JP4627158B2 - 二光子吸収材料 - Google Patents

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Description

本発明は、二光子吸収材料等として有用な新規化合物、その応用材料及び該材料を用いた装置に関する。本発明はまた、前記新規化合物の二光子吸収励起方法にも関する。
従来、二光子吸収材料においては、ローダミン、クマリンなどの色素化合物、ジチエノチオフェン誘導体、オリゴフェニレンビニレン誘導体などの化合物が使用されている。しかしながら、これらは、分子あたりの二光子吸収能を示す二光子吸収断面積が小さく、特にフェムト秒パルスレーザーを用いた場合の二光子吸収断面積は、200×10-50cm4・s・molecule-1・photon-1未満のものが殆どである(例えば、非特許文献1参照)。
また、特定の化学式で表されるカルボニル化合物からなる二光子吸収化合物が開示されているが、やはり満足のいく二光子吸収断面積が得られていない(例えば、特許文献1参
照)。
化合物の二光子吸収断面積が小さい場合に、材料としての二光子吸収特性を向上させるためには、化合物濃度を高めることが一つの選択肢である。しかしながら、化合物の溶解度には限度があり、特性の著しい改善は不可能である。また、高濃度化は、二光子吸収材料中の他の成分に悪影響を及ぼす危険性があるので、必ずしも有効な方法ではない。
化合物の二光子吸収断面積が小さく、かつその濃度を上げることができないため、材料としての二光子吸収特性を向上させることができない場合には、レーザーピーク強度を著しく高める必要がある。その結果、大規模なレーザー装置が必要となるだけではなく、材料中の必要とされる領域以外の破壊あるいは劣化を引き起こすに近い高強度エネルギーを使用するので、材料が容易に劣化し、或いは破壊されてしまうことすらあり、光メモリ材料として用いた場合、良好な特性が得られない。
また、二光子吸収特性を有する化合物の応用として、二光子吸収励起によって生じる一重項酸素(活性酸素)や熱により、生体内のガン組織等を破壊するフォトダイナミックセラピーが期待されている。しかしながら、フォトダイナミックセラピーの場合においても、生体内で二光子吸収化合物の濃度を過度に上げることは期待できないので、高い二光子吸収断面積を持つ化合物が望まれている。このような化合物として、1,4-ビス(2,5-ジメトキシ-4-[2-[4-(N-メチル)ピリジン-1-イウミル]エテニル]フェニル)ブタジエントリフレート(MPPBT)等が挙げられるが(例えば、未公開特許文献1参照)、このような化合物は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルといった一部の高い極性を持つ非プロトン性溶媒に限られるので、用途が限定される。
さらに、二光子吸収化合物を、材料内の局所的な屈折率変化や光破壊を利用した光メモリー、二光造型用光硬化樹脂、フォトダイナミックセラピーへ応用する場合、光子を吸収することにより得られたエネルギーを、蛍光としてではなく、反応エネルギーや熱エネルギーとして使用する必要があり、そのためには高い二光子吸収断面積だけではなく、低い蛍光収率を持ち熱変換効率の高い化合物が望まれる。
特開2003-183213
未公開特許文献1
特願2002-262312
Stephen Kershaw著、"Two-Photon Absorption" in "Characterization techniques and tabulations for organic nonlinear optical materials", ed. by Mark G. Kuzyk, Carl W. Dirk, chapter 7, pp.515-654, Mercel Dekker, Inc. New York, 1988
本発明の主な目的は、巨大な二光子吸収断面積を有し、低濃度で高い二光子吸収特性を発揮し、低い蛍光収率に基く高い熱変換特性を有し、幅広い溶媒に溶解することができる新規化合物及びその用途を提供することである。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、新規な非対称アセチレン化合物により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の二光子吸収材料として有用な新規化合物、それを種々の用途に使用する応用材料および装置類等を提供するものである。
1.下記一般式(1)で表される非対称アセチレン系化合物;
Figure 0004627158
(式中、R1〜R8は、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基
又は炭素数1〜12のアルコキシ基を示し、nは1〜4の整数を示す。R9及びR10のいずれか一
方がピリジル基又はピリジニウム塩基であり、他方は置換基を有していてもよいフェニル基である。)。
2.R9及びR10のどちらか一方が、下記一般式(2)又は下記一般式(3)
Figure 0004627158
Figure 0004627158
(式中、R11は、炭素数1〜3のアルキル基であり、A-は、RSO3 -(式中、Rは、CF3、フェニル、トリル又は炭素数1〜3のアルキル基である。)、ハロゲンアニオン、テトラフェニルホウ素陰イオン(Ph4B-)又はClO4 -である。)で表される基であり、他方が、下記一般式(4)
Figure 0004627158
(式中、R12は、水素原子、ニトロ基、メチル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、SCH3又はN(R13)(R14)(R13又はR14は、同一又は相異なって、水素原子又は
炭素数1〜4のアルキル基である。)である。)で表される基である上記項1記載の非対称
アセチレン系化合物。
3.一般式(1)において、
(イ)R1、R4、R5及びR8が水素原子であり、R2、R3、R6及びR7が低級アルコキシ基;
(ロ)R1、R4、R6及びR7が水素原子であり、R2、R3、R5及びR8が低級アルコキシ基;
(ハ)R2、R3、R5及びR8が水素原子であり、R1、R4、R6及びR7が低級アルコキシ基;又は、
(ニ)R2、R3、R6及びR7が水素原子であり、R1、R4、R5及びR8が低級アルコキシ基;である請求項1又は2に記載の非対称アセチレン系化合物。
4.上記項1〜3のいずれかに記載の化合物からなる二光子吸収材料。
5.上記項1〜3のいずれかに記載の化合物を含む光制限材料。
6.上記項1〜3のいずれかに記載の化合物を含む光造型用光硬化樹脂の硬化材料。
7.上記項1〜3のいずれかに記載の化合物を含む三次元光メモリ材料。
8.集光装置とコリメート装置との間に、上記項5記載の光制限材料を配置した光制限
装置。
9.パルスレーザー発生装置、パルスレーザー集光装置、光硬化性モノマー収容装置、及び光硬化性モノマー中の所定の集光位置をレーザービームで走査するための機構を備えた二光子吸収光造型装置であって、上記項6記載の硬化材料が光硬化性モノマー中に含ま
れていることを特徴とする光造型装置。
10.パルスレーザー発生装置、パルスレーザー集光装置、上記項7記載の三次元光メ
モリ材料、該メモリ材料の所定の集光位置をレーザービームで走査するための機構及び光学的読出し装置を備えた三次元光メモリ装置であって、光メモリ材料中の屈折率変化又は局所的破壊を検出する装置を備えた三次元メモリ装置。
11.上記項1〜3のいずれかに記載の化合物に、当該化合物の線形吸収波長よりも長波長の光を照射することにより二光子吸収による励起を生じさせる、二光子吸収励起方法。
本発明の非対称アセチレン系化合物は、文献未載の新規化合物であり、下記一般式(1
)で表されるものである。
Figure 0004627158
(式中、R1〜R8は、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基
又は炭素数1〜12のアルコキシ基を示し、nは1〜4の整数を示す。R9及びR10のいずれか一
方がピリジル基又はピリジニウム塩基であり、他方は置換基を有していてもよいフェニル基である。)。
以下、R9が置換基を有していてもよいフェニル基を示し、R10がピリジル基又はピリジ
ニウム塩基を示す化合物について代表して述べるが、その逆の場合も本発明に含まれる。
ピリジル基としては、下記一般式(2)で表される4-ピリジル基が好ましく、
Figure 0004627158
ピリジニウム塩基としては、下記一般式(3)で表される4-ピリジニウム塩基
Figure 0004627158
(式中、R11は、炭素数1〜3のアルキル基であり、A-は、RSO3 -(式中、Rは、CF3、フェニル、トリル又は炭素数1〜3のアルキル基である。)、ハロゲンアニオン、テトラフェニルホウ素陰イオン(Ph4B-)又はClO4 -である。)が好ましい。
置換基を有していてもよいフェニル基としては、オルト位、メタ位及びパラ位の少なくとも一箇所に1又は2以上の置換基を有するフェニル基が使用できる。その中でも特に、下記一般式(4)
Figure 0004627158
(式中、R12は、水素原子、ニトロ基、メチル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、SCH3又はN(R13)(R14)である。R13又はR14は、同一又は相異なって、水素原
子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)で表される基が好ましい。
上記一般式(1)において、R1〜R8における炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-プロピ
ル、n-ペンチル等の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を例示できる。その中でも、炭素数1〜3のアルキル基であるメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル等が好ましい。
また、炭素数1〜12のアルコシキ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イ
ソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ基、n-ペント
キシ基等の直鎖状又は分枝鎖状のアルコシキ基を例示できる。その中でも、炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基であるメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ基等が好ましい。
一般式(3)において、R11は、炭素数1〜3のアルキル基を示す。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル等の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を例示できる。A-で示されるハロゲンアニオンとしては、F-、Cl-、Br-、I-等を例示できる。
好ましいアセチレン系化合物としては、(イ)一般式(1)で表される化合物のR1、R4
、R5及びR8が水素原子であり、R2、R3、R6及びR7が低級アルコキシ基である化合物;(ロ) R1、R4、R6及びR7が水素原子であり、R2、R3、R5及びR8が低級アルコキシ基である化
合物;(ハ)R2、R3、R5及びR8が水素原子であり、R1、R4、R6及びR7が低級アルコキシ基である化合物;(ニ)R2、R3、R6及びR7が水素原子であり、R1、R4、R5及びR8が低級アルコキシ基である化合物等を例示できる。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 0004627158
Figure 0004627158
一般式(1)又は(2)で表される本発明の化合物は、例えば、以下のようにして合成することができる。ここでは、R9が置換基を有していてもよいフェニル基である場合の合成方法について、代表して述べる。
第1工程
出発物質としては、Y. Iwase, K. Kamada, K. Ohta, K. Kondo, J. Mater. Chem. 2003, 13, 1575-1581.のp.1576に記載された方法、又はこれに類似する方法により得られる、以下に示す一般式(7)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0004627158
(式中、R1〜R4は上記した通りであり、Z1はハロゲン原子(F、Cl、Br又はI)を示す。)
第1工程では、上記一般式(7)で表される化合物と下記一般式(8)
Figure 0004627158
(式中、R9は、上記した通りである。)で表される芳香族アルデヒド化合物を反応させて、下記一般式(9)
Figure 0004627158
(式中、R1〜R4、R9及びZ1は、上記した通りである。)で表されるアルケンを得る。
ここで使用される芳香族アルデヒド化合物の具体例としては、ベンズアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、p-トルアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-N,N-ジC1-4アルキルアミノベンズアルデヒド、4- C1-4アルコキシベンズアルデヒド、4-メチルチ
オベンズアルデヒド、1-ナフトアルデヒド、2-ナフトアルデヒド、9-アントラアルデヒド等が挙げられる。
第一工程において、一般式(7)で表される化合物と一般式(8)で表されるアルデヒド化合物を反応させる条件は限定されず、一般に用いられる方法で行うことができる。例えば、Wittig反応により行うことができる。
Wittig反応を行う際の反応条件としては、一般式(9)で表されるアルケンが合成され
れば限定されない。例えば、溶媒中で、Wittig反応試薬として、R'ONa, R'OK(R'はアル
キル基)等で表される金属アルコキシド(例えば、t-C4H9OK等)、n-C4H9Li, C6H5Li等のアルキルリチウム等の強塩基化合物の存在下に、一般式(7)で表される化合物と一般式
(8)で表されるアルデヒド化合物を反応させればよい。
溶媒としては、上記試薬と反応を起こさない極性溶媒であれば限定されず、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類を用いることができる。
一般式(8)で表される化合物及び強塩基化合物は、一般式(7)で表される化合物1モ
ルに対して各々1〜3モル程度、好ましくは各々1モル程度を使用することが好ましい。反
応温度は、−20℃程度から溶媒の沸点付近までが好ましく、−20〜50℃程度の温度がより
好ましい。反応時間としては、0.1〜24時間程度が挙げられ、好ましくは2〜6時間程度で
ある。
このようにして、一般式(9)で表されるアルケンが得られる。このアルケンは、シリ
カカラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の分離手段により単離及び精製することができ、次の工程に用いることができる。
第2工程
第2工程では、上記第1工程で得られた一般式(9)で表されるアルケンに、三重結合を
導入(エチニル化)することにより下記一般式(10)
Figure 0004627158
(式中、R1〜R4及びR9は上記した通りであり、Ra、Rb及びRcは、同一又は相異なって、炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表される化合物を得る。
ここで使用する三重結合を有する化合物としては、トリC1-3アルキルシリルアセチレンを使用するのが好ましい。その中でも、トリメチルシリルアセチレン(HCCSi(CH3)3)が
より好ましい。
一般式(9)で表される化合物とトリC1-3アルキルシリルアセチレンとを反応させる条
件は、一般式(9)で表される化合物に三重結合が導入(エチニル化)されれば限定され
ず、一般に用いられる方法で行うことができる。例えば、Sonogashira反応を用いること
ができる。
より具体的には、例えば、溶媒中で、一般式(9)で表される化合物とトリC1-3アルキ
ルシリルアセチレンとを、Pd(Ph)3P、Pd(Ph3P)3PdCl2、Pd(OAc)2(PPh3)2等の0価または2
価のパラジウム触媒、及び、必要に応じて(Ph)3P、Cu(I)I等の助触媒の存在下に反応させる。
好ましい溶媒としては、(イ)ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン系溶媒と(ロ)THF、エーテル、ベンゼン等の溶媒との混合物を使用することができる。これらの
混合比はSonogashira反応が進行する限り限定されないが、例えば、溶媒(イ)100容量部に対して、溶媒(ロ)を 0〜500容量部程度、好ましくは50〜150 容量部程度とすればよい。
トリC1-3アルキルシリルアセチレンは、一般式(9)で表される化合物1モルに対して、0.8〜5モル程度、好ましくは1〜1.5モル程度使用することができる。また、パラジウム触媒及び助触媒は、一般式(9)で表される化合物1モルに対して、0.01〜1モル程度、好ま
しくは0.02〜0.3モル程度使用することができる。
反応温度は、−20℃程度〜溶媒の沸点付近までが好ましく、20〜50℃程度の温度がより好ましい。反応時間としては、1〜24時間程度が挙げられ、好ましくは3〜6時間程度であ
る。
このようにして、一般式(10)で表される化合物を得ることができる。この化合物は、シリカカラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の分離手段により単離及び精製することができ、次の工程に用いることができる。
第3工程
第3工程では、上で得られた一般式(10)で表される化合物を、溶媒中で塩基性化合物
で処理することにより、トリC1-3アルキルシリル基を脱離させ、下記一般式(11)で表される化合物を得ることができる。
Figure 0004627158
(式中、R1〜R4及びR9は、上記した通りである。)
塩基性化合物としては、強塩基性化合物が好ましく、例えば、R''ONa, R''OK(R''はアルキル基又は水素)等で表される化合物を好適に使用することができる。その中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属化合物がより好ましい。
溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒であれば限定されず、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族化合物;テトラヒドロフラン等のエーテル類;メタノール、エタノール等のアルコール類を使用することができる。
塩基化合物は、一般式(10)で表される化合物1モルに対して、0.1〜3モル程度、好ましくは1モル程度使用すればよい。反応温度は、−20℃程度〜溶媒の沸点付近までとすれ
ばよく、20〜70℃程度がより好ましい。反応時間は、1〜24時間程度とすればよく、3〜6
時間程度がより好ましい。
このようにして、一般式(11)で表される化合物を得ることができる。得られた化合物は、例えば、シリカカラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の分離手段により単離及び精製することができ、次の工程に用いることができる。
なお、この第2工程、第3工程と第6工程を繰り返し行うことにより、一般式(1)で表
される化合物の三重結合の数(n)を増加させて一般式(1)のn=3, 4の化合物を合成することができる。
第4工程
上記一般式(8)で表される化合物を、R12がピリジル基のアルデヒドを用いる以外は上記第1工程と同様にして、下記一般式(12)で表される化合物を得ることができる。
Figure 0004627158
(R5、R6、R7及びR8は上記した通りであり、Z2はハロゲン(F、Cl、Br又はI)を示す。)
第5工程
第5工程では、第2工程及び第3工程と同様にして、一般式(12)で表される化合物に三
重結合を導入(エチニル化)し、下記一般式(13)
Figure 0004627158
(R5、R6、R7及びR8は上記した通りである。)で表される化合物を得る。
第6工程
第6工程では、上記一般式(13)のアセチレン化合物のエチニル基の水素を、NaOX(Xはハロゲン原子を示す。)を用いてハロゲン化し、下記一般式(14)
Figure 0004627158
(R5、R6、R7及びR8は上記した通りである。)で表される化合物を得る。
第6工程では、まず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、t-BuOK等の強塩基化合物と
ハロゲンとを反応させることにより、NaOXを得ることができる。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を使用することができるが、その中でも、臭素、ヨウ素が好ましい。
この反応は、例えば、室温下で、水を溶媒として使用し、強塩基化合物を、ハロゲン1
モルに対して0.8〜3モル程度、好ましくは1モル程度の比率で反応させることにより得る
ことができる。
次いで、一般式(13)で表される化合物を、溶媒中でNaOXと反応させることにより、一般式(14)で表される化合物を得る。
溶媒としては、(ハ)水と、(ニ)ジオキサン、THF等のこの反応に影響を及ぼさない
水に可溶な溶媒との混合物を使用することができる。溶媒(ハ)と(ニ)との混合比は限定されないが、例えば、溶媒(ハ)100容量部に対して、溶媒(ニ)を0〜500容量部程度
、好ましくは50〜150容量部程度とすればよい。
NaOXは、一般式(13)で表される化合物1モルに対して、1〜10モル程度、好ましくは1モル程度使用すればよい。反応温度は、−40〜10℃程度とすればよく、5〜7℃程度がより好ましい。反応時間は、0.5〜10時間程度とすればよく、1〜3時間程度がより好ましい。
このようにして、一般式(14)で表される化合物を得ることができる。この化合物は、
不安定なので、そのまま次の工程に使用するのが好ましい。
また、ここで得られた一般式(14)で表される化合物を、第2工程、第3工程及び第6工
程をこの順に、必要に応じた回数経ることによって、一般式(1)で表される化合物の三
重結合の数(n)を増加させることができる。
第7工程
第7工程では、上で得られた一般式(11)で表される化合物と一般式(14)で表される
化合物とを反応させることにより、目的化合物である一般式(1)で表される化合物を得
る。
反応条件は、一般式(11)で表される化合物と一般式(14)で表される化合物のアセチレン基同士が結合して、目的化合物である一般式(1)で表される化合物が得られれば限
定されず、一般に用いられる方法で行うことができる。例えば、Chadiot-Chodkiewicz カップリング反応(例えば、新実験化学講座14,有機化合物の合成と反応(I)のp.342-345の「Chadiot-Chodkwicsカップリング反応」等参照。)により行うことができる。
溶媒としては、(ホ)エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン系溶媒と、(ヘ)THF、エーテル化合物、ベンゼン等の反応に影響を及ぼさない溶媒との混
合溶媒を使用するのが好ましい。溶媒(ホ)と溶媒(ヘ)との混合比は限定されないが、例えば、溶媒(ホ)100重量部に対して、溶媒(ヘ)を10〜500容量部程度、好ましくは100〜200容量部程度とすればよい。
一般式(14)で表される化合物は、一般式(11)で表される化合物1モルに対して、1.0〜1.5モル程度、好ましくは1モル程度使用するのが好ましい。触媒としては、Cu(I)Cl、Cu(I)I等の1価の銅触媒を使用することが好ましい。触媒の使用量は、一般式(14)で表される化合物1モルに対して、0.01〜1モル程度の範囲が好ましく、0.1〜1モル程度がより好ましい。
反応温度はとしては、−20℃〜溶媒の沸点付近までとすればよく、20〜50℃程度がより好ましい。反応時間は1分間〜3時間程度とすればよく、30分間〜2時間程度がより好まし
い。
このようにして、目的化合物である一般式(1)で表される化合物(R9及びR10のどちらか一方が一般式(2)で表される基(ピリジル基)の化合物)を得ることができる。得ら
れた化合物は、シリカカラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の分離手段により単離及び精製することができる。また、NMR、元素分析等の通常の確認手段により確認するこ
とができる。
R9及びR10のどちらか一方が一般式(3)で表される基(ピリジニウム基)である化合物を得る場合には、必要に応じて、一般式(1)で表される化合物(R9及びR10のどちらか一方が一般式(2)で表される基(ピリジル基)の化合物)を次の工程(第8工程)に用いればよい。
なお、ここでは、一般式(11)で表される化合物と一般式(14)で表される化合物とを反応させる場合に、一般式(14)で表される化合物のアセチレン基がハロゲン化されているが、本発明では、これとは逆に、一般式(11)で表される化合物のアセチレン基をハロゲン化して反応させてもよい。
また、一般式(1)において、n=1の化合物は、上記一般式(9)で表される化合物と上
記一般式(11)で表される化合物とを用いてSonogashira反応を行うことにより得ること
ができる。反応条件は工程2と同じ条件を使用することができる。
第8工程
第8工程では、上記第7工程で得られた一般式(1)で表される化合物と、一般式R11Aで
表される塩、又はHAで表される酸とR11-OHで表される塩基との組み合わせとを反応させることにより、一般式(1)で表される本発明の目的化合物(ここでは、R9及びR10のどちらか一方が一般式(3)で表される基(ピリジニウム基)である化合物)を得ることができ
る。
R11は、上記した通り、炭素数1〜3のアルキル基であり、Aも、上記した通り、RSO3 -
式中、Rは、CF3、フェニル、トリル又は炭素数1〜3のアルキル基である)、ハロゲンアニオン、テトラフェニルホウ素陰イオン(Ph4B-)又はClO4 -である。
反応条件は限定されず、通常、ピリジル基の四級塩化を行うことができる条件で行えばよい。例えば、酸R11Aは、一般式(1)で表される化合物1モルに対して、1〜1.2モル程度、好ましくは1モル程度使用することができる。反応温度は0〜80℃程度が例示でき、好ましくは20〜60℃程度である。反応時間は、0.1〜24時間程度とすればよく、好ましくは1〜3時間程度である。
本工程において使用できる溶媒としては、一般式(1)で表される化合物の酸R11Aによ
る四級塩化を阻害しない溶媒であれば限定されず、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ヘキサン等の脂肪族炭化水素等が使用できる。
このようにして、本発明の目的化合物の1種である一般式(1)で表される化合物のうち、R9及びR10のいずれか一方がピリジニウム塩基である化合物が得られる。得られた化合
物は、通常の分離手段、例えば、シリカカラムクロマトグラフィー、再結晶等により単離及び精製することができる。また、NMR、元素分析等の通常の確認手段により確認するこ
とができる。
本発明の二光子吸収材料の使用
本発明のアセチレン系化合物は、前述の公知の二光子吸収材料において使用されている化合物と同様に、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶解した状態で使用しても良く、或いはポリメタクリルメチルなどのポリマー中にドープして使用しても良く、或いは化合物そのものを単独で使用しても良い。
溶媒、濃度、二光子吸光係数の測定条件などについては、実施例1において詳述するが
、下記の表1から明らかな様に、一般式(1)で表される本発明のアセチレン系化合物は、広い波長域において、大きな二光子吸収断面積が得られる。
また、本発明で得られる一般式(1)で表される化合物は、幅広い溶媒に溶解すること
ができる。特許文献2に記載の化合物に比べてその溶解度は向上しており、特に、ハロゲ
ン系溶媒への溶解度が高い。
さらに、その蛍光収率は、0〜10%程度、好ましくは0〜0.5%程度である。吸収したエネ
ルギーの90〜100%程度、好ましくは99.5〜100%程度が熱へと変換される高い熱変換効率を持つ。
本発明の化合物は、線形吸収、即ち一光子吸収の場合の励起波長と比較して長波長の光
を吸収して二光子吸収による励起を生じる。従って、該化合物に対して、線形吸収波長よりも長波長の光を照射することによって、二光子吸収による励起を生じさせることができ、その励起現象を使用して、二光子吸収材料、その応用材料及び該材料を用いた装置等、各種の用途に有効に利用できる。
例えば、一般式(1)で示される本発明化合物は、上記した特性を利用して、光制限装
置における光制限材料、光造型用光硬化樹脂の硬化材料、三次元光メモリ材料などとして有効に利用できる。その他、本発明化合物は、本発明化合物の励起により生じる熱等を利用したフォトダイナミックセラピーにも有効に利用できる。
以下、本発明による二光子吸収材料を用いる各種装置につき、説明する。但し、本発明による二光子吸収材料の使用は、これらの装置に限定されるものではなく、その他の種々の装置においても、優れた効果を発揮することはいうまでもない。また、説明を簡略化するために、図示の装置においては、主要な構成要素のみを示しているが、実用的な装置においては、その他の公知の構成要素(図示せず)を使用する。
図1は、本発明による二光子吸収材料を光制限材料として用いる光制限装置の一例の概
要を示す模式図である。当該装置は、集光装置とコリメート装置との間に光制限材料が配置される。
外部から(図1において、左側から)入射してきたレーザービームは、集光装置1(レンズ、凹面鏡など)により集光され、光制限材料2中で極めて高い光強度となり、二光子吸収を誘起して、吸収される。これに対し、通常光などの弱い光は、光制限材料中で二光子吸収を誘起することなく、そのままこれを通過し、コリメート装置3(レンズ、凹面鏡な
ど)により、当初の光路に戻されて、装置を出射する。従って、この光制限装置においては、強度の強い光のみが装置により遮断されるので、出射側にある光検出器或いは観察者の肉眼がレーザービームから保護される。
図2は、本発明による本発明化合物を硬化材料として用いる光造型装置の一例の概要を
示す模式図である。該光造型装置は、パルスレーザー発生装置、パルスレーザー集光装置、光硬化性モノマー収容装置、及び光硬化性モノマー中の所定の集光位置をレーザービームで走査するための機構を備えており、本発明の硬化材料が光硬化性モノマー中に含まれる。
レーザービームは、パルスレーザー発生装置4からミラー8を経て、パルスレーザー集光装置5(顕微鏡の対物レンズなど)により集光され、硬化材料を含む光硬化性モノマー6中で焦点を結び、高い光強度となり、二光子吸収を誘起する。この二光子吸収により、反応中間体が生成され、共存するモノマーが重合して、焦点近傍のみにポリマーが形成される。その結果、任意の形状の三次元構造物を造型することができる。レーザービームの微細制御を行う場合には、微小な三次元構造物を造型することもできる。
この光造形装置は、所定の集光位置をレーザービームで走査するための機構を備えており、モノマー中でのレーザービーム焦点の移動は、光硬化性モノマー6を支持するステージ7を可動形式とする場合には、ミラー8を固定形式とし、ステージ7を固定形式とする場合には、ミラー8を可動形式(ガルバノミラーなど)とすることなどにより行うことができる。
図3は、本発明化合物の二光子吸収後に生じる屈折率変化又は局所的破壊を利用する三
次元光メモリ装置の一例の概要を示す模式図である。この光メモリ装置では、一般式(1
)で示される化合物及び一般式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくと
も一種の化合物を光メモリ材料として用いることができる。
当該装置は、パルスレーザー発生装置、パルスレーザー集光装置、本発明の三次元光メモリ材料、該メモリ材料の所定の集光位置をレーザービームで走査するための機構及び光学的読出し装置、光メモリ材料中の屈折率変化又は局所的破壊を検出する装置を備えた三次元メモリ装置である。
図3の装置では、パルスレーザー発生装置4からの光をダイクロイックミラー10を経て、パルスレーザー集光装置5により集光して、三次元光メモリ材料9中で所望の箇所に焦点を結ばせる。焦点近傍では、二光子吸収後に生じる反応又は熱による変性によって二光子吸収材料に屈折率変化又は局所的な破壊、例えば、穴が空いたり、表面が焼き飛んだり、内部に空洞が形成されたりする物質の変化(いわゆるアブレーション)による破壊が生じる。この様に制御された集光操作を繰り返し行うことにより、任意の箇所に三次元的に屈折率の異なる部分又は光学的損傷を形成することができる。かくして、情報の三次元的記録が可能となる。
情報の読出しは、例えば、共焦点光学顕微鏡13を利用して、光メモリ材料9中の屈折率変化又は局所的破壊を検出することによって行うことができる。例えば、検出用光源14からの光を集光装置(レンズなど)15により集光して、光メモリ材料9中に屈折率変化とし
て記録されている部分を照射する。照射された光は、集光装置(レンズなど)5及び集光
装置(レンズなど)16を経てアパーチャー17を通過した後、集光装置(レンズなど)18で集光されて、光検出器11で検出される。記録位置での屈折率変化は、光検出器11において、光量の変化として検出することができる。
この方法では、光メモリ材料9中の焦点に対応する焦点(共焦点)位置にアパーチャー17を設置することで、深さ方向の位置分解能が生じ、三次元的な記録の読み出しが可能と
なる。例えば、ステージ7を移動するか、アパーチャー17の位置を移動することにより、
水平方向二次元的にスキャンして水平方向の記録の読み出しが可能となる。また、ステージ7を深さ方向に移動させることにより、深さ方向の読み出しが可能となる。
本発明の新規化合物は、巨大な二光子吸収断面積を有しているので、低濃度で高い二光子吸収特性を発揮する。従って、本発明によれば、高感度な二光子吸収材料が得られるだけでなく、材料に照射する光の強度を強くする必要がなくなり、材料の劣化乃至破壊を抑制することができ、材料中の他成分の特性に対する悪影響も低下させることができる。
また、本発明の新規化合物は、低い蛍光収率に基づく高い熱変換特性を有するので、焦点付近の極限られた領域に高温を発生させる事ができる。この熱により変性を生じさせる事で屈折率変化やアブレーションを効率良く生じさせる事ができ、低い光強度で光記録が可能となる他、同様にフォトダイナミックセラピーにおいても高効率に熱が発生する事から低い光強度でも目的となる癌細胞等の破壊が可能となる。
さらに、本発明の新規化合物は、幅広い溶媒に溶解することができるので、広い用途において使用することができる。
以下、実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1
窒素雰囲気下、50℃で t-ブタノール(120ml)にt-ブトキシカリウム(6.60 g, 58.9 mmol)を溶解した。次に、下記式(15)
Figure 0004627158
で表される化合物:1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-(ジエトキシホスホリルメチレン)ベンゼン(Y. Iwase, K. Kamada, K. Ohta, K. Kondo, J. Mater. Chem. 2003, 13, 1575-1581)(11.5 g, 31.3 mmol)を加え、4-(N,N-ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド (6.66 g, 37.6 mmol)/t -ブタノール(100 ml)を滴下した。
滴下後、50℃で2時間加熱還流し、反応溶液を減圧留去して黄色粉末を得た。これに水
を加え、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を無水MgSO4で乾燥させ、ろ紙にてろ別し
た後、ろ液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー法を用いて精製した(展
開溶媒;クロロホルム)。次いで、ヘキサンで再結晶を行い、下記式(16)
Figure 0004627158
で表される黄緑針状結晶の化合物:1-ブロモ-2,5-ジメトキシ-4-[2-(4-N,N-ジエチルアミノフェニル)エテニル]ベンゼンを得た(収量6.56g、収率53.7%)。
合成例2
合成例1で得られた式(16)で表される化合物(11.3g, 29.0mmol)を、ジエチルアミン(100 ml)とTHF(100 ml)との混合溶媒に溶かし、そこに窒素ガスを通した。次いで、トリメ
チルシリルアセチレン(4.27 g, 43.5 mmol)、トリフェニルホスフィン(0.51 g, 1.94 mmol)、ヨウ化銅(0.37 g, 1.94 mmol)、(Ph3P)2 PdCl2触媒(0.68 g, 0.97 mmol)をこの順に
加えて、50℃で20時間加熱環流した。ろ紙によりろ過した後、ろ液を減圧留去し、茶色固体を得た。
これに水を加え、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を無水MgSO4で乾燥後、ろ紙に
よりろ別した後、ろ液を減圧留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー法を用いて精製し(展開溶媒;ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)、下記式(17)
Figure 0004627158
で表される黄だいだい色の化合物:1-(2-トリメチルシリル-1-エチニル)-2,5-ジメトキシ
-4-[2-(4-N,N-ジエチルアミノフェニル)エテニル]ベンゼンを得た(収量10.0 g、収率84.7%)。この化合物は溶媒に対して親和性が強いので、構造解析は行わず、そのまま次の反応に用いた。
合成例3
合成例2で得られた式(17)で表される化合物(2.50 g, 6.13 mmol)を、メタノール(100
ml) とTHF(100 ml)との混合溶媒に溶解して窒素ガスを通した。次いで、85% KOH(0.59 g, 9.20 mmol)/H2O(30 ml)を滴下した後、80℃で2時間加熱還流し、ろ紙によるろ過により塩を除去した後、減圧留去し、だいだい色の固体を得た。
これをジクロロメタンに溶解して、水で洗浄し、水層はジクロロメタンで再抽出した。有機層を無水MgSO4で乾燥後、ろ紙でろ過し、ろ液を減圧留去した。これをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー法を用いて精製し(展開溶媒;ジクロロメタン:ヘキサン=3:2)、赤褐色の粉末を得た。
さらに再結晶(エタノール;200 ml)し、下記式(18)
Figure 0004627158
で表される橙色の化合物:1-エチニル-2,5-ジメトキシ-4-[2-(4-N,N-ジエチルアミノフェニル)エテニル]ベンゼンを得た(収量1.65 g、収率80.2 %)。
合成例4
NaOH(2.38 g, 59.6 mmol)にH2O(50ml)とTHF(50ml)を加え、氷水で0℃まで冷やし、Br2(2.38 g, 14.9 mmol)を滴下した。さらに、下記式(19)
Figure 0004627158
で表される化合物:1-エチニル-2,5-ジメトキシ-4-[4-ピリジルエテニル]ベンゼン(Y. Iwase, K. Kamada, K. Ohta, K. Kondo, J. Mater. Chem. 2003, 13, 1575-1581)(0.79 g, 2.98 mmol)/THF(50 ml)を滴下し、0℃で6時間撹拌した。
反応後、氷水(650 ml)に注ぎ、減圧ろ過により、下記式(20)
Figure 0004627158
で表される黄色の化合物:1-(2-ブロモ-1-エチニル)-2,5-ジメトキシ-4-[2-(4-ピリジル
ル)エテニル]ベンゼンを回収し、すぐに冷凍庫で保管した。この化合物は室温にて容易に分解するので、精製等は行わずそのまま次の反応に使用した(収量0.82 g、収率79.9 %)。
合成例5
窒素雰囲気下で、エチルアミン(40 ml)に97%塩化ヒドロキシルアンモニウム(12.5 mg, 0.18 mmol)を加え、ヨウ化銅(5.90 mg, 0.06 mmol)を加えた。その後、反応溶液に、一般式(20)で表される化合物(0.20 g, 0.60 mmol)/ THF(20 ml)、式(18)で表されるで表
される化合物(0.21 g, 0.60 mmol)/THF(20 ml)の順で滴下し、その後1時間撹拌した。
1時間後、反応溶液を減圧留去し、酢酸(20ml)、次に飽和Na2CO3水溶液(600ml)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和Na2CO3水溶液、水で洗浄した後、無水MgSO4で乾
燥後し、ろ紙でろ過した後、ろ液を減圧留去した。それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー法を用いて精製し(展開溶媒;ジクロロメタン:アセトン =9:1)、赤褐色粉末を得
た。さらに再結晶(エタノール:クロロホルム=1:1=40ml)し、本発明の目的化合物の一つである一般式(5)で表される赤色粉末:1-[2,5-ジメトキシ-4[2-(4-N,N-ジエチルアミノフェニル)エテニル]-4-[2,5-ジメトキシ-4-[2-(4-ピリジルル)エテニル]]ブタジインを得た(収量0.165 g、収率46.0 %)。以下に本化合物のNMRによる結果を示す。
1HNMR (400MHz, DMSO, ppm):δ8.55 (d,2H, pyridyl), 7.58-7.08 (m, 12H, etheny
l, pyridyl, phenyl), 6.71 (d, 2H, phenyl), 3.93 (s, 3H, methoxy), 3.92 (s, 3H, methoxy), 3.84 (s, 3H, methoxy), 3.79 (s, 3H, methoxy), 3.38 (q, 4H, -N-CH:δ155.7, 155.3, 150.8, 149.9, 149.6, 147.4, 144.0, 131.3, 130.0, 128.2, 127.
5, 127.4, 126.6, 124.1, 120.3, 116.6, 116.4, 111.5, 110.6, 110.2, 108.7, 107.7 (styrylpyrydyl), 80.4, 79.4, 78.6, 77.6 (C≡C), 56.2, 56.1(-OC
H3), 43.2(-N-CH2-CH3), 12.0 (-N-CH2-CH3).。
合成例6
氷浴下で0℃以下に冷却したジクロロメタン(ml)に、一般式(5)で表される1-[2,5-ジ
メトキシ-4[2-(4-N,N-ジエチルアミノフェニル)エテニル]-4-[2,5-ジメトキシ-4-[2-(4-
ピリジルル)エテニル]]ブタジイン(335 mg, 0.56mmol)を加え、次いでCF3SO3CH3 (1.84 g, 11.2 mmol)を加えて1時間冷却撹拌した。
1時間後、オレンジから赤色に変色した溶液を減圧留去し、メタノール:水=3:2(200ml)
の混合溶媒再結法によって、本発明の目的化合物の一つである、式(6)で表される赤色
粉末の化合物:1-[2,5-ジメトキシ-4[2-(4-N,N-ジエチルアミノフェニル)エテニル]-4-(2,5-ジメトキシ-4-[2-[4-(N-メチル)ピリジン-1-イウミル]エテニル]フェニル)ブタジイントリフレートを得た(収量0.12 g、収率28.1 %)。以下に本化合物のNMRによる結果を示
す。
1HNMR(400MHz, DMSO, ppm):δ8.83 (d,2H, pyridyl), 8.21 (d, 2H, pyridyl), 8.02
(d, 1H, ethenyl), 7.65 (d, 1H, ethenyl), 7.45 (s, 1H, phenyl), 7.38 (d, 2H, phenyl), 7.30 (s, 1H, phenyl), 7.29 (s, 1H, phenyl), 7.29 (d, 1H, ethenyl), 7.12 (s, 1H, phenyl), 7.10 (d, 1H, ethenyl), 6.66 (d, 2H, phenyl), 4.24 (s, 3H, methyl), 3.91 (s, 6H, methoxy), 3.89 (s, 6H, methoxy,), 3.81 (q, 4H, -N-CH2-CH3), 1.09 (t, 6H, -N-CH2-CH3). 13CNMR(100MHz, DMSO, ppm):δ155.8, 155.2, 152.3, 151.7, 149.8, 147.4, 144.9, 134.2, 134.1, 131.5, 130.1, 127.8, 125.9, 125.3, 123.5, 116.7,
116.2, 112.6, 111.4, 110.7, 108.2, 107.3(styrylpyrydyl), 81.4, 79.8, 79.3, 77.6
(C≡C), 56.3, 56.1(-OCH3), 46.7(Py-CH3), 43.4(-N-CH2-CH3),12.2 (-N-CH2-CH3). Elemental Anal. Calcd for C41H41F3N2O7S1N2: C, 64.55; H, 5.42; N, 3.67; F, 7.47 Found: C, 64.40; H, 5.31; N, 3.57 ; F, 7.44 %.
実施例1
二光子吸収断面積の評価方法
本発明の化合物の二光子吸収断面積の評価は文献I(M. Sheik-Bahae, A. A. Said, T.-H. Wei, D. J. Hagan, E. W. van Stryland, IEEE J. Quant. Electron. 26 (1990) 760.)に記載のオープンアパーチャー型Zスキャン法を参考に行った。
二光子吸収断面積測定用の光源には、Ti:サファイアパルスレーザー及びそのレーザー
により励起される光パラメトリック発振器レーザーを用いた。光源となるパルスのパルス幅は110〜130フェムト秒で、パルスの繰り返し周波数は10Hzであり、平均パワーは0.1〜1.4mWであった。波長範囲は650〜960nmで測定を行った。
測定は、文献Iに記載のあるように、光源からのパルスレーザービームをレンズで集光
し、そのレーザービームの進行方向(Z軸)に被測定試料をスキャンして、Z軸上の各試料位置において透過率を測定した。得られた各試料位置に対する透過率の曲線、入射平均パワー、入射波長、入射パルス幅、試料濃度、試料厚み等から文献II(K. Kamada, K. Ohta. K. Iwase, and K. Kondo, Chem. Phys. Lett., 372, 386-393 (2003))に記載の方法により二光子吸収断面積を得た。
二光子吸収断面積の測定例
式(6)で表される化合物を、分光測定グレードのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶
解させたものを試料として、上記の二光子吸収評価法により二光子吸収断面積を測定した。試料溶液の濃度は0.4〜2.0mMであった。各測定波長で得られた二光子吸収断面積を下記の表に示す。
Figure 0004627158
上記の表で二光子吸収断面積の単位は10-50 cm4・s・molecule-1・photon-1である。このように広い波長域において10-47 cm4・s・molecule-1・photon-1を越え、最大値は2.99×10-47 cm4・s・molecule-1・photon-1となり、特許文献1に記載されたような従来の材
料をはるかに越える良好な特性が得られた。
実施例2
式(6)で表される本発明の非対称系アセチレン系化合物と、下記式(21)
Figure 0004627158
で表される対称系アセチレン系化合物(特許文献2記載のMPPBT)との溶解性を確認した。
それぞれの化合物について、約1 mMの溶液を作成し(サンプルを約0.5 mg秤量し、0.5mlの溶媒に入れて、溶液に色がついたかどうかで判定している)、完全に溶解した場合は
「◎」、一部溶解し粉末の減少が明らかな場合は「○」、粉末の減少が明らかではないが溶液にかすかに色がつく程度は「△」、溶液に全くまったく色がつかない場合は「×」とした。結果を以下の表2に示す。
Figure 0004627158
以上の結果より、式(6)で表される本発明化合物の溶解性は、MPPBTに比して、特にクロロホルム系の溶媒において優れた溶解性を示し、また、より幅広い溶媒において良好な溶解性を示すことがわかる。
実施例3
式(6)で表される化合物を、分光測定グレードのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶
解させたものを試料として、丸善刊「新実験化学講座4基礎技術3光 (II)(日本化学会
編)」530ページに記載の方法により、キニン硫酸塩の0.5 M硫酸水位溶液を標準試料として蛍光収率を測定した。試料溶液の式(6)で表される化合物の濃度は2.0μMであり、キ
ニン硫酸塩の濃度は 0.52μMであった。この濃度で吸光度を島津製作所製 UV-3500分光吸
光光度計を用いて測定したところ、両者の 365 nmおける吸光度は 0.04から 0.05の範囲
であった。蛍光スペクトルの測定にはスペクトルの補正を行った日立製作所製分光蛍光光度計 F-4500を用い、未知試料(式 (6)の化合物)と標準試料の測定を通じて、測定条件
は固定し、励起波長は 365 nm、励起スリット幅は 2.0 nm、走査速度は 240 nm/ minで
あった。それぞれの試料について得られた蛍光スペクトルの面積(積分強度)、励起波長(365 nm)での吸光度、屈折率、そして 365 nm励起におけるキニン硫酸塩の蛍光収率 0.546から上記文献に記載の方法により、式(6)で表される化合物の蛍光収率は 5.1×10-4と得られた。また、実施例1における二光子吸収特性の測定の前後において、化合物の分解は認められず、式 (6) で表される化合物を溶媒中等で単独で用いた場合、吸収された光の
エネルギーは蛍光に転化する分以外は全て最終的に熱に変換されたと考えられ、その熱変換効率は、99.9%以上と得られた。
本発明による光制限装置の概要を示す模式図である。 本発明による二光子吸収光造型装置の概要を示す模式図である。 二光子吸収材料の屈折率変化を利用する三次元メモリ装置の概要を示す模式図である。
符号の説明
1 集光装置
2 光制限材料
3 コリメート装置
4 パルスレーザー発生装置
5 集光装置
6 光硬化性モノマー
7 可動または固定ステージ
8 固定または可動ミラー
9 三次元光メモリ材料
10 ダイクロイックミラー
11 光検出器
13 共焦点光学顕微鏡
14 検出用光源
15 集光装置
16 集光装置
17 アパーチャー
18 集光装置

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される非対称アセチレン系化合物;
    Figure 0004627158
    (式中、R1〜R8は、それぞれ同一又は相異なって、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基
    又は炭素数1〜12のアルコキシ基を示し、nは1〜4の整数を示す。R9及びR10のいずれか一
    方が、下記一般式(2)又は下記一般式(3)
    Figure 0004627158
    Figure 0004627158
    (式中、R11は、炭素数1〜3のアルキル基であり、A-は、RSO3 -(式中、Rは、CF3、フェニル、トリル又は炭素数1〜3のアルキル基である。)、ハロゲンアニオン、テトラフェニルホウ素陰イオン(Ph4B-)又はClO4 -である。)で表される基であり、他方が、下記一般式(4)
    Figure 0004627158
    (式中、R12は、水素原子、ニトロ基、メチル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコ
    キシ基、SCH3又はN(R13)(R14)(R13又はR14は、同一又は相異なって、水素原子又は
    炭素数1〜4のアルキル基である。)である。)で表される基である。)。
  2. 一般式(1)において、
    (イ)R1、R4、R5及びR8が水素原子であり、R2、R3、R6及びR7が低級アルコキシ基;
    (ロ)R1、R4、R6及びR7が水素原子であり、R2、R3、R5及びR8が低級アルコキシ基;
    (ハ)R2、R3、R5及びR8が水素原子であり、R1、R4、R6及びR7が低級アルコキシ基;又は、
    (ニ)R2、R3、R6及びR7が水素原子であり、R1、R4、R5及びR8が低級アルコキシ基;である請求項1に記載の非対称アセチレン系化合物。
  3. 請求項1又は2に記載の化合物からなる二光子吸収材料。
  4. 請求項1又は2に記載の化合物を含む光制限材料。
  5. 請求項1又は2に記載の化合物を含む光造型用光硬化樹脂の硬化材料。
  6. 請求項1又は2に記載の化合物を含む三次元光メモリ材料。
  7. 集光装置とコリメート装置との間に、請求項4記載の光制限材料を配置した光制限装置
  8. パルスレーザー発生装置、パルスレーザー集光装置、光硬化性モノマー収容装置、及び光硬化性モノマー中の所定の集光位置をレーザービームで走査するための機構を備えた二光子吸収光造型装置であって、請求項5記載の硬化材料が光硬化性モノマー中に含まれて
    いることを特徴とする光造型装置。
  9. パルスレーザー発生装置、パルスレーザー集光装置、請求項6記載の三次元光メモリ材
    料、該メモリ材料の所定の集光位置をレーザービームで走査するための機構及び光学的読出し装置を備えた三次元光メモリ装置であって、光メモリ材料中の屈折率変化又は局所的破壊を検出する装置を備えた三次元メモリ装置。
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