JP4626166B2 - 球帯状シール体 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車排気管の球面管継手に使用される球帯状シール体に関する。
特開昭54−76759号公報 特許第3139179号公報 特開平10−9396号公報 特開平10−9397号公報 特開平10−220584号公報 特開平10−220585号公報 特開平10−231934号公報
従来の自動車用排気管の球面管継手に使用される球帯状シール体は、耐熱性を有し、相手材とのなじみ性に優れ、また衝撃強度も著しく改善されているという反面、乾燥摩擦条件下の摩擦においては往々にして異常摩擦音を発生するという欠点がある(特許文献1所載)。このシール体の欠点は、該シール体を形成する耐熱材料(膨張黒鉛など)の静止摩擦係数と動摩擦係数との差が大きいこと及びこの耐熱材料から成るシール体がすべり速度に対して負性抵抗を示すこと等に起因するものと考えられる。
そこで、本出願人は上述した欠点を解消するべく、相手材との摺動において、異常摩擦音を発生させることなくシール性に優れた、シール体に要求される性能を満足させたシール体を提案した(特許文献2所載)。
しかしながら、上記の提案のシール体においても、近年の自動車エンジンの性能向上等に起因する新たな問題点が提起された。すなわち、自動車エンジンの性能向上に起因する排気ガス温度の上昇により、または自動車のNVH特性(車輌音響振動特性)の向上を目的として、排気ガスの出口(マニホールド)付近に球面管継手を配置する場合、球面管継手がエンジン側により近づくことに起因する排気ガス温度の上昇により、これまでのシール体では耐熱性の点で使用条件を満足し得ず、シール体自体の耐熱性の向上が余儀なくされている。
上記新たに提起された問題点に対し、本出願人は、耐熱性を向上させた球帯状シール体並びにその製造方法を提案した(特許文献3乃至特許文献7所載)。
上記球帯状シール体は、600〜700℃の高温下においても、酸化消耗が少なく、異常摩擦音の発生がなく、シール性に優れ、シール体としての機能を満足するものであるが、これらの球帯状シール体はその製造において耐熱シート材、例えば膨張黒鉛シートの表面に耐熱材料の耐熱被膜を具備した耐熱シート材を使用しているため、膨張黒鉛シートが本来具有する可撓性を犠牲にしていることになり、結果として球帯状シール体の製造工程において生じる曲げ工程等において往々にして耐熱被膜のヒビ割れ、破損等、延いては耐熱シート材の破損等を生じる虞がある、など材料歩留まりの点で改良の余地が残されていること、また、材料歩留まりの欠点をなくすことにより、球帯状シール体の製造工程の短縮、ひいては製造コストの低減につながるなどの利点を有することがわかった。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、常温から700℃近傍の高温領域においても、耐熱性、耐酸化消耗性を有し、シール性に優れるという前述した先行技術の球帯状シール体と同等の性能を有し、その製造方法においては、耐熱シート材の材料歩留まりの欠点を解消し、製造コストを低下させることのできる球帯状シール体を提供することにある。
本発明の第一の態様の球帯状シール体は、円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた、排気管球面継手に用いられるものであり、ここで、球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮されていると共に膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材とを有しており、外層は、膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面となっていることを特徴とする。
第一の態様の球帯状シール体によれば、円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面により規定された球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材とを有しているため、耐熱材の主体をなす膨張黒鉛の酸化消耗は、五酸化リン及び有機リン化合物の酸化抑制作用により700℃近傍の高温領域においても低減され、結果として球帯状シール体の耐熱性が向上する。
また、外層は、膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層の露出した部分凸球面状面の外面は、耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面に形成されているため、耐熱材の主体をなす膨張黒鉛は五酸化リン及び有機リン化合物の酸化抑制作用により700℃近傍の高温領域においても酸化消耗が低減され、相手材との摺接においては、相手材表面に外面層を形成する耐熱材の過剰な被膜の形成を抑制し、相手材表面との円滑な摺接が行われる。
本発明の第二の態様の球帯状シール体は、円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた、排気管球面継手に用いられるものであり、ここで、球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮されていると共に膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材とを有しており、外層は、少なくとも窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物と、この潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記潤滑組成物と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっていることを特徴とする。
第二の態様の球帯状シール体によれば、円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮されていると共に膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材とを有しているため、耐熱材の主体をなす膨張黒鉛の酸化消耗は、五酸化リン及び有機リン化合物の酸化抑制作用により700℃近傍の高温領域においても低減され、結果として球帯状シール体の耐熱性が向上する。
また、外層は、少なくとも窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物と、この潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、前記潤滑組成物と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となっているので、相手材との摺接において円滑な摺動が行われる。
第二の態様の球帯状シール体において、潤滑組成物は、本発明の第三の態様の球帯状シール体のように、窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方が10〜30重量%とを含んでいてもよい。
第三の態様の球帯状シール体によれば、窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方を10〜30重量%とを含んでいる潤滑組成物の外層の部分凸球面状の外面は、潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材が露出してなる平滑な面に形成されているので、とくに相手材との初期の摺動において円滑な摺動が行われ、摺動初期に往々にして生じる摺動摩擦異音の発生は防止される。
第二又は第三の態様の球帯状シール体において、潤滑組成物は、本発明の第四の態様の球帯状シール体のように、ポリテトラフルオロエチレン樹脂をさらに含んでいてもよい。
第二から第四のいずれかの態様の球帯状シール体において、潤滑組成物は、本発明の第五の態様の球帯状シール体のように、窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちに少なくとも一方が10〜30重量%とを含んでいる混合物と、この混合物の100重量部に対して200重量部以下のポリテトラフルオロエチレン樹脂とを含んでいてもよい。
第二から第四のいずれかの態様の球帯状シール体において、潤滑組成物は、本発明の第五の態様の球帯状シール体のように、窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちに少なくとも一方が10〜30重量%とを含んでいる混合物と、この混合物の100重量部に対して50〜150重量部のポリテトラフルオロエチレン樹脂とを含んでいてもよい。
第四の態様、第五の態様及び第六の態様の球帯状シール体によれば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂をさらに含む潤滑組成物の外層の部分凸球面状の外面は、潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材が露出してなる平滑な面に形成されているので、とくに相手材との初期の摺動においてより円滑な摺動が行われ、摺動初期に往々にして生じる摺動摩擦異音の発生は防止される。
第一から第六のいずれかの態様の球帯状シール体において、円筒内面には、本発明の第七の態様の球帯状シール体のように、球帯状基体の膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材が露出していてもよい。
第七の態様の球帯状シール体によれば、五酸化リン及び有機リン化合物の酸化抑制作用により、円筒内面の耐熱材の主体をなす膨張黒鉛の酸化消耗が低減され、結果として円筒内面の耐熱性が向上される。また、球帯状シール体が排気管の外面に嵌合固定された際、球帯状シール体の円筒内面と排気管の外面との間の密封性が高められるので、当該接触面からの排気ガスの漏洩を極力防ぐことができる。
第一から第七のいずれかの態様の球帯状シール体において、円筒内面には、本発明の第八の態様の球帯状シール体のように、球帯状基体の金網からなる補強材が露出していてもよい。
第八の態様の球帯状シール体によれば、球帯状シール体を排気管の外面に嵌合固定する際、円筒内面と排気管の外面との間の摩擦が高められ、結果として球帯状シール体が排気管の外面に強固に固定されることになる。
第一から第八のいずれかの態様の球帯状シール体において、両環状の端面のうちの少なくとも一方の端面には、本発明の第九の態様の球帯状シール体のように、球帯状基体の膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材が露出していてもよい。
第九の態様の球帯状シール体によれば、五酸化リン及び有機リン化合物の酸化抑制作用により、環状の端面の耐熱材の主体をなす膨張黒鉛の酸化消耗が低減され、結果として当該環状の端面の耐熱性が向上される。
第一から第九のいずれかの態様の球帯状シール体において、耐熱材は、本発明の第十の
態様の球帯状シール体のように、五酸化リン0.05〜5重量%、有機リン化合物0.1〜10重量%及び膨張黒鉛85〜99.85重量%を含んでいてもよい。
第十の態様の球帯状シール体によれば、耐熱材は、主体をなす膨張黒鉛に対する酸化抑制作用を好ましく発揮するに必要な五酸化リンを0.05〜5重量%及び有機リン化合物を0.1〜10重量%の割合で含有しているので、膨張黒鉛の酸化消耗が好ましく低減され、膨張黒鉛の酸化消耗に起因する球帯状シール体の重量減少が好ましく低減される。
膨張黒鉛中に五酸化リンと有機リン化合物とが共存して分散含有されることにより耐熱性が付与されているものであり、有機リン化合物は、五酸化リンと共存して含有されることにより、とくに700℃近傍の高温領域での耐熱性、耐酸化消耗性の向上に寄与するものである。五酸化リンの含有量が0.05重量%未満では球帯状シール体の製造に用いる耐熱シート材に耐熱性、耐酸化消耗性を充分付与することができず、また5重量%を超えて含有しても耐熱性、耐酸化消耗性のそれ以上の向上を図ることができない。また有機リン化合物は五酸化リンに対して少量の配合により、耐熱性及び高温領域での耐酸化消耗性を付与させることができる。有機リン化合物の含有量が0.1重量%未満では耐熱性の向上及び高温領域での耐酸化消耗性を充分付与することができず、また10重量%を超えて含有しても耐熱性、耐酸化消耗性のそれ以上の向上を図ることができない。
五酸化リンと同時に配合されて、とくに高温領域での膨張黒鉛の酸化消耗性を好ましく低減させる有機リン化合物は、本発明の第十一の態様の球帯状シール体のように、有機ホスホン酸及びそのエステル、有機ホスフィン酸及びそのエステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル並びに次亜リン酸エステルから選択され得る。
有機ホスホン酸及びそのエステルとしては、本発明の第十二の態様の球帯状シール体のように、下記一般式(1)で表される有機ホスホン酸及びそのエステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
式(1)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基であり、R及びRは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基である。
有機ホスフィン酸及びそのエステルとしては、本発明の第十三の態様の球帯状シール体のように、下記一般式(2)で表される有機ホスフィン酸及びそのエステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
式(2)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基であり、R及びRは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基である。
リン酸エステルとしては、本発明の第十四の態様の球帯状シール体のように、下記一般式(3)で表されるリン酸エステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
式(3)中、R、R、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基である。ただし、すべて水素原子の場合を除く。
亜リン酸エステルは、本発明の第十五の態様の球帯状シール体のように、下記一般式(4)で表わされる亜リン酸トリエステル並びに下記一般式(5)で表わされる亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選択されて使用されてもよい。
Figure 0004626166
Figure 0004626166
式(4)、(5)中、R10、R11、R12は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基であり、R13、R14は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基である。ただし、R13、R14共に水素原子の場合を除く。
次亜リン酸エステルとしては、本発明の第十六の態様の球帯状シール体のように、下記一般式(6)で表される次亜リン酸ジエステル(ホスホナイト)又は下記一般式(7)で表される次亜リン酸モノエステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
Figure 0004626166
式(6)、(7)中、R15は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基であり、R16、R17、R18は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基である。
本発明の球帯状シール体において、球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮されていると共に膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材とを有しており、該シール体自体の耐熱性が高められているので、700℃近傍の高温領域においても、該球帯状シール体を構成する膨張黒鉛の酸化消耗による重量減少率を低く抑えることができ、球帯状シール体としての機能を充分発揮すると共に球帯状シール体の耐久性を向上させることができる。また、球帯状シール体の製造に用いると共に膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含んでいる耐熱シート材は、通常の膨張黒鉛シートが具有する可撓性を備えているので、該球帯状シール体の製造過程に生じる耐熱シート材の曲げ加工工程においても何等の不具合を生じることがない。このことは、従来技術における膨張黒鉛シートの表面に耐熱材の被膜を形成する工程を省くことができるばかりでなく、耐熱被膜を具備した膨張黒鉛シートの曲げ加工工程に生じる当該耐熱被膜の割れ、ひいては耐熱シート材の破損を生じることがなく、結果として材料歩留まりの向上に繋がる。
本発明の最良の形態について説明する。
本発明の球帯状シール体における構成材料及び球帯状シール体の製造方法について説明する。
<耐熱シート材について>
濃度98%の濃硫酸を攪拌しながら、酸化剤として過酸化水素の60%水溶液を加え、これを反応液とする。この反応液を冷却して10℃の温度に保持し、粒度30〜80メッシュの鱗片状天然黒鉛粉末を添加し、所定時間反応を行う。反応後、吸引濾過して酸処理黒鉛を分離し、該酸処理黒鉛を水で所定時間攪拌して吸引濾過するという洗浄作業を2回繰り返し、酸処理黒鉛から硫酸分を充分除去する。ついで、硫酸分を充分除去した酸処理黒鉛を所定の温度に保持した乾燥炉で所定時間乾燥し、これを酸処理黒鉛原料とする。
酸処理黒鉛原料を攪拌しながら、該酸処理黒鉛原料にリン酸及び有機リン化合物を所定量配合し、均一に攪拌して混合物を得る。この混合物を、950〜1200℃の温度で所定時間(通常1〜5秒間)加熱(膨張)処理して、分解ガスを発生せしめ、そのガス圧により黒鉛層間を拡張して膨張黒鉛粒子(膨張倍率200〜300倍)を形成する。この膨張黒鉛粒子を圧縮成形又は双ローラー装置にてロール成形し、所望の厚さの耐熱シート材を作製する。
上記製造方法にて作製した耐熱シート材は、リン酸の脱水反応によって生成された五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛を含んでおり、可撓性を有するシートである。
耐熱シート材中に分散含有された五酸化リンは、耐熱シート材の主体となる膨張黒鉛に耐熱性を付与し、膨張黒鉛の酸化消耗率を向上させる作用をなすものである。この五酸化リンは上記製造方法における酸処理黒鉛原料を膨張させる製造過程において、リン酸の脱水反応によって生成されるものであり、使用されるリン酸としては、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)、ポリリン酸、具体的にはピロリン酸(HO)、トリポリリン酸(H10)等の鎖状縮合リン酸、ポリメタリン酸、具体的にはトリメタリン酸、テトラメタリン酸等の環状縮合リン酸から選択され得る。耐熱シート材中に分散含有される五酸化リンの含有量は、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。五酸化リンの含有量が0.05重量%未満では、耐熱シート材の主体となる膨張黒鉛に充分な耐熱性を付与することができず、膨張黒鉛の酸化消耗率を低下させることができず、また5重量%を超えて含有しても耐熱性、酸化消耗作用のそれ以上の効果が発揮されないばかりでなく、耐熱シート材の可撓性を損なう虞がある。
有機リン化合物は、五酸化リンと共存して含有されることにより、とくに高温領域での耐熱性及び耐酸化消耗性の向上に寄与するものである。有機リン化合物の含有量は0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7.0重量%、さらに好ましくは2.0〜5.0重量%である。有機リン化合物の含有量が0.1重量%未満では耐熱性の向上及び高温領域での耐酸化消耗性を充分付与することができず、また10重量%を超えて含有しても耐熱性、耐酸化消耗性のそれ以上の向上を図ることができない。さらに、膨張黒鉛中に五酸化リン5重量%及び有機リン化合物10重量%を超えて分散含有させると、耐熱材としての耐熱シート材の可撓性を損なう虞があり、球帯状シール体の製造工程における曲げ工程等において往々にして耐熱シート材の折損等を生じる。
五酸化リンと同時に配合されて、とくに高温領域での膨張黒鉛の酸化消耗性を好ましく低減させる有機リン化合物は、有機ホスホン酸及びそのエステル、有機ホスフィン酸及びそのエステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル並びに次亜リン酸エステルから選択され得る。
有機ホスホン酸及びそのエステルとしては、下記一般式(1)で表される有機ホスホン酸及びそのエステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
式(1)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基であり、R及びRは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数1〜10のアルキレン部と炭素数6〜18のアリール部とからなるアラルキル基である。
アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)であり、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜18のアリール基、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、エチルフェニル基、トリル基、キシリル基等)であり、アラルキル基としては、そのアルキレン部が、直鎖又は分岐鎖の、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキレンであり、アリール部が、好ましくは炭素数6〜18の、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールである(例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基等)。
具体例としては、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、トリルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メチルホスホン酸メチル、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル等が挙げられ得る。
有機ホスフィン酸及びそのエステルとしては、下記一般式(2)で表される有機ホスフィン酸及びそのエステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
式(2)中、Rは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、R、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。アルキル基、アリール基及びアラルキル基については上記と同じである。具体例としては、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、メチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、メチルホスフィン酸エチル、ジメチルホスフィン酸エチル、メチルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸エチル等が挙げられ得る。
リン酸エステルとしては、下記一般式(3)で表されるリン酸エステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
式(3)中、R、R、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。ただし、すべて水素原子の場合を除く。
アルキル基としては、直鎖または分岐鎖の、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)であり、アリール基としては、好ましくは炭素数6〜18の、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、エチルフェニル基、トリル基、キシリル基等)であり、アラルキル基としては、そのアルキレン部が、直鎖又は分岐鎖の、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキレンであり、アリール部が、好ましくは炭素数6〜18の、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールである(例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基等)。
具体例としては、リン酸メチル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、リン酸ジエチル、リン酸ジフェニル、リン酸ジベンジル、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニルクレジル、リン酸メチルジフェニル等が挙げられ得る。
亜リン酸エステルとしては、下記一般式(4)で表わされる亜リン酸トリエステル並びに下記一般式(5)で表わされる亜リン酸ジエステル及び亜リン酸モノエステルから選択され得る。
Figure 0004626166
Figure 0004626166
式(4)、(5)中、R10、R11、R12は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、R13、R14は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。ただし、R13、R14共に水素原子の場合を除く。
アルキル基、アリール基及びアラルキル基は、上記と同様である。具体例としては、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ブチル、亜リン酸フェニル等が挙げられ得る。
次亜リン酸エステルとしては、下記一般式(6)で表される次亜リン酸ジエステル(ホスホナイト)又は下記一般式(7)で表される次亜リン酸モノエステルが好適に使用される。
Figure 0004626166
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式(6)、(7)中、R15は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、R16、R17、R18は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
アルキル基、アリール基及びアラルキル基は、上記と同様である。具体例としては、ジメチルホスホナイト、ジフェニルホスホナイト、ジベンジルホスホナイト、ジエチルフェニルホスホナイト、ジメチルフェニルホスホナイト、次亜リン酸メチル、次亜リン酸エチル、次亜リン酸フェニル等が挙げられ得る。
<補強材について>
補強材には、鉄系としてオーステナイト系のSUS304、SUS316、フェライト系のSUS430などのステンレス鋼線又は鉄線(JIS−G−3532)もしくは亜鉛メッキ鉄線(JIS−G−3547)、また銅系として銅−ニッケル合金(白銅)、銅−ニッケル−亜鉛合金(洋白)、黄銅、ベリリウム銅からなる細線材を1本又は2本以上使用して織ったり、編んだりして形成される金網が使用され得る。金網を形成する金属細線の線径は0.10〜0.32mm程度のものが使用され、金網の網目は3〜6mm程度のものが使用されて好適である。
補強材としては、上述した金網の他に、ステンレス鋼薄板又はリン青銅薄板に切込みを入れると同時に切込みを拡開して規則正しい網目列が形成された、所謂エキスパンドメタルを使用することもできる。ステンレス鋼薄板又はリン青銅薄板の厚さは0.3〜0.5mm程度、エキスパンドメタルの網目は3〜6mm程度のものが使用されて好適である。
<潤滑組成物について>
窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方の10〜30重量%とからなる潤滑組成物を固形分として20〜50重量%分散含有した水性ディスパージョンが、また他の潤滑組成物として窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方の10〜30重量%とからなる潤滑組成物に、この潤滑組成物の100重量部に対して200重量部以下、好ましくは50〜150重量部のポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有された潤滑組成物を固形分として20〜50重量%分散含有した水性ディスパージョンが使用され得る。
上記潤滑組成物の水性ディスパージョンは、後述する製造方法において、耐熱シート材の表面に、刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー等の手段によって適用され、耐熱シート材の表面を被覆して、耐熱シート材の表面に潤滑すべり層を形成するように用いられる。形成された潤滑すべり層は、最終の圧縮工程において均一かつ微小厚さ(10〜300μm)に展延されて球帯状シール体の部分凸球面状の外面を有した外層を形成する。
上記潤滑組成物中の窒化ホウ素は、とくに高温において優れた潤滑性を発揮するものであるが、窒化ホウ素単独では耐熱シートの表面への被着性、ひいては最終の圧縮工程における球帯状基体の部分凸球面状面への被着性が劣り、これらの面から容易に剥離してしまうという欠点があるが、窒化ホウ素に対し一定量の割合でアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方を配合することにより、上記窒化ホウ素の欠点を回避し、耐熱シートの表面への被着性、ひいては最終の圧縮工程における球帯状基体の部分凸球面状面への被着性を大幅に改善し、球帯状シール体の外層での潤滑組成物からなる潤滑すべり面となっている部分凸球面状の外面の保持性を高めることができる。そして、窒化ホウ素に対するアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方の配合割合は、窒化ホウ素の具有する潤滑性を損なうことなく、かつ被着性を改善するという観点から決定され、10〜30重量%の範囲が好ましい。
上述した窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方の10〜30重量%とからなる潤滑組成物に、この潤滑組成物の100重量部に対して一定量の割合でポリテトラフルオロエチレン樹脂を含有した潤滑組成物において、ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、それ自身低摩擦性を有するもので、窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物に配合されることにより、該潤滑組成物の低摩擦性を向上させる作用と、圧縮成形時の潤滑組成物の展延性を高める作用をなす。
上記窒化ホウ素70〜90重量%とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方の10〜30重量%とからなる潤滑組成物100重量部に対し、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の配合割合は200重量部以下、好ましくは50〜150重量部の範囲である。このポリテトラフルオロエチレン樹脂の配合割合が200重量部を超えると、潤滑組成物中に占める割合が多くなり潤滑組成物の耐熱性を低下させる結果となり、また、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の配合割合が50〜150重量部の範囲であれば、潤滑組成物の耐熱性を損なうことなく低摩擦性をいかんなく発揮させることができる。このポリテトラフルオロエチレン樹脂は、平均粒径10μm以下の微粉末を固形分として30〜50重量%分散含有した水性ディスパージョンが使用され得る。
つぎに、上述した構成材料からなる球帯状シール体の製造方法について図面に基づき説明する。
<第一の態様の製造方法>
(第一工程)図2に示すように、金属細線を円筒状に編んで形成した筒状金網1をローラ2及び3間に通して所定の幅Dの帯状金網4を作製し、帯状金網4を所定の長さLに切断した補強材5又は金属細線を織ったり、編んだりすることによって直接形成される帯状金網4を所定の幅Dと長さLとをもって切断した補強材5を準備する。
(第二工程)図3に示すように、補強材5の幅Dに対して1.1×Dから2.1×Dの幅dを有すると共に補強材5の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有するように切断された五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6を準備する。
(第三工程)後述する(図1参照)球帯状シール体58において部分凸球面状面53の軸方向の少なくとも一方の端縁側の環状の端面である大径側の端面54に全体的に耐熱材が露出するようにすべく、図4に示すように、部分凸球面状面53の大径側の端面54となる補強材5の幅方向の少なくとも一方の端縁7から最大で0.1×Dから0.8×Dだけ耐熱シート材6が幅方向にはみ出すと共に端縁7からの耐熱シート材6の幅方向のはみ出し量δ1が部分凸球面状面53の小径側の環状の端面55となる補強材5の幅方向の他方の端縁8からのはみ出し量δ2よりも多くなるようにすると共に補強材5の長さ方向の一方の端縁9から最大で0.30×Lから1.70×Lだけ耐熱シート材6が長さ方向にはみ出すと共に補強材5の長さ方向の他方の端縁10と当該端縁10に対応する耐熱シート材6の長さ方向の端縁11とを実質的に一致させて、補強材5と耐熱シート材6との幅方向及び長さ方向を合致させて当該補強材5と耐熱シート材6とを互いに重ね合わせた重合体12を得る。
(第四工程)重合体12を図5に示すように耐熱シート材6を内側にしてうず巻き状であって耐熱シート材6が1回多くなるように捲回して、内周側及び外周側の両方に耐熱シート材6が露出した筒状母材13を形成する。耐熱シート材6としては、筒状母材13における耐熱シート材6の巻き回数が補強材5の巻き回数よりも多くなるように、補強材5の長さLに対して1.30×Lから2.70×Lの長さlを有したものが予め準備される。筒状母材13においては、図6に示すように、耐熱シート材6は、幅方向の一方の端縁側において補強材5の一方の端縁7から幅方向にδ1だけはみ出しており、また耐熱シート材6の幅方向の他方の端縁側において補強材5の他方の端縁8から幅方向にδ2だけはみ出している。
(第五工程)前記耐熱シート材6と同様であるが、幅Dよりも小さい幅dを有すると共に筒状母材13を1回巻きできる程度の長さlを有した図7に示すような耐熱シート材6を別途用意する。一方、前記第一工程で説明したように、金属細線を編んで筒状金網1を形成したのち、これをローラ2及び3間に通して作製した帯状金網4からなる補強材5を別に準備し、図8に示すように、帯状金網4内に、耐熱シート材6を挿入すると共にこれらを図9に示すように、ローラ14及び15間に通して一体化させ、これを外面層形成部材16とする。
(第六工程)このようにして得た外面層形成部材16を前記筒状母材13の外周面に捲回し、図10に示すような予備円筒成形体17を作製する。
(第七工程)内面に円筒壁面31と円筒壁面31に連なる部分凹球面壁面32と部分凹球面壁面32に連なる貫通孔33とを備え、貫通孔33に段付きコア34を嵌挿することによって内部に中空円筒部35と該中空円筒部35に連なる球帯状中空部36とが形成された図11に示すような金型37を準備し、該金型37の段付きコア34に予備円筒成形体17を挿入する。
金型37の中空円筒部35及び球帯状中空部36に位置せしめられた予備円筒成形体17をコア軸方向に1〜3トン/cmの圧力で圧縮成形し、図1に示すような、中央部に貫通孔51を有すると共に円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58を作製する。
この圧縮成形により、球帯状基体56は、耐熱シート材6と金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網4からなる補強材5と、この補強材5の金網4の網目を充填し、かつこの補強材5と混在一体化されて圧縮されていると共に五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱材とを有しており、外層57は、圧縮された耐熱シート材6からなる耐熱材とこの耐熱材に混在一体化された金網4からなる補強材5とを有しており、外層57において外部に露出した部分凸球面状の外面59は平滑な面となっており、貫通孔51における円筒内面52には、五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛からなる耐熱材が露出している。
上述した方法によって作製された図1に示す球帯状シール体において、耐熱シート材6からなる耐熱材は、内部構造を形成する金網4からなる補強材5と絡み合って一体となっており、部分凸球面状の外面59は、外面層形成部材16によって形成された五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛からなる耐熱材と金網4からなる補強材5とが混在一体となった平滑な面となっていると共に部分凸球面状面53の大径側の環状の端面54及び小径側の端面55には、補強材5の幅方向にはみ出した耐熱シート材6が曲折され、かつ展延されることによって五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛からなる耐熱材が露出している。
なお、前述の第二工程において、補強材5の長さLに対して実質的に同じ長さlを有するように切断された耐熱シート材6を準備して、これらを前述の第三工程と同様に重ね合わせて重合体12を得、この重合体12を補強材5を内側にして前述の第四工程と同様にして筒状母材13を形成し、以下、第五工程から第七工程を経て球帯状シール体58を作製することにより、貫通孔51における円筒内面52に球帯状基体56の金網4からなる補強材5が露出している球帯状シール体58となる。
<第二の態様の製造方法>
第一工程から第四工程までは上記第一工程から第四工程までと同じ。
(第五工程)前記耐熱シート材6と同様であるが、幅Dよりも小さい幅dを有すると共に筒状母材13を1回巻きできる程度の長さlを有した耐熱シート材6(図7参照)を別途用意し、この耐熱シート材6の一方の表面に、窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物を分散含有した水性ディスパージョン又は窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物に、この潤滑組成物に対して所定量のポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有された潤滑組成物を分散含有した水性ディスパージョンを刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー等の手段で被覆し、これを乾燥させて図12に示すような潤滑組成物からなる潤滑すべり層18を形成する。
前記第五工程で説明した帯状金網4からなる補強材5を別途用意し、図13に示すように、帯状金網4内に、潤滑すべり層18を備えた耐熱シート材6を挿入すると共にこれらを図14に示すように、ローラ19及び20間に通して一体化させ、これを外面層形成部材21とする。
(第六工程)このようにして得た外面層形成部材21を潤滑すべり層18を外側にして前記筒状母材13の外周面に捲回し、図15に示すような予備円筒成形体22を作製する。この予備円筒成形体22を前記第七工程と同様な方法で圧縮成形し、図16及び図17に示すような、中央部に貫通孔51を有すると共に円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58を作製する。この圧縮成形により、球帯状基体56は、耐熱シート材6と金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網4からなる補強材5と、この補強材5の金網4の網目を充填し、かつ補強材5と混在一体化されて圧縮されていると共に五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛からなる耐熱材とを有しており、外層57は、潤滑すべり層18と該潤滑すべり層18に一体化された金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物又は窒化ホウ素とアルミナ及びシリカのうちの少なくとも一方とからなる潤滑組成物に、この潤滑組成物に対して所定量のポリテトラフルオロエチレン樹脂が含有された潤滑組成物と、この潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層57において外部に露出した部分凸球面状の外面59は、前記潤滑組成物と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となり、貫通孔51を規定する円筒内面52には、圧縮された耐熱シート材6が露出した面となる結果、球帯状基体56の五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛からなる耐熱材が露出しており、部分凸球面状面53の大径側の環状の端面54及び小径側の端面55には、補強材5の幅方向にはみ出した耐熱シート材6が曲折され、かつ展延されることによって五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛からなる耐熱材が露出している。
斯かる第二の製造方法においても、第二の工程で補強材5の長さLに対して実質的に同じ長さlを有する耐熱シート材6を準備し、これらを前述と同様にして重ね合わせて重合体12を得、この重合体12を補強材5を内側にして前述と同様にして筒状母材13を形成し、この筒状母材13から球帯状シール体58を形成することにより、貫通孔51における円筒内面52に球帯状基体56の金網4からなる補強材5が露出している球帯状シール体58となる。
球帯状シール体58は、例えば図18に示す排気管球面継手に組込まれて使用される。すなわち、エンジン側に連結された上流側排気管100の外周面には、管端部101を残してフランジ200が立設されており、管端部101には、球帯状シール体58が貫通孔51を規定する円筒内面52において嵌合されており、大径側の端面54において球帯状シール体58がフランジ200に当接されて着座せしめられている。上流側排気管100と相対峙してマフラー側に連結され、端部に凹球面部302と凹球面部302の開口部周縁にフランジ部303とを備えた径拡大部301が一体に形成された下流側排気管300が凹球面部302を球帯状シール体58の部分凸球面状の外面59に摺接させて配置されている。
図18に示す排気管球面継手において、一端がフランジ200に固定され、他端が径拡大部301のフランジ部303を挿通して配された一対のボルト400とボルト400の膨大頭部及びフランジ部303の間に配された一対のコイルバネ500とにより、下流側排気管300には、常時、上流側排気管100方向にバネ力が付勢されている。そして、排気管球面継手は、上、下流側排気管100、300に生じる相対角変位に対しては、球帯状シール体58の部分凸球面状の外面59と下流側排気管300の端部に形成された径拡大部301の凹球面部302との摺接でこれを許容するように構成されている。
つぎに、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何等限定されないのである。
実施例1〜7
濃度98%の濃硫酸300重量部を撹拌しながら、酸化剤として過酸化水素の60%水溶液5重量部を加え、これを反応液とした。この反応液を冷却して10℃の温度に保持すると共にこの反応液に粒度30〜80メッシュの鱗片状天然黒鉛粉末100重量部を添加し、30分間反応を行った。反応後、吸引濾過して酸処理黒鉛を分離し、酸処理黒鉛を300重量部の水で10分間撹拌して吸引濾過するという洗浄作業を2回繰り返し、酸処理黒鉛から硫酸分を十分除去した。ついで、硫酸分を十分除去した酸処理黒鉛を110℃の温度に保持した乾燥炉で3時間乾燥し、これを酸処理黒鉛原料とした。
酸処理黒鉛原料100重量部を攪拌しながら該酸処理黒鉛原料に、リン酸として濃度84%のオルトリン酸1.15〜1.28重量部と、有機リン化合物としてフェニルホスホン酸0.1〜11.2重量部とを配合し、均一に攪拌混合して混合物を得た。これらの混合物をそれぞれ、1000℃の温度で5秒間加熱処理して分解ガスを発生せしめ、そのガス圧により黒鉛層間を拡張して膨張倍率240倍の膨張黒鉛粒子を得た。この膨張黒鉛粒子を圧延ロールに通してロール成形を施し、厚さ0.4mmの膨張黒鉛シートを作製し、これを耐熱シート材とした。オルトリン酸は上記加熱処理工程において脱水反応によって五酸化リンを生成する。これらの耐熱シート材の成分組成を表1及び表2に示す。
このようにして作製した7種類の成分組成からなる耐熱シート材を、それぞれ幅55mm、長さ550mmに切断した。
金属細線として、線径0.28mmのオーステナイト系ステンレス鋼線(SUS304)を2本使用して網目4.0mmの円筒状編組金網を作製し、これをローラ2及び3間に通して幅36mm、長さ360mmの帯状金網4とし、これを補強材5とした。
幅55mm、長さ550mmに切断した前記耐熱シート材6を、直径が50.8mmのコアの外周面にうず巻き状に一周分捲回したのち、該耐熱シート材6の内側に補強材5を重ね合わせ、うず巻き状に捲回して最外周に耐熱シート材6を位置させた筒状母材13を作製した。この筒状母材13においては、耐熱シート材6の幅方向の両端部はそれぞれ補強材5の幅方向にはみ出している。
上記7種類の成分組成からなる耐熱シート材6を別途用意し、これらをそれぞれ幅48mm、長さ212mmをもって切断した。
上記と同様の金属細線を1本使用して、網目が4.0mmの円筒状編組金網を作製し、これを一対のローラ2及び3間に通して幅52.0mm、長さ212mmの帯状金網4とした。該帯状金網4内に上記7種類の耐熱シート材6をそれぞれ挿入すると共にこれらを一対のローラ14及び15間に通して一体化させ、補強材5と補強材5の網目を充填した五酸化リン、フェニルホスホン酸及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6とが混在した外面層形成部材16を作製した。
前記筒状母材13の外周面に、この外面層形成部材16を捲回して予備円筒成形体17を作製した。この予備円筒成形体17を金型37の段付きコア34に挿入し、該予備円筒成形体17を部分凹球面壁面32の曲率半径が25.2mmの金型37の球帯状中空部36に位置させた。
金型37の球帯状中空部36に位置させた予備円筒成形体17をコア軸方向に2トン/cmの圧力で圧縮成形し、中央部に貫通孔51を有すると共に円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58を作製した。この圧縮成形により、球帯状基体56は、五酸化リン、フェニルホスホン酸及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6と金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網4からなる補強材5と、この補強材5の金網4の網目を充填し、かつこの補強材5と混在一体化されて圧縮された耐熱シート材6からなる耐熱材とを有しており、外層57は、五酸化リン、フェニルホスホン酸及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6からなる耐熱材とこの耐熱材に一体化された金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されており、外層57において外部に露出した部分凸球面状の外面59は、五酸化リン、フェニルホスホン酸及び膨張黒鉛を含む耐熱材と補強材5とが混在一体化された平滑な面となり、貫通孔51を規定する円筒内面52には、圧縮された耐熱シート材6が露出した面となる結果、球帯状基体56を形成する耐熱材が露出しており、環状の端面54及び55は、耐熱シート材6において補強材5から幅方向にはみ出した部分が曲折されかつ展延される結果、耐熱シート材6からなる耐熱材で覆われている。
実施例8〜14
前記実施例と同様にして、酸処理黒鉛原料を作製した。該酸処理黒鉛原料100重量部を撹拌しながら、該酸処理黒鉛原料に、リン酸塩として濃度84%のオルトリン酸水溶液3.4重量部とフェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジエチル、ジエチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニル、ジメチルホスホナイトから選択される有機リン化合物2.1重量部とを配合し、均一に攪拌混合して混合物を得た。これらの混合物をそれぞれ、1000℃の温度で5秒間加熱処理して分解ガスを発生せしめ、そのガス圧により黒鉛層間を拡張して膨張倍率240倍の膨張黒鉛粒子を得た。この膨張黒鉛粒子を圧延ロールに通してロール成形を施し、厚さ0.4mmの膨張黒鉛シートを作製し、これを耐熱シート材6とした。オルトリン酸は上記加熱処理工程において脱水反応によって五酸化リンを生成する。これらの耐熱シート材6の成分組成を表3及び表4に示す。以下、前記実施例と同様の方法で、円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58を作製した。
この圧縮成形により、球帯状基体56は、五酸化リン、上記選択された有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6と金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網4からなる補強材5と、この補強材5の金網4の網目を充填し、かつこの補強材5と混在一体化されて圧縮された耐熱シート材6からなる耐熱材とを有しており、外層57は、五酸化リン、上記選択された有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6からなる耐熱材とこの耐熱材に一体化された金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されており、外層57において外部に露出した部分凸球面状外面59は、五酸化リン、上記選択された有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱材と補強材5とが混在一体化された平滑な面となり、貫通孔51を規定する円筒内面52には、圧縮された耐熱シート材6が露出した面となる結果、球帯状基体56を形成する耐熱材が露出しており、環状の端面54及び55は、耐熱シート材6において補強材5から幅方向にはみ出した部分が曲折されかつ展延される結果、耐熱シート材6からなる耐熱材で覆われている。
実施例15〜21
前記実施例と同様にして、酸処理黒鉛原料を作製した。該酸処理黒鉛原料100重量部を撹拌しながら、該酸処理黒鉛原料に、リン酸として濃度84%のオルトリン酸水溶液3.5重量部と、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジエチル、ジエチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニル、ジメチルホスホナイトから選択される有機リン化合物4.2重量部とを配合し、均一に攪拌混合して混合物を得た。これらの混合物を1000℃の温度で5秒間加熱処理して分解ガスを発生せしめ、そのガス圧により黒鉛層間を拡張して膨張倍率240倍の膨張黒鉛粒子を得た。この膨張黒鉛粒子を圧延ロールに通してロール成形を施し、厚さ0.4mmの膨張黒鉛シートを作製し、これを耐熱シート材とした。オルトリン酸は上記加熱処理工程において脱水反応によって五酸化リンを生成する。これらの耐熱シート材6の成分組成を表5及び表6に示す。以下、前記実施例と同様の方法で、円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58を作製した。
この圧縮成形により、球帯状基体56は、五酸化リン、上記選択された有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6と金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網4からなる補強材5と、この補強材5の金網4の網目を充填し、かつこの補強材5と混在一体化されて圧縮された耐熱シート材6からなる耐熱材とを有しており、外層57は、五酸化リン、上記選択された有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6からなる耐熱材とこの耐熱材に一体化された金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されており、外層57において外部に露出した部分凸球面状外面59は、五酸化リン、上記選択された有機リン化合物及び膨張黒鉛を含む耐熱材と補強材5とが混在一体化された平滑な面となり、貫通孔51を規定する円筒内面52には、圧縮された耐熱シート材6が露出した面となる結果、球帯状基体56を形成する耐熱材が露出しており、環状の端面54及び55は、耐熱シート材6において補強材5から幅方向にはみ出した部分が曲折されかつ展延される結果、耐熱シート材6からなる耐熱材で覆われている。
実施例22〜24
実施例2、実施例8及び実施例15と同様の耐熱シート材6及び金網4からなる補強材5を準備し、耐熱シート材6と補強材5とで前記実施例と同様にしてそれぞれ筒状母材13を作製した。
上記各筒状母材13を形成する耐熱シート材6と同様の耐熱シート材6を別途準備し、幅48mm、長さ212mmをもって切断した耐熱シート材6の一方の表面に、平均粒径7μmの窒化ホウ素85重量%、平均粒径0.6μmのアルミナ粉末15重量%からなる潤滑組成物を100重量部とし、これに平均粒径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を50重量部含有した潤滑組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10.0重量%及びポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%)を固形分として30重量%分散含有した水性ディスパージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミナ3重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重量%及び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべり層18を形成した。
前記実施例と同様の帯状金網4を準備し、該帯状金網4内に潤滑組成物の潤滑すべり層18を具備した耐熱シート材6を挿入すると共にこれらを一対のローラ19及び20間に通して一体化させ、一方の面に補強材5と該補強材5の網目を充填した潤滑すべり層18の潤滑組成物とが混在した外層形成部材21を作製した。
前記筒状母材13の外周面に、この外層形成部材21を潤滑すべり層18の面を外側にして捲回してそれぞれ予備円筒成形体22を作製した。以下、前記実施例と同様の方法で、中央部に貫通孔51を有すると共に円筒内面52と部分凸球面状面53と部分凸球面状面53の大径側及び小径側の環状の端面54及び55とにより規定された球帯状基体56と、球帯状基体56の部分凸球面状面53に一体的に形成された外層57とを備えた球帯状シール体58を作製した。
この圧縮成形により、球帯状基体57は、五酸化リン、フェニルホスホン酸及び膨張黒鉛を含む耐熱シート材6と金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網4からなる補強材5と、この補強材5の金網4の網目を充填し、かつこの補強材5と混在一体化されて圧縮された耐熱シート材6からなる耐熱材とを有しており、外層57は、潤滑すべり層18と潤滑すべり層18に一体化された金網4からなる補強材5とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、窒化ホウ素56.7重量%とアルミナ10.0重量%とポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%とを含有してなる潤滑組成物と、この潤滑組成物に混在一体化された金網4からなる補強材5とを有しており、外層57において外部に露出した部分凸球面状外面59は、潤滑組成物と補強材5とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となり、貫通孔51を規定する円筒内面52には、圧縮された耐熱シート材6が露出した面となる結果、球帯状基体56を形成する耐熱材が露出しており、環状端面54及び55は、耐熱シート材6において補強材5から幅方向にはみ出した部分が曲折されかつ展延される結果、耐熱シート材6からなる耐熱材で覆われている。
比較例1
耐熱シート材として、幅55mm、長さ550mm、厚さ0.4mmの膨張黒鉛シート(日本カーボン社製「ニカフィルム(商品名)」)を準備した。補強材として前記実施例と同様の帯状金網(幅36mm、長さ360mm)を準備した。前記耐熱シート材をうずまき状に一周分捲回したのち、該耐熱シート材の内側に補強材を重ね合わせ、うず巻き状に捲回して最外周に耐熱シート材を位置させた筒状母材を作製した。この筒状母材においては、耐熱シート材の幅方向の両端部はそれぞれ補強材の幅方向にはみ出している。
前記耐熱シート材と同様の耐熱シート材を別途準備し、これを幅48mm、長さ212mmをもって切断した。この耐熱シート材の一方の表面に、前記実施例と同様の潤滑組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10.0重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%)を固形分として30重量%分散含有した水性ディスパージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミナ3重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重量%及び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成した。
前記実施例と同様の幅52mm、長さ212mmの帯状金網を準備し、該帯状金網内に潤滑組成物の潤滑すべり層を具備した耐熱シート材を挿入すると共にこれらを一対のローラ間に通して一体化させ、一方の面に補強材と該補強材の網目を充填した潤滑すべり層の潤滑組成物とが混在した外層形成部材を作製した。前記筒状母材の外周面に、この外層形成部材を潤滑組成物の潤滑すべり層を外側にして捲回して予備円筒成形体を作製し、以下、前記実施例1と同様の方法で球帯状シール体を作製した。
このようにして作製した球帯状シール体において、球帯状基体は、圧縮された耐熱シート材からなる耐熱材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された耐熱材とを有しており、外層は、潤滑すべり層と潤滑すべり層に一体化された金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、窒化ホウ素56.7重量%とアルミナ10.0重量%とポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%とを含有してなる潤滑組成物と、この潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状外面は、潤滑組成物と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となり、貫通孔を規定する円筒内面には、圧縮された耐熱シート材が露出した面となる結果、球帯状基体を形成する耐熱材が露出しており、環状端面は、それぞれ耐熱シート材において補強材から幅方向にはみ出した部分が曲折されかつ展延される結果、耐熱材で覆われている。
比較例2
前記比較例1と同様の膨張黒鉛シートを準備した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム水溶液を準備し、この水溶液を膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りし、その後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて該膨張黒鉛シートの表面全体に0.07g/100cmの一様な耐熱被膜を形成し、これを耐熱シート材とし、この耐熱シート材を幅55mm、長さ550mmに切断した。
補強材として前記実施例1と同様の帯状金網(幅36mm、長さ360mm)を準備した。前記耐熱シート材をうず巻き状に一周分捲回したのち、該耐熱シート材の内側にこの補強材を重ね合わせ、うず巻き状に捲回した最外周に耐熱シート材を位置させた筒状母材を作製した。この筒状母材においては、耐熱シート材の幅方向の両端部はそれぞれ補強材の幅方向に突出している。
前記耐熱シート材と同様の耐熱シート材を別途準備し、これを幅48mm、長さ212mmをもって切断した。この耐熱シート材の一方の表面に、前記実施例25と同様の潤滑組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10.0重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%)を固形分として30重量%分散含有した水性ディスパージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミナ3重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重量%及び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成した。
前記実施例1と同様の幅52mm、長さ212mmの帯状金網を準備し、該帯状金網内に潤滑組成物の潤滑すべり層を具備した耐熱シート材を挿入すると共にこれらを一対のローラ間に通して一体化させ、一方の面に補強材と該補強材の網目を充填した潤滑すべり層の潤滑組成物とが混在した外層形成部材を作製した。前記筒状母材の外周面に、この外層形成部材を潤滑組成物の潤滑すべり層を外側にして捲回して予備円筒成形体を作製し、以下、前記実施例1と同様の方法で球帯状シール体を作製した。
このようにして作製した球帯状シール体において、球帯状基体は、第一リン酸アルミニウムからなる耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された耐熱被膜を備えた耐熱シート材からなる耐熱材とを有しており、外層は、潤滑すべり層と潤滑すべり層に一体化された金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、窒化ホウ素56.7重量%とアルミナ10.0重量%とポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%とを含有してなる潤滑組成物と、この潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状外面は、潤滑組成物と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となり、貫通孔を規定する円筒内面には、圧縮された耐熱材が露出した面となる結果、第一リン酸アルミニウムからなる耐熱被膜が露出しており、環状端面は、それぞれ耐熱シート材において補強材から幅方向にはみ出した部分が曲折されかつ展延される結果、第一リン酸アルミニウムからなる耐熱被膜で覆われている。
比較例3
前記比較例1と同様の膨張黒鉛シートを準備した。濃度25%の第一リン酸アルミニウム水溶液を準備し、この水溶液30gに平均粒径4μmのフッ化カルシウム粉末5gを配合し混合物を得た。この混合物を前記膨張黒鉛シートの表面全体にローラ塗りし、その後、乾燥炉にて150℃の温度で20分間乾燥させて、膨張黒鉛シートの表面全体に0.3g/100cmの一様な厚さの耐熱被膜(フッ化カルシウムと第一リン酸アルミニウムとの重量比率は1:1.5)を形成し、これを耐熱被膜を備えた耐熱シートとし、この耐熱シート材を幅55mm、長さ550mmに切断した。
補強材として前記実施例1と同様の帯状金網(幅36mm、長さ360mm)を準備した。前記耐熱シート材をうず巻き状に一周分捲回したのち、該耐熱シート材の内側にこの補強材を重ね合わせ、うず巻き状に捲回した最外周に耐熱シート材を位置させた筒状母材を作製した。この筒状母材においては、耐熱シート材の幅方向の両端部はそれぞれ補強材の幅方向に突出している。
前記耐熱シート材と同様の耐熱シート材を別途準備し、これを幅48mm、長さ212mmをもって切断した。この耐熱シート材の一方の表面に、前記実施例22と同様の潤滑組成物(窒化ホウ素56.7重量%、アルミナ10.0重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%)を固形分として30重量%分散含有した水性ディスパージョン(窒化ホウ素17重量%、アルミナ3重量%、ポリテトラフルオロエチレン樹脂10重量%及び水分70重量%)をローラ塗りし、乾燥するという被覆操作を3回繰り返して該潤滑組成物の潤滑すべり層を形成した。
前記実施例1と同様の幅52mm、長さ212mmの帯状金網を準備し、該帯状金網内に潤滑組成物の潤滑すべり層を具備した耐熱シート材を挿入すると共にこれらを一対のローラ間に通して一体化させ、一方の面に補強材と該補強材の網目を充填した潤滑すべり層の潤滑組成物とが混在した外層形成部材を作製した。前記筒状母材の外周面に、この外層形成部材を潤滑組成物の潤滑すべり層を外側にして捲回して予備円筒成形体を作製し、以下、前記実施例1と同様の方法で球帯状シール体を作製した。
このようにして作製した球帯状シール体において、球帯状基体は、第一リン酸アルミニウムとフッ化カルシウムとからなる耐熱被膜を備えた耐熱シート材と金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮された耐熱被膜を備えた耐熱シート材からなる耐熱材とを有しており、外層は、潤滑すべり層と潤滑すべり層に一体化された金網からなる補強材とが圧縮され、互いに絡み合って構造的一体性を有するように構成されて、窒化ホウ素56.7重量%とアルミナ10.0重量%とポリテトラフルオロエチレン樹脂33.3重量%とを含有してなる潤滑組成物と、この潤滑組成物に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状外面は、潤滑組成物と補強材とが混在一体化された平滑な潤滑すべり面となり、貫通孔を規定する円筒内面には、圧縮された耐熱材が露出した面となる結果、第一リン酸アルミニウムとフッ化カルシウムとからなる耐熱被膜が露出しており、環状端面は、それぞれ耐熱シート材において補強材から幅方向にはみ出した部分が曲折されかつ展延される結果、第一リン酸アルミニウムとフッ化カルシウムからなる耐熱被膜で覆われている。
上述した実施例及び比較例からなる球帯状シール体について、図18に示す排気管継手装置を使用して、1サイクル毎における摩擦トルク(N・m)、異常摩擦音の発生の有無及び酸化減量(重量減少)について試験した結果を説明する。
<試験条件>
コイルばねによる押圧力(スプリングセットフォース):706N
揺動角:±3°
揺動周波数:12ヘルツ(Hz)
雰囲気温度(図18に示す凹球面部302の外表面温度):700℃
<試験方法>
室温にて12Hzの振動数で±3°の揺動運動を1回として45,000回行ったのち、該揺動運動を継続しながら雰囲気温度を700℃の温度まで昇温(昇温中の揺動回数45,000回)し、該雰囲気温度が700℃の温度に到達した時点で115,000回の揺動運動を行い、ついで該揺動運動を継続しながら雰囲気温度を室温まで降温(降温中の揺動回数45,000回)するという全揺動回数250,000回を1サイクルとして4サイクル行う。
異常摩擦音の発生の有無の評価は、次のようにして行った。
評価記号A:異常摩擦音の発生のないもの。
評価記号B:試験片に耳を近づけた状態で、かすかに異常摩擦音が聴こえるもの。
評価記号C:定位置(試験片から1.5m離れた位置)では生活環境音に掻き消され、
一般には判別し難いが試験担当者には異常摩擦音として判別できるもの。
評価記号D:定位置で誰でも異常摩擦音(不快音)として判別できるもの。
上記試験方法によって得られた実施例1から実施例7の球帯状シール体の試験結果を表1及び表2に、実施例8から実施例14の球帯状シール体の試験結果を表3及び表4に、実施例15から実施例21の球帯状シール体の試験結果を表5及び表6に、実施例22から実施例24の球帯状シール体の試験結果を表7に、比較例1から比較例3の球帯状シール体の試験結果を表8に示す。
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表7において、PTFEは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を表す。
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試験結果におけるシール体の試験前重量(g)及び試験後重量(g)から、実施例からなる球帯状シール体は、700℃の高温条件下において、該シール体を構成する膨張黒鉛の酸化消耗による重量減少率が小さく、比較例との対比において、優れた耐酸化性を有していることがわかる。また、五酸化リン、有機リン化合物及び膨張黒鉛からなる耐熱シート材は、通常の膨張黒鉛シートが具有する可撓性を具備していることから、球帯状シール体の製造における曲げ工程においても、何等の支障を生じることなく行うことができた。このことは、従来技術における膨張黒鉛シートの表面に耐熱材の被膜を形成する工程を省くことができるばかりでなく、耐熱被膜を具備した膨張黒鉛シートの曲げ加工工程に生じる当該耐熱被膜の割れ、ひいては耐熱シート材の破損を生じることがなく、結果として材料歩留まりの向上に繋がる。
本発明の球帯状シール体を示す縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における補強材の形成方法の説明図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における耐熱シート材の斜視図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における重合体の斜視図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における筒状母材の平面図である。 図5に示す筒状母材の縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における耐熱シート材の斜視図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における予備円筒成形体の平面図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における金型中に予備円筒成形体を挿入した状態を示す縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における潤滑すべり層を形成した耐熱シート材の縦断面図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における外面層形成部材の形成方法の説明図である。 本発明の球帯状シール体の製造工程における予備円筒成形体の平面図である。 本発明の球帯状シール体を示す縦断面図である。 図16に示す球帯状シール体の部分凸球面状外面の部分拡大断面図である。 本発明の球帯状シール体を組込んだ排気管球面継手の縦断面図である。
符号の説明
4 金網
5 補強材
18 潤滑すべり層
51 貫通孔
52 円筒内面
54、55 端面
57 外層
56 球帯状基体
58 球帯状シール体
59 外面

Claims (4)

  1. 円筒内面と部分凸球面状面と部分凸球面状面の大径側及び小径側の環状の端面とにより規定された球帯状基体と、この球状基体の部分凸球面状面に一体的に形成された外層とを備えた、排気管球面継手に使用される球帯状シール体であって、球帯状基体は、圧縮された金網からなる補強材と、この補強材の金網の網目を充填し、かつこの補強材と混在一体化されて圧縮されていると共に膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材とを有しており、外層は、膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材と、この耐熱材に混在一体化された金網からなる補強材とを有しており、外層において外部に露出した部分凸球面状の外面は、耐熱材と補強材とが混在一体化された平滑な面となっており、有機リン化合物は、フェニルホスホン酸ジエチル、ジエチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニル及びジメチルホスホナイトから選択されており、耐熱材は、五酸化リン0.05〜5重量%、有機リン化合物0.1〜10重量%及び膨張黒鉛85〜99.85重量%を含んでいることを特徴とする球帯状シール体。
  2. 円筒内面には、球帯状基体の膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材が露出している請求項1に記載の球帯状シール体。
  3. 円筒内面には、球帯状基体の金網からなる補強材が露出している請求項1又は2に記載の球帯状シール体。
  4. 両環状の端面のうちの少なくとも一方の端面には、球帯状基体の膨張黒鉛、五酸化リン及び有機リン化合物を含む耐熱材が露出している請求項1から3のいずれか一項に記載の球帯状シール体。
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