JP4630345B2 - 表面増強ラマン分光法(sers)による増強された多重信号の検出 - Google Patents

表面増強ラマン分光法(sers)による増強された多重信号の検出 Download PDF

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Description

本発明は包括的には、サンプル内の分析物の存在を特定するのに有用な方法及びデバイスに関する。
表面増強ラマン散乱(SERS)は、分析物を検出するための高感度の分光法である。ラマン分光法は、分析物の振動によって励起可能な準位を厳密に調べる。光子によって振動準位が励起されると、光子のエネルギーが、その準位のエネルギーに等しい量だけシフトする(ラマン散乱)。ラマンスペクトルは、赤外線スペクトルに類似であり、分析されているサンプル(分析物)に固有の分子振動に対応する帯域の波長分布から成る。ラマン分光法を実施する際に、放射源からのビームがサンプル上に合焦され、それにより非弾性散乱放射が生成され、その放射は集光され、波長分散型分光器の中に誘導されて、その中にある検出器によって、衝当する光子のエネルギーが電気信号強度に変換される。SERSでは、分析物分子が、貴金属ナノ微粒子上に吸着される。これらのナノ微粒子が光によって励起されると、プラズモンモードが設定され、それにより、各粒子の周囲に近接場が生成される。これらの近接場は、近接場の領域内にある分析物分子に結合することができる。結果として、ナノ微粒子の極めて近くに入射光が集光し、分析物分子からのラマン散乱を増強する。この方法は、生物系の検出を1014倍だけ高めることができる。
多重化は、化学的分析及び生物学的分析の効率を高める際の大きな潜在能力のゆえに、生物学的研究、臨床診断及び薬物スクリーニングのような種々の分野における高スループットの検定のための過酷な方法である。多重検定では、サンプル混合物内の対応する分析物に対して特異性を有する複数のプローブが用いられる。多重プラットフォームを確立する際の重要な課題のうちの1つは、大きなプローブセット内の個々のプローブ毎に区別できる成分を有するプローブ識別システムを開発することである。
これまでの方法は、SERSを多重分析と組み合わせて利用してきた。そのような方法は、ターゲットで被覆された金粒子と、ラマン色素及びチオール基の両方で同時に修飾されたDNAプローブとを利用する(Cao他、Science 297:1536)。しかしながら、そのような試薬は、一般に、製造するのにコストがかかり、使用するのにかなりの労力を要する。さらに、ラマン色素及びチオール基を分析物に結合することは、色素若しくはSERS基質を適用及び/又は除去する際に自由度を与えない。したがって、低コスト、並びに多重分析中に分析物及び捕捉試薬を標識する際の自由度の高さを提供する、組成物及び方法が必要とされている。
本発明の開示される実施形態をさらに十分に理解できるようにするために、以下の詳細な説明は、数多くの具体的な細部を含む。しかしながら、これらの具体的な細部を用いることなく、それらの実施形態を実施できることは当業者には明らかであろう。他の事例では、当該技術分野において既知であるデバイス、方法、手順及び個々の構成要素は、本明細書では詳細には説明されていない。
本発明の種々の実施形態は、多重生物学的検定のための信号増幅方法に関する。包括的には、生物学的なターゲット複合体が、表面増強ラマン散乱(SERS)基質の形成を触媒することができるシード物質によってタグ付けされる。それから、ターゲット複合体は、ラマン標識を含む捕捉試薬に結合することができる。それから、SERS基質が、金属陽イオンの還元を通して、シード物質上に生成される。ターゲットシグナルが、ラマン標識のSERS測定によって検出される。より具体的には、本発明の実施形態は、シード粒子を含む特異結合部材で機能化されるターゲット分析物を提供する。本発明の実施形態はさらに、そのようなターゲット分析物と、固体基質に結合される捕捉試薬との間に形成されるターゲット複合体に関する。その捕捉試薬はオプションで、ラマン標識を含む。本発明の他の実施形態は、ターゲット分析物と、表面増強ラマン散乱(SERS)分光法と結び付けられる捕捉試薬との結合を検出し、分析物の多重検出を実行する方法に関する。これは、ポリペプチドターゲットの場合には、図1A、図1B及び図2において、また、核酸ターゲットの場合には、図3A、図3B及び図4において例示される。
したがって、一実施形態において、第1の特異結合部材に関連付けられるターゲット分析物を含む生物学的なターゲット複合体が提供される。そのターゲット複合体は、第1の特異結合部材に結合し、ターゲット複合体を形成する第2の特異結合部材をさらに含む。第2の特異結合部材は、表面増強ラマン散乱(SERS)基質の形成を触媒するのに適したシード粒子を含む。その後、SERS基質を、SERS効果を与えるように活性化することができる。その複合体は、固体基質に結合される捕捉試薬をさらに含む。その捕捉試薬は、ラマン標識を含むことができる。
本明細書において用いられるときに、「ターゲット分析物」は、本発明を用いて、試験サンプルにおいて検出されるべき物質である。分析物として、自然発生する捕捉試薬(たとえば、抗体、ポリペプチド、DNA、RNA、細胞、ウイルス等)が存在するか、又は捕捉試薬を調製することができる、任意の物質を用いることができ、ターゲット分析物は、検定中に1つ又は複数の捕捉試薬に結合することができる。「ターゲット分析物」はまた、任意の抗原物質、ハプテン、抗体、及びそれらの組み合わせも含む。ターゲット分析物は、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、炭水化物、ホルモン、ステロイド、ビタミン、治療目的のために投与されるもの及び違法に(illicit)投与されるものを含む薬物、細菌、ウイルス、並びに上記の物質のいずれかの代謝産物又は上記の物質のいずれかに対する抗体を含むことができる。
本明細書において用いられるときに、「ターゲット分析物−類似体」は、その反応の程度は、ターゲット分析物そのものより大きいことも、小さいこともあるが、分析物捕捉試薬と交差反応する物質を指している。ターゲット分析物−類似体は、対象となるターゲット分析物と共通の少なくとも1つのエピトープ部位を有する限り、修飾されたターゲット分析物、及びターゲット分析物分子の断片化された部分又は合成部分を含むことができる。
本明細書において用いられるときに、「特異結合部材」は、特異結合する一対の部材のうちの一方の部材、すなわち、分子のうちの一方(たとえば、第1の特異結合部材)が、化学的又は物理的手段を通して、第2の分子(たとえば、第2の特異結合部材)に特異に結合する2つの異なる分子のうちの一方の分子である。抗原及び抗体特異結合対に加えて、他の特異結合する対は、ビオチン及びアビジン、炭水化物及びレクチン、相補的なヌクレオチド配列(ターゲット核酸配列を検出するためにDNAハイブリダイゼーション検定において用いられるプローブ及び捕捉される核酸配列を含む)、相補的なペプチド配列、エフェクタ及びレセプタ分子、酵素コファクタ及び酵素、酵素インヒビタ及び酵素、細胞、ウイルス等を含む。さらに、特異結合する対は、元の特異結合部材の類似体である部材を含むことができる。たとえば、分析物と共通の少なくとも1つのエピトープを有する限り、分析物の誘導体又は断片、すなわち分析物−類似体を用いることができる。免疫反応性の特異結合部材は、抗原、ハプテン、抗体、及び組換えDNA法又はペプチド合成によって形成されるものを含むそれらの複合体を含む。
本明細書において用いられるときに、「補助的な特異結合部材」は、ターゲット分析物及び捕捉試薬の特異結合する部材に加えて用いられる特異結合部材であり、最終的な複合体の一部になる。1つ又は複数の補助的な特異結合部材を、検定において用いることができる。本明細書において用いられるときに、「結合」は、結果として結合される成分を形成する任意の過程である。「結合」の過程は、少なくとも1つの結合を形成することを通して、1つの成分が別の成分に直接的に、又は間接的に付着することを指しており、その結合は、共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合又はファンデルワールス結合、或るいは、非化学的な相互作用、たとえば疎水性相互作用を含むことができる。2つの成分は数多くの方法によって互いに結合できることを理解されたい。そのような結合は、限定はされないが、特異的な非共有親和性相互作用、たとえばストレプトアビジン:又はアビジン:ビオチン相互作用、及びハプテン:抗体相互作用;疎水性相互作用;磁気的相互作用;極性相互作用、たとえば2つの極性表面間又はオリゴヌクレオチド/ポリエチレングリコール間の「濡れ」会合;共有結合、たとえば、アミド結合、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、エーテル結合、炭素−炭素結合の形成;他の架橋媒介物による結合、又は酸−不安定リンカーによる結合を含むことができる。例示的な結合される成分は、限定はされないが、抗体−エピトープ複合体、レセプタ−リガンド複合体、又は相補的な核酸複合体を含む。例示的なターゲット分析物−捕捉試薬複合体は、相補的な核酸配列(すなわち、捕捉試薬)にハイブリダイズするターゲット核酸配列(すなわち、ターゲット分析物)を含む。他の例示的なターゲット分析物−捕捉試薬複合体は、レセプタ又は抗体(すなわち、捕捉試薬)に結合し、それによりリガンド結合対を形成するターゲットポリペプチド(すなわち、ターゲット分析物)を含む。結合の範囲は、ターゲット分析物の存在、及び存在する量によって影響を及ぼされる。本明細書において用いられるときに、「会合する」は、2つ以上の分子及び/又は2つ以上の粒子が互いに極めて近接して保持される状態である。
本明細書において用いられるときに、「捕捉試薬」は、ターゲット分析物又はターゲット試薬を結合することができる分子又は化合物であり、それは、概ね固体の材料に直接的に、又は間接的に付着することができる。捕捉試薬として、自然発生するターゲット分析物(たとえば、抗体、ポリペプチド、DNA、RNA、細胞、ウイルス等)が存在するか、又はターゲット分析物を調製することができる、任意の物質を用いることができ、捕捉試薬は、検定において1つ又は複数のターゲット分析物に結合することができる。
本明細書において用いられるときに、「シード粒子」は、金属コロイド溶液からのナノ微粒子の形成を促すことができ、表面増強ラマン光散乱(SERS)又は表面増強共鳴ラマン光散乱(SERRS)の現象を支援することができる任意の物質である。シード粒子の例は、限定はされないが、金又は銀、Pt、Cu、Ag/Au、Pt/Au、Cu/Auのコロイド、コアシェル又は合金粒子;伝導帯電子を示す金、銀、銅又は他の物質の粒子若しくは薄片を含む。粒子表面がSERS及びSERRS効果に関与するとき、伝導帯電子を示さない物質の薄片又は粒子も、伝導帯電子を示す物質で被覆されていれば、適当な微粒子になる。
本明細書において用いられるときに、「ラマン標識」は、検出可能なラマンスペクトルを生成する任意の物質であり、そのスペクトルは、適当な波長の放射を照射されるときに、存在する他の成分のラマンスペクトルから区別することができる。ラマン標識の他の言い方として、「ラマン活性標識」、「ラマン色素」、又は「ラマンレポータ分子」がある。ラマン標識は、限定はされないが、合成分子、色素、フィコエリトリンのような自然発生する色素、C60、バッキーボール及びカーボンナノチューブのような有機ナノ構造、金又は銀ナノ微粒子又はナノプリズムのような金属ナノ構造、及び量子ドットのようなナノスケール半導体を含む、任意の有機又は無機分子、原子、複合体又は構造を含む。ラマン標識の数多くの例が、後に開示される。例示的なラマン標識が、後に表1において与えられる。そのような例が限定的なものではないこと、及び「ラマン標識」が、ラマン分光法によって検出することができる、当該技術分野において知られている任意の有機又は無機原子、分子、化合物又は構造を包含することは、当業者は理解するであろう。特定のタイプの「ラマン標識」は、「ラマン色素」を含む。ラマン色素の例は、クレシルファーストバイオレット(CFV、Fluka)、ブリリアントクレシルブルー(BCB、Allied Chemical and Dye)及びp−アミノ安息香酸(PABA、Aldrich)のような化学標識を含む。さらに別の色素は、Cy3、Cy3.5、Cy5、TAMRA(TMR)、テキサスレッド(TR)及びローダミン6G(RD)を含む。
ラマン標識は、鋭いスペクトルピークを生成するという利点を提供し、より多くの数の区別できる標識がプローブに付着できるようにする。有用なラマン活性標識のさらに別の例は、限定はされないが、TRIT(テトラメチル ローダミン イソチオール)、NBD(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)、テキサスレッド色素、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレシルファーストバイオレット、クレシルブルーバイオレット、ブリリアントクレシルブルー、p−アミノ安息香酸、エリトロシン、ビオチン、ジゴキシゲニン、5−カルボキシ−4',5'−ジクロロ−2',7'−ジメトキシフルオレセイン、TET(6−カルボキシ−2',4,7,7'−テトラクロロフルオレセイン)、HEX(6−カルボキシ−2',4,4',5',7,7'−ヘキサクロロフルオレセイン)、Joe(6−カルボキシ−4',5'−ジクロロ−2',7'−ジメトキシフルオレセイン)、5−カルボキシ−2',4',5',7'−テトラクロロフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシローダミン、Tamra(テトラメチルローダミン)、6−カルボキシローダミン、Rox(カルボキシ−X−ローダミン)、R6G(ローダミン6G)、フタロシアニン、アゾメチン、シアニン(たとえば、Cy3、Cy3.5、Cy5)、キサンチン、スクシニルフルオレセイン、N,N−ジメチル−4−(5'−アゾベンゾトリアゾリル)−フェニルアミン及びアミノアクリジンを含む。これらの、及び他のラマン活性タグは、市販品の供給元(たとえば、Molecular Probes、Eugene、OR)から入手することができる。
ラマン活性標識は、1つ又は複数の二重結合、たとえば炭素と窒素との二重結合を含んでもよいことが考えられる。また、ラマン活性標識は、一般的には多環式芳香族化合物のような環構造に付着する側基を有する環構造を含んでもよいことも考えられる。ラマン強度を高める側基を有する化合物は、プリン、アクリジン、ローダミン色素及びシアニン色素のような共役環構造を有する化合物を含む。高分子活性分子ラマンコードの全体的な極性は親水性であると考えられるが、疎水性側基が含まれることができる。役に立つことができる他のタグは、シアニド、チオール、塩素、臭素、メチル、リン及び硫黄を含む。
本明細書には、ラマン標識を設計し、製造するのに有用な指針が含まれる。手短に言うと、本明細書において提供される例示的なラマン標識は、以下の属性:1)共役芳香族系(一般的には、2つ以上の環);2)孤立電子対(Ag結合用)を有する1つ若しくは複数の窒素又は硫黄原子、好ましくはそれらの原子が金属原子をキレート化することができるように、分子の同じ側にあるそのような原子のうちの2つ;3)可能な限り少ない酸素原子;4)Ag結合部位に近接してほとんど、又は全く存在しない遊離OH基;及び5)少ない競合Ag結合モードうちの任意の組み合わせを含むラマン標識を含む。
したがって、金属表面吸着を与えるのに有用な分子は一般的に、孤立電子対(Ag結合用)を有する少なくとも1つのN又はS原子を含む。いくつかの態様では、分子の同じ側にそのような原子のうちの2つを有し、それらの原子が金属原子をキレート化できるようにすることが有用である。さらに、他の態様では、N、S又はCのような、分子内に正の電荷が含まれる。
一般的に、銀コロイドは、比較的大きな表面電位(−60mV又はそれ未満)で安定している。有機化合物分子が銀コロイド表面に吸着されるとき、電位(ζ電位)が低減され、それにより、有機化合物を「接着剤」として、コロイド凝集が引き起こされる。本研究は、Ag粒子の凝集をさらに効率的に引き起こすことができる共役芳香族系を有する化合物を特定している。N又はS原子は、Ag表面に安定して結合するのに適しており、2つのキレート電子−ドナー原子によって固定される一重結合モードが、簡単なシグネチャを有する強いラマン信号を生成するのを助ける。一般的に、O原子、特に遊離したヒドロキシル基からのO原子が、Ag表面結合するためにN及びSと競合する。
強いラマン信号を与えるのに適した分子は一般的に、UV−可視光(共役二重結合及び芳香族系)に対する強い吸収性を有する分子を含む。共鳴効果のゆえに、ラマン励起波長近くで強い吸収性を有する分子が含まれる。また、C−N結合伸長、C−C結合伸長、及び芳香族系内の6員環呼吸モードのような振動モードを有する分子も含まれる。また、一般的にC−O、O−H及びC=Oは強いラマン信号を与えないので、O原子をほとんど有さない分子も含まれる。
また、ラマン標識のための固有のラマンシグネチャを与える化学構造も提供される。その化学構造環境に基づいて、特定のモードのラマンシフトを、波長の長い方、又は短い方のいずれかに「動かす」ことができる。たとえば、隣接する電子−吸引基(共役芳香環、CN等)が、ラマンピークを高い波数に動かしてもよく、電子供与基(アミン、チオール等)が反対に動かしてもよい。さらに、分子の種々の部分が対称でなければ、それらの部分において同じ振動モードが生じるのを避けることによって、その分子に固有のラマンシグネチャを与えることができる。そのような構造は、二重のピーク又は広がるただ1つのピークを与えるので、一般的には、ラマンシグネチャを複雑にする。
特定の実施形態では、本発明の方法及び複合体において用いられるラマン活性標識は、核酸、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、塩基類似体、蛍光色素、ペプチド、アミノ酸、修飾アミノ酸、有機成分、量子ドット、カーボンナノチューブ、フラーレン、金属ナノ微粒子、電子稠密分子及び結晶性粒子、又はそれらのうちの任意の2つ以上の組み合わせから成るグループから個別に選択されることができる。
本発明は、ラマン標識を有し、検出検定法において用いるのに適した特異結合物質が付着している任意の適当な粒子の使用を考える。しかしながら、本発明を実施する際に、ナノ微粒子が好ましい。粒子の粒径、形状及び化学組成は、DNAバーコードを含む、結果として生成されるプローブの特性に寄与するであろう。これらの特性は、光学的特性、光電子工学的特性、電気化学的特性、電子工学的特性、種々の溶液内での安定性、細孔及びチャネルサイズ偏差、フィルタとしての動作中に生理活性分子を分離する能力等を含む。種々の粒径、形状及び/又は化学組成を有する分子の混合物を使用すること、並びに、均一の粒径、形状及び化学組成を有するナノ微粒子を使用することが考えられる。適当な粒子の例は、限定はされないが、ナノ及びマイクロサイズコア粒子、凝集粒子、等方性(たとえば、球形粒子)及び異方性粒子(たとえば、非球形ロッド、四面体、プリズム)、及びいずれも参照によりそのまま本明細書に援用される、2002年12月28日に出願の米国特許出願第10/034,451号及び2002年12月28日に出願の国際特許出願PCT/US01/50825号に記述されるようなコアシェル粒子を含む。
本発明を実施する際に有用なナノ微粒子は、金属(たとえば、金、銀、銅及びプラチナ)、半導体(たとえば、CdSe、CdS、及びZnSで被覆されたCdS又はCdSe)及び磁気(たとえば、強磁性体)コロイド材料を含む。本発明を実施する際に有用な他のナノ微粒子は、ZnS、ZnO、TiO、AgI、AgBr、HgI、PbS、PbSe、ZnTe、CdTe、In、InSe、Cd、CdAs、InAs及びGaAsを含む。ナノ微粒子の粒径は、約1.4nm〜約150nm(平均直径)であることが好ましく、約5〜約50nmであることがさらに好ましく、約10〜約30nmであることが最も好ましい。ナノ微粒子はまた、ロッド、プリズム、立方体、四面体、又はコアシェル粒子であってもよい。
「SERS(表面増強ラマン散乱)」は、特定の金属表面に近接する特定の分子によって示される、ラマン散乱の増強を意味する。「SERRS(表面増強共鳴ラマン散乱)」は、SERS活性表面がレーザ励起波長と共鳴しているときに、結果として生じる。結果として生じる増強は、共鳴と表面増強との積である。
本明細書において用いられるときに、「SERS基質」は、SERS効果を生成するために、粒子上のラマン標識の活性化を与える銀又は金染色剤のような染色剤を含む。本明細書において用いられるときに、「染色剤」は、本明細書において記述される任意の検定法において検出可能な変化を生成するため、又は増強するために用いることができる材料、たとえば、金、銀等を含む。たとえば、銀染色は、銀の還元を触媒する任意のタイプのナノ微粒子とともに用いられることができる。したがって、AgNOを含む染色溶液に晒される金コロイドは、Agを堆積するための核生成部位としての役割を果たすことができる。
本明細書において用いられるときに、「媒介分子」は、特異結合部材を含み、ターゲット分析物に結合する任意の物質である。例示的な媒介分子は、特異結合部材に付着する抗体を含む。図2に示されるように、1つの例示的な媒介分子は、ナノゴールドシードを含む第2の抗体を含む。そのような分子は一般的に、ターゲット分析物が固定化された捕捉試薬に結合した後に、ターゲット分析物に結合する。
本明細書において用いられるときに、「放射」は、試験混合物に照射されるときに、その中にあるラマン活性標識によってラマンスペクトルが生成されるようにする電磁放射の形のエネルギーである。
本明細書において提供される複合体及び方法は、SERS検出と、ラマン標識を使用することとを組み合わせるこれまでの研究報告とは区別することができる。たとえば、単一の色素分子を検出し、特定するために、金ナノ微粒子と、表面増強ラマン散乱分光法とを組み合わせることが、Cao他(Science 297: 1536)によって記述されている。Cao他は、13nm金ナノ微粒子の周囲に形成されるプローブを設計した。そのナノ微粒子は、一端にラマン色素を含み、小さな分子認識要素(たとえば、ビオチン)で末端をキャッピングされた親水性オリゴヌクレオチドで被覆される。この分子は触媒活性であり、Ag(I)及びヒドロキノンの溶液中において銀で被覆されるであろう。プローブが、そのプローブが検出するように設計される小さな分子又は抗原に付着した後に、その基質は、銀及びヒドロキノン溶液に晒される。ラマン色素の極めて近くで銀の被覆が行われ、それによって、標準的なラマン顕微鏡による色素シグネチャの検出が可能となる。対照的に、本明細書において開示される複合体は、たとえば、SERS基質を支持するのに適した金ナノ微粒子から離れているラマン色素から構成される。生物学的なターゲット複合体は、SERS基質の形成を触媒することができるシード粒子を含む。そのシード粒子は、ターゲット分析物に関連付けられる第1の結合部材に結合する第2の結合部材に関連付けられる。ターゲット分析物が、ラマン標識に関連付けられる捕捉試薬に結合すると、金属陽イオンの還元を通して、SERS基質が生成される。別法では、核酸がターゲット分析物であるとき、形成後に、SERS基質にラマン標識が加えられる(たとえば、図3A、図3B及び図4を参照)。
したがって、別の実施形態では、ラマン分光法によって分析物−捕捉試薬複合体を検出するための方法が提供される。その方法は、第1の特異結合部材に関連付けられるターゲット分析物を配設することと、固体基質に結合される捕捉試薬を配設することとを含む。その捕捉試薬はラマン標識を含む。その方法はさらに、ターゲット分析物−捕捉試薬複合体を形成するのに適した条件下で、ターゲット分析物を捕捉試薬と接触させることを含む。第1の特異結合パートナーが、SERS基質と関連付けるのに適したシード粒子に機能的に関連付けられる第2の特異結合部材と接触する。それから、ターゲット分析物−捕捉試薬複合体は、ラマン分光法によってターゲット分析物−捕捉試薬複合体に関連付けられる特異性を検出するのに適した電磁放射と接触させられる。
さらに別の実施形態では、本発明は、1組の捕捉試薬で複合体を形成するのに適した条件下で、サンプル内のターゲット分析物を接触させることによって、サンプル内の分析物を多重検出するための方法を提供する。ターゲット分析物が核酸でない場合、捕捉試薬はラマン標識と共役する。各捕捉試薬は、固有の光学的なシグネチャに関連付けられる、ラマン色素のような固有のラマン標識と共役することができる。複合体を形成し、SERS基質のSERS活性化後に、適当な検出デバイスで、固有の光学的なシグネチャが多重に検出される。特異に結合する各ターゲット分析物が、SERS信号のような区別できる光学的なシグネチャを放射する、既知のラマン色素に共役する特異な捕捉試薬に結合されるので、こうして、構成物から検出される個々の光学的なシグネチャが、サンプル内のターゲット分析物そのものと関連付けられる。
本明細書において用いられるときに、「試験サンプル」は、本発明を用いて検出され、検定されることになるターゲット分析物を含むサンプルを意味する。試験サンプルは、ターゲット分析物以外の他の成分を含むことができ、液体又は固体の物理的な属性を有することができ、たとえば、流動している液体を含む、任意のサイズ又は体積から成ることができる。試験サンプルは、他の物質が、ターゲット分析物と捕捉試薬との結合、又は第1の結合部材と第2の結合部材との特異結合を妨げない限り、ターゲット分析物以外の任意の物質を含むことができる。試験サンプルの例は、限定はされないが、血清、プラズマ、痰、精液、尿、他の体液、及び地下水又は廃水、土壌抽出物、空気及び残留農薬のような環境サンプルを含む。
用いられることになる光学的な検出手順、又は光学的な検出手順の組み合わせは、分析物の特性、分離デバイス又はマトリックス、並びに捕捉試薬の構造及び特性によるであろう。分離された複合体は、本明細書において記述される技法及び当該技術分野において知られているような技法を用いて、吸着、反射、偏光、屈折、蛍光、ラマンスペクトル、SERS、共鳴光散乱、格子と組み合わせた表面プラズモン共鳴から選択される光学的技法のうちの1つ、又は1つの組み合わせによって検出することができる。
ラマン活性標識は、ラマン活性色素、アミノ酸、ヌクレオチド、又はそれらの1つの組み合わせから選択される。ラマン活性タグに組み込むのに適したラマン活性アミノ酸の例は、アルギニン、メチオニン、システイン又はそれらの組み合わせを含む。ラマン活性タグに組み込むのに適したラマン活性ヌクレオチドの例は、アデニン、グアニン及びそれらの誘導体を含む。ラマン活性標識は、ラマン信号を生成する際に高い活性を有する小さな分子であり、典型的には1kDa未満の分子量を有する。これらの要件を満たすラマン活性タグは、色素(たとえば、R6G、Tamra、Rox)、アミノ酸(たとえば、アルギニン、メチオニン、システイン)、核酸塩基(たとえば、アデニン又はグアニン)、又はそれらの任意の組み合わせを含む。適当な分子量及びラマン特性のような、上記の特性を有する自然発生又は合成化合物も用いることができる。ラマン活性タグは、分子バックボーンに沿ったいずれかの位置に配置することができ、1つのバックボーンが2つ以上のそのようなタグを有することができる。1組の部材のラマンシグネチャは、分子ラマンコードの合成中にバックボーンに沿ったラマン活性タグのタイプ、数及び相対的な位置を変更することによって調整することができる。
ラマン活性標識を含む結合された複合体は、本明細書において記述されるように、金属の薄い層で覆われ、その複合体からのラマン信号が増強される。その金属層は、分析物に極めて近接しているときに、SERS信号を生成することになり、たとえば、SERS走査によって、結合される複合体からのSERS信号を収集しながら、固体支持体全体を、単一の光源によって照射することができる。個別の部位から得られる1つ又は複数のSERSスペクトルは、捕捉試薬を、サンプル内の特定のターゲット分析物の存在に関連付けるか、又は捕捉試薬を、サンプル内の分子又は複合体に対して親和性を有する(たとえば、これまでは未知であった)ものと特定する。
抗体及びレセプタは、固体支持体上の個別の場所に付着する捕捉試薬の例であるが、それには限定されない。核酸、ファージディスプレイ法にかけられたペプチド、核酸、アプタマー、リガンド、レクチン及びそれらの組み合わせも、本発明の方法において捕捉試薬として用いることができる。サンプルとして体液が用いられることがあるが、サンプルは必ずしも体液ではなく、タンパク質、グルコプロテイン、液体タンパク質、核酸、ウイルス粒子、多糖類、ステロイド、及びそれらの組み合わせを含む、分析物の任意の混合されたプールを含むことができる。一態様では、サンプルは、特定の疾患を有することがわかっているか、又は疑われている患者の体液のプールを含む。
用語「核酸」は、ホスホジエステル結合によって互いに連結されるデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドの配列を意味するために、本明細書において広く用いられる。便宜上、本明細書では、プライマ又はプローブとして用いられるポリヌクレオチドを指すために、用語「オリゴヌクレオチド」が用いられる。一般的に、選択されたヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズするプローブ又はプライマとして有用なオリゴヌクレオチドは、長さが少なくとも約10ヌクレオチドであり、通常は長さが少なくとも約15ヌクレオチドであり、たとえば、長さが約15〜約50ヌクレオチドである。
核酸は、遺伝子又はその一部であり得るRNA又はDNA,cDNA、合成ポリデオキシリボ核酸配列等であることができ、その一本鎖又は二本鎖、及びDNA/RNAハイブリッドであることができる。種々の実施形態において、オリゴヌクレオチド(たとえば、プローブ又はプライマ)を含むポリヌクレオチドは、ヌクレオシド又はヌクレオチド類似体、又はホスホジエステル結合以外のバックボーン結合を含むことができる。一般的に、ポリヌクレオチドを含むヌクレオチドは、2'−デオキシリボースに連結されるアデニン、シトシン、グアニン若しくはチミンのような自然発生するデオキシリボヌクレオチド、又はリボースに連結されるアデニン、シトシン、グアニン若しくはウラシルのようなリボヌクレオチドである。しかしながら、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドは、自然に発生しない合成ヌクレオチド又は修飾された自然発生ヌクレオチドを含む、ヌクレオチド類似体を含むこともできる。そのようなヌクレオチド類似体は、当該技術分野においてよく知られており、そのようなヌクレオチド類似体を含むポリヌクレオチドのように、市販されている(Lin他、 Nucl. Acids Res. 22: 5220-5234 (1994);Jellinek他、 Biochemistry 34: 11363-11372 (1995);Pagratis他、 Nature Biotechnol. 15: 68-73 (1997))。
核酸のヌクレオチドを連結する共有結合は一般的に、ホスホジエステル結合である。しかしながら、その共有結合として、チオジエステル結合、ホスホロチオエート結合、ペプチド様結合又は合成ポリヌクレオチドを生成するためにヌクレオチドを連結するのに有用であるとして当該技術分野において知られている任意の他の結合を含む、数多くの他の結合のうちのいずれかを用いることができる(たとえば、Tam他、 Nucl. Acids Res. 22: 977-986 (1994);Ecker及びCrooke、 Biotechnology 13: 351360 (1995)を参照されたい)。修飾されたポリヌクレオチドは分解を受けにくくなることができるので、ヌクレオチド又は類似体を連結する、非自然発生ヌクレオチド類似体又は結合を含むことは、ポリヌクレオチドが、たとえば組織培地を含む核酸分解活性を含むことができる環境に晒されることになる場合、又は生体被検者に投与される場合に特に役に立つことができる。
本明細書において用いられるとき、用語「選択的なハイブリダイゼーション」又は「選択的にハイブリダイズする」は、核酸配列が、選択されるヌクレオチド配列を特定する際に有用であるほど十分に大きな程度まで、関係のないヌクレオチド配列よりも優先的に、選択されたヌクレオチド配列を関連付けるように、適度に厳密な、又は非常に厳密な条件下でハイブリダイズすることを指している。ある量の非特異なハイブリダイゼーションは避けることはできないが、たとえば、ターゲット分子以外の核酸分子、特にターゲット核酸分子以外の概ね類似の(すなわち、相同の)核酸分子と比較して、ターゲット核酸分子に結合する標識されたオリゴヌクレオチドの量によって判定されるように、ターゲットヌクレオチド配列へのハイブリダイゼーションが、非特異なクロスハイブリダイゼーション上で、区別されることができるほど十分に選択性がある、たとえば、少なくとも約2倍だけ選択性が高く、一般的には少なくとも約3倍だけ選択性が高く、通常は少なくとも約5倍だけ選択性が高く、特に少なくとも約10倍だけ選択性が高い場合には許容できることは理解されよう。選択的にハイブリダイズできるようにする条件は、実験的に求めることができるか、又は、たとえば、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、及びそれがハイブリダイズすることになる配列の相対的なGC:AT含有量、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの長さ、及びもしあるなら、オリゴヌクレオチドと、それがハイブリダイズすることになる配列との間の不一致の数に基づいて推定することができる(たとえば、Sambrook他著「Molecular Cloning: A laboratory manual」(Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989)を参照されたい)。
次第に高くなる厳密性条件の例は以下のとおりである:概ね室温における2xSSC/0.1%SDS(ハイブリダイゼーション条件);概ね室温における0.2xSSC/0.1%SDS(低い厳密性条件);概ね42ECにおける0.2xSSC/0.1%SDS(中程度の厳密性条件);及び概ね68ECにおける0.1xSSC(高い厳密性条件)。これらの条件のうちの1つだけ、たとえば高い厳密性条件だけを用いて、洗浄を実行することができるか、又は先に列挙された順序で、たとえばそれぞれ10〜15分にわたって、これらの各条件を用いることができ、列挙されたステップのいずれか、又は全てを繰り返す。しかしながら、先に述べられたように、最適な条件は、関係する特定のハイブリダイゼーション反応によって異なることになり、また実験的に求めることができる。
本明細書において用いられるときに、用語「抗体」は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体、並びにそのような抗体の断片を結合する抗原を含むように、その最も広い意味で用いられる。本発明の方法において有用な抗体、又はその断片を結合する抗原は、たとえば、分析物のエピトープに対する特異結合活性を有することによって特徴付けられる。別法では、後に説明されるように、薬剤候補として有用である1組の抗体をスクリーニングするために、プローブとして用いられる抗体(たとえば、活性剤)が体液に晒されるような本発明の方法の実施形態では特に、分析物としてプローブ抗体を用いることができる。
たとえば、抗体は、一本鎖抗体、キメラ抗体、二機能性抗体及びヒト化抗体、並びにその抗原結合断片を含む、自然発生抗体並びに非自然発生抗体を含む。そのような非自然発生抗体は、固相ペプチド合成を用いて構成することができるか、組換えによって生成することができるか、又は、たとえば、可変の重鎖及び可変の軽鎖から成るコンビナトリアルライブラリをスクリーニングすることによって入手することができる(Huse他、 Science 246: 1275-1281 (1989)を参照されたい)。たとえば、キメラ抗体、ヒト化抗体、CDR移植抗体、一本鎖抗体及び二機能性抗体を形成する、これらの方法、及び他の方法は、当業者にはよく知られている(Winter及びHarris、 Immunol. Today 14: 243-246, 1993;Ward他、 Nature 341: 544-546;Harlow及びLane、 Antibodies: A laboratory manual (Cold Sprig Harbor Laboratory Press, 1998);Hilyard他、 Protein Engineering: A practical approach(IRL Press 1992);Borrabeck、 Antibody Engineering, 2nd ed.(Oxford University Press 1995)を参照)。プロ-ブとして用いるのに適したモノクローナル抗体も、数多くの市販品の供給元から入手することができる。そのような市販の抗体は、広範なターゲットに対して利用することができる。後に説明されるように、抗体プローブは、標準的な化学反応を用いて、分子バックボーンに共役することができる。
用語「特異に結合する」又は用語「特異結合活性」は、抗体を参照しながら用いられるとき、その抗体と特定のエピトープとの相互作用が、少なくとも約1×10―6、一般的には少なくとも約1×10―7、通常は少なくとも約1×10―8、特に少なくとも約1×10―9若しくは1×10―10又はそれ未満の解離定数を有することを意味する。その場合に、ある抗原のエピトープに対する特異結合活性を保持する抗体のFab、F(ab')、Fd及びFv断片が、抗体の定義に含まれる。
本発明との関連では、用語「リガンド」は、レセプタの自然発生特異結合パートナー、レセプタの合成特異結合パートナー、又は自然若しくは合成リガンドの適当な誘導体を表す。リガンドの決定及び単離は当該技術分野においてよく知られている(Lerner、 Trends Neurosci. 17: 142-146, 1994)。当業者が理解するであろうに、分子(又は高分子複合体)は、レセプタ及びリガンドの両方にすることができる。一般的には、分子量がより小さい結合パートナーはリガンドと呼ばれ、また分子量がより大きい結合パートナーはレセプタと呼ばれる。
ある特定の態様では、本発明は、サンプル中の分析物を検出するための方法に関する。「分析物」は、プローブを見つけることができる任意の分子又は化合物を意味する。分析物は、固相、液相、気相又は蒸気相で存在することができる。「気相分析物又は蒸気相分析物」は、たとえば、液体のヘッドスペース内に、周囲空気内に、息サンプル内に、気体内に存在するか、若しくは上記のいずれかの中に汚染物質として存在する、分子又は化合物を意味する。気相又は蒸気相の物理的状態は、圧力、温度によって、及び塩の存在又は塩を加えることにより液体の表面張力に影響を及ぼすことによって変更され得ることは理解されよう。
分析物は、宿主からの体液のようなサンプル内において直に見いだされる分子であることができる。そのサンプルは、直に検査されることができるか、又は、分析物を検出しやすくするように予備処理されることができる。さらに、対象となる分析物は、対象となる分析物がサンプル中に存在する場合にのみ、その存在が検出されることになる、対象となる分析物に対して相補的な特異結合対部材のような、対象となる分析物の証拠となる薬剤を検出することによって、判定することができる。したがって、分析物の証拠となる薬剤が、検定において検出される分析物になる。体液として、たとえば、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳髄液、涙、粘液等を用いることができる。
本明細書において用いられるときに、用語「コロイド」は、液体、通常は水内に懸濁される金属イオンを指している。本発明において金属コロイドとして用いるために、またナノ微粒子を形成するために考えられる典型的な金属は、銀、金、プラチナ、アルミニウム等の透過性金属を含む。
ラマン活性基質によって生成されるラマンスペクトルを増強するために、その層が粗面化された表面を有する、透過性金属の薄い層が、基質の上側表面、及び/又はその上に結合された複合体上に堆積される。粗面化されたフィーチャは、概ね数十ナノメートルであり、入射する励起放射の波長と比べて小さい。小さな粒径の粒子によって、金属粒子の表面プラズモンの励起が、粒子上に局在できるようになる。金属表面における金属粗面化フィーチャは、多数の方法によって、たとえば、金属粒子の蒸着、又はバイオセンサの上側表面上に金属コロイドを被着することによって生み出されことができる。金属の表面電子が、その粒径が小さな粒子に閉じ込められるので、プラズモン励起も粗面化フィーチャに限定される。結果として生成されるプラズモンの電磁界は非常に強く、ラマン信号と比べて、SERS信号を大きく増強する。
10個の分析物粒子のうちの1つだけがラマン分光法において弾性散乱するものと推定されてきた。しかしながら、本発明の方法の実施形態では、散乱する分子からのラマン信号の強度が、SERS条件下で大きく増強され、低濃度のラマン活性分析物を、ピコモル及びフェムトモル程度の低い濃度で検出することができる。状況によっては、ラマン標識を含む結合された複合体と接触するように透過性金属の薄い層を堆積することによって、本発明の方法を用いて、血清のような複雑な生物学的サンプル内の単一の分析物分子の存在を検出することができる。金、銀、銅及びアルミニウムが、本技法の場合に最も有用な透過性金属である。
粗面化された金属表面は、いくつかの方法のうちの1つを用いて生成されることができる。本明細書において用いられるときに、用語「薄い金属層」は、ラマン標識を含む結合された複合体上に化学気相成長によって堆積される金属層を意味する。別法では、薄い金属層は、その場で金属ナノ微粒子を形成するために、金属陽イオンのコロイド溶液を還元条件に晒すことによって形成されるナノ微粒子の層を意味する。実施形態によっては、ナノ微粒子は、結合された複合体を含むであろう。別法では、たとえば、ラマンコードに付着するシード粒子が、金属コロイド溶液からのナノ微粒子の形成を促すことができる。この関連で、「薄い」は、SERSの利点を達成するために、照射光源(通常はレーザ)の波長の約半分の厚み、たとえば、約100nm〜約200nm等の約15nm〜約500nmの厚みを有することを意味する。
本発明において用いられるときに、用語「分析物」は、核酸、タンパク質、ペプチド、脂質、炭水化物、糖脂質、糖タンパク質、又はそのための特異なプローブを調製することができる任意の他の潜在的なターゲットを含む。先に説明されたように、抗体又はアプタマープローブを、本発明の活性分子ラマンコードに組み込むことができ、それを用いて、そのためにアプタマー又は抗体を調製することができる任意のターゲットを特定することができる。1組の部材内の各部材を区別可能に標識し、検出することができるので、1つのサンプル内の多数の分析物の存在を検定することができる。分析物の定量化は、分光分析においてよく知られている標準的な技法によって実行されることができる。たとえば、本発明のラマンプローブ構成物に結合される分析物の量は、生成された信号強度を測定し、類似のラマンプローブ構成標準物質の既知の量から準備される較正曲線と比較することによって求めることができる。そのような定量法は、当業者が決まりきったやり方で十分にこなせる範囲にある。
本明細書において用いられるときに、用語「基質」は、チップ又はマイクロタイターのようなよく知られているデバイスを含み、本明細書において記述されるように取り扱われることができる個々の個別部位を含むパターン化された表面を含んでもよく、個々の分析物又は複数のタイプの分析物に結合することができる。別法では、プローブラマン構成物が基質に付着する実施形態では、ラマンコードを有するアレイ上の個別部位の場所と、その特定の部位に配置されるプローブとを関連付けることができる。
アレイ組成物は、複数の個別の基質部位を有する少なくとも1つの表面を含んでもよい。アレイのサイズは、アレイの最終用途によるであろう。約2〜数百万の異なる個別の基質部位を含むアレイを形成することができる。一般的に、そのアレイは、表面のサイズに応じて、2〜10億個以上のそのような部位を含むであろう。こうして、非常に高密度、高密度、中程度に高密度、低密度又は非常に低密度のアレイを形成することができる。非常に高密度のアレイの場合の範囲は、アレイ当たり約10,000,000〜約2,000,000,000部位である。高密度のアレイの範囲は、約100,000〜約10,000,000部位である。中程度に密度のアレイの範囲は、約10,000〜約50,000部位である。低密度のアレイは概ね10,000部位未満である。非常に低密度のアレイは1,000部位未満である。
それらの部位は、パターン、すなわち規則的な構造又は構成を含むか、或いはランダムに分布されることができる。複数の部位をX−Y座標面内でアドレス指定できるように、規則的な部位のパターンを用いることができる。基質の表面は、分析物が個々の部位に付着できるように変更することができる。したがって、基質の表面は、個別の部位が形成されるように変更することができる。一実施形態では、基質の表面は、基質の表面内にウエル、すなわち窪みを含むように変更することができる。これは、限定はされないが、フォトリソグラフィ、スタンピング技法、モールディング技法及びマイクロエッチング技法を含む、種々の既知の技法を用いて果たすことができる。用いられる技法は、基質の組成及び形状によることは当業者には理解されよう。別法では、基質の表面は、分析物又はプローブを基質上の個別の場所に付着させるために用いることができる、化学的に誘導体された部位を含むように変更することができる。アミノ基、カルボキシ基、オキソ基及びチオール基のような化学官能基のパターンを付加することによって、対応する反応性官能基又はリンカー分子を含む分子を共有結合することができる。
生物学的な「分析物」は、自然発生のタンパク質、又は自然発生タンパク質の断片を含んでもよい。したがって、たとえば、タンパク質を含む細胞抽出物、又はタンパク質性細胞抽出物の無秩序、又は秩序のある消化産物を用いることができる。このようにして、本明細書において記述されるシステムをスクリーニングするための原核又は真核タンパク質のライブラリを形成することができる。たとえば、スクリーニングのために、細菌性、真菌、ウイルス性及び哺乳類タンパク質のライブラリを生成することができる。
オリゴヌクレオチドを合成するための方法は、当該技術分野においてよく知られており、任意のそのような既知の方法を用いることができる。たとえば、オリゴヌクレオチドは、市販のオリゴヌクレオチドシンセサイザを用いて調製することができる(たとえば、Applied Biosystems, Foster City, CA)。種々のタグに付着するヌクレオチド前駆物質は、市販品で入手することができ(たとえば、Molecular Probes, Eugene, OR)、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに組み込むことができる。別法では、ビオチン、ジゴキシゲニン、スルフヒドリル、アミノ又はカルボキシル基のような、種々の反応性基を含むヌクレオチド前駆物質を購入することができる。オリゴヌクレオチドを合成した後に、標準的な化学反応を用いて、タグを付着させることができる。タグを付着させるための反応性基の有無にかかわらず、任意の望ましい配列のオリゴヌクレオチドは、広範な供給元から購入することもできる(たとえば、Midland Certified Reagents, Midland, TX)。
適当なSERS信号を達成するために必要とされる金属はCOINに固有であり、広範なラマン活性有機化合物を粒子に組み込むことができる。実際には、種々の構造、混合物及び比から成るラマン活性有機化合物を含むナノ微粒子を用いることによって、数多くの固有のラマンシグネチャを生成することができる。したがって、COINを利用する、本明細書において記述される方法は、サンプル内の多数の分析物を同時に検出するのに有用であり、結果として、体液の「プロファイル」が迅速に定量分析される。さらに、1つのナノ微粒子に多数のCOINを組み込むことができるので、単一のCOIN粒子からのSERS信号は、本明細書において記述されるナノ微粒子をCOINとして含まないラマン活性材料から得られるSERS信号に対して強い。この状況により、結果として、COINを利用しないラマン技法に比べて、感度が高くなる。
COINは、標準的な金属コロイド化学反応を用いて、本発明において用いるために容易に調製することができる。COINの調製も、金属が有機化合物を吸着する能力を利用する。実際には、ラマン活性有機化合物は、金属コロイドの形成中に金属上に吸着されるので、特殊な付着化学反応を用いることなく、多数のラマン活性有機化合物をCOINに組み込むことができる。
一般的に、本発明の方法において用いられるCOINは以下のように調製される。適当な金属陽イオン、還元剤、及び少なくとも1つの適当なラマン活性有機化合物を含む水溶液が準備される。その後、水溶液の成分が、金属コロイドを還元して、中性のコロイド金属粒子を形成する条件にかけられる。金属コロイドの形成は、適当なラマン活性有機化合物の存在時に生じるので、ラマン活性有機化合物は、コロイド形成中に、金属上に容易に吸着される。この簡単なタイプのCOINは、タイプI COINと呼ばれる。タイプI COINは典型的には、メンブラン濾過によって単離することができる。さらに、遠心分離によって、種々のサイズのCOINを濃縮することができる。
別の実施形態では、COINは、第1の金属とは異なる第2の金属を含むことができ、第2の金属は、ナノ微粒子の表面の上に重なる層を形成する。このタイプのSERS活性ナノ微粒子を調製するために、タイプI COINが、適当な第2の金属陽イオン及び還元剤を含む水溶液内に置かれる。その後、その水溶液の成分が、ナノ微粒子の表面の上に重なる金属層を形成するように第2の金属陽イオンを還元する条件にかけられる。ある特定の実施形態では、第2の金属層は、たとえば、銀、金、プラチナ、アルミニウム等の金属を含む。このタイプのCOINは、タイプII COINと呼ばれる。タイプII COINは、タイプI COINと同じようにして単離されることができ、且つ/又は濃縮されることができる。典型的には、タイプI及びタイプII COINは概ね球形であり、約20nm〜約60nmの粒径範囲を有する。ナノ微粒子の粒径は、検出中にCOINを照射するために用いられる光の波長の約半分になるように選択される。
典型的には、金属層の表面に有機化合物を共有結合することによって、有機化合物が、タイプII COIN内の第2の金属の層に付着する。金属層への有機層の共有結合は、たとえば、チオール−金属結合のような、当業者によく知られている種々の方法において達成することができる。別の実施形態では、金属層に付着する有機分子を架橋して、分子ネットワークを形成することができる。
本発明の方法において用いられるCOIN(複数可)は、たとえば、鉄酸化物等の磁性材料を含むコアを含むことができる。磁性COINは、市販の磁性粒子ハンドリングシステムを用いて、遠心分離を用いることなく処理することができる。実際には、磁性は、特定の生物学的プローブでタグ付けされる磁性COIN粒子に付着する生物学的ターゲットを分離するための仕組みとして用いることができる。
本明細書において用いられるときに、「ラマン活性有機化合物」は、レーザによる励起に反応して、固有のSERSシグネチャを生成する有機分子を指している。COIN内の成分として用いるために、種々のラマン活性有機化合物が考えられる。ある特定の実施形態では、ラマン活性有機化合物は、多環式芳香族又は複素環式芳香族化合物である。典型的には、ラマン活性有機化合物は、約300ダルトン未満の分子量を有する。
さらに、限定はされないが、COINにおいて有用なラマン活性有機化合物の例は、TRIT(テトラメチル ローダミン イソチオール)、NBD(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)、テキサスレッド色素、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレシルファーストバイオレット、クレシルブルーバイオレット、ブリリアントクレシルブルー、p−アミノ安息香酸、エリトロシン、ビオチン、ジゴキシゲニン、5−カルボキシ−4',5'−ジクロロ−2',7'−ジメトキシフルオレセイン、5−カルボキシ−2',4',5',7'−テトラクロロフルオレセイン、5−カルボキシフルオレセイン、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシテトラメチル アミノ フタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、スクシニルフルオレセイン、及びアミノアクリジン等を含む。これらの、及び他のラマン活性有機化合物は、市販品の供給元(たとえば、Molecular Probes、Eugene、OR)から入手することができる。
ある特定の実施形態では、ラマン活性化合物は、アデニン、アデニン、4−アミノ−ピラゾロ(3,4−d)ピリミジン、2−フルオロアデニン、N6−ベンゾイルアデニン、キネチン、ジメチル−アリル−アミノ−アデニン、ゼアチン、ブロモ−アデニン、8−アザ−アデニン、8−アザグアニン、6−メルカプトプリン、4−アミノ−6−メルカプトピラゾール(3,4−d)ピリミジン、8−メルカプトアデニン、又は9−アミノ−アクリジン4−アミノ−ピラゾール(3,4−d)ピリミジン、又は2−フルオロアデニンである。一実施形態では、ラマン活性化合物はアデニンである。
COINに「蛍光化合物」が組み込まれるとき、その蛍光化合物は、限定はされないが、色素、内因的に蛍光性のタンパク質、ランタニド蛍光体等を含むことができる。COINに組み込むのに有用な色素は、たとえば、テキサスレッド、ROX(6−カルボキシ−X−ローダミン)、ローダミン−NHS、TAMRA(5/6−カルボキシテトラメチルローダミン NHS)のようなローダミン及び誘導体;5−ブロモメチル フルオレセイン及びFAN(5'−カルボキシフルオレセイン NHS)のようなフルオレセイン及び誘導体、ルシファーイエロー、IAEDANS、7−Me、N−クマリン−4−アセテート、7−OH−4−CH−クマリン−3−アセテート、7−NH−4CH−クマリン−3−アセテート(AMCA)、モノブロモビマン、カスケードブルー及びモノブロモトリメチル−アンモニオビマンのようなピレントリスルホネート、を含む。
本明細書において記述される方法のための例示的な用途は、ターゲット核酸を検出することである。そのような方法は、たとえば、単一のヌクレオチド多型(SNP)の検出、臨床サンプル内の感染病原体の検出、ゲノムDNA若しくはRNA又はメッセージRNAに由来する増幅生成物の検出、或いはクローン内の遺伝子(cDNA)挿入断片の検出のために有用である。ターゲットポリヌクレオチドの検出を目的とする特定の方法の場合、当該技術分野において知られている方法を用いて、オリゴヌクレオチドプローブが合成される。
本発明を実施する際に、ラマン分光計は、ラマン分光法によって本発明のラマン信号を検出し、定量するように設計される検出ユニットの部分であることができる。ラマン分光法を用いて、ラマン標識された分析物、たとえばヌクレオチドを検出するための方法が、当該技術分野において知られている(たとえば、米国特許第5,306,403号、6,002,471号及び6,174,677号を参照されたい)。表面増強ラマン分光法(SERS)、表面増強共鳴ラマン分光法(SERRS)及びコヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)の変形も開示されている。
ラマン検出ユニットの非限定的な例が、米国特許第6,002,471号に開示されている。532nm波長の倍周波Nd:YAGレーザ、又は365nm波長の倍周波Ti:サファイアレーザのいずれかによって励起ビームが生成される。パルスレーザビーム又は連続レーザビームを用いることができる。励起ビームは、共焦点光学系及び顕微鏡対物レンズの中を通って、流路及び/又はフロースルーセル上に合焦する。顕微鏡対物レンズ及び共焦点光学系によってラマン放射光が集光され、スペクトル解離のためにモノクロメータに結合される。共焦点光学系は、ダイクロイックフィルタ、バリアフィルタ、共焦点ピンホール、レンズ、及び背景光を低減するためのミラーの組み合わせを含む。標準的なフルフィールド光学系も、共焦点光学系と同様に用いられることができる。ラマン放射信号は、ラマン検出器によって検出され、ラマン検出器は、信号をカウントし、デジタル化するために、コンピュータとのインターフェースを形成するアバランシェフォトダイオードを含む。
単光子計数モードにおいて動作するガリウムヒ素光電子増倍管(RCA ModelC31034又はBurle Industries Model C3103402)を備えるSpexModel1403二重格子分光光度計を含む、ラマン検出ユニットの別の例が、米国特許第5,306,403号に開示されている。励起光源は、SpectraPhysics、Model 166からの514.5nmラインアルゴン−イオンレーザ、及び647.1nmラインのクリプトン−イオンレーザ(Innova 70, Coherent)を含む。
別の励起光源は、337nmの窒素レーザ(Laser Sceinece社)及び325nmのヘリウム−カドミウムレーザ(Liconox)(米国特許第6,174,677号)、発光ダイオード、Nd:YLFレーザ及び/又は種々のイオンレーザ及び/又は色素レーザを含む。その励起レーザは、バンドパスフィルタ(Corion)でスペクトルから不要な成分を除去し、6X対物レンズ(Newport, Model L6X)を用いて流路及び/又はフロースルーセル上に合焦させることができる。ホログラフィックビームスプリッタ(Kaiser Optical Systems, Inc., Model HB 647-26N18)を用いて、励起ビーム及び放射されたラマン信号のための直角の幾何学的配列を構成することによって、対物レンズを用いて、ラマン活性プローブ構成物を励起し、且つラマン信号を集光することができる。ホログラフィックノッチフィルタ(Kaiser Optical Systems, Inc.)を用いて、レーリ散乱放射を低減することができる。別のラマン検出器は、赤色増強インテンシファイド電荷結合デバイス(RE−ICCD)検出システム(Princeton Instruments)を備えたISA HR−320分光器を含む。フーリエ変換分光器(マイケルソン干渉計を基にする)、電荷注入デバイス、フォトダイオードアレイ、InGaAs検出器、電子増幅型CCD、インテンシファイドCCD及び/又はフォトトランジスタアレイのような他のタイプの検出器を用いることもできる。
限定はされないが、通常のラマン散乱、共鳴ラマン散乱、表面増強ラマン散乱、表面増強共鳴ラマン散乱、コヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)、誘導ラマン散乱、反転ラマン散乱、誘導ラマン利得分光法、ハイパーラマン散乱、分子光学レーザエグザミナ(molecular optical laser examiner:MOLE)又はラマンマイクロプローブ又はラマン顕微鏡又は共焦点ラマン顕微分光法、3次元又は走査ラマン、ラマン飽和分光法、時間分解共鳴ラマン、ラマン非干渉分光法、又はUVラマン顕微法を含む、当該技術分野において知られているラマン分光法若しくは関連する技法の任意の適当な形態又は構成を、本発明のターゲット複合体を検出するために用いることができる。
本発明の特定の態様では、本発明のターゲット複合体を検出するためのシステムは、情報処理システムを含む。例示的な情報処理システムは、情報を通信するためのバスと、情報を処理するためのプロセッサとを含むコンピュータを組み込んでもよい。本発明の一実施形態では、プロセッサは、限定はされないが、インテル社(Santa Clara, Calif.)から市販されるペンティアム(登録商標)IIファミリ、ペンティアム(登録商標)IIIファミリ及びペンティアム(登録商標)4ファミリを含む、ペンティアムファミリのプロセッサから選択される。本発明の別の実施形態では、プロセッサとして、セレロン(登録商標)、イタニウム(登録商標)、ペンティアムXeon(登録商標)プロセッサ(インテル社(Santa Clara, Calif.))を用いることができる。本発明の種々の他の実施形態では、プロセッサは、インテル(登録商標)IA−32又はインテル(登録商標)IA−64アーキテクチャのような、インテル(登録商標)アーキテクチャに基づくことができる。別法では、他のプロセッサを用いることができる。情報処理及び制御システムはさらに、メモリ、ディスプレイ、キーボード及び/又は他のデバイス等の当該技術分野において知られている任意の周辺デバイスを備えてもよい。
特定の例では、検出ユニットは、情報処理システムに動作可能に接続することができる、検出ユニットからのデータを、プロセッサ及びメモリに格納されているデータによって処理することができる。種々のラマン標識のための放射プロファイルに関するデータもメモリに格納されてもよい。プロセッサは、流路及び/又はフロースルーセル内のターゲット複合体からの放射スペクトルを比較して、ターゲット分析物又は捕捉試薬との複合体を形成しているラマン活性成分を特定してもよい。情報処理システムは、背景信号の低減、又は種々のサンプルからの信号の比較等の標準的な手順も実行してもよい。
本発明の特定の方法は、プログラミングされたプロセッサの制御下で実行することができるが、本発明の別の実施形態では、それらの方法は、完全に、又は部分的に、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、TTLロジック、又は特定用途向け集積回路(ASIC)のような任意のプログラマブル若しくはハードコードロジックによって実装することができる。さらに、開示される方法は、プログラミングされた汎用コンピュータ部品及び/又はカスタムハードウエア部品の任意の組み合わせによって実行することができる。
データ収集動作の後に、そのデータは典型的には、データ解析動作に対して報告されるであろう。解析動作を容易にするために、検出ユニットによって得られたデータは典型的には、上記のようなデジタルコンピュータを用いて解析されるであろう。典型的には、そのコンピュータは、検出ユニットからデータの受信及び格納のために、並びに収集されたデータの解析及び報告のために、適当にプログラミングされるであろう。
本発明の特定の実施形態では、カスタム設計されたソフトウエアパッケージを用いて、検出ユニットから得られたデータを解析することができる。本発明の別の実施形態では、データ解析は、情報処理システム及び一般的に入手できるソフトウエアパッケージを用いて実行することができる。
例示的なラマン標識が以下の表1に与えられる。
Figure 0004630345
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本発明は、上記の例を参照しながら説明されてきたが、種々の変更及び変形が本発明の精神及び範囲内に含まれることは理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
分析物を検出するための改善された方法を示す概略的な流れ図である。固体支持体(たとえば抗体)に結合される捕捉試薬がラマン標識を含む。ターゲット分析物の結合は、後にラマン検出によって検出される。 交換できる結合部材及びラマン標識される捕捉試薬がない、分析物を検出するための従来の方法を示す概略的な流れ図である。 分析物を検出するための改善された方法を示す概略図である。この例示的な図は、固体表面に固定化され、且つラマン標識で標識される抗体に結合されるタンパク質ターゲットを示す。 核酸配列(たとえばSNP)を検出するための改善された方法を示す概略的な流れ図である。固体支持体に結合される捕捉核酸が第1の結合部材に関連付けられるターゲット核酸をハイブリダイズすることを含む。その後、ターゲット核酸のハイブリダイゼーションがラマン検出によって検出される。 交換できる結合部材がない、核酸配列を検出するための従来の方法を示す概略的な流れ図である。 核酸配列を検出するための改善された方法を示す概略図である。この例示的な図は、固定化されている捕捉核酸分子にハイブリダイズするターゲット核酸を示す。

Claims (26)

  1. 生物学的ターゲット複合体であって、
    a)第1の特異結合部材に関連付けられるターゲット分析物と、
    b)前記第1の特異結合部材に結合し、ターゲット複合体を形成する第2の特異結合部材であって、該第2の特異結合部材は、金属コロイド溶液からのナノ微粒子の形成を促すことによって表面増強ラマン散乱(SERS)基質の形成を触媒するのに適したシード粒子を含みSERS効果を与えるように、該SERS基質を活性化することができる、第2の特異結合部材と、
    c)固体基質に結合される捕捉試薬であって、該捕捉試薬はラマン標識を含む、捕捉試薬と
    を備え、前記ターゲット分析物は前記捕捉試薬に結合し、生物学的ターゲット複合体を形成する、生物学的ターゲット複合体。
  2. 前記ターゲット分析物は、DNA,RNA、ポリペプチド、抗体、抗原、又は炭水化物である、請求項1に記載の試薬。
  3. 前記捕捉試薬は、DNA,RNA、ポリペプチド、抗体、抗原、又は炭水化物である、請求項1に記載の試薬。
  4. 前記第1の特異結合部材又は前記第2の特異結合部材は、DNA,RNA、抗体、抗原、ポリペプチド又は炭水化物である、請求項1に記載の試薬。
  5. 前記第1の特異結合部材又は前記第2の特異結合部材はビオチンである、請求項に記載の試薬。
  6. 前記第1の特異結合部材又は前記第2の特異結合部材はアビジンである、請求項に記載の試薬。
  7. 前記ラマン標識は、400未満の分子量を有する分子である、請求項1に記載の試薬。
  8. 前記シード粒子は、金、Ag、Cu、Pt、Ag/Au、Pt/Au、Cu/Auコアシェル及び合金粒子から成るグループから選択される、請求項1に記載の試薬。
  9. 前記ターゲット分析物はさらに、補助的な特異結合部材を含む、請求項1に記載の試薬。
  10. 前記ターゲット分析物及び前記第1の特異結合部材は直に結合することによって関連付けられる、請求項1に記載の試薬。
  11. 前記ターゲット分析物及び前記第1の特異結合部材は間接的に結合することによって関連付けられる、請求項1に記載の試薬。
  12. 前記間接的な結合は、媒介分子を通して結合することによる、請求項10に記載の試薬。
  13. 前記媒介分子は、前記第1の特異結合部材に機能的に関連付けられる抗体である、請求項12に記載の試薬。
  14. 前記SERS基質は、照射されるときにSERS効果を達成するための銀、金又は銅染色剤を含む、請求項1から13のいずれかに記載の試薬。
  15. 方法であって、
    a)第1の特異結合部材と関連付けられるターゲット分析物を配設すること、
    b)固体基質に結合される捕捉試薬を配設することであって、該捕捉試薬はラマン標識を含む、配設すること、
    c)前記a)の前記ターゲット分析物を、前記b)の前記捕捉試薬に、ターゲット分析物−捕捉試薬複合体を形成するのに適した条件下で接触させること、
    d)前記c)の前に、又は同時に、又は後に、金属コロイド溶液からのナノ微粒子の形成を促すことによってSERS基質関連付けるのに適したシード粒子と機能的に関連付けられる第2の特異結合部材を前記ターゲット分析物−捕捉試薬複合体に接触させることであって、前記第1の特異結合部材は前記第2の特異結合部材に結合する、接触させること、及び
    e)前記ターゲット分析物−捕捉試薬複合体を、ラマン分光法によって前記分析物−捕捉試薬複合体に関連付けられる特異性を検出するのに適した電磁放射と接触させること
    を含む方法。
  16. 前記シード粒子は、金、Ag、Cu、Pt、Ag/Au、Pt/Au、Cu/Auコアシェル及び合金粒子から成るグループから選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ターゲット分析物及び前記第1の特異結合部材は間接的に結合することによって関連付けられる、請求項15に記載の方法。
  18. 方法であって、
    a)第1の特異結合部材と関連付けられるターゲット分析物を配設することと、
    b)固体基質に結合される捕捉試薬を配設すること、
    c)前記a)の前記ターゲット分析物を、前記b)の前記捕捉試薬に、ターゲット分析物−捕捉試薬複合体を形成するのに適した条件下で接触させること、
    d)前記c)の前に、又は同時に、又は後に、金属コロイド溶液からのナノ微粒子の形成を促すことによってSERS基質関連付けるのに適したシード粒子と機能的に関連付けられる第2の特異結合部材を前記ターゲット分析物−捕捉試薬複合体に接触させることであって、前記第1の特異結合部材は前記第2の特異結合部材に結合する、接触させること、及び
    e)前記SERS基質をラマン標識と接触させること、及び
    f)前記ターゲット分析物−捕捉試薬複合体を、ラマン分光法によって前記分析物−捕捉試薬複合体に関連付けられる特異性を検出するのに適した電磁放射と接触させること
    を含む方法。
  19. 前記シード粒子は、金、Ag、Cu、Pt、Ag/Au、Pt/Au、Cu/Auコアシェル及び合金粒子から成るグループから選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記ターゲット分析物及び前記第1の特異結合部材は間接的に結合することによって関連付けられる、請求項18に記載の方法。
  21. 試験キットであって、
    a)ターゲット分析物に付着させるのに適した少なくとも1つの第1の特異結合部材を含む容器と、
    b)前記第1の特異結合部材に結合する少なくとも1つの第2の特異結合部材を含む容器であって、該第2の特異結合部材は、金属コロイド溶液からのナノ微粒子の形成を促すことによって表面増強ラマン散乱(SERS)基質の形成を触媒するのに適したシード粒子を含み、SERS効果を与えるように該SERS基質を活性化することができる、容器と、
    c)一連の捕捉試薬を含む固体基質を含む組成物であって、該複数の試薬はラマン標識を含む、組成物と、及び
    d)銀、金又は銅染色剤から成るグループから選択されるSERS基質を含む容器と
    を備える、試験キット。
  22. 前記第1の特異結合部材又は前記第2の特異結合部材は、DNA,RNA、抗体、抗原、ポリペプチド又は炭水化物である、請求項21に記載の試験キット。
  23. 前記第1の特異結合部材又は前記第2の特異結合部材はビオチンである、請求項21に記載の試験キット。
  24. 前記第1の特異結合部材又は前記第2の特異結合部材はアビジンである、請求項21に記載の試験キット。
  25. 前記ラマン標識は、400未満の分子量を有する分子である、請求項21に記載の試験キット。
  26. 前記シード粒子は、金、Ag、Cu、Pt、Ag/Au、Pt/Au、Cu/Auコアシェル及び合金粒子から成るグループから選択される、請求項21に記載の試験キット。
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