JP4623462B2 - バンプストッパ - Google Patents

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本発明は、自動車のサスペンションに用いられるバンプストッパの構造の技術分野に属する。
従来より、一般に自動車のサスペンションには、その過大なストロークを規制するとともに補助ばねとしても機能するように、ゴムやウレタン製のバンプストッパが設けられている。このバンプストッパは、例えば特許文献1〜3などに記載されているように円筒状に形成され、ショックアブソーバのロッドなどに同軸に装着されて、基端部である上端部が車体側の部材(アッパシートなど)に取り付けられる一方、先端部である下端部は、その下方に位置するショックアブソーバの本体部(サスペンション側の部材)上面との間に所定の間隔を空けて対峙している。
また、前記バンプストッパは、基端側から先端側に向かって徐々に外が小さくなるように形成されるとともに、その外周部及び内周部にはそれぞれ圧縮時のばね力を調整するための環状の凹部が形成されていて、全体として蛇腹状になっている。
特に、前記バンプストッパの先端部は、その先端面に近づくに連れて外が徐々に小さくなり、且つ厚みも薄くなるような先細りのテーパ状に形成されており、サスペンションのバンプ時にバンプストッパがショックアブソーバ本体部に当接するときには、まず、そのテーパ状の先端部が容易に変形することによって、初期ばね定数の小さな特性が得られるようになっている。
独国実用新案第20311242号明細書 独国実用新案第20311243号明細書 実開昭61−100606号公報
しかし、前記従来例のようなバンプストッパは、全体が軸方向に大きく圧縮されたときには、先細りで薄肉の先端部が軸方向に潰れるとともに、その一部が軸心から偏って外周側にはみ出すように大きく折り曲げられ、局所的に過度に大きな歪みを生じることになる。しかも、そのように過大に歪んだ部位がショックアブソーバ本体部の上面との間で擦れることになり、この部位が薄肉であることも相俟って破れを生じやすい、という耐久性の問題がある。
また、そうしてバンプストッパ全体が大きく圧縮されたときには、前記先端部以外の部位にも歪みや捻れが発生し、その一部分が大きく外周側にはみ出すことがある。こうして大きくはみ出した部分は、例えばダストブーツのようにバンプストッパを囲む別の部材と干渉し、両者が擦れ合うことによっても耐久性の低下を招くことになる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バンプストッパに生じる圧縮時の変形の様子に着目して、その先端部の破れを防止し、且つ外周部の擦れを抑制するような形状して、耐久性を高めることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、まず、バンプストッパが大きく圧縮されたときでも、その先端部の相対的に薄肉の部位が大きく歪んだ状態で強く擦れられることがないように、当該バンプストッパの先端部を先細りでなくし、且つフラットな先端面を有するものとした。
具体的に、請求項1の発明は、自動車のサスペンションに用いられ、そのバンプ時に軸方向に圧縮されて補助ばねとして機能する筒状のバンプストッパであって、軸方向の一端部である基端部が、車体側及びサスペンション側の一方の部材に取り付けられ、反対側の先端部は、前記サスペンションのバンプ時に前記車体側及びサスペンション側の他方の部材に当接する平坦な先端面を有するとともに、軸方向にその先端面に近づくに連れて外形が大きくなるか、又は略一定に維持されるか、のいずれかとなるように形成され、外周部を略全周に亘って凹ませてなる環状の外周凹部が、軸方向に間隔を空けて複数、形成されており、前記先端面から、該先端面より数えて1番目の外周凹部に掛けて、内周部を略全周に亘って凹ませてなる断面円弧状の内周凹部が形成され、前記内周凹部の底部付近において径方向の肉厚が最も薄くなるように形成されていることを特徴とする。
前記の構成により、サスペンションのバンプ時にバンプストッパは、まずその先端部が軸方向に圧縮されることになるが、該先端部の外形及び肉厚がそれぞれ先端面に向かって大きくなるか又は略一定に維持されるかのいずれか、つまり、外形及び肉厚がいずれも先細りになっていないことから、軸方向に潰れたときでも従来までのように軸心から偏って外周側にはみ出すことはなく、従って局所的に過大な歪みが生じることもない。
すなわち、前記バンプストッパの先端部は、或る程度以上の面積を有する平坦な先端面が車体側又はサスペンション側のいずれかの部材に当接した状態で、軸方向に潰れることになり、この状態で両者が多少、擦れ合うことはあっても、その擦れ合う部位が薄肉でなく、また、過大な歪みも生じていないので、破れの発生は十分に抑制される。
さらに、バンプストッパの先端部は、内周凹部の底部付近で肉厚がかなり薄くなり、先細りにした場合と同様に初期ばね定数を小さくすることができる。それでいて、先端部の肉厚は、前記内周凹部の断面形状に沿って先端面に向かい徐々に大きくなるから、その先端面付近では十分な厚みが確保され、且つ先端面の面積も十分に大きくなる。
前記の構成において、好ましいのは、径方向の肉厚が、基端側から数えて1番目と2番の外周凹部に挟まれた畝部において最も厚くなって、該畝部から先端側に向かうほど薄くなるとともに、前記内周凹部における底部付近で最も薄くなった後、該底部付近から先端側に向かうほど厚くなるように形成することである(請求項2の発明)。
前記の構成において、好ましいのは、外周凹部に挟まれた環状の畝部に、該両外周凹部同士を連通するように軸方向に延びる溝部を周方向に間隔を空けて複数、形成することである(請求項3、4の発明)。
こうすれば、従来までと同様にバンプストッパの外周部を蛇腹状として、圧縮時のばね力を適宜、調整することができるとともに、それが大きく圧縮されたときでも、相対的に外周側に位置する畝部においてその一部分が溝部に、即ち周方向にはみ出すことによって、外周側への(径方向の)はみ出し量が小さくなるので、例えばダストブーツのようにバンプストッパを囲む別の部材との擦れを軽減して、耐久性を高めることができる。
その場合に、特に好ましいのは、前記複数の外周凹部のうち、先端側から数えて1番目と2番目の外周凹部に挟まれた環状の畝部に、前記複数の溝部(第1の溝部)を形成することである(請求項3の発明)。この畝部は、相対的に先端側に近くて、その分、薄肉に形成されていることが多いため、軸方向に圧縮されたときに軸心から偏って外周側に比較的大きくはみ出すことが懸念されるからである。
それに加えて、先端側から数えて2番目と3番目の外周凹部に挟まれた環状の畝部にも前記同様の複数の溝部(第2の溝部)を形成して、その外周側へのはみ出しを抑えることが好ましいが、この場合には、その第2の溝部は、軸方向に透視したときに第1の溝部と重ならないように、即ち周方向について第1溝部とは異なる位置に設けるのがよい(請求項4の発明)。これは、第1及び第2の溝部が軸方向に重なるように設けられていると、その部分に軸方向に亀裂が入りやすくなり、圧縮時にバンプストッパが裂ける虞れがあるからである。
以上、説明したように、本発明に係るバンプストッパによると、その先端部の外形及び肉厚を先細りでなくし、フラットな先端面の面積も確保したことで、サスペンションのバンプ時に大きく圧縮されたときでも、その先端部において過大な歪みを生じることがなくなり、擦れによる破れの発生も防止できて、耐久性を高めることができる。さらに、バンプストッパの先端部内周にも環状の凹部を形成して、軸方向には容易に変形可能とし、先細りにした場合と同様の初期ばねの柔らかな特性を得ることができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明と同様の作用効果をさらに確実に得ることができる。
また、請求項3、4の発明では、外周部に環状の凹部を複数、形成して蛇腹状としたことで圧縮時のばね力を適切なものとすることができるとともに、その環状凹部間の畝部に溝部を形成したことで、圧縮時のはみ出しを抑えてダストブーツなどとの擦れを軽減し、耐久性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明に係るバンプストッパを自動車のストラット式サスペンションSに適用した実施形態を示し、符号1は、円筒状のバンプストッパ2がロッド11の先端側に同軸に装着されるショックアブソーバである。ショックアブソーバ1は、円筒状の本体部10の一方の端部(図の上端部)から軸方向に伸縮するようにロッド11が突設されたもので、このロッド11の先端(図の上端)のねじ部11aがアッパマウント3の貫通孔31に挿通されて、ナット12により締結されている。このアッパマウント3は、図示しない車体のサスタワー部に下側から重ね合わされて、ボルト32,32,…により締結される。
前記アッパマウント3の下側には、ゴム部材を介してコイルスプリング4の上端部を受けるアッパシート5が配置されていて、その内周側に下方に開口するように形成されたすり鉢状の収容部51には、間にダストブーツ6の上端部を介在させて、前記バンプストッパ2の基端部20が内嵌合状態で収容されている。つまり、この実施形態では、前記アッパマウント3及びアッパシート5によって、バンプストッパ2の基端部20が取り付けられる車体側の部材が構成されている。
一方、前記バンプストッパ2の先端部21(図の下端部)は、その下方に位置するショックアブソーバ本体部10(サスペンション側部材)の上面10aとの間に所定の間隔を空けて対峙しており、このショックアブソーバ本体部10の外周側には、ゴム部材を介してコイルスプリング4の下端部を受けるロワシート7が一体的に設けられている。そして、蛇腹状のダストブーツ6が、前記アッパシート5の下面からロワシート7の付近まで垂れ下がっていて、上側から順にバンプストッパ2、ショックアブソーバ1のロッド11及び本体部10の上側部分までをそれらの外周側から覆っている。
前記バンプストッパ2は、前記のようにアッパシート5の収容部51内に嵌装される基端部20が、該収容部51の内形状に対応した先細りの円錐台状とされている一方、図2や図3にも示すように、先端部21(図の下側の端部)は、その外形が先端面21aまで略一定となるように形成されている(外が先端面21aに向かって拡大するように形成してもよい)。この先端面21aは、軸心Z方向に相対するショックアブソーバ本体部10の上面10aと略平行な平坦面であり、サスペンションのバンプ時には前記ショックアブソーバ本体部10の上面10aに当接する。
また、前記バンプストッパ2の基端部20及び先端部21の間の中間部分は、概略、基端側から先端側に向かって徐々に外が小さくなるように形成されるとともに、その外周部には全周に亘って、断面円弧状の凹部22,23,24(以下、外周凹部という)が、軸方向に間隔を空けて3つ形成されていて、この3つの外周凹部22,23,24間に形成される2箇所の環状の畝部25,26とともに、全体として蛇腹形状となっている。
前記外周凹部22,23,…は、いずれもバンプストッパ2の圧縮時のばね力を調整するためのものであり、先端側(図の下側)から数えて1番目の外周凹部22は、バンプストッパ2の先端部21と中間部分の概略境界に、また、2番目の外周凹部23は中間部分の軸方向略中央部に、さらに、3番目の外周凹部24は基端部20及び中間部分の概略境界に、それぞれ位置している。
一方、バンプストッパ2の内周部には、先端部20全体及びそこから前記1番目の外周凹部22に掛けての範囲と、1、2番目の外周凹部22,23の間の畝部25の裏側における先端側寄りの部位から前記1番目の外周凹部22に掛けての範囲とに、それぞれ全周に亘って断面が円弧状の環状の凹部27,28(以下、内周凹部という)が形成され、この2つの内周凹部27,28間に全周に亘る環状の畝部29が形成されている。
そのように環状の凹部22,23,…や畝部25,26,…が形成されたバンプストッパ2の中間部分の肉厚(半径方向の厚み)は、基端側の畝部26の付近で最も厚くなっていて、そこから先端側に向かって大略、徐々に薄くなっている。そうして徐々に薄くなってきたバンプストッパ2の肉厚は、先端部21における内周凹部27の底部付近で最も薄くなり、そこから先は該内周凹部27の断面形状に沿って、軸方向に先端側ほど徐々に厚くなっている。
すなわち、この実施形態では、バンプストッパ2の先端部21は、その軸方向の略中央部付近における肉厚が、従来例(特許文献1、2など)のように先細り形状とした場合の先端面付近の肉厚と同じくらい薄くなっていて、それらと同様に変形しやすいことから、従来同様の当たりの柔らかな(初期ばね定数の小さな)特性が得られる。
また、前記先端部21の肉厚は、前記の最も薄い部位から先端面21aに向かって徐々に厚くなっていて、その先端面21a付近では十分な厚みが確保されているとともに、該先端面21aの面積も十分に大きくなっている。さらに、先端面21a付近ではバンプストッパ2の先端部21の内周端がショックアブソーバ1のロッド11の外周面に近接しており、軸方向に変位したときでも径方向にはあまり変位しないように、即ち軸心Zから偏らないようにガイドされるようになっている。
それに加えて、この実施形態では、前記1番目及び2番目の外周凹部22,23間の畝部25に、該両外周凹部22,23同士を連通するように軸方向に延びる溝部25a,25a,…(以下、第1溝部という)が、周方向に略同じ間隔を空けて4つ形成されており、同様にして前記2番目及び3番目の外周凹部23,24間の畝部26にも4つの溝部26a,26a,…(以下、第2溝部という)が形成されている。
前記第1及び第2溝部25a,…,26a,…は、それぞれ断面が概略半円形状とされていて、軸方向に透視したときに(軸心Zに沿って見た平面視で)、図2(b)の如く、各第2溝部26aが、それぞれ、周方向に隣り合う2つの第1溝部25a,25a同士の周方向中間に位置している。言い換えると、前記平面視において第1溝部25a,…及び第2溝部26a,…は、互いに重ならないように周方向に離間して設けられている。こうすることで、圧縮時にバンプストッパ2には軸方向の亀裂が発生し難くなっている。
以上の如く構成されたサスペンションSにおいて、例えば自動車のローリングによって分担荷重が増大し、コイルスプリング4が大きく圧縮されると(バンプ時)、バンプストッパ2は、その先端面21aがショックアブソーバ本体部10の上面10aに当接して、アッパシート5との間で軸方向に圧縮されるようになる。こうして圧縮されるときの反力によって、バンプストッパ2はサスペンションSの過大なストロークを規制するとともに、補助ばねとしても機能するようになる。
より詳しくは、まず、最初にバンプストッパ2の先端部21の端面21a(先端面)がショックアブソーバ本体部10の上面10aに当接すると、その先端部21における最も薄肉の部位、即ち内周凹部27の底部付近が容易に変形し、先端部21全体が軸方向に潰れることによって衝撃が吸収される。これにより、バンプストッパ2作動時のショックがなく、コイルスプリング4のばね力との繋がりもスムーズな補助ばね特性となる。
その際に、前記先端部21は、フラットな先端面21aがショックアブソーバ本体部10の上面10aに当接した状態で軸方向に潰れることになるが、その外が先細りになっておらず、先端面21a付近の肉厚も十分に確保されており、しかも、その十分な肉厚の部位がショックアブソーバ1のロッド11の外周面によりガイドされることから、軸方向に潰れたときでも軸心Zから偏って一部分だけが外周側に大きくはみ出すことはなく、従って局所的に過大な歪みが生じることもない。
それ故に、前記先端面21aがショックアブソーバ本体部10の上面10aに押し付けられた状態で両者が多少、擦れ合うことはあっても、その先端面21aの面積が十分に大きく、前記したように薄肉でなく、また、過大な歪みも生じていないことから、破れが発生する可能性は低い。
そうして先端部21が軸方向に真っ直ぐに潰れた後に、これに繋がる1番目の外周凹部22、内周凹部28、2番目の外周凹部23、3番目の外周凹部24などがそれぞれ変形しつつ、バンプストッパ2全体が軸方向に圧縮されていって、最後には、図4に模式的に示すように全ての凹部22,23,…が潰れた最大圧縮状態になる。
その状態では、相対的に外周側に位置する外周畝部25,26が外周側にはみ出し、これを囲むダストブーツ6と擦れ合うことになるが、この実施形態では外周畝部25,26にそれぞれ軸方向の溝部25a,…,26a,…が形成されており、この溝部25a,…,26a,…に畝部25,26がはみ出すことによって、その分、外周側へのはみ出し量が小さくなる。よって、ダストブーツ6との擦れが軽減されて、耐久性が高められる。
図5は、前記実施形態に係るバンプストッパ2(実施例)と、その先端部21を従来例(特許文献1、2など)のように先細りとしたもの(比較例)とを対比して、バンプストッパの静ばね特性を調べた荷重−変位曲線である。バンプストッパは、その使用状態と略同じになるように治具に装着して、圧縮量が約52mmになるまで、ゆっくりと軸方向に圧縮した。尚、実施例のものは比較例のものよりも先端部21の内周凹部27を深く形成している。また、実施例、比較例ともに材料はウレタン発泡体を用いている。
同図より、実施例に係るバンプストッパ2は、圧縮開始後から圧縮限界に至るまで比較例のものと殆ど同じ静ばね特性を有することが分かる。このことから、先端部21を先細りとしていない前記実施形態のバンプストッパ2においても、その先端部21に内周凹部27を設けて軸方向に変形しやすくすれば、先細りに形成した場合と同様に当たりの柔らかな(初期ばね定数の小さな)特性を得られることが確認された。
また、前記と同じ実験装置を用いて、実施例及び比較例のバンプストッパをそれぞれ一定の荷重で圧縮し、続けて除荷する、というサイクル(周波数は1〜3Hz)を繰り返して、目視にて破れや亀裂が発生するまでの回数を調べたところ、比較例のものが所定の割合で破損するような規定回数(例えば10万回)のサイクル後であっても、この実施形態に係るバンプストッパ2では、先端部21に破れなどは観察されず、また、外周の擦れも軽度のものとなることが分かった。
したがって、この実施形態に係るバンプストッパ2は、その先端部21の外形及び肉厚を先細りでなくし、フラットな先端面21aの面積も確保したことで、サスペンションSのバンプ時に軸方向に大きく圧縮されたときでも、その先端部21において過大な歪みを生じることがなく、擦れによる破れの発生も防止できて、耐久性が高くなる。しかも、前記先端部21に断面円弧状の内周凹部27を形成して、それが軸方向には容易に変形するようにしたから、先細りにした場合と同様に初期ばねの柔らかな特性が得られる。
また、全体を蛇腹状として、圧縮時のばね力を適切に調整できるようにするとともに、外周畝部25,26には軸方向の溝部25a,…,26a,…を形成して、圧縮時の外周側へのはみ出しを抑えるようにしたので、これを囲むダストブーツ6との擦れを軽減し、このことによっても耐久性を高めることができる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、前記実施形態に限定されず、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記の実施形態では、バンプストッパ2の先端部21の外を軸方向に略一定にするとともに、内周凹部27を形成して、その底部付近よりも先端側では肉厚が先端側に向かって徐々に大きくなるようにしているが、これに限らず、先端部21の外を先端側に向かって拡大するように形成するとともに、内径は略一定として、肉厚が先端側に向かって厚くなるようにしてもよい。
また、前記実施形態のバンプストッパ2では、図2、3に示すように、外周畝部25,26にそれぞれ溝部25a,…,26a,…を形成しているが、これに限らず、例えば図6(a)のように、先端部21に近い畝部25(1番目及び2番目の外周凹部22,23間の畝部)にのみ、溝部25a,25a,…を設けるようにしてもよいし、反対に同図(b)のように、基端部20にも溝部20a,20a,…を設けるようにしてもよい。
但し、バンプストッパ2の先端部21には、例えば内周凹部27の底部付近などかなり薄肉の部位があるので、ここには軸方向の溝部は形成しないことが好ましい。
また、前記実施形態では溝部25a,26a,…は、畝部25,26にそれぞれ4つずつ設けているが、これは、それぞれ2つ、3つ、或いは5〜8つくらいであってもよい。また、隣り合う2つの第1溝部25a,25a同士の周方向中間位置に第2溝部26aを設ける必要はなく、平面視において第1溝部25a,…及び第2溝部26a,…が互いに重ならないように設ければよい。
さらに、前記溝部20a,25a,26aの形状は、前記実施形態のように断面半円形状とする必要はない。但し、型抜きの容易性を考慮すれば、例えば、内周側ほど幅が狭くなる台形状断面或いは三角形状断面とすることが好ましい。また、溝部25a,26a,…の幅を一定とする必要もなく、例えばバンプストッパ2の基端側から先端側に向かって徐々に幅が拡がるように形成してもよい。
さらにまた、前記実施形態では、バンプストッパ2の基端部20を上端に位置づけて、これを車体側のアッパシート5に取り付けるようにしているが、このようなレイアウトに限定されないことは勿論であり、例えばバンプストッパ2の基端部20を下端に位置づけてもよいし、バンプストッパ2の軸心Zを上下方向以外に向けてもよい。また、バンプストッパ2の基端部20をサスペンション側の部材に取り付けて、先端部21を車体側の部材に当接させるようにすることもできる。
また、サスペンションは前記実施形態のようなストラット式のものに限定されず、それ以外の例えばダブルウィッシュボン式、トレーリングアーム式、マルチリンク式などにも本発明のバンプストッパを適用可能である。その場合にバンプストッパは、前記実施形態のようにロッドに装着されるとは限らない。
以上、説明したように、本発明に係る筒形のバンプストッパは、先端部の破れや外周部の擦れが抑えられて、耐久性が高く、それでいて従来までと同様の初期ばねの柔らかな特性を得ることもできるから、乗用車のサスペンションなどに好適なものである。
本発明のバンプストッパをストラット式サスペンションに適用した実施形態の概略構成図である。 バンプストッパの正面図(a)及び下面図(b)である。 バンプストッパの斜視図である。 バンプストッパの最大圧縮状態を示す縦断面図である。 バンプストッパの静ばね特性を示す荷重−変位グラフ図である。 他の実施形態に係る図3相当図である。
S サスペンション
1 ショックアブソーバ
2 バンプストッパ
3 アッパマウント(車体側部材)
5 アッパシート(車体側部材)
20 バンプストッパの基端部
21 先端部
21a 先端面(平坦な端面)
22,23,24 外周凹部
25,26 畝部
25a,25b 溝部
27 内周凹部
Z バンプストッパの軸心

Claims (4)

  1. 自動車のサスペンションに用いられ、そのバンプ時に軸方向に圧縮されて補助ばねとして機能する筒状のバンプストッパであって、
    軸方向の一端部である基端部が、車体側及びサスペンション側の一方の部材に取り付けられ、
    反対側の先端部は、前記サスペンションのバンプ時に前記車体側及びサスペンション側の他方の部材に当接する平坦な先端面を有するとともに、軸方向にその先端面に近づくに連れて外形が大きくなるか、又は略一定に維持されるか、のいずれかとなるように形成され、
    外周部を略全周に亘って凹ませてなる環状の外周凹部が、軸方向に間隔を空けて複数、形成されており、
    前記先端面から、該先端面より数えて1番目の外周凹部に掛けて、内周部を略全周に亘って凹ませてなる断面円弧状の内周凹部が形成され、
    前記内周凹部の底部付近において径方向の肉厚が最も薄くなるように形成されていることを特徴とするバンプストッパ。
  2. 請求項1のバンプストッパにおいて、
    径方向の肉厚が、基端側から数えて1番目と2番の外周凹部に挟まれた畝部において最も厚くなって、該畝部から先端側に向かうほど薄くなるとともに、前記内周凹部における底部付近で最も薄くなった後、該底部付近から先端側に向かうほど厚くなるように形成されていることを特徴とするバンプストッパ。
  3. 請求項1又は2のバンプストッパにおいて、
    先端側から数えて1番目と2番目の外周凹部に挟まれた環状の畝部には、該両外周凹部同士を連通するように軸方向に延びる第1の溝部が、周方向に間隔を空けて複数、形成されていることを特徴とするバンプストッパ。
  4. 請求項3のバンプストッパにおいて、
    前記外周凹部は、軸方向に間隔を空けて3つ、形成されており、
    先端側から数えて2番目と3番目の外周凹部に挟まれた環状の畝部にも、該両外周凹部同士を連通するように軸方向に延びる第2の溝部が、周方向に間隔を空けて複数、形成されており、
    前記第2の溝部は、軸方向に透視したときに第1の溝部と重ならないように設けられていることを特徴とするバンプストッパ。
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