JP4628252B2 - 水中軸受装置の潤滑システム - Google Patents

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Description

本発明は、水車やポンプ水車等の水力機械における水中軸受装置に対して潤滑用の清水を供給する潤滑システムに関する。
水力機械、例えば水力発電機の水車の軸受装置(主軸受装置)には、油潤滑と水潤滑があり、多くが油潤滑である。しかし、油潤滑には潤滑油の流出による河川などの汚染という環境問題がある。こうした環境問題から最近は水潤滑の水中軸受装置が注目されてきており、これに関して、例えば特許文献1〜5の例に見られるように、多くの提案がなされている。
特許文献1には、水車の軸受け給水装置が開示されている。その軸受け給水装置では、給水鉄管から分岐した配管に主給水ストレーナが接続され、この主給水ストレーナの濾過水吐出口に主給水管を介して主軸填座給水ストレーナが接続される。また主軸填座給水ストレーナの濾過水吐出口は、主軸填座給水管を介して主軸填座に接続されるとともに、排砂口が軸受冷却管を介して軸受に接続される。さらに、主給水ストレーナの排砂口は排砂管を介して排砂槽に接続される。このような構造によれば、主給水ストレーナから出る主給水管を従来のように主軸填座給水ストレーナ行きと軸受行きとに分岐する必要がないので、冷却水配管が単純化される。
特許文献2には、水中軸受装置について、給水ポンプや急速濾過装置などの設備を用いることなく、河川水から潤滑水を取水して軸受の潤滑を行えるようにする構造、具体的には、水力機械のランナ室に水を供給する水圧鉄管の入口弁より上流側において開閉弁を有した給水管にて水を分岐導入することで水圧鉄管内の水を軸受部に給水する構造が開示されている。この構造であると、潤滑水に鉱物粒などの異物が含まれる。しかし水中軸受の摺動面材にセラミックスやセラミックコーティングなどのような潤滑水中の異物よりも高硬度な材料を用いる場合であれば実用上の問題なく、有用な構造であるといえる。
特許文献3には、高分子材料であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK樹脂)を用いた水潤滑のガイド軸受装置が開示されている。このガイド軸受装置は、回転体の半径方向荷重を支持するガイドセクタを備えた回転電機のガイド軸受装置であり、ガイドセクタの摺動面材料として、高分子材料ポリエーテルエーテルケトンに炭素繊維などの繊維材料を充填した材料を用い、回転体とガイドセクタ間にタービン油より低粘度の潤滑流体として水またはアルコールを満たし、ガイドセクタを回転体に押し付けた状態で据え付ける構成とされる。このようなガイド軸受装置には、安定した運転が可能であり、損失を低減することができるなどの利点がある。
特許文献4には、立軸ポンプの水中軸受の軸受間隙を揚液の一部によって潤滑し、かつ立軸ポンプの運転中のみならず停止中であっても揚液に含まれる異物が水中軸受の軸受間隙内に侵入するのを防止できるようにした構造が開示されている。その具体的構造では、主軸を囲む円環状上部金具を水中軸受のボスの上端に取り付け、この上部金具の上面を内周から外周に向かって下降するように傾斜させ、かつその外周面と内周面とを連通する潤滑水取入穴を設ける。また、水中軸受のボスの下端に主軸を囲む円環状下部金具を取り付け、この下部金具の下面を内周から外周に向かって上昇するように傾斜させ、かつその内周面に螺旋状溝を設ける。この構造によれば、立軸ポンプの水中軸受についてその軸受間隙への異物の侵入を有効に防止できる。
特許文献5には、水中軸受を潤滑液で濡らし、潤滑液の圧力を軸受ケースの外側の圧力より僅かに高く調整する水中軸受潤滑システムが開示されている。この水中軸受潤滑システムは、軸受ケースの軸方向両端側に軸封部材を設けて潤滑液室とし、その内に水中軸受を設けて潤滑液で濡らし、潤滑液室に潤滑液ポンプで吐出させた潤滑液を流入管にて流入させ、さらに流出管で流出させ、この流出管に潤滑液圧力センサーと流量調整弁を設け、主ポンプの吐出しエルボに圧力センサーを設ける構造とされている。そして揚水運転では、圧力センサーの検出値と、その位置と水中軸受の高低差から軸受ケースの外側の圧力を演算し、この演算した圧力よりも潤滑液室内の圧力を僅かに高くなるよう流量調整弁を調整し、また圧力センサーで吐出し圧力が検出されない気中運転では、潤滑液室内の圧力が大気圧より僅かに高くなるように流量調整弁を調整するように構成されている。このような水中軸受潤滑システムによれば、先行待機運転ポンプの水中軸受摺接部の損傷を防止できる。
特開平9−310672号公報 特開平11−210611号公報 特開2003−28146号公報 特開平8−326691号公報 特開2002−156092号公報
水中軸受装置については、軸受摺動面の材料としてセラミックス系材料(セラミックス材やセラミックコーティング材など)を用いる方式とプラスチックス系材料(ポリエーテルエーテルケトン樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂などのスーパーエンジニアリングプラスチックス材など)を用いる方式がある。セラミックス系材料は、硬度が高いことから耐摩耗性に優れるという利点があるものの割れ易く、また高コストであるという欠点を持っている。一方、プラスチックス系材料は、セラミックス系材料に比べて耐摩耗性は劣るものの、低コストで、しかも水潤滑特性に優れているという利点を持っている。こうした両材料の特性から軸受摺動面をプラスチックス系材料で形成するのがより実用的であると考えられる。
ただプラスチックス系材料による水中軸受装置の実用化には、プラスチックス系材料の耐摩耗性に伴って潤滑水が異物の混入を嫌うという問題を有効に解決することが求められる。すなわち、耐摩耗性がそれほど高くないプラスチックス系材料で形成した軸受摺動面の耐久性を高めるためには、摺動面に害を及ぼすような有害な異物の混入がなく清澄度の高い清水を軸受の潤滑用(冷却用でもある)として容易かつ安定的に得られるようにする必要がある。これについては、水力機械の設置場所で水道水や井戸水を確保できれば、それほど問題はない。しかし主要な水力機械の例である水力発電用の水車の場合には、その設置場所の一般的な条件から、水道水や井戸水の確保が困難であるのが通常で、このことが水中軸受装置の実用化を阻んでいる。したがって、例えば水車の動力水や河川水などから清澄度の高い清水を必要量(例えば数リットル/分)に応じて容易にかつ安定的に製造できるような潤滑システム(清水潤滑システム)を可能とすれば、環境に優しい水中軸受装置の実用化を加速できると期待できる。
しかし、このことについて上記従来の技術をみた場合、何れもそうした清水潤滑システムについて有効な解決をもたらしているといえない。すなわち特許文献1における軸受け給水装置は、軸受を冷却するための冷却水配管系統の簡素化に関するもので、軸受の潤滑用水の供給については配慮されておらず、清水潤滑システムを可能とするものでない。また特許文献2における水中軸受装置は、潤滑水への異物混入排除について配慮されておらず、セラミックス系材料などによる耐摩耗性の十分に高い軸受装置であれば有効であるものの、プラスチックス系材料による軸受装置で求められる清水潤滑システムを可能とするものでない。また特許文献3では、ガイド軸受装置について摺動面材料に高分子材料を用い、水やアルコールを潤滑液とすることを開示するが、それら潤滑液の補給については特別の配慮がなされていない。また特許文献4は、立軸ポンプの水中軸受の軸受間隙を揚液の一部によって潤滑し、軸受間隙への異物浸入を防止する構造を開示するものの、その異物浸入防止構造は異物分離能が十分とはいえず、プラスチックス系材料の耐摩耗性問題を解消するに足りる清水潤滑システムを可能とするものでない。さらに特許文献5における水中軸受潤滑システムは、潤滑液を潤滑液ポンプで軸受に供給する強制潤滑方式であり、その潤滑液ポンプの故障の可能性が残り、信頼性について問題を残している。
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、水力機械の動力水や河川水などから取水した原水から清澄度の高い清水を水車などの水中軸受装置の潤滑用などとして必要量に応じて容易に製造できるような潤滑システムを提供することにある。
上記目的のために本発明では、取水した原水から有害な異物を除去して得られる清水を水中軸受装置に供給するための潤滑システムにおいて、前記有害異物の除去を遠心分離で行って一次処理清水を得る異物遠心分離手段を備えるとともに、前記有害異物の除去を沈降分離で行って前記一次処理清水から二次処理清水を得る異物沈降分離手段を備えていることを特徴としている。
また本発明では上記のような潤滑システムについて、前記異物遠心分離手段は、サイクロンで形成されており、前記サイクロンは、上部に円筒部を有するとともに下部に円錐部を有した外筒を備えるとともに、前記円錐部に嵌め込むようにして前記外筒の内部に設けられ、下端部が前記一次処理清水の流出口となるようにされた内筒を備えた構成とされ、前記異物沈降分離手段は、沈降槽とオーバーフロー水受けで形成されており、前記沈降槽により前記一次処理清水を所定速度で流下させながら前記有害異物の沈降分離除去を行いつつ前記沈降槽から前記オーバーフロー水受けにオーバーフローさせることで前記二次処理清水を得るように構成されるものとしている。
また本発明では上記のような潤滑システムについて、前記異物遠心分離手段の上流に機械的ろ過手段を設け、前記機械的ろ過手段で前記原水に前記有害異物の予備的な除去処理を施せるようにしている。
また本発明では上記のような潤滑システムについて、前記原水の圧力を調整する減圧装置を前記異物遠心分離手段の上流に設けるようにしている。
また本発明では上記のような潤滑システムについて、前記異物沈降分離手段を複数設けるようにしている。
本発明では、異物遠心分離手段による遠心分離で大きめの有害異物を除去することでまず一次処理清水を得、それから異物沈降分離手段による沈降分離で細かな有害異物までも一次処理清水から除去することで二次処理清水を得られるように潤滑システムを構成している。このような潤滑システムによれば、異物が混入している場合の多い水車の動力水などから清澄度の高い清水を水中軸受装置の潤滑・冷却用として必要量だけ容易に得ることが可能となる。そしてこのことにより、水道水や井戸水の確保が困難な条件の場合の多い発電機の水車などについても環境に優しい水中軸受装置を低コストで実現することが可能となり、その普及を促進できるようになる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1に第1の実施形態による潤滑システムの構成を示す。本実施形態は、発電機の水車の水中軸受装置に適用する潤滑システムの例である。水車1は、その主軸2の上端部にカップリング3を介して発電機4が直結され、またそのケーシング5に水圧鉄管6が接続されている。水圧鉄管6は、ケーシング5寄りに入口弁7を備えており、その入口弁7が開いた状態でケーシング5に高圧の動力水を流入させる。ケーシング5に流入した動力水は、主軸2の下端部に固定の羽根車(図示せず)に回転力を与え、その後ドラフトチューブ8から流出する。
主軸2は、図2に示す水中軸受装置で支持されている。水中軸受装置10は、軸受11を備えおり、この軸受11がカラー12の介在の下で主軸2を支持するようにされている。軸受11の周囲は軸受水槽13とされ、この軸受水槽13に後述のようにして一定量の清水が定常的に流入し、その清水により軸受11の潤滑と冷却がなされる。また軸受水槽13には、排水口14が設けられており、流入量に応じた潤滑・冷却水がこの排水口14から流出するようにされている。

水中軸受装置10に清水を供給する潤滑システム20(図1)は、入口弁7の上流側において水圧鉄管6に接続された取水管21、取水管21の途中に設けられた開閉弁22、取水管21の下流端に異物遠心分離手段として接続されたサイクロン23、サイクロン23の下流に異物沈降分離手段として設けられた沈降槽24とオーバーフロー水受け25、およびオーバーフロー水受け25に接続された給水管26を備えている。
このような潤滑システム20にあっては、開閉弁22を開状態にすると、水圧鉄管6を流れる水車動力水から取水管21により潤滑・冷却用の原水が例えば数リットル/分程度の一定水量で定常的に取水される。取水管21で取水された原水は、所定の流速をもってサイクロン23に流入し、サイクロン23における遠心分離作用による異物の除去を受ける。
図3に、サイクロン23の内部構造を拡大して示す。サイクロン23は、上部に円筒部28を有するとともに下部に円錐部29を有し、その円筒部28に取水管21が接続された外筒30、円錐部29に嵌め込むようにして外筒30の内部に設けられ、下端部が一次処理清水流出口31となるようにされた内筒32、および円錐部29の下端部に接続するようにして設けられた異物排出口33を備えている。
こうしたサイクロン23に取水管21から流入した潤滑・冷却用の原水は外筒30の円筒部28の内周面に沿って旋回流を生じ、その旋回流を維持しながら円錐部29を下降してゆく。そのため原水には遠心力が働く。その結果、原水に含まれる異物で一定以上の大きさの異物は遠心力を受けて外筒30の内周面に沿う状態に寄せ集められる。遠心力で寄せ集められた異物は外筒30の内周面に沿って旋回しながら重力方向に下降してゆき異物排出口33から原水の一部とともに排出される。したがってサイクロン23の中心付近においては、大きな異物が除去され小さな異物のみを含んだ状態の水、つまり一次処理清水が得られることになる。この一次処理清水は、内筒32の内部を通って一次処理清水流出口31から流出してゆく。
サイクロン23において遠心分離作用で除去できる異物の大きさは、サイクロン23への原水の流入速度(吹き込み速度)に相関する。図4に、吹き込み速度と除去できる異物の粒径の関係を示す。吹き込み速度を大きくするほど分離除去できる異物の粒径が小さくなる。しかし吹き込み速度30m/sで分離除去できる異物の粒径が50μmとなると、それ以降は分離除去できる異物の粒径に変化がなくなり、分離限界となる。好ましい形態では吹き込み速度を2m/s程度に設定する。これは、吹き込み速度が大きいほど原水に含まれる異物が外筒30の内周面を磨耗させる程度が大きいという問題を考慮して決められる。2m/sの吹き込み速度の場合、サイクロン23で分離除去できる異物の粒径は0.2mm以上である。したがって、サイクロン23で得られる一次処理清水は、粒径が0.2mm未満の異物を含んでいることになる。
ここで、図3のサイクロン23は、一般的なサイクロン集塵装置などとして知られているサイクロン構造に比べて、粒径が一定以上の粒径の異物をより効率的に分離除去することができる。このことについて、一般的なサイクロン構造と比較して説明する。図9に示すのが一般的なサイクロン構造である。一般的なサイクロン構造の場合、円筒部101と円錐部102を有する外筒103の内部に設けられる内筒104は、外筒103の円筒部101を上方に向けて貫通するようにされ、図3のサイクロン23と同様な清水化処理に用いる場合であれば、一次処理清水は内筒104の内部を通って上方に流出してゆき、一方、分離された異物は円錐部102の内周面に沿って降下して外筒103の下方における異物排出口105から排出されることになる。こうしたサイクロン構造では、外筒103で発生する旋回流に伴ってその中央部に大きな気柱を生じ易く、その気柱は異物排出口105を塞ぐような状態に成長し、遠心力で分離された異物の異物排出口105からの排出を阻害するように作用する。このため異物の分離除去を効率的に行うことができなくなる。
これに対して、図3のサイクロン23では、内筒32が外筒30の円錐部29に嵌め込むようにして設けられ、その下端部が一次処理清水流出口31となるようにされていることから、気柱の発生を抑えることができ、また異物排出口33が内筒32と外筒30とで囲まれる状態になり、そのためたとえ気柱が発生してもその気柱で異物の排出を阻害されるような現象を効果的に避けることができる。さらに、図3のサイクロン23では、一次処理清水は重力方向に流出してゆくので、一般的なサイクロン構造のように上向きに流出させる場合に比べて一次処理清水をよりスムーズに流出させることができ、作動の安定性を高めることができる。
サイクロン23から流出した一次処理清水は沈降槽24の上流部に流入する。沈降槽24への一次処理清水の流入部には整流板34が設けられている。整流板34は、沈降槽24に流入した一次処理清水を一旦沈降槽24の底の方向に向け、そのことで一次処理清水が沈降槽24の表層を流下して直接的にオーバーフロー水受け25へオーバーフローするのを防止するために機能する。沈降槽24に流入した一次処理清水は、一定の流速で沈降槽24を流下してゆき、その間に異物の沈降分離を受けることで二次処理清水つまり有害な異物を実質的に含むことのない最終的な清水となって沈降槽24のオーバーフロー口35からオーバーフローしてオーバーフロー水受け25に流入する。沈降槽24の底は、沈降分離により除去された異物を集めて排出できる構造、具体的には傾斜構造とされており、その傾斜構造で異物が集まる部分に異物排出管36が接続されている。また異物排出管36には電磁弁37が設けられており、この電磁弁37の操作で適宜に異物を排出できるようにされ、このことで沈降槽24を長期間安定的に機能させることができるようにされている。なお本実施形態では沈降槽24の底における傾斜構造を一方向への傾斜としているが、中央に向けて二方向から傾斜する構造あるいはすり鉢形の傾斜構造などとするようにしてもよい。
沈降槽24の異物沈降分離能は、沈降槽24における流速に相関し、流速が遅いほど高くなる。本実施形態では、沈降槽24での流速が0.002m/s程度となるようにしている。図5に、流速0.002m/sの場合の異物粒径、沈降距離それに進行方向距離(流下距離)の関係を示す。実線で示す異物粒径100μmの場合、進行方向距離0.04mで、約6m沈降することになる。一方、二点鎖線で示す異物粒径1μmの場合、進行方向距離0.2mで、約0.6m沈降することになる。この結果から、沈降槽24での一次処理清水の流下距離を0.5m程度確保すれば、水中軸受装置10の軸受11の摺動面がプラスチックス材料で形成されている場合でも十分に安全となる清澄度の高い清水を得ることができる。
オーバーフロー水受け25にオーバーフローした清水は給水管26により水中軸受装置10の軸受水槽13に流入し(図2参照)、軸受11の潤滑と冷却を行いつつ排水口14から軸受水槽13外に流出し、最終的に排水として水中軸受装置10から排出される。
以上のような潤滑システム20は、異物が混入している場合の多い水車の動力水から有害な異物の混入のなく清澄度の高い清水を水中軸受装置の潤滑・冷却用として必要量だけ容易に得ることを可能とする。これにより、水道水や井戸水の確保が困難な条件の場合の多い発電機の水車などについても環境に優しい水中軸受装置を低コストで実現することが可能となり、その普及を促進できるようになる。
図6に第2の実施形態による潤滑システムの構成を示す。本実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様で、取水管21に開閉弁22の上流で機械的ろ過手段であるストレーナ(主給水ストレーナ)41を設けた点で第1の実施形態と異なる。ストレーナ41は、例えば多数のろ過孔を穿設した鋼板を円筒状にしたろ過筒を有する構造に形成される。このようなストレーナ41を設けることにより、取水管21で取水した原水に機械的なろ過による予備処理を加えることができる。したがって、ろ過孔の径を例えば3mm程度とすれば、サイクロン23に流入する予備処理水が含む異物の粒径を3mm以下に抑えることがでる。このため、サイクロン23での異物除去機能が向上し、したがって沈降槽24に流入する一次処理清水の異物混入濃度が低下する。この結果、清澄度の高い清水をより安定的に得ることが可能となり、それだけ信頼性を高めることができる。この他の構成や作用効果は、第1の実施形態と同様なので、共通する要素に同一の符号を付し、それらの説明については第1の実施形態から援用する。
図7に第3の実施形態による潤滑システムの構成を示す。本実施形態も、基本的には第1の実施形態と同様で、沈降槽24とオーバーフロー水受け25からなる沈降分離系を並列に2系統設けた点で第1の実施形態と異なる。本実施形態によれば、2系統の沈降分離系の一つを予備とし、常用する一方の沈降分離系に故障を生じた場合に予備の沈降分離系で急場の対応をすることができ、また一方の沈降分離系で得た清水を水中軸受装置に供給する間に他方の沈降分離系の沈降槽24では異物排出処理を行うという使い分けをすることもでき、より安定的な清水供給が可能となる。この他の構成や作用効果は、第1の実施形態と同様なので、共通する要素に同一の符号を付し、それらの説明については第1の実施形態から援用する。
図8に第4の実施形態による潤滑システムの構成を示す。本実施形態も、基本的には第1の実施形態と同様で、取水管21に減圧装置42を設けた点で第1の実施形態と異なる。減圧装置42は、開閉弁22とサイクロン23との間に設けてある。このように減圧装置42を設けることで、サイクロン23への原水の流入量と流入速度を最適に調整することができる。この結果、水中軸受装置10に供給する清水の量を適正化でき、より効率的な潤滑システムとすることができる。この他の構成や作用効果は、第1の実施形態と同様なので、共通する要素に同一の符号を付し、それらの説明については第1の実施形態から援用する。
本発明は、異物が混入している原水から清澄度の高い清水を水中軸受装置の潤滑・冷却用として必要量だけ容易に得ることを可能とし、そのことで環境に優しい水中軸受装置を低コストで実現することを可能とするものであり、水中軸受装置を用いることが可能な水力機械の分野において広く利用することができる。
第1の実施形態による潤滑システムの構成を模式化して示す図である。 発電機水車の水中軸受装置の構成例を示す図である。 サイクロンの内部構造を示す図である。 サイクロンにおける吹き込み速度と除去できる異物の粒径の関係を示すグラフである。 沈降槽における流速0.002m/sの場合の異物粒径、沈降距離それに進行方向距離の関係を示すグラフである。 第2の実施形態による潤滑システムの構成を模式化して示す図である。 第3の実施形態による潤滑システムの構成を模式化して示す図である。 第4の実施形態による潤滑システムの構成を模式化して示す図である。 一般的なサイクロン構造の代表的な例を示す図である。
符号の説明
10 水中軸受装置
20 潤滑システム
23 サイクロン
24 沈降槽
25 オーバーフロー水受け
28 円筒部
29 円錐部
30 外筒
31 一次処理清水流出口
32 内筒
41 ストレーナ(機械的ろ過手段)
42 減圧装置

Claims (5)

  1. 取水した原水から有害な異物を除去して得られる清水を水中軸受装置に供給するための潤滑システムにおいて、
    前記有害異物の除去を遠心分離で行って一次処理清水を得る異物遠心分離手段と、前記有害異物の除去を沈降分離で行って前記一次処理清水から二次処理清水を得る異物沈降分離手段を備え
    前記異物遠心分離手段は、サイクロンで形成されており、前記サイクロンは、上部に円筒部を有するとともに下部に円錐部を有した外筒を備えるとともに、前記円錐部に嵌め込むようにして前記外筒の内部に設けられ、下端部が前記一次処理清水の流出口となるようにされた内筒を備えた構成となっていることを特徴とする潤滑システム。
  2. 前記異物沈降分離手段は、沈降槽とオーバーフロー水受けで形成されており、前記沈降槽により前記一次処理清水を所定速度で流下させながら前記有害異物の沈降分離除去を行いつつ前記沈降槽から前記オーバーフロー水受けにオーバーフローさせることで前記二次処理清水を得るように構成されている請求項1に記載の潤滑システム。
  3. 前記異物遠心分離手段の上流に機械的ろ過手段が設けられ、前記機械的ろ過手段で前記原水に前記有害異物の予備的な除去処理を施せるようにされている請求項1または請求項2に記載の潤滑システム。
  4. 前記原水の圧力を調整する減圧装置が前記異物遠心分離手段の上流に設けられている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の潤滑システム。
  5. 取水した原水から有害な異物を除去して得られる清水を水中軸受装置に供給するための潤滑システムにおいて、
    前記有害異物の除去を遠心分離で行って一次処理清水を得る異物遠心分離手段と、前記有害異物の除去を沈降分離で行って前記一次処理清水から二次処理清水を得る異物沈降分離手段とを備えると共に、前記異物沈降分離手段が複数設けられていることを特徴とする潤滑システム。
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