JP4630665B2 - 2,3−ベンゾジアゼピンによる基底核関連運動障害の治療 - Google Patents

2,3−ベンゾジアゼピンによる基底核関連運動障害の治療 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、基底核関連運動障害、特にジスキネジーの治療に関する。
ジスキネジーは、異常な不随意運動障害である。異常な運動は、舞踏病(顔面、腕、脚または体幹に影響を及ぼす不随意の、急速で、不規則な、痙攣的運動)、バリスム(舞踏病に類似しているが、より激しく強硬な性質の不随意運動)、ジストニー(通常、捻転および反復性運動または異常な姿勢もしくは体位を生み出す持続性筋収縮)またはアテト−シス(特に手において重篤な、反復性不随意の、ゆっくりとした、曲がりくねった、身もだえするような運動)として現れる。
大脳基底核および関連脳構造の機能不全による運動および他の障害は、社会経済学的に大きな重要性をもつ。このような障害は、遺伝的または後天的疾患、突発性神経変性の結果として起こりうるか、あるいは医原性であるかもしれない。障害の範囲は、非常に多様であり、運動の欠如(無運動、運動低下、運動緩徐)および緊張過度(パ−キンソン病、いくつかの形態のジストニーなど)に関連するものから、不随意運動障害(ハンチントン病、レボドパ誘発性ジスキネジー、バリスム、いくつかの形態のジストニーなどの運動過剰またはジスキネジー)までに及ぶ。
これらの障害の幾つかの根底にある病態生理学的メカニズムに関する知識から、類似のメカニズムが、運動亢進またはジスキネジーを特徴とする障害を媒介するということが可能性として考えられる。したがて、ジスキネジーの一形態に有効な治療が、別の病因のジスキネジーにおいて利点を有することが予測される。
ジスキネジーを生じる1つの一般的手段は、パ−キンソニズムまたはその他の基底核関連運動障害に対するド−パミン置換療法の副作用である。パ−キンソニズムは、運動の緩慢さ(運動緩徐)、硬直および/または振せんを特徴とする症状の症候群である。パ−キンソン症候群は、様々な身体状態において見られるが、最も通例には、突発性パ−キンソニズム(すなわち、パ−キンソン病)において最も一般的であるが、統合失調症、毒/薬物への曝露および頭部傷害などの治療に付随して起こる場合もある。パ−キンソン病において、一次的病変は、黒質緻密部のアミン作用性ニュ−ロンの変性である。
最も広範に用いられているパ−キンソン病の症候的治療は、ド−パミン置換薬(L-DOPAおよびアポモルフィンなど)である。しかし、これらは、特に長期治療の場合に制限がある。問題点として、治療の抗パ−キンソン効力が徐々に消滅すること、特に、一連の副作用の出現が挙げられる。これらの副作用は、舞踏病およびジストニーといったようなジスキネジーとして現れる。ジスキネジーは、患者がド−パミン置換療法を受けているとき(舞踏病および/またはジストニーの場合)または療法をやめているとき(ジストニーが優勢である場合)のいずれにおいても見られる。最終的にこれらの副作用が、ド−パミン作用性の治療に、厳しい制限をもたらしている。
もう1つのジスキネジーの一般的原因は、遅発性ジスキネジーとして知られる、神経遮断薬による精神病の治療である。
ジスキネジーは多くの他の身体状態:ハンチントン病;突発性ジストニー;ツレット症候群;パ−キンソニズムにおける“オフ”ジストニー;バリスム;老年期舞踏病においても起こる。
ジスキネジーの発現を予防する、および/または治療する作用薬を開発するために多くの試みがなされてきたが、このような試みはある程度の成功しかおさめていない。したがって、ジスキネジーを治療することができる方法の開発が必要とされている。
本発明は、一般式(I):
Figure 0004630665
[式中、Rは、必要に応じて、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、アミド、ニトリルまたはカルボキシル基で置換されるフェニルまたはベンジルなどのアリ−ル基;
R1は、C1−6アルキルまたは水素;
R2は、C1−6アルコキシ、水素、ヒドロキシルまたはハロゲン;および
R3は、C1−6アルコキシ、水素、ヒドロキシルまたはハロゲンである]
で示される化合物を用いるジスキネジーの治療に関する。
好ましいRは、下記の基の1つから選ばれる:
Figure 0004630665
R1がアルキル基である場合、R1がC1−3アルキルであるのが好ましく、C2アルキル(エチル)が最も好ましい。
R2がアルコキシ基である場合、R2がC1−3アルコキシであるのが好ましく、C1アルコキシ(メトキシ)が最も好ましい。
R3がアルコキシ基である場合、R3がC1−3アルコキシであるのが好ましく、C1アルコキシ(メトキシ)が最も好ましい。
式(I)で示される化合物が、下記:
Figure 0004630665
Figure 0004630665
Figure 0004630665
で示されるトフィソパム(Tofisopam)、ギリソパム(Girisopam)およびネリソパム(Nerisopam)から選ばれるのが好ましい。
式(I)で示される化合物が、トフィソパムであるのが最も好ましい。
当然のことながら、式(I)で示される化合物の異なる立体異性体が存在し、本発明にしたがって、このような立体異性体をジスキネジーの治療に用いることができる。たとえば、当然のことながら、トフィソパムなどの化合物は不斉中心を有する。したがって、トフィソパムおよびその他の式(I)で示される化合物は、不斉中心を有し、RおよびSエナンチオマ−として存在する。本発明は、ラセミ混合物としてのこのような化合物の使用または分離されたRもしくはSエナンチオマ−の使用を含む。
本発明の第1の態様は、ジスキネジーの治療用医薬の製造における一般式(I)で示される化合物の使用を提供する。
本発明の第2の態様は、治療有効量の一般式(I)で示される化合物および医薬的に許容しうるビヒクルを含むジスキネジーの治療用の組成物を提供する。
本発明の第3の態様は、治療を必要とするヒトまたは動物に治療有効量の一般式(I)で示される化合物を投与することを含むジスキネジーの治療方法を提供する。
本発明の第4の態様は、ジスキネジーの治療用医薬の製造のための、一般式(I)で示されるリガンドで受容体の活性を調節する作用薬の使用を提供する。
「受容体」は、細胞上に位置する受容体および線条体内に位置するニュ−ロンの末端であり、大脳における淡蒼球および黒質の内部および外部セグメントであり、それによってジスキネジーを減少させるニュ−ロンのシグナルが誘発され、一般式(I)で示される分子がそのためのリガンドとして働く受容体を意味する。
「ジスキネジー」は、基底核として知られる脳領域の障害に関連する異常な不随意運動を意味する。ジスキネジーは、パ−キンソン病(最も一般的な基底核疾患)の治療の合併症として起こる「レボドパ誘発性ジスキネジー」である。ジスキネジーは、身体的に、舞踏病およびジストニーという2種類の形態で現れる。舞踏病は、身体の一部分から別の部分へと流れるように移る不随意の、継続的な、無意味な、突然の、急速な、短時間の、非持続的な、不規則な運動からなる。ジストニーは、ねじれおよび反復運動または異常な姿勢を引き起こす持続的な筋肉の収縮を意味する。
ジスキネジーは、運動失調またはカタレプシ−とは区別される。運動失調は、通常、小脳と呼ばれる脳の部分またはその付属部の障害に関連する。それは、運動の協調ができないことを特徴とする。「酔っぱらい」のように見える、よろめく歩行やろれつが回らないことが現れる。カタレプシ−は、また、ジスキネジーと混同することが不可能な異なる身体状態である。通常、精神障害に関連する。静止、刺激に対する応答性の低下および不動姿勢を維持する傾向を特徴とする。四肢は、たとえどのような位置に置かれてもそれを維持しようとする。したがって、用語ジスキネジー(舞踏病およびジストニーを含む)、運動失調およびカタレプシ−は、異なった別の障害を意味する。それらは、異なる身体的徴候および異なる原因を有する。
本発明は、一般式(I)で示される化合物の活性に関する、本発明者らによって行われた調査に基づく。驚いたことに、彼らは、このような化合物が、ジスキネジーを減少させる効能をもつことを見出した。このことから、幾つかのクラスの作用薬を本発明の第4の態様にしたがって用ることができることが認識された。このような作用薬として、以下のものが挙げられる:
(i)外因性2,3−ベンゾジアゼピン受容体リガンド;
(ii)内因性2,3−ベンゾジアゼピン受容体リガンドの合成を増進させる化合物;
(iii)内因性2,3−ベンゾジアゼピン受容体リガンドの放出を増進させる化合物;
(iv)内因性2,3−ベンゾジアゼピン受容体アゴニストの不活性化または代謝の速度を遮断する化合物;および
(v)2,3−ベンゾジアゼピン受容体の発現および/または転写を促進/増加させる化合物。
本発明は、運動障害の根底にある神経メカニズムに関する我々の研究に基づく。我々は、いずれの仮説に結び付けられるのも望まないが、運動障害が、大脳基底核出力経路の異常な活動に関連し、多くの場合、これが線条体遠心性神経経路の異常な作用によって引き起こされると考える。これらは、淡蒼球の内側および内部セグメントならびに黒質の神経膠部への“直接”経路および淡蒼球の外側および外部セグメントへの“間接”経路からなる。ジスキネジーの病態生理学的顕著な特徴の1つは、直接線条体出力経路の過剰活性である。逆に、パ−キンソン病では、直接線条体出力経路は、異常に不活発であり、間接線条体出力経路は、過剰活性である。我々は、一般式(I)で示される化合物が、淡蒼球および黒質の神経膠部の内部および外部セグメントに突き出る線条体出力ニュ−ロンの末端に位置する受容体に結合し、それによってジスキネジーを減少させるニュ−ロンシグナルを誘発すると考える。
WO 99/06408およびWO 01/04122は、一般式(I)で示される化合物に表面的類似性を有するコア2,3−ベンゾジアゼピン三環式構造をもつ分子を開示している。この先行技術は、このような化合物が種々の病状(たとえば、パ−キンソン病など)の治療に用いることができることを推測している。しかし、本発明にしたがって用いられる化合物は、環が異なる置換基を有する点でこの先行技術とは区別される(特に、R、R2およびR3において)。さらに、一般式(I)で示される化合物は、すなわち、過剰な不随意運動であってそれ自体は運動の欠乏を特徴とするパ−キンソン病ではないジスキネジーの治療に対して驚くべき有用性をもつ。
本発明者らは、一般式(I)で示される化合物がジスキネジーの治療に対して非常に有効であることを認識させるトフィソパム分子について実験を行った。たとえば、運動障害の治療のためにド−パミン置換療法を受けている被験者に該化合物を与えると、ジスキネジー(たとえば、舞踏病およびジストニーなど)が発現しないか、または少なくとも減少されることが見出された。
該化合物(およびそれを含む組成物または医薬)を用いて、多くのタイプのジスキネジーを治療することができる。たとえば、該化合物を用いてハンチントン病に関連するジスキネジー、特発性捻転ジストニー、遅発性ジスキネジーまたはパ−キンソン病におけるオフ−ジストニーを治療することができ、特に、パ−キンソニズム(たとえば、突発性パ−キンソン病、脳炎後のパ−キンソニズムまたは頭部傷害に起因するパ−キンソニズム)などの運動障害、統合失調症の治療、薬物中毒、マンガン中毒などに関連するジスキネジーを治療することができる。
該化合物は、多動性活動(たとえば、ツレット症候群または注意欠陥多動性障害(ADHD))として現れるジスキネジーの治療にも用いることができる。
該化合物は、他の治療薬の副作用として生じるジスキネジーの治療にも有用である。たとえば、該化合物は、ロピニロ−ル、プラミペキソ−ル、カベルゴリン、ブロモクリプチン、リスリド、ペルゴリド、L-DOPAまたはアポモルフィン処置に関連するジスキネジーの治療に有用である。
レボドパは、芳香族アミノ酸である。レボドパまたはL-DOPAの化学名は、(−)−L−α−アミノ−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロピオン酸である。L-DOPAは、分子式C9H11NO4であり、分子量197.2である。化学的に、レボドパは、(−)−3−(3,4−ジヒドロキシ−フェニル)−L−アラニンである。無色結晶性化合物であり、わずかに水溶性であり、アルコールに不溶である。L-DOPAは、下記構造式:
Figure 0004630665
を有する。L-DOPAは、アミノ酸であり、パーキンソン病および症候群の治療のために、通例、カルビドパと併用して患者に投与される。カルビドパの化学名は、(−)−L−α−ヒドラジノ−α−メチル−β−(3,4−ジヒドロキシベンゼン)プロピオン酸・一水和物である。カルビドパは、実験式C10H14N2O4・H2Oであり、分子量244.3である。無水カルビドパの分子量は、226.3である。シネメット(Sinemet)(登録商標)は、パーキンソン病および症候群の治療のためのカルビドパとレボドパの組み合わせ薬である。シネメット(登録商標)は、米国特許4,832,957および4,900,755に記載されており、これらは全体を参考文献として本発明に援用される。カルビドパの構造式は:
Figure 0004630665
である。
さらに、本発明化合物は、ロピニロール処置に関連するジスキネジーの治療に有用である。ロピニロールは、登録商標レキップ(Requip)として市販される非エルゴリンドーパミンアゴニストである。ロピニロールは、4−[2−(ジプロピルアミノ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン・モノヒドロクロリドというモノ塩酸塩であり、実験式C16H24N2O・HClである。ロピニロールの分子量は、296.84(遊離塩基として260.38)である。ロピニロールは、米国特許4,452,808および4,824,860に記載されており、これらは全体を参考文献として本発明に援用される。ロピニロールの構造式は:
Figure 0004630665
である。
本発明化合物は、プラミペキソール処置に関連するジスキネジーの治療にも有用である。プラミペキソールの化学名は、(S)−2−アミノ− 4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール・ジヒドロクロリド・一水和物である。プラミペキソールは、登録商標ミラペックス(Mirapex)として市販されている。プラミペキソール・ジヒドロクロリドは、実験式C10H17N3S・2HCl・H2Oであり、分子量302.27である。プラミペキソールの合成は、米国特許4,843,086および4,886,812に記載されており、これらは全体を参考文献として本発明に援用される。プラミペキソール・ジヒドロクロリドの構造式は:
Figure 0004630665
である。
本発明化合物は、カベルゴリン処置に関連するジスキネジーの治療にも有用である。カベルゴリンの化学名は、1−アダマンタンアミン・ヒドロクロリドである。分子量は、187.71であり、分子式は、C10H18NClである。カベルゴリンの構造式は:
Figure 0004630665
である。
本発明化合物は、ブロモクリプチン処置に関連するジスキネジーの治療にも有用である。ブロモクリプチン・メシレートは、パーロデル(Parlodel)(登録商標)として市販されている。ブロモクリプチン・メシレートの化学名は、エルゴタマン−3’,6’,18−トリオン,2−ブロモ−12’−ヒドロキシ−2’−(1−メチルエチル)−5’−(2−メチルプロピル)−,(5’a)−モノメタンスルホネートである。ブロモクリプチン・メシレートの分子量は、750.70であり、実験式は、C32H40BrN5O5・CH4SO3である。ブロモクリプチン・メシレートの構造式は:
Figure 0004630665
である。
本発明化合物は、リスリド処置に関連するジスキネジーの治療にも有用である。リスリドの化学名は、R(+)−N’−[(8α)−9,10−ジデヒドロ−6−メチルエルゴリン−8−イル]−N,N−ジエチルウレア水素メシレートである。リスリドの分子量は、338.45であり、実験式は、C20H26N4Oである。リスリドの構造式は:
Figure 0004630665
である。
本発明化合物は、ペルゴリド処置に関連するジスキネジーの治療にも有用である。ペルゴリド・メシレートの化学名は、8β−[(メチルチオ)メチル]−6−プロピルエルゴリン・モノメタンスルホネートである。ペルゴリド・メシレートは、パーマックス(Permax)(登録商標)として市販されている。パーマックスの実験式は、C19H26N2S・CH4O3Sであり、分子量は、410.59である。ペルゴリド・メシレートの合成は、米国特許4,797,405および5,114,948に記載されており、これらは全体を参考文献として本発明に援用される。ペルゴリド・メシレートの構造式は:
Figure 0004630665
である。
本発明化合物は、アポモルフィン処置に関連するジスキネジーの治療にも有用である。アポモルフィンの実験式は、C17H17NO2であり、分子量は、267.33である。アポモルフィンの構造式は:
Figure 0004630665
である。
本発明化合物は、パーキンソニズムなどの運動障害の治療に用いられる作用薬によって引き起こされるジスキネジーの治療に特に有用である。この点において、本発明化合物の好ましい使用は、パーキンソニズムに対するL-DOPA、アポモルフィンまたはその他のドーパミンアゴニスト療法に関連する運動障害性副作用の治療における使用である。
本発明化合物は、存在するジスキネジーの治療に用いることができるが、予防的処置が医療的に必要であると見なされる場合に用いることもできる。たとえば、L-DOPA療法を開始することが必要であると見なされ、ジスキネジーが発現するおそれがある場合である。
本発明化合物は、単剤療法として、あるいは他の治療薬の補助剤として、ジスキネジーを治療するのに用いることができる。たとえば、本発明化合物は、治療薬によって引き起こされる運動障害性副作用を予防するために、このような治療薬と併用投与することができ(たとえば、パーキンソン病患者に投与されるL-DOPAまたはアポモルフィンの補助剤としてなど)、るいは、別法として、本発明化合物は、ジスキネジーも減少させる他の治療薬(たとえば、μ−オピオイド受容体アンタゴニスト、α2−アドレノ受容体アンタゴニスト、カンナビノイドCB1−アンタゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、コリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミンH3−受容体アゴニストおよび淡蒼球/視床下部核損傷/脳深部電気刺激法)と組み合わせて投与することができる。
本発明の好ましい態様において、一般式(I)で示される化合物または本発明の第4の態様の作用薬を、以下の
(a)パーキンソン病などのパーキンソニズムの治療に使用される治療薬(たとえば、L-DOPA、クロロ−APB、アモルフィン、ロピニロール、プラミペキソール、カベルゴリン、ブロモクリプチン、リスリドまたはペルゴリドなど)
(b)ジスキネジーの治療に使用される他の治療薬(たとえば、非選択的δまたはμ−オピオイド受容体アンタゴニスト、α2−アドレノ受容体アンタゴニスト、カンナビノイドCB1−アンタゴニスト、ヒスタミンH3アゴニスト、mGLuRアンタゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、Gpi損傷/脳深部電気刺激法など)
(c)統合失調症、精神病などの治療のための神経遮断薬として使用される治療薬(たとえば、ドーパミン受容体アンタゴニスト特性をもつ作用薬、ハロペリドール、クロザピン、フルフェナジンおよびスルピリドなど)
といったような治療薬と組み合わせることができる。
本発明化合物は、補助剤として、または公知療法と組み合わせて用いることもできる。たとえば、我々は、L-DOPAと本発明化合物の組み合わせが、ジスキネジー性副作用を有意に減少しながらパーキンソン病などの運動障害を治療することを見出している。
本発明化合物は、遅発性ジスキネジーに苦しむ患者を治療するために、公知の神経遮断薬と組み合わせて用いることもできる。用語「神経遮断」とは、精神病患者において、混乱、妄想、幻覚および精神運動性激越を減少させる、抗精神病薬の認識および行動における効果を意味する。ドーパミンと呼ばれる脳における天然の化学物質の神経伝達物質がある。ドーパミンは、主として思考、感情、行動および認知に関与する、脳における化学的メッセンジャーである。幾つかの病気において、ドーパミンは、過剰活動的となり、脳内の化学物質の正常なバランスを混乱させる。この過剰なドーパミンは、病気の症状の幾つかを生み出すのに寄与する。これらの薬物が有する主な効果は、脳内で、いくらかのドーパミン受容体を遮断して、過剰のドーパミンを受け取ることの影響を減少させ、アンバランスを正すことである。このことは、過剰のドーパミンを受け取ることによって引き起こされる症状を減少させる。
神経遮断薬は、抗精神病薬のひとつの種類である。神経遮断性化合物の例として、ハロペリドール(Haldol)、クロルプロマジン(Thorazine)、チオリダジン(Mellaril)、リスペリドン(Risperdal)、クエチアピン(Seroquel)、オランザピン(Zyprexa)、クロザピン(Clozaril)、アミスルプリド(Solian)、セルチンドール(Serdolect)、ゾテピン(Zoleptil)、チオチキセン(Navane)、モリドン(Moban)、ロキサピン(Loxitane)、プロクロルペラジン(Compazine)、トリフルオペラジン(Stelazine)、ペルフェナジン(Trilafon)およびメトクロプラミド(Reglan)が挙げられる。
ハロペリドールは、分子式C21H23ClFNO2および分子量375.8696 g/molである。ハロペリドールは、Haldol;4−[4−(p−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジノ]−4'−フルオロブチロフェノン;ガンマ−(4−(パラ−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジノ)−パラ'−フルオロブチロフェノン;およびSerenaceとも称される。
フェノチアジン誘導体であるクロルプロマジン・塩酸塩は、化学式2−クロロ−10−[3(−ジメチルアミノ)プロピル]フェノチアジン・一塩酸塩である。クロルプロマジン・塩酸塩は、分子式:C17H19ClN2S・HClおよび分子量355.33である。
SEROQUEL(登録商標)(フマル酸クエチアピン)は、新規化学種であるジベンゾチアゼピン誘導体に属する抗精神病薬である。フマル酸クエチアピンの化学名は、2−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−1−ピペラジニル)エトキシ]−エタノール・フマル酸(2:1)(塩)である。フマル酸クエチアピンは、フマル酸塩として錠剤で存在する。すべての用量および錠剤含量は、フマル酸塩としてではなく、塩基のミリグラムとして表される。フマル酸クエチアピンは、分子式C42H50N6O4S2・C4H4O4および分子量883.11(フマル酸塩)である。
クロザピンの化学名は、8−クロロ−11−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピンである。クロザピンは、三環式ジベンゾジアゼピン誘導体である非定型抗精神病薬である。クロザピンは、「CLOZARIL(登録商標)」と命名された固形である。クロザピンは、分子量326.83および分子式C18H19ClN4である。
トリフルオペラジン・塩酸塩の化学名は、10−[3−(4−メチル−1−ピペラジニル)プロピル]−2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン・二塩酸塩である。トリフルオペラジンは、分子量480.43および分子式C21H24F3N3S・2HClである。
メトクロプラミド・塩酸塩は、白色結晶性、無臭物質であり、水に溶けやすい。メトクロプラミドの化学名は、4−アミノ−5−クロロ−N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2−メトキシベンズアミド・一塩酸塩・一水和物である。メトクロプラミドの分子量は、354.3である。
フルフェナジン・塩酸塩は、統合失調症の統御を目的としたトリフルオロ−メチルフェノチアジン誘導体である。フルフェナジンの化学名は、4−[3−[2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン−10−イル]プロピル]−1−ピペラジンエタノール・二塩酸塩である。フルフェナジンの分子式は、C22H26F3N3OS・2HClであり、分子量は、510.44である。
本発明の第1、第2、第3または第4の態様の組成物は、特に組成物が用いられることになっている作法に応じて多くの異なる剤形にすることができる。したがって、たとえば、本発明組成物は、散剤、錠剤、カプセル剤、液剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、エアロゾル剤、スプレー剤、ミセル剤、経皮パッチ剤、リポソーム剤あるいはヒトまたは動物に投与することができるその他の適当な形態のいずれかといったような形態をとることができる。本発明組成物のビヒクルは、投与される患者が十分に耐性をもち、脳へ本発明化合物をデリバリーしうるものであるべきであることが理解されるであろう。
本発明組成物は、多くの投与経路で使用することができる。たとえば、全身投与が必要な場合、本発明化合物は、錠剤、カプセル剤または液剤という剤形で経口摂取されるような組成物に包含される。別法として、注射によって本発明組成物を血流内へ投与することもできる。静脈内(瞬時投与または点滴)または皮下注射(瞬時投与または点滴)を行うことができる。本発明化合物は、吸入(鼻腔内など)によって投与することもできる。
一般式(I)で示される化合物は、大脳内、大脳室内または鞘内デリバリーという手段によって中枢神経投与することもできる。
本発明組成物は、一般式(I)で示される化合物の経皮デリバリーのために皮膚に適用しうるパッチに組み込まれる場合に特に有用である。
本発明化合物は、徐放性または遅延放出性デバイスに入れることもできる。このようなデバイスは、たとえば、皮膚下に挿入することができ、該化合物を数週間または数ヶ月にわたって放出することができる。他方では、経皮デリバリーを用いて、同様な結末に達することもできる。このようなデバイスは、継続的L-DOPA療法を受けている患者などの長期ジスキネジー患者にとって特に有用である。該デバイスは、標準的に頻繁な投与(少なくとも錠剤を毎日摂取するか毎日注射を行う場合など)を必要とする化合物を用いる場合に特に有利である。
必要とされる化合物の量は、生物学的活性ならびに投与モード、使用する化合物の物理化学的特性および該化合物が、単剤療法で用いられるか、あるいは組み合わせ療法でもちいられるかどうかによって変わるバイオアベイラビリティによって決定されることが理解されるであろう。投与頻度は、上記ファクターおよび特に治療される患者における化合物の半減期によっても影響される。
投与される最適用量は、当業者によって決定され、使用する特定の化合物、製剤の有効成分含量、投与モードおよび疾患状態の進行に応じて変化する。患者の年齢、体重、性別、食事および投与時間などの治療される特定の患者に応じて変化するさらなるファクターにより、用量を調節する必要性がもたらされる。
薬品製造業において従来から用いられているような公知の手順(インビボ実験、臨床試行など)を用いて、本発明化合物を含む特定の製剤(上記薬またはその他のものと製剤するかどうか)および正確な治療養生法(化合物の1日当たりの用量および投与頻度など)を確立することができる。
一般に、運動障害の治療には、用いる特定の化合物に応じて、0.01μg/体重kg〜1.0g/体重kgの1日用量で一般式(I)で示される化合物を用いることができ、0.01mg/体重kg〜100mg/体重kgの1日用量がより好ましい。
単なる例示であるが、パーキンソン病の患者においてL-DOPA誘発性ジスキネジーを治療するためのトフィパムの適当な用量は、0.1mg〜100mg/kg/日(個人の健康状態に応じて変わる)である。L-DOPA誘導体発性ジスキネジーを治療するために、0.25mg〜20mg/kg/日のトフィソパムを患者に毎日投与するのが好ましく、約10mg/kg/日または15mg/kg/日のトフィソパムを投与するのが最も好ましい。
当然のことながら、必要な用量は、投与経路によっても影響を受ける。トフィソスパムを静脈内投与する場合、0.1〜10mg/kgが好ましい用量であり、さらに多い用量(たとえば、5〜15mg/kg)が適当な経口用量である。
さらなる例示であるが、ギリソパムまたはネリソパムの適当な用量は、0.5〜30mg/kgが好ましい。
1日の用量を1回投与(経口消費用1日錠または1日1回の注射など)で投与してもよい。別法として、1日の用量を2ないし3回以上に分けて投与することもできる。たとえば、パーキンソン病の患者におけるL-DOPA誘導体発性ジスキネジーを治療するためのトフィソパムは、1日2回(あるいはジスキネジーの重篤度に応じてそれ以上)、25mg〜5000mgの用量を錠剤にて投与することができる。治療を受けている患者は、起床時に第1の用量を投与され、次いで、夜に第2の用量を投与される(2回用量養生法の場合)か、あるいはその後3または4時間間隔で投与される。別法として、徐放性デバイスを用いて、繰り返し投与を必要とすることなく患者に最適用量を提供することもできる。
本発明は、さらに、治療有効量の本発明化合物および医薬的に許容しうるビヒクルを含む医薬組成物を提供する。1つの態様において、本発明化合物(たとえば、トフィソパムなど)の量は、約0.01 mg〜約800 mgである。別の態様において、該量は、約0.01 mg〜約500 mgである。化合物がトフィソパムである場合、トフィソパムの量は、約0.01 mg〜約250 mg;好ましくは約0.1 mg〜約60 mg;およびより好ましくは約1 mg〜約20 mgである。
さらなる態様において、ビヒクルは液体であり、組成物は溶液である。もう一つの態様において、ビヒクルは固体であり、組成物は錠剤である。されに別の態様において、ビヒクルはゲルであり、組成物は座剤である。
本発明は、治療有効量の一般式(I)で示される化合物および医薬的に許容しうるビヒクルを組み合わせることによって製造される医薬組成物を提供する。
投与前に、一般式(I)で示される化合物を医薬的に許容しうるビヒクルと合わせるのが好ましい。
本発明は、治療有効量の一般式(I)で示される化合物および医薬的に許容しうるビヒクルを組み合わせることを含む医薬組成物の製造方法を提供する。
本発明において、「治療有効量」は、本発明化合物が有効である疾患に苦しむ患者に投与する場合に、疾患の減少、寛解または退縮を引き起こす化合物または組成物の量である。「患者」は、脊椎動物、哺乳動物、家畜またはヒトである。
本発明の実施において、「医薬的に許容しうるビヒクル」は、医薬組成物の製剤において有用な当業者に公知の生理学的ビヒクルのいずれかである。
1つの態様において、医薬的ビヒクルは液体であり、医薬組成物は液剤の形態である。もう一つの態様において、医薬的ビヒクルは固体であり、組成物は散剤または錠剤の形態である。さらに別の態様において、医薬的ビヒクルはゲルであり、組成物は、座剤またはクリーム剤の形態である。さらに他の態様において、化合物または組成物は、医薬的に許容しうる経皮パッチの部分として製剤することができる。
固体ビヒクルは、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁剤、充填剤、流動促進剤、圧縮補助剤、結合剤または錠剤崩壊剤としても働く1つ以上の物質を含むことができる;固体ビヒクルは、カプセル化物質であることもできる。散剤において、ビヒクルは微粉化した有効成分と混合される微粉化した固体である。錠剤において、有効成分は、適当な割合で必要な圧縮特性を有するビヒクルと混合され、所望の形および大きさに圧縮される。散剤および錠剤が99%以下の有効成分を含むのが好ましい。適当な固体ビヒクルとして、たとえば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、ポリビニルピロリドン、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられる。
液体ビヒクルは、液剤、懸濁液剤、乳液剤、シロップ剤、エリキシル剤および与圧組成物の製造に用いられる。有効成分は、水、有機溶媒、両者の混合物または医薬的に許容しうる油または脂肪などの医薬的に許容しうる液体ビヒクルに溶解または懸濁させることができる。液体ビヒクルは、可溶化剤、乳化剤、緩衝液、保存剤、甘味料、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘度調節剤、安定化剤または浸透圧調節剤などの他の適当な医薬品添加物を含むことができる。経口および非経口投与のための液体ビヒクルの適当な例として、水(上記の添加剤、たとえばセルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を一部含む)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコールなど)およびそれらの誘導体ならびに油(分別ココナッツ油およびピーナッツ油など)が挙げられる。非経口投与には、ビヒクルは、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルであってもよい。滅菌液体ビヒクルは、非経口投与用の滅菌液剤組成物に用いる。加圧組成物のための液体ビヒクルは、ハロゲン化炭化水素または他の医薬的に許容しうる高圧ガスでありうる。
また滅菌溶液または懸濁液である液体医薬組成物は、たとえば、筋肉内、くも膜下腔内、硬膜外、腹腔内または皮下注射などによって利用することができる。滅菌溶液は、静脈内投与することができる。化合物は、滅菌水、生理食塩水または他の適当な滅菌注射用媒体を用いて、投与時に溶解または懸濁されてもよい滅菌固体組成物として製造されてもよい。ビヒクルは、必要で不活性な結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、香味剤、甘味料、保存剤、色素およびコーティング剤を含むことを企図される。
一般式(I)で示される化合物は、他の溶質または懸濁化剤(たとえば、溶液を等張性にするのに十分な生理食塩水またはグルコース)、胆汁酸塩、アラビアゴム、ゼラチン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート80(ソルビトールのオレイン酸エステルおよびエチレンオキシドとのその無水コポリマー)などを含む滅菌溶液または懸濁液の剤形において経口で投与することができる。
一般式(I)で示される化合物は、液体または固体組成物の剤形のいずれかにおいて経口で投与することもできる。経口投与に適する組成物として、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、錠剤および散剤ならびに溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤および懸濁液剤などの液体剤形が挙げられる。非経口投与に有用な剤形として、滅菌溶液剤、乳液剤および懸濁液剤が挙げられる。
本発明化合物は、投与前に、医薬的に許容しうるビヒクルおよび他の治療有効成分と組み合わせてもよい。他の治療有効成分は、パーキンソニズム(パーキンソン病など)の治療のためのものであってよい。
本発明のもう1つの態様において、本発明化合物は、投与前に、医薬的に許容しうるビヒクルおよびもう1つの治療有効作用薬(ここで、このような作用薬は、精神病の治療に用いられる抗精神病薬である)と組み合わせることができる。
本発明の態様を、添付図面を参照して実施例により説明する。
実施例1
L-DOPA誘発性ジスキネジーにおけるトフィソパムの効果を評価した。
1.1.方法
1.1.1 パーキンソン病のMPTP障害マーモセットモデルの作成
5日間連続して2mg/kgのMPTPを皮下注射することによって、マーモセット(Callithrix jacchus:コモンマーモセット)(マンチェスター・ユニバーシティにてクローズドコロニー内で飼育)をパーキンソン病にした。パーキンソニズムが安定するまで、マーモセットを最低でも10週間回復させた。セクション1.1.2に記載した評価基準を用いて、MPTP処置前後の活動および運動能力障害の度合いを評価した。次いで、ジスキネジー誘発を準備するために動物をL-DOPAで少なくとも3週間処置した。
1.1.2 行動の評価
以下の評価基準を用いて行動を評価した。
(a)活動性−5分ごとに受動赤外線センサーによって評価される動物の運動活動の測定。この測定は、ジスキネジーを含む動物のすべての動きを評価する。
(b)パーキンソン性運動能力障害−以下の評価基準に基づくノンパラメトリック測定:
可動性スコア:0=全く運動せず;1=ケージの床における頭の運動;2=ケージの床における移動なしの手足の運動;3=ケージの壁または止まり木における頭または胴体の運動;4=ケージの壁または止まり木における移動なしの手足の運動;5=ケージの床における歩き回りまたは床におけるホッパーから食べる動作;6=ケージの床におけるホッピング;7=ケージの壁または止まり木へのクライミング;8=ケージの壁または止まり木に沿っての登り降り;9=ケージの壁/止まり木/屋根の間における、広範囲の手足の動作および活動を用いたランニング、ジャンピング、クライミング。
(c)ジスキネジー−以下の評価基準に基づくノンパラメトリック測定:
ジスキネジースコア:0=なし;1=軽度、束の間;2=中程度、正常な行動を妨げない;3=著しい、時々正常な行動を妨げる;4=重篤、継続的、正常な行動と入れ替わる。
処置に対してブラインドな観察者によるビデオ記録のpost-hoc分析によって、行動試験を30分毎に4時間評価した。
1.1.3 処置
マーモセットは、表1に記載したようなすべての処置を受けた。処置は、すべてのマーモセットが毎日処置の1つを受けるように無作為化した。処置間のウォッシュアウトは少なくとも48時間とった。
Figure 0004630665
1.2.結果
図1、2および3は、パーキンソン病のMTPT障害マーモセットモデルにおけるL-DOPA誘発性活動カウントに対するトフィソパム処置の効果を示す(方法1.1.2a参照)。
図4および5は、2つの実験の結果を示す。図は、トフィソパム(5−20mg/kg)が、L-DOPAの抗パーキンソン病作用に影響を及ぼすことなく(方法1.1.2bを参照)、L-DOPA誘発性ジスキネジーの重篤度を減少させること(方法1.1.2cを参照)を実証する。
これらのデータは、一般式(I)で示される化合物が、L-DOPA誘発性ジスキネジーの重篤度において用量依存性減少を引き起こすことを実証する。特に、図4および5は、本発明化合物が、L-DOPAの抗パーキンソン病作用に有害な影響を及ぼすことなく、ジスキネジーを減少させるという利点を有することを示す。したがって、パーキンソニズム自体の治療に有用であることが示唆されている先行技術のベンゾジアゼピン化合物とは異なって、本発明化合物は、ジスキネジーの調節にとって特に有用である。
MPTP障害霊長類は、パーキンソン病の“ゴールドスタンダード”臨床前モデルである。したがって、これらのデータから、パーキンソン病患者におけるL-DOPA誘発性ジスキネジーおよび他のジスキネジーの治療において本発明化合物に有利な治療効果があることが強く予測される。
図1は、実施例1で、パーキンソン病(MPTP障害)マーモセットにおけるL-DOPAにより誘発された運動活動におけるトフィソパムの効果を示すグラフである。 図2は、実施例1のパーキンソン病(MPTP障害)マーモセットにおける、4時間の観察期間にわたって累積された、L-DOPAにより誘発された運動活動に対するトフィソパムの効果の用量/反応関係を示すグラフである。 図3は、実施例1のパーキンソン病(MPTP障害)マーモセットにおける、1時間瓶(bin)に分解された、L-DOPAにより誘発された運動活動に対するトフィソパムの効果の用量/反応関係を示す一連の棒グラフ(A−D)である。 図4は、実施例1のパーキンソン病(MPTP障害)マーモセットにおけるL-DOPAにより誘発されたジスキネジー(A)およびパーキンソン性運動能力障害(B)に対するトフィソパム(10−20mg/kg)の効果を示すグラフである。 図5は、実施例1のパーキンソン病(MPTP障害)マーモセットにおけるL-DOPAにより誘発されたジスキネジー(A)およびパーキンソン性運動能力障害(B)に対するトフィソパム(5−20mg/kg)の効果を示すグラフである。 全図において:L-DOPA+ビヒクルとの比較において、*はP<0.05を示す;**はP<0.01を示す;および***はP<0.001を示す; ノンパラメトリック一元反復測定ANOVA(フリードマン検定)、次いで、ダンの多重比較検定。

Claims (7)

  1. ジスキネジーの治療用医薬の製造のための、一般式(I):
    Figure 0004630665
    [式中、Rは、
    Figure 0004630665
    から選ばれる
    R1は、エチルまたは水素である
    R2は、メトキシである;および
    R3は、メトキシである
    で示される化合物の使用。
  2. 式(I)で示される化合物が、下記のトフィソパム、ギリソパムおよびネリソパム:
    Figure 0004630665
    Figure 0004630665
    Figure 0004630665
    を含むグループから選ばれる請求項に記載の使用。
  3. 式(I)で示される化合物が、トフィソパムである請求項に記載の使用。
  4. ドーパミン置換療法薬の副作用として生じるジスキネジーの治療のための請求項1〜のいずれか1つに記載の使用。
  5. ドーパミン置換療法薬が、ドーパミン前駆体である請求項に記載の使用。
  6. ドーパミン置換療法薬が、ドーパミン受容体アゴニストである請求項に記載の使用。
  7. ドーパミン置換療法薬が、L-DOPAである請求項に記載の使用。
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