以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1、4について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、5について説明する。また、実施例3は、主に請求項3、6について説明する。
≪実施例1≫ <実施例1の概要> 図1に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置によるコンテンツの記録媒体への書込み、複写、再生の一例について説明するための概念図である。この図1(a)にあるように、例えばある年のプロ野球日本シリーズのテレビ特集番組を、本実施例のコンテンツ記録再生装置を利用してDVDメディア(記録媒体)Aに記録する。その際、このコンテンツ記録再生装置では、まず日本シリーズの特集番組の映像データを記録再生装置の秘密の機器固有識別情報などに加え、そのコンテンツの書込み時間、例えば「4月5日19時30分」という時間情報も利用して暗号化し記録媒体Aに記録する。
そして、DVDメディアAに記録された暗号化コンテンツは、付加情報として記録媒体に書込まれた時間情報を含むことになるので、このコンテンツの再生時には、その付加情報の時間情報と、コンテンツ記録再生装置に秘密に保持されている機器固有識別情報と、を利用して暗号化コンテンツを復号化し映像の再生を行う、という具合である。
一方、図1(b)に示すように、このDVDメディアAに記録された日本シリーズの放送データを、別のDVDメディアBに複写(コピー)する場合、DVDメディアBに複写された暗号化コンテンツの付加情報はコピーされた日時、例えば「2005年4月9日10時00分」に更新されている。つまり、このDVDメディアBに記録された日本シリーズの特集番組のデータを再生しようとしても、その時間情報が異なるため正しく復号化することができず再生することができない、という具合である。
<実施例1の構成> 図2および図3に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「コンテンツ記録再生装置」(0200、0300)は、「記録命令取得部」(0201、0301)と、「コンテンツ取得部」(0202,0302)と、「保持部」(0203、0303)と、「時間情報出力部」(0204,0304)と、「新規書込部」(0205,0305)と、「複写書込部」(0206,0306)と、を有する。なお、図2における矢印は、記録媒体へのコンテンツ新規書込みの際における情報の流れの一例を表している。図3における矢印は、記録媒体へのコンテンツ複写書込みの際における情報の流れの一例を表している。
また、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいはハードディスクや不揮発性メモリなどの記憶装置や光学系記憶メディア、それらメディアの読取ドライブ、各種通信や印刷機器用の送受信ポート、その他の周辺装置などのハードウェア構成部や、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるインターフェースなどが挙げられる。また、これらハードウェアやソフトウェアは、メモリ上に展開したプログラムをCPUで順次演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。
また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
「記録命令取得部」(0201,0301)は、複数種類の記録命令を取得する機能を有する。記録命令取得部は、例えば機器に配された操作パネルやリモコンボタン、あるいはキーボードやマウスなどによる操作や、ディスプレイに表示されたグラフィカルインターフェースを介した操作によって入力された記録命令を取得すると良い。「記録命令」とは、記録媒体、例えば各種DVDやCD、あるいは次世代DVD規格に基づく光学系記録媒体、ハードディスクドライブなどの磁気記録装置や不揮発性の半導体メモリなど、に対してコンテンツを記録するための命令をいう。
この記録命令の種類としては、例えば、「新規記録命令」や「複写記録命令」などが挙げられる。図4に示すのは、記録命令取得部で取得される「新規記録命令」の一例について説明するための図である。この図にあるように、新規記録命令は、例えばコンテンツ記録再生装置の内蔵チューナーなどで受信した放送番組(コンテンツ)αを新規に記録媒体に書込むための命令が挙げられる。またその命令の取得は、例えばリモコン装置の録画ボタンβが押下され赤外線によりその新規記録命令を示す信号がコンテンツ記録装置に受信されることで取得する方法が挙げられる。
図5に示すのは、記録命令取得部で取得される「複写記録命令」の一例について説明するための図である。この図にあるように、複写記録命令は、例えば一度記録媒体Aに記録されたコンテンツαを別の記録媒体Bに複写(コピー)して記録するための命令である。そして、その取得は、例えばディスプレイ上に表示されたグラフィカルインターフェースのコピー開始ボタンβを、キーボードやマウスなどで選択しクリックすることで取得する方法などが挙げられる。
また、その他にも記録命令の種類として、複写元の記録媒体にあるコンテンツを削除した上で別の記録媒体に移動して記録するための「移動記録命令」なども挙げられる。なお、この移動記録命令と、移動取得命令の取得によるコンテンツの移動記録処理については実施例2にて説明する。
このように本発明のコンテンツ記録再生装置は、記録命令をその記録の性質によって複数種類に分けて取得する。そしてその記録命令の種類に応じて記録媒体に記録する時間情報を変化させることでコンテンツの著作権保護を実現することができる。なお、「複写記録命令」や後述する「移動記録命令」に関しては、その複写や移動が何回目であるか、を示す情報と、その複写/移動記録を許可する回数を示す情報と関連付けて取得され、その許可回数範囲内であれば記録する時間情報を変化させない、とする構成をとっても良い。
「コンテンツ取得部」(0202,0302)は、コンテンツを取得する機能を有する。「コンテンツ」とは、著作権の発生する著作物を示すデータをいい、映像、音楽、画像、文章、コンピュータプログラムを示すためのデータ、あるいはそれらの組合せのデータなどが挙げられる。なお、このコンテンツ取得部は、例えばテレビ放送波の受信チューナーとエンコーダであって、記録媒体に新規書込みするためにコンテンツを取得しても良い。あるいは、記録媒体である光学系記録メディアの読取ドライブであって、記録媒体に記録されている暗号化されていない/暗号化されたコンテンツを読取ることで取得しても良い。その他にも、コンテンツ取得部によるコンテンツの取得は、例えばスキャナによる画像や文章の読取や、ネットワークを介した配信映像/音楽の取得、などさまざまであって良い。
「保持部」(0203、0303)は、機器固有識別情報を保持する機能を有する。「機器固有識別情報」とは、機器である本発明のコンテンツ記録再生装置を識別するために固有に付された識別情報をいい、例えば暗号化用に機器個別に付された識別情報の他、機器の製造番号やネットワーク対応機器であればそのIPアドレスなどが挙げられる。あるいは、この機器固有識別情報は、一台の機器に複数束として保持されていても良い。その場合後述する機器固有識別情報に基づく暗号化キーを利用したコンテンツ暗号化において、例えばコンテンツごとに別々の機器固有識別情報を利用する、などの構成としても良い。
またこの保持部は、コンテンツ記録再生装置に挿入されるデジタル放送などで利用されているB−CAS(登録商標)カードに備えられていてもよい。この場合にはB−CASカードに付された識別情報が本件発明に言うところの機器固有識別情報に該当し、これを保持しているB−CASカードの構成部が保持部に該当する。また、コンテンツ記録再生装置が記録・再生用のソフトウェアによって構成される場合には、機器固有識別情報はその記録、再生用のソフトウェアに付されたソフトウェア識別情報であっても良い。この場合には、機器固有識別情報は、記録・再生用ソフトウェアからコピーされて記録再生装置のメモリなどに保持されるので、このメモリなどが本件発明に言うところの保持部に該当する。
この保持部は、機器に内蔵のハードディスクドライブや不揮発性メモリ、あるいは上記のようにカードなどの媒体とその読取装置によって実現することができる。そして、この保持部で保持されている機器固有識別情報を利用してコンテンツを暗号化し記録媒体に記録することで、記録媒体に記録したコンテンツの再生可能機器を制限することができ、さらにコンテンツの著作権の保護機能を強化することができる。なお、この機器固有識別情報によるコンテンツの再生(復号化)処理の詳細は、実施例3にて記載する。
「時間情報出力部」(0204,0304)は、時間情報を出力する機能を有する。「時間情報」とは、年、月、日、時、分、秒、などで示される時間の情報をいい、例えば「20050809165532」などの数字の羅列で示される情報や、「2005年8月9日16時55分32秒」などの2バイトの全角文字情報も含む時間情報などが挙げられる。この時間情報は機器に内蔵されたデジタルカレンダーやデジタル時計から取得し出力すると良い。
そして、本実施例のコンテンツ記録再生装置では、この時間情報に基づく暗号化キーを利用して後述するようにコンテンツを暗号化することを特徴としている。つまり時間情報によってコンテンツの不正な複製などによる著作権侵害を防止することができる。したがって、この時間情報は簡単に改変などされないようにする必要がある。そのために、例えば本発明のコンテンツ記録再生装置はソフトウェア上の処理などで変更することができないハードウェア内蔵時計を備えていることが望ましい。あるいは例えばNTP(ネットワーク・タイム・プロトコル)を利用して定期的に日本標準時に内蔵時計を合わせるなどの処理を行うことが望ましい。
「新規書込部」(0205,0305)は、記録命令取得部にて取得した記録命令が「新規記録命令」である場合に、機器固有識別情報と、記録命令取得タイミングでの時間情報と、に基づいた暗号化キーを利用して取得コンテンツから暗号化コンテンツを生成し、生成した暗号化コンテンツと、記録命令取得タイミングでの時間情報とを関連付けて媒体に書込む機能を有する。なお、そのこの新規書込み処理の際のコンテンツ暗号化に利用される機器固有識別情報は、その情報を覗き見することが出来ない秘密状態にて保持されていると良い。あるいは上記機器固有識別情報や時間情報に加え、別途秘密の暗号化キーを覗き見することが出来ない秘密状態にて保持しコンテンツ暗号化に利用することで、暗号化されたコンテンツの暗号強度を保証しても良い。
また、「記録命令取得タイミング」とは、記録命令取得部である例えばリモコンの録画ボタンが押下されたタイミングなどの他にも、例えばそのボタン押下などのタイミングから秘密の所定時間分前後にずらしたタイミングであっても良い。このようにすることで、暗号化キーの一つである記録命令取得タイミングでの時間情報を、ユーザーに容易に確認できないようにすることができる。また、記録媒体に暗号化コンテンツと関連付けて記録される時間情報はファイルシステムの情報として記録され、ユーザーが一般的に確認可能な状態で記録されても良いし、暗号化されたりしても良い。あるいは一般的処理では読取れず、後述の復号化の際にのみ秘密にアクセス可能な領域に記録されたりするなど、ユーザーが容易に確認できない形態で記録されても良い。その場合、記録媒体に記録される時間情報に関連して、その復号化の際にのみアクセス可能に定められた領域を示す情報が記録媒体に書込まれても良い。
図6に示すのは、この新規書込部でのコンテンツの記録媒体への記録処理の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、まず、記録命令取得部において、例えばリモコン操作などにより「新規記録命令」が取得される。すると、例えばコンテンツ取得部である受信チューナーで受信、取得されているコンテンツである放送番組「日本シリーズ」を暗号化する処理がまず行われる。その暗号化処理においては、保持部に保持されている機器固有識別情報「1111−××××」と、時間情報出力部にて出力された例えばリモコンの録画ボタンが押下された時間「4月5日19時30分」と、に基づいて暗号化キーが生成され、その暗号化キーによるコンテンツの暗号化処理が行われる。
なお、この暗号化の方法としては、例えば、機器固有識別情報と時間情報とを一方向性関数に代入し暗号化キーを生成することで行う方法が挙げられる。その他にも、例えば機器固有識別情報に基づくキーを利用しコンテンツの暗号化を行い、その機器固有識別情報のキーを時間情報に基づいて暗号化することで実行されても良い。また逆に時間情報に基づくキーによりコンテンツを暗号化し、その時間情報に基づくキーを機器固有識別情報に基づく暗号化キーで暗号化することで実行されても良い。また、もちろん、これら情報のほかにも、例えばコンテンツ管理者などから個別に配布されるライセンス暗号化キーなどを加えて上記暗号化処理を行っても良い。そして、このように暗号化されたコンテンツに、上記時間情報「4月5日19時30分」が付加情報として加えられ記録媒体に対する書込み処理が行われる、という具合である。
図7に示すのは、新規書込記録処理における暗号化処理の一例について説明するための概念図である。この図にあるように、時間情報と機器固有識別情報から、一方向性関数によって暗号化キーを生成する。そしてその暗号化キーによってコンテンツの暗号化が行われる、という具合である。もちろん、上記時間情報や機器固有識別情報のほかに暗号化用のキーを用意することで、暗号の強度をさらに高めても構わない。また、コンテンツを複数に分割し、機器固有識別情報と時間情報とに基づく暗号化キーを分割コンテンツごとに異なるようにして暗号化処理を行う構成としても良い。
図8に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用して記録媒体へのコンテンツの新規書込み処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、コンテンツ記録再生装置は、新規書込部である「CPU(中央演算装置)」(0801)と、「主メモリ」(0802)と、「書込装置」(0807)と、を備えている。また保持部である「記憶装置(又は記憶媒体)」(0803)や、時間情報出力部である「内蔵時計」(0804)、記録命令取得部である「インターフェース」(0805)、コンテンツ取得部である「受信チューナー」(0806)も備えている。そしてそれらが「システムバス」(0808)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また、「記憶装置」は「CPU」にて実行される各種プログラムや、機器固有識別情報である機器IDなどを記憶している。また「主メモリ」は、「記憶装置」に記憶されているプログラムを実行するために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「主メモリ」や「記憶装置」にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
また、「受信チューナー」は、アナログ放送波用の受信チューナーであれば放送波をデジタル情報に変換するためのアナログ/デジタル変換器を備え、受信したコンテンツのデータを「記憶装置」や受信チューナー専用の一時記憶メモリなどに記憶する機能を備える。「インターフェース」は、機器やリモコンの操作パネルによる記録命令の受付や、グラフィカルインターフェースによる記録命令の受付を行う機能を備える。「内蔵時計」は、現在時間を計時し出力する機能を備える。
図9に示すのは、コンテンツを暗号化するプログラムが利用するデータをXML形式で記述したリストの一例である。この図にあるように、例えば、コンテンツである「日本シリーズ1989メモリアル」という映像データを、機器ID「1111−××××」や時間情報「04050930」で暗号化する、という具合である。具体的には、「インターフェース」にて、「受信チューナー」で受信中の番組(コンテンツ)をDVDメディアに記録する命令、すなわち「新規記録命令」が、例えばユーザーのリモコン操作などにより取得される。すると、「受信チューナー」での受信番組がデジタル変換器(図示省略)にてデジタルデータに変換され、コンテンツとHDDなどに記憶される。そして暗号化処理のためにそのコンテンツが「主メモリ」のメモリアドレス1などに一部ずつ順次格納される。
また、「インターフェース」での新規記録命令の取得により、「記憶装置」に記憶されている暗号化用プログラムが主メモリのワーク領域に展開され、上記のようにして一時的に主メモリなどに記憶されているコンテンツの暗号化処理が行われる。そのために、まず、この暗号化プログラムは、「記憶装置のメモリアドレスαの情報を取得し、主メモリのメモリアドレス2に格納せよ」との命令を送出する。するとその命令に従って記憶装置からメモリアドレスαに記憶されている機器ID(機器固有識別情報)が読み出され、主メモリのメモリアドレス2に格納される。そしてまた暗号化プログラムの「内蔵時計により計時されている現在時刻情報を取得し、主メモリのメモリアドレス3に格納せよ」との命令送出に従い、内蔵時計で計時された時間情報1(新規記録命令を取得した時間を示す情報)が主メモリのメモリアドレス3に格納される。また、暗号化キーを生成するための一方向性関数も同様にして「記憶装置」の所定のメモリアドレスから読み出され、「主メモリ」のメモリアドレスXに格納される。
続いて、暗号化プログラムの「主メモリのメモリアドレス2とメモリアドレス3の情報とを、メモリアドレスXの一方向性関数に代入し暗号化キーを生成し、メモリアドレスYに格納せよ」との命令に従い、CPUにてそれらデータから関数を利用して暗号化キーを生成するための演算処理が行われ、その生成された暗号化キーが主メモリのメモリアドレスYに格納される。そして、また暗号化プログラムの「主メモリのメモリアドレス1のコンテンツ(の一部)を、メモリアドレスYの暗号化キーにより暗号化し、主メモリのメモリアドレスZに格納せよ」との命令に従い、上記生成された暗号化キーを利用して「CPU」の演算処理によりコンテンツの暗号化処理が実行される。そして、その暗号化されたコンテンツが主メモリのメモリアドレスZに格納される。つづいてコンテンツの別の一部が暗号化されるため同様に「主メモリ」のメモリアドレス1に格納され、コンテンツ全体が暗号化されるまで順次上記処理が行われる。
そして、また別の書込み用プログラムがワーク領域に展開され、その主メモリのメモリアドレスZに格納された暗号化コンテンツが「書込装置」に設けられた専用のバッファメモリにいったん蓄積され、記録媒体である例えばDVDメディアなどに書込まれる。また、時間情報も例えば暗号化コンテンツに関する付加情報であるファイルシステムの情報や、前述のような復号化時にのみアクセス可能に定められた記録領域を示す情報と関連付けてDVDメディアに書込まれる、という具合である。
<実施例1の新規記録における処理の流れ> 図10に示すのは、この記録媒体への新規記録処理の一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、新規記録命令が取得される(ステップS1001)と、コンテンツが取得される(ステップS1002)。また、その新規記録命令取得タイミングでの時間情報も出力、取得され(ステップS1003)、機器固有識別情報も取得される(ステップS1004)。
つづいて、前記取得した機器固有識別情報と時間情報と、に基づいた暗号化キーを利用して、ステップS1002で取得したコンテンツから暗号化コンテンツを生成し(ステップS1005)、その暗号化コンテンツを、ステップS1003で取得した記録命令取得タイミングでの時間情報と関連付けて記録媒体に書込む(ステップS1006)。
このように機器固有識別情報とともに、時間情報に基づいて生成された暗号化キーによってコンテンツが暗号化され記録媒体に書込まれているため、この暗号化コンテンツの付加情報に含まれる時間情報が違うと、暗号化コンテンツを正常に復号化し再生することができなくなる。このことを利用し、次の複写書込部では、コンテンツが不正に複写された場合、その時間情報を書き換えることでコンテンツの著作権を保護することができる。なお、時間情報は、ユーザーにより容易に改変できないようにファイルシステムではなくコンテンツそのものに埋め込んだり、あるいは時間情報自体を暗号化したりするなどの処理を行うことが望ましい。
「複写書込部」(0206,0306)は、記録命令取得部にて取得した記録命令が新規書込部にて過去に書込まれた暗号化コンテンツの複写記録命令である場合に、複写記録命令取得タイミングでの時間情報にて、複写対象暗号化コンテンツと関連付けられている時間情報を更新して複写対象暗号化コンテンツを媒体に複写書込みする機能を有する。「複写書込み」とは、複写元にあるコンテンツのデータを残したままで、別の記録媒体にそのコンテンツのデータを記録することを言う。
図11に示すのは、この複写書込部でのコンテンツの記録媒体への記録処理の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、まず、記録命令取得部において、例えばリモコン操作などにより「複写記録命令」が取得される。すると、例えば記録媒体の読取ドライブにセットされた記録媒体から、上記新規書込部により記録された「暗号化コンテンツ」が付加情報である時間情報「4月5日19時30分」とともに読み出される。そして、この暗号化コンテンツが、複写記録命令にしたがって別の記録媒体に複写にて書込まれることになる。
しかし、この複写書込部では、その際、暗号化コンテンツの付加情報として含まれている時間情報「4月5日19時30分」を、この複写記録命令が取得された時間情報、例えば「4月9日10時00分」に更新して別の記録媒体に書込む処理を行うことを特徴としている。したがって、本実施例のコンテンツ記録再生装置によって記録媒体Aから別の記録媒体Bに複写された暗号化コンテンツは、その復号化のための正しいキーを備えていないことになるので正常な再生ができない。したがって、コンテンツの複写による不正な流通を防止することができる。
なお、この複写による時間情報の更新は、通常のOS(オペレーティング・システム)の処理として実行される処理である。したがって、時間情報を暗号化キーのひとつとする本実施例では、そのための特別な時間情報プログラムを作成することなしに、通常のOSをベースとした制御システムをデジタルコンテンツの記録再生機器に組み込むだけで簡単に実現することができる、という効果も奏する。
図12に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用して記録媒体へのコンテンツの複写書込み処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、コンテンツ記録再生装置は、複写書込部である「CPU」(1201)と、「主メモリ」(1202)と、「書込装置」(1207)と、を備えている。また保持部である「記憶装置(又は記憶媒体)」(1203)や、時間情報出力部である「内蔵時計」(1204)、記録命令取得部である「インターフェース」(1205)、コンテンツ取得部である「読取装置(書込装置と同一であっても良い)」(1206)も備えている。そしてそれらが「システムバス」(1208)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また、上記新規書込み処理と同様に、「主メモリ」や「記憶装置」にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
また、「読取装置」は、上記新規書込み処理により暗号化コンテンツが記録された記録媒体からデータを読取る機能を備え、「インターフェース」は、機器やリモコンの操作パネル、あるいはディスプレイ上のグラフィカルインターフェースによる複写記録命令の受付を行う機能を備える。「内蔵時計」は、現在時間を計時し出力する機能を備える。
図13に示すのは、コンテンツを複写するプログラムが利用するデータをXML形式で記述したリストの一例である。この図にあるように、例えば、暗号化コンテンツである(暗号化済みの)「日本シリーズ1989メモリアル」という映像データの例えば付加情報に含まれる「04051930」という時間情報を、複写記録命令が取得されたタイミングを示す「04091000」という更新時間情報で更新する、という具合である。具体的には、「読取装置」に暗号化コンテンツが記録された記録媒体Aがセットされ、「インターフェース」にて、その記録媒体の暗号化コンテンツを別の記録媒体Bに複写する命令、すなわち「複写記録命令」が、例えばユーザーのリモコン操作などにより取得される。すると、「主メモリ」のワーク領域に展開されている複写用プログラムの命令により、「読取装置」が記録媒体Aに記録されている暗号化コンテンツのデータや時間情報1(該暗号化コンテンツに対する記録媒体Aへの新規記録命令が取得された時間情報)を読取り、「主メモリ」のメモリアドレス1、2にそれぞれ格納する。
そして、また、複写用プログラムの「内蔵時計により計時されている現在時刻情報を取得し、主メモリのメモリアドレス3に格納せよ」との命令送出に従い、内蔵時計で計時された時間情報2(複写記録命令を取得した時間を示す情報)が主メモリのメモリアドレス3に格納される。そして、複写用プログラムの、「メモリアドレス2に格納されている時間情報1を、メモリアドレス3に格納されている時間情報2で更新し、メモリアドレス1に格納されている暗号化コンテンツの付加情報として書込装置にて記録媒体(B)に書込み処理を行え」との命令に従い、時間情報が更新された暗号化コンテンツが「書込装置」によって記録媒体Bに書込まれる、という具合である。
なお、この複写記録においては、例えば新規書込み処理から3日後までならば複写は自由、という具合に、所定時間範囲内での複写命令であれば正常な暗号化コンテンツの復号化が可能となるように記録媒体に書込む構成としても良い。図27に示すのは、この構成における処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、複写記録命令が取得される(ステップS2701)と、記録媒体Aに記録されている複写対象暗号化コンテンツと、そのコンテンツに関連付けられている時間情報T1と、が取得される。また、それとともに同じく記録媒体Aに記録されている複写許可日数を示す複写許可日数情報Aも取得する(ステップS2702)。また、その複写記録命令取得タイミングでの時間情報も出力、取得される(ステップS2703)。
つづいて、前記ステップS2703で取得した時間情報T2が、前記ステップS2702で取得した時間情報T1(該暗号化コンテンツの新規記録命令を取得した時間)と複写許可日数情報Aとを足した時間内に含まれているか判断する(ステップS2704)。つまり、複写許可日数内に複写記録命令を取得したか否かの判断を行う。その結果、複写記録命令の取得が複写許可日数を超えていれば(T2>T1+A)、複写対象暗号化コンテンツに関連付けられた時間情報を、ステップS2703で取得した記録命令取得タイミングでの時間情報T2に更新し(ステップS2705a)、その更新された時間情報と、複写対象暗号化コンテンツを関連付けて別の記録媒体に複写にて書込む(ステップS2706a)。なお、この場合、複写許可日数は過ぎたということで、その旨を示す情報を記録媒体に新たに書込んでも良い。
また、複写記録命令の取得が複写許可日数内であれば(T2<T1+A)、時間情報は更新せず、そのまま複写対象暗号化コンテンツと、そのコンテンツに関連付けられている時間情報T1と、複写許可日数情報Aと、を記録媒体Bに複写書込みする(ステップS2705b)。
このような構成、処理を行うことで、コンテンツホルダーなどがユーザーの記録行為を自由に制限/許可することが可能になる。またその他にも、前述の通りその複写記録の回数に依存して時間情報の更新を行っても良い。例えば暗号化コンテンツの付加情報に、その複写記録の回数を示す情報と、複写許可回数を示す情報を含めることで、例えば3回までなら複写記録命令の場合でも時間情報の更新を行わず、複写記録の回数を示す情報が4回以上を示した場合に上記時間情報の更新処理を行う、という具合である。図28に示すのは、この構成における処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、複写記録命令が取得される(ステップS2801)と、記録媒体Aに記録されている複写対象暗号化コンテンツと、そのコンテンツに関連付けられている時間情報T1と、が取得される。また、それとともに同じく記録媒体Aに記録されている、その暗号化コンテンツの現在までの複写回数cと、そのコンテンツの複写許可回数Cと、も取得される(ステップS2802)。
つづいて、前記ステップS2802で取得した複写回数cを、c+1に更新し(ステップS2803)、その回数c+1が複写許可回数C以下であるか否か判断する。つまり現在までに取得された複写命令が複写許可回数を超えているか否か、の判断を行う。その結果、複写命令が複写許可回数を超えて取得されていれば(C<c+1)、その複写記録命令取得タイミングでの時間情報が出力、取得され(ステップS2703)、複写対象暗号化コンテンツに関連付けられた時間情報T1を、ステップS2703で取得した記録命令取得タイミングでの時間情報T2に更新する(ステップS2705a)。そしてその更新された時間情報T2と、複写対象暗号化コンテンツを関連付けて別の記録媒体に複写にて書込む(ステップS2706a)。なお、この場合、複写回数をc+1に更新して複写先と複写元の記録媒体に書込んでも良いし、複写許可回数を超えたということで、その旨を示す情報を両記録媒体に新たに書込んでも良い。
また、複写命令の取得回数が複写許可回数内であれば(C>c+1)、時間情報は更新せず、そのまま複写対象暗号化コンテンツと、そのコンテンツに関連付けられている時間情報T1と、更新複写回数c+1と、複写許可回数Cを、別の記録媒体に複写書込みする(ステップS2705b)。また、複写元の記録媒体の複写回数もc+1に更新し記録する。
<実施例1の複写記録における処理の流れ> 図14に示すのは、この記録媒体への複写記録処理の一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、複写記録命令が取得される(ステップS1401)と、記録媒体Aに記録されている複写対象暗号化コンテンツと、そのコンテンツに関連付けられている時間情報と、が取得される(ステップS1402)。また、その複写記録命令取得タイミングでの時間情報も出力、取得される(ステップS1403)。
つづいて、前記取得した複写対象暗号化コンテンツに関連付けられた時間情報を、ステップS1403で取得した記録命令取得タイミングでの時間情報に更新し(ステップS1404)、その更新された時間情報と、複写対象暗号化コンテンツを関連付けて別の記録媒体に複写にて書込む(ステップS1405)。
<実施例1の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例のコンテンツ記録再生装置によって、記録媒体の識別情報には依存せずに、時間情報によってコンテンツの著作権を保護し不正コピーを防止することができる。したがって、ユーザーにとっては、これら技術のために特別に識別情報が割り当てられた記録媒体をわざわざ購入する手間を省くことができる。また、記録媒体の識別情報割り当て管理などを行う必要がなくなり、したがって管理コストも発生せず、また識別情報枯渇などの事態の発生も無い、という効果がある。
また複写による時間情報の更新は、通常のOS(オペレーティング・システム)の処理として実行される処理であるため、時間情報を暗号化キーとする本実施例では、そのための特別な時間情報プログラムを作成することなしに、通常のOSをベースとした制御システムをデジタルコンテンツの録画再生機器に組み込むだけで簡単に実現することができる、という効果も奏する。
≪実施例2≫ <実施例2の概要> 図15に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置によるコンテンツの移動記録処理の一例について説明するための概念図である。この図15にあるように、記録媒体Aには、実施例1で説明した新規記録処理により暗号化されたコンテンツがその時間情報とともに記録されている。ここで、ユーザーは本実施例のコンテンツ記録再生装置を利用して、この記録媒体Aに記録されている暗号化コンテンツを別の記録媒体Bに記録しようと考える。そしてそのコンテンツの記録媒体Bへの記録形態として、ユーザーは、実施例1で説明したような複写(コピー)ではなく、「移動(ムーブ)」による記録を選択した。すると、図にあるように、コンテンツがもともと記録されていた記録媒体Aのコンテンツは削除され、記録媒体Aは空のメディアとなる。そして、コンテンツの移動先の記録媒体Bには、暗号化コンテンツがその時間情報が更新されないまま記録される。したがって、記録媒体Bでは、その時間情報に基づく暗号化コンテンツの復号化を正常に行うことができるので、記録媒体Bに記録されたコンテンツの映像は正常に視聴することができる。もちろん、その復号化および再生は、暗号化コンテンツが機器固有識別情報によっても暗号化されているため、記録媒体Aに暗号化コンテンツを記録したコンテンツ記録再生装置による再生であることを前提としている。
このように、本実施例のコンテンツ記録再生装置によって、複製が大量に作成され不正にコンテンツが流布してしまう複写(コピー)とは異なり、オリジナルを削除することで不正な複製が大量に生成されないコンテンツの移動記録処理に関してはユーザーの自由な記録を認めることができる。
<実施例2の構成> 図16に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「コンテンツ記録再生装置」(1600)は、実施例1を基本として、「記録命令取得部」(1601)と、「コンテンツ取得部」(1602)と、「保持部」(1603)と、「時間情報出力部」(1604)と、「新規書込部」(1605)と、「複写書込部」(1606)と、を有する。そして、本実施例の特徴点は、「記録命令取得部」で取得する命令が移動記録命令である点と、コンテンツ記録再生装置がさらに「移動書込部」(1607)を有している点である。なお、「記録命令取得部」と、「コンテンツ取得部」と、「保持部」と、「時間情報出力部」と、「新規書込部」と、「複写書込部」に関しては、実施例1ですでに記載済みであるのでその説明は省略する。
「移動書込部」(1607)は、記録命令取得部(1601)にて取得した記録命令が新規書込部(1605)にて過去に書込まれた暗号化コンテンツの移動記録命令である場合に、移動対象暗号化コンテンツと関連付けられている時間情報を更新せずに移動対象暗号化コンテンツと、それに関連付けられている時間情報とをそのまま媒体に移動書込する機能を有する。「移動記録命令」とは、前述の通り、例えば複写元の記録媒体にあるコンテンツを削除した上で別の記録媒体に移動して記録するための命令である。
図17に示すのは、記録命令取得部で取得される「移動記録命令」の一例について説明するための図である。この図にあるように、移動記録命令は、例えば記録媒体Aに記録されたコンテンツαを削除した上で、そのコンテンツαを別の記録媒体Bに移動(ムーブ)して記録するための命令である。そして、その取得は、例えばディスプレイ上に表示されたグラフィカルインターフェースのムーブ開始ボタンβを、キーボードやマウスなどで選択しクリックすることで取得する方法などが挙げられる。
図18に示すのは、この複写書込部でのコンテンツの記録媒体への記録処理の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、まず、記録命令取得部において、例えばリモコン操作などにより「移動記録命令」が取得される。すると、例えば記録媒体の読取ドライブにセットされた上記新規書込部により暗号化コンテンツが記録された記録媒体から、その「暗号化コンテンツ」が付加情報である時間情報「4月5日19時30分」とともに読み出される。そして、この暗号化コンテンツが、移動記録命令にしたがって別の記録媒体に複写にて書込まれることになる。また移動記録であるため、オリジナルの暗号化コンテンツはその移動元の記録媒体から消去される。
そして、この移動書込部では、複写書込部とは異なり、暗号化コンテンツの付加情報として含まれている時間情報「4月5日19時30分」を更新せずに、そのまま別の記録媒体に暗号化コンテンツとともに書込む処理を行うことを特徴としている。したがって、本実施例のコンテンツ記録再生装置によって記録媒体から別の記録媒体に移動された暗号化コンテンツは、その復号化のための正しいキーを備えているので正常な再生をおこなうことができる。なお、このコンテンツの付加情報に含まれる時間情報を更新せず行う移動処理は、通常のOS(オペレーティング・システム)の処理として実行される処理である。したがって本実施例でも、そのための特別な時間情報プログラムを作成することなしに、通常のOSをベースとした制御システムをデジタルコンテンツの録画再生機器に組み込むだけで簡単に実現することができる、という効果も奏する。
図19に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用して記録媒体へのコンテンツの移動書込み処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、コンテンツ記録再生装置は、移動書込部である「CPU」(1901)と、「主メモリ」(1902)と、「書込装置」(1907)と、を備えている。また保持部である「記憶装置(又は記憶媒体)」(1903)や、時間情報出力部である「内蔵時計」(1904)、記録命令取得部である「インターフェース」(1905)、コンテンツ取得部である「読取書換装置(書込装置と同一であっても良い)」(1906)も備えている。そしてそれらが「システムバス」(1908)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また、上記新規書込み処理や複写書込み処理と同様に、「主メモリ」や「記憶装置」にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
また、「読取装置」は、上記新規書込み処理により暗号化コンテンツが記録された記録媒体からデータを読取る機能を備え、「インターフェース」は、機器やリモコンの操作パネル、あるいはディスプレイ上のグラフィカルインターフェースによる移動記録命令の受付を行う機能を備える。「内蔵時計」は、現在時間を計時し出力する機能を備える。
図20に示すのは、コンテンツを移動書込みするプログラムが利用するデータをXML形式で記述したリストの一例である。この図にあるように、例えば、暗号化コンテンツである(暗号化済みの)「日本シリーズ1989メモリアル」という映像データと、その映像データの例えば付加情報に含まれる「04050930」という時間情報が、そのまま書込装置によって記録媒体に移動書込みされることになる。具体的には、「読取書換装置」に暗号化コンテンツが記録された記録媒体Aがセットされ、「インターフェース」にて、その記録媒体の暗号化コンテンツを別の記録媒体Bに移動する命令、すなわち「移動記録命令」が、例えばユーザーのリモコン操作などにより取得される。すると、「主メモリ」のワーク領域に展開されている移動書換用プログラムの命令により、「読取書換装置」が記録媒体Aに記録されている暗号化コンテンツのデータと、その時間情報1(該暗号化コンテンツに対する記録媒体Aへの新規記録命令が取得された時間情報)を読取り、「主メモリ」のメモリアドレス1、2にそれぞれ格納する。
また、その際に移動書換用プログラムの「記録媒体Aに記録されている暗号化コンテンツを読取書換装置にて消去せよ」という命令に従い、「読取書換装置」にて記録媒体に記録されたデータの消去処理が行われる。そして、移動書換用プログラムの「メモリアドレス1に格納されている暗号化コンテンツを、メモリアドレス2に格納されている時間情報1と関連付け、書込装置にて記録媒体(B)への書込み処理を行え」との命令に従い、暗号化コンテンツと時間情報1が「書込装置」によって記録媒体Bに書込まれる、という具合である。
なお、この移動記録においても、その移動記録の回数に依存して時間情報の更新を行っても良い。例えば暗号化コンテンツの付加情報に、その移動記録の回数を示す情報と、移動許可回数を示す情報を含めることで、例えば移動記録の回数を示す情報が4回以上を示した場合には前記複写記録と同様の処理を行う、という具合である。
また、上記暗号化コンテンツの別の記録媒体への記録処理と、移動元の記録媒体の暗号化コンテンツの消去処理の順番は、上記と逆に別の記録メディアへの記録処理が先に実行され、その後移動元の記録メディアの暗号化コンテンツの消去を行うような構成としても良い。ただし、その場合、別媒体への移動書込み処理終了後、移動対象暗号化コンテンツの消去前に例えばDVDドライブから移動元記録媒体であるDVDメディアが取り出され不正な複製が行われることを防ぐため、上記処理中は記録媒体の「読取装置」の記録媒体を収納するトレイなどが操作できないようにロックする機能を持たせることが望ましい。
<実施例2の移動記録における処理の流れ> 図21に示すのは、この記録媒体への移動記録処理の一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、移動記録命令が取得される(ステップS2101)と、記録媒体Aに記録されている移動対象暗号化コンテンツと、そのコンテンツに関連付けられている時間情報と、が取得される(ステップS2102)。
つづいて、前記取得した移動対象暗号化コンテンツと時間情報とを、そのまま関連付けて別の記録媒体Bに書込む(ステップS2103)。また、移動元の記録媒体Aに記録されているコンテンツを消去する(ステップS2104)。
<実施例2の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例のコンテンツ記録再生装置によって、複製が大量に作成され不正にコンテンツが流布してしまう複写(コピー)とは異なり、オリジナルを削除することで不正な複製が大量に生成されないコンテンツの移動記録処理に関してはユーザーの自由な記録を認めることができる。
また時間情報を更新しないデータの移動記録は、通常のOS(オペレーティング・システム)の処理として実行される処理であるため、時間情報を暗号化キーとする本実施例では、そのための特別な時間情報プログラムを作成することなしに、通常のOSをベースとした制御システムをデジタルコンテンツの録画再生機器に組み込むだけで簡単に実現することができる、という効果も奏する。
≪実施例3≫ <実施例3の概要>> 図22に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置によるコンテンツの再生の一例について説明するための概念図である。この図にあるように、機器ID:αを保持するコンテンツ記録再生装置1によって実施例1で説明した新規記録処理により暗号化コンテンツが記録媒体に書込まれている。つまり、この記録媒体には機器ID:αと、その新規記録命令の取得タイミングの時間情報とに基づく暗号化キーを利用して暗号化されたコンテンツが記録されている。したがって、この記録媒体は、コンテンツの記録に利用した機器ID:αを保持するコンテンツ記録再生装置1では正常に再生することができるが、機器IDがβであるコンテンツ記録再生装置2では、暗号化キーとなる機器ID:αがないため正常に復号化することができず、再生できない。
このように、本実施例のコンテンツ記録再生装置によって、コンテンツの不正なコピーによって複製が大量に流布し、不特定のプラットフォームで再生される、という事態を防ぐことができる。したがって、コンテンツの著作権保護効果をさらに高めることができる。
<実施例3の構成> 図23に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「コンテンツ記録再生装置」(2300)は、実施例1を基本として、「記録命令取得部」(2301)と、「コンテンツ取得部」(2302)と、「保持部」(2303)と、「時間情報出力部」(2304)と、「新規書込部」(2305)と、「複写書込部」(2306)と、を有する。また、図示していないが実施例2を基本として、さらに「移動書込部」を有していても良い。なお、「記録命令取得部」と、「コンテンツ取得部」と、「保持部」と、「時間情報出力部」と、「新規書込部」と、「複写書込部」、また「移動書込部」に関しては、実施例1や実施例2ですでに記載済みであるのでその説明は省略する。そして、本実施例の特徴点は、「時間情報取得部」(2307)と、「復号化部」(2308)と、をさらに有している点である。
「時間情報取得部」(2307)は、コンテンツ取得部(2302)にて取得された暗号化コンテンツに関連付けられた時間情報を取得する機能を有する。そして、この取得した時間情報と、機器固有識別情報に基づいて、次の復号化部で暗号化コンテンツの復号化が行われる。なお、この時間情報取得部での時間情報の取得には、以下のような処理による取得方法例が挙げられる。例えば、記録媒体の予め定められた領域に時間情報が格納されており、その場所の時間情報を取得する方法や、記録媒体の時間情報格納領域はランダムであって、そのランダムな時間情報格納領域を示す情報が予め定められた記憶媒体の領域に格納されている構成をとることで、その時間情報格納領域を指定することで時間情報を取得する方法などである。
「復号化部」(2308)は、保持部(2303)にて保持されている機器固有識別情報及び、時間情報取得部(2307)にて取得した時間情報をキーとして、コンテンツ取得部(2302)にて取得した暗号化コンテンツを復号化する機能を有する。
図24に示すのは、この復号化部での暗号化コンテンツの復号化処理の一例を説明するための概念図である。この図にあるように、まず、コンテンツ取得部である例えばDVDメディアの読取ドライブにて、セットされた記録媒体に記録されている「暗号化コンテンツ」と、時間情報「4月5日19時30分」と、が取得される。そして、この暗号化コンテンツは、その時間情報「4月5日19時30分」と、保持部である例えば不揮発性メモリに保持されている機器固有識別情報「1111−××××」とを復号化キーとして、この復号化部において復号化処理が行われ復号化される。そして、ディスプレイなどにそのコンテンツの例えば日本シリーズの映像が表示される、という具合である。
図25に示すのは、本実施例のコンテンツ記録再生装置におけるハードウェア構成の一例を表す概略図である。この図を利用して記録媒体に記録された暗号化コンテンツの復号化処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、コンテンツ記録再生装置は、復号化部である「CPU」(2501)と、「主メモリ」(1902)と、を備えている。また保持部である「記憶装置(又は記憶媒体)」(2503)や、コンテンツ取得部および時間情報取得部である「読取装置」(2504)も備えている。また、復号化され再生したコンテンツを出力表示するための「ビデオメモリ」(2505)や「ディスプレイ」(2506)も備えており、それらが「システムバス」(2507)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
また、上記新規書込み処理などと同様に、「主メモリ」や「記憶装置」にはそれぞれ複数のメモリアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。また、「読取装置」は、上記新規書込み処理により暗号化コンテンツが記録された記録媒体から暗号化コンテンツおよび時間情報のデータを読取る機能を備えている。
そして、まず「読取書換装置」に暗号化コンテンツが記録された記録媒体Aがセットされ、インターフェース(図示省略)にて、その記録媒体の暗号化コンテンツの再生命令がリモコン操作などにより取得される。すると、「主メモリ」のワーク領域に展開されている復号化用プログラムの命令により、「読取装置」が記録媒体Aに記録されている暗号化コンテンツのデータと、その時間情報1(該暗号化コンテンツに対する記録媒体Aへの新規記録命令が取得された時間情報)を読取り、「主メモリ」のメモリアドレス1、2にそれぞれ格納する。
また、復号化用プログラムの「記憶装置のメモリアドレスAに記憶されている機器IDを取得し、主メモリのメモリアドレス3に格納せよ」という命令に従い、「記憶装置」に記憶されている機器IDが読み出され、「主メモリ」のメモリアドレス3に格納される。そして、復号化用プログラムの「メモリアドレス1に格納されている暗号化コンテンツを、メモリアドレス2に格納されている時間情報1と、メモリアドレス3に格納されている機器IDとをキーとして復号化処理を行い、復号化したコンテンツをメモリアドレスWに格納せよ」との命令に従い、時間情報と機器IDとをキーとして、「CPU」の演算処理によりコンテンツの復号化処理が実行される。そしてその復号化されたコンテンツが主メモリのメモリアドレスWに格納される。
そして、また別のプログラムである再生用プログラムが主メモリのワーク領域に展開され、その再生用プログラムの命令により、主メモリのメモリアドレスWに格納された復号化データがCPUによってデコードされ、「ビデオメモリ」(2505)に格納される。そしてそのデコードされたコンテンツにしたがって、ディスプレイにコンテンツが正常に表示される、という具合である。
<実施例3の復号化における処理の流れ> 図26に示すのは、この暗号化コンテンツの復号化処理の一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、暗号化コンテンツが取得され(ステップS2601)、またその暗号化コンテンツに関連付けられている時間情報も取得される(ステップS2602)。また、機器固有識別情報も取得される(ステップS2603)。
そして、前記取得した機器固有識別情報と時間情報と、に基づくキーを利用して、暗号化コンテンツを復号化する(ステップS2604)。
<実施例3の効果の簡単な説明> 以上のように、本実施例のコンテンツ記録再生装置によって、コンテンツの不正なコピーによって複製が大量に流布し、不特定のプラットフォームで再生される、という事態を防ぐことができる。したがって、コンテンツの著作権保護効果をさらに高めることができる。