にパラフィンワックスからなる撥水層を形成させる撥水処理工程と、
前記撥水層が形成された前記植物繊維XをポリエステルファイバーYを、
質量混合比率(X/Y)0.5〜0.8の範囲で混合して所定混合比率の繊維組成物を得る分散混合工程と、
前記繊維組成物を分散させて充填型枠の底部に沈降堆積させた繊維積層物を加熱及びプレス成形して油吸着材に形成させる加熱プレス工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の油吸着材によれば、撥水剤コーティングされた植物繊維Xに分散接着する合成繊維(ポリエステルファイバーY)によって交絡組織を形成して、この植物繊維Xと合成繊維(ポリエステルファイバーY)との混合比率を特定範囲としているので、その吸着する油の保持性と品質安定性に優れた油吸着材を安価に提供することができる。
本発明の油吸着材の製造方法によれば、(a)紙管や古紙などの紙質材をシュレッダーや篩を用いて粉砕調整して所定サイズの植物繊維Xを得る粉砕調整工程と、(b)前記植物繊維Xをエマルジョン状態のパラフィンワックス中で攪拌分散させた後、これを乾燥してその表面にパラフィンワックスからなる撥水層を形成させる撥水処理工程と、(c)前記撥水層が形成された前記植物繊維Xを合成繊維(ポリエステルファイバーY)と攪拌気流中やスクリュー攪拌機中で混合して所定混合比率の繊維組成物を得る分散混合工程と、(d)箱状又は円筒状に形成された充填型枠の上部開口に前記繊維組成物を分散供給するとともに前記充填型枠の底部に沈降堆積する繊維積層物をその積層方向に加熱しながらプレス成形してボード状やバルク状の油吸着材に形成させる加熱プレス工程と、を有するので、使用済みなどの安価な紙質原料を用いてバルク状やボード状などの多様な形態のものを効率的に製造でき、しかも、その原料のばらつきに対しても植物繊維Xと合成繊維(ポリエステルファイバーY)との混合比率を調整して対応でき、吸着特性や耐久性、形状形態などの品質管理を容易に行うことができる。
本実施形態の油吸着材は、水溶性パラフィンワックスなどの撥水剤によりその一部又は全部がコーティングされた植物繊維X、及び、前記植物繊維X間に分散接着するポリプロピレン系やポリエステル系などの繊維Yからなる両繊維が互いに交絡した交絡組織を有する。そしてその全体がボード状やバルク状に形成されるとともに、植物繊維Xと合成繊維(ポリエステルファイバーY)との質量混合比率(X/Y)が0.5〜0.8の範囲になるようにしている。
撥水剤は、廃油が浮遊する水面などに油吸着材を投げ入れたときに、それ自体の浮力を維持するために植物繊維Xにコーティングされるものであって、一般にパラフィンワックス、石油樹脂、アスファルト、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が適用できる。中でもパラフィンワックス、特にアニオン系のパラフィンワックスはその撥水性と価格面から望ましい。パラフィンワックスを水中でエマルジョン化させるに際しては、所定の界面活性剤を添加するとよい。なお、界面活性剤を多量に使用すると、界面活性剤が系中に残存することとなって撥水効果に対して逆に作用し、予期した効果をあげることができない。そこで撥水剤と併用する界面活性剤として、加熱処理によって容易に分解する界面活性剤を用いてこの欠点を補うことも可能であるが、これを解消する撥水性組成物として、例えば酸化パラフィン、スチレン―無水マレイン酸共重合体のモノエステル、スチレン―無水マレイン酸共重合体の部分エステルのアルカリ塩、或いはオレフィンの飽和脂肪酸付加物などを併用することもできる。
なお、撥水剤としては、その融点が65〜75℃のアニオン系パラフィンワックスをエマルジョン化したものを用いることが好ましく、かつ植物繊維Xに対するその構成比率が5〜10質量%となるようにする。これによって植物繊維Xを水に投入したときの浮力を確保するとともに吸油能力をさらに良好に維持させることができる。すなわち、この撥水剤の融点が65℃より低くなると、水中における撥水コーティングの耐久性が不足する傾向が現れ、逆に75℃より高くなると植物繊維Xに表面への被覆性が悪くなって油吸着性のばらつきなどのおそれが生じるので好ましくない。また、この撥水剤の植物繊維Xに対する構成比率が5重量%より少なくなると撥水効果が十分に得られず、10重量%を超えると逆に油吸着性が減少する傾向が現れるので好ましくない。
なお、以下に示す実施例では、パラフィンワックス30gに対して水80gを加えてエマルジョン化して、このエマルジョン状態のパラフィンワックスに植物繊維Xを400gの割合となるように混合した。
植物繊維Xとしては、紙管や古紙などの廃紙製品の他に、例えば、おがくず、木材チップ、ヤシガラ、もみがらなどを切断したり破砕したりして繊維に分解して綿状にしたものなどを適用することができる。植物繊維Xは、植物性材料を乾燥、粉砕して粉末化して得ることができる。乾燥・粉砕の手段は公知の手段を用いて行うことができるが、乾燥は、一般的には、公知の乾燥機等を用いて乾燥する。乾燥時の下限温度は50℃、望ましくは80℃であり、上限温度は150℃、望ましくは110℃である。乾燥時間は10〜60分間行う。この他、自然乾燥等により植物繊維Xを得ることも可能である。上記の植物性材料は、公知の粉砕機を用いて所定サイズ、例えば、3〜10mmのサイズに粉砕する。この繊維長が3mm未満である場合、好ましい表面積を有さず、目的の吸油量に達しない可能性が高い。一方、粉末の粒径が10mmを超えると、油吸収後のべたつきなどが多くなってその取扱が困難となる傾向が生じるので好ましくない。
なお、植物繊維Xは、その表面の一部又は全部を撥水剤でコーティングすること00によって油吸着材として使用できるが、油の処理量を増大させ、或いは処理を簡易にするために、他の物質、たとえば、油ゲル化剤、木炭粉、竹炭粉、粘土鉱物やその化学処理物、洗浄剤等の添加物と混合して使用することもできる。
合成繊維としては、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエステル、ポリブタジエンまたはそれらの共重合体等からなる所定繊維長のものを適用することが好ましい。特にポリプロピレン繊維は親油性、疎水性に優れ、繊維間に水が混入しても吸着する油が水を追い出すなど「水油置換能力」に優れている。ポリプロピレン繊維としては、一般の短繊維あるいは長繊維が適用できるが、その油保持能力及び植物繊維Xとの絡み合い良好に保持するための好ましい繊維長は10〜70mmの範囲である。また、繊維の太さとしては、ポリプロピレン短繊維として市販されている繊維の太さであればよい。なお、このようなポリプロピレン繊維は、加工に先立って、繊維表面に付着している親水性のオイリング剤を除去することが好ましい。親水性のオイリング剤を除去することにより、油吸着材としたときの油吸着能が向上する。さらに、ウェブ作製時などに撥水剤を添加することによって、その吸水量を低減させて油吸着能を向上させることができる。以下に説明する実施例では、合成繊維として帝人ファイバー株式会社製のポリエステルファイバー「TJ04CN」(商標名Tepyrus)を用いた。
植物繊維XとポリエステルファイバーYとが互いに絡みあって形成される交絡組織は、吸着した油をその繊維間の隙間に保持することができ、しかも所定の耐久性を有した複合繊維組織である。この植物性繊維とポリエステルファイバーYとの質量混合比率(X/Y)は0.5〜0.8の範囲、好ましくは0.6〜0.7の範囲とすることが望ましい。これは質量混合比率が0.6より小さくなるにつれ植物繊維Xが相対的に減少して重油などに対する吸着性が低下する傾向が現れ、逆に0.7より大きくなるにつれて、バルク状やボード状などに形成される油吸着材の耐久性や強度などが低下する傾向が現れ、これらの傾向は0.5を下限値、0.8を上限値としてさらに顕著になるからである。
図1は、本発明の油吸着材の製造方法の一例を示すフロー図である。以下、図1を参照しながら製造方法について説明する。すなわち、本発明の油吸着材は、例えば以下の工程(a)〜(d)を経て製造することができる。
(a)粉砕調整工程:
使用済みの紙管や古紙などの紙質材を、シュレッダーを用いて綿状に粉砕して、これを篩により分級調整して所定サイズ、例えばその平均繊維長が例えば3〜10mmの植物繊維Xからなる綿状原料に調整する。
(b)撥水処理工程:
前記植物繊維Xからなる綿状原料を、パラフィンワックスのエマルジョンを保持したスクリュー式などの攪拌槽10内で、温度15〜20℃、時間2〜3分間攪拌分散させて、貯留槽10aに貯留させる。この処理物を、スプレードライヤなどを用いて高温乾燥空気と接触させたり(移動式)、ロータリキルン11中(ロータリーキルン式)で発生させた熱風を乾燥機12に吹き込んだりすることで乾燥させる。これによって、その表面にパラフィンワックスからなる所定厚み、例えば厚みが300〜500μmであり、植物繊維Xに対する添加率が5〜10質量%となる撥水層を、植物繊維Xの部分または全体を覆うように形成させる。
なお、前記パラフィンワックスとしては、その融点が71℃、密度0.97g/cm、不揮発分40%、pH10.1(25℃)、固形バラフィン含有率30〜40%のアニオン系パラフィンワックスが好ましく挙げられる。
(c)分散混合工程:
前記撥水層が形成された綿状の植物性繊維を、真空ポンプや送風機、コンベアなどの輸送手段13を介して搬送して、エアー攪拌機などの攪拌気流中や、ローラや攪拌羽根を攪拌槽内で回転させて混合するスクリュー攪拌式などの攪拌機15中で、ポリエステルファイバーYと混合することによって、その質量混合比率(X/Y)が0.5〜0.8となるようにそれぞれの繊維を配合して繊維組成物を得る。
(d)加熱プレス工程:
次に、繊維組成物は、輸送手段13を介して原料投入機14の上部に供給されて上部から投入されると、箱状又は円筒状に形成された充填型枠16の上部開口に降下させられる。なお、このとき原料投入機14内において、自然落下若しくは下部から圧縮空気などを用いて、繊維組成物を分散させて均一に充填型枠16の底部に沈降堆積させる。
繊維組成物は、自然落下若しくは下部からの圧縮空気によって分散させられることによって、1〜2mmの高さの原料投入機14内を降下する過程で均一に分散するとともに、充填型枠16内に堆積して繊維積層物となる時には、植物繊維X及びポリエステルファイバーYの長手方向が横に寝かされた(水平方向)状態となる。この繊維積層物を、充填型枠16の下部に設けた回転型枠17を水平方向に回転移動させることにより、原料投入機14の下部から取り出す。
そして、プレス機18を用いて、その加熱された上型を下降させて繊維積層物を圧縮成形して、ボード状などの油吸着材19とする。さらに、ボード状油吸着材19の表面に合成樹脂接着剤、例えば、コニシ株式会社製ボンドスプレーのりZ−2やGS1Zなどによるコーティングをして、表面粉化防止のための紙粉対策を施すことも好ましい。上記加熱によりポリエステルファイバーYが軟化若しくは溶融して植物繊維Xの周りに結合材としての役割を果たし繊維積層物として結合させることができる。
なお、上記プレス機の上型の加熱は省力できる場合もある。例えば、充填型枠16に近接して電子レンジなどの加熱手段を設けることにより、繊維積層物を直接加熱することもできる。この場合、プレス成形用の上型を省略して、ガラス板、陶器板などを重しとして加重をかけながら繊維積層物を圧縮成形及び結合させることもできる。
ボード状などに形成された油吸着材19は、その用途に応じて裁断機などにより裁断、加工され、1)マット状、2)油水分離槽の濾過材として多用されるリボン状、3)複雑な箇所にフィット可能なチューブ状、4)水面流出油回収に活躍するオイルフェンス状、などの種々の形態のものとして用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態の油吸着材は、撥水剤コーティングされた植物繊維Xと、その周囲に加熱溶融されて接着するポリエステルファイバーYとで交絡組織を形成するとともに、
この植物繊維XとポリエステルファイバーYとの混合比率を特定範囲としているので、その吸着する油の保持性と品質安定性に優れている。
また、この油吸着材の製造方法によれば、使用済みなどの安価な紙質原料を用いてバルク状やボード状などの多様な形態のものを効率的に製造でき、しかも、その原料がばらついても植物性繊維とポリエステルファイバーYとの混合比率を調整して柔軟に対応することができ、品質管理性や生産管理に優れた性質を有している。
(実施例)
以下、本実施例の形態で作成された油吸着材について、その油吸着特性を比較例1、比較例2のものと比較した実験結果について説明する。
図2は、吸着材についての油保持率を評価するための試験方法の説明図である。ここで比較例1としては米国NSI(ナショナル・ソーベンツ)社製商標名MAXXセレクトSAIR200Bを、比較例2としては三井化学(株)製商標名タフネルオイルブロッターを用いて試験片を作成して、本発明の実施例のものと比較した。
油保持率の評価方法は、まず、実施例、比較例1、比較例2のものをそれぞれ10cm平方の四角形状に裁断して各サンプルの試験片を作成して、その厚さ及び重さ(質量)Aを測定する。
この各試験片を、灯油や軽油、重油などの油中にそれぞれ5分間浸漬させて油を吸着させた後、その質量Bをそれぞれ測定する。
つぎに、図2に示すように、四角形状の試験片サンプルの四隅の一つを掴んで、菱形にして吊るした状態で5分間保持して、試験片に吸着した油を滴下させた後、この試験片の質量Cを測定する。
こうして、それぞれの油保持率Hを、H=(質量C−質量A)/(質量B−質量A)として算出した。
表1は異なる種類の油に対する油保持率の比較データを示しており、図3〜図5はそれぞれ灯油、軽油、A重油について測定された油保持率のグラフである。これらの図表から明らかなように本実施例の油吸着材はその油吸着性に優れており、特に軽油に対する油保持性が顕著であることが分かる。
Figure 0004632201
図3は、本発明の油吸着材による油吸い上げ力(油吸着力)を時間経過とともにみる評価方法を示す説明図である。図3では、試料片を、幅1cm、長さ約20cmの矩形状に作成する。灯油、軽油、A重油の入った容器のそれぞれに、この試料片の先端約7.5cmを浸漬させた状態に保持する。この試料片内を時間とともに吸い上げられる油面の上昇高さを観察して、その経過時間(30秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分)で高さの変化を測定した。
図4は実施例、比較例1、比較例2における油吸着力の試験結果をまとめて示したグラフである。図4に示されるように、実施例の油吸着材は、浸漬初期の段階において、比較例1及び比較例2の約2倍の油吸着力を示し、優れた油吸着性を示すので油吸着効率がよいことが分かる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれら実施例のものに限定されるものではない。すなわち、本発明は撥水剤によりコーティングされた植物繊維Xに所定比率のポリエステルファイバーYを接着交絡させて、その油保持率と油吸着力に優れた油吸着材とすることを要旨としたものであり、これに属するものは本発明の権利範囲である。例えば本実施形態では、油吸着材をボード状に形成したが、ブロック状や粒状などに形成して、これを透液性の袋などに収納した状態でオイルフェンスとして用いることもできる。また、本発明に適用される撥水剤やポリエステルファイバーYとしては本実施の形態に用いたものに限定されない。
油吸着材の製造方法の一例を示すフロー図である。 油保持力を評価するための試験方法を示す説明図である。 油吸着力の評価方法を示す説明図である。 油吸着力の試験結果をまとめたグラフである。
符号の説明
10 攪拌槽
10a 貯留槽
11 ロータリキルン
12 乾燥機
13 輸送手段(真空ポンプ)
15 攪拌機
16 充填型枠
17 回転型枠
18 プレス機
19 油吸着材

Claims (3)

  1. 撥水剤によりその一部又は全部がコーティングされた植物繊維Xと、
    前記植物繊維X間に分散接着するポリエステルファイバーYとからなる交絡組織を有してその全体がボード状やバルク状に形成され、
    前記植物繊維Xと前記ファイバーYとの質量混合比率(X/Y)が0.5〜0.8の範囲であることを特徴とする油吸着材。
  2. 前記撥水剤が融点65〜75℃のアニオン系パラフィンワックスであって、
    前記植物繊維Xに対する構成比率が5〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載の油吸着材。
  3. 紙質材を粉砕調整して所定サイズの植物繊維Xを得る粉砕調整工程と、
    前記植物繊維Xの表面にパラフィンワックスからなる撥水層を形成させる撥水処理工程と、
    前記撥水層が形成された前記植物繊維XをポリエステルファイバーYを、
    質量混合比率(X/Y)0.5〜0.8の範囲で混合して所定混合比率の繊維組成物を得る分散混合工程と、
    前記繊維組成物を分散させて充填型枠の底部に沈降堆積させた繊維積層物を加熱及びプレス成形して油吸着材に形成させる加熱プレス工程と、
    を有することを特徴とする油吸着材の製造方法。
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