JP4621475B2 - センサ一体型マイクロチップ、およびマイクロチップシステム - Google Patents

センサ一体型マイクロチップ、およびマイクロチップシステム Download PDF

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本発明は、ンサ一体型マイクロチップ、およびマイクロチップシステムに関する。
近年、マイクロチップを用いた微小空間での高効率反応に関する研究が進められており、これに基いて、化学分析や環境分析などの多くの応用研究や開発も行われている。
これらマイクロチップを用いた研究では、マイクロチップ内において流体の状態を制御するために、流体圧力等の状態量を計測することが必要とされている。ここで、流体の状態量の計測は、通常、マイクロチップに導入される前段階で、マイクロチップ外部の流体を対象として行われているが、マイクロチップの内部では複雑な圧力損失などに起因して流体の状態が変動しているため、マイクロチップ外部における流体の状態量を計測しただけでは、マイクロチップ内部の流体制御は困難である。
そこで、マイクロチップの内部における流体の状態量を計測するための方法として、図18に示すように、マイクロチップの基板BD上にセンサSNを配設し、このセンサSNの位置からマイクロチップ内の流路FAに向かって基板BDを貫通する孔HLを形成し、この孔HLを介して試料RGの状態量を計測する方法が研究されている。
これ以外に、マイクロチップ自体にセンサを作り込むことによっても、マイクロチップの内部における流体の状態量を計測することができる(特許文献1および非特許文献1参照)。具体的に、特許文献1のマイクロチップは、ガラス基板と、このガラス基板と接合されるPDMS(ポリジメチルシロキサン)チップとを備え、PDMSチップの接合面に光学式の圧力検知部(回路格子)と、この圧力検知部と連通する流路とが一体に配設されている。そして、PDMSチップの流路には、PDMSチップに取り付けられたパイプ材から流体が導入されている。
非特許文献1のマイクロチップは、流路が形成されたPDMSチップと、このPDMSチップと接合されるセンサ配列チップ(pressure sensor array chip)とを備え、センサ配列チップの接合面には、複数の圧力センサが配設されている。ここで、PDMSチップには、中央を横切る一本の流路(流体の反応場)からセンサ配列チップの接合面に沿って複数のバイパスが形成され、各圧力センサは、このバイパスを通じて流体にアクセスしている。
特開2002−174558号公報([0006]、[0010]、[0011]、図2) Hsin-Hsiung Wang,Po-Chiang Yabg and Lung-Jieh Yang "Pressure-Sensor array Using as an Experiment Platform for Microfluidics",International Conference on Electrical Engineering 2004,vol.1(Figure1,2,4〜9)
しかしながら、図18に示したような構成では、センサSNと流路FAとを結ぶ孔HLの内部で、流路FAを構成する溝とセンサSNとの間で巻き上げる乱流が生じやすく、さらに、孔HLの内周面での抵抗によって流体の圧力損失が生じてしまう。すなわち、センサSNを配設することによって、マイクロチップ内部の流体の流れに影響が及ぶことが問題となる。また、この孔HLの部分は、流路内の流体をセンサに導くためだけのデッドボリュームとなってしまう。
一方、特許文献1および非特許文献1における構成では、マイクロチップ自体に流路および流路に臨むセンサの双方を作り込んでいるが、このように流路およびセンサが作り込まれたマイクロチップには汎用性がない。また、流路から流体を接合面に沿って導くバイパス部分で圧力損失が生じるという問題がある。さらに、これらの流路およびセンサの微細な作り込みが極めて難しいという問題もある。
本発明の目的は、内部の流路における流体の流れに影響を及ぼすことなくセンサを配設可能であって、そのうえ製造が容易なセンサ一体型マイクロチップおよびマイクロチップシステムを提供することにある。
本発明のセンサ一体型マイクロチップは、互いに重ねられる複数の基板を備え、これらの基板のうち互いに重ねられる一方の基板の板面と他方の基板の板面から窪んで形成される溝とから流路が構成されたマイクロチップを有し、前記一方の基板には、前記流路における流体の状態を検出するセンサを配設するために、前記溝の開口に向かって貫通し、かつ、平面的に見た際に前記流路の幅方向における前記溝の寸法よりも大きい孔が形成され、前記孔に前記センサが組み込まれ、前記センサの前記流路に面する面が前記一方の基板の板面と面一となることを特徴とする。
この構成によれば、溝を形成した基板と孔を形成した他の基板とを重ね合わせる簡略な構成により、溝の内周面とこの溝と向き合う板面との内側に流体の流路が形成され、基板が互いに重ねられる面に沿った位置でセンサを流体に接触させることが可能なセンサ配設用の孔が形成される。
ここで、孔のサイズが溝の幅寸法よりも大きいので、孔の内部に配設されたセンサの端部が溝の開口側端部に当接して溝の内部側への移動が規制されるため、センサが溝の内部に突出するようなことがない。これにより、マイクロチップ内部における流体の流れに影響を及ぼすことなくセンサを配設可能となる。また、孔の内部に配設されるセンサがセンサから流路へのアクセス用の孔などを介さずに流体に直接的に接触するぶん、流体の圧力損失が低減されるとともに、デッドボリュームが殆ど生じない。
このように、センサ配設に関して流体の流れへの影響がない状態でマイクロチップ内部の流体圧力を計測可能となるので、微小容量の流体の高効率反応に関して、本発明のマイクロチップを分析、合成の分野で利用できる。また、マイクロチップを用いた装置の実用化が図られる。
加えて、マイクロチップの製造とセンサの製造とを別途行えばよいので、微細な流路やセンサの作り込みに関する問題が生じず、製造が容易である。マイクロチップに形成された孔に各種のセンサを挿入して簡単に組み込むことができ、より多くのセンサをマイクロチップの所定範囲に組み込むことも可能となるから、マイクロチップ規格化の動向にも対応することができる。
ここで、基板に孔を形成する方法としては、サンドブラスト、放電加工、超音波加工、ドリル加工、レーザー加工、エッチング、プレス、射出成形などを採用できる。
なお、この孔の位置は、任意に選択可能であって、孔の位置に応じて、流路における任意の箇所が制御可能となる。例えば、流体の導入時および排出時は流体の状態量の変動が大きいと考えられるため、導入口や排出口の近傍に孔を形成してもよい。
また、基板同士を接合する場合は、その接合方法として、熱融着、陽極接合、レーザー接合、ろう付け、表面活性化接合などを採用できる。なお、基板同士を接合する代わりに、基板と基板とを互いに挟みつけて固定することもできる。
そして、マイクロチップに配設されるセンサとしては、温度センサ、化学センサ、電気化学センサ、圧力センサ、流量センサなどを例示できる。
なお、マイクロチップに形成された孔には、センサのほかに、バルブ、ポンプ、マイクロチップの認識用IDタグなどのマイクロ流体デバイスを組み込むことも可能である。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記孔が形成される基板の厚さは、前記孔に配設された状態の前記センサの高さよりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、センサが孔の内部に納まり、基板表面から突出していないので、装置の挿入口(スロット)などに差し込んで使用することも容易となる。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記基板には、前記流体を前記流路に導入する複数の導入口と、前記流路から前記流体を排出する排出口とが前記溝と連通するようにそれぞれ形成され、前記流路は、前記複数の導入口から前記流体が複数の経路に沿ってそれぞれ流入する合流部を有し、前記孔は、前記流路において前記導入口と前記合流部との間に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、導入口から合流部の間における流体の状態量の計測値に基いて、流路における流体の状態を制御可能となる。例えば、複数経路のうちいずれかの経路における流体の状態量の計測値に基いて、複数経路における流体のそれぞれの状態量を制御することが考えられる。また、複数経路における流体のそれぞれの状態量を計測したり、いずれかの経路における流体の状態量を制御したりしてもよい。
このような流体制御により、合流部において相流となる各流体の相流状態を安定化させることができる。
なお、相流とは、例えば、流体が相分離した状態で流れるものをいう。
また、合流部では圧力変動や圧力損失などの流体の状態量の変動による影響が大きいと考えられるため、この合流部の近傍にセンサ配設用の孔を形成することにより、流体制御をより適切に行うことができる。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記基板には、前記流体を前記流路に導入する導入口と、前記流路から前記流体を排出する複数の排出口とが前記溝と連通するようにそれぞれ形成され、前記流路は、前記流体が前記複数の排出口へと複数の経路に分かれて流れる分岐部を有し、前記孔は、前記流路において前記分岐部と前記排出口との間に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、分岐部から排出口の間における流体の状態量の計測値に基いて、流路における流体の状態を制御可能となる。例えば、複数経路のうちいずれかの経路における流体の状態量を計測して、この計測値に基いて複数経路における流体の状態量を制御することが考えられる。あるいは、複数経路における流体のそれぞれの状態量を計測したり、いずれかの経路における流体の状態量を制御したりしてもよい。
このような流体制御により、相分離した相流を複数経路に分けるなどの分岐操作を目論見通りに行うことができる。
また、分岐部では圧力変動や圧力損失などの流体の状態量の変動による影響が大きいと考えられるため、この分岐部の近傍にセンサ配設用の孔を形成することにより、流体制御をより適切に行うことができる。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記センサは、前記流体の圧力を検出する圧力センサであることが好ましい。
この構成によれば、圧力センサによる計測結果により、マイクロチップ内の流路における流体の圧力変動や圧力バランスの制御が可能となり、本発明のマイクロチップを分析、合成の分野で利用できる。
ここで、本発明の圧力センサとしては、流体圧力の感応部に歪ゲージを備えるものや、感応部の変位を静電容量の変化として検出するものなど、その種類を問わない。なお、使用する圧力センサは、ゲージ圧力センサ、絶対圧力センサ、あるいは差圧センサのいずれでもよい。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記圧力センサは、前記流路における複数の経路にそれぞれ配置され流体の圧力差を検出していることが好ましい。
この構成によれば、合流部の前段や分岐部の後段などの複数の経路をそれぞれ流れる流体の圧力差(差圧)が圧力センサにより検出されるので、センサの検出精度に個体差があったとしても、複数の経路における流体の圧力変動や分圧状態を適切に制御できる。
本発明のセンサ一体型マイクロチップは、互いに重ねられる複数の基板を備え、これらの基板のうち互いに重ねられる一方の基板の板面と他方の基板の板面から窪んで形成される溝とから流路が構成されたマイクロチップを有し、前記互いに重ねられた複数の基板を貫通した貫通孔に、前記溝と連結して前記流路を構成する流路ピースが配設され、前記流路ピースは、前記溝と連結する連結溝に設けられたセンサ部と、このセンサ部の前記連結溝が形成された側に重ねられる板部材とを有し、前記センサ部には、前記連結溝の内部に配置され流体の状態を検出するセンサ部本体が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、基板と他の基板とを重ね合わせる簡略な構成により、基板間に流体の流路が形成されるとともに、マイクロチップ内の流路の一部が流路ピースとして装着可能であって、この流路ピース内に形成された連結溝がマイクロチップの溝と連結される。これにより、マイクロチップの内部の流体の流れに影響を及ぼすことなく、また、マイクロチップの用途や流路形状に制約されることもなく、マイクロチップの任意の箇所に流路ピースを組み込んで一体化することができる。
また、連結溝内に設けられたセンサ部が流路へのアクセス用の孔などを介さずに流体に直接的に接触するぶん、流体の圧力損失が低減されるとともに、デッドボリュームが殆ど生じない。
このように、流体の流れへの影響がない状態でマイクロチップ内部の流体圧力を計測可能となるので、微小容量の流体の高効率反応に関して、本発明のマイクロチップを分析、合成の分野で利用できる。また、マイクロチップを用いた装置の実用化が図られる。
加えて、マイクロチップの製造と、流路ピースの製造とを別途行えばよいので、微細な流路やセンサ部の作り込みに関する問題が生じず、製造が容易である。マイクロチップに形成された孔に各種形状の連結溝が形成された流路ピースを挿入して簡単に組み込むことができ、汎用性に優れるとともに、マイクロチップ規格化の動向にも対応できる。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記流路は、前記流体がそれぞれ流入する合流部、および/または、前記流体が分かれて流れる分岐部を有し、前記合流部および/または前記分岐部は、前記連結溝により構成され、前記センサ部本体は、前記合流部近傍および/または前記分岐部近傍に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、合流部や分岐部が流路ピース内部に連結溝として構成されていることにより、基板に形成された合流部あるいは分岐部の近傍にセンサを配設する場合よりも、合流部や分岐部が占める寸法を小さくできる。これにより、大きさに制約がある規格化されたマイクロチップを使用する場合でも、微細かつ複雑な流路を実現できる。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記センサ部には、前記連結溝により構成される複数の経路が並んで延びており、前記センサ部本体は、前記流体の圧力差を検出する検出部を有し、この検出部は、前記複数の経路同士の境界部分に、かつこの境界部分両側の流体のいずれにも接触するように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、複数の経路の境界部分に、これらの経路を互いに仕切るように検出部が設けられているので、複数の経路の圧力差を検出する場合の経路間のバイパス形成を不要にできる。なお、流路センサ部には、並んで延びる複数の経路に通じる合流部または分岐部が形成されていてもよい。
ここで、検出部としては、連結溝の底部や連結溝と対向するセンサ部本体に一端側が取り付けられ複数の経路における各流体の圧力に応じてこれらの経路の境界部分で回動する可動部材であって、歪ゲージ、ピエゾ素子、振動子などが設けられたものを例示できる。
本発明のセンサ一体型マイクロチップでは、前記センサ部には、前記連結溝により構成される前記複数の経路が互いに異なる方向から延びて合流しており、前記センサ部本体は、前記流体の圧力差を検出する検出部を有し、この検出部は、前記複数の経路の流体が合わさる部分に、かつこれらの流体のいずれにも接触するように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、複数の経路の流体が合わさる部分でこれらの流体の圧力差を直接検出できるので、合流部分の前段や後段で各流体の圧力を検出する場合と比べて、合流の状態をより適切に制御可能となる。
検出部としては、合流手前側が軸支され複数の経路における各流体の圧力に応じてこれらの経路の合流部分で回動する可動部材であって、歪ゲージ、ピエゾ素子、振動子などが設けられたものを例示できる。
本発明のマイクロチップシステムは、前述のセンサ一体型マイクロチップと、前記センサまたは前記センサ部により検出された流体の状態量についてフィードバック制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、センサないし連結溝内に設けられたセンサ部により計測されたマイクロチップ内部の流体の状態量に基いて、この流体に付与する流速または流圧、温度などの条件が変更されるので、マイクロチップ内部の流体の状態を所定の状態量とほぼ同じ状態とすることができる。これにより、マイクロチップ内部の流体制御を容易にかつ確実に行うことができる。
特に、合流部の前段や分岐部の後段で複数経路をそれぞれ流れる流体において、これらの流体の圧力やこれらの差圧を圧力発生源やバルブなどにフィードバックすることにより、各流体の圧力変動をより適切に制御することができる。
<第1実施形態>
〔1.マイクロチップの構成〕
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態のマイクロチップ1の分解斜視図である。また、図2は、マイクロチップ1の平面図、図3は、マイクロチップ1の断面図である。
マイクロチップ1は、内部に形成された流路FAにおいて、試料RGの分析を行うために使用され、2枚の基板11,12による積層構造となっている。本実施形態では、このマイクロチップ1に3つの圧力センサ80が組み込まれ、これらの圧力センサ80により、流路FAにおける試料RGの圧力がそれぞれ計測されている。
マイクロチップ1の基板11,12は、短辺が30mm程度であって長辺が70mm程度、かつ厚さが例えば0.7mm程度の平板矩形状であり、ガラス、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、プラスチック樹脂、シリコン、ステンレスなどにより形成されている。本実施形態では、基板11,12は2枚ともガラス材料により形成されているが、これらの基板11,12は線膨張係数などの特性が近似する別材料によって形成されていてもよい。
基板11,12は互いに重ね合わされ、これらの基板11,12が重ねられる面には、試料RGの流路FAが形成されている。この流路FAは、図2に示すように、基板11,12の長手方向にほぼ沿って延びる平面視Y字状となっていて、そのY字形状における二股部分は、合流部JCTとなっている。すなわち、流路FAにおいて、合流部JCTよりも上流側には、試料RGの導入口121,122から合流部JCTにかけて、複数方向に流れる経路FA1,FA2があり、合流部JCTよりも下流側は、1本の経路FA3となっている。経路FA3は、試料FA1,FA2の反応が行われる反応場であり、マイクロチップ1は、特に、この経路FA3において試料RG1、RG2を混合するのに用いられる。
このような流路FAは、図1および図3に示すように、一方の基板11の板平面に窪むように形成された断面半円形状の溝14の内周面と、この溝14と向き合う基板12の板面との内側に構成されている。
なお、本実施形態では、経路FA1,FA2、FA3において溝14は同径となっているが、例えば、経路FA3における溝14の径を経路FA1,FA2における溝14の径よりも大径にするなど、溝14の径寸法は適宜設定できる。
他方、基板12は、図1に示すように、基板11と重ねられた際に流路FAのY字形状における3つの端部の位置で溝14と連通するように穿孔されており、これらの孔は、Y字の拡開側の両端部に形成されたものがそれぞれ、試料RGの導入口121,122とされ、そして、Y字の拡開側と反対側の端部に形成されたものが、試料RGの排出口125とされている。
試料RGは、気体、液体、コロイド溶液など、その態様は任意である。ここで、本実施形態のRGとしては、例えば、水と水、油と油など、成分が混ざり合う試料RG1と試料RG2とが用いられている。そして、一方の導入口121には試料RG1が導入され、他方の導入口122には試料RG2が導入されている。
また、基板12には、基板11と重ねられた際に溝14の開口に向かって基板12を貫通する平面視正方形状の孔20が、経路FA1、経路FA2、そして合流部JCTの下流側である経路FA3に相当する位置にそれぞれ形成されており、各孔20の内部に圧力センサ80がそれぞれ配設されている。
孔20は、図2に示すように、平面的に見た際に基板11の溝14と重なる位置に設けられている、ここで、平面的に見た際の孔20の寸法が溝14の幅よりも大きいので、図2および図3(A)に示すように、溝14の開口側の両端部分が孔20の内側にそれぞれ露出している。この露出部分は、圧力センサ80の配設時に圧力センサ80が配置される被載置部141となっている。
図3(A)は、流路FAの幅方向における断面図である。また、図3(B)は、図3(A)をマイクロチップ1の平面方向で90°回転させて流路FAに沿った方向における断面図である。
圧力センサ80は、基板11の孔20に挿入される立方体形状のものであって、孔20に挿入された状態で被載置部141に配置され、流路FAを流れる試料RGと接触している。
この圧力センサ80には、詳しい図示を省略したが、溝14に対向する側に設けられるシリコン製のダイアフラム81と、このダイアフラム81を保持する保持体82とを備えている。保持体82は、2枚のガラス製基板が基板11,12が重ねられる方向と交差する方向に重ねられた積層体であり、基板間には、複数本の導電性パターンが形成されている。これにより、導電性パターン間の間隙で大気開放が図られるとともに、ダイアフラム81と反対側の取出電極とが導電性パターンを介して導通されている。そして、圧力センサ80の検出回路において、保持体82に設けられた電極とダイアフラム81との間の静電容量の変化により、試料RGの圧力が計測されるものとなっている。
〔2.マイクロチップの製造手順〕
以上のような構成のマイクロチップ1の製造手順を簡単に説明する。
まず、基板11にはサンドブラスト、エッチング、機械加工などにより溝14を形成する。また、基板12には、導入口121,122、排出口125、および孔20をサンドブラスト、放電加工、超音波加工、ドリル加工、レーザー加工、エッチング、プレス、射出成形などにより形成する。
次に、これらの基板11,12を溝14のY字形状と導入口121,122および排出口125との位置が合うように互いに重ね合わせ、熱融着を実施する。
なお、この熱融着のほか、陽極接合、レーザー接合、ろう付け、表面活性化接合によって基板11,12を接合してもよく、あるいは接合しないで、基板11,12を互いに重ねた状態で挟みつけてもよい。
これにより、圧力センサ80を配設するためのマイクロチップ1が完成する。
続いて、マイクロチップ1の各孔20に圧力センサ80をそれぞれ挿入して被載置部141に配置する。そして、各圧力センサ80を孔20の内周面にそれぞれ接合することにより、各圧力センサ80がマイクロチップ1に組み込まれ、圧力センサ80を備えたセンサ一体型マイクロチップが完成する。
〔3.マイクロチップの作用〕
このようなマイクロチップ1を使用する際は、導入口121から試料RG1を、そして、導入口122からは試料RG2を、図示しないポンプやバルブにより所定の圧力でそれぞれ導入する。これにより、試料RG1,RG2は経路FA1,FA2をそれぞれ流れて、合流部JCTに向かう。そして、これらの試料RG1,RG2は、合流部JCTに達すると、混合流を形成し、そのまま経路FA3を流れて排出口125から排出される。
ここで、試料RG1,RG2はマイクロチップ1に所定の流量または所定の圧力で導入されているが、マイクロチップ1内では、導入口121,122に導入される際の導入口121,122における圧力抵抗や、流路FAの内周面となる溝14や基板11の板面の圧力抵抗などによって試料RGには複雑な圧力損失が生じている。その圧力損失量は、導入口121,122や溝14の形状、および、導入口121,122や溝14、基板12の表面粗さなどの加工精度などによって定まるものではなく、流路FAの内周面の表面状態(コーティングの態様など)や、試料RG1,RG2の反応による温度変化によっても変動する。
本実施形態では、マイクロチップ1内の流路FAにおいて、合流部JCT前段の経路FA1,FA2での試料RG1,RG2の各圧力と、合流部JCT後段の試料RG1,RG2の反応場であるFA3での圧力とを、圧力センサ80によってそれぞれ計測できる。
なお、試料RG1,RG2の混合に際しては、あえて乱流を生じさせて混合の効率を高めることも考えられる。
〔4.第1実施形態による効果〕
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)溝14を形成した基板11と孔20を形成した他の基板12とを重ね合わせるだけで、溝14の内周面とこの溝14と向き合う基板12の板面との内側に流路FAが形成されるとともに、圧力センサ80配設用の孔20を容易に形成できる。
(2)ここで、孔20のサイズが溝14の幅寸法よりも大きいことから、孔20の内部に圧力センサ80を配設しても、その圧力センサ80が溝14内に突出しない。これにより、マイクロチップ1内部における試料RGの流れに影響を及ぼすことなく圧力センサ80を配設可能となる。
(3)また、孔20の内部に配設される圧力センサ80は、圧力センサ80から流路FAへのアクセス用の孔などを介さずに試料RGに直接的に接触するため、試料RGの圧力損失が低減されるとともに、デッドボリュームが殆ど生じない。
(4)このように、圧力センサ80配設に関して試料RGの流れへの影響や圧力損失がない状態でマイクロチップ1内部の試料RG圧力を計測可能となるので、微小容量の試料RGの高効率反応に関して、マイクロチップ1を分析、合成の分野で利用できる。また、マイクロチップ1を用いた装置の実用化が図られる。
(5)加えて、マイクロチップ1の製造と圧力センサ80の製造とを別途行えばよいので、微細な流路FAや圧力センサ80の作り込みに関する問題が生じず、製造が容易である。マイクロチップ1に形成された孔20には圧力センサ80を挿入して簡単に組み込むことができ、マイクロチップ1の所定範囲により多くの圧力センサ80を組み込むことも可能となるので、マイクロチップ規格化の動向にも対応することができる。
なお、マイクロチップ1には、圧力センサ80のほかに、温度センサ、化学センサ、電気化学センサ、加速度センサなど、試料RGの状態量を計測する各種のセンサを配設することができる。また、バルブ、ポンプ、マイクロチップの認識用IDタグなどのマイクロ流体デバイスをマイクロチップ1に組み込むことも可能である。
(6)基板11の溝14の両側が被載置部141となっていることから、圧力センサ80を孔20に挿入する際に、被載置部141が圧力センサ80の度当たり(ストッパー)として機能し、基板11,12同士が重ねられる面の位置に圧力センサ80が保持されるので、圧力センサ80を流路FA内の試料RGに接触する位置に容易に配設できる。
(7)マイクロチップ1の流路FAでは、複雑な圧力損失や圧力変動が生じているところ、マイクロチップ1に圧力センサ80を組み込み、マイクロチップ1内部の試料RGの圧力を計測可能としたので、マイクロチップ1内の反応場での試料RGの圧力変動の計測に基づく制御が可能となり、試料RGの合成を適切に実施できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図4および図5を参照して説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
上述の第1実施形態では、圧力センサ配設用として、一方の基板12に孔20が形成されていた。
これに対して、本実施形態では、マイクロチップを構成する2枚の基板を貫通する孔が形成されている点が第1実施形態とは相違する。これにより、マイクロチップに組み込まれる圧力センサも第1実施形態におけるものとは相違している。以下、具体的に説明する。
図4は、本実施形態のマイクロチップ2を示している。また、図5は、このマイクロチップ2に組み込まれる圧力センサ90を示す図である。
マイクロチップ2は、第1実施形態と同様の基板12と、この基板12と重ねられる基板21とを備えている。
基板21には、第1実施形態の基板11と同様の溝14が形成されているとともに、基板12に形成されている孔20と同じ位置および形状の孔20が溝14と連通するように形成されている。
ここで、基板12,21が互いに重ねられた状態では、基板12に形成された孔20と基板21に形成された孔20とが連続することにより、基板12,21を貫通するとともに溝14と連通する一つの貫通孔25が形成されている。本実施形態では、この貫通孔25に圧力センサ90が配設されている。
圧力センサ90は、図5に示すように、マイクロチップ2の貫通孔25に挿入される六面体状の流路ピースを構成するものであって、本体としてのセンサ部92および流路部91による積層体となっている。
センサ部92は、詳しい図示を省略したが、第1実施形態で述べた圧力センサ80と同様に構成されている。
流路部91は、マイクロチップ2の基板21と同じ厚さで平面正方形状のガラス製基板であり、この流路部91の板面には、連結溝94が形成されている。
この連結溝94は、マイクロチップ2の溝14と同様の断面形状、および同様の寸法であって、流路部91の一辺に沿ってその板面を二分するように延びている。
これらのセンサ部92および流路部91は、センサ部92の図示しないダイアフラムが連結溝94に臨むように互いに重ねられ、この重ねられた面がレーザー溶接、表面活性化接合、共晶接合、拡散接合、ろう付け接合などにより接合されている。これにより、流路一体型の圧力センサ90が構成されている。
そして、圧力センサ90がマイクロチップ2の貫通孔25に挿入されると、連結溝94が基板21の溝14と連結して、これらの溝14および連結溝94により、一つの連続した流路FAを構成する。
本実施形態のマイクロチップ2の製造手順は、第1実施形態とほぼ同様であって、マイクロチップ2と圧力センサ90とは別途製造される。なお、基板12,21に孔20をそれぞれ開けてから基板12,21を重ね合わせてもよいが、基板12,21を互いに接合した後に、基板12,21を貫通する貫通孔25の穿孔を行うことにより、基板12の孔20の位置と基板21の孔20の位置とがずれにくい。
そして、マイクロチップ2に形成された貫通孔25に圧力センサ90を挿入した状態で貫通孔25の内周面に接合することにより、センサ一体型のマイクロチップ2が完成する。
このような第2実施形態によれば、前述した(3)、(4)、(5)、および(7)と略同様の効果を奏するほか、次のような効果を奏する。
(8)溝14を形成した基板21と基板12とを重ね合わせるだけで、基板12,21間に試料RGの流路が形成される。また、基板12,21にそれぞれ形成した孔20同士が連続することにより、圧力センサ90を試料RGに接触させることが可能な圧力センサ90配設用の貫通孔25が形成される。
これにより、マイクロチップ2内部における試料RGの流れに影響を及ぼすことなく圧力センサ90を配設可能となる。
(9)圧力センサ90のセンサ部92と流路部91とが一体化され、センサ部92の流路FAへの接触部分が圧力センサ90内部に設けられていることから、圧力センサ90単体において、センサ部92の流路部91への接触部分と流路部91との位置関係を保証できる。これにより、マイクロチップ2への圧力センサ90配設時に、圧力センサ90と流路FAとの位置関係についての外乱が排除され、歩留まりを向上させることができる。
(10)また、圧力センサ90がセンサ部92と流路部91との積層構造とされ、これらのセンサ部92と流路部91との間に連結溝94による流路FAが構成されているので、センサ部92が直接的に試料RGに接触する。これにより、試料RGの圧力損失が低減されるとともに、デッドボリュームをも抑えることができる。
(11)また、流路部91の基板厚さがマイクロチップ2の基板21と同様の厚さ寸法となっているので、基板21の基板12とは反対側の板面(図4における下面)をガイド面として、流路部91のセンサ部92とは反対側の板面(図4における下面)を面一に合わせ込むことにより、マイクロチップ2の溝14の位置と圧力センサ90の連結溝94の位置とを正確に合わせることができる。これにより、流路FAにおける試料RGの流れに支障が出ることがない。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について図6および図7を参照して説明する。
前記各実施形態では、平面的な流路が形成されていたが、本実施形態では、立体的な流路が形成されている。
図6は、本実施形態におけるマイクロチップ3の分解斜視図である。
本実施形態のマイクロチップ3は、3枚の基板31,32,33が互いに重ねられた構造となっている。
中央の基板32の板面両面には、溝321,322が形成され、これらの溝321,322は、基板32を厚さ方向に貫通する孔323によって互いに連通している。
具体的に、基板32の一方の面には、長手方向に沿って延びる溝321が形成され、他方の面には、溝321の途中まで溝321に沿って延びる溝322が形成され、この溝322の端部は孔323を介して溝321の途中に連通されている。
図7は、溝321,322に沿った方向における断面図である。
本実施形態では、溝321,322および孔323により流路FAが構成され、孔323の部分が合流部JCTとなっている。この流路FAにおいても、前記実施形態と同様に、導入口121から合流部JCTまでが経路FA1であり、導入口122から合流部JCTまでが経路FA2であり、合流部JCTから排出口125までが経路FA3である。
基板31には、溝321の両端に相当する位置がそれぞれ穿孔されることにより、試料RG1の導入口121、および試料RG1,RG2の排出口125が形成されている。また、基板31には、溝321の開口に向かって貫通する孔20が合流部JCT近傍の上流側に形成され、この孔20には、第1実施形態と同様の圧力センサ80が配設されている。
基板33には、溝322の合流部JCTとは反対側の端部に相当する位置が穿孔されることにより、試料RG2の導入口122が形成されている。また、基板33においても、基板31の孔20と同様、溝322の開口に向かって貫通する孔20が合流部JCT近傍上流側に形成され、この孔20に圧力センサ80が配設されている。
なお、これらの基板31,33の厚さは、圧力センサ80が基板31,33の孔20にそれぞれ配設された際に、圧力センサ80が孔20に納まる寸法となっている。
そして、基板31,33で基板32を挟むように、基板31,32,33を互いに重ね合わせることにより、基板31,32の対向面と、基板32,33の対向面とにおいて、連続する一つの流路FAが構成される。導入口121,122からそれぞれ導入された試料RG1,RG2は、第1実施形態とほぼ同様に、合流部JCTに向かって流れ、合流部JCTからは混合流となって経路FA3を流れ、排出口125から排出される。
このような第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果に加えて、次の効果を得ることができる。
(12)圧力センサ80が孔20の内部に納まって基板31,33表面から突出していないので、吸着冶具などを用いてマイクロチップ3をハンドリングする際に支障がない。
(13)また、圧力センサ80が導入口121,122と合流部JCTとの間であって合流部JCT近傍にそれぞれ設けられているので、圧力センサ80により、合流部JCT直前の試料RG1,RG2の圧力がそれぞれ計測される。これにより、試料RG1,RG2の圧力や圧力バランスをより適切に制御でき、試料RG1,RG2による相流の安定化が図られる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について図8〜図10を参照して説明する。
本実施形態のマイクロチップ4は、内部に形成された流路の形状が前記各実施形態における流路とは異なり、このため、圧力センサが組み込まれている位置も前記各実施形態とは異なっている。本実施形態では、特に試料を相流状態とした後分岐する操作について説明する。
図8は、本実施形態のマイクロチップ4の平面図である。
マイクロチップ4は、基板41,42が重ねられた構造であり、基本的に第1実施形態における基板11,12が重ねられた構造と同様であるが、マイクロチップ4内部の流路FAMの形状が第1実施形態のものとは相違し、基板41には、この流路FAMの形状に応じた溝44が形成されている。
流路FAMは、基板41の長手方向に沿って1往復半するように蛇行し、始端および終端に設けられた二股部分は、それぞれ試料RGの合流部JCTと分岐部BFRとなっている。すなわち、流路FAMは、合流部JCTにそれぞれ流れる経路FA1,FA2と、蛇行部分のFA3と、分岐部BFRから別れる経路FA4,FA5とを含んで構成されている。
基板41には、経路FA1,FA2に試料RGを導入する導入口121,122と、経路FA4,FA5から試料RGを排出する排出口125,126とがそれぞれ形成されている。
また、基板41には、経路FA1,FA2に1つずつ、経路FA3に2つ、経路FA4,FA5に1つずつ、圧力センサ80配設用の孔20が計6つ形成されている。
さらに、これらの孔20にそれぞれ配設される圧力センサ80を外部に接続するための結線用パターンCP1,CP2,CP3,CP4,CP5,CP6が半導体プロセスやスクリーン印刷技術により、基板41の表面に形成されている。この結線用パターンCP1〜CP6は、基板41の長手方向に沿った一方の辺に沿って等ピッチで並んでおり、並んだ箇所から各孔20の隣接位置までそれぞれ延びている。具体的に、結線用パターンCP1が経路FA1における孔20に向かって、結線用パターンCP2が経路FA2における孔20に向かって、結線用パターンCP3は経路FA3における合流部JCT寄りの孔20に向かってそれぞれ延びている。また、結線用パターンCP4は経路FA3における略中間地点の孔20に向かって延び、そして、結線用パターンCP5からピッチ一つ分おいて配置されている結線用パターンCP6が経路FA4における孔20に向かって延び、結線用パターンCP6は経路FA5における孔20に向かってそれぞれ延びている。
そして、各孔20には、圧力センサ80がそれぞれ配設されている。この圧力センサ80には、図示を省略するが、ダイアフラムが設けられた側とは反対側の面に、ダイアフラムの変位を示す電位の取出電極が設けられていて、この取出電極に上述の結線用パターンCP1〜CP6がそれぞれ接続されている。
なお、本実施形態は、特に、マイクロチップにおけるセンサの配設位置について説明するためのものであり、第2実施形態における圧力センサ90、およびこの圧力センサ90が配設される貫通孔が形成されたマイクロチップを採用した場合でも、以下に説明する作用効果と同様の作用効果を奏する。
本実施形態のマイクロチップ4を製造する際には、第1実施形態と同様の手順により、基板41,42を互いに重ねて接合する。そして、圧力センサ80を各孔20に配設し、圧力センサ80の取り出し電極を結線用パターンCP1〜CP6にハンダ或いはハンダペースト、ワイヤボンディング、プロービングなどにより、それぞれ接続する。この際、結線用パターンCP1〜CP6は等ピッチで配置されれていることにより、結線作業が容易である。こうして、センサ一体型マイクロチップ4が完成し、このマイクロチップ4に組み込まれた圧力センサ90が接続パターンCP1〜CP6によって外部のセンサ検出回路や電源、計測機器などに接続可能となる。本実施形態では、接続パターンCP1〜CP6により、圧力センサ90はプロービングやワイヤボンディングなどによりセンサ検出回路200(図10)へと接続されている。
ここで、図9は、試料RGの流れについて説明するための図である。
本実施形態の試料RGとしては、例えば、気体と液体、油と水など、成分が互いに異なる試料RG1と試料RG2とが用いられている。
図9(A)に示すように、試料RG1と試料RG2とが導入口121,122からそれぞれ導入され、これらの試料RG1,RG2は、経路FA1,FA2を合流部JCTに向かってそれぞれ流れ、合流部JCTで相分離した相流となって経路FA3を流れる。そして、分岐部BFRにおいて再び、試料RG1と試料RG2のそれぞれの流れに分かれて、排出口125,126からそれぞれ排出される。
前述のように、マイクロチップ4においては、溝44の内周面や基板41の板面の圧力抵抗、および試料RGの反応による温度変化などに起因して、複雑な圧力損失が生じやすい。この圧力損失により、試料RG1,RG2の所定の分圧バランスが崩れると、図9(B)に示したように、試料RG1,RG2は、合流部JCTにおいて所望の相流を形成できず、乱流をも伴う。このままでは、分岐部BFRにおいて試料RG1、RG2の流れを良好な状態で分けることはできない。
ここで、マイクロチップ4に組み込まれた6つの圧力センサ80では、試料RG1,RG2の圧力が所定の駆動周波数において繰り返し計測され、これらの計測値は、結線用パターンCP1〜CP6を介して検出回路200(図10)に送出されている。この検出回路200において、マイクロチップ4内の試料RGの圧力状態についてフィードバック処理が実施される。
制御装置としての検出回路200は、図10に示すように、バルブVLに開閉信号を送信するバルブ指示部210と、圧力値などの比較演算を行う演算部220と、これらのバルブ指示部210および演算部220に対して命令を発する制御部230とを備えて構成されている。
この検出回路200は、マイクロチップ4に試料RG1,RG2が導入される際には、バルブVLに信号を送り、試料RG1,RG2に所定の圧力を付与する。そして、各圧力センサ90から試料RG1あるいは試料RG2の圧力を受け取るたびに、演算部220にこの圧力値と所定の圧力値とを比較演算させ、この演算結果に応じて試料RG1,RG2の各圧力を増減する信号をバルブ指示部210に送信する。これにより、図9(A)に示すように、試料RG1,RG2を流路FA3において所定の分圧により相分離した相流状態に保ち、分岐部BFRにおいても、試料RG1,RG2を目論見どおりに分岐させることができる。
本実施形態によれば、前記各実施形態と略同様の作用効果を奏するとともに、次の作用効果を相する。
(14)上述のように、合流部JCTおよび分岐部BFRを有する流路FAMにおいて、6つの圧力センサ80を設けたことにより、各圧力センサ80の計測値に基づいて試料RG1、RG2における圧力変動や分圧状態が適切に制御される。これにより、各試料RG1,RG2による相流を相分離した状態に安定化させることができ、また、この相流を容易に分岐させることができる。
(15)各経路FA1,FA2,FA3,FA4における試料RG1,RG2の圧力がフィードバック制御されることにより、各試料RG1,RG2の圧力制御がより確実に行われるので、試料RG1,RG2による相流状態が一層安定化するとともに、RG1,RG2による相流を再び分ける分岐操作を目論見どおりに実施できる。
(16)マイクロチップ4に圧力センサ80用の結線用パターンCP1〜CP6が設けられていることにより、従来のようにセンサ検出回路をマイクロチップ4の基板42に接着したり、孔20に配設された圧力センサ80から長い配線を取り回すことを不要にできる。これにより、マイクロチップ4に圧力センサ80を簡単に電気的に取り付けることができる。
また、圧力センサ80の配設時にセンサ検出回路を含めて取り付ける必要がないことから、マイクロチップ4が規格化されたものであって大きさに制約がある場合でも、多数のセンサやその他のマイクロ流体デバイスをマイクロチップに搭載できる。
さらに、圧力センサ80配設のために長い配線を取り回すことも不要となるので、マイクロチップ4の可搬性が向上し、マイクロチップの交換も容易に行える。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態は、複数の経路における試料の圧力差を用いて流体制御を実施する点が第4実施形態とは相違する。
図11は、本実施形態におけるマイクロチップ5の平面図である。
マイクロチップ5の内部に形成された流路FAMMは、第4実施形態における流路FAMと同様に、長手方向に沿って一往復半するように蛇行し、流路FAMMの両端はそれぞれ二股に分かれていて、これらはそれぞれ試料RGの合流部JCTと分岐部BFRとなっている。なお、本実施形態では、合流部JCTおよび分岐部BFRの二股部分が流路FAMMの端部に向かってそれぞれ平行に延びている形状となっている。
また、本実施形態の流路FAMMは、蛇行する途中に合流部JCTSを有している。このような流路FAMMは、合流部JCTにそれぞれ流れる経路FA1とFA2と、蛇行部分のFA3と、分岐部BFRからそれぞれ流れる経路FA4,FA5と、もう一つの合流部JCTSに向かって流れる経路FA6を含んで構成されている。
マイクロチップ5は、基板51,52が互いに重ねられた積層構造であり、基板51には、流路FAMMの形状に応じた溝54が形成されている。
また、基板51には、経路FA1,FA2に試料RGを導入する導入口121,122と、経路FA4,FA5から試料RGを排出する排出口125,126と、経路FA6に試料RGを導入する導入口128とが形成されている。
一方、基板52には、センサ配設用の平面視矩形状の孔30が3つ形成されている。具体的に、導入口121,122と合流部JCTとの間に、孔30が経路FA1とFA2とに跨るように形成されている。また、合流部JCTSと重なる位置で、かつ経路FA3と経路FA6とに跨るように別の孔30が形成され、さらに、分岐部BFRと排出口125,126との間には、経路FA3とFA4とに跨るようにもう一つの孔30が形成されている。
これらの孔30には、それぞれ平面視矩形状の圧力センサ100が配設され、これらの圧力センサ100では、複数経路における圧力差が計測される構成となっている。具体的に、各圧力センサ100の計測値は、それぞれ、経路FA1および経路FA2の圧力差、経路FA3および経路FA6の圧力差、経路FA4および経路FA5の圧力差、のようになる。
なお、図示を省略したが、これらの孔30の近傍には、第4実施形態の結線用パターンCP1〜CP6などと同様のパターンが配置されており、孔30に配設された圧力センサ100の計測値は検出回路に取り出されている。
このようなマイクロチップ5では、導入口121,122から試料RG1,RG2が導入されるとともに、導入口128からは試料RG3が導入される。導入口121,122から導入された試料RG1,RG2は、合流部JCTにおいて相分離した相流となり、この試料RG1,RG2による相流が合流部JCTSに達する。この合流部JCTSにおいて、試料RG1,RG2による相流が導入口128から導入された試料RGと合流すると、試料RG2と試料RG3とが混合され、これらの試料RG2,RG3による混合流は、試料RG1との相流となって分岐部BFRへと流れる。そして、分岐部BFRにおいて、試料RG1の流れと、試料RG2および試料RG3との混合流とは二手に分かれて、排出口125,126からそれぞれ排出される。
前述のように、マイクロチップ5の流路FAMM内では、溝54の内周面や基板52の板面による圧力抵抗や試料RGの反応による温度変化に起因して、複雑な圧力損失が生じやすく、試料RG1,RG2,RG3を所定の圧力状態および圧力バランスに保つ必要がある。
本実施形態では、第4実施形態と同様の検出回路によってフィードバック処理を実施しているが、このフィードバック処理では、圧力センサ100により得られる複数経路における圧力差が用いられている。
具体的には、検出回路の演算部では、各圧力センサ100から受け取った圧力差が所定の圧力差と比較演算され、この演算結果に基いて試料RG1,RG2,RG3の各圧力を増減する信号がバルブ指示部に送信される。これにより、試料RG1,RG2による相流、あるいは試料RG2,RG3による混合流の安定化が図られる。試料RG2,RG3による混合流においては、試料RG2,RG3の混合比率が一定となるので、試料RG1と試料RG2,RG3との相流状態も安定化し、分岐部BFRにおいて、試料RG1と試料RG2,RG3とを目論見どおりに分岐させることができる。
本実施形態によれば、前述の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(17)合流部JCTの前段や分岐部BFRの後段で複数経路を流れる試料RG1、RG2,RG3相互の差圧が用いられるので、圧力センサ100に個体差などがあっても、各試料RGの圧力バランスが正確に測定され、これに基いて流路FAMM内の圧力変動や分圧状態を適切に制御できる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について図12〜図15を参照して説明する。
本実施形態は、第5実施形態と略同様のマイクロチップに第2実施形態における流路一体型の圧力センサと同タイプのセンサを組み込んでセンサ一体型のマイクロチップとし、
さらにセンサの構成を第5実施形態と同様に複数経路における試料の圧力差を計測するものとした。
図12は、本実施形態におけるマイクロチップ6の平面図である。マイクロチップ6は、基板51,52による積層構造であり、これらの基板51,52のいずれをも貫通するとともに基板51に形成された溝54と連通する3つの貫通孔35が形成されているほかは、第5実施形態のマイクロチップ5と同様の構成となっている。そして、マイクロチップ6に形成された貫通孔35には、図14に示す圧力センサ110が1つ、および図15に示す圧力センサ130が2つ、計3つがそれぞれ配設されている。
図13に示した圧力センサ110は、マイクロチップ6内部の流路FAMMにおける合流部JCTSに重なるように配置されるものである。図14は、この圧力センサ110の図13におけるXIII−XIII線矢視図である。
この圧力センサ110は、板部材であるガラス製のブロック112およびセンサ部111による積層体となっている。
センサ部111には、平面視略Y字状の連結溝114が形成されている。この連結溝114は、圧力センサ110がマイクロチップ6に配設されるとマイクロチップ6側の溝54と連結するので、連結溝114の二股部分は、流路FAにおける経路FA3,FA6をそれぞれ構成することになる。
このような連結溝114の二股部分が並んでいる間に、試料RGの圧力を検知する検出部115が設けられている。
検出部115は、矩形平板状の可動部材であって、連結溝114の二股部分の間で長辺端面側の基端部のみが連結溝114の底部に取り付けられ、一方の板面が二股部分の経路FA3における試料RG1,RG2に接触し、他方の板面が経路FA6における試料RG3に接触するように設けられている。
この検出部115の基端部には、歪ゲージ、ピエゾ素子、振動子などの検出素子115Aが設けられている。
マイクロチップ6の合流部JCTの近傍上流側、および分岐部BFR近傍下流側には、図15に示す圧力センサ130がそれぞれ配置されている。この圧力センサ130は、内部に形成される連結溝134の構成以外は、圧力センサ110とほぼ同様のものである。
圧力センサ130では、流路部131に2本の連結溝134が略平行に並んでおり、これらの連結溝134の間に検出部135が形成されている。
ここで、圧力センサ110の検出部115は、経路FA3,FA6における試料RG1,RG2または試料RG3の圧力に応じて経路FA3,FA6の境界部分で回動する。この検出部115の回動により、検出素子115Aの抵抗値や電圧、周波数などが変化し、この検出素子115Aの信号に基いて経路FA3および経路FA6における試料RGの圧力差を得ることができる。この検出素子115Aの信号は検出回路に所定の駆動周波数において繰り返し送出されている。
また、圧力センサ130においても同様に、経路FA1,FA2間、あるいは経路FA4,FA5間における各試料RGの圧力に応じて検出部135が各経路の境界部分で回動し、検出素子135Aの信号が検出回路で検出されている。
本実施形態では、圧力センサ110,130によって得られた試料RGの差圧に基いて、マイクロチップ6内の流体制御が行われる。この際、圧力センサ110によって得られた経路FA3,FA6間の差圧に基いて、合流部JCTSにおける試料RG1,RG2および試料RG3の圧力が適切に制御されるので、合流部JCTSから先の試料RG1と試料RG2,RG3による相流形成が上手くいく。
また、圧力センサ130によって得られる経路FA1,FA2間あるいは経路FA4,FA5間の差圧に基いて、合流部JCTSにおける合流、あるいは分岐部BFRにおける分岐が所望の状態に制御される。
このような本実施形態によれば、前記各実施形態と略同様の作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。
(18)試料RGの合流部JCTSが圧力センサ110内部に形成され、また合流部JCTや分岐部BFR近傍の複数経路が圧力センサ130内部に形成されていることにより、基板に形成した合流部あるいは分岐部近傍にセンサを配設する場合よりも、合流部JCT,JCTSや分岐部BFRが占める寸法を小さくできる。これにより、面積に制約がある規格化されたマイクロチップを使用する場合でも、複雑かつ微細な流路FAMMを実現できる。
(19)経路FA3,経路FA6間、経路FA1,FA2間、あるいは経路FA4,FA5間の境界部分に、これらの経路を互いに仕切るように検出部115,135が設けられているので、複数の経路における圧力差を検出する場合の経路間のバイパス形成を不要にできる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
本実施形態は、複数経路における流体の圧力差を得るための構成として、第6実施形態における圧力センサ110と置換可能な他の構成の圧力センサを示すものである。
図16は、本実施形態の圧力センサ140を示している。
圧力センサ140は、流路FAにおける合流部JCTSに配置され、流路部141における連結溝144、および検出部145以外は第6実施形態における圧力センサ110の構成と略同様である。
圧力センサ140の流路部141には、平面視Y字状の連結溝144が形成されている。この連結溝144の二股部分である経路FA3,FA6が合わさる二股の根元部分、すなわち連結溝144の内側側面には、矩形平板状の検出部145の短辺端面側が取り付けられている。そして、検出部145の一方の板面が経路FA3における試料RG1,RG2に接触し、他方の板面が経路FA6における試料RG3に接触するように設けられている。連結溝144に取り付けられている検出部145の基端部には、歪ゲージ、ピエゾ素子、振動子などの検出素子145Aが設けられている。
この検出部145は、経路FA3,FA6における試料RG1,RG2または試料RG3の圧力に応じて先端部が回動する。この検出部145の回動により生じた検出素子145Aの抵抗や電圧、周波数などの変化が検出回路で検出されている。
本実施形態によれば、前述の実施形態による作用効果に加えて、次の効果を奏する。
(20)複数の経路FA3,FA6の試料RG1,2および試料RG3が合わさる合流部JCTSでこれらの試料RG1,RG2,RG3の圧力差を直接検出できるので、合流部JCTSの前段や後段で各試料RGの圧力を検出する場合と比べて、合流操作をより適切に実施できる。
<本発明の変形例>
本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形や改良をも含むものである。
前述の第4実施形態において、圧力センサ80を検出回路に接続するために、結線用パターンCP1〜CP6が基板42に直接形成されていたが、これに限らず、図17に示すようなコネクタCN1〜CN3をマイクロチップの基板上に接着し、圧力センサ80をこれらのコネクタCN1〜CN3に着脱可能に結線することも可能である。このようなコネクタを使用することで、マイクロチップの交換や回路に接続したいセンサの選択が容易となる。
また、これらの結線用パターンを別途形成したシートを貼り付けてもよい。
前記実施形態では、導入口および排出口は、流路が形成された基板の板平面方向と交差する方向に開口していたが、これに限らず、例えば、流路が形成された板面にほぼ沿う方向で基板の端面側に開口していてもよい。
さらに、複数の基板を貫通するとともに溝に連通するセンサ配設用の孔を形成する場合、前述の実施形態では、この孔に流路が一体化されたセンサを配設していたが、これに限らず、マイクロチップの基板に形成された溝の側面に連通するように孔を形成した場合は、この孔に第1実施形態における圧力センサ80と同様のものをダイアフラムが溝に対向する向きで配設することも考えられる。
流路の形状も前記各実施形態には限られず、例えば、三股状に合流または分岐するもの、あるいは、4つ以上の支分流によって合流、分岐するものでも構わない。すなわち、前記各実施形態における流体の混合流や相流の状態はあくまで例示であって、2種類以上の試料を混合したり、3層以上の相流とするものでもよい。また、相流ではない単一の流れを有する流体を分岐部において分岐させても構わない。
また、溝の断面形状は前記各実施形態のような半円形状に限らず、矩形状やV字形状、U字形状、台形状であってもよい。
そして、第1実施形態などでは孔20の形状は平面視正方形であったが、この正方形の四隅部分に連結する小孔をそれぞれ穿孔して、正方形四隅のアールを排除することにより、立方体形状の圧力センサ80を容易かつ確実に配設できる。なお、センサが配設される孔の形状は、このような平面視正方形状に限らず、円形状やその他の形状であっても勿論よい。
またさらに、前述の実施形態では、ダイアフラム81はシリコンにより形成されていたが、ダイアフラム81の構成はこれに限定されない。ダイアフラムの材料には、シリコンなどの金属材料のほか、水晶やSiO、SiNなどの絶縁材料を使用できる。検出方法には、歪ゲージやピエゾ素子の抵抗や電圧変化を検出する、または振動子の周波数変化を検出することもできる。
本発明は、マイクロチップ内部の微小空間における流体の高効率反応に関する分析、合成の分野で利用できる。
本発明の第1実施形態におけるマイクロチップの分解斜視図。 前記実施形態におけるマイクロチップの平面図。 前記実施形態におけるマイクロチップの断面図。 本発明の第2実施形態におけるマイクロチップの斜視図。 前記実施形態におけるセンサの斜視図。 本発明の第3実施形態におけるマイクロチップの分解斜視図。 前記実施形態におけるマイクロチップの断面図。 本発明の第4実施形態におけるマイクロチップの平面図。 前記実施形態における流路における試料の流れを説明する図。 前記実施形態における制御装置のブロック図。 本発明の第5実施形態におけるマイクロチップの平面図。 本発明の第6実施形態におけるマイクロチップの平面図。 前記実施形態におけるセンサの分解斜視図。 図13のXIV−XIV線矢視図。 前記実施形態におけるセンサの部分平面図。 本発明の第7実施形態におけるセンサの部分平面図。 本発明の変形例におけるマイクロチップの平面図。 従来例における模式図。
符号の説明
1,2,3,4,5,6・・・ マイクロチップ
11,12,21,31,32,33,41,42,51,52・・・基板
14,44,54,321,322・・・ 溝
20,30・・・ 孔
25,35・・・ 貫通孔
80,90,100,110,130・・・ 圧力センサ
91,131・・・ 流路部
92・・・ センサ部(本体)
94,114,124,134・・・ 連結溝
111・・・ センサ部
112・・・ ブロック(蓋部)
115,125,135・・・ 検出部
121,122,128・・・ 導入口
125,126・・・ 排出口
135・・・ 検出部(センサ部本体を構成する)
200・・・ 検出回路(制御装置)
BFR・・・ 分岐部
FA,FAM,FAMM・・・ 流路
FA1,FA2,FA3,FA4,FA5,FA6・・・経路
JCT,JCTS・・・ 合流部
RG,RG1,RG2,RG3・・・ 試料(流体)

Claims (11)

  1. 互いに重ねられる複数の基板を備え、これらの基板のうち互いに重ねられる一方の基板の板面と他方の基板の板面から窪んで形成される溝とから流路が構成されたマイクロチップを有し
    前記一方の基板には、前記流路における流体の状態を検出するセンサを配設するために、前記溝の開口に向かって貫通し、かつ、平面的に見た際に前記流路の幅方向における前記溝の寸法よりも大きい孔が形成され、前記孔に前記センサが組み込まれ、前記センサの前記流路に面する面が前記一方の基板の板面と面一となることを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  2. 請求項1に記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記孔が形成される基板の厚さは、前記孔に配設された状態の前記センサの高さよりも大きいことを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  3. 請求項1または請求項2に記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記基板には、前記流体を前記流路に導入する複数の導入口と、前記流路から前記流体を排出する排出口とが前記溝と連通するようにそれぞれ形成され、
    前記流路は、前記複数の導入口から前記流体が複数の経路に沿ってそれぞれ流入する合流部を有し、
    前記孔は、前記流路において前記導入口と前記合流部との間に設けられている
    ことを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記基板には、前記流体を前記流路に導入する導入口と、前記流路から前記流体を排出する複数の排出口とが前記溝と連通するようにそれぞれ形成され、
    前記流路は、前記流体が前記複数の排出口へと複数の経路に分かれて流れる分岐部を有し、
    前記孔は、前記流路において前記分岐部と前記排出口との間に設けられていることを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記センサは、前記流体の圧力を検出する圧力センサである
    ことを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  6. 請求項5に記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記圧力センサは、前記流路における複数の経路にそれぞれ配置され流体の圧力差を検出していることを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  7. 互いに重ねられる複数の基板を備え、これらの基板のうち互いに重ねられる一方の基板の板面と他方の基板の板面から窪んで形成される溝とから流路が構成されたマイクロチップを有し
    前記互いに重ねられた複数の基板を貫通した貫通孔に、前記溝と連結して前記流路を構成する流路ピースが配設され、
    前記流路ピースは、前記溝と連結する連結溝に設けられたセンサ部と、このセンサ部の前記連結溝が形成された側に重ねられる板部材とを有し、
    前記センサ部には、前記連結溝の内部に配置され流体の状態を検出するセンサ部本体が設けられていることを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  8. 請求項7に記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記流路は、前記流体がそれぞれ流入する合流部、および/または、前記流体が分かれて流れる分岐部を有し、
    前記合流部および/または前記分岐部は、前記連結溝により構成され、
    前記センサ部本体は、前記合流部近傍および/または前記分岐部近傍に配置されていることを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  9. 請求項7または請求項8に記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記センサ部には、前記連結溝により構成される複数の経路が並んで延びており、
    前記センサ部本体は、前記流体の圧力差を検出する検出部を有し、
    この検出部は、前記複数の経路同士の境界部分に、かつこの境界部分両側の流体のいずれにも接触するように設けられていることを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  10. 請求項7から請求項9のいずれかに記載のセンサ一体型マイクロチップにおいて、
    前記センサ部には、前記連結溝により構成される前記複数の経路が互いに異なる方向から延びて合流しており、
    前記センサ部本体は、前記流体の圧力差を検出する検出部を有し、
    この検出部は、前記複数の経路の流体が合わさる部分に、かつこれらの流体のいずれにも接触するように設けられていることを特徴とするセンサ一体型マイクロチップ
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載のセンサ一体型マイクロチップと、
    前記センサまたは前記センサ部により検出された流体の状態量についてフィードバック制御する制御装置とを備えたことを特徴とするマイクロチップシステム。
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