JP4629739B2 - 回転対陰極x線管の使用方法 - Google Patents

回転対陰極x線管の使用方法 Download PDF

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本発明は、ノーマルフォーカス用のセパレータとファインフォーカス用のセパレータを選択的に使用できる回転対陰極X線管の使用方法に関する。
回転対陰極X線管の回転対陰極の内部には冷却水通路が形成されて,この冷却水通路内に冷却水を流して回転対陰極を冷却している。図13は従来の回転対陰極の縦断面図(回転中心線を含む平面で切断した断面図)である。回転対陰極10の内部には冷却水通路12が形成されていて,この冷却水通路12内にセパレータ14が配置されている。回転対陰極10が回転するときに,セパレータ14は静止している。回転対陰極10の外周面は,X線発生材料からなるターゲット部材で構成されている。ターゲット部材の外周面に電子ビーム16が照射されると,電子ビーム照射領域18からX線が発生する。回転対陰極10の内面(冷却水通路の表面)のうち,電子ビーム照射領域18の裏側の部分が最も冷却を要する部分であり,これを被冷却面20と呼ぶことにする。セパレータ14の表面のうち,被冷却面20に対面する部分を接近表面22と呼ぶことにする。回転対陰極10の内面とセパレータ14の表面との間の距離は,被冷却面20と接近表面22との間(これを接近通路と呼ぶことにする)で最も狭くなっている。この接近通路における,回転対陰極10の内面とセパレータ14の表面との間の距離を接近距離Gとすると,この接近距離Gは1.5mm程度に設定される。接近距離Gをこのように狭くすることで,被冷却面20を冷却する能力を高めている。
ノーマルフォーカスと呼ばれる焦点サイズでは,電子ビーム16の軸方向長さ(回転対陰極の回転軸線の方向における長さ)L1は,例えば,約10mmである。電子ビーム16の周方向長さ(回転対陰極の外周面の周方向における長さであり,図13の紙面に垂直な方向の長さ)は,例えば,約1mmである。したがって,このときの電子ビーム16の断面サイズは約10mm×1mmであり,これは電子ビーム照射領域18のサイズに等しい。この電子ビーム照射領域18の裏側の被冷却面20を十分に冷却するには,接近表面22の軸方向長さL2は,上述のL1よりも長くするのが好ましい。例えば,L2は約15mmである。この回転対陰極は6000rpm程度の回転速度で回転させて用いる。このようなセパレータを有する回転対陰極は,例えば,次の特許文献1に開示されている。
特開2000−251810号公報
図13に示した従来の回転対陰極において,ファインフォーカスと呼ばれる微小な焦点サイズを用いることがある。図14はファインフォーカスにした場合の図13と同様の縦断面図である。電子ビーム16は細くなり,その断面サイズは,例えば,約1mm×0.1mmである。すなわち,電子ビーム16の軸方向長さL1が約1mmであり,周方向長さが約0.1mmである。このとき,電子ビーム照射領域18の軸方向長さもL1に等しく,約1mmである。従来は,このファインフォーカスにおいても,ノーマルフォーカスの場合と同じセパレータ14をそのまま用いていた。
図14において,ファインフォーカスであって,かつ,強度の強いX線ビームを得るためには,電子ビーム16のエネルギーを高くする必要がある。具体的には,X線管に投入するX線発生用電力(管電圧と管電流との積に依存する)を大きくする必要がある。そして,X線発生用電力を大きくした場合には,電子ビーム照射領域18を,より強力に冷却する必要がある。冷却能力を高める方法のひとつとして,回転対陰極の回転速度を上げる方法がある。回転速度を上げると,回転対陰極の外周面上の同一の領域が電子ビームに照射され続ける時間が短くなり,電子ビーム照射領域が高熱で溶ける前に,その高熱部分が電子ビームから外れることになる。本発明は,回転速度を上げることで,ファインフォーカスのX線ビームの強度を上げることに関連している。
図14に示す従来の回転対陰極において,回転対陰極の回転速度を6000rpmから,例えば,9000rpmに上昇させると,次のような問題が生じる。回転する回転対陰極10と,静止するセパレータ14との間には,冷却水が存在するので,冷却水の粘性抵抗が,回転対陰極10を回転させる電動モータの負荷として働く。回転対陰極10とセパレータ14とが最も接近しているところが,セパレータ14の接近表面22のところであり,この部分での冷却水の粘性抵抗が回転負荷に大きく影響する。接近距離Gは1.5mm程度に狭くなっていて,かつ,接近表面22の軸方向長さL2は約15mmと長いので,回転速度を上げる際には,この部分での回転負荷の増大が問題になる。回転負荷が増えると,回転駆動源としての電動モータの投入電力を大きくする必要がある。また,モータドライバの容量も大きなものに交換する必要がある。
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり,その目的は,ノーマルフォーカス用のセパレータとファインフォーカス用のセパレータを選択的に使用できて,ファインフォーカス用のセパレータを用いたときに高速回転をしても回転駆動源の負荷がそれほど大きくならないような回転対陰極X線管の使用方法を提供することにある。
本発明の方法に使用する回転対陰極X線管は,回転対陰極と冷媒通路とセパレータとを備えている。回転対陰極は,X線発生材料で構成された円筒状のターゲット部材を備えていて,円筒状のターゲット部材の外周面の軸方向長さが20〜100mm,好ましくは30〜100mm,である。すなわち,ファインフォーカス専用の,軸方向長さが特に短くされたような回転対陰極ではなくて,ノーマルフォーカスの電子ビームを照射可能な,軸方向長さが比較的長い回転対陰極を備えている。冷媒通路は回転対陰極の内部に形成されていて,冷媒通路内の冷媒は,ターゲット部材の外周面上の電子線照射領域の裏側に存在する被冷却面に沿って流れるようになっている。冷媒は,典型的には冷却水であるが,その他の冷却用液体を用いてもよい。セパレータは,冷媒通路内に配置されていて静止している。セパレータは接近表面を備えていて,この接近表面から被冷却面までの距離は0.1〜3.0mmの範囲内にある。3mmを超えると,被冷却面の冷却効率が低下してくる。一方,0.1mmを下回ると,静止するセパレータが,回転する回転対陰極に接触する危険が増大する。このセパレータは,前記冷媒通路を流入通路と流出通路とに分割するものであり,流入通路内の冷媒は,被冷却面と接近表面との間の接近通路に向かって流れる。流出通路内の冷媒は,接近通路から遠ざかるように流れる。ターゲット部材にノーマルフォーカスの電子ビームを照射するときはノーマルフォーカス用のセパレータを使用し,ターゲット部材にファインフォーカスの電子ビームを照射するときは前記ノーマルフォーカス用のセパレータに代えてファインフォーカス用のセパレータを使用する。
ファインフォーカス用のセパレータの接近表面の軸方向長さは,ノーマルフォーカス用のセパレータの接近表面の軸方向長さよりも短くなっている。ファインフォーカス用のセパレータの接近表面の軸方向長さは5mm以下,好ましくは3mm以下,である。ファインフォーカスの電子ビーム照射領域を想定すると,接近表面の軸方向長さは5mm以下にしても冷却能力は十分であり,それより長くしても利益はない。このように,接近表面の軸方向長さを短くすることで,ファインフォーカス用のセパレータを用いたときに回転対陰極を高速で回転させても回転駆動源の負荷をそれほど大きくしなくても済む。回転駆動源として電動モータを使う場合は,そのモータドライバの容量を大きなものに変える必要がない。
本発明で用いる回転対陰極X線管はファインフォーカスの強力なX線ビームを発生させるのに適している。ファインフォーカスの電子ビーム照射領域のサイズは,3mm×0.3mm程度が上限であり,その軸方向長さは3mm以下である。より好ましくは,ファインフォーカスの電子ビーム照射領域のサイズは,1mm×0.1mm,またはそれ以下(例えば,0.7mm×0.07mm,)であり,その軸方向長さは1mm以下である。
ファインフォーカス用のセパレータは,例えば,円板部と,この円板部の外周につながっている傾斜部とを備えることができる。傾斜部は切頭円錐の形状をしていて,この傾斜部の半径方向の外端における外周面を前記接近表面とすることができる。
本発明の回転対陰極X線管の使用方法は,ノーマルフォーカスの電子ビームを照射可能な,軸方向長さが比較的長い回転対陰極を用いていて,ノーマルフォーカス用のセパレータとファインフォーカス用のセパレータを選択的に使用できる。そして,ファインフォーカス用のセパレータを使用するときは,そのセパレータの接近表面の軸方向長さが短いので,回転速度を高速にした場合でも,回転駆動源の負荷をそれほど大きくしなくても済む。
以下,図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。図1は本発明の方法で使用する回転対陰極X線管の一実施例の要部の断面図(回転対陰極の回転中心線を含む平面で切断した断面図)である。回転対陰極X線管は真空容器24と,その内部に収容された回転対陰極10及び電子銃26を備えている。電子銃26と回転対陰極10の間に高圧電源から高電圧を印加することで,電子銃26から電子ビーム16を発生させることができる。この電子ビーム16を,円筒状の回転対陰極10(ターゲット部材)の外周面に照射することで,X線が発生する。回転対陰極10は対陰極組立体28に属しており,この対陰極組立体28を真空容器24に取り付けることで,回転対陰極10を真空容器24の内部空間の所定の位置に配置することができる。
対陰極組立体28はケーシング30を備えている。このケーシング30のフランジ32は真空容器24に気密に取り付けることができる。回転対陰極10には回転シャフト34が固定されている。回転シャフト34の外周面とケーシング30の内壁の間には,回転真空シールのための磁性流体シール装置36と,回転シャフト34を回転可能に支持する転がり軸受38,40と,回転シャフト34からケーシング30に電流を逃がす電気ブラシ42と,冷却水を回転シールするメカニカルシール44が配置されている。ケーシング30の内壁にはダイレクトモータのステータ46が固定されている。一方,回転シャフト34の外周面にはダイレクトモータのロータ48が固定されている。このダイレクトモータの働きにより,回転シャフト34が回転し,その結果,回転対陰極10が回転する。
図2は回転対陰極10の一部を拡大して示した断面図である。回転対陰極10の内部には第1の冷却水通路50が形成されている。この第1の冷却水通路50は,ファインフォーカス用のセパレータ52によって,第1の流入通路56と第1の流出通路54に分かれている。一方,回転シャフト34の内部には第2の冷却水通路58が形成されている。この第2の冷却水通路58も,仕切りパイプ60によって,外側の第2の流入通路64と,内側の第2の流出通路62に分かれている。セパレータ52は仕切りパイプ60に固定されていて,図1に示すように,仕切りパイプ60の根元(図1の右端)はケーシング30に固定されている。回転対陰極10と回転シャフト34は回転するが,その内部のセパレータ14と仕切りパイプ60は静止している。図2において,第1の流入通路56は第2の流入通路64に連通しており,第1の流出通路54は第2の流出通路62に連通している。図1に示すように,ケーシング30には冷却水入口68と冷却水出口66が形成されている。冷却水入口68には入口用配管ニップル72が取り付けられ,冷却水出口66には出口用配管ニップル70が取り付けられる。冷却水入口68に入った冷却水は,第2の流入通路64(図2を参照)を通って第1の流入通路56に入り,回転対陰極10を内面から冷却する。戻り側の冷却水は,第1の流出通路54と第2の流出通路62(図2を参照)を通って,冷却水出口66から出て行く。
図2において,セパレータ52は円板部74と傾斜部76と羽根78からなる。図3はファインフォーカス用のセパレータ52の正面図であり,図4はセパレータ52の一部を切り欠いて示した斜視図である。図2乃至図4を参照して説明すると,円板部74の中央には冷却水が通る貫通孔80が形成されていて,この貫通孔80のところで円板部74が仕切りパイプ60に接合されている。円板部74の外周は傾斜部76につながっている。傾斜部76は,図4に明瞭に示すように,切頭円錐の形状をしている。回転対陰極の回転中心線で切断した断面において,傾斜部76は,図2に示すように,回転対陰極の軸方向に対して角度θだけ傾斜している。この実施例ではθは30度である。傾斜部76の半径方向の外端における外周面が接近表面82となる。接近表面82は円筒面であり,その軸方向長さL2は2mmである。羽根78は,図3に示すように,放射状に4個,円板部74に取り付けられている。
図2において,この回転対陰極10は,カップ状の第1部材84と,回転シャフト34と一体に形成された第2部材86とで構成されている。第1部材84は,その全体が,ターゲット部材(例えば,銅)でできている。第1部材84は第2部材86にねじ部88で結合している。第1部材84と第2部材86の結合部分ではOリング90によって冷却水がシールされている。第1部材84と第2部材86とを組み合わせることで第1の冷却水通路50が形成される。第1部材84の外周面にはファインフォーカスの電子ビーム16が照射される。この電子ビーム16の断面サイズは,この実施例では,約1mm×0.1mmである。すなわち,電子ビーム16の軸方向長さが約1mmであり,周方向長さが約0.1mmである。このとき,電子ビーム照射領域18の軸方向長さL1は約1mmとなる。このような焦点サイズのときに,図2の左方向に取り出し角6度でX線ビームを取り出すと,約0.1mm×0.1mmのポイントフォーカスのX線源となる。
回転対陰極10の外径は100mmであり,軸方向の長さL3は約43mmである。この回転対陰極10は,セパレータを変更するだけで,ノーマルフォーカス用の回転対陰極としても使えるようになっているので,ファインフォーカス専用に作られた回転対陰極と比較して,長さL3が,通常の回転対陰極と同程度に,長くなっている。
第1部材84の円筒状の部分のうち,電子ビーム照射領域18の裏側の内面が,被冷却面92(冷却水で特に冷却すべき面)となる。この被冷却面92とセパレータの接近表面82との間の接近距離Gは約1.5mmである。被冷却面92と接近表面82の間の通路を接近通路93と呼ぶことにすると,この接近通路93を境として第1の冷却水通路50が第1の流入通路56と第1の流出通路54に分割されている。図5はセパレータの接近表面82の付近を示す断面図である。第1の流入通路56では,接近通路93に向かって冷却水94が流れ,第1の流出通路54では,接近通路93から遠ざかるように冷却水94が流れる。接近通路93では冷却水の通り道が狭くなっているので,この部分で流速が速くなり,被冷却面92は十分な冷却能力をもって冷却される。そして,接近表面82の軸方向長さは2mmと短くなっているので,接近通路93における冷却水の粘性抵抗に起因する回転負荷は,従来のセパレータを使う場合(ファインフォーカスの電子ビームを照射するときにノーマルフォーカス用のセパレータをそのまま使う場合)と比較して小さくなり,回転速度を例えば9000rpmに上昇させても,モータに投入する電力は従来技術ほどには増加しない。接近表面82の軸方向長さがこのように短いファインフォーカス用のセパレータを使っても十分な冷却能力があることについては,回転速度9000rpmで,管電圧40kV,管電流30mAとして,ファインフォーカスの強力な電子ビームを照射してX線を発生させたときに,ターゲット部材の表面の荒れが生じないことによって確認した。
図6はファインフォーカス用のセパレータの第1の変更例を示しており,図5と同様の断面図である。図7は図6に示すセパレータの,図4と同様の斜視図である。図6において,このセパレータ52aは,円板部74の外周に円筒部96がつながっていて,この円筒部96の軸方向の端部に,半径方向の外側に突き出す突出部98が形成されている。この突出部98の外周面が接近表面82aとなっている。この接近表面82aの軸方向長さL2は2mmである。接近通路93aでの接近距離Gは約1.5mmである。円筒部96に対する接近表面82aの突き出し量は約2mmである。
図8はファインフォーカス用のセパレータの第2の変更例を示しており,図4と同様の斜視図である。このセパレータ52bは,断面図で見ると図6と同様であるが,接近表面82bが三角形状の凹凸を周方向に繰り返すような形状になっている。接近表面82bの山の頂上と被冷却面との距離が約1.5mmである。山の頂上から谷の底部までの半径方向に計った高さは約2mmである。
図9はファインフォーカス用のセパレータの第3の変更例を示しており,図5と同様の断面図である。図10は図9に示すセパレータの,図4と同様の斜視図である。このセパレータ52cは,円板部74の外周に円筒部96がつながっていて,この円筒部96の軸方向の端部に,半径方向の外側に突き出す,断面が三角形の突出部100が形成されている。三角形の突出部100の頂点と被冷却面92との距離は約1.5mmである。三角形の突出部100の半径方向の高さは約2mmである。この突出部100の斜面のうち,被冷却面92からの距離が所定値D(例えば,3mm)以内にある領域が,接近表面として機能する。被冷却面92からの距離がD以上に離れると,被冷却面92を十分に冷却するための役割が薄れる。被冷却面92からの距離がDのところで計った,突出部100の軸方向長さL2は2mmである。
次に,本発明の回転対陰極X線管のモータ負荷についての実験結果を説明する。図11は,図2に示すセパレータ52を有する回転対陰極X線管(本発明)と,図13に示すセパレータ14を有する回転対陰極X線管(従来例。すなわち,ファインフォーカスの電子ビームを照射するときにノーマルフォーカス用のセパレータをそのまま使う場合)についてのモータ負荷の実験結果のグラフである。ただし,いずれのセパレータも,羽根78(図4を参照)を取り外したものを用いた。グラフの横軸は回転対陰極の回転速度である。縦軸は回転シャフト34に直結されたダイレクトモータの巻線に流れる電流である。ファインフォーカスのX線ビームのX線強度を高めることを主眼として,回転速度を9000rpmまで上昇させることを想定した実験である。回転速度9000rpmを得るために,従来例では,モータ電流は13.1Aを要した。これに対して,本発明では,モータ電流は9.3Aで済んだ。今回使用したモータの場合,モータ電流が約9Aのときは,電力は約800Wである。従来例と本発明とでは,セパレータの形状が異なるだけなので,本発明において,セパレータ52の接近表面82(図2)の軸方向長さL2を短くしたことで,モータの負荷がかなり軽くなったことが分かる。
図12は図11における本発明の方の実験データを得たときの冷却水の水圧のグラフである。実際の回転対陰極X線管でも,この程度の供給圧力で使用することになる。
上述の説明は,ファインフォーカスの電子ビームを照射することを想定しているが,図13に示すノーマルフォーカス用のセパレータに交換すれば,ノーマルフォーカス(例えば,約10mm×1mmの焦点サイズ)の電子ビームを照射することにも使える。さらに,X線発生用の投入電力によっては,セパレータを図2に示したもののままにしてノーマルフォーカスで使うことも可能である。ノーマルフォーカスでは,単位面積あたりの電子ビームエネルギーがそれほど大きくないので,電子ビーム照射領域の軸方向長さよりも短い接近表面であっても,冷却能力が十分であることが多いからである。
図15は本発明の回転対陰極X線管を備えたX線発生装置の構成図である。このX線発生装置は,回転対陰極X線管102と高圧電源104と冷媒供給装置106を備えている。高圧電源104は,回転対陰極X線管102の電子銃の陰極フィラメント108と回転対陰極10(接地電位である)との間に管電圧Eを印加して,管電流Iを流すものである。陰極フィラメント108には回転対陰極10に対して負の高電圧(例えば,マイナス60kV)が印加される。陰極フィラメント108からは回転対陰極10の外周面に対して電子ビーム16が照射され,その照射領域からX線110が発生する。
冷媒供給装置106からは回転対陰極X線管102の入口用配管ニップル72に対して冷却水112が供給される。回転対陰極10を冷却して戻ってきた冷却水114(温度が上昇している)は,出口用配管ニップル74から出てくるが,この戻り冷却水114は,そのまま排水してもよいし,冷媒供給装置106で冷却して再循環して利用してもよい。
本発明の方法で用いる回転対陰極X線管の一実施例の要部の断面図である。 回転対陰極の一部を拡大して示した断面図である。 ファインフォーカス用のセパレータの正面図である。 ファインフォーカス用のセパレータの一部を切り欠いて示した斜視図である。 ファインフォーカス用のセパレータの接近表面の付近を示す断面図である。 ファインフォーカス用のセパレータの第1の変更例を示しており,図5と同様の断面図である。 図6に示すセパレータの,図4と同様の斜視図である。 ファインフォーカス用のセパレータの第2の変更例を示しており,図4と同様の斜視図である。 ファインフォーカス用のセパレータの第3の変更例を示しており,図5と同様の断面図である。 図10は図9に示すセパレータの,図4と同様の斜視図である。 図2に示すセパレータを有する回転対陰極X線管(本発明で使用するもの)と,図14に示すセパレータを有する回転対陰極X線管(従来例)についてのモータ負荷の実験結果のグラフである。 図11における本発明の方の実験データを得たときの冷却水の水圧のグラフである。 従来の回転対陰極の縦断面図である。 ファインフォーカスにした場合の図13と同様の縦断面図である。 本発明の方法で用いる回転対陰極X線管を備えたX線発生装置の構成図である。
符号の説明
10 回転対陰極
16 電子ビーム
18 電子ビーム照射領域
20 被冷却面
22 接近表面
50 第1の冷却水通路
52 セパレータ
54 第1の流出通路
56 第1の流入通路
58 第2の冷却水通路
60 仕切りパイプ
62 第2の流出通路
64 第2の流入通路
74 円板部
76 傾斜部
82 接近表面
84 第1部材
86 第2部材
92 被冷却面
93 接近通路
94 冷却水
102 回転対陰極X線管
104 高圧電源
106 冷媒供給装置
108 陰極フィラメント
110 X線
112 冷却水
L1 電子ビームの軸方向長さ
L2 接近表面の軸方向長さ
L3 回転対陰極の軸方向長さ
G 被冷却面と接近表面との間の接近距離

Claims (2)

  1. 回転対陰極X線管の使用方法であって,
    前記回転対陰極X線管は回転対陰極を備えていて,この回転対陰極はノーマルフォーカスの電子ビームを照射可能な円筒状のターゲット部材を備えていて,
    前記回転対陰極の内部に冷媒通路が形成されていて,この冷媒通路は前記ターゲット部材の外周面上の電子線照射領域の裏側に存在する被冷却面に沿って冷媒が流れるように構成されていて,
    前記冷媒通路内に,静止するセパレータが配置されていて,このセパレータは前記被冷却面に対面する接近表面を備えていて,前記冷媒通路が前記被冷却面と前記接近表面との間の接近通路に向かって冷媒が流れる流入通路と前記接近通路から遠ざかるように冷媒が流れる流出通路とに分割されていて,
    前記ターゲット部材にノーマルフォーカスの電子ビームを照射するときはノーマルフォーカス用のセパレータを使用し,
    前記ターゲット部材にファインフォーカスの電子ビームを照射するときは前記ノーマルフォーカス用のセパレータに代えてファインフォーカス用のセパレータを使用し,
    前記ファインフォーカス用のセパレータの前記接近表面の軸方向長さは,前記ノーマルフォーカス用のセパレータの前記接近表面の軸方向長さよりも短いことを特徴とする回転対陰極X線管の使用方法。
  2. 請求項1に記載の使用方法において,前記ファインフォーカス用のセパレータは,円板部と,前記円板部の外周につながっている傾斜部とを備えていて,前記傾斜部は切頭円錐の形状をしていて,前記傾斜部の半径方向の外端における外周面が前記接近表面であることを特徴とする使用方法。
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JP2000251810A (ja) * 1999-03-02 2000-09-14 Rigaku Corp X線管ターゲット
JP4210645B2 (ja) * 2004-12-21 2009-01-21 株式会社リガク 回転対陰極x線管およびx線発生装置

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