JP4631861B2 - 空気浄化装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気浄化装置の構成断面図を示すものである。図2は、処理ユニットの放電電極部の構成斜視図である。
図1に示すように、第一の処理ユニット1の筒状筐体2の中央部には、高圧電極3aおよび接地電極3bからなる複数の放電用電極対で構成される放電電極部3が配置され、放電電極部3はプラズマを発生させるための高圧電源4にスイッチ5を介して接続され、同様に、第二の処理ユニット101の中央部には、筒状筐体102の中央部にも、高圧電極103aおよび接地電極103bからなる放電用電極対で構成される放電電極部103が配置され、放電電極部103はプラズマを発生させるための高圧電源104にスイッチ105を介して接続されている。第一の処理ユニット1と第二の処理ユニット101とが一対で並置され、放電電極部3および放電電極部103の前後で第一の流路である連結管13および第二の流路である連結管14により、第一の処理ユニット1と第二の処理ユニット101とは互いに連結されている。筒状筐体2および102の吸気口10と110側には、狭窄部12および112が設けられている。また、第一の処理ユニット1と第二の処理ユニット101の吸気口10、110および排気口11、111には可動式のシャッタ8および9が取り付けられ、第一の処理ユニット1と第二の処理ユニット101のいずれかが遮蔽されるように設けられている(図1では、第二の処理ユニット101の吸気口110および排気口111が遮蔽されている)。さらに、吸気口10、110の入口側には除塵フィルタ15が取り付けられ、排気口11、111の出口側には、被処理空気を導入するファン7および107が設置されている。
まず、図3(a)で示す第一の処理ユニット1を吸着動作、第二の処理ユニット101を分解処理動作させる場合について説明する。シャッタ8および9は第二の処理ユニット101側にある。ファン7により被処理空気が第一の処理ユニット1に導入される。被処理空気は除塵フィルタ15により、空気中に浮遊している塵や埃、ペンキカスなどの粒子が取り除かれた後、第一の処理ユニット1の吸気口10から筒状筐体2に導かれ、狭窄部12を経て、放電電極部3の接地電極3bの吸着材3hにより被処理空気から有機ガス分子が吸着、除去され、排気口11から清浄空気として外部に排出される。一方、第一の処理ユニット1が吸着動作を行っている間、第二の処理ユニット101では、スイッチ105がONにされ、高圧電源104から高圧電極103aと接地電極103b間に高電圧が印加され放電により、プラズマが発生し、予め接地電極103bの吸着材103hに吸着されていた有機ガス分子が式(1)から式(6)で示される反応により、酸化され、二酸化炭素と水に分解処理される。
まず、式(1)から(3)で示すオゾンによる分解では、式(1)で示されるように、酸素分子(O2)が電子(e)により酸素原子(O)に分解される。次に、式(2)で示されるように、酸素原子(O)と酸素分子(O2)とによりオゾン(O3)が生成される。続いて、式(3)に示されるように、このオゾン(O3)により有機ガス分子(CkHmOn)は二酸化炭素(CO2)と水(H2O)とに分解される。式(4)で示す酸素原子(O)による分解では、式(1)で示される酸素原子(O)により有機ガス分子(CkHmOn、ただし、k、m、nは整数)は二酸化炭素(CO2)と水(H2O)に分解される。また、式(5)と式(6)に示すペルオキシドラジカル(OH)による分解では、式(5)で示されるように、水(H2O)と酸素分子(O2)が反応してペルオキシドラジカル(OH)が生成され、次に、式(6)で示されるように、このペルオキシドラジカル(OH)により有機ガス分子(CkHmOn)は二酸化炭素(CO2)と水(H2O)とに分解される。
e+O2 → e+O+O (1)
ここで、eは電子を表し、電子は放電により生じる。
O+O2 → O3 (2)
CkHmOn+(2k+m/2−n)O3 → kCO2+(m/2)H2O
+(2k+m/2−n)O2 (3)
CkHnOn+(2k+m/2−n)O → kCO2+(m/2)H2O (4)
H2O+1/2O2 → 2OH (5)
CkHmOn+(4k+m−2n)OH →
kCO2+(2k+m−n)H2O (6)
図5は、図4において風速に対する吸気口10の断面積Aと狭窄部12の断面積Bとの面積比B/A(横軸)と圧力比P/P0を(縦軸)との関係を示したものである。この縦軸の圧力比P/P0が0.999以下であれば、接地電極3bの圧力損失より圧力降下が大きくなり、連結管13を通して第二の処理ユニット101から第一の処理ユニット1に空気を引き込むことができる。なお、図5では、風速が1m/秒、2m/秒と5m/秒の場合の例を示している。風速1m/秒の場合であれば、面積比B/Aが0.06以下、風速2m/秒であれば、0.12以下、風速5m/秒であれば、B/Aが0.3以下であれば圧力比P/P0が0.999以下となり、第一の処理ユニット1に空気を引き込むことができる。第一の処理ユニット1に空気が引き込まれると、連結管13を通って、第二の処理ユニット101に同量の空気が引き込まれる。この結果、放電分解処理を行っている第二の処理ユニット101に酸素が補充されるので、酸素供給装置は不要である。
図9は、本発明の実施の形態2に係る空気浄化装置の構成断面図を示すものである。
図において、放電分解処理動作を行っている第二の処理ユニット101の排気口111側のシャッタ9が、少し隙間19を残して閉じられている点を除けば、実施の形態1の図1と同様であるので、他の符号の説明を省略する。
なお、一対の処理ユニットの吸着と放電分解処理の切り替え動作については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
図10は、本発明の実施の形態3に係る空気浄化装置の構成断面図を示すものである。
図において、第一の処理ユニット1と放電分解処理を行っている第二の処理ユニット101との間の第二の流路である連結管14にプロペラファン型の送風ファン20が設けられている点と筒状筐体2、102に狭窄部がない点を除けば、実施の形態1の図1と同様であるので、他の符号の説明を省略する。
なお、一対の処理ユニットの吸着と放電分解処理を切り替えて、第一の処理ユニット1に放電分解処理させる場合は、送風ファン20のプロペラファンの回転方向を反転させて第二の流路である連結管14の空気の流れる方向を反転させる。他の処理動作については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。送風ファンは、第一の流路である連結管13にも設けてもよく、連結管のいずれか一方に備えたものであってもよい。また、図1と同様、連結管13に送風ファンを設けず、筒状筐体2および102に狭窄部が設けられていてもよい。
図11は、本発明の実施の形態4に係る空気浄化装置の構成断面図を示すものである。
図において、第一の処理ユニット1と放電分解処理を行っている第二の処理ユニット101との間の第二の流路である連結管14a、14bにポンプ21、流路の切替バルブ22a、22bが設けられている点と筒状筐体2、102に狭窄部がない点を除けば、実施の形態1の図1と同様であるので、他の符号の説明を省略する。
ポンプを備えることにより、放電分解処理を行っている処理ユニット内の圧力を調整することができる。これにより、放電開始時に圧力を下げて放電開始電圧を下げ、放電発生中に徐々にガス圧力を上昇させることにより、オゾンなどの活性種の生成効率を上げて分解効率を上げることができる。
図12は、本発明の実施の形態5に係る空気浄化装置の構成断面図を示すものである。
図において、第一の処理ユニット1および第二の処理ユニット101の筒状筐体2および102の外周部が断熱材23で覆われている点を除けば、実施の形態1の図1と同じであるので、他の符号の説明を省略する。
101 第二の処理ユニット
2,102 筒状筐体
3,103 放電電極部
3a,103a 高圧電極
3b,103b 接地電極
3d 誘電体
3h 吸着材
4,104 高圧電源
7,107 ファン
8,9 シャッタ
10,110 吸気口
11,111 排気口
12,112 狭窄部
13,14,14a,14b 連結管
15 除塵フィルタ
20 送風ファン
21 ポンプ
23 断熱材
Claims (9)
- 筒状筐体内に高圧電極と有機ガス分子を吸着する吸着材を含む接地電極とからなる放電用電極対を有し、前記筒状筐体に吸気口および排気口を有する少なくとも一対の処理ユニットと、
前記放電用電極対の前後に設けられ、前記一対の処理ユニット間を連通する第一の流路および第二の流路と、
前記放電用電極対に接続されプラズマを発生させるための高圧電源と、
前記処理ユニット内に被処理空気を導入するためのファンと、
前記吸気口および排気口を遮蔽する可動式のシャッタと、
を備え、
前記処理ユニットの一方に前記有機ガス分子の吸着動作を、他方にプラズマによる分解処理動作をさせ、時間的にそれぞれ分解処理動作と吸着動作とに交互に切り替えて作動させることを特徴とする空気浄化装置。 - 高圧電極は、誘電体で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
- 吸着材は、マンガン、銅、銀、ニッケル、亜鉛、鉄から選ばれる少なくとも1種類以上の金属やその酸化物、またはこれらの複合体からなる触媒を添加したゼオライトを基台に添着したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気浄化装置。
- 筒状筐体の吸気口側に狭窄部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空気浄化装置。
- 狭窄部に第一の流路が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の空気浄化装置。
- 第一の流路および第二の流路のいずれか一方もしくは両方に送風ファンが設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空気浄化装置。
- 第一の流路および第二の流路のいずれか一方もしくは両方にポンプが設置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空気浄化装置。
- 吸気口入口に除塵フイルタを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の空気浄化装置。
- 処理ユニットの外周部が断熱材で覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の空気浄化装置。
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