JP4622095B2 - 伸びフランジ性に優れる熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、伸びフランジ性に優れる熱延鋼板、特に引張強さが400 〜490MPa級である熱延鋼板の伸びフランジ性を向上することに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のシャシー関連の部品、特にサスペンションアーム等の部品の素材としては、引張強さが400 〜490MPa級の熱延鋼板が多用されている。また、この種の部品類のプレス加工は、伸びフランジ部位の破断により、その成形の可否が支配されることが多く、素材となる鋼板には高い伸びフランジ性が求められる。さらに、近年では、部品配置やデザイン面からの要求上、各種シャシー部品についても、より複雑な形状が必要とされる状況も散見されるようになった。このため、引張強さが 400〜490MPa級である自動車用熱延鋼板に対して、伸びフランジ性の一層の向上が要請されている。
【0003】
ここに、鋼板の伸びフランジ性を向上させる方策としては、鋼板組織中の第二相や介在物を低減することが有効であると言われている。この第二相や介在物の塑性変形能は、主相のそれとは大きく異なるため、鋼板が加工される際には主相と第二相や介在物との界面にて応力集中が生ずる。そのため、伸びフランジ成形時の破断の起点となる微細なクラックが、伸びフランジ成形に先立つ剪断時あるいは伸びフランジ成形の進行過程において、第二相や介在物と主相との境界部にて生成しやすい。したがって、第二相や介在物の量を低減してクラック発生の起点を極力少なくすることが、伸びフランジ性の向上に大きく寄与するのである。
【0004】
以上の点から、伸びフランジ性に優れた鋼板としては単相組織鋼が理想的であり、複合組織鋼においては、複合組織を構成する各相間の塑性変形能の差が小さい、つまり各相間の硬度差が小さいことが好ましいとされている。このような考え方に沿った伸びフランジ成形性に優れる熱延鋼板として、ベイナイトあるいはベイニティックフェライトを主体組織とする鋼板が、多数提案されている。
【0005】
例えば、特公平7−74378号公報には、C:0.02〜0.14質量%,P≦0.020 質量%,Si:0.4 〜2.0 質量%,S≦0.01質量%,Mn:0.3 〜2.0 質量%およびAl:0.005 〜0.10質量%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を、Ar3 変態点以上の仕上温度で熱間圧延し、CとMn量によって規定される所定の冷却速度で冷却し、350 〜550 ℃で巻き取ることによって、ベイナイトを主体とする組織とする、穴拡げ性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法が開示されている。また、特開平6−172924号公報には、C:0.03〜0.20質量%,Si:0.2〜2.0 質量%,Mn≦2.5 質量%,P≦0.08質量%およびS≦0.005 質量%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼であって、ベイニティックフェライトあるいはフェライトとベイニティックフェライトとを主体とする組織を有する、伸びフランジ加工性に優れた高張力熱延鋼板が提案されている。さらに、特開平9−170048号公報には、C:0.05〜0.20質量%,Si:0.1 〜2.0 質量%,Mn:0.5 〜2.5 質量%,P:0.005 〜0.1 質量%,S≦0.01質量%およびAl≦0.1 質量%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼であって、微細フェライトとベイナイトとを主体とし、結晶粒界に板状セメンタイトが所定比率および所定寸法にて存在する組織を有する、疲労特性と穴拡げ性に優れた高張力熱延鋼板が開示されている。
【0006】
しかし、上記技術による鋼板は、いずれも引張強さが490MPa以上である高張力熱延鋼板を対象とするものであり、引張強さが400 〜490MPa級の熱延鋼板に対して直ちに適用できるものではない。
【0007】
一方、引張強さが400 〜490MPa級の熱延鋼板の伸びフランジ性向上に関する技術としては、特公平1−32293号公報や特公平7−47798号公報等に開示されている。例えば、特公平1−32293号公報には、C≦0.08質量%,Si:0 .1〜1.0 質量%,Mn:0.5 〜1.4 質量%,P≦0.020 質量%,S≦0.010 質量%,Al:0.020 〜0.100 質量%およびN≦0.0060質量%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を1100℃以上の温度に加熱し、Ar3 変態点以上の仕上温度で熱間圧延し、600 〜740 ℃で巻き取ることによる、加工性の優れた熱延鋼板の製造方法が開示されている。また、特公平7−47798号公報には、C:0.02〜0.07質量%,Si:0.4 〜1.5 質量%,Mn:0.5 〜1.5 質量%,P≦0.02質量%,S≦0.005 質量%およびAl:0.01〜0.10質量%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、円相当半径が0.1 μm以上の大きさのセメンタイトの組織率が 0.1%以下で、マルテンサイトの組織率が1%以下である、バーリング性と延性に優れた熱延鋼板およびその製造方法が開示されている。
【0008】
しかし、これらの技術によって得られる熱延鋼板の伸びフランジ性は、穴拡げ率を指標とすると80〜130 %であり、近年の要求水準に対しては必ずしも十分とはいえないところに問題が残る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、上記従来技術が抱える問題点を解決し、自動車部品等の素材として好適な、極めて優れた伸びフランジ性を有する、引張強さが400 〜490MPa級の熱延鋼板およびその製造方法について、提案することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記した課題を解決するため、伸びフランジ性に及ぼす鋼板の組成およびミクロ組織の影響について、鋭意研究を重ねた。その結果、所定の化学組成を有する熱延鋼板の組織を、ポリゴナルフェライトを主相とし、残部がベイナイトおよび結晶粒界に存在する膜状セメンタイトからなる第二相とし、ポリゴナルフェライト相の体積率、粒径、硬度ならびに第二相の大きさを所定のものとすることにより、鋼板に優れた伸びフランジ性を発現させ得ることを見出した。
【0011】
さらに、発明者らは、化学成分を所定の範囲に調整した鋼を、所定の条件下で熱間圧延することにより、鋼板のミクロ組織が上記の構成となり、伸びフランジ性に優れる熱延鋼板を製造することが可能であるという知見も得た。
この発明は上記した知見に基づいて成されたものである。
【0012】
すなわち、この発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)C:0.01〜0.05質量%、Si:0.2 〜1.0 質量%、Mn:0.8 〜2.0 質量%、P:0.05質量%以下、S:0.005 質量%以下およびAl:0.01〜0.10質量%を含み、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有し、平均結晶粒径が5〜20μmかつヴィッカース硬度が100 〜150 であるポリゴナルフェライトを、体積率にて85%以上含有し、残部がベイナイトおよび結晶粒界に存在する膜状セメンタイトからなり、ベイナイトの平均径および膜状セメンタイトの平均断面長がポリゴナルフェライトの平均結晶粒径未満であることを特徴とする、伸びフランジ性に優れる熱延鋼板。
【0013】
(2)C:0.01〜0.05質量%、Si:0.2 〜1.0 質量%、Mn:0.8 〜2.0 質量%、P:0.05質量%以下、S:0.005 質量%以下およびAl:0.01〜0.10質量%を含み、さらに下記(a)群および(b)群から選ばれた1群または2群を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有し、平均結晶粒径が5〜20μmかつヴィッカース硬度が100 〜150 であるポリゴナルフェライトを、体積率にて85%以上含有し、残部がベイナイトおよび結晶粒界に存在する膜状セメンタイトからなり、ベイナイトの平均径および膜状セメンタイトの平均断面長がポリゴナルフェライトの平均結晶粒径未満であることを特徴とする、伸びフランジ性に優れる熱延鋼板。
記
(a)群:CaおよびREM から選ばれた1種または2種を合計で0.001 〜0.010 質量%
(b)群:TiおよびNbから選ばれた1種または2種を合計で0.01〜0.10質量%
【0014】
(3)C:0.01〜0.05質量%、Si:0.2 〜1.0 質量%、Mn:0.8 〜2.0 質量%、P:0.05質量%以下、S:0.005 質量%以下およびAl:0.01〜0.10質量%を含み、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有する鋼片を、1050〜1250℃の温度に加熱した後、仕上圧延機出側温度がAr3変態点〜(Ar3 変態点+100 ℃)の温度域となる熱間圧延を施し、次いで少なくとも下記の式にて定義される温度Tまでの温度範囲を40〜100 ℃/sの平均冷却速度で冷却し、その後500〜600℃の温度で巻き取ることを特徴とする伸びフランジ性に優れる熱延鋼板の製造方法。
記
T(℃)=615 −48.0C−8.4 Mn+28.6 Si
ただし、C,MnおよびSiは各元素の含有量(質量%)
【0015】
(4)上記(3)において、鋼片は、さらに下記(a)群および(b)群から選ばれた1群または2群を含有する成分組成を有することを特徴とする伸びフランジ性に優れる熱延鋼板の製造方法。
記
(a)群:CaおよびREM から選ばれた1種または2種を合計で0.001 〜0.010 質量%
(b)群:TiおよびNbから選ばれた1種または2種を合計で0.01〜0.10質量%
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の熱延鋼板について、まず、化学組成における各成分の限定理由について説明する。
C:0.01〜0.05質量%
Cは、固溶強化および硬質な第二相の形成を通じて、鋼を高強度化する作用を有する元素であり、Cを添加することによって低廉な溶製コストでも鋼の強度を高めることができる。しかし、C含有量が0.05質量%を超えると、第二相が生成しやすくなり、主相であるフェライトの体積率を所定量以上にすることが困難になる。一方、Cの含有量が0.01質量%未満では、溶製コストが嵩む上、必要な強度を確保するためにC以外の高価な合金元素を多量に添加する必要が生じて経済上不利となる。このため、C量は0.01〜0.05質量%の範囲に限定する。
【0017】
Si:0.2 〜1.0 質量%
Siは、固溶強化により鋼を強化する元素である。また、フェライト変態を促進し、ポリゴナルフェライトの生成を容易にする作用も有する。このSiの添加によって主相のフェライトが強化されると、第二相との相間硬度差が減少することにより、鋼板の伸びフランジ性が向上する効果も得られる。このような作用および効果は、Si含有量が 0.2質量%以上で認められる。一方、1.0 質量%を超えて含有すると、鋼板の表面性状が顕著に悪化する。このため、Si量は 0.2〜1.0 質量%の範囲に限定した。
【0018】
Mn:0.8 〜2.0 質量%
Mnは、固溶強化により鋼を強化する元素である。この発明で所望する強度を確保するには、Mn含有量が0.8 質量%以上であることが望ましい。一方、Mn量が 2.0質量%を超えると、鋼板組織中に中心偏析層やバンド状の第二相が形成されやすくなり、鋼板の伸びフランジ性の低下を招く。このため、Mn量は 0.8〜2.0 質量%の範囲に限定した。
【0019】
P:0.05質量%以下
Pは、鋼中に不純物として存在する元素であり、多量のPは鋼板の成形性や溶接性を低下させるため、Pの含有量は0.05質量%以下に限定する。なお、より望ましくは0.03質量%以下である。
【0020】
S:0.005 質量%以下
Sは、鋼中に不純物として存在する元素であり、多量のSは鋼中介在物の形成を通じて鋼板の伸びフランジ性を低下させるため、Sの含有量は0.005 質量%以下に限定する。なお、より望ましくは0.003 質量%以下である。
【0021】
Al:0.01〜0.10質量%
Alは、鋼の脱酸のために添加される元素であり、Al添加量が0.01質量%未満では十分な脱酸効果が得られない。また、添加量が0.10質量%を越えると、脱酸効果が飽和する上、鋼中介在物の増加を招く。このため、Alの含有量は0.01〜0.10質量%に限定する。
【0022】
さらに、この発明の鋼板では、必要に応じて、上記した化学成分に加えて、次の(a)群および(b)群から選ばれた1群または2群を含有することができる。
(a群):CaおよびREM から選ばれた1種または2種を合計で0.001 〜0.010 質量%
CaおよびREM は、硫化物系介在物の形態を制御する作用を有し、これにより鋼板の伸びフランジ性を向上させる効果を有する。この効果は、CaおよびREM のうちから選ばれた1種または2種を合計した含有量が0.001 質量%未満になると十分に得られず、一方0.01質量%を超えて添加しても効果が飽和するのに反しコスト増をまねくことになる。このため、CaおよびREM の1種または2種を合計した含有量は、0.001 〜0.010 質量%に限定する。
【0023】
(b群):TiおよびNbから選ばれた1種または2種を合計で0.01〜0.10質量%
TiおよびNbは、鋼中に炭化物や窒化物を形成し、これら炭窒化物による析出強化により鋼を高強度化する作用を有する。このような効果は、TiおよびNbから選ばれた1種または2種を合計で、0.01質量%以上で認められる。一方、合計で0.10質量%を超えて含有しても効果が飽和するのに反しコスト増をまねくことになる。このため、TiおよびNbの1種または2種を合計した含有量は、合計で0.01〜0.10質量%の範囲に限定する。
なお、上記の成分元素以外の残部成分は、Feおよび不可避的不純物からなるものである。
【0024】
次に、この発明の熱延鋼板におけるミクロ組織の構成について説明する。この発明の鋼板は、平均結晶粒径が5〜20μmかつヴィッカース硬度が100 〜150 であるポリゴナルフェライトを主相とし、残部がベイナイトおよび結晶粒界に存在する膜状セメンタイトからなる第二相であり、ベイナイトの平均径および膜状セメンタイトの平均断面長がポリゴナルフェライトの平均結晶粒径未満であることを特徴とする。
【0025】
〔主相〕
この発明の鋼板は、ポリゴナルフェライトを主相とする。ポリゴナルフェライトは軟質で高い変形能を有する相であり、鋼板に優れた成形性を付与するために好適な相である。ポリゴナルフェライトの体積率が85%未満では、図1にポリゴナルフェライトの体積率と穴拡げ率との関係を示すように、鋼板に十分な成形性が発現せず、また第二相の増加を通じて伸びフランジ性の低下を招く。よって、ポリゴナルフェライトの体積率は85%以上に限定する。ここで、この発明では、穴拡げ率が130 %をこえる性能を目標としている。なお、図1に示した結果は、後述する実施例における評価結果を整理したものである。
【0026】
また、ポリゴナルフェライトの結晶粒径が5μm未満になると、細粒化による強化に伴って鋼板の延性が低下する。加えて、結晶粒径を5μm未満とするためには、圧延負荷の増大が避けられず、熱間圧延工程における製造性の低下を招く。一方、ポリゴナルフェライトの結晶粒径が20μmを超える場合には、鋼板加工時に鋼板の表面性状が悪化する。よって、ポリゴナルフェライトの結晶粒径は5〜20μmに限定する。
【0027】
さらに、ポリゴナルフェライトのヴィッカース硬度が 100未満では、所望の鋼板強度が得られない上、第二相との硬度差が大きくなり、図1に示すように、鋼板の伸びフランジ性が低下する。一方、ポリゴナルフェライトのヴィッカース硬度が 150を超えると、逆に鋼板強度が高くなり、所望の強度水準を得ることが困難となる。よって、ポリゴナルフェライトのヴィッカース硬度は100 〜150 に限定する。
【0028】
〔第二相〕
この発明の鋼板の第二相は、ベイナイトおよび結晶粒界に存在する膜状セメンタイトからなる。第二相がマルテンサイトやパーライト、あるいは塊状のセメンタイトである場合には、主相であるポリゴナルフェライトとの相間硬度差が大きくなり、図1に示すように、鋼板の伸びフランジ性が低下する。よって、この発明の鋼板の第二相は、ベイナイトおよび結晶粒界に膜状に存在するセメンタイトに限定する。なお、セメンタイトは硬質相であるが、結晶粒界に分散して存在する膜状のセメンタイトであれば、粗大な塊状にて存在するセメンタイトに比べて主相との界面での応力集中度が緩和され、鋼板の伸びフランジ性への悪影響は軽減される。
【0029】
ただし、第二相がベイナイトおよび膜状セメンタイトであり、この第二相の体積率が15%未満であっても、ベイナイトや膜状セメンタイトが主相のポリゴナルフェライトに対して粗大な第二相として存在する場合には、フェライトとの界面にて微細クラックが生じやすくなり、図2に主相および第二相の平均径比と穴拡げ率との関係を示すように、鋼板の伸びフランジ性が低下する。よって、ベイナイトの平均径および膜状セメンタイトの平均断面長はポリゴナルフェライトの平均結晶粒径未満とする。なお、図2に示した結果は、後述する実施例における評価結果を整理したものである。また、図2に示した、dSPはベイナイト平均径および膜状セメンタイト平均断面長の最大値であり、同dPFはポリゴナルフェライトの平均結晶粒径である。
【0030】
なお、この発明でいう膜状セメンタイトの断面長は、鋼板の圧延方向に沿う断面にて観察される、膜状セメンタイトの切断面の長軸長を指し、また膜状セメンタイトの厚さは概ね1μm以下のものを対象とする。
【0031】
この発明の鋼板は、上記の化学組成および複合組織を有する熱延鋼板であり、さらに、その表面に樹脂や油脂、あるいは各種塗装や電気メッキ等の皮膜または塗膜を形成することも可能である。
【0032】
次に、この発明の鋼板の製造方法について詳しく説明する。
まず、上記した成分組成を有する鋼を溶製し、通常の方法で鋳造し、鋼片とする。この溶製および鋳造は、転炉および連続鋳造機にて行うのが生産効率の点から有利であるが、その他の設備を用いてもかまわない。次いで、鋼片を1050〜1250℃の温度範囲に加熱保持した後、仕上圧延機出側温度(FDT )がAr3変態点〜(Ar3+100 )℃となる熱間圧延を施し、この圧延終了後に少なくとも下記の式(イ)にて定義される温度Tまでの温度範囲を40〜100 ℃/sの平均冷却速度で冷却し、その後、400 〜600 ℃の温度にて巻き取ることを特徴とする。
記
T(℃)=615 −48.0C−8.4 Mn+28.6 Si ----(イ)
C,Mn,Siは各元素の含有量(質量%)
【0033】
なお、仕上圧延開始前に粗圧延後のシートバーを追加熱し、仕上圧延機出側温度の低下防止を図っても良い。また、粗圧延後のシートバーを接合して仕上圧延工程を連続化してもよい。
以下に、各製造条件の限定理由を説明する。
【0034】
〔鋼片加熱温度:1050〜1250℃〕
所定の仕上圧延機出側温度にて熱間圧延を終了し、所望の特性の熱延板を得るためには、熱間圧延前の鋼片を適当な温度に加熱しておく必要がある。すなわち、鋼片の加熱温度が1050℃未満の場合には、後述する仕上圧延機出側温度条件を満たすことが困難となる。一方、鋼片の加熱温度が1250℃をこえると、加熱時に鋼片組織が過度に粗大化し、圧延後に所望の鋼板組織を得ることが難しくなる。よって、鋼片の加熱温度は1050〜1250℃に限定する。
【0035】
〔仕上圧延機出側温度:Ar3 変態点〜(Ar3 +100 )℃〕
熱間圧延の仕上圧延機出側温度がAr3 変態点を下回ると、圧延方向に展伸したフェライト組織や未再結晶フェライト組織が形成され、鋼板材質の異方性が大きくなるとともに、鋼板の成形性が低下する。一方、仕上圧延機出側温度が(Ar3+100 )℃を超えると、鋼板組織が粗大化しやすく、所望の組織が形成されにくくなる。よって、仕上圧延機出側温度はAr3 変態点〜(Ar3 +100 )℃に限定する。
【0036】
〔冷却条件〕
仕上圧延後から巻取りまでの冷却は鋼板のミクロ組織を調整する上で重要な工程である。この発明の鋼板の製造に際しては、フェライト変態を十分に進行させつつ、パーライト変態およびマルテンサイト変態を回避する冷却条件を選択する必要がある。上記の式(イ)にて定義される温度Tは、この発明の鋼板の連続冷却変態曲線図におけるパーライト変態のノーズ先端温度に相当するものである。よって、仕上圧延後から巻取までの冷却中において、パーライトの生成を回避するためには、仕上圧延機出側温度から少なくとも上記温度Tまでの温度範囲を所定の冷却速度で冷却する必要がある。
【0037】
すなわち、上記温度Tまでの温度範囲における平均冷却速度が40℃/s未満の場合には、冷却中にパーライト変態が起こり、第二相としてパーライトが生成しやすくなる。また、平均冷却速度が 100℃/sを超えるとフェライト変態の進行が遅れ、ポリゴナルフェライトの生成が不十分となる。よって、仕上圧延機出側温度から少なくとも上記温度Tまでの平均冷却速度は40〜100 ℃/sに限定する。なお、温度Tから巻取温度までの温度範囲における冷却条件は特に限定しないが、復熱によるパーライト変態の進行を回避し、かつ生産効率を高める観点から、温度Tから巻取温度までも連続して同様の冷却、例えば水冷を行うことが望ましい。
【0038】
〔巻取温度〕
巻取温度が 500℃未満の場合には、第二相としてマルテンサイトが生成しやすくなる上、鋼板形状の悪化も招く。一方、巻取温度が 600℃を超える場合には、第二相としてパーライトが生成しやすくなるとともに、鋼板組織が粗大化して所望の組織を得にくくなる。よって、巻取温度は 500〜600 ℃に限定する。
【0039】
なお、この発明の鋼板の製造に際しては、必要に応じて酸洗あるいは調質圧延の工程を加えても、この発明による効果が損なわれることはない。また、上記工程に加えて樹脂や油脂コーティング、あるいは各種塗装や電気メッキ等の後処理を施すことも可能である。
【0040】
【実施例】
表1に示す成分元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造にて鋳片とした。得られた鋳片を表2に示す条件にて熱間圧延し、板厚2.9 mmの熱延板とした。次いで、この熱延板を酸洗して鋼板表層の酸化スケールを除去した後、該鋼板より試験片を採取し、そのミクロ組織および機械的特性を調査した。これらの調査結果を表3に示す。
【0041】
ここで、鋼板のミクロ組織は、圧延方向断面を光学顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡にて観察することにより調査した。すなわち、鋼板中のポリゴナルフェライト量については、倍率 400倍の断面組織写真を用いて、任意に設定した50mm四方の正方形領域内のポリゴナルフェライトの占有面積率を画像解析により求め、ポリゴナルフェライトの体積率とした。ポリゴナルフェライトの粒径については、JIS Z 0552 の規定に準拠して結晶粒度を測定し、平均結晶粒径に換算した。なお、フェライトの結晶粒度測定と同時にベイナイトの平均径および膜状セメンタイトの平均断面長も併せて測定した。ポリゴナルフェライトのヴィッカース硬度は、微小硬度計を用いて、JIS Z 2244 の規定に準拠して測定した。
【0042】
鋼板の機械的特性は、引張試験および穴拡げ試験により測定した。引張試験は、試験方向が庄延方向に平行になるように採取したJIS Z 2204 に規定の5号試験片を用いて、JIS Z 2241 の規定に準拠して行い、引張強さ(TS)および破断伸び(El)を測定した。穴拡げ試験は、日本鉄鋼連盟規格JFT T 1001 の規定に準拠して行い、穴拡げ率(λ)を求めて伸びフランジ性の指標とした。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
この発明の熱延鋼板は、400MPa以上の引張強さと35%以上の破断伸びを有し、穴拡げ率が130 %をこえ、かつ強度と穴拡げ率とのバランス(TS×λ)が60GPa%以上と、極めて伸びフランジ性に優れた熱延鋼板となっている。一方、この発明の規定範囲を外れる比較例の熱延鋼板では、穴拡げ率(λ)が 130%以下、強度と穴拡げ率とのバランス(TS×λ)が60GPa %以下であり、この発明の鋼板と比較すると、伸びフランジ性が不十分であった。なお、図3に、表3に示した評価結果における、引張強さおよび穴拡げ率について整理したように、両者の差異は明らかである。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、非常に優れた伸びフランジ性を有する、自動車部品に代表される成形品素材として好適な熱延鋼板を提供することができ、産業上格段の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリゴナルフェライトの体積率と穴拡げ率との関係を示すグラフである。
【図2】 主相および第二相の平均径比と穴拡げ率との関係を示すグラフである。
【図3】 引張強さと穴拡げ率との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- C:0.01〜0.05質量%、
Si:0.2 〜1.0 質量%、
Mn:0.8 〜2.0 質量%、
P:0.05質量%以下、
S:0.005 質量%以下および
Al:0.01〜0.10質量%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有し、平均結晶粒径が5〜20μmかつヴィッカース硬度が100 〜150 であるポリゴナルフェライトを、体積率にて85%以上含有し、残部がベイナイトおよび結晶粒界に存在する膜状セメンタイトからなり、ベイナイトの平均径および膜状セメンタイトの平均断面長がポリゴナルフェライトの平均結晶粒径未満であることを特徴とする、伸びフランジ性に優れる熱延鋼板。 - C:0.01〜0.05質量%、
Si:0.2 〜1.0 質量%、
Mn:0.8 〜2.0 質量%、
P:0.05質量%以下、
S:0.005 質量%以下および
Al:0.01〜0.10質量%
を含み、さらに下記(a)群および(b)群から選ばれた1群または2群を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有し、平均結晶粒径が5〜20μmかつヴィッカース硬度が100 〜150 であるポリゴナルフェライトを、体積率にて85%以上含有し、残部がベイナイトおよび結晶粒界に存在する膜状セメンタイトからなり、ベイナイトの平均径および膜状セメンタイトの平均断面長がポリゴナルフェライトの平均結晶粒径未満であることを特徴とする、伸びフランジ性に優れる熱延鋼板。
記
(a)群:CaおよびREM から選ばれた1種または2種を合計で0.001 〜0.010 質量%
(b)群:TiおよびNbから選ばれた1種または2種を合計で0.01〜0.10質量% - C:0.01〜0.05質量%、
Si:0.2 〜1.0 質量%、
Mn:0.8 〜2.0 質量%、
P:0.05質量%以下、
S:0.005 質量%以下および
Al:0.01〜0.10質量%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物の組成を有する鋼片を、1050〜1250℃の温度に加熱した後、仕上圧延機出側温度がAr3 変態点〜(Ar3 変態点+100 ℃)の温度域となる熱間圧延を施し、次いで少なくとも下記の式にて定義される温度Tまでの温度範囲を40〜100 ℃/sの平均冷却速度で冷却し、その後500〜600℃の温度で巻き取ることを特徴とする伸びフランジ性に優れる熱延鋼板の製造方法。
記
T(℃)=615 −48.0C−8.4 Mn+28.6 Si
ただし、C,MnおよびSiは各元素の含有量(質量%) - 請求項3において、鋼片は、さらに下記(a)群および(b)群から選ばれた1群または2群を含有する成分組成を有することを特徴とする伸びフランジ性に優れる熱延鋼板の製造方法。
記
(a)群:CaおよびREM から選ばれた1種または2種を合計で0.001 〜0.010 質量%
(b)群:TiおよびNbから選ばれた1種または2種を合計で0.01〜0.10質量%
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