JP4620958B2 - 印鑑 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮加工した木材を使用する印鑑に関するもので、切削性及び堅牢性に優れ、更には木材独特の質感・高級感と意匠性に富んだ印鑑を提供するものである。
印鑑に使用される材料である印材としては、古くから象牙や水牛及び羊の角などの動物由来印材、柘植や黒檀、樺などの木製印材、人工象牙、プラスチック、水晶などが広く知られている。
これらのうち動物由来印材については、堅牢性及び高級感から古くから使用されてきたが、動物保護の観点から現在は利用が制限されている。
また、人工象牙、プラスチック、水晶などは堅牢性の点では優れているが、質感、特に高級感が劣るため一般的にはあまり普及しておらず、更には落下させた場合に割れが発生しやすい、人工象牙やプラスチックなどは朱肉の溶剤によって変質しやすいなどの欠点を有している。
木製印材としては、黒檀や柘植があり、この他にも、樺などを樹脂とともに圧縮加工したいわゆる彩華と呼ばれる印材もある。
これらのうち、黒檀は木材の中でも密で堅い性質を有しており、印材として優れてはいるが、その殆どが外国からの輸入であり、また木自体の成長性が遅いために材料の供給性に難がある。
また、柘植は古くから使われ続けてきた最も一般的な印材だが、水や朱肉中に含まれる油成分によって印材自体の変質が発生しやすく堅牢性に乏しいという欠点を有している。また、水分による変質を防ぐため、印面以外の部分に樹脂コーティングが施されているものが多いが、そのことによって木の質感が失われてしまうという問題もある。
彩華については、柘植が有する欠点の強度や水分に対する耐膨張の点において改善が施されているが、切削中に度々欠損が生じるという難点や、朱肉の油成分や紫外線などによって変質して強度が低下するなどの問題がある。これら諸問題の原因としては定かではないが、木材と樹脂間の硬度の不均一化や朱肉の溶剤成分による樹脂の変質と考えられる。また、木質感の喪失や、樹脂使用による廃棄後の環境負荷が発生するなどの問題も含んでいる。
上記のような一般的に流通している印鑑のほかに、利用度の低い柞の木を樹脂加工した印材(例えば、特許文献1参照)があるが、彩華の材料を置換したに過ぎず前述の問題解決には至っていない。
また、有機多孔質合成樹脂と有機天然繊維の粉末からなる印鑑(例えば、特許文献2参照)があるが、これらは印鑑としての物理的性質は満足するものであるかもしれないが、もはや材質由来の質感は失われており、意匠性にも乏しい。また、硬化剤として樹脂を使用しているために、廃棄後の残存成分の問題を有している。
本発明に用いられる木材の圧縮方法の一例として、高温高圧条件下の水蒸気雰囲気中で圧縮加工した木材(例えば、特許公報3参照)があるが、圧縮後の最大となる比重が0.9までであり、その条件下で作製された印材では強度が不足する。
特開昭55−9886(特許請求の範囲、実施例) 特開平6−206366(特許請求の範囲、実施例) 特開平8−224709(特許請求の範囲、表1)
わが国における木材自給率は、昭和30年当時で94.5%であったが年々減少を続け、2001年現在では18.4%と諸外国には見られないほどの低い水準である。
一方で、杉などの植林材は人手不足や輸入材木との価格差などから、使用されることは少なく、特に間伐材についてはその大部分が産業上利用されずに廃棄されているのが現状である。
確かに、価格面では輸入材を使用することにメリットはあるが、輸出国においても昨今は、資源確保・環境保護の観点から伐採を制限する傾向にあり、将来的に安定供給が約束されたものではない。
上記に挙げた杉などの木材が利用されない理由としては、価格面もさることながら、安定供給の点において問題が多いことにもある。
本発明では、従来用いられることの少なかった針葉樹材のような早材部と晩材部との密度差の大きな材や比重の低い木材(比重:0.4以下)を使用し、木材の質感を維持しつつ、諸性質に優れた印鑑を提供することを目的とする。
前記課題に鑑み、本発明に係る印鑑は、木材の半径方向に圧縮した木材を使用したことを特徴とする。
本発明に使用される木材は特に限定されないが、広く一般的に利用されている木材が使用できる。例えば、杉、檜、松、栂などの針葉樹、一部の比重の小さな広葉樹などが挙げられ、これらを所定の条件下で圧縮することによって優れた印鑑を得ることができる。
木材を圧縮する理由としては、以下のことが挙げられる。
従来印材として用いられてきた柘植、黒檀などは成長性が低いため、一定以上の堅さを有し、特別な加工を施さなくとも、印鑑としてある程度の品質を得ることができた。
しかしながら、木材を原料とした印鑑は、一般的に空気中の水分や朱肉中の油成分によって、膨潤などが発生し印影の経時的変化や欠損が発生することがあり、これらの問題点から実印や銀行印などにはあまり用いられることが無かった。
逆に杉に代表される比重の軽い木材は、圧縮などの加工を施さない限りにおいては、強度が著しく低く、また木材中の密度の不均一性に由来する切削性の悪さから印材としては到底利用できない。
しかしながら、本発明中に示される一定の圧縮条件まで圧縮することで、切削性が向上し、強度の不均一性が解消され、堅牢性が高く高級感に富んだ印鑑を提供することができる。
木材を半径方向に圧縮加工することにより、疎の部分の密度が向上し、密の部分との強度差が解消される。圧縮率が十分であれば、従来の柘植や黒檀などと比較しても、全体的のみならず極小的な不均一性が解消され、切削性や堅さが向上し、更には水分や朱肉成分に対する耐性も増す。また、圧縮後の木材表面を研磨することで、艶が生じ、高級感が醸し出される。この理由は定かではないが、圧縮によって成分的な変化が発生していると考えられる。
木材の圧縮は、半径方向に行う必要がある。ここで、木材を「半径方向」に圧縮するというのは、木材の年輪間の間隔がもとの木材より短くなるように圧縮することをいう。半径に対し垂直方向で圧縮した場合、圧縮中に割れが生じたり、圧縮力の分散が発生して均一な性質とならないからである。
なお、木材の圧縮後の比重は1.25以上であることが望ましい。ここで、1.25未満の場合には、圧縮による諸性能の向上は十分に発揮されないことがある。一方、1.25以上であれば本発明中の課題は問題なく解決できる。さらに、1.3以上であればなお好適である。
また、印面の表面硬度は、タイプDのデュロメータで測定した場合80以上であることが望ましい。このとき、木材の圧縮後の比重が1.25以上であることがさらに望ましい。
表面硬度は印面の堅牢性を示す重要な指標である。硬度と堅牢性はおおよそ比例関係にあり、表面硬度が高い印材は比較的印鑑としての堅牢性に優れている。
比重もまた堅牢性と関連するが、高級感を与える意味でも重要である。従来の木製印鑑は高級品である象牙に比較して比重が低いため、高級感に劣るが、圧縮木材の印鑑は比重が従来の木製印鑑よりも高くすることが可能なため、高級感を付与することができる。
本発明に用いられる材木は、針葉樹、広葉樹の区別なく利用できるが、全般的に針葉樹のほうが季節間における年輪の差が大きいため、圧縮後の木目調が強調され意匠性が高い。
以上のように本発明によれば、切削性、堅牢性、質感に優れ、且つ比較的安価な印鑑を提供することができる。
以下に本発明の1の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(木材20の圧縮加工)
印鑑30の原料となる木材20は、圧縮後に必要となる印材25の大きさに応じて原木10を切り出す。このとき、図1に示すように、原木10の中心部11及び節の部分は避ける。また、図2に示すように、4つある側面のうち2面に柾目が現れ、残りの2面に板目が現れるいわゆる「二方柾」の状態に切り出すこととする。以下、このように切り出された木材20について、一方の柾目面21からもう一方の柾目面21へ向かう方向を「接線方向」と称し、一方の板目面22からもう一方の板目面22へ向かう方向を「半径方向」と称する。
切り出した木材20は耐圧容器中に設置し、約5〜20分間減圧処理を行う。この減圧処理が終了後、直ちに当該容器中を約80〜150℃の水蒸気雰囲気とし、この状態を約5〜30分間保持する。
次に、木材20をその半径方向に押圧具50を用いて圧縮する。このとき、圧縮を施すと接線方向に木材20が拡張するので、図3に示すように、拘束具50を用いて接線方向に対して拘束措置を施す。この拘束具50の間隔は、木材20の幅(柾目面21間の距離)に対し若干の間隙を生ずるような距離とすることが望ましい。たとえば、木材20の幅が5cmだとしたら、拘束具50の間隔は5.2cm程度とすることが望ましい。このように圧縮することで、年輪13間の間隔が短くなる。
所望の圧縮率に到達するまで圧縮したらその状態を保持したまま、約170〜200℃の水蒸気雰囲気まで昇温し、その温度状態を約5〜30分間維持する。
その後、容器内に注水して冷却し、木材20を取り出して印材25として適切な含水率となるように乾燥させる。このとき、割れの生じるおそれがあるので、強制乾燥は行わず。室温放置により乾燥する。
(印鑑30の製造)
上記工程を経て十分に乾燥した圧縮木材20を、図4に示すように、印鑑30としての所望形状の印材25に切り出す。その後、この印材25の表面を研磨し、木口面23を印面31として彫刻する工程を経て図5に示すような印鑑30として完成される。
以下、実施例と比較例とにより本発明を説明する。なお、以下の実施例及び比較例に示される「高さ」とは、芯部材を含まず、年輪が辺に対して平行となる「二方柾」の状態に木取りした木材の木表から木裏方向間の距離を示し、「長さ」は末口と元口方向間の距離、「幅」は長さに直角となる辺の距離を示す。
(実施例1)
高さ12cm、長さ10cm、幅6cmに切断した檜(比重0.41)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を90℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/3.1まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して20分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(実施例2)
高さ12cm、長さ10cm、幅6cmに切断した唐松(比重0.53)を耐圧容器に設置し、室温で15分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を110℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/2.5まで圧縮した。更にその状態で190℃まで昇温して15分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(実施例3)
高さ18cm、長さ10cm、幅6cmに切断した桐(気乾比重0.29)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を90℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/4.5まで圧縮した。更にその状態で190℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(実施例4)
高さ15cm、長さ10cm、幅6cmに切断した杉(気乾比重0.38)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を120℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/3.3まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(実施例5)
高さ15cm、長さ10cm、幅6cmに切断した杉(気乾比重0.38)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を120℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/3.5まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
比較
高さ15cm、長さ10cm、幅6cmに切断した杉(気乾比重0.38)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を120℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/3.1まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
比較10
高さ12cm、長さ10cm、幅6cmに切断した唐松(比重0.53)を耐圧容器に設置し、室温で15分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を110℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/2.5まで圧縮した。更にその状態で190℃まで昇温して15分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(比較例1)
高さ10cm、長さ10cm、幅10cmに切断した杉(気乾比重0.38)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を120℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に対して直角に力を加え、圧縮加工し、乾燥させたものを印材とした。
(比較例2)
高さ15cm、長さ10cm、幅6cmに「四方柾」状態で切断した杉(気乾比重0.38)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を120℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に対して約45度方向となるように力を加え、約1/3.3まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(比較例3)
高さ12cm、長さ10cm、幅6cmに切断した檜(比重0.41)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を90℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/2.6まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して20分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(比較例4)
高さ12cm、長さ10cm、幅6cmに切断した唐松(比重0.53)を耐圧容器に設置し、室温で15分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を110℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/2.1まで圧縮した。更にその状態で190℃まで昇温して15分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(比較例5)
高さ18cm、長さ10cm、幅6cmに切断した桐(比重0.29)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を90℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/3.7まで圧縮した。更にその状態で190℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(比較例6)
高さ15cm、長さ10cm、幅6cmに切断した杉(比重0.38)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を120℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/2.6まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(比較例7)
高さ15cm、長さ10cm、幅6cmに切断した杉(気乾比重0.38)を耐圧容器に設置し、室温で10分間真空状態とした。その後、耐圧容器内を120℃の水蒸気雰囲気として15分間保持し、次いで年輪の半径方向に力を加え、約1/2.1まで圧縮した。更にその状態で180℃まで昇温して10分間保持し、その後冷却して取り出し、乾燥させたものを印材とした。
(印鑑の作成)
上記実施例1〜5並びに比較例2〜7、9及び10で得られた圧縮木材を、室温状態で3ヶ月放置し、十分に乾燥させた後、切断し直径20mm、長さ60mmである円柱状の印材を作製し、印面に「永江印祥堂」と彫刻した印鑑を作成した。なお、比較例1については、年輪間の裂開が発生し、印材とすることはできなかった。
また、比較例8の彩華については、印材から上記条件で印鑑を作成した。
上記実施例及び比較例で作製した印鑑の気乾比重、表面硬度については下記方法により測定した。
得られた各印鑑の測定値については、下記表1及び表2に示す。
<比重>
得られた印鑑を25℃、湿度55%の雰囲気中に静置して平衡含水状態とし、その(重量)/(体積)によって求めた。
<表面硬度>
上記条件で平衡含水率に達した印鑑の彫刻前の印面において、タイプDのデュロメータを用いて得られた(針深度)/(針の全長)×100により求めた。
得られた各印鑑の性能を下記手法と基準によって評価した。得られた結果については下記表1に示す。
(切削性)
印面に「永江印祥堂」と彫刻する際の割れや欠けの発生状態を下記評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:割れや欠けが全く発生しない。
○:欠けや割れが時として発生することはあるが、生産上の問題はない。
△:欠けや割れが度々発生し、生産上に問題が生じる。
×:割れや欠けが多発し生産は不可能
(耐水分膨潤性)
得られた各印鑑を60℃、湿度90%条件下で48時間保存し、前後の膨潤状態を印影から判断した。
<評価基準>
◎:印影に変化が全く認められない。
○:印影に僅かな変化は認められるが、使用上の問題はない。
△:届け出印として、許容範囲外の印影変化が認められる。
×:印影の変化が著しく印鑑として不適。
(耐朱肉膨潤性)
得られた各印鑑の印面部を、朱肉補充液(HSS−S40:三菱鉛筆社製)に浸漬し、0℃−50℃の12時間サイクル条件下で合計120時間放置して、前後の印面と印影の変化を評価した。
<評価基準>
◎:印影・印面ともに変化が全く認められない。
○:印面に微小なひびなどが見られるが、印影には殆ど影響が認められない。
△:届け出印として、許容範囲外の印影変化が認められる。
×:印影の変化が著しく印鑑として不適。
(質感の判定)
得られた印鑑の質感をそれぞれ下記の基準で、木材印鑑の中では高級材である黒檀との相対評価をした。
<評価基準>
◎:木材の風合い、高級感、年輪に由来する意匠性がともに優れているか同程度。
○:上記のうち1つの項目が劣る。
△:上記のうち2つの項目が劣る。
×:上記の項目のうち3つの項目とも劣る。
(コスト)
印鑑としてのコストを最も普遍的な木材印鑑である柘植と比較した。
<評価基準>
◎:柘植と同程度か低い
○:柘植の1.2倍以内
△:柘植の1.2倍より大で1.5倍以下
×:柘植の1.5倍より大
Figure 0004620958
なお、上記表1中、圧縮の方向が本発明と90°異なる比較例1については、木材の圧縮中に破損が生じたため、各項目の評価が不可能であった。また、圧縮の方向が本発明と45どことなる比較例2については、印面の作成が不可能であったため、「切削性」の他の項目は評価が不可能であった。
上記表1から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜は、本発明の対象外となる比較例1〜8と比較して全ての項目にわたって同等か若しくは優れた性能を有していることが判明した。
具体的には、圧縮の方向が本発明とは異なる比較例1及び2については、印材を得ること自体が不可能か、又は印材としての用をなさないという結果となった。また、比重が1.25未満で、かつ、デュロ硬さが80以下であった比較例3から7は、印鑑として仕上げることは可能であるが、切削性や耐久性の点で問題を有していた。また、比較例8の彩華は、耐水分膨潤性は良好だが、その他の項目で本発明の印鑑に劣る結果となった。
これに対し、比重は1.25未満であるもののデュロ硬さは80以上である比較においては、比較例1〜8のような、問題のある項目は見られず、印材として比較例1〜8より優れていることが判明した。また、デュロ硬さは80未満であるものの比重は1.25以上であった比較10においても、比較例1〜8のような、問題のある項目は見られず、印材として比較例1〜8より優れていることが判明した。さらに、比重が1.25以上で、かつ、デュロ硬さが80以上であった実施例1〜5は、比較例1〜8はもちろん、比較及び10よりも評価の優れた項目が多く見られ、総合的に印材としてより優れていることが判明した。
本発明の1の実施の形態における印鑑の製造工程を模式的に示したものである。 本発明の1の実施の形態における印鑑の製造工程を模式的に示したものである 本発明の1の実施の形態における印鑑の製造工程を模式的に示したものである 本発明の1の実施の形態における印鑑の製造工程を模式的に示したものである 本発明の1の実施の形態における印鑑の製造工程を模式的に示したものである
符号の説明
10 原木 11 中心部
13 年輪
20 木材 21 柾目面
22 板目面 23 木口面
25 印材
30 印鑑 31 印面
40 押圧具 50 拘束具

Claims (2)

  1. 原木を二方柾の状態に切り出した木材を半径方向に圧縮することによってその比重を1.25以上かつタイプDのデュロメータで測定される印面の表面硬度を80以上とした木材を使用したことを特徴とする印鑑。
  2. 前記圧縮される木材は比重0.53以下であることを特徴とする請求項1記載の印鑑。
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