JP4626029B2 - チャック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の締付爪を半径方向から着脱して交換するように構成したチャックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チャック本体に軸方向移動するウェッジ部材を設けると共に、締付爪とその後方で対応する摺動部材とを夫々半径方向移動可能に案内し、締付爪と摺動部材の両者を前記ウェッジ部材のくさび部分と噛み合わせ可能とし、摺動部材には、操作部材により対応する締付爪と係脱する係脱部材を設け、前記ウエッジ部材を爪交換位置に軸方向移動させてウェッジ部材のくさび部分と締付爪との噛み合わせを解除すると共に、係脱部材を締付爪から離脱させて締付爪をチャック本体の半径方向から交換可能としたチャックが知られている。このようなチャックとして特開平4−261705号、実公平7−50086号に開示のものがあり、これらは、摺動部材に、ウェッジ部材を爪交換位置に移動し締付爪を交換する際に締付爪から係脱部材を係脱する操作部材を設けてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のものでは、係脱部材を係脱する操作部材を摺動部材に設けているので、摺動部材の小型化に制限があり、半径方向へ移動する部材の質量を小さくすることができない。このため、チャックの回転に伴う遠心力によって、把握力の低下のためにチャックの回転速度の高速化に制約があるばかりでなく、チャックボディの剛性も低下する問題もあり、これもチャックの小型化の妨げとなっていた。
この発明の課題は、高速化及び小型化できるチャックを提供することである。
【0004】
本願発明は、チャック本体に軸方向移動するウェッジ部材を設けると共に、締付爪とその後方で対応する摺動部材とを夫々半径方向移動可能に案内し、締付爪と摺動部材の両者を前記ウェッジ部材のくさび部分と噛み合わせ可能とし、摺動部材には、操作部材により対応する締付爪と係脱する係脱部材を設けて成り、前記ウエッジ部材を爪交換位置に軸方向移動させてウェッジ部材のくさび部分と締付爪との噛み合わせを解除すると共に、係脱部材を締付爪から離脱させて締付爪をチャック本体の半径方向から交換可能としたチャックにおいて、前記操作部材をチャック本体の外周面から横方向に、且つ係脱部材の軸線と直交する方向に操作部材を軸線周りに回動可能に設けたことを特徴とする(請求項1)。これによれば摺動部材には係脱部材のみ設けられ、操作部材はチャック本体に設けられるので、摺動部材を小型化でき、更に半径方向に移動する部材の質量が小さくなり好適である。
【0005】
前記係脱部材は、チャック軸線方向に進退するように摺動部材に設けてあり、その係脱部材と操作部材とは、係脱部材が締付爪と係合して締付爪と摺動部材とを半径方向に一体とした状態で、ウエッジ部材の軸方向移動による摺動部材の半径方向移動を許すように連繋してあることを特徴とする(請求項2)。
【0006】
また、前記係脱部材はピン部材であり、その外周にチャック本体の半径方向溝を形成し、操作部材は、チャック本体の前記半径方向溝と対向する部分に、ピン部材の軸線と直交する方向の軸線周りに回動可能に設けてあり、その操作部材の先端には、操作部材の回転軸心と偏芯して操作部を設け、その操作部を前記半径方向溝に係合し、操作部材を回転することでピン部材を軸線方向に進退させるようにしたことを特徴とする(請求項3)。
操作部材は中心に工具係脱孔を有していることを特徴とする(請求項4)。
【0009】
更に、チャック本体に軸方向移動するウェッジ部材を設けると共に、締付爪とその後方で対応する摺動部材とを夫々半径方向移動可能に案内し、締付爪と摺動部材の両者を前記ウェッジ部材のくさび部分と噛み合わせ可能とし、摺動部材には、操作部材により対応する締付爪と係脱する係脱部材を設けて成り、前記ウエッジ部材を爪交換位置に軸方向移動させてウェッジ部材のくさび部分と締付爪との噛み合わせを解除すると共に、係脱部材を締付爪から離脱させて締付爪をチャック本体の半径方向から交換可能とし、前記操作部材をチャック本体に設けたチャックにおいて、ウエッジ部材と当接して、ウエッジ部材の一方のストローク端を、爪交換位置と、ウエッジ部材のくさび部分と締付爪とが外れることのない通常動作におけるストローク端位置とに切り替えるストローク規制部材をチャック本体に備え、ストローク規制部材は、チャック本体に回動可能に備えた規制リングであり、その規制リングは、ウエッジ部材に向いた突起部を備え、その突起部がウエッジ部材のストローク規制面と対向する位置と、ストローク規制面と対向しない位置との間で前記規制リングを回動させるリング操作部材を設け、ウエッジ部材に形成されたT溝状のくさび部分内側空間に、突起部が入り込んで、ウエッジ部材のストローク規制面と突起部とが対向しないようにし、チャック本体にリング操作部材を、半径方向の軸線周りに回動可能に設け、リング操作部材には前記回転軸線に直交する方向の操作レバーを突設し、その操作レバーを規制リングに設けた係止溝に係合させて操作レバーを通常角度位置と交換角度位置とに切換回転して規制リングを、突起部がウエッジ部材のストローク規制面と対向する位置と、ストローク規制面と対向しない位置との間で回動させように構成したことを特徴とする(請求項)。
【0010】
また、前記リング操作部材を、その軸線方向にも移動するように設けて半径方向外方に付勢し、リング操作部材とチャック本体とには、案内ピンとその案内ピンの嵌まり込むガイド溝を設け、そのガイド溝は、通常角度位置と交換角度位置とに対応した2条の軸方向溝とそれらの軸方向溝の端部を繋ぐ円周方向溝とから成り、前記軸方向溝は、交換角度位置に対応する溝が、通常角度位置に対応する溝よりもチャック本体の半径方向内側まで延びていることを特徴とする(請求項)。これによれば、通常角度位置と交換角度位置でリング操作部材のチャック本体からの突出量が異なり、これによって通常動作状態であるか爪交換状態であるかの識別を行うことができて好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態について図1から図12に基づいて説明する。図1に示すように、チャック本体1の前部には円周方向等間隔に複数(本願実施の形態では3個所)の爪案内溝2がチャック半径方向に設けられている。爪案内溝2は図2に示すように幅狭溝部2aと幅広溝部2bとからなっている。爪案内溝2には、トップジョウ3とベースジョウ4とからなる締付爪5がチャック半径方向移動可能に嵌合案内されている。ベースジョウ4には、幅狭部4aとその幅方向両側の幅広部4bが形成されており、その幅狭部4aは爪案内溝2の幅狭溝部2aに嵌合され、幅広部4bは爪案内溝2の幅広溝部2bに嵌合されている。ベースジョウ4の幅広部4bのチャック半径方向内側には図1に示すように傾斜したくさび部分6が設けられている。ベースジョウ4の背面には図1、図2に示すように後述の係脱部材7が嵌まり込む嵌合孔8が穿設されている。
【0012】
また、チャック本体1には、前記夫々の爪案内溝2の後方で対応する位置にチャック本体半径方向の案内部材取付孔9が設けられている。この夫々の案内部材取付孔9には、案内部材10が取付ボルト11によって取り付けられている。各案内部材10の前部には、爪案内溝2と対応してチャック半径方向に延びる摺動部材案内溝12が形成されている。摺動部材案内溝12は幅狭溝部12aと幅広溝部12bとから成る断面形状が略T字形状に形成されている。摺動部材案内溝12の後方には係脱部材収容空間13が設けられている。また、ベースジョウ4の嵌合孔8と対応する摺動部材16の略中央部分には、後述の係脱部材7が摺動可能に挿通される挿通孔14が穿設されている。また、案内部材10の一方の側面には係脱部材収容空間13に連通する操作部材貫通孔15が穿設されている。
【0013】
前記摺動部材案内溝12の幅広溝部12bには、図1、図3に示すように摺動部材16の幅方向両側で摺動部材16の幅広部16bが嵌合し、幅狭溝部12aには、摺動部材16の幅狭部16aが嵌合しており、これにより摺動部材16が摺動部材案内溝12によりチャック半径方向に移動可能に案内されている。この摺動部材16は前記ベースジョウ4の背面に対向しており、摺動部材16のチャック半径方向内側部分の幅方向両側面には、ベースジョウ4のくさび部分6と同じ傾斜をしており、ベースジョウ4のくさび部分6と連続することが可能なくさび部分17が設けられている。
【0014】
係脱部材7はピン部材であり、その先端部分が挿通孔14に軸線方向に移動可能に挿通されていると共に、その先端が締付爪5の嵌合孔8に係脱可能となっている。また、係脱部材7の後端部分は、係脱部材収容空間13に収容されていると共に後端部分外周には、チャック本体半径方向に半径方向溝18が形成されている。
【0015】
また、チャック本体1には図2、図4に示すようにその外周面から横方向に係脱部材7の軸線と直交する操作部材挿入孔19が設けられている。この操作部材挿入孔19は、前記案内部材10の操作部材貫通孔15に連続している。操作部材挿入孔19は段付孔であり、操作部材挿入孔19には操作部材20が操作部材挿入孔19の軸線周りに回動可能に挿入されている。また、操作部材挿入孔19には工具挿入孔21が設けられた保持部材22が螺合されており、保持部材22と操作部材挿入孔19の段部23との間に操作部材20の大径部24を保持している。25は保持部材22の回り止めねじである。
【0016】
操作部材20の先端には、操作部材20の回転軸心と偏心して操作部26が設けられており、その操作部26は前記係脱部材7の半径方向溝18に係合している。また、操作部材20の操作部26と反対側端部分の中心には、工具係脱孔27が設けられている。また、操作部材20には、操作部材20外周から工具係脱孔27に向けて貫通する回り止め係脱孔28が穿設されている。回り止め係脱孔28には、工具係脱孔27に出没可能に工具抜け止め部材29が挿入されている。チャック本体1には回り止め用孔30が回り止め係脱孔28に対応して設けられており、摺動可能に回り止め部材31が挿入されている。回り止め用孔30はキャッププレート32により塞がれており、キャッププレート32と回り止め部材31との間には、付勢ばね33が介装されて回り止め部材31を常に操作部材20に向けて付勢し、回り止め部材31の先端が回り止め係脱孔28に係合すると共に工具抜け止め部材29に圧接して工具抜け止め部材29を工具係脱孔27内に突出させている。尚、操作部材として先端をL字状に折り曲げて操作部とし、その操作部を半径方向溝に摺動可能に設け、操作部材を係脱部材の後方でチャック本体にチャック軸線方向に移動可能に設け、操作部材の進退によって、係脱部材を軸線方向に進退させるようにしても良い。また、図12に示すように、チャック本体1に操作部材69をその軸方向がチャック本体1半径方向となると共に回動可能に設け、操作部材69の操作部70を半径方向溝18に摺動可能に設け、操作部材69の回動によって係脱部材7をチャック本体1軸線方向に進退しても良い。
【0017】
また、チャック本体1にはその中心に軸線方向に延びる摺動孔34が形成されている。摺動孔34には、ウェッジ部材35がチャック軸線方向に所定量摺動可能に案内されている。ウェッジ部材35は前記ベースジョウ4のくさび部分6と摺動部材16のくさび部分17に噛み合うくさび部分36を備えている。このくさび部分36はT溝形状の傾斜溝に形成されており、摺動部材16のくさび部分17と締付爪5のくさび部分6と噛み合わせ可能となっている。ウェッジ部材35の中心孔37の前側部分には、チャック本体1の前面に固着したパイロットブッシング38が遊嵌されている。ウェッジ部材35の中心孔37の後側部分には、ドローチューブ39が螺合さている。ドローチューブ39は、チャック本体1の後部分に取り付けたバックプレート40を貫通しており、ドローチューブ39にはラウンドナット41とによりドロースクリュ42が取り付けられており、ドロースクリュ42は図示しないドローパイプを介して主軸後端に設けた回転シリンダに連結されている。従って回転シリンダによってドロースクリュ42が前後動されるとウェッジ部材35がチャック軸線方向に前後動し、締付爪5と摺動部材16を半径方向へ移動させることとなる。このウェッジ部材35のチャック軸線方向移動量は、後述のストローク規制部材43の突起部44がウェッジ部材35のT溝状のくさび部分36と対応した位置にある状態で、ウェッジ部材35が後退端に位置したときにウェッジ部材35のくさび部分36が締付爪5のくさび部分6から外れる量に設定されている。
【0018】
また、前記摺動孔34の後側部分には、チャック本体1とバックプレート40との間にストローク規制部材43のフランジ部分45が挟まれた状態でストローク規制部材43がチャック軸線周りに回動可能に備えられている。このストローク規制部材43は規制リングであり、規制リング43には前記ウェッジ部材35の後端部分及びドローチューブ39が挿通する挿通孔46が形成されている。また、規制リングは43、ウェッジ部材35に向き、円周方向に120度間隔で突設された3つの突起部44を備えている。
【0019】
規制リング43は、図1、図5に示すように、前記各突起部44がウェッジ部材35のストローク規制面47と対向する位置にあり、突起部44のストッパ面48がストローク規制面47と当接可能な第1当接位置と、図7、図8に示すように3つの突起部44がウェッジ部材35のストローク規制面47と対向しない位置にあり、各突起部44が夫々ウェッジ部材35のT溝状のくさび部分36内側空間に入り込むと共にストローク規制面47と規制リング43前面のストッパ面49とが当接可能な第2当接位置とに回動可能となっている。規制リング43は、規制リング43が第1当接位置にあり突起部44のストッパ面48がストローク規制面47と当接した状態では、前記ウェッジ部材35をウェッジ部材35のくさび部分36と締付爪5のくさび部分6とが外れることのない通常動作におけるストローク端位置に位置規制する(図9)。また、規制リング43は、規制リング43が第2当接位置にあり、突起部44がくさび部分36内側空間に入り込んだ状態では、前記ウェッジ部材35をウェッジ部材35のくさび部分36と締付爪5のくさび部分6との噛み合わせが解除された状態となる爪交換位置に位置規制する(図7)。
【0020】
前記フランジ部分45には、半径方向に適当な深さを有しリング操作部材50の操作レバー51が係合する係止溝52が形成されている。更に、規制リング43の係止溝52側の外周面は、リング操作部材50との干渉を防止するために図3に示すように直線的に切削された干渉防止溝53に形成されている。
【0021】
リング操作部材50は、チャック本体1の後側部分に設けられた操作部材用孔54にチャック半径方向軸線周りに回動可能に設けられていると共にチャック半径方向に移動可能に設けられている。このリング操作部材50には付勢ピン収容孔55が設けられており、付勢ピン収容孔55には付勢ピン56がチャック半径方向に摺動可能に収容されている。付勢ピン収容孔55と付勢ピン56間には付勢ばね57が介装されており、付勢ばね57は常にリング操作部材50と付勢ピン56とを相対的に付勢しており、付勢ピン56先端を前記規制リング43の外周面に圧接し、リング操作部材50をチャック半径方向外方に付勢している。
【0022】
リング操作部材50のチャック半径方向の内側端部分には、図1、図6に示すようにリング操作部材50の回転軸線に直交する方向の操作レバー51が突設されている。操作レバー51は前記規制リング43の係止溝52に係合している。操作レバー51はリング操作部材50の回動によって、図6に示す規制リング43を第1当接位置とする通常角度位置と、図10に示す規制リング43を第2当接位置とする交換角度位置とに切替回転可能となっている。また、操作レバー51は、チャック本体1に形成された第1、第2突出規制溝58,59に前記付勢ばね57の付勢力によって押圧され突出規制されている。第2突出規制溝59は、第1突出規制溝58よりチャック半径方向外側に向って延びている。操作レバー51は、通常角度位置にあるとき第1突出規制溝58と当接し、交換角度位置にあるとき第2突出規制溝59に当接する。尚、60は操作レバー51の先端がバックプレート40と干渉するのを防止するための凹部である。
【0023】
また、リング操作部材50の外周面にはガイド溝61が設けられている。ガイド溝61には、チャック本体1に植設された案内ピン62が嵌まり込んでいる。そのガイド溝61は、通常角度位置に対応する軸方向溝63と、通常角度位置に対応する軸方向溝63よりもチャック本体1の半径方向内側まで延びている交換角度位置に対応した軸方向溝64と、これら2条の軸方向溝63,64の端部を繋ぐ円周方向溝65とから成っている。更に、リング操作部材50には、リング操作部材50を操作する工具が挿入される挿入孔66が設けられている。リング操作部材50は、交換角度位置にあるとき、付勢ばね57によりチャック本体1外周面から飛び出しており、ウェッジ部材35が爪交換位置にあることを容易に確認できるようになっている。尚、そのリング操作部材50の飛び出し部分67に識別色を塗布すれば、確認が更に容易となる。
【0024】
次に動作について説明する。チャックの通常動作の際には、規制リング43の突起部44のストッパ面48がウェッジ部材35のストローク規制面47と対向する第1当接位置となっている。この時、リング操作部材50は通常角度位置にあり、案内ピン62と軸方向溝63で回動不能であり、又、第1突出規制溝58と付勢ばね57でチャック本体1外周面から飛び出すことなく操作部材用孔54に収まっている。また、操作部材20は回り止め部材31によって回動不能となっており、係脱部材7が締付爪5の嵌合孔8から抜けることはない。図示しない工作物を把握する際には、ウェッジ部材35を後退し、各くさび部分6,17,36の噛み合いにより、締付爪5と摺動部材16とを一体に半径方向の相対位置を保ったままチャック中心へ向けて一斉に閉鎖移動する。このチャックを回転すると、半径方向へ移動する部材即ち締付爪5と摺動部材16と係脱部材7の合計質量による遠心力が作用するが、従来のように摺動部材16に操作部材20等が一体に設けられていないので、摺動部材16を小さく軽くすることができると共に操作部材20等の質量分軽くでき、また、摺動部材16を小さくできること、つまりチャック半径方向長さを短くできるので、従来に比べて摺動部材16をチャック半径方向内側に位置することができる。これによって、チャックを小型化できると共に、半径方向へ移動する部材の遠心力が小さくなり、把握力の低下を防止することができ、従来より高速で使用することができる。また、摺動部材16が小さくなった部分のチャック本体1の肉厚が増し剛性を高めることができ、これらによりチャックの小型化を可能とする。また、通常動作時において、ウェッジ部材35を後退端まで後退しても、図9に示すようにストローク規制面47がストッパ面48に当接するストローク端位置で移動が規制され、ウェッジ部材35のくさび部分36と締付爪5のくさび部分6の噛み合わせが解除されることがない。
【0025】
次に、締付爪5を工作物に対応して交換する場合には、先ず、ストローク規制面47とストッパ面48が離れた状態でリング操作部材50を工具によってチャック半径方向内側に付勢ばね57に抗して押し込む。するとガイド溝61の通常角度位置に対応する軸方向溝63のチャック半径方向内側端に係合する案内ピン62が円周方向溝65に移動し、この状態でリング操作部材50を通常角度位置から交換角度位置に回転する。リング操作部材50を回転すると、案内ピン62は交換角度位置に対応した軸方向溝64と対応する円周方向溝端65に位置すると共に、操作レバー51が第1突出規制溝58から第2突出規制溝59位置に移動する。そして、リング操作部材50から工具を抜き取ると、付勢ばね57によって、操作レバー51が第2突出規制溝59に係合し、リング操作部材50の外側端67がチャック本体1外周面より突出する。この操作レバー51の移動に伴って規制リング43が第1当接位置から第2当接位置に回転する。
【0026】
次にウェッジ部材35を後退すると、規制リング43の各突起部44が対応するウェッジ部材35のくさび部分36内側空間に入り込み、ウェッジ部材35が爪交換位置まで移動し、締付爪5とこれに対向する摺動部材16を一体にチャック中心へ向けて一斉に閉鎖移動する。ウェッジ部材35が爪交換位置に到達するとウェッジ部材35のくさび部分36が締付爪5のくさび部分6から外れる。このウェッジ部材35のくさび部分36から締付爪5のくさび部分6が外れた状態では、締付爪5は半径方向に落下しようとするが、係脱部材7によって摺動部材16と一体となっているので、従来と同様に落下が防止されると共に、この状態でチャックが誤って回転したとしても締付爪5の飛び出しが防止される。
【0027】
次に、操作部材20の工具係脱孔27に工具68を挿入する。図11に示すように工具68の挿入によって、工具抜け止め部材29が軸線方向に押し圧されて回り止め部材31を付勢ばね33に抗して移動し、回り止め部材29と回り止め係脱孔28との係合が外れる。また、工具抜け止め部材29が工具68先端の係止凹部68aに係合し、工具68を工具係脱孔27から脱落しないようにする。この状態で工具68により操作部材20を回転すると、操作部材20に偏心して設けられた操作部26により係脱部材7が軸線方向後方に移動し、締付爪5の嵌合孔8から外れる。そして締付爪5を半径方向へ取出す。
【0028】
次に新しい締付爪5を爪案内溝2へ装着し、前記とは反対に操作部材20を回転し、係脱部材7を締付爪5の嵌合孔6に嵌合し、工具68を抜き取る。工具68を抜き取ると再び回り止め部材31が回り止め係脱孔28に嵌まり、操作部材20の回転を防止して、係脱部材7が嵌合孔8から抜けないようになる。次いでチャックを回転し、次の締付爪5を交換する。全ての締付爪5の交換が完了した後、ウェッジ部材35を前進させ、そのくさび部分36を締付爪5のくさび部分6に噛み合わせる。
【0029】
次に工具によってリング操作部材50をチャック半径方向内側に押し込みながら前記とは反対に交換角度位置から通常角度位置に回転し、再び案内ピン62を通常角度位置に対応する軸方向溝63に係合すると共に操作レバー51を第1突出規制溝58に係合する。このリング操作部材51の回転によって、規制リング43は第2当接位置から第1当接位置に回転し、突起部44のストッパ面48が締付爪5のストローク規制面47に対向する。また、チャック本体1外周面より突出していたリング操作部材50の外側端67が再び操作部材用孔54内に入り込み、締付爪5の交換作業が終了する。この時、リング操作部材50の外側端67が見えなくなることで、作業者は締付爪5の交換が完了したことが確認できる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本願発明では、摺動部材に設けた係脱部材を対応する締付爪に係脱する操作部材をチャック本体に設けたので、摺動部材が小さく軽くなる。また、摺動部材が小さくなることで、摺動部材の位置がチャック半径方向内側となる。これらにより、摺動部材と一体に移動する締付爪に作用する遠心力を小さくすることができ、把握力の低下を防止できると共にチャックの回転速度を高速化できる。また、チャックの剛性も向上し、これらによりチャックも小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チャックの断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図1のVI視拡大図である。
【図7】爪交換位置でのチャックの断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】通常動作におけるストローク端位置でのチャックの断面図である
【図10】図7のX視拡大図である。
【図11】図7のXI−XI線断面図である。
【図12】操作部材の他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 チャック本体
5 締付爪
6 くさび部分
7 係脱部材(ピン部材)
16 摺動部材
18 半径方向溝
20 操作部材
26 操作部
27 工具係脱孔
35 ウェッジ部材
36 くさび部分
43 ストローク規制部材(規制リング)
44 突起部
47 ストローク規制面
50 リング操作部材
51 操作レバー
52 係止溝
61 ガイド溝
62 案内ピン
63 軸方向溝
65 円周方向溝

Claims (6)

  1. チャック本体に軸方向移動するウェッジ部材を設けると共に、締付爪とその後方で対応する摺動部材とを夫々半径方向移動可能に案内し、締付爪と摺動部材の両者を前記ウェッジ部材のくさび部分と噛み合わせ可能とし、摺動部材には、操作部材により対応する締付爪と係脱する係脱部材を設けて成り、前記ウエッジ部材を爪交換位置に軸方向移動させてウェッジ部材のくさび部分と締付爪との噛み合わせを解除すると共に、係脱部材を締付爪から離脱させて締付爪をチャック本体の半径方向から交換可能としたチャックにおいて、
    前記操作部材をチャック本体の外周面から横方向に、且つ係脱部材の軸線と直交する方向に操作部材を軸線周りに回動可能に設けたことを特徴とするチャック。
  2. 係脱部材は、チャック軸線方向に進退するように摺動部材に設けてあり、その係脱部材と操作部材とは、係脱部材が締付爪と係合して締付爪と摺動部材とを半径方向に一体とした状態で、ウエッジ部材の軸方向移動による摺動部材の半径方向移動を許すように連繋してあることを特徴とする請求項1記載のチャック。
  3. 係脱部材はピン部材であり、その外周にチャック本体の半径方向溝を形成し、操作部材は、チャック本体の前記半径方向溝と対向する部分に、ピン部材の軸線と直交する方向の軸線周りに回動可能に設けてあり、その操作部材の先端には、操作部材の回転軸心と偏芯して操作部を設け、その操作部を前記半径方向溝に係合し、操作部材を回転することでピン部材を軸線方向に進退させるようにしたことを特徴とする請求項2記載のチャック。
  4. 操作部材は中心に工具係脱孔を有していることを特徴とする請求項3記載のチャック。
  5. チャック本体に軸方向移動するウェッジ部材を設けると共に、締付爪とその後方で対応する摺動部材とを夫々半径方向移動可能に案内し、締付爪と摺動部材の両者を前記ウェッジ部材のくさび部分と噛み合わせ可能とし、摺動部材には、操作部材により対応する締付爪と係脱する係脱部材を設けて成り、前記ウエッジ部材を爪交換位置に軸方向移動させてウェッジ部材のくさび部分と締付爪との噛み合わせを解除すると共に、係脱部材を締付爪から離脱させて締付爪をチャック本体の半径方向から交換可能とし、前記操作部材をチャック本体に設けたチャックにおいて、
    ウエッジ部材と当接して、ウエッジ部材の一方のストローク端を、爪交換位置と、ウエッジ部材のくさび部分と締付爪とが外れることのない通常動作におけるストローク端位置とに切り替えるストローク規制部材をチャック本体に備え、
    ストローク規制部材は、チャック本体に回動可能に備えた規制リングであり、その規制リングは、ウエッジ部材に向いた突起部を備え、その突起部がウエッジ部材のストローク規制面と対向する位置と、ストローク規制面と対向しない位置との間で前記規制リングを回動させるリング操作部材を設け、
    ウエッジ部材に形成されたT溝状のくさび部分内側空間に、突起部が入り込んで、ウエッジ部材のストローク規制面と突起部とが対向しないようにし、
    チャック本体にリング操作部材を、半径方向の軸線周りに回動可能に設け、リング操作部材には前記回転軸線に直交する方向の操作レバーを突設し、その操作レバーを規制リングに設けた係止溝に係合させて操作レバーを通常角度位置と交換角度位置とに切換回転して規制リングを、突起部がウエッジ部材のストローク規制面と対向する位置と、ストローク規制面と対向しない位置との間で回動させように構成したことを特徴とするチャック。
  6. リング操作部材を、その軸線方向にも移動するように設けて半径方向外方に付勢し、リング操作部材とチャック本体とには、案内ピンとその案内ピンの嵌まり込むガイド溝を設け、そのガイド溝は、通常角度位置と交換角度位置とに対応した2条の軸方向溝とそれらの軸方向溝の端部を繋ぐ円周方向溝とから成り、前記軸方向溝は、交換角度位置に対応する溝が、通常角度位置に対応する溝よりもチャック本体の半径方向内側まで延びていることを特徴とする請求項記載のチャック。
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