以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
尚、本明細書において、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し 「右」とは「遊技者から見て「右」であることを示す。また、「前」及び「表」は、「遊技機1を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機1とする後方前方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、本明細書において、ガラス扉枠(「前面枠」ということもある。)4、中枠3、受皿扉部材5等の扉状に開閉可能な部材において、「右」とは、この部材を閉鎖状態にしたときに、遊技者から見て「右」の場合を指し、「左」とは、この部材を閉鎖状態にしたときに、遊技者から見て「左」の場合を指す。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図10を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。
このうち、外枠2は、図2及び図3に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。尚、この島設備Sの下方側であって、パチンコホールの床面と所定の間隔を隔てた箇所には、台部(膳台と称される。)Dが配設される。また、島設備Sの上方側には、上端部等をヒンジを用いて開閉可能な状態に支持された幕板Mと、幕板Mの下方に配置されたランプパネルRPとが配置されている。そして、ランプパネルRPと、台部(膳台)Dとの間に形成される空間部が、設置部位S1とされる。
この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図4を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、を備えている。このうち、外枠本体21は、上下に一対の水平板21aと、左右に一対の立設板21bと、を備えている。そして、両水平板21aは、上下に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、左右方向に長尺とされている。また、両立設板21bは、左右に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、上下方向に長尺とされている。
両立設板21bは略L字状の横断面を有しており、両立設板21bの相互に対向する面(以下、「内側面」という。)21cは段差面とされている(図3を参照)。また、両立設板21bの内側面21cの間隔は、その前後方向に沿った中間部よりも後方側の部位(以下、「後方部」という。)21dにおいて段差状に狭くされている。そして、右側に位置する立設板21bの後方部21dにおいて、その上端側と下端側に、取付具21eが装着されている。これらの取付具21eは、略L字状の横断面を備えると共に、後方部21dの左側方に向かって板状部分21fを突出させている。この板状部分21fは、「中枠施錠用被係合部L3」の具体例を構成する。
遊技機本体Hは、図1〜図6を用いて示されるように、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、中枠3と、ガラス扉枠(前面枠)4と、受皿扉部材5、遊技盤10(図8を参照)と、裏機構盤102(図9を参照)等を主要部としている。
中枠3は、全体がプラスチック製であり、図1〜図6を用いて示されるように、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。この中枠3のうちで上方側及び中間側の部位は、遊技盤10(図8照)を前方から視認可能な状態で保持する保持部を構成している。つまり、図5に示すように、中枠3のうちで上方側及び中間側の部位には、その前後を貫通する状態に窓部3Mが設けられている。そして、中枠3の後面部のうちで、この窓部3Mを取り囲む部位からは、遊技盤10(図8参照)が挿入される保持用突出部33gが突出している。
この保持用突出部33gは、中枠3の後方に突出するものであり、その後方から、遊技盤10(図8参照)を受け入れて保持する。この保持用突出部33gに保持される遊技盤10(図8参照)は、図5に示すように、その前面部10aが、前方に向けられる。そして、この前面部10aの主要の部位(遊技領域11を形成する部位を含む主要な部位)が、窓部3Mを通じて、中枠3の前方から視認可能とされている。
中枠3の右端側の後面部であって、保持用突出部33gの右側方に位置する部位に、施錠装置700が装着されている(図4を参照)。この施錠装置700は、図11〜図14を用いて示されるように、上下に長尺状とされており、その前面部700A(図14を参照)を、中枠3の後面部に当接させた状態で中枠3に装着されている。この施錠装置70の前面部700Aでは、上端部側と中間部とにおいてガラス扉枠施錠用係合部K1を前方に突出させ、下端部側において上下一対の受皿扉部材施錠用係合部K2を前方に突出させている(図3及び図4を参照)。更に、施錠装置700の後端部においては、その上端部側と、後端部側において、第3の係合部K3を後方に突出させている(図2を参照)。尚、施錠装置700の詳細に関しては後述する。また、ガラス扉枠施錠用係合部K1は、各請求項の発明の「係合部」の具体例を構成する。
図5に示すように、中枠3の前面部3aのうちで下方側の部位には、遊技球を遊技盤10(図8を参照)に発射する発射装置(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、発射装置から発射された遊技球を外レール14(後述する。)に向かって誘導する発射レールYと、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図10参照)等が配設されている。尚、発射レールYは、中枠3の下方側の前面部において、左方向に向かって上がり傾斜状に設けられている。更に、そして、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図3及び図9参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。尚、遊技盤10及び裏機構盤102の詳細に関しては後述する。
図5に示すように、中枠3の右端部において、上方側の部位と、中間側の部位には、各々、貫通孔3b、3cが設けられている。これらの貫通孔3b、3cは、中枠3の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられ、各貫通孔3b、3cには、ガラス扉枠施錠用係合部K1が挿通されている。このため、ガラス扉枠施錠用係合部K1は、中枠3の前面部において、その右端部の上方側の部位と、中間側の部位とか、前方に突出する状態とされている(図5を参照)。
図5に示すように、中枠3の右端部であって、下方側で上下に並ぶ、2箇所位にも、貫通孔3d、3eが設けられている。これらの貫通孔3d、3eも、中枠3の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられ、各貫通孔3d、3eには、受皿扉部材施錠用係合部K2が挿通されている。このため、受皿扉部材施錠用係合部K2は、中枠3の前面部において、その右端部の下方側の2箇所から前方に突出する状態とされている(図4を参照)。尚、中枠3の裏面部であって、最上部の貫通孔3bの背後の部位と、最下部の貫通孔3eの背後の部位と、からは、中枠施錠用係合部K3を後方に突出している(図3等を参照)。
中枠3の前面部において、上方から2個目の貫通孔3cの下方には、後述する錠部材770の前端部が装着される装着部33fが設けられている。この装着部33fは、中枠3の前方に隆起する構造に設けられると共に、錠部材770の鉤孔を、前方に露呈させる貫通孔を有している。
ガラス扉枠4は、ガラス扉枠の具体例を構成するものであり、図4に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。このガラス扉枠4は、図6に示すように、扉枠本体41と、ガラス板43と、ガラス板43を扉枠本体41に保持させる(取り付ける)ための保持部材44と、を備えている。尚、保持部材44を扉枠本体41に対して一体的に設けることもできる。
扉枠本体41は、プラスチック製を用いて構成され、円形状の開口部41aを有している。この開口部41aは、扉枠本体41の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられている。そして、ガラス扉枠4を閉じた状態としたときに、ガラス扉枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面を、前方(遊技者の側であって、図14の遊技者YPを参照)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部41aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図8参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
図6に示すように、保持部材44は扉枠本体41の裏面部に装着されると共に、開口部41aを略矩形状の取り囲む部位のうちで、その上辺部を除く部位を配置されている。この保持部材44は、開口部を上方に向けた略コ字形に形成されている。そして、略コの字形(開口部を上方に向けた)の板状体によって構成される取付部44aと、取付部44aの後面部から後方に突出する保持本体部44bと、を備えている。
取付部44aは、保持部材44を扉枠本体41に取り付ける際の取付代を構成する部分である。そして、取付部44aの前面部を扉枠本体41の裏面部に当接させつつ、扉枠本体41に取り付けられている。また、保持本体部44bは、2つの保持溝44c、44dを扉枠本体41の後方に形成するものである。これらの保持溝44c、44dは、ガラス扉枠4の上方に向かって開放されており、これらの保持溝44c、44dには、ガラス扉枠4の上方から、ガラス板43、43が挿入されている。これにより、扉枠本体41の後方には、枚のガラス板43、43が配設された状態となっている。
本遊技機1においては、ガラス扉枠4を閉じた状態とすると、開口部41aと、遊技盤10の遊技領域11(後述する。)とが前後方向に位置合わせされる。このため、遊技者は、ガラス板43、43を通じて、遊技領域11を視認することができる。また、図4に示すように、ガラス扉枠4の右端部の上下方向に沿った中間部には、凹部48gが形成されている。そして、ガラス扉枠4を閉じた状態とすると、この凹部48gに装着部33fが嵌合しつつ、装着部33fの貫通孔が前方に露呈する。尚、本実施例のガラス扉枠(前面枠)4において、ガラス板43、43を直接的に保持する部分(保持部材44)を、ガラス扉枠4の裏面に開閉不可能な状態に装着したが、本実施例と異なり、この部分を、ガラス板43、43と一体で開閉可能な状態に装着してもよい。
取付部44aにおいて、図4及び図6に示すように、開口部41aの右側方に位置する部位(以下、「右側方部位」という。)からは、2つの係合突起45、45が突出している。これらの係合突起45、45は、第1の被係合部L1の具体例を構成するものであり、右側方部位の上端部側と、下端部側とから、扉枠本体41の後方に突出する状態に配設されている(図3を参照)。
両係合突起45、45(ガラス扉枠用被係合部L1)は、略L字状の板状体を用いて構成され、突端部を、扉枠本体41の右側方に向けている。尚、下方に配設される係合突起45(ガラス扉枠用被係合部L1)は、請求項3の発明の「姿勢変更部材」としても機能する。また、ガラス扉枠用被係合部L1は、各請求項の発明の「被係合部」の具体例を構成する。
図1に示すように、ガラス扉枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、ガラス扉枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図1及び図4に示すように、受皿扉部材5は、中枠3の前面部において、前面枠3の下方側の部位に開閉可能に装着されている。尚、前述の発射レールYは、図4に示すように、受皿扉部材5の後方(背後)に配置されている。また、受皿扉部材5の裏側には、音量スイッチ基板12(図10参照)が設けられ、受皿扉部材5の皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
この受皿扉部材5は、図1及び図7に示すように、中枠3の左端に開閉可能に支持された前板部51と、前板部51の前面部から前方に突出する上皿部52とを備えている。また、上皿部52は、上方に開口する容器形状に構成されると共に、その左端側の部位には、遊技機1内から排出される遊技球を、上皿部52の内部に導くための排出口5bが設けられている。
図7に示すように、前板部51の後面部であって、右端側(遊技者から見て右端側)に位置する部位の後方には、板状部材53が配設されている。この板状部材53は、前板部51の上下方向に並ぶ、複数の取付部材54を介して、前板部51の後面部と所定の間隔をおいた位置に配設されると共に、前面部が前板部51の後面部と略平行とされている。そして、板状部材53の上端部と中間部とに、前板部51の右端側に延設された延設部53a、53bを備えている。そして、これらの延設部53a、53bによって、第2の被係合部L2の具体例を構成している。
本遊技機1においては、図36及び図39に示すように、施錠装置700の「中枠施錠用係合部K3」を、外枠2の「中枠施錠用被係合部L3」に係合することで、中枠3が外枠2に対して施錠されている。また、図33に示すように、施錠装置700の「ガラス扉枠施錠用係合部K1」を、ガラス扉枠4の「ガラス扉枠用被係合部L1」に係合することで、ガラス扉枠4が中枠3に施錠されている。更に、図36及び図39に示すように、施錠装置700の「受皿扉部材施錠用係合部K2」を、受皿扉部材5の「受皿扉部材施錠用被係合部L2」に係合することで、受皿扉部材5が中枠3に施錠されている。尚、施錠装置700を用いた施錠方法や、その解除方法の詳細に関しては後述する。
図1に示すように、前面枠3の前面部であって、上皿部5よりも下方の部位には、下皿部6が突出状に設けられている。そして、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
図1に示すように、発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
更に、図1に示すように、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、受皿扉部材5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図8を用いて説明する。この遊技盤10は、中枠3に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図9参照)によりその背面側が覆われている。この遊技盤10の前面部10aには、レール部材Rが配置されている。このレール部材Rは、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール14と、内側レール15とを用いて構成されている。そして、この遊技盤10の前面部10aにおいて、このレール部材Rのうちで、領域レール部rによって、遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11の外縁部Gを構成している。
つまり、外側レール14は、遊技盤10の前面部10aにおいて、「開口部を下方に向けた略円弧形状に配置された帯状の金属板」を用いて構成される。また、内側レール15は、遊技盤10の前面部10aのうちで、外側レール14の内側の部位において、「開口部を上方に向けた略円弧形状に配置された帯状の金属板」を用いて構成される。そして、内側レール15の略全体と、外側レール14の上部側の部分とによって、略円形の「領域レール部r」が構成される。
本遊技機1においては、遊技盤10の右斜め下方の発射装置によって打ち出され、左上がり傾斜状の発射レールYに沿って上昇した遊技球は、遊技盤10の左端側において、外側レール14と内側レール15との間の誘導通路を経て、遊技盤10の左上部の「領域入口部」に導かれた後、「領域レール部r」によって包囲された遊技領域11に放出される構造となっている。
遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、下部装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置27を備えている。また、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。更に、中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図10参照)が配設されている。
遊技領域11において、中央装置26の下方に離れた位置には、始動口17が配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図10参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図10参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
下部装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図10参照)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図10参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図10参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図10参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図9参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図10参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
下部装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図10参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図10参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。
これらの障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。また、遊技領域の最下部にはアウト口48が設けられている。尚、アウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。尚、本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。
c.遊技機の裏面構造
次に、本遊技機1の裏面構造について図9を参照して説明する。
ガラス扉枠4(図1)は中枠3にあって、ガラス扉枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤10は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図8参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図10参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図10参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図10参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
d.遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図10を参照して説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部としては、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(払出制御部150、音声・ランプ制御部170等)と、この第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部(発射装置制御部193、図柄制御部160等)と、を備えている。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。尚、図10に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
ここで、主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、17s、19s〜22s、36s、37s、318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイド(17c、313、37)などに駆動信号を出力する。
尚、図示を省略するが、音声・ランプ制御部170は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に2つの基板から構成されている。また、図柄制御部160は、特別図柄制御基板によって主に構成されている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されている。また、払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
(2)施錠装置の構造
施錠装置700は、図11〜図13を用いて示されるように、支持体710と、第1の可動鉤部材720と、第2の可動鉤部材721と、ガラス扉枠施錠部材750と、錠操作伝達部材760Aと、受皿扉部材施錠部材780と、錠部材800(図23を参照)と、を備えている。尚、図11〜図13においては、錠部材800の図示を省略している。
支持体710は、施錠装置700の外郭を構成する部材であり、図14に示すように、長尺な金属板を、横断面が略L字状になるように折り曲げて構成されるものである。この支持体710の上下方向幅(長手幅)は、中枠3の上下方向幅と略等しくされている。そして、この支持体710は、上下方向に長尺な板状体を用いて構成される取付代部711と、取付代部711の左端縁から後方に突出する支持本体部715と、を備えている。尚、図14中の「YP」は遊技者を示している。また、図12〜図20、図35、図37、図38に記す「右」、「左」の方向は、遊技者を基準とする方向(遊技者から見た方向)である。また、図13、図15〜図20、図35、図37、図38は、遊技機1の後方から目視した状態の概略的な縦断面図である。
取付代部711の前面部711aは、図14に示すように、支持体710を中枠3に固定する際に、中枠3の裏面部(後面部)に当接する部分である。また、図12、図15〜図18に示すように、この取付代部711の左側縁部において、上下方向に沿った中間部から上端側に至る部位が、取付代部711の右側縁部側に凹む、凹部711bとされている。つまり、この支持体710の横幅(短手幅)は、この凹部711bにおいて、「くびれ」状に狭くされている。
取付代部711の右側縁部は、上下に向かう略直線の経路を描くが、取付代部711の左側縁部は、中間部から上端側に至る部位に、略等脚台形状(上底を右側方に向け、下底を左側方に向けた略等脚台形状)の凹部711bを備える状態で上下に向かう経路線を描いている。具体的には、取付代部711の左側縁部は、凹部711bよりも上方の部位(以下、「第1領域部」という。)a1と下方の部位(以下、「第5領域部」という。)a5と、を上下に向かう略直線状としている。また、凹部711bは、上方に配置されて右下り傾斜の直線状の部位(以下、「第3領域部」という。)a2と、下方に配置されて左下り傾斜の直線状の部位(以下、「第4領域部」という。)a4と、第2領域部a2及び第3領域部a3の間に位置し、上下に向かう略直線状とされた部位(以下、「第3領域部」という。)a3と、を備えている。
取付代部711の左側縁部寄りに位置すると共に取付代部711の上端部側に位置する部位(凹部711bよりも上方する部位)には、第1の貫通孔711cが設けられ、取付代部711の左側縁部寄りに位置すると共に凹部711bよりも下方には、第2の貫通孔711dが設けられている(図12を参照)。これらの貫通孔711c、711dは、何れも、取付代部711の前面部711aと、後面部711bとを貫通する状態に設けられると共に、上下に長尺な矩形孔によって構成されている。
図12及び図13に示すように、取付代部711において、第2の貫通孔711dよりも下方の部位には、取付孔711fが形成されている。この取付孔711fは、後述する錠部材800を支持体710に取り付けられるために使用され、取付代部711の前面部711aと、後面部711bとを貫通する状態に設けられている。また、図13に示すように、取付代部711の後面部711Bであって、取付孔711fよりも上方の部位(第5領域部a5に属する部位である。)からは、バネ係止部711gが突出している(図23を参照)。
支持本体部715は、図13、図15〜図18に示すように、長尺状の金属板の上端部側と、上下方向に沿った中間部と、に屈曲部を設けた構成を備えており、前方から見た経路線が、取付代部711の左側縁部の経路線に沿った形状とされている。つまり、支持本体部715を、その左側方から観察すると、上下方向に沿った中間部から上端側に至る部位が、凹部715c(凹部711bに対応する凹部715c)として認識され、支持本体部715を、その右側方から観察すると、上下方向に沿った中間部から上端側に至る部位が、凸部(凹部715cと凹凸が反転した凸部)として認識される。
この支持本体部715も、取付代部711と同様に、凹部715c(凸部715d、凹部711bであっても同様)よりも上方の部位(以下、「第1領域部」という。)b1と下方の部位(以下、「第5領域部」という。)b5と、を上下に向かう略直線状としている。また、凹部715c(凸部715d)は、上方に配置されて右下り傾斜の直線状の部位(以下、「第2領域部」という。)b2と、下方に配置されて左下り傾斜の直線状の部位(以下、「第4領域部」という。)b4と、第2領域部b2及び第4領域部b4の間に位置し、上下に向かう略直線状とされた部位(以下、「第3領域部」という。)b3と、を備えている。尚、「第1領域部b1及び第1領域部a1」、「第2領域部b2及び第2領域部a2」「第3領域部b3及び第3領域部a3」、「第4領域部b4及び第2領域部a4」、「第5領域部b5及び第5領域部a5」は、各々、前後に位置合わせ可能とされている。
図11に示すように、第1領域部b1の上端側の後端面と、第5領域部b5の下端側の後端面とからは、把持部715e、715eが後方に向かって突出している。これらのうちで、上方に配置される把持部715eは、「第1の可動鉤部材720」を回動可能に支持しつつ、この「第1の可動鉤部材720」と協働して、上方に配置される「中枠施錠用被係合部L3」を把持する。また、下方に配置される把持部715eは、「第2の可動鉤部材721」を回動可能に支持しつつ、この「第2の可動鉤部材721」と協働して、下方に配置される「中枠施錠用被係合部L3」を把持する。
両把持部715eは、側方から観察すると、略コの字形型の略板状体として認識されるものであり、左右両側面を貫通し、後端部で開口する切り欠き部715fを備えている。この把持部715eにおいて切り欠き部715fの後端部側に対応する部位(以下、入口部」という。)715gは、切り欠き部715fの空間幅(上下方向に沿った空間幅)を、より後方に向かうに従って広くしたテーパ状としている。また、把持部715eにおいて切り欠き部715fの前後方向中間部に対応する部位(以下、「把持本体部」という。)715hは、空間幅(上下方向に沿った空間幅)を、「中枠施錠用被係合部L3」の上下幅と等しくしている。更に、把持部715eにおいて切り欠き部715fの前端部側に対応する部位(以下、「奥端部」)715iは、空間幅(上下方向に沿った空間幅)を、把持本体部715hの空間幅よりも段差状に小さくしている。
奥端部715iの右側面部のうちで、切り欠き部715fの下縁部に相当する部位からは、規制片715kが突出している。この規制片715kは、平面形状が略矩形で、把持部715eの右側方に突出する小片によって構成されている{図29(b)を参照}。
図11、図15及び図16に示すように、支持本体部715の「第5領域部」b5の上下方向中間部に位置する部位であって、取付孔711fの後方に位置する部位には、第1の操作孔715mと、第2の操作孔715nとが設けられている。これらの操作孔715m、715nは、何れも、支持本体部715の左右の側面部を貫通する状態に設けられると共に、上下に長い矩形の開口形状を備える。そして、これらの操作孔715m、715nは、以下のような位置関係にある。
つまり、上下方向に沿った位置は、第1の操作孔715mの方が第2の操作孔715nよりも高くされ、前後方向に沿った位置は、第1の操作孔715mの方が第2の操作孔715nよりも前方とされている。そして、第1の操作孔715mの上下方向に沿った中心部と、第2の操作孔715nの上下方向に沿った中心部と、の間に、取付孔711fの中心部が位置している。
第1の可動鉤部材720及び第2の可動鉤部材721は、「中枠施錠部」の具体例を構成する部材であると共に、「中枠施錠用係合部」の具体例を構成する略鉤形状(フック形状)の部位を備える。また、前後方向中間部に位置する回動支点部722を、対応する把持部715eに支持されて回動可能とされている。つまり、図29〜図31に示すように、各把持部715eの右側面部であって、切り欠き部715fの前方に位置する部位には、支持ピン723が右側方に突出し、各把持部715eに対しては回転不可能な状態(固定状態)」で装着されている。そして、第1の可動鉤部材720の回動支点部722は、上方の把持部715eの支持ピン723を用いて回動可能に支持され、第2の可動鉤部材721の回動支点部722は、下方の把持部715eの支持ピン723を用いて回動可能に支持されている。
両可動鉤部材720、721の回動支点部722よりも後方には、係合本体部725と、導入部726とが、この順に設けられている。このうち、両可動鉤部材720、721のより後方に位置する導入部726では、その上端面が後端部(可動鉤部材720、721の後端部)に向かうに従って下り傾斜となる「下り傾斜面」としている。また、回動支点部722及び導入部726の中間に位置する係合本体部725は、回動支点部722及び導入部726に比べて凹んだ、係合用凹部725aを用いて構成されている。
両可動鉤部材720、721の前端部側には、右側方に突出する状態の操作ピン727が装着されている。更に、両可動鉤部材720、721の上端面のうちで、回動支点部722と、操作ピン727との間の部位には、バネ係止部728が設けられている。このバネ係止部728は、左右に貫通する係止孔を備える板状片によって構成されている。
各可動鉤部材720、721が、対応する把持部715eに装着されると、この可動鉤部材720は回動支点部722を中心として回動可能とされる。ところが、可動鉤部材720、721を、「右側方から見て時計回転方向」に回転させた(図22及び図23を参照)後に、可動鉤部材720、721を、「右側方から見て反時計回転方向」に戻す場合、係合用凹部725aの上端面(以下、「下部挟持面」という。)725bと、「上方の把持部715eにおいて、切り欠き部715fの上縁部に接する端面(以下、「上部挟持面」という。)715s」とが略平行な状態(以下、「施錠実行状態」という。)となると、下部挟持面725bが、規制片715kの下面に当接する。このため、可動鉤部材720は、それ以上、回転すること(右側方から見て反時計回転方向への回転量を更に増加すること)ができなくなる。尚、この係合用凹部725aによって、「中枠施錠用係合部」の具体例を構成する。
施錠実行状態にある「各可動鉤部材720、721」を、図29及び図30に示すように、「右側方から見て時計回転方向」に回転させると、下部挟持面725bが、この方向に回転するため、下部挟持面725bの後端側の部位と、上部挟持面715sの後端側の部位との間隔が拡大した状態(以下、「解錠状態」という。)となる。但し、第1の可動鉤部材720のバネ係止部728と、後述する「ガラス扉枠施錠部材750」のバネ係止部758との間には、第2のコイルバネB2が装着され、第1の可動鉤部材720には、第1の可動鉤部材720を「施錠実行状態」に戻すような付勢力が負荷されている。また、第2の可動鉤部材721のバネ係止部728と、後述する「受皿扉部材施錠部材780のバネ係止部782cが設けられ、このバネ係止部782cと、その上方に位置する「第2の可動鉤部」との間にも、第3のコイルバネB3が装着され、第2の可動鉤部材721には、第2の可動鉤部材720を「施錠実行状態」に戻すような付勢力が負荷されている。尚、図11、図21及び図32においては、対応するコイルバネB2、B3の図示を省略している。
ガラス扉枠施錠部材750は、「ガラス枠施錠部」を構成する部材であり、図13に示すように、支持本体部715の右側面部715Rに対して摺動可能な状態で、支持本体部715に装着されている。尚、支持本体部715の右側面部715Rは、支持本体部715の表面部の具体例を構成している。
このガラス扉枠施錠部材750は、図11〜図13に示すように、長尺状の金属板(つまり、略帯板状の金属板)を用いて構成される可動片部751と、可動片部751の前端面における上端側部位及び下端側部位から、前方に向かって突出する「第1の係合用フック部756」と、を備える。尚、可動片部751は、図15に示すように、その左側面部(可動片部の裏面部の具体例を構成)751Lの一部を、支持本体部715の右側面部(表面部の具体例を構成)715Rとの摺動部としている。また、「第1の係合用フック部756」は、前述の「ガラス扉枠施錠用係合部K1」の具体例を構成する部分である。
可動片部751は、図13、図15〜図17に示すように、「支持本体部715の右側のうちで、第1領域部b1〜第4領域部b4と、第5領域部b5の上端部側の部位」の右側方において、支持本体部715の右側面部(表面部)715Rに対して摺動可能な状態に配置されるものである。この可動片部751も、支持本体部715と同様な形状を備えている。つまり、この可動片部751も、長尺状の金属板の上端部側と、上下方向に沿った中間部と、に屈曲部を設けた構成を備えており、前方から見た経路線が、取付代部711の左側縁部の経路線に沿った形状とされている。つまり、可動片部751も、その左側方から観察すると、上下方向に沿った中間部から上端側に至る部位が、凹部751cとして認識され、可動片部751を、その右側方から観察すると、上下方向に沿った中間部から上端側に至る部位が、凸部として認識される。
この可動片部751も、凹部751cよりも上方の部位(以下、「第1領域部」という。)c1と下方の部位(以下、「第5領域部」という。)c5と、を上下に向かう略直線状としている。また、凹部751cは、上方に配置されて右下り傾斜の直線状の部位(以下、「第2領域部」という。)c2と、下方に配置されて左下り傾斜の直線状の部位(以下、「第4領域部」という。)c4と、第2領域部c2及び第4領域部c4の間に位置し、上下に向かう略直線状とされた部位(以下、「第3領域部」という。)c3と、を備えている。但し、凹部751cの横幅(上下方向に沿った幅)は、凹部715cの横幅(上下方向に沿った幅)よりも大きくされている。
図17等に示すように、可動片部751において、その第2領域部c2の下半部から、第3領域部c3の上端部に至る部位には、伝達孔752が設けられている。この伝達孔752は、可動片部751の右側面部(表面部)751Rと、左側面部(裏面部)751Lとを貫通する貫通する状態に設けられると共に、上下の長尺状とされている。そして、可動片部751において、伝達孔752の下縁部を構成する部位(伝達孔752の下縁部を形作る部位)が、「被押圧部752b」の具体例を構成する。
また、図17等に示すように、第1領域部c1及び第5領域部c5には、略長円状の支持孔753a、753bが設けられている。これらの支持孔753a、753bは、可動片部751を肉厚方向(左右方向)に貫通する状態に形成されると共に、長手方向を上下方向に向けている。そして、可動片部751は、これらの支持孔753a、753bと、支持ピンP、Pとを用いて、支持本体部715の右側面部715Rに対して摺動可能な状態に装着されている。
つまり、両支持ピンP、Pは、支持孔753a、753bに対して遊入可能な軸部P1と、軸部P1の一端部に装着され、支持孔753a、753bの短手幅よりも、大きな直径を備えるフランジ部P2とを備える。そして、一方の支持ピンPの軸部P1を、その他端部の側から上方の支持孔753aに挿通し、この他端部を、「支持本体部715の第1領域部b1における下端側の部位」に、「カシメ」を用いて固定する。また、他方の支持ピンPの軸部P1を、その他端部の側から下方の支持孔753aに挿通し、この他端部を、「支持本体部715の第5領域部b5における上側の部位」に、「カシメ」を用いて固定する。
これにより、可動片部751は、支持本体部715の右側面部に対して摺動可能とされているが、各支持孔753a、753bの内壁面の上端部が、対応する支持ピンP、Pの軸部P1に当接すると、可動片部751の動作位置は上限位置となり、各支持孔753a、753bの内壁面の下端部が、対応する支持ピンP、Pの軸部P1に当接すると、可動片部751の動作位置は下限位置となる。つまり、この可動片部751は、この上限位置と、下限位置との間を上下に摺動可能とされている。
この可動片部751においては、「第1領域部b1及び第1領域部c1」、「第5領域部b5及び第5領域部c5」は、各々、左右に位置合わせ可能とされている。但し、可動片部751の動作位置が上限位置にあるときには、第2領域部c2は、第1領域部b1の右側方に位置し、第4領域部c4は、第4領域部b4の右側方に位置する。一方、可動片部751の動作位置が下限位置にあるときには、第2領域部c2は、第2領域部b2の右側方に位置し、第4領域部c4は、第3領域部b3の右側方に位置する。
尚、図31(b)に示すように、可動片部751の後端面うちで上端側の部位には、前述のバネ係止部759が設けられ、このバネ係止部759と、その上方に位置する「第1の可動鉤部材720のバネ係止部728」との間には、第2のコイルバネB2が装着され、可動片部751には、上方に向かう付勢力が負荷されている。このため、通常において(可動片部751に外力が負荷されない場合において)、可動片部751の動作位置が上限位置とされ、可動片部751を第2のコイルバネB2の付勢力に対抗して下方に引き下げると、可動片部751の動作位置が下限位置の方向に向かって変化するものとされている。
第1の係合用フック部756は、前述のように、「ガラス扉枠施錠用係合部」の具体例を構成するものであり、図33に示すように、可動片部751と一体で上下動する。この第1の係合用フック部756も、係合本体部756aと、導入部756bとを、前方から後方に、この順で備えている。このうち、より後方に位置する導入部756bでは、その上端面が後端部(第1の係合用フック部756の後端部)に向かうに従って下り傾斜となる「下り傾斜面」としている。また、導入部756bよりも前方に位置する係合本体部756aは、導入部756bに比べて凹んだ、係合用凹部756cを用いて構成されている。
図11及び図12に示すように、上方の第1の係合用フック部756は、第1の貫通孔711cに遊入状態で挿通されて取付代部711の前方に突出し、下方の第1の係合用フック部756は、第2の貫通孔711dに遊入状態で挿通されて取付代部711の前方に突出している。また、上方の「第1の係合用フック部756」の上下方向に沿った幅は、第1の貫通孔711cの上下方向に沿った幅よりも小さくされ、下方の「第1の係合用フック部756」の上下方向に沿った幅は、第2の貫通孔711dの上下方向に沿った幅よりも小さくされている。このため、可動片部751が上限位置のから下限位置に移動すると、両第1の係合用フック部756も、その下限位置に移動し、可動片部751が下限位置から上限位置に移動すると、両第1の係合用フック部756も、その上限位置に移動するものとされている。
錠操作伝達部材760Aは、図13に示すように、「錠操作伝達部」の具体例を構成する部材であり、略帯板状の金属板を用いて構成されている、また、この錠操作伝達部材760Aは、第1の伝達部材760と、第2の伝達部材770と、を上下に連結して構成されている。この錠操作伝達部材760Aは、左側面部(裏面部)760Lの一部を、可動片部751の右側面部(表面部)751Rとの摺動部として、支持本体部715の右方向に配置されている。つまり、錠操作伝達部材760は、可動片部751を間に挟んだ状態で、支持本体部715に右側方で、支持本体部715によって支持されている。
第1の伝達部材760は、錠操作伝達部材760Aの上半側を構成する部分であり、長尺状の金属板を用いて構成されている。この第1の伝達部材760は、ガラス扉枠施錠部材750の右側のうちで、第1領域部c1〜第4領域部c4と、第5領域部c5の上端部寄りの部位(上端部寄りの僅かな部位)」の右側方に配置されるものである。
この第1の伝達部材760も、ガラス扉枠施錠部材750と同様な形状を備えている。つまり、この第1の伝達部材760も、図13、図15〜図17に示すように、長尺状の金属板の上端部側と、上下方向に沿った中間部と、に屈曲部を設けた構成を備えており、前方から見た経路線が、取付代部711の左側縁部の経路線に沿った形状とされている。つまり、第1の伝達部材760も、その左側方から観察すると、上下方向に沿った中間部から上端側に至る部位が、凹部761cとして認識され、第1の伝達部材760を、その右側方から観察すると、上下方向に沿った中間部から上端側に至る部位が、凸部761dとして認識される。但し、凹部761cの横幅(上下方向に沿った幅)は、凹部751cの横幅(上下方向に沿った幅)よりも大きくされている。
この「第1の伝達部材760」も、凹部761cよりも上方の部位(以下、「第1領域部」という。)d1と下方の部位(以下、「第5領域部」という。)d5と、を上下に向かう略直線状としている。また、凹部761cは、上方に配置されて右下り傾斜の直線状の部位(以下、「第2領域部」という。)d2と、下方に配置されて左下り傾斜の直線状の部位(以下、「第4領域部」という。)d4と、第2領域部d2及び第4領域部d4の間に位置し、上下に向かう略直線状とされた部位(以下、「第3領域部」という。)d3と、を備えている。
この第2領域部d2は、図18及び図19に示すように、「防護部」の具体例を構成している。つまり、この第2領域部d2は、支持本体部715(支持本体部715の右側面部715R)から離間する方向に向かって下り傾斜状となる傾斜部とされ、この傾斜部によって防護部が構成されている。
図11及び図17に示すように、第1の伝達部材760の上端部寄り(第1領域部d1の上端部寄り)には、略矩形状の切り欠き部762が設けられている。この切り欠き部762は、第1の伝達部材760の左右両側面と、前端面とで開口するものであり、上下方向に沿った幅が、「第1の可動鉤部材720に装着された操作ピン727の軸部」の直径の4〜6倍の大きさとされている。そして、第1の伝達部材760において、切り欠き部762の下縁部を構成する部位(以下、「上部操作部位」という。)762bは、第1の可動鉤部材720(操作ピン727)に当接し、第1の伝達部材760に負荷された操作力を、第1の可動鉤部材720(操作ピン727)に伝達する部位である。この「上部操作部位762bは、後述する「下部操作部位773b」と共に、請求項2の発明の「錠操作伝達部の中枠解錠用押圧部」の具体例を構成する。また、第1の可動鉤部材720の操作ピン727と、第2の可動鉤部材721の操作ピン727は、請求項2の発明の「中枠施錠部の被押圧部」の具体例を構成する。
図17に示すように、第1領域部d1において、切り欠き部762の下方の位置には、略長円状の支持孔763aが設けられている。この支持孔763aは、第1の伝達部材760を肉厚方向(左右方向)に貫通する状態に形成されると共に、長手方向を上下方向に向けている。この支持孔763aの長手方向に沿った幅(上下方向幅)は、ガラス扉枠施錠部材750の上端側に設けられた支持孔753aの長手方向に沿った幅(上下方向幅)よりも大きく(例えば、約2倍)とされている。
図18に示すように、第3領域部d3の上端部側には、押圧用突起部765が設けられている。この押圧用突起部765は、第1の伝達部材760の左側面部(裏面部)760Lから、「支持本体部715(支持本体部715の右側面部715R)」の方向に向かって突出している。そして、この押圧用突起部765の全体が、第2領域部d2の裏面部(第1の伝達部材760の左側面部760Lの一部によって構成される。)duの下方に配置されている。つまり、本実施例においては、施錠装置700の上方から、押圧用突起部765を目視しようとしても、第2領域部d2(防護部)に遮られ、押圧用突起部765を目視することはできないようにされている。
このため、図18に示すように、本施錠装置700の上方から、押圧用突起部765に対して、不正部材Fの先端部F1を侵入・到達させようとしても、この「不正部材Fの先端部F1」の侵入経路が、第2領域部d2(防護部)によって遮られる。よって、本実施例によると、第2領域部d2(防護部)等を用いて、「この不正部材Fの先端部F1を用いた不正行為」の防止を図ることができる。
この押圧用突起部765は、図18に示すように、伝達孔752に挿通されているが、伝達孔752の上下方向に沿った幅は、押圧用突起部765の上下方向に沿った幅よりも大きく(例えば、6〜10倍)されている。この押圧用突起部765は、通常時(錠部材800に操作が加えられていないとき)において、「被押圧部752b」に対して、その上方から当接する状態とされる。そして、図19に示すように、第1の伝達部材760が、下方に動作すると(錠操作伝達部材760Aが、下方に動作すると)、押圧用突起部765が「被押圧部752b」を下方に押圧する。また、図18に示すように、第1の伝達部材760が、上方に動作すると(錠操作伝達部材760Aが、上方に動作すると)、押圧用突起部765が、伝達孔752内を上方に移動する。
図17に示すように、第3領域部d3の下端部(第1の伝達部材760の下端部)からは、連結用突起766が、右側方に向かって突出している。
この「第1の伝達部材760」は、可動片部751の右側方において、以下のように配置されている。つまり、第2領域部d2の裏面部(防護部の下面部)を、可動片部751の表面部に当接させ、切り欠き部762に操作ピン727の軸部を挿通させている。このとき、上部操作部位762bを、操作ピン727の軸部に対して、その下方から当接させている。そして、操作ピン727の上方には、空間部(切り欠き部762において、操作ピン727の上方に位置する部位によって構成される空間部)が形成され、操作ピン727は、この空間内を上方に向かって移動可能とされている。
また、支持孔763aを、支持孔753aに対して左右方向に位置合わせし、前述の「支持ピン723」の軸部を、前述の支持孔753aと共に支持孔763aにも挿入している。このため、第1の伝達部材760は、支持ピン723に支持されつつ、ガラス扉枠施錠部材750の右側面部を摺動可能とされている。また、支持孔763aの上下方向に沿った中間部が、支持孔753aの下端部と位置合わせされている。
更に、押圧用突起部765を伝達孔752に挿通している。この際、押圧用突起部765が、「被押圧部752b」に当接している。そして、第1の伝達部材760を上方に引き上げると、上部操作部位762bが操作ピン727を押し上げるため、第1の可動鉤部材720は、回動支点部772を中心に回転して(右側方から見て、時計回りに回転して)、解錠状態となる。一方、第1の伝達部材760を押し下げると、第3領域部d3が、ガラス扉枠施錠部材750の第3領域部c3を下方に押し下げるため、ガラス扉枠施錠部材750も下方に移動する。
但し、ガラス扉枠施錠部材750を下方に押し下げても、第1の伝達部材760は、下方には移動しない。蓋し、伝達孔752が、押圧用突起部765の上方の位置に空き空間部を設けている。よって、ガラス扉枠施錠部材750を単独で下方に押し下げても、押圧用突起部765は、この空き空間内を下方に移動するため、伝達孔752から第1の伝達部材760に操作力が伝達されないからである。
また、第1の伝達部材760を上方に引き上げても、ガラス扉枠施錠部材750は上方に移動しない。蓋し、伝達孔752が、押圧用突起部765の上方の位置に空き空間部を設けると共に、支持孔763aが支持ピン723の下方の位置に空き空間部を設けている。そして、第1の伝達部材760を単独で上方に引き上げると、ガラス扉枠施錠部材750は、「伝達孔752における押圧用突起部765の上方の位置の空き空間部」と、「支持孔763aにおける支持ピン723の下方の位置を空き空間部」と、を狭くするように上昇するだけである。つまり、第1の伝達部材760から、伝達孔752、ひいては、ガラス扉枠施錠部材750への操作力の負荷はなされないからである。
尚、第1の伝達部材760には、通常時(操作力が負荷されないときに)おいて、「第2のコイルバネB2の付勢力」が、ガラス扉枠施錠部材750の伝達孔752を介して伝達される{図31(b)を参照}。つまり、第2のコイルバネB2の「ガラス扉枠施錠部材750を引き上げる付勢力」は、伝達孔752、押圧用突起部765に伝達され、第1の伝達部材760を、上方に引き上げる。
第2の伝達部材770は、錠操作伝達部材760Aの下半側を構成する部分である。そして、図13に示すように、ガラス扉枠施錠部材750の右側面部(表面部)750R、及び、支持本体部715の右側面部(表面部)715Rに対して摺動可能な状態で、支持本体部715の第5領域部b5の右方向に配置されている。この第2の伝達部材770も、長尺状の金属板を用いて構成されている。
この第2の伝達部材770は、図15〜図18に示すように、右側方から観察すると、上下方向に沿った中間部(以下、「第3の部位」という。)w3を、最も、左側方に凹む略平板状に構成されている。そして、この第3の部位w3の上方には、第3の部位w3に対して、ガラス扉枠施錠部材750の肉厚に相当する分だけ、右側方に隆起する略平板状の「第2の部位」w2が設けられている。更に、この第2の部位w2の上方には、第2の部位w2に対して、第1の伝達部材760の肉厚に相当する分だけ、右側方に隆起する略平板状の「第1の部位」w1が設けられている。更に、第3の部位w3の下方には、第3の部位w3に対して、ガラス扉枠施錠部材750の肉厚に相当する分だけ、右側方に隆起する略平板状の「第4の部位」w4が設けられている。
図15等に示すように、第1の部位w1の上端部側には、前述の連結用突起766を挿入な連結用切り欠き部771が形成されている。この連結用切り欠き部771は、第1の部位w1の左右両側面部と、前端面部で開口する、横長の略矩形状に構成されている。また、図17に示すように、第2の部位w2には、支持孔772が上下に長円状に設けられている。この支持孔772は、第2の部位w2を肉厚方向(左右方向)に貫通する状態に形成されると共に、長手方向を上下方向に向けている。そして、この支持孔772の長手方向に沿った幅(上下方向幅)は、ガラス扉枠施錠部材750の下端側に設けられた支持孔753bの長手方向に沿った幅(上下方向幅)よりも大きく(例えば、約2倍)とされている。
図20及び図21に示すように、第4の部位w4(第2の伝達部材770)の下端部寄りには、略矩形状の切り欠き部773が設けられている。この切り欠き部773は、第4の部位w4(第2の伝達部材770)の可動体760の左右両側面と、前端面とで開口するものであり、上下方向に沿った幅が、「第2の可動鉤部材721に装着された操作ピン727の軸部」の直径の4〜6倍の大きさとされている。そして、第2の伝達部材770において、切り欠き部773の下縁部を構成する部位(以下、「下部操作部位」という。)773bは、第2の可動鉤部材721(操作ピン727)に当接し、第2の伝達部材770に負荷された操作力を、第2の可動鉤部材721(操作ピン727)に伝達する部位である。
図11及び図21に示すように、第3の部位w3の上端部側には、挿通用切り欠き部775が設けられ、第3の部位w3の下端部側には挿通孔776が設けられている。このうち、挿通用切り欠き部775は、その内部空間によって「挿通用空間部775a」の具体例を構成する。この挿通用切り欠き部775は、上下に長い矩形の開口形状を備えつつ、第3の部位w3の前端面に近接した位置に設けられている。また、「第3の部位w3」の左右の側面部を貫通すると共に、第3の部位w3の前端面で開口している。
図21及び図25(a)に示すように、第3の部位w3(第2の伝達部材770)において、この挿通用切り欠き部775の下縁部(挿通用空間部775aの下縁部)を構成する面部分によって、第1の受圧部J1を構成する。この第1の受圧部J1は、参考発明2の「受圧部」の具体例を構成するものである。
また、図21及び図25(a)に示すように、第3の部位w3において、挿通用切り欠き部775の上縁部(挿通用空間部775aの上縁部)を構成する面部分により、規制部775kの具体例を構成する。このため、第3の部位w3(第2の伝達部材770)においては、規制部775kと受圧部J1とを、挿通用空間部775aを挟んで、上下に対向する状態に備えている。尚、挿通用切り欠き部775の上下方向に沿った幅は、「支持本体部715の第1の操作孔715m」の上下方向に沿った幅の約半分とされている。
挿通孔776は、図21に示すように、上下に長い矩形の開口形状を備えつつ、第3の部位w3の「前後方向中間部」において、「第3の部位w3」の左右の側面部を貫通する状態に設けられている。そして、第3の部位w3(第2の伝達部材770)において、この挿通孔776の上縁部を構成する部位によって、「第3の受圧部J3」を構成する。尚、挿通孔776の上下方向に沿った幅は、「支持本体部715の第2の操作孔715n」の上下方向に沿った幅の約半分とされている。
この第2の伝達部材770は、支持体710に対して、以下のように組み込まれている。つまり、「第1の部位w1」の左側面部の上半部を、第1の伝達部材760の「第5の領域部d5」の右側面部に摺動可能に当接させ、「第2の部位w2」の左側面部の上半部を、ガラス扉枠施錠部材750の「第5の領域部c5」の右側面部に摺動可能に当接させる。しかも、「第3の部位w3」の左側面部の略全域を、支持本体部715の「第5の領域部b5」の右側面部に摺動可能に当接させ、「第3の部位w3」の左側面部の略全域を、支持本体部715の「第5の領域部b5」の右側面部から、「ガラス扉枠施錠部材750の肉厚(左右幅)」に相当する距離だけ、離間させる。
このとき、連結用切り欠き部771に連結用突起766の基端部側が挿入される。そして、連結用突起766の突端部が、「第1の部位w1」の右側面部より右側方に突出するが、この連結用突起766の突出方向に沿った中間部が屈曲部とされ、連結用突起766の突端部が、下方を指向する状態とされる。つまり、連結用突起766の突端部において、「第1の部位w1の右側面部から右側方に向かう突出量」が少なくされている。
また、支持孔772の上下方向中間部と、「ガラス扉枠施錠部材750」の下方の支持孔753bの下端部とが位置合わせされる(左右方向に位置合わせされる)と共に、前述の支持ピンPの軸部P1(支持孔753bに挿通される支持ピンPの軸部P1)が、支持孔772にも挿通されるため、第2の伝達部材770は、第1の伝達部材760と一体にて上下動可能とされる。更に、第2の伝達部材770の下端側に設けられた「切り欠き部773」には、第2の可動鉤部材721の操作ピン727が挿通される。
第2の伝達部材770は、通常時(操作力が負荷されないときに)おいて、図15等に示すように、「第1の受圧部J1(挿通用切り欠き部775の下縁部)」と、第1の操作孔715mの上下方向中間部とが、左右に位置合わせされ、「第3の受圧部J3(挿通孔776の上縁部)」とが、左右に位置合わせされる。同時に、支持孔772の上下方向中間部と、「ガラス扉枠施錠部材750」の下方の支持孔753bの下端部とが位置合わせされ、下部操作部位773bが、操作ピン727に対して、その下方から当接する(図21を参照)。
この状態から、図30に示すように、第2の伝達部材770を上方に引き上げ、上下方向に沿った上限位置に移動させると、下部操作部位773bが操作ピン727を押し上げるため、第2の可動鉤部材721は、回動支点部を中心に回転して(右側方から見て、時計回りに回転して)、解錠状態となる。このとき、第1の伝達部材760も、上方に引き上げられるため、第1の可動鉤部材720も、解錠状態となる。一方、第2の伝達部材770を押し下げ、下限位置に移動すると、第1の伝達部材760及び、ガラス扉枠施錠部材750も下方に移動する。
受皿扉部材施錠部材780は、図13に示すように、支持本体部715の左側面部(裏面部であって、第5の領域部b5の左側面部)715Lに対して摺動可能な状態で、支持本体部715に装着されている。この受皿扉部材施錠部材780は、図22に示すように、受皿扉部材施錠用係合部K2を有する係合機能部781と、この係合機能部781の動作態様(係合動作の可否)を選択するための動作選択部785と、を備えている。
係合機能部781は第5の領域部b5に対し、摺動状態にて上下動可能とされている。この係合機能部781は、縦長の金属板を用いて構成されるベース部782と、ベース部782の前端面における中間側の2カ所から、各々、前方に向かって突出する「第2の係合用フック部783」と、を備える。尚、「第2の係合用フック部783」は、受皿扉部材施錠用係合部K2の具体例を構成する。また、上下2つの受皿扉部材施錠用係合部K2のうちで、上方に位置するものには、下方に突出する「返し部K21」が設けられている(図22を参照)。
ベース部782は、「その上端面を含む上端側の部位」が、第5の領域部b5の左側面部から離間する方向に隆起する隆起部782aとされている。この隆起部782aの右側面部と、支持本体部715の左側面部との間には、動作選択部785の肉厚(左右方向幅)よりも僅かに大きな隙間が形成される。また、ベース部782において、隆起部782aよりも下方の2カ所には、縦長の支持孔782b、782bが設けられている。これらの支持孔782b、782bは、ベース部782の左右両側面部を貫通しつつ、長手方向を上下に向けた略円状に構成されると共に、鉛直方向に併設されている。そして、ベース部782は、これらの支持孔782b、782bと、対応する支持ピンP、Pとを用いて、「支持本体部715を構成する第5の領域部b5」の左側面部に対して摺動可能な状態に装着されている。
これらの支持ピンP、Pも、前述の「ガラス扉枠施錠部材750を支持するための支持ピンP、P」と同様な構成を備える。つまり、支持孔782b、782bに対して遊入可能な軸部P1と、軸部P1の一端部に装着され、支持孔782b、782bの短手幅よりも、大きな直径を備えるフランジ部P2とを備える。そして、一方の支持ピンPの軸部P1を、その他端部の側から上方の支持孔782bに挿通し、この他端部を、「支持本体部715の第5領域部b5」に、「カシメ」を用いて固定する。また、他方の支持ピンPの軸部P1を、その他端部の側から下方の支持孔782bに挿通し、この他端部を、「支持本体部715の第5領域部b5に」に、「カシメ」を用いて固定する。
これにより、ベース部782は、支持本体部715の左側面部に対して摺動可能とされているが、各支持孔782b、782bの内壁面の下端部が、対応する支持ピンP、Pの軸部P1に当接すると、ベース部782の動作位置は上限位置となる。また、ベース部782の後端面うちで下端側の部位には、前述のバネ係止部782cが設けられ、このバネ係止部782cと、その上方に位置する「第2の可動鉤部材721のバネ係止部728」との間には、第3のコイルバネB3が装着され、ベース部782には、上方に向かう付勢力が負荷されている。このため、通常において(ベース部782に外力が負荷されない場合において)、ベース部782の動作位置が上限位置とされ、ベース部782を第2のコイルバネB2の付勢力に対抗して下方に引き下げると、ベース部782の動作位置が下限位置の方向に向かって変化するものとされている。
第2の係合用フック部783も、図32に示すように、係合本体部783aと、導入部783bとを、前方から後方に、この順で備えている。このうち、より後方に位置する導入部783bでは、その上端面が後端部(第2の係合用フック部783の後端部)に向かうに従って下り傾斜となる「下り傾斜面」としている。また、導入部783bよりも前方に位置する係合本体部783aは、導入部783bに比べて凹んだ、係合用凹部783cを備えている。
両第2の係合用フック部783は、「取付代部711の前面部711a」の前方に突出する状態とされつつ、ベース部782と一体で上下動可能とされている。そして、ベース部782が、支持本体部715の左側面部に対して摺動しつつ、その上限位置から下降すると、両第2の係合用フック部783は、「取付代部711の前面部711a」の前方において、その上限位置から下降するものとされている。
動作選択部785は、図22に示すように、縦長の金属板を用いて構成されると共に、略矩形板状に構成される本体部786と、この本体部786の上端面と一体となりつつ、前方に突出する姿勢変更用突出部787とを備えている。尚、「本体部786とベース部782とからなる略帯板状の部分」によって、請求項3の発明の「受皿扉部材用可動片部」の具体例を構成する。
動作選択部785の下端部は、隆起部782aの右側面部の左側に配置される(図20等を参照)と共に、「隆起部782aに装着された支持ピンQ」を用いて、隆起部782aに支持されている。この支持ピンQは、隆起部782aに対しては回転不能な状態で装着されている。そして、動作選択部785は、この支持ピンQに支持されつつ、この支持ピンQを支点に後方に向かって傾動可能とされている。つまり、支持ピンQは、動作選択部785の「傾動支点部」を構成している。そして、動作選択部785の姿勢は、「基本姿勢(本体部786の軸心を上下方向に向ける姿勢であって、図39を参照)」と、「この基本姿勢に比べて動作選択部785を後方に傾動させた傾動姿勢(図36を参照)」と、の間で、姿勢変更可能とされている。
但し、図22に示すように、動作選択部785において、上下方向に沿った中間位置には、略L字状の案内孔785mが設けられている。この案内孔785mは、動作選択部785を肉厚方向に貫通する状態に設けられている。この案内孔785mは、上下方向に設けられた「上下動範囲案内部785n」と、前後に設けられた「傾動範囲案内部785p」とを備えている。そして、上下動範囲案内部785nの下端部と、傾動範囲案内部785pの後端部とが合流し、上下動範囲案内部785n及び傾動範囲案内部785pによって、略L字状の案内孔785mを構成している。また、案内孔785mには、案内ピン785rの軸部が遊入されると共に、この軸部の先端部(図示を省略)が、支持本体部715に対して固定(カシメ固定等)されている。また、案内ピン785rの頭部(案内孔785mの短手幅よりも大きな直径を備える頭部)は、動作選択部785の右側面部の右側方に露呈している。
この動作選択部785の姿勢が基本姿勢であり、しかも、ベース部782の動作位置が上限位置にあるとき(動作選択部785の動作位置も、上限位置にある。)に(以下、「基本状態」という。)、案内ピン785rの軸部は、上下動範囲案内部785nの下端部と、傾動範囲案内部785pの後端部とが合流する部位に位置する(図39を参照)。この基本状態から、ベース部782を下方に動作させると、動作選択部785は、上下動範囲案内部785nに案内されつつ、下方に動作する。このとき、上下動範囲案内部785nにおける軸部の遊入箇所が、上下動範囲案内部785nのより上方の位置に移行する。そして、上下動範囲案内部785nの上端部と、軸部とが当接したところで、この上下動範囲案内部785nの上端部がストッパ−として機能する。つまり、ベース部782及び動作選択部785(つまり、受皿扉部材施錠部材780)の下方への動作量を、更に増加させることが不可能となる。換言すると、上下動範囲案内部785nは、ベース部782及び動作選択部785(つまり、受皿扉部材施錠部材780)の上下動可能な範囲を案内(規制)することになる。
また、この基本状態から、動作選択部785の姿勢を、傾動姿勢に変化させると、動作選択部785は、傾動範囲案内部785pに案内されつつ、後方に傾動する。このとき、傾動範囲案内部785pにおける軸部の遊入箇所が、傾動範囲案内部785pのより前方の位置に移行する(図36を参照)。そして、傾動範囲案内部785pの前端部と、軸部とが当接したところで、この傾動範囲案内部785pの前端部が、ストッパ−として機能する。つまり、動作選択部785の後方への傾動量を、更に増加させることが不可能となる。換言すると、傾動範囲案内部785pは、動作選択部785の傾動可能な範囲を案内(規制)することになる。
図22に示すように、本体部786の上下方向中間部には受圧用切り欠き部786aと、逃がし用切り欠き部786bと、が設けられている。また、本体部786の上下方向中間部から下端部側に至る部位には、逃がし用孔786cが設けられている。
受圧用切り欠き部786aは、上下に長い矩形の開口形状を備えつつ、本体部786の前端面に近接した位置に設けられている。また、受圧用切り欠き部786aは、本体部786の左右の側面部を貫通すると共に、本体部786の前端面で開口している。そして、本体部786において、この受圧用切り欠き部786aの下縁部を構成する部位によって、「第2の受圧部J2」を構成する。尚、挿通用切り欠き部775の上下方向に沿った幅は、「支持本体部715の第1の操作孔715m」の上下方向に沿った幅の約半分とされている。尚、この「第2の受圧部J2」は、請求項3の発明の「被操作部」の具体例を構成する。
逃がし用切り欠き部786bは、受圧用切り欠き部786aの下方側において、受圧用切り欠き部786aと連続する状態に設けられている。この逃がし用切り欠き部786bは、上下に長い開口形状を備えつつ、本体部786の前端面に近接した位置に設けられている。また、逃がし用切り欠き部786bは、本体部786の左右の側面部を貫通すると共に、本体部786の前端面で開口している。尚、逃がし用切り欠き部786bの上下方向に沿った幅は、受圧用切り欠き部786aの上下方向に沿った幅と略等しくされているが、逃がし用切り欠き部786bの前後方向に沿った幅は、受圧用切り欠き部786aの前後方向に沿った幅よりも小さくされている。
逃がし用孔786cは、上下に長い開口形状を備えつつ、本体部786の「前後方向中間部」において、本体部786の左右の側面部を貫通する状態に設けられている。この逃がし用孔786cの開口部のサイズは、「支持本体部715の第2の操作孔715n」の開口部のサイズよりも大きくされている。つまり、逃がし用孔786cは第2の操作孔715nに比べて、上下及び前後方向に沿った幅が大きくされている。尚、逃がし用孔786cの前端縁786gは、後方に向かって下り傾斜となる経路を描いている。
本体部786の後端面からは、左側方に向かって、バネ係止部786eが突出している。そして、図23及び図28に示すように、このバネ係止部786eと、取付代部711のバネ係止部711gとの間には、第1のコイルバネB1が装着され、バネ係止部786eをバネ係止部711gの方向に引き寄せるような付勢力が加えられる。つまり、第1のコイルバネB1は、請求項1の発明の「付勢手段」の具体例を構成するものであり、第1のコイルバネB1は、本体部786(動作選択部785)の姿勢が、基本姿勢となるように本体部786(動作選択部785)を付勢している。尚、図11、図13、及び図21においては、第1のコイルバネB1の図示を省略している。
尚、本体部786(動作選択部785)に、第1のコイルバネB1の付勢力が負荷され、本体部786(動作選択部785)の姿勢が基本姿勢となると、バネ係止部786eが、支持本体部715の後端面715xに対して、その後方から当接する。このため、本体部786(動作選択部785)が、それ以上、前方に傾動し、前傾姿勢となることが防止される。つまり、バネ係止部786eは、本体部786(動作選択部785)の姿勢を基本姿勢に維持するため(前傾姿勢としないための)の「ストッパー」としても機能することになる。」
姿勢変更用突出部787は、図22に示すように、本体部786と一体の金属板で構成されると共に、略円弧状の外形を備えている。また、姿勢変更用突出部787は、下方の「第1の係合部」の右側方に配置されている{図34(a)を参照}。また、姿勢変更用突出部787の突端部787aには、面取りが施されている。そして、本体部786(動作選択部785)の姿勢が基本姿勢となると、姿勢変更用突出部787は、取付代部711の前面部711aよりも前方に突出する。そして、本体部786(動作選択部785)の姿勢が傾動姿勢に変更されると、姿勢変更用突出部787の「取付代部711の前面部711a」からの突出量がわずかなものとされる。
図39に示すように、受皿扉部材施錠部材780に操作力が負荷されていない場合、第2のコイルバネB2の付勢力によって、受皿扉部材施錠部材780の動作位置は上限位置とされる(図20を参照)。このとき、動作選択部785の姿勢が基本姿勢であれば、第2の受圧部J2(受圧用切り欠き部786aの下縁部)は、第1の操作孔715mの上下方向中間位置に配置される。また、第2の受圧部J2と、第1の受圧部J1とが、前後方向に位置合わせされる。
一方、図36に示すように、受皿扉部材施錠部材780に操作力が負荷されておらず、しかも、動作選択部785の姿勢が傾動姿勢である場合においては、第2の受圧部J2(受圧用切り欠き部786aの下縁部)も、後方に傾動し、第1の操作孔715mと前後に位置合わせすることはできなくなる(図37を参照)。換言すると、第2の受圧部J2の位置が退避位置に位置変更され、第2の受圧部J2(受圧用切り欠き部786aの下縁部)と、第1の受圧部J1とを、前後方向に位置合わせすることができなくなる。
また、動作選択部785の姿勢が基本姿勢に戻されると、動作選択部785に操作力が加わり、動作選択部785が下方に押し下げられると、受皿扉部材施錠部材780全体が、第2のコイルバネB2の付勢力に対抗して下方に引き下げられ、受皿扉部材施錠部材780の動作位置が下限位置の方向に向かって変化する(図40を参照)。
錠部材800は、所謂、シリンダ錠であり、図23に示すように、錠本体801と、カム部材802と、を備えている。このうち、錠本体801は、ステー803を用いて取付代部711に装着されている。つまり、錠本体801は、その後端部を取付孔711fを通じて取付代部711の後方に到達させ、中間部及び前端部を、取付代部711の前面部711aの前方に突出させた状態で、取付代部711に装着されている。また、錠本体801の前端部では鉤孔(図示を省略)が露呈し、錠本体801には錠軸801aが配置されいる。そして、鉤孔に鉤805を差し込んで、この鉤805を所定の回転方向に操作すると、錠軸801aが、同一方向に回転するものとされている。
カム部材802は、錠軸801aに一体化され、錠軸801aと一体で回転可能とされている。尚、この錠軸801aの回動軸心は、カム部材802の回動軸心と一致する。このカム部材802は、後方から観察して、略V字状のカム板を用いて構成されている。このカム部材802には、図24に示すように、略扇形状に構成され、錠軸801aの後端部に一体回動可能な状態で固定された中央部802aと、中央部802aから斜め左上方に向かって突出する「第1の突起部802b」と、中央部802aから斜め左下方に向かって突出する「第2の突起部802c」と、を備えている。
但し、第1の突起部802bは、中央部802aから直接、突出し、第2の突起部802cは、中央部802aから後方に突出する中間突出部802dを介して、突出している(図23を参照)。このため、第1の突起部802bは、取付代部711に近接する位置において、取付代部711の裏面部と平行な状態となり、第2の突起部802cは、取付代部711と離間する位置において、取付代部711の裏面部と平行な状態となっている。
第1の突起部802bは、前述の「第1の受圧部J1」及び「第2の受圧部J2」を押圧するための押圧部を構成する部分である。この第1の突起部802bは、その突出方向に沿って、幅(突出方向に直交する方向に沿った幅)を徐々に変化させた板状片によって構成されている。この第1の突起部802bは、底面部802gを平滑面とし、上面部802hを略波形面としている。つまり、この「第1の突起部802b」は、基端側に平面形状が略谷形の部位802kを配置し、突端側に、平面形状が略山形の部位802mを配置した構成を備える。そして、第1の突起部802bのうちで、「平面形状が略山形の部位802m」が、「挿通用空間部775a」に、遊び持った状態(遊入状態)で挿通される。以下、この「平面形状が略山形の部位802m」を、「第1の挿通部870」と称するが、この「第1の挿通部870」は、参考発明2の「挿通部」の具体例を構成する。
また、「第2の突起部802c」は、前述の「第3の受圧部J3」を押圧するための押圧部を構成する部分である。この「第2の突起部802c」は、略舌片状とされつつ、斜め左下方に向かって板状片によって構成されている。この第2の突起部802cは、略三角形の平面形状を備えると共に、上面部802t及び底面部802uを平滑面としている。そして、第2の突起部802cの基端部側を除いた部分802vが、「挿通孔776」に、遊び持った状態(遊入状態)で挿通される。以下、この部分を、「第2の挿通部880」と称する。
施錠装置700に一切の解錠操作が施されていない状態(つまり、ガラス扉枠4、中枠3、受皿扉部材5の何れについても、解錠操作も施されていない状態でり、以下、「無負荷状態」という。)では、図25(a)に示すように、「第1の挿通部870」の突端部側が、「挿通用空間部775a」に挿入される。また図16に示すように、「第2の挿通部880」の突端部側が、挿通孔776に挿入される。このとき、図25(a)に示すように、「第1の突起部802b」の底面部802gは、「第1の突起部802bの突出方向(左方向)」に上がり傾斜状とされつつ、「第1の受圧部J1」の上方に僅かな隙間を挟んで配置される。また、「第2の突起部802c」の上面部802tは、「第2の突起部802cの突出方向(左方向)」に下り傾斜状とされつつ、「第3の受圧部J3」の上方に僅かな隙間を挟んで配置される。
この施錠装置700が「無負荷状態」のとき、図26に示すように、「第1の挿通部870」において、上方に凸となる頂点部870aは、「挿通用空間部775a」に挿入されない。つまり、本実施例では、錠軸801aを、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770)の右側面部(表面部)760Rの右側方において、軸線を前後に向けた状態で配置する。また、施錠装置700が「無負荷状態」のときには、頂点部870aが、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770)の右側面部(表面部)760Rの右側方側において、この右側面部(表面部)760Rと、錠軸801aとの間の箇所に配置される。そして、錠部材800が無負荷状態にあるときに、第1の挿通部870のうちで規制部775kの直下に位置する部位(2点鎖線のハッチング表示H2の部分を参照)870b」が、「基準部870c」であるが、この第1の挿通部870は、この「基準部870c」よりも、右側の位置(錠軸801a側の位置)であって、しかも、「基準部870c」の上端部よりも上方の位置に頂点部870aを配設している。
つまり、第1の挿通部870は、錠部材800が無負荷状態にあるときに、(1)規制部775kの直下に、所定の隙間(クリアランス)を維持した状態で基準部870cを配置している。そして、基準部870cよりも錠軸801a側に位置する箇所に設けられると共に基準部870cよりも、上端部を上方に配置する部分(図26において仮想線Mよりも上方の部分)870dを配置している。この部分870dは、第1の挿通部870において、頂点部870aを含む部分(図26において仮想線Mよりも上方の部分)によって構成されると共に、「不正挿通規制部870d」の具体例を構成する。尚、この「第1の挿通部870」においては、「不正挿通規制部870d」よりも更に「錠軸801a側(カム部材802の回動軸心側)に位置する部分が、上方に開口する谷部(つまり、「逃がし用凹部」)870uとされている。
ここで、図25(a)に示すように、錠部材800が無負荷状態にあり、「第1の挿通部870」の突端部側が、「挿通用空間部775a」に挿入された状態のときに、後述するように、施錠装置700は、ガラス扉枠4を施錠可能な状態となる。つまり、錠部材800を無負荷状態にし、「第1の挿通部870」がその突端部側を「挿通用空間部775a」に挿入させた位置にあるときに、「第1の挿通部870は「施錠位置」に位置することになる。
錠部材800が無負荷状態のとき、錠部材800に鉤805を用いて、「ガラス扉枠4の施錠を解除するための正当な解錠操作」を施し、錠軸801aを左回転させ、カム部材802を左回転させると、図26に示すように、「第1の挿通部870」は、略円弧状の通過経路を描きつつ、施錠位置よりも下方の解錠位置に向かって移行する。つまり、「第1の挿通部870」は、その底面部802gを用いて「第1の受圧部J1」を下方に押圧し、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770)を下方に動作させることができる。この際、規制部775kが、谷部(逃がし用凹部)870uに進入するため、錠部材800への解錠操作(ガラス扉枠施錠部材750を解錠方向に動作させるための操作)は円滑に行われる。
錠部材800が無負荷状態のときに、錠部材800に解錠操作を施すことなく、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770)を下方に動作させようとすると、カム部材802は以下のように動作する。つまり、図27に示すように、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770)を僅かに下降させると(規制部775kと、基準部870cとの隙間に相当する量だけ、下降させると)、規制部775kが基準部870cと当接する。このとき、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770)の右側方であって、しかも、規制部775kよりも上方に不正挿通規制部870dが位置する。このため、カム部材802を左回転が禁止され、「第1の挿通部870」の位置が解錠位置に移行することが禁止される。
(3)施錠装置の使用方法
a.外枠の施錠方法
中枠3が外枠2に対して開放状態にある場合、中枠3を外枠2に対して閉鎖状態にすれば、中枠3が外枠2に施錠される。つまり、中枠3を開放状態から閉鎖状態に変化させる途中に、上方の「中枠施錠用被係合部L3」は、第1の可動鉤部材720の導入部726の上端面を摺動し、下方の「中枠施錠用被係合部L3」は、第2の可動鉤部材721の導入部726の上端面を摺動する。このとき、導入部726の上端面が、各可動鉤部材720、721の後端部に向かうに従って下り傾斜となる「下り傾斜面」となっているため、中枠施錠用被係合部L3が係合本体部725に近接するに従って、各可動鉤部材720、721の開放量が増加する。
つまり、図29に示すように、各可動鉤部材720、721が、回動支点部722を支点に時計回転方向(右側方から観察して)に回転して、係合本体部725の方向に「中枠施錠用被係合部L3」を受け入れる。そして、各中枠施錠用被係合部L3が、導入部726を完全に通過し、対応する係合本体部725に到達すると、各可動鉤部材720、721は、対応するコイルバネB2、B3の付勢力を利用し、回動支点部722を支点に反時計回転方向(右側方から観察して)に回転して、「施錠実行状態」となる。尚、中枠3が外枠2に対して施錠状態とする際には、図29に示すように、各可動鉤部材720、721は単独で回動動作(第2の可動部材760及び第2可動部材770の駆動とは無関係な回動動作、つまり、第2の可動部材760及び第2可動部材770を上昇させないで行う回動動作)を実行する。
b.ガラス扉枠(前面枠)の施錠方法
ガラス扉枠4が中枠3に対して開放状態にある場合、ガラス扉枠4を中枠3に対して閉鎖状態にすれば、ガラス扉枠4が中枠に施錠される。つまり、図33に示すように、ガラス扉枠4を開放状態から閉鎖状態に変化させる途中に、上方の「ガラス扉枠用被係合部L1」は、上方の「第1の係合用フック部756」の導入部756bの上端面に摺動し、下方の「ガラス扉枠用被係合部L1」は、下方の「第1の係合用フック部756」の導入部756bの上端面を摺動する。
このとき、導入部756bの上端面は、各「第1の係合用フック部756」の後端部に向かうに従って下り傾斜となる「下り傾斜面」とれているため、各「ガラス扉枠用被係合部L1」が対応する係合本体部756aに近づくに従って、下方への移動量が多くなる。そして、各「ガラス扉枠用被係合部L1」が対応する係合本体部756aに係合本体部756aに到達したところで、各「第1の係合用フック部756」は上限位置に戻され、ガラス扉枠4が中枠3に対して施錠された状態となる。
c.受皿扉部材の施錠方法
受皿扉部材5が中枠3に対して開放状態にある場合、受皿扉部材5を中枠3に対して閉鎖状態にすれば、受皿扉部材5が中枠に施錠される。つまり、受皿扉部材5を開放状態から閉鎖状態に変化させる途中に、上方の「受皿扉部材施錠用被係合部L2」は、上方の「第2の係合用フック部783」の導入部783b上端面を摺動し、下方の「受皿扉部材施錠用被係合部L2」は、下方の「第2の係合用フック部783」の導入部783b上端面に摺動する。
このとき、導入部783bの上端面は、図32に示すように、各「第2の係合用フック部783」の後端部に向かうに従って下り傾斜となる「下り傾斜面」とされているため、各「受皿扉部材施錠用被係合部L2」が対応する係合本体部783aに近づくに従って、下方への移動量が多くなる(図32の破線を参照)。そして、各「受皿扉部材施錠用被係合部L2」が対応する係合本体部756aに係合本体部756aに到達したところで、各「第1の係合用フック部783a」は上限位置に戻され、受皿扉部材5が中枠3に対して施錠された状態となる。
d.外枠の解錠方法
中枠3が外枠2に対して施錠状態にあるときには、鉤孔に差し込んだ鉤805を、右回転方向に操作し、図28に示すように、錠軸801a及びカム部材802を右回転方向に動作させると(約1/6回転させると)、第2の押圧突起802cが、第3の受圧部J3を上方に押圧するため、第2の伝達部材770及び第1の伝達部材760が上方に移動する。この上方への移動を、例えば、連結用突起766の高さ位置に着目して説明すると、以下のようになる。つまり、動作前に、「A1の高さ位置」にあった連結用突起766(図16を参照)は、動作後に、「A3の高さ位置」に上昇(上昇量D3)する(図35を参照)。
第2の伝達部材770及び第1の伝達部材760が上方への移動により、第1の伝達部材760の「上部操作部位762b」が、「第1の可動鉤部材720に装着された操作ピン727の軸部」を押し上げ、第2の伝達部材770の「下部操作部位773b」が、第2の可動鉤部材721に装着された操作ピン727の軸部」を押し上げる(図30を参照)。このため、中枠3の外枠2に対する施錠が解錠される。
e.ガラス扉枠(前面枠)の解錠方法
図36に示すように、ガラス扉枠4及び受皿扉部材5が中枠3に対して施錠されているときには、姿勢変更用突出部787が、閉鎖状態とされたガラス扉枠4の姿勢変更部材(下方の係合突起45)によって後方押圧される。このため、本体部786(動作選択部785)が傾動姿勢となり、第2の受圧部J2の位置が退避位置とされる。この状態にあるときに、鉤孔に差し込んだ鉤805を、左回転方向に操作し、錠軸801a及びカム部材802を左回転方向に動作させる(約1/6回転させると)。このとき、第2の受圧部J2の位置が退避位置とされるため、第1の押圧突起802bは、第1の受圧部J1を下方に押圧するが、第2の受圧部J2を下方に押圧することができない(図37を参照)。そして、図38に示すように、第1の受圧部J1が下方に押圧されることにより、第2の伝達部材770及び第1の伝達部材760を介して、ガラス扉枠施錠部材750が下方に押圧されるため、ガラス扉枠施錠部材750は、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770及び第1の伝達部材760)と共に下方に移動する。
以上のガラス扉枠施錠部材750、錠操作伝達部材760Aの挙動を、例えば、連結用突起766及び支持ピンQの高さ位置に着目して説明すると、以下のようになる。つまり、動作前に、「A1の高さ位置」にあった連結用突起766(図37を参照)は、動作後に、「A2の高さ位置」に下降(下降量D1)する(図38を参照)。ところが、動作前に、「F1の高さ位」置にあった支持ピンQ(図37を参照)は、動作後も、「F1の高さ位置」に維持される。つまり、受皿扉部材施錠部材780の位置は、上限位置に保たれるため、ガラス扉枠4の中枠3に対する施錠は解除されるが、受皿扉部材5の中枠3に対する施錠は維持される。
f.受皿扉部材の解錠方法
先ず、図39に示すように、ガラス扉枠4の中枠3に対する施錠を解除し、ガラス扉枠4を開放状態(中枠3に対する開放状態)とする。このように、ガラス扉枠4が開放状態とされると、「姿勢変更用突出部787に対する姿勢変更部材(下方の係合突起45)による押圧」が解除されるため、本体部786(動作選択部785)の姿勢は基本動姿勢に戻される。このとき、図33に示すように、第2の受圧部J2が、第1の受圧部J1及び「第1の操作孔715m」に対して、横方向に位置合わせされる。そして、この状態にあるときに、鉤孔に差し込んだ鉤805を、左回転方向に操作し、錠軸801a及びカム部材802を左回転方向に動作させると(約1/6回転させると)、第1の押圧突起802bは、第1の受圧部J1と共に第2の受圧部J2を下方に押圧することができる。
以上のガラス扉枠施錠部材750、錠操作伝達部材760A(第2の伝達部材770及び第1の伝達部材760)の挙動を、例えば、連結用突起766及び支持ピンQの高さ位置に着目して説明すると、以下のようになる。つまり、動作前に、「A1の高さ位置」にあった連結用突起766は、動作後に、「A2の高さ位置」に下降(下降量D1)する(図33を参照)。同時に、動作前に、「F1の高さ位」置にあった支持ピンQは、動作後に「F3の高さ位置」に下降する(下降量D1)。このように、受皿扉部材施錠部材780の位置が下方に移動するため、受皿扉部材5の中枠3に対する施錠が解除される。
(4)実施例の効果
本実施例においては、錠操作伝達部材760Aに対して、支持体本体715の方向に向かって突出する押圧用突起部765を設け、ガラス扉枠施錠部材750に被押圧部752bを設ける。また、鉤805を用いて錠部材800を操作し、カム部材802によって錠操作伝達部材760Aを下方に押圧して錠操作伝達部材760Aを下方に動作させると、被押圧部752bが押圧用突起部765によって下方に押圧される構成を採用する。そして、錠操作伝達部材760Aの「第2領域部d2」を、支持本体部715から離間する方向に向かって下り傾斜となる略傾斜状の防護部とする。そして、押圧用突起部765を、この防護部(第2領域部d2)の裏面部(下面部)の下方側に配置する。
つまり、本実施例においては、押圧用突起部765の鉛直上方を、防護部(第2領域部d2)によって遮られる状態となる。よって、不正行為者が、押圧用突起部765に不正部材Fの先端部F1を到達させようする場合、この先端部F1が防護部(第2領域部d2)の表面部(上面部)に衝突するため、この先端部を押圧用突起部765に到達させることが不可能、若しくは、困難となる。従って、本実施例の施錠装置700は、不正行為の防止を図る上で有効である。
また、本実施例では、錠操作伝達部材760Aにおいて、規制部775k及び第1の受圧部J1を「挿通用空間部775a」を挟んで上下に対向する状態に設ける。また、カム部材802の「第1の挿通部870」において、基準部870cよりも錠軸801a側に位置する箇所に不正挿通規制部870dが設けられる。そして、不正挿通規制部870dの上端部が、基準部870cの上端部よりも上方に配置される。このため、錠操作伝達部材760Aの上端部等を下方に押圧し、錠操作伝達部材760Aが下方に動作しても、不正挿通規制部870dが、挿通用空間部775a内に進入に難い。例えば、錠操作伝達部材760Aの上端部等を下方に押圧し、しかも、カム部材802に解錠方向(ガラス扉枠4を解錠するための方向)への回転が加わっても、不正挿通規制部870dは、錠操作伝達部材760Aの右側面部(表面部)760Rのうちで、「挿通用空間部775a」の上縁部に近接する部位に衝突する可能性が高い。
そして、「挿通用空間部775a」が「不正防止用のストッパー」となり、不正挿通規制部870dの「挿通用空間部775a」内への進入が禁止されるため、カム部材802の解錠方向(ガラス扉枠4を解錠するための方向)への回転量が、それ以上に多くなることが防止される。このため、カム部材802の「第1の挿通部870)によって、第1の受圧部J1を下方に押圧することが禁止されるめ、「錠操作伝達部材760Aの上端部等を下方に押圧する行為(正規の解錠操作とは異なる不正な行為である。)」によっては、「ガラス扉枠4の中枠3に対する施錠状態」を解除することは不可能、若しくは、困難とされる。従って、本実施例の施錠装置700によると、この点からも、不正行為の防止を図る上で、有効である。
更に、本実施例の施錠装置700では、ガラス扉枠(前面枠)4及び受皿扉部材5が中枠3に施錠されると、動作選択部785の姿勢が傾動姿勢に変更され、第2の受圧部J2の位置が退避位置に変更される。このため、錠部材800に対して、「ガラス扉枠(前面枠)4の施錠を解除するための解錠操作」を施すことは可能であるが、「受皿扉部材5の施錠を解除するための解錠操作」を施すことは不可能とされる。つまり、錠軸部801aを左回転方向に回転させ、押圧部材を左回転方向にで動作させると、ガラス扉枠施錠用係合部K1のガラス扉枠用被係合部L1への係合を解除することができるが、受皿扉部材施錠用係合部K2の受皿扉部材施錠用被係合部L2への係合を解除することはできない。
一方、ガラス扉枠(前面枠)4の施錠を解除し、ガラス扉枠(前面枠)4を開放状態とすると、姿勢変更部材(下方の受皿扉部材施錠用係合部K2)が、動作選択部785から離間するため、第1のコイルバネB1の付勢力を用いて、動作選択部785の姿勢が基本姿勢に戻される。このため、錠軸部801aを、再び、左回転方向に回転させ、押圧部材を左回転方向にで動作させると、受皿扉部材施錠用係合部K2の受皿扉部材施錠用被係合部L2への係合を解除することができるようになる。
つまり、ガラス扉枠(前面枠)4及び受皿扉部材5が中枠3に施錠された状態にある場合、錠部材800に所定の操作を施すと、受皿扉部材5の施錠を維持した状態で、ガラス扉枠(前面枠)4の施錠を解除することができる。一方、ガラス扉枠(前面枠)4の施錠を解除し、ガラス扉枠(前面枠)4を開放状態とした後に、錠部材800に同様な操作(ガラス扉枠4の施錠を解除する際の操作と同様な操作)を施すと、受皿扉部材5の施錠を解除することができる。
このように、本実施例の施錠装置700では、「同一の錠部材800に対して施す同様な操作」によって、ガラス扉枠(前面枠)4の施錠の解除と、受皿扉部材5の施錠の解除とを順次、を行うことができる。このため、ガラス扉枠(前面枠)4の解錠操作と、受皿扉部材5の解錠操作とを円滑に実行することができる。また、本実施例の施錠装置700では、遊技機1にとって、機能上必要とされる「ガラス扉枠(前面枠)4に装着される規制部材(下方の係合突起45)」を、「受皿扉部材5の解錠を規制するための部材」として利用する。しかも、単に、「ガラス扉枠(前面枠)4」を開放状態とするだけで、「受皿扉部材5の解錠規制」が解除される。よって、本実施例によると、より簡易な構成と、操作性とを備える施錠装置800が得られる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
つまり、本実施例では、防護部を傾斜部(軸心を傾斜させた板状部分によって構成される傾斜部)を用いて構成する態様を例示したが、図41(a)の変形例1に示すように、防護部を水平部(軸心を水平にした板状部分によって構成される水平部)BW1を用いて構成してもよい。また、防護部を、1個以上の傾斜部と、1個以上の水平部との組み合わせで構成してもよい。
また、本実施例では、「錠操作伝達部の上下方向に沿った所定の部位を、支持本体部から離間する方向に向かって下り傾斜となる略傾斜状として防護部を構成し、押圧用突起部を、この防護部の裏面部の下方側において支持本体部の方向に向かって突出する状態に配置する態様」を例示した。但し、図41(b)の変形例2に示すように、錠操作伝達部760Aの上下方向に沿った所定の部位を、支持本体部715に離間する方向に向かって上がり傾斜となる略傾斜の傾斜部とすると共に、この傾斜部によって防護部BW2を構成してもよい。また、この変形例2に示すように、被押圧用突起部750vを、この防護部Bの裏面部の下方側において支持本体部715から離間する方向に向かって突出する状態に配置してもよい。この場合、この750vを押圧するための押圧部760Pは、錠操作伝達部760Aに設けられる。
また、本実施例の動作選択部785では、回動支点部の上方側部分に対して、受圧部を設け、この上方側部分を後方に傾動する態様」を例示したが、「回動支点部の下方側部分に対して、受圧部を設け、この下方側部分を後方に傾動する態様」であってもよい。
上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部160を、主制御部140の2次側(下流)にある音声・ランプ制御部170を介して、主制御部140の2次側(下流)に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170よりも1次側(上流側)に配置することもできる。
つまり、主制御部140の2次側(下流)に所定の伝送経路500aを用いて図柄制御部160を接続し、図柄制御部160の2次側に所定の伝送経路500bを用いて音声・ランプ制御部170を接続する。そして、音声・ランプ制御部170の2次側(下流)に所定の伝送経路を用いて、液晶柄表示装置27を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置27での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置32での普通図柄の表示制御を図柄表示部160で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置27における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置32における普通図柄の表示制御とを主制御部140で行い、液晶表示装置27における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部160で行うようにしても良い。