JP4627646B2 - 厚肉細径鋼管の頭部成形方法およびその装置 - Google Patents

厚肉細径鋼管の頭部成形方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えばディーゼル内燃機関における燃料の供給路などとして配設多用される管径4m/m乃至20m/m、肉厚1m/m乃至8m/m程度の高圧燃料噴射管のような主としてコモンレールの分岐枝管もしくは分岐金具等の分岐接続体に用いられる比較的細径からなる厚肉鋼管の頭部成形方法およびその装置に関するものである。
従来、高圧燃料噴射管のようなコモンレールと厚肉細径鋼管からなる分岐枝管もしくは分岐金具等の分岐接続体の継手構造(接続構造)として図11に示すものが知られている(特許文献1参照)。この継手構造は、本管レール1に設けた内部の流通路1−1に通ずる分岐孔1−2の周面部に形成した外方へ開口する受圧座面1−3にスリーブニップル3を取着し、該スリーブニップルに螺合する袋ナット4を締付けて分岐接続体2を接続する方式であって、分岐接続体2側の接続頭部2−2のなす押圧座面2−3を本管レール1側の受圧座面1−3に当接係合せしめ、予め分岐接続体2側にスリーブワッシャ5を介して組込んだ締付け用袋ナット4を、本管レール1に取着したスリーブニップル3に螺合することにより、前記接続頭部2−2の首下での押圧に伴って締着して接続構成したものである。
この種の継手構造におけるスリーブワッシャ5は、分岐接続体2側の接続頭部2−2と反対側端部に鍔状フランジ部5−1を有し、分岐接続体2の本体部に堅固に外嵌固着されるが、この場合前記鍔状フランジ部5−1付きスリーブワッシャ5は、当該ワッシャの本管レール側端面と接続頭部2−2との間に隙間が形成されるように外嵌固着したものと、スリーブワッシャ5の本管レール側端面が接続頭部2−2に接触するごとく外嵌固着したものとがある。したがって、前者の接続構造の場合は、分岐接続体2とスリーブワッシャ5との圧着面で分岐接続体2に軸力が作用し、後者の接続構造の場合は、スリーブワッシャ5の端面と接続頭部2−2との当接面とスリーブワッシャ5との圧着面とで分岐接続体2に軸力が作用する。
特開2001−82664号公報
上記の継手構造(接続構造)における鍔状フランジ部5−1付きスリーブワッシャ5の固着手段としては、例えば分岐接続体2の内側から径方向に圧力を加えて当該分岐接続体2の外周面に圧着させる方法、スリーブワッシャ5の円筒部を外部より縮径させる方法、接続頭部2−2を押圧成形する際に分岐接続体2を拡径させる方法、あるいはこれらを組合せる方法を用いることができるが、この鍔状フランジ部5−1付きスリーブワッシャ5の場合は、当該ワッシャの後端に鍔状フランジ部5−1があるため、前面より挿入するタイプの成形機ではこの鍔状フランジ部5−1付きスリーブワッシャ5を挿入することができず、手動操作で該スリーブワッシャ5に分岐接続体2を挿入した状態で頭部成形しなければならず、作業性に問題があった。
本発明は、従来技術の有する前記問題点に鑑みてなされたもので、特に鍔状フランジ部付きスリーブワッシャの本管レール側端面が接続頭部に接触するごとく外嵌固着して構成する継手構造における前記スリーブワッシャを接続頭部の成形と同時に固着して一体化することが可能な厚肉細径鋼管の頭部成形方法およびその装置を提供しようとするものである。
本発明に係る厚肉細径鋼管の頭部成形方法は、厚肉細径鋼管の接続頭部に、当該頭部と反対側端部に鍔状フランジ部を有するスリーブワッシャを一体的に外嵌固着してなる主としてコモンレール用厚肉細径鋼管の頭部成形方法であって、前記スリーブワッシャを成形チャック内に保持した状態で、予め定尺に切断された比較的細径からなる厚肉鋼管の接続端部付近を前記スリーブワッシャに挿入するとともに、該スリーブワッシャより先端側に接続のための頭部加工代を有して当該鋼管をチャックに保持せしめ、しかる後当該鋼管の先端部を同軸外方からの頭部型を備えたパンチ部材による押圧によって、外側周面を相手座部への截頭円錐状もしくは截頭円弧状のシート面とする頭部加工を行わしめて、前記スリーブワッシャが一体的に外嵌固着された接続頭部を成形することを特徴とし、
また、前記スリーブワッシャを成形チャック内に半締め状態にて緩く保持した状態で、予め定尺に切断された比較的細径からなる厚肉鋼管の接続端部付近を前記スリーブワッシャに挿入するとともに、該スリーブワッシャより先端側に接続のための頭部加工代を有して当該鋼管およびスリーブワッシャを成形チャックに保持せしめ、しかる後当該鋼管の先端部を同軸外方からの頭部型を備えたパンチ部材による押圧によって、外側周面を相手座部への截頭円錐状もしくは截頭円弧状のシート面とする頭部加工を行わしめて、前記スリーブワッシャが一体的に外嵌固着された接続頭部を成形することを特徴とするものである。
また、本発明に係る厚肉細径鋼管の頭部成形装置は、厚肉細径鋼管の接続頭部に、当該頭部と反対側端部に鍔状フランジ部を有するスリーブワッシャを一体的に外嵌固着してなる主としてコモンレール用厚肉細径鋼管の頭部成形装置であって、前記スリーブワッシャと厚肉細径の被加工鋼管をそれぞれ各別に挟持保持する成形チャックと、前記被加工鋼管の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチを備え、かつ前記スリーブワッシャと被加工鋼管を挟持保持する成形チャックは、それぞれ複数分割構造となし、前記成形パンチと前記複数分割構造の成形チャックを用い、前記スリーブワッシャ用成形チャックに挟持されたスリーブワッシャに先端部が挿入されて前記被加工鋼管用成形チャックに挟持された被加工鋼管の端部を頭部成形する方式となしたことを特徴とし、
さらに、前記スリーブワッシャと厚肉細径の被加工鋼管を一体的に挟持保持する成形チャックと、前記被加工鋼管の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチを備え、かつ前記成形チャックは複数分割構造となすと共に、前記成形パンチと相対向する面に前記スリーブワッシャの鍔状フランジ部を挟持保持する凹部を有し、前記成形パンチは頭部型を備えた本体部と、当該本体部のチャック対向面側にスプリングと連結ピンを介して軸方向に可動に弾性支持され、かつ前記成形チャックに挟持保持されたスリーブワッシャの円筒部挿入孔が中央部に穿設された可動体部とで構成され、前記成形チャックと成形パンチを用い、前記成形チャックに鍔状フランジ部が挟持されたスリーブワッシャに先端部が挿入されて同成形チャックに挟持された被加工鋼管の端部を頭部成形する方式となしたことを特徴とし、
さらにまた、前記スリーブワッシャと厚肉細径の被加工鋼管を一体的に挟持保持する成形チャックと、前記被加工鋼管の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチを備え、かつ前記成形チャックは複数分割構造となすと共に、前記成形パンチと相対向する面に前記スリーブワッシャと当該ワッシャの円筒部に外嵌される複数分割構造の筒形スペーサを挟持保持する凹部を有し、前記成形チャックと成形パンチを用い、前記成形チャックに筒形スペーサと共に挟持されたスリーブワッシャに先端部が挿入されて同成形チャックに挟持された被加工鋼管の端部を頭部成形する方式となしたことを特徴とし、
また、前記スリーブワッシャと厚肉細径の被加工鋼管を一体的に挟持保持する成形チャックと、前記被加工鋼管の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチを備え、かつ前記成形チャックは複数分割構造となすと共に、前記成形パンチと相対向する面に前記スリーブワッシャの外形に合致した凹溝部を有し、前記成形チャックと成形パンチを用い、前記成形チャックに挟持された前記スリーブワッシャに先端部が挿入されて同成形チャックに挟持された被加工鋼管の端部を頭部成形する方式となしたことを特徴とするものである。
本発明方法は、スリーブワッシャと被加工鋼管をそれぞれ別々の成形チャックに保持して当該鋼管の先端部をパンチ部材による押圧によって頭部加工を行わしめて、前記スリーブワッシャが一体的に外嵌固着された接続頭部を成形する方法であるから、スリーブワッシャ部の芯ずれが皆無となり、頭部加工の安定化と精度向上が可能となる。また、成形チャックを2段締め方式とし、1段目でスリーブワッシャを半締めして仮チャックし、2段目でスリーブワッシャと被加工鋼管を本チャックして当該鋼管の先端部をパンチ部材による押圧によって頭部加工を行わしめて、前記スリーブワッシャが一体的に外嵌固着された接続頭部を成形する方法は、スリーブワッシャの挿入機構を簡易化できることにより、頭部加工の迅速化と精度向上が可能となる。
さらに、本発明装置によれば、スリーブワッシャおよび被加工鋼管を挟持する成形チャックを複数分割構造としたことにより、スリーブワッシャおよび被加工鋼管を一体的にチャックすることができるので、スリーブワッシャ部の芯ずれを防止することができ、頭部加工を安定して精度よく行うことができる。また、スリーブワッシャおよび被加工鋼管を挟持する成形チャックを複数分割構造とすると共に、成形パンチを軸方向に本体部と可動体の2つに分割したことにより、先端側の可動体でスリーブワッシャの円筒部を保持した状態でパンチ本体部で頭部加工を施すことができるので、スリーブワッシャにかじり疵等を発生させることなく成形することが可能となり、品質的にも安定した頭部加工を施すことができる。さらにまた、複数分割構造の成形チャックに複数分割構造の筒形スペーサを介してスリーブワッシャを保持して頭部加工を施す方式の場合も、スリーブワッシャにかじり疵等を発生させることなく成形することが可能となり、品質的にも安定した頭部加工を安定して精度よく行うことができる。
図1〜図2は本発明方法を実施するための第1実施例装置とその頭部成形加工工程を示す縦断面による説明図、図3〜図4は同じく第2実施例装置とその加工工程を示す縦断面による説明図、図5〜図6は同じく第3実施例装置とその加工工程を示す縦断面による説明図、図7〜図10は同じく第4実施例装置とその加工工程を順次示す縦断面による説明図であり、11A、11B、11C、11Dは成形チャック、12A、12B、12C、12Dは成形パンチ、13は厚肉細径の被加工鋼管、14はスリーブワッシャ、15は筒形スペーサである。
厚肉細径の被加工鋼管1は予め定寸に切断された高圧配管用炭素鋼鋼材やステンレス鋼材よりなる管径4m/mないし20m/m、肉厚1m/mないし8m/m程度の比較的細径の厚肉鋼管からなる。また、スリーブワッシャ14は前記図11に示すものと同様、円筒部14−1の接続頭部と反対側端部に鍔状フランジ部14−2を有している。
まず、図1〜図2に示す第1実施例装置による厚肉細径鋼管の頭部成形方法について説明すると、この第1実施例装置は厚肉細径の被加工鋼管13とスリーブワッシャ14をそれぞれ各別に挟持保持する成形チャック11Aと、被加工鋼管13の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチ12Aとから構成され、前記成形チャック11Aは、被加工鋼管13とスリーブワッシャ14をそれぞれ各別に挟持保持する管用成形チャック11A−1、ワッシャ用成形チャック11A−2とで構成され、かつ両成形チャックはそれぞれ2分割構造となしており、かつ管用成形チャック11A−1はそれぞれ対向面に厚肉細径鋼管外径と同径の管孔が形成されるように半円型11A−1aを有し、ワッシャ用成形チャック11A−2はそれぞれ対向面に当該ワッシャの外径と同径のワッシャ孔が形成されるように、当該ワッシャの円筒部14−1に対応する半円型11A−2aと鍔状フランジ部14−2に対応する偏平凹部11A−2bを有している。さらに、被加工鋼管13を挟持保持する管用成形チャック11A−1は、一方を固定とし、他方を径方向に可動となしており、スリーブワッシャ14を挟持保持するワッシャ用成形チャック11A−2は被加工鋼管13側の管用成形チャック11A−1の端面に沿って左右共に径方向にスライド可動に該成形チャック11A−1と別体的に取付けられている。一方、成形パンチ12Aは成形する頭部形状すなわち截頭円錐状のシート面を有する頭部形状(もしくは截頭円弧状等種々の形状のシート面を有する頭部形状)に合わせた頭部型12A−1を有している。
上記構成の第1実施例装置により被加工鋼管13に頭部成形加工を施す際は、まずスリーブワッシャ14側のワッシャ用成形チャック11A−2によりスリーブワッシャ14を挟持し、続いて被加工鋼管13側の管用成形チャック11A−1内に予め定尺に切断された被加工鋼管13を挿入し、該鋼管の接続端部付近を前記スリーブワッシャ14に挿入するとともに、該スリーブワッシャ14より先端側に接続のための頭部加工代に相当する長さ分突出させて当該鋼管を管用成形チャック11A−1に挟持し、前記スリーブワッシャ14と被加工鋼管13の挟持を保持した状態において、被加工鋼管13の先端部に成形パンチ12Aの頭部型12A−1を当てて同軸外方から強圧縮して被加工鋼管13の頭部を挫屈成形する。これにより、被加工鋼管13には外側周面を相手座部への截頭円錐状(もしくは截頭円弧状など)のシート面とする頭部13−1が得られると同時に、該頭部首下部に前記スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着される。スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着された頭部13−1が成形された被加工鋼管13を成形チャック11Aから取出す際は、成形パンチ12Aを元の位置に戻した後、スリーブワッシャ14側のワッシャ用成形チャック11A−2を外方向にスライドさせて開き、被加工鋼管13側の管用成形チャック11A−1の可動の方の型を外方向へ開いて取出す。
次に、図3〜図4に示す第2実施例装置は、厚肉細径の被加工鋼管13とスリーブワッシャ14を一体的に挟持保持する成形チャック11Bと、被加工鋼管13の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチ12Bとから構成され、成形チャック11Bは、2分割構造となすとともに対向面に厚肉細径鋼管外径と同径の管孔が形成されるように半円型11B−1を有し、さらに成形パンチ12Bと対向する面の前記管孔の開口部にスリーブワッシャ14の鍔状フランジ部14−2と同径の偏平座口を形成するための凹部11B−2を有している。一方、成形パンチ12Bは、成形する頭部形状すなわち截頭円弧状のシート面を有する頭部形状(截頭円錐状などのシート面を有する頭部形状)に合わせた頭部型12B−1aを有する本体部12B−1と、当該本体部のチャック対向面側にスプリング12B−3と連結ピン12B−4を介して軸方向に可動に弾性支持されかつ中央部に前記成形チャック11Bに挟持保持されたスリーブワッシャ14の円筒部14−1の挿入孔12B−2aが穿設された可動体部12B−2とで構成されている。
上記構成の第2実施例装置により被加工鋼管13に頭部成形加工を施す際は、成形チャック11Bの凹部11B−2にスリーブワッシャ14の鍔状フランジ部14−2を嵌入し、続いて成形チャック11B内に予め定尺に切断された被加工鋼管13を挿入し、該鋼管の接続端部付近を前記スリーブワッシャ14に挿入するとともに、該スリーブワッシャ14より先端側に接続のための頭部加工代に相当する長さ分突出させて当該鋼管とスリーブワッシャ14を成形チャック11Bに挟持し、前記被加工鋼管13とスリーブワッシャ14の挟持を保持した状態において、成形パンチ12Bを被加工鋼管13側へ移動させて当該成形パンチの可動体部12B−2の挿入孔12B−2aをスリーブワッシャ14の円筒部14−1に外嵌せしめ、続いて被加工鋼管13の先端部に成形パンチ12Bの本体部12B−1に形成した頭部型12B−1aを当てて同軸外方から強圧縮して被加工鋼管13の頭部を挫屈成形する。これにより、被加工鋼管13には外側周面を相手座部への截頭円弧状(もしくは截頭円錐状)のシート面とする頭部が得られると同時に、該頭部首下部に前記スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着される。スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着された頭部13−1が成形された被加工鋼管13を成形チャック11Bから取出す際は、成形パンチ12Bを元の位置に戻した後、成形チャック11Bを外方向に移動させて開いて取出す。
また、図5〜図6に示す第3実施例装置は、厚肉細径の被加工鋼管13とスリーブワッシャ14を一体的に挟持保持する成形チャック11Cと、被加工鋼管13の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチ12Cとから構成され、成形チャック11Cは、前記第2実施例装置と同様に2分割構造となし、かつ対向面に頭部外径と同径の管孔が形成されるように半円型11C−1を有し、さらに成形パンチ12Cと対向する面の前記管孔の開口部にスリーブワッシャ14と同一長さでかつ同ワッシャの鍔状フランジ部14−2と同径のワッシャ孔を形成するための凹部11C−2を有している。一方、成形パンチ12Cは、成形する頭部形状すなわち截頭円弧状のシート面を有する頭部形状(截頭円錐状のシート面を有する頭部形状)に合わせた頭部型12C−1を有している。
上記構成の第3実施例装置により被加工鋼管13に頭部成形加工を施す際は、成形チャック11Cの凹部11C−2にスリーブワッシャ14を当該成形チャック11Cの端面と面一となるように嵌入し、続いて該スリーブワッシャ14の円筒部14−1と凹部11C−2との隙間に2分割構造の筒形スペーサ15をもしくはスリーブワッシャ14と筒形スペーサ15を同時に嵌入する。しかる後、成形チャック11Cの管孔に予め定尺に切断された被加工鋼管13を挿入し、該鋼管の接続端部付近を前記スリーブワッシャ14に挿入するとともに、該スリーブワッシャ14より先端側に接続のための頭部加工代に相当する長さ分突出させて当該鋼管とスリーブワッシャ14および筒形スペーサ15を成形チャック11Cに挟持し、前記被加工鋼管13とスリーブワッシャ14の挟持を保持した状態において、成形パンチ12Cを被加工鋼管13側へ移動させて被加工鋼管13の先端部に成形パンチ12Cの頭部型12C−1を当てて同軸外方から強圧縮して被加工鋼管13の頭部を挫屈成形する。これにより、被加工鋼管13には外側周面を相手座部への截頭円弧状(もしくは截頭円錐状)のシート面とする頭部13−1が得られると同時に、該頭部首下部に前記スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着される。スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着された頭部が成形された被加工鋼管13を成形チャック11Cから取出す際は、成形パンチ12Cを元の位置に戻した後、成形チャック11Cを外方向に移動させて開いて取出す。この時、筒形スペーサ15は分割構造となっているのでスリーブワッシャ14の部分から簡単に離脱する。
さらに、図7〜図10に示す第4実施例装置は、厚肉細径の被加工鋼管13とスリーブワッシャ14を一体的に挟持保持する成形チャック11Dと、被加工鋼管13の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチ12Dとから構成され、成形チャック11Dは、前記第2、第3実施例装置と同様に2分割構造となし、かつ対向面に厚肉細径鋼管外径と同径の管孔が形成されるように半円型11D−1を有し、さらに成形パンチ12Dと対向する面の前記管孔の開口部にスリーブワッシャ14と同一長さでかつ同ワッシャの円筒部14−1と鍔状フランジ部14−2と同一径のワッシャ孔を形成するための凹部11D−2を有している。一方、成形パンチ12Cは、成形する頭部形状すなわち截頭円弧状のシート面を有する頭部形状(截頭円錐状のシート面を有する頭部形状)に合わせた頭部型12D−1を有している。
上記構成の第4実施例装置により被加工鋼管13に頭部成形加工を施す際は、成形チャック11Dの凹部11D−2にスリーブワッシャ14を当該成形チャック11Dの端面と面一となるように嵌入し、この状態で該スリーブワッシャ14を成形チャック11D内に半締め状態にて緩く挟持する。続いて、この緩く挟持した状態で成形チャック11D内に予め定尺に切断された被加工鋼管13を挿入し、該鋼管の接続端部付近を前記スリーブワッシャ14に挿入するとともに、該スリーブワッシャ14より先端側に接続のための頭部加工代に相当する長さ分突出させて当該鋼管とスリーブワッシャ14を成形チャック11Dに挟持し、前記被加工鋼管13とスリーブワッシャ14の挟持を保持した状態において、成形パンチ12Dを被加工鋼管13側へ移動させて被加工鋼管13の先端部に成形パンチ12Dの頭部型12D−1を当てて同軸外方から強圧縮して被加工鋼管13の頭部を挫屈成形する。これにより、被加工鋼管13には外側周面を相手座部への截頭円弧状(もしくは截頭円錐状)のシート面とする頭部13−1が得られると同時に、該頭部首下部に前記スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着される。スリーブワッシャ14が一体的に外嵌固着された頭部が成形された被加工鋼管13を成形チャック11Dから取出す際は、成形パンチ12Dを元の位置に戻した後、成形チャック11Dを外方向に移動させて開いて取出す。
本発明は、ディーゼル内燃機関における燃料の供給路などとして配設多用される高圧燃料噴射管のような主としてコモンレールの分岐枝管もしくは分岐金具等の分岐接続体に限らず、接続頭部を有する各種高圧金属配管およびその頭部成形技術にも十分に適用可能である。
本発明方法を実施するための第1実施例装置とその頭部成形加工前の状態を示す縦断面による説明図である。 同上図1に示す第1実施例装置による頭部成形加工時の状態を示す縦断面による説明図である。 同じく第2実施例装置とその頭部成形加工前の状態を示す縦断面による説明図である。 同上図3に示す第2実施例装置による頭部成形加工時の状態を示す縦断面による説明図である。 同じく第3実施例装置とその頭部成形加工前の状態を示す縦断面による説明図である。 同上図5に示す第3実施例装置による頭部成形加工時の状態を示す縦断面による説明図である。 同じく第4実施例装置とその頭部成形加工前のスリーブワッシャセット状態を示す縦断面による説明図である。 同上図7に示す第4実施例装置による頭部成形加工前のスリーブワッシャ仮チャッキング状態を示す縦断面による説明図である。 同上図7に示す第4実施例装置による頭部成形加工前の状態を示す縦断面による説明図である。 同上図7に示す第4実施例装置による頭部成形加工時の状態を示す縦断面による説明図である。 本発明の対象とする分岐接続体の継手構造(接続構造)の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
11A、11B、11C、11D 成形チャック
11A−1 管用成形チャック
11A−2 ワッシャ用成形チャック
11A−1a、11A−2a、11B−1、11C−1、11D−1 半円型
11B−2、11C−2、11D−2 凹部
12A、12B、12C、12D 成形パンチ
12A−1、12B−1a 頭部型
12B−1 本体部
12B−2 可動体部
12B−3 スプリング
12B−4 連結ピン
12B−2a 挿入孔
13 厚肉細径の被加工鋼管
13−1 頭部
14 スリーブワッシャ
14−1 円筒部
14−2 鍔状フランジ部
15 筒形スペーサ

Claims (2)

  1. 厚肉細径鋼管の接続頭部に、当該頭部と反対側端部に鍔状フランジ部を有するスリーブワッシャを一体的に外嵌固着してなる厚肉細径鋼管の頭部成形方法であって、前記スリーブワッシャを成形チャック内に半締め状態にて緩く保持した状態で、予め定尺に切断された比較的細径からなる厚肉鋼管の接続端部付近を前記スリーブワッシャに挿入するとともに、該スリーブワッシャより先端側に接続のための頭部加工代を有して当該鋼管およびスリーブワッシャを成形チャックに保持せしめ、しかる後当該鋼管の先端部を同軸外方からの頭部型をそなうたパンチ部材による押圧によって、外側周面を相手座部への截頭円錐状もしくは截頭円弧状のシート面とする頭部加工を行わしめて、前記スリーブワッシャが一体的に外嵌固着された接続頭部を成形することを特徴とする厚肉細径鋼管の頭部成形方法。
  2. 厚肉細径鋼管の接続頭部に、当該頭部と反対側端部に鍔状フランジ部を有するスリーブワッシャを一体的に外嵌固着してなる厚肉細径鋼管の頭部成形装置であって、前記スリーブワッシャと厚肉細径の被加工鋼管を一体的に挟持保持する成形チャックと、前記被加工鋼管の頭部を成形する軸方向に移動可能な成形パンチを備え、かつ前記成形チャックは複数分割構造となすと共に、前記成形パンチと相対向する面に前記スリーブワッシャの外形に合致した凹溝部を有し、前記成形チャックと成形パンチを用い、前記成形チャックに挟持された前記スリーブワッシャに先端部が挿入された同成形チャックに挟持された被加工鋼管の端部を頭部成型する方式となしたことを特徴とする厚肉細径鋼管の頭部成形装置。
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