JP4619143B2 - ブレーキ付きクラッチ装置 - Google Patents

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本発明は、回転軸とドライブハウジングとの連動又は解除を図るクラッチ作用と、前記連動の解除後にドライブハウジングに制動をかけるブレーキ作用とを備えたブレーキ付きクラッチ装置に関する。
ブレーキ付きクラッチ装置は、回転軸の回転数に応じて回転軸と従動軸やドライブハウジング等との接続又は解除を切り替えるクラッチ作用のみならず、回転軸と従動軸やドライブハウジング等との接続解除直後に前記従動軸やドライブハウジング等を積極的に制動するブレーキ作用を兼ね備える。例えば、特許文献1に見られるブレーキ付きクラッチ装置は、回転軸の回転により半径方向に移動するウェイトによって、回転軸に固着したサイドプレートに対してスライドプーリーを接近又は離反させ、前記スライドプーリーに従ってクラッチディスク部を回転軸方向に移動させることにより、このクラッチディスク部に連動するブレーキディスク部又はクラッチディスク部のいずれかを、従動軸に連結した従動ディスクに圧接するクラッチ作用及びブレーキ作用を実現している。
特許文献1のブレーキ付きクラッチ装置におけるクラッチ作用は、回転軸が第1の所定回転数を超えると、ウェイトが遠心力により半径方向外側へ移動し、センタースプリングに抗してスライドプーリーをサイドプレートから離反させ、このスライドプーリーに従うクラッチディスク部により、コイルスプリング等の弾性体に抗してブレーキディスク部を押して従動ディスクから離反させるとともに、クラッチディスク部を従動ディスクに圧接して回転軸と従動ディスクとを接続し、実現する。
特許文献1のブレーキ付きクラッチ装置におけるブレーキ作用は、回転軸が第2の所定回転数を下回ると、ウェイトが遠心力を失うためにスライドプーリーがサイドプレートに接近可能となり、センタースプリングの復元力によりクラッチディスク部が従動ディスクから離反して回転軸と従動ディスクとの接続を解除すると共に、前記クラッチディスク部の復帰によりブレーキディスク部の押圧がなくなり、コイルスプリング等の弾性体の復元力によりブレーキディスク部を従動ディスクに圧接させることで、実現する。
特開2004-150565号公報
特許文献1に見られるブレーキ付きクラッチ装置は、上述の通り、クラッチ作用及びブレーキ作用の切換えを、遠心力により半径方向に移動するウェイトを利用したスライドプーリーの押圧力とセンタースプリング及びコイルスプリング等の弾性体との復元力との大小関係により実現している。ここで、ウェイトを挟むサイドプレート及びスライドプーリーは前記ウェイトの移動により摩耗したり、センタースプリングやコイルスプリング等の弾性体は破損する可能性がある。この場合、もはやクラッチ作用又はブレーキ作用が失われる問題がある。
また、センタースプリングやコイルスプリング等の弾性体が破損しなくても、劣化することが考えられるが、この場合でもクラッチ作用又はブレーキ作用が十分に発揮されなくなる問題がある。すなわち、センタースプリングやコイルスプリング等の弾性体の劣化のため、遠心力により半径方向に移動するウェイトを利用したスライドプーリーの押圧力とセンタースプリング及びコイルスプリング等の弾性体との復元力との大小関係が崩れると、設計通りのクラッチ作用又はブレーキ作用が損なわれる問題がある。そこで、構成部材の破損や劣化に伴うクラッチ作用又はブレーキ作用の性能低下又は性能喪失を招くことなく、安定かつ確実なクラッチ作用及びブレーキ作用を維持できるブレーキ付きクラッチ装置を目的として、検討した。
検討の結果、開発したものが、取付本体から突出する回転軸に固着するシューハウジングと、回転軸方向に位置固定でシューハウジングに外嵌するクラッチハウジングと、回転数の上がったシューハウジングにクラッチハウジングを連れ回りさせるクラッチ手段と、回転軸方向に変位自在でクラッチハウジングに外嵌するドライブハウジングと、回転数の上がったクラッチハウジングにドライブハウジングを連れ回りさせる連動カム手段と、回転数の落ちたドライブハウジングを制動させるブレーキ手段とからなり、クラッチ手段はシューハウジングが保持するクラッチシューからなり、このクラッチシューは半径方向に進退自在で、回転数の上がったシューハウジングから半径方向外側へ進出したクラッチシューをクラッチハウジングの内周面に圧接させてこのクラッチハウジングをシューハウジングに連れ回りさせ、連動カム手段は回転方向に傾斜したカム溝と、このカム溝に沿って移動する係合体とからなり、カム溝及び係合体の一方をクラッチハウジングの外周面に設け、残る他方をドライブハウジングの内周面に設けてなり、ブレーキ手段は取付本体に固着した制動部と、ドライブハウジングに設けた圧接部とからなり、この圧接部を前記ドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って制動部に圧接又は離反するブレーキ付きクラッチ装置である。回転動力は、回転軸からシューハウジング、クラッチハウジング、そしてドライブハウジングへ伝達され、ドライブハウジングを回転軸と同じ回転方向に回転させる。例えば草刈機では、前記ドライブハウジングにブレードを装着するので、ブレードは回転軸と同じ回転方向に回転する。
本発明のブレーキ付きクラッチ装置は、クラッチ手段によりクラッチハウジングがシューハウジングと接続してドライブハウジングに先んじて連れ回りを始めると、連動カム手段によりドライブハウジングがクラッチハウジングと接続して連れ回りを始めると共に回転軸方向に変位して圧接部を制動部から離反する。この場合の連動カム手段は、カム溝に沿って移動した係合体をカム溝前端又はカム溝後端に係合させてドライブハウジングをクラッチハウジングに接続し、前記係合体が移動したカム溝の高低差に応じてドライブハウジングを回転軸方向に変位させる。
また、クラッチ手段によりクラッチハウジングがシューハウジングとの接続を解除してドライブハウジングに遅れ始めると、連動カム手段によりドライブハウジングがクラッチハウジングとの接続を解除すると共に回転軸方向に変位して、圧接部を制動部から圧接させて制動を受ける。この場合の連動カム手段は、カム溝に沿って移動した係合体をカム溝前端又はカム溝後端から離反させてドライブハウジングをクラッチハウジングから接続解除させ、前記係合体が移動したカム溝の高低差に応じてドライブハウジングを回転軸方向に変位させる。
このように、本発明はクラッチハウジングとドライブハウジングとの速度差を利用して傾斜したカム溝に沿って係合体を移動させる連動カム手段により、クラッチハウジング及びドライブハウジングの接続と、ドライブハウジングの回転軸方向の変位による制動部に対する圧接部の離反とを同時に実行し、逆にクラッチハウジング及びドライブハウジングの解除と、ドライブハウジングの回転軸方向の変位による制動部に対する圧接部の圧接とを同時に実行することを特徴とする。この連動カム手段の働きは、連動カム手段の個数に依存しないが、連動カム手段は回転軸方向に変位するドライブハウジングをクラッチハウジングに対して支持する役割を担っていることから、ドライブハウジングを回転方向に安定して変位させるため、連動カム手段は周方向に均等間隔で2個以上、好ましくは周方向に均等間隔で3個以上設けることが望ましい。
カム溝の傾斜角は、カム溝に沿った係合体の移動を円滑にするため、あまり急勾配でないことが望ましい。しかし、カム溝の傾斜角は、係合体が移動したカム溝の高低差を決定するため、あまり緩勾配にすると係合体の移動量に比べて必要な高低差を確保できなくなる。これから、カム溝の傾斜角は1度〜15度、好ましくは3度〜10度にするとよい。これに対し、カム溝の周方向長さはあまり制約がなく、係合体が実際に移動する周方向長さより長ければよい。しかし、上述のように複数のカム溝を設ける場合、各カム溝の周方向長さが各カム溝の周方向間隔より長くなると、カム溝を設けるクラッチハウジング又はドライブハウジングの構造強度が低下する虞れがある。この場合、カム溝の周方向長さはカム溝の周方向間隔より短くするとよい。
また、ドライブハウジングを回転方向に安定して変位させるため、ドライブハウジングは、回転軸、シューハウジング又はクラッチハウジングとの間に、このドライブハウジングの回転方向及び回転軸方向に転動する変位補助ボールを、ドライブハウジングを2方向に支持するベアリングとして介装するとよい。ドライブハウジングと回転軸、シューハウジング又はクラッチハウジングとの間に介装した変位補助ボールは、ドライブハウジングの回転方向及び回転軸方向に転動することから、回転しながら回転軸方向に変位するドライブハウジングを安定して支持できる。これにより、連動カム手段によるクラッチハウジングに対するドライブハウジングの連れ回りや、ドライブハウジングが回転軸方向に変位することによる制動部に対する圧接部の圧接が安定かつ確実となり、とりわけ回転するドライブハウジングを円滑に制動できる。
ここで、草刈り等にブレーキ付きクラッチ装置を用いた場合、草刈り用のブレードを装着したドライブハウジングを迅速に制動させることが望ましいので、ドライブハウジングは、カム溝に沿って移動した係合体が前記カム溝前端又はカム溝後端から離れた際にこのドライブハウジングを失速させる抵抗手段を設けておくとよい。前記抵抗手段としては、ドライブハウジングの外周面又は内周面に圧接する制動パッドを例示できる。前記制動パッドは、常時外周面又は内周面に摺接させていても、クラッチハウジングにドライブハウジングが係合している間は、制動パッドの影響を受けることなく、ドライブハウジングを回転させることができる。しかし、クラッチハウジングとドライブハウジングとの係合が解除されると、制動パッドによりドライブハウジングを失速させることができる。
本発明のブレーキ付きクラッチ装置は、クラッチハウジングとドライブハウジングとの速度差に応じて、係合体がカム溝に沿って円滑に移動することが望まれる。これにより、ドライブハウジングは、回転方向及び回転軸方向それぞれに円滑かつ確実に回転又は変位させることができる。こうした具体的な連動カム手段は、回転方向に傾斜した一対のカム溝と、係合体として各カム溝に沿って移動する係合ボールとからなる連動カム手段とし、前記一対のカム溝の一方をクラッチハウジングの外周面、残る他方をドライブハウジングの内周面にそれぞれ設け、両カム溝内に係合ボールを嵌め込んで構成するとよい。
カム溝及び係合ボールからなる上記連動カム手段を用いた場合、係合ボールがクラッチハウジングに対してドライブハウジングを支持するベアリングの働きも有し、ドライブハウジングの回転をも円滑にする。また、ドライブハウジングの変位は、カム溝の勾配によって決まる。例えば回転方向に下り勾配のカム溝であれば、クラッチハウジングにドライブハウジングが連れ回る際、ドライブハウジングは回転軸が突出する取付本体に近づく方向へ変位する。逆に回転方向に上り勾配のカム溝であれば、クラッチハウジングにドライブハウジングが連れ回る際、ドライブハウジングは回転軸が突出する取付本体から遠ざかる方向へ変位する。
カム溝及び係合ボールからなる上記連動カム手段を用いた場合、カム溝が回転方向に下り勾配であれば、クラッチ手段によりクラッチハウジングがシューハウジングと接続してドライブハウジングに先んじて連れ回りを始めると、連動カム手段は両カム溝に沿って移動した係合ボールをクラッチハウジングのカム溝後端とドライブハウジングのカム溝前端とに挟んでそれぞれに係合させ、ドライブハウジングをクラッチハウジングに接続させて連れ回りさせると共に、前記係合ボールが移動したカム溝の高低差に応じてドライブハウジングを回転軸方向に変位させて圧接部を制動部から離反させる。
また、クラッチ手段によりクラッチハウジングがシューハウジングとの接続を解除してドライブハウジングに遅れ始めると、連動カム手段は両カム溝に沿って移動した係合ボールをクラッチハウジングのカム溝後端とドライブハウジングのカム溝前端とから離反させて、ドライブハウジングをクラッチハウジングから接続解除すると共に、前記係合ボールが移動したカム溝の高低差に応じてドライブハウジングを回転軸方向に変位させて圧接部を制動部に圧接させ、ドライブハウジングを制動させる。
上記連動カム手段は、カム溝の一方をクラッチハウジングの外周面に上下2段で設け、前記各カム溝に対となるカム溝の他方をドライブハウジングの内周面に上下2段に設け、前記上下2段の各カム溝内それぞれに係合ボールを1個ずつ嵌め込んだ構成にするとよい。この構成では、クラッチハウジングを挟んで上下にそれぞれ一対のカム溝が設けられ、各カム溝内に嵌め込んだ係合ボールを介して、クラッチハウジングをドライブハウジングで挟み込む格好となり、カム溝に沿った係合ボールの移動を円滑かつ安定にする。
ここで、各カム溝に嵌め込んだ係合ボールはそれぞれ独立して転動するので、周方向に複数設けた各連動カム手段の各係合ボール相互の周方向の間隔や、上下2段のカム溝から構成した上記連動カム手段の各カム溝に嵌まり込む上下の係合ボールの周方向の位置がずれてしまい、最悪カム溝に係合ボールが噛み込んでしまう虞れがある。これから、係合ボールを用いるこの連動カム手段は、係合ボールに係合してこの係合ボールの周方向の位置を保持する位置保持リングを、クラッチハウジングの外周面とドライブハウジングの内周面との間に介装するとよい。位置保持リングによって複数ある係合ボールの位置関係が保持されるので、係合ボールがカム溝に噛み込む虞れをなくすことができる。
このほか、この連動カム手段におけるカム溝も、クラッチハウジングに設けるカム溝の一方はカム溝後端に略水平面を、ドライブハウジングに設けるカム溝の他方はカム溝前端に略水平面をそれぞれ設けるとよい。前記略水平面の働きは、上述したところと同様で、係合ボールをクラッチハウジングのカム溝後端とドライブハウジングのカム溝前端との略水平面で挟むことにより、回転変動による係合ボールの位置ずれをなくし、ドライブハウジングの回転を安定させる。
ドライブハウジングの回転方向及び回転軸方向の回転又は変位が円滑かつ確実にできれば、係合ボールに代えて、カム溝に摺接する係合突部を係合体として用いてもよい。この係合突部を用いた具体的な連動カム手段は、回転方向に傾斜したカム溝と、係合体としてこのカム溝に沿って移動する係合突部とからなり、カム溝及び係合突部の一方をクラッチハウジングの外周面に設け、残る他方をドライブハウジングの内周面に設ける構成を示すことができる。
上記係合突部を用いた連動カム手段における具体的なドライブハウジングの変位は、カム溝の勾配によって決まる。例えば回転方向に下り勾配のカム溝であれば、クラッチハウジングにドライブハウジングが連れ回る際、ドライブハウジングは回転軸が突出する取付本体に近づく方向へ変位する。逆に回転方向に上り勾配のカム溝であれば、クラッチハウジングにドライブハウジングが連れ回る際、ドライブハウジングは回転軸が突出する取付本体から遠ざかる方向へ変位する。また、クラッチハウジングにカム溝を、ドライブハウジングに係合突部を設けた場合、クラッチハウジングにドライブハウジングが連れ回る際、カム溝後端と係合突部が係合する。逆に、クラッチハウジングに係合突部を、ドライブハウジングにカム溝を設けた場合、クラッチハウジングにドライブハウジングが連れ回る際、カム溝前端と係合突部が係合する。
カム溝及び係合突部からなる上記連動カム手段を用いた場合、カム溝が回転方向に下り勾配であれば、クラッチ手段によりクラッチハウジングがシューハウジングと接続してドライブハウジングに先んじて連れ回りを始めると、連動カム手段はカム溝に沿って移動した係合突部をカム溝前端又はカム溝後端に係合させ、ドライブハウジングをクラッチハウジングに接続して連れ回りさせると共に、前記係合突部が移動したカム溝の高低差に応じてドライブハウジングを回転軸方向に変位させて圧接部を制動部から離反させる。
また、クラッチ手段によりクラッチハウジングがシューハウジングとの接続を解除してドライブハウジングに遅れて始めると、連動カム手段はカム溝に沿って移動した係合突部をカム溝前端又はカム溝後端から離反させ、ドライブハウジングをクラッチハウジングから接続解除すると共に、前記係合突部が移動したカム溝の高低差に応じてドライブハウジングを回転軸方向に変位させ、圧接部を制動部に圧接させてドライブハウジングを制動させる。
例えば草刈機の場合、ドライブハウジングに装着するブレードは取付本体から遠ざかる方向(通常鉛直方向)に力(ダウンフォース)を発生させるため、ドライブハウジングを取付本体から遠ざける変位によって圧接部を制動部に圧接する構成が望ましい。この場合、上記連動カム手段では、カム溝を回転方向に下り勾配に傾斜させる。逆に、クラッチハウジングにドライブハウジングを連れ回りさせて前記ドライブハウジングを取付本体から遠ざけて圧接部を制動部から離反させ、クラッチハウジングからドライブハウジングを解放させて前記ドライブハウジングを取付本体に近づけて圧接部を制動部に圧接させる場合、上記連動カム手段におけるカム溝を回転方向に登り勾配で傾斜させる。
上記連動カム手段は、カム溝をクラッチハウジングの外周面に上下2段で設け、前記各カム溝に嵌まり込む上下一対の係合突部をドライブハウジングの内周面に設ける構成にするとよい。この構成では、ドライブハウジングに設けた上下一対の係合突部が、クラッチハウジングに設けた上下2段のカム溝にそれぞれ嵌まり込むことで、クラッチハウジングをドライブハウジングで挟み込む格好となり、カム溝に沿った係合突部の移動を円滑かつ安定させる。
逆に、上記連動カム手段は、係合突部をクラッチハウジングの外周面に上下一対で設け、前記各係合突部を嵌め込む上下2段のカム溝をドライブハウジングの内周面に設ける構成にしてもよい。この構成では、クラッチハウジングに設けた上下一対の係合突部が、ドライブハウジングに設けた上下2段のカム溝にそれぞれ嵌まり込むことで、クラッチハウジングをドライブハウジングで挟み込む格好となり、カム溝に沿った係合突部の移動を円滑かつ安定させる。
このほか、この連動カム手段におけるカム溝は、ドライブハウジングをクラッチハウジングに連れ回りする際に係合突部が係合するカム溝前端又はカム溝後端に略水平面を設けるとよい。係合突部は、係合位置であるカム溝前端又はカム溝後端の略水平面に載ることで、多少の回転変動が生じてもカム溝の傾斜に沿って位置ずれする虞れがなくなり、ドライブハウジングの回転を安定させる。
ブレーキ手段は、制動部に圧接部を圧接できれば、ドライブハウジングに制動を働かせることができる。しかし、ドライブハウジングに設けた圧接部はドライブハウジングと共に回転するので、取付本体に固着して回転しない制動部に対して確実に圧接させるには、圧接部は回転方向に連続する構成が好ましい。すなわち、ブレーキ手段は、原動機本体に固着した環状フランジである制動部と、ドライブハウジングから半径方向外向きに突出し、このドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って前記制動部に圧接又は離反する環状フランジである圧接部とからなる構成や、原動機本体に固着した環状フランジである制動部と、ドライブハウジングから半径方向内向きに突出し、このドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って前記制動部に圧接又は離反する環状フランジである圧接部とからなる構成にするとよい。また、ブレーキ手段は、取付本体に固着した環状フランジである制動部と、ドライブハウジングの端面に設け、このドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って前記制動部に圧接又は離反する環状フランジである圧接部とからなる構成にしてもよい。
ここで、本発明のブレーキ付きクラッチ装置は、クラッチハウジングとドライブハウジングとの速度差を利用して、傾斜したカム溝に沿って係合体、具体的には係合突部又は係合ボールが移動することによりドライブハウジングを回転軸方向に変位させ、前記ドライブハウジングの変位に従って圧接部を制動部に圧接又は離反させる。これから、圧接部と制動部とが圧接又は離反する距離を、少なくとも係合体が移動可能な範囲であるカム溝全体の高低差より短くしておく必要がある。好ましくは、圧接部と制動部とが圧接又は離反する距離を、係合体が移動するカム溝の高低差より短くしておくとよい。すなわち、圧接部が制動部に圧接した段階でカム溝に係合体が移動できる余剰を設けることにより、経年劣化等により、圧接部と制動部とが圧接又は離反する距離が拡大した場合でも、確実に圧接部を制動部に圧接できるようになり、十分なブレーキ作用を維持できるようになる。
このほか、ブレーキ手段は、圧接する圧接部又は制動部の部位いずれか一方又は双方に制動パッドを固着しておくとよい。既述したように、ドライブハウジングに抵抗手段を設けておけば、例えば金属板からなる圧接部と制動部とを圧接させても、十分ドライブハウジングを制動させることができる。しかし、より確実かつ迅速な制動をドライブハウジングに働かせるには、積極的な制動力を発揮する制動パッドを圧接部又は制動部のいずれか一方又は双方に固着することが望ましい。
本発明は、ブレーキ作用にスプリング等の弾性体を用いず、クラッチシューからなるクラッチ手段と、クラッチハウジングとドライブハウジングとの速度差を利用してドライブハウジングを回転軸方向に変位させる連動カム手段とを用いることにより、クラッチ作用及びブレーキ作用の性能低下又は性能喪失を招かないブレーキ付きクラッチ装置を提供できる効果がある。本発明における連動カム手段は、カム溝に係合体、例えば係合突部又は係合ボールを嵌め込む構成であり、経年劣化によりカム溝に沿った前記係合体の移動が阻害される虞れが少ない。また、ドライブハウジングが回転する際にはカム溝前端又はカム溝後端に係合体が係合し、ドライブハウジングが制動する際には圧接部が制動部に圧接する等、クラッチ作用又はブレーキ作用は機械的な係合又は圧接により発揮されるため、特許文献1のように、スライドプーリーの押圧力とスプリング等の弾性体の復元力との大小関係を問題にすることなく、回転軸からドライブハウジングへの確実な回転動力の伝達や、ドライブハウジングの確実な制動を実現できる。
以下、本発明の実施形態について草刈機での利用を挙げ、図を参照しながら説明する。図1はカム溝51,52,53,54及び係合ボール55,56からなる連動カム手段5を用いた本発明のブレーキ付きクラッチ装置を表す断面図、図2はシューハウジング3とドライブハウジング4との間に介装させた変位補助ボール41の位置関係を表す部分断面図、図3はクラッチハウジング3及びドライブハウジング4の分解斜視図、図4はドライブハウジング4回転前のカム溝51,52,53,54及び係合ボール55,56の位置関係を表す部分断面図、図5はドライブハウジング4回転前の圧接部61及び制動部62の位置関係を表す部分断面図、図6はドライブハウジング4回転後のブレーキ付きクラッチ装置を表す図1相当断面図、図7はドライブハウジング4回転後のカム溝51,52,53,54及び係合ボール55,56の位置関係を表す部分断面図、図8はドライブハウジング4回転後の圧接部61及び制動部62の位置関係を表す部分断面図、図9はドライブハウジング4制動時のブレーキ付きクラッチ装置を表す図1相当断面図、図10はドライブハウジング4制動時のカム溝51,52,53,54及び係合ボール55,56の位置関係を表す部分断面図、図11はドライブハウジング4制動時の圧接部61及び制動部62の位置関係を表す部分断面図であり、図12はドライブハウジング4に装着する草刈機用のブレード42の回転を表す斜視図である。
先に、本例のブレーキ付きクラッチ装置の構成について説明する。草刈機に利用する本例のブレーキ付きクラッチ装置は、図1に見られるように、取付本体11から突出する回転軸1に固着するシューハウジング2と、回転軸方向に位置固定でシューハウジング2に外嵌するクラッチハウジング3と、回転数の上がったシューハウジング2にクラッチハウジング3を連れ回りさせるクラッチ手段7と、回転軸方向に変位自在でクラッチハウジング3に外嵌するドライブハウジング4と、回転数の上がったクラッチハウジング3にドライブハウジング4を連れ回りさせる連動カム手段5と、回転数の落ちたドライブハウジング4を制動させるブレーキ手段6とから構成される。取付本体11は、原動機やギア機構を内蔵した草刈機本体であることが多く、ブレーキ手段6の環状フランジからなる制動部62を取付本体11に固着することから、ブレーキ付きクラッチ装置全体は取付本体11に固着する格好となる。また、草刈り用のブレード42(図12参照)はドライブハウジング4に装着する。
シューハウジング2は、回転軸1に密着して外嵌する略円筒状のシューハウジング本体21と、このシューハウジング本体21から半径方向外向きに広がる円盤状の固定ライナー22とからなる。このシューハウジング2は、前記シューハウジング本体21に回転軸1を差し込み、このシューハウジング本体21の下端面を回転軸1端に固着ボルト23で締め付けることにより、回転軸1に固着する。固定ライナー22は、クラッチ手段7を構成する平面視扇状のブロック体であるクラッチシュー71を半径方向へ進退自在に複数載せている。更に、全クラッチシュー71に対して円盤状の可動ライナー72を載せ、各クラッチシュー71は固定ライナー22及び可動ライナー72に挟まれることにより、移動方向を半径方向に制限されている。
各クラッチシュー71は、金属粉等を混合した重いゴム製又は金属製のブロック体で、それぞれの外周面に連通する周溝73を設けており、全クラッチシュー71はそれぞれの周溝73にわたってコイルバネ74を巻回している。これにより、シューハウジング2が所定回転数未満であると、各クラッチシュー71はコイルバネ74により締め付けられて半径方向内向きに後退しているが、シューハウジング2が所定回転数以上になると、各クラッチシュー71は前記コイルバネ74に抗して遠心力により半径方向外向きに進出し、クラッチハウジング3の内周面に圧接する。このように、シューハウジング2が保持するクラッチシュー71がクラッチ手段7を構成し、クラッチハウジング3は前記クラッチシュー71の圧接によりシューハウジング2に接続し、連れ回る。
ここで、ドライブハウジング4は、クラッチハウジング2に対し、係合ボール55,56がカム溝51,52,53,54を移動してシューハウジング2のカム溝51,53前端とドライブハウジング4のカム溝52,54後端とにそれぞれ係合する時間だけ遅延するのみで、クラッチハウジング3の回転開始とほぼ同時に回転を始める。これから、クラッチハウジング3が回転を開始する前記所定回転数が、ブレーキ付きクラッチ装置として回転動力が伝達されるクラッチ接続時におけるドライブハウジング4の接続回転数に相当する。
クラッチハウジング3は、上記シューハウジング2が保持するクラッチシュー71の外周面に対して内周面を対向させる略円筒状のクラッチハウジング本体31と、前記クラッチハウジング本体31の上方を塞ぐ上面32から突出し、上記シューハウジング本体21の上部との間にラジアルベアリング33を介装するクラッチハウジング支持部34とからなる。クラッチハウジング本体31は、半径方向外向きに進出したクラッチシュー71の外周面を内周面に圧接させ、シューハウジング2とクラッチハウジング3とを接続を実現する。本例のクラッチハウジング3は、前記ラジアルベアリング33によりクラッチハウジング支持部34を介して回転自在に支持される。
ドライブハウジング4は、上記クラッチハウジング3を構成するクラッチハウジング本体31の外周面に対して内周面を対向させる略円筒状のドライブハウジング本体43と、前記ドライブハウジング本体43の上端面に倣って半径方向外向きに突出し、取付本体11に固着した制動部62より取付本体11に近い側で回転する環状フランジの圧接部61とからなる。ドライブハウジング本体43は、クラッチハウジング3との間に設ける連動カム手段5の係合ボール55,56により、回動自在かつ回転軸方向に変位自在に支持される。このほか、ドライブハウジング本体43は、回転軸1、シューハウジング2及びクラッチハウジング3を包み込み、これらを外部から保護する、特にブレーキ付きクラッチ装置内への粉塵等の侵入を防止する防塵作用を有している。ブレード42は、このドライブハウジング4の底面へ取付ボルト44等により装着する。
本例では、回転しながら回転軸方向に変位するドライブハウジング4を安定して支持するため、図2に見られるように、シューハウジング2のシューハウジング本体21の下部にラジアルベアリング45を介して装着したボール保持リング46に周方向均等間隔で3個の変位補助ボール41を保持させ、ドライブハウジング4を回転方向及び回転軸方向、すなわち2方向に支持させている。変位補助ボール41は、直接シューハウジング2とドライブハウジング4との間に介装させても構わない。しかし、回転しながら回転軸方向に変位するドライブハウジング4に従って転動する変位補助ボール41が直接シューハウジング2に接触すると、シューハウジング2の回転を阻害する虞れもある。そこで、本例のように、変位補助ボール41を保持するボール保持リング46は、ラジアルベアリング45を介してシューハウジング2に支持させ、このボール保持リング46に保持させた変位補助ボール41によりドライブハウジング4を2方向に支持させる構成が好ましい。また、本例のボール保持リング46は、シューハウジング2とドライブハウジング4との隙間を塞ぎ、シューハウジング本体21とクラッチハウジング支持部34との間に介装したラジアルベアリング33と対になってシューハウジング2を支持するラジアルベアリング45を設け、シューハウジング2の軸振れを防ぎ、このシューハウジング2の回転を安定させる働きも有する。
ブレーキ手段6は、取付本体11に固着した取付リング63から半径方向内向きに張り出した環状フランジである制動部62と、ドライブハウジング本体43の上端面に倣って半径方向外向きに突出した環状フランジの圧接部61とからなる。本例の圧接部61は、制動部62より取付本体11に近い側、草刈機では上方に離反し、また前記取付本体11に近い側、草刈機では上方から制動部62に圧接する。このため、本例の制動部62は、圧接部61が圧接する部位である制動部62の上面に制動パッド64を固着して、圧接部61を制動部62に圧接して得られる制動力を高めている。このほか、図示を省略するが、圧接部及び制動部は回転軸方向の位置関係が重要であるため、例えば取付本体に固着した取付リングから半径方向外向きに張り出した環状フランジである制動部と、ドライブハウジング本体の上端面に倣って半径方向内向きに突出した環状フランジの圧接部とから、ブレーキ手段を構成してもよい。
また、クラッチハウジング3に連れ回りしなくなったドライブハウジング4を失速させるため、クラッチハウジング支持部34とドライブハウジング4の内周面との間に環状の制動パッド47を嵌め込み、前記ドライブハウジング4の内周面に常時制動パッド47を摺接させている。この制動パッド47は、クラッチハウジング支持部34とドライブハウジング4の内周面とに挟まれて半径方向が位置保持され、取付リング63から半径方向内向きに突出した押さえフランジ12とクラッチハウジング本体31の上面とに挟まれて回転軸方向に位置保持されている。ここで、上述のように、圧接部及び制動部が半径方向の張り出しを逆にした構成のブレーキ手段を設けた場合、制動パッドは取付本体に固着し、ドライブハウジングの外周面に摺接させるとよい。
本例の連動カム手段5は、図1及び図3に見られるように、回転方向に約5度の下り勾配で傾斜した一対のカム溝51,52,53,54と、各カム溝51,52,53,54に沿って移動する係合ボール55,56とからなり、前記係合ボール55,56を嵌め込む一対のカム溝51,52,53,54を上下2段に備えている。すなわち、クラッチハウジング3は、上向きに開放したカム溝51と下向きに開放したカム溝53とを平行に形成したカム溝突起部35を、各カム溝51,53の間隔より短い周方向長さで周方向に均等間隔で3箇所設け、前記各カム溝51,53に対となり、周方向長さが等しい下向きに開放したカム溝52と上向きに開放したカム溝54とをドライブハウジング4の内周面に均等間隔で3箇所形成して、各カム溝51,52,53,54内それぞれに係合ボール55,56を1個ずつ嵌め込んでいる。これから、対となるクラッチハウジング3の各カム溝51,53とドライブハウジング4の各カム溝52,54との間に係合ボール55,56を嵌め込みやすくするため、本例のドライブハウジング本体43は上ハウジング431及び下ハウジング432に分割し、前記上ハウジング431及び下ハウジング432にそれぞれカム溝53,54を形成している。また、本例では、係合ボール55,56と係合するクラッチハウジング3のカム溝51,53後端とドライブハウジング4のカム溝52,54前端とにそれぞれ略水平面57,58を設け、クラッチハウジング3にドライブハウジング4が連れ回る際、回転変動等により、各カム溝51,52,53,54と係合ボール55,56との係合が容易に解除されないようにしている。
また、本例の連動カム手段5は、上下段の全係合ボール55,56を対応する凹溝591に嵌め込み、上下段の係合ボール55,56の周方向の位置を一致させ、かつ各連動カム手段5の係合ボール55,56を周方向に均等間隔で保持する位置保持リング59を、クラッチハウジング3の外周面とドライブハウジング4の内周面との間に介装している。これにより、全係合ボール55,56は連動してそれぞれのカム溝51,52,53,54に沿って移動するため、いずれかの係合ボール55,56だけ先んじて又は遅れて移動してカム溝51,52,53,54に噛み込む虞れをなくすことができる。更に、本例の連動カム手段5は、係合ボール55,56を介してドライブハウジング4がクラッチハウジング3を挟み込み、各カム溝51,52,53,54に対する係合ボール55,56の移動に応じてドライブハウジング4を回転軸方向に変位させるが、前記位置保持リング59による全係合ボール55,56の位置関係の拘束は、各カム溝51,52,53,54に対する係合ボール55,56の移動を等しくすることから、ドライブハウジング4の回転軸方向の変位を周方向に均等間隔で等しくもたらし、位置保持リング59はドライブハウジング4を回転軸方向に安定かつ確実に変位させることにもなる。
次に、本例のブレーキ付きクラッチ装置の作動について説明する。原動機(図示略)を停止して回転軸1が回転していない状態では、図4及び図5に見られるように、ドライブハウジング4が取付本体11から遠ざかって圧接部61を制動部62に上方から当接し、連動カム手段5における係合ボール55,56はカム溝51,52,53,54の中間付近に位置している。ここで、クラッチハウジング3は回転軸方向に位置固定され、また回転軸方向に変位自在なドライブハウジング4は圧接部61を制動部62に当接することで位置決定されているから、ドライブハウジング4に設けたカム溝52,54に対する係合ボール55,56や、この係合ボール55,56に対するクラッチハウジング3のカム溝51,53の位置関係はほぼ一義的に決定される。
裏返せば、カム溝51,52,53,54及び係合ボール55,56の設計仕様によって、回転軸1の停止状態におけるクラッチハウジング3とドライブハウジング4との位置関係や、カム溝51,52,53,54に対する係合ボール55,56の位置は自由に決定できる。この場合、本例のように、回転軸1の停止状態では、係合ボール55,56がカム溝51,52,53,54の中間位置に、少なくともカム溝51,52,53,54の途中に位置させることが望ましい。このように、回転軸1の停止状態における係合ボール55,56から各カム溝51,52,53,54後端までに余剰を設けておくことにより、制動部62に固着した制動パッド64が摩耗して薄くなった場合でも、圧接部61を前記制動パッド64に圧接するまでドライブハウジング4を回転軸方向に変位させることができる。
上記回転軸1の停止状態から原動機を始動すると、図6に見られるように、回転軸1が回転を始め、この回転軸1の回転が接続回転数以上に達すると、クラッチ手段7によりシューハウジング2とクラッチハウジング3とが接続し、クラッチハウジング3がドライブハウジング4に先んじて回転を始める。これにより、図7に見られるように、係合ボール55,56はクラッチハウジング3のカム溝51,53に沿って上り方向に移動し、前記カム溝51,53後端の略水平面57,57に至り、係合する。そして、クラッチハウジング3のカム溝51,53後端に係合した係合ボール55,56は、続いてドライブハウジング4のカム溝52,54に沿って下り方向に移動し、前記カム溝52,54前端の略水平面58,58に至り、係合する。こうして、係合ボール55,56を介してクラッチハウジング3とドライブハウジング4が接続され、ドライブハウジング4はクラッチハウジング3に連れ回りを始める。実際には、クラッチハウジング3のカム溝51,53後端と係合ボール55,56の係合と、ドライブハウジング4のカム溝51,53前端と係合ボール55,56との係合とは、ほとんど同時に起きる。
ここで、クラッチハウジング3のカム溝51,53は回転方向に下り勾配で傾斜しているから、前記カム溝51,53後端に係合するまで移動する係合ボール55,56は、クラッチハウジング3に対して回転軸方向で取付本体11に接近することになる。また、同じくドライブハウジング4のカム溝52,54も回転方向に下り勾配で傾斜しており、前記係合ボール55,56に対してカム溝52,54前端を係合させることになるから、ドライブハウジング4は係合ボール55,56に対して回転軸方向で取付本体11に接近することになる。こうして、ドライブハウジング4はクラッチハウジング3に連れ回りを始めると同時に回転軸方向で取付本体11に接近するように変位して、図8に見られるように、このドライブハウジング4に設けた圧接部61を取付本体11に固着した制動部62から離反させる。
回転軸1が接続回転数以上で回転している間は、常にクラッチハウジング3がドライブハウジング4に先んじて回転しており、ドライブハウジング4は係合ボール55,56を介してクラッチハウジング3に接続し、回転を続ける。ここで、図9に見られるように、回転軸1の回転が落ちるとクラッチハウジング4の回転も低下するが、クラッチハウジング3に外嵌したドライブハウジング4は、通常クラッチハウジング3より大きく、またブレード42を装着しているため、クラッチハウジング3に比べて回転モーメントが大きくなり、回転の低下が遅い。こうして、クラッチハウジング3とドライブハウジング4との回転数が逆転し、連動カム手段5における係合ボール55,56が上述と逆に移動し始める。
具体的には、図10に見られるように、クラッチハウジング3がドライブハウジング4に遅れる結果、まず係合ボール55,56はクラッチハウジング3のカム溝51,53後端から離れ、このクラッチハウジング3のカム溝51,53に沿って下り方向に移動していく。この係合ボール55,56の移動は、回転方向に下り勾配で傾斜したクラッチハウジング3のカム溝51,53に沿ったものであるから、クラッチハウジング3に対する回転軸方向の変位を含む。また、前記係合ボール55,56は、同時にドライブハウジング4のカム溝52,54を押しながら前記カム溝52,54前端から離れ、このドライブハウジング4を取付本体11から遠ざける方向に変位させる。実際には、クラッチハウジング3のカム溝51,53後端からの係合ボール55,56の離反と、ドライブハウジング4のカム溝52,54前端からの係合ボール55,56の離反とは、ほとんど同時に起きる。こうして、クラッチハウジング3のカム溝51,53とドライブハウジング4のカム溝52,54は、回転軸1が停止した状態の位置関係、すなわち係合ボール55,56はカム溝51,52,53,54の中間位置に近づく(図4及び図10比較対照)。そして、この取付本体11から遠ざかる方向のドライブハウジング4の変位は、図11に見られるように、ドライブハウジング4に設けた圧接部61を制動部62に圧接させる。
このように、ドライブハウジング4は、ドライブハウジング4の回転数がクラッチハウジング3の回転数より高くなると、連動カム手段5による係合が解除され、圧接部61が制動部62に圧接して制動が働く。ここで、回転軸1が接続回転数以上で回転し続けていれば、クラッチ手段7がクラッチハウジング3をシューハウジング2に接続させ続けるため、クラッチハウジング3は回転数を落としながらも回転し続けることになる。この結果、制動の働いたドライブハウジング4の回転数が再びクラッチハウジング3の回転数を下回り、圧接部61が制動部62から離れると共に連動カム手段5が再び係合して、ドライブハウジング4は回転数の落ちたクラッチハウジング3に連れ回ることになる。これから、ドライブハウジング4が完全に制動する制動回転数は、クラッチハウジング3が回転しなくなる回転数(解除回転数)になる。すなわち、本発明のブレーキ付きクラッチ装置は、クラッチ手段7の接続回転数でドライブハウジング4が回転を開始し、クラッチ手段7の解除回転数でドライブハウジング4を制動させる。通常、クラッチ手段7の接続回転数及び解除回転数は略一致するため、本発明のブレーキ付きクラッチ装置は、クラッチ手段7の接続回転数(=解除回転数)で、ドライブハウジング4の回転及び制動を切り替えることができる。
回転軸1が回転を始める前の圧接部61は制動部62に当接しているため、連動カム手段5がドライブハウジング4を変位させることにより、圧接部61を制動部62に摺接させることはできる。しかし、ドライブハウジング4に制動力を働かせるには、ドライブハウジング4の変位により圧接部61を制動部62に押し付ける、すなわち確実に圧接させることが望ましい。このように圧接部61を制動部62に確実に圧接させるには、圧接部61と制動部62とが圧接又は離反する距離を、係合ボール55,56が移動するカム溝51,52,53,54の高低差より短くしておくとよい。これは、係合ボール55,56が、クラッチハウジング3のカム溝51,53後端とドライブハウジング4のカム溝52,54前端とに係合した位置から、各カム溝51,52,53,54の途中まで移動した段階で、圧接部61を制動部62に圧接させることを意味する。
ここで、回転軸1を停止させた状態で、係合ボール55,56はカム溝51,52,53,54の中間に位置させて、各カム溝51,52,53,54に対して移動できる余剰を設けていたが、この余剰が圧接部61を制動部62に圧接させるドライブハウジング4の変位をもたらす。すなわち、圧接部61が制動部62に圧接した段階でカム溝51,52,53,54に係合ボール55,56が移動できる余剰は、圧接部61を制動部62に確実に圧接するために係合ボール55,56が移動できる範囲を確保すると共に、経年劣化等により、圧接部61と制動部62との圧接又は離反する距離が拡大した場合でも、圧接部61を制動部62に確実に圧接させるために係合ボール55,56が移動できる範囲を確保する役割を担っている。
また、本例に示すブレーキ付きクラッチ装置を用いる草刈機では、図12に見られるように、刈り取った草をはじき飛ばすように、ブレード42の回転方向と逆の後縁421が跳ね上がっており、結果として取付本体11から遠ざかる方向(通常鉛直方向)に力F(ダウンフォース)を発生させている。このため、回転軸1の回転が低下したことを受けて連動カム手段5が変位させるドライブハウジング4の変位方向を取付本体11から遠ざかる方向に設定すれば、制動部62に対する圧接部61の圧接は、前記ブレード42による力Fを受けて強いものとなり、ドライブハウジング4により強い制動力を働かせることができるる。このように、本発明のブレーキ付きクラッチ装置を草刈機に用いる場合は、連動カム手段5のカム溝51,52,53,54を回転方向に下り勾配を傾斜させ、制動部62に対して取付本体11に近い側から圧接部61を圧接する構成にするとよい。
更に、本例では、ドライブハウジング4の抵抗手段として制動パッド47を摺接させているため、圧接部61を制動部62に圧接させると、ドライブハウジング4を急激に失速させて、ごく短時間に制動させることができる。草刈機では、回転軸1の減速又は停止後、直ちにブレード42の回転停止が求められるため、このように制動パッド47等の抵抗手段をドライブハウジング4に設け、失速できるようにしておくことが望ましい。このように、ドライブハウジング4の回転軸方向の変位により圧接部61を制動部62に確実に圧接させ、またブレード42による力を前記圧接部61の圧接に利用し、更にドライブハウジング4を失速させる制動パッド47等の抵抗手段を併用することにより、本例のブレーキ付きクラッチ装置は、ドライブハウジング4の迅速な制動を実現している。
本例のブレーキ付きクラッチ装置は、ドライブハウジング4の回転と、回転軸方向の変位とを円滑かつ確実にするため、連動カム手段5は上下2段のカム溝51,52,53,54から構成しているが、1段構成であってもよい。この1段構成の連動カム手段の働きは、上記例示である上下2段構成の連動カム手段5に準じ、例えば図7における上段のカム溝51,52のみ又は下段のカム溝53,54のみを想定してもらえば、容易に理解できる。このため、この1段構成の連動カム手段については、図示及び説明は省略する。
また、上記例示のブレーキ付きクラッチ装置は、特に草刈機への利用を考慮して、ドライブハウジング4の回転に際するこのドライブハウジング4の変位を取付本体11に近づく方向とするため、連動カム手段5におけるカム溝51,52,53,54を回転方向に下り勾配に傾斜させていた。しかし、その他の産業機械に本発明のブレーキ付きクラッチ装置を利用する場合、ドライブハウジングの回転に際するこのドライブハウジングの変位を取付本体から遠ざける方向にすることが好ましい場合も考えられる。よって、以下では回転方向に上り勾配で傾斜させたカム溝81,82,83,84からなる別例の連動カム手段8について、上記例示との相違点について説明する。
図13〜図16は回転方向に上り勾配で傾斜させたカム溝81,82,83,84からなる別例の連動カム手段8及びブレーキ手段9を表す部分断面図であり、図13はドライブハウジング4回転後のカム溝81,82,83,84及び係合ボール85,86の位置関係を表す図7相当部分断面図、図14はドライブハウジング4回転後の圧接部91及び制動部92の位置関係を表す図8相当部分断面図、図15はドライブハウジング4制動時のカム溝81,82,83,84及び係合ボール85,86の位置関係を表す図10相当部分断面図で、図16はドライブハウジング4制動時の圧接部91及び制動部92の位置関係を表す図11相当部分断面図である。
連動カム手段8のカム溝81,82,83,84を回転方向に上り勾配で傾斜させた場合、ドライブハウジング4の回転時及び制動時における回転軸方向の各変位は、上記例示(図6〜図11参照)とは逆になるため、圧接部91及び制動部92の回転軸方向における位置関係は逆になる。すなわち、図14又は図16に見られるように、別例のブレーキ手段9は取付本体11に固着した取付リング93に環状の制動パッド94を装着した制動部92と、ドライブハウジング本体43の上端面に倣って半径方向外向きに突出した環状フランジの圧接部91とから構成し、圧接部91は制動部92より取付本体11に遠い側、すなわち下方に離反し、また前記取付本体11に遠い側、すなわち下方から制動部92に圧接する構成とする。この場合、圧接部91は環状フランジとして構成せず、ドライブハウジング本体43の上端面をそのまま圧接部91としてもよい。
本例の連動カム手段8は、次のように働く。まず、クラッチハウジング3がドライブハウジング4に先んじて回転を始めると、図13に見られるように、係合ボール85,86はクラッチハウジング3のカム溝81,83に沿って下り方向に移動し、前記カム溝81,83後端の略水平面87,87に至り、係合する。本例でも、各係合ボール85,86をそれぞれ対応する凹溝891に嵌め込んだ位置保持リング89を用いることで、全係合ボール85,86は連動している。そして、クラッチハウジング3のカム溝81,83後端に係合した係合ボール85,86は、続いてドライブハウジング4のカム溝82,84に沿って下り方向に移動し、前記カム溝82,84前端の略水平面88,88に至り、係合する。こうして、係合ボール85,86を介してクラッチハウジング3とドライブハウジング4とが接続され、ドライブハウジング4はクラッチハウジング3に連れ回りを始める。実際には、クラッチハウジング3のカム溝81,83後端と係合ボール85,86の係合と、ドライブハウジング4のカム溝82,84前端と係合ボール85,86との係合は、ほとんど同時に起きる。
ここで、クラッチハウジング3のカム溝81,83は回転方向に上り勾配で傾斜しているから、前記カム溝81,83後端に係合するまで移動する係合ボール85,86は、クラッチハウジング3に対して回転軸方向で取付本体11から遠ざかることになる。また、同じくドライブハウジング4のカム溝82,84も回転方向に上り勾配で傾斜しており、前記係合ボール85,86に対してカム溝82,84前端を係合させるから、ドライブハウジング4は係合ボール85,86に対して回転軸方向で取付本体11から遠ざかる。こうして、ドライブハウジング4はクラッチハウジング3に連れ回りを始めると同時に回転軸方向で取付本体11から遠ざかるように変位して、図14に見られるように、このドライブハウジング4に設けた圧接部91を取付本体11に固着した制動部92から離反させる。
逆に、図15に見られるように、回転の落ちたクラッチハウジング3がドライブハウジング4に遅れる結果、まず係合ボール85,86はクラッチハウジング3のカム溝81,83後端から離れ、このクラッチハウジング3のカム溝81,83に沿って上り方向に移動していく。この係合ボール85,86の移動は、回転方向に上り勾配で傾斜したクラッチハウジング3のカム溝81,83に沿ったものであるから、クラッチハウジング3に対する回転軸方向の変位を含む。また、前記係合ボール85,86は、同時にドライブハウジング4のカム溝82,84を押しながら前記カム溝82,84前端から離れ、このドライブハウジング4を取付本体11に近づける方向に変位させる。実際には、クラッチハウジング3のカム溝81,83後端からの係合ボール85,86の離反と、ドライブハウジング4のカム溝82,84前端からの係合ボール85,86の離反とは、ほとんど同時に起きる。こうして、係合ボール85,86は両カム溝81,82,83,84の中間位置に位置するようになり、この取付本体11に近づく方向のドライブハウジング4の変位は、図16に見られるように、ドライブハウジング4に設けた圧接部91を制動部92に圧接させる。
本例も、上記例示と同様に、ドライブハウジング4の回転と、回転軸方向の変位とを円滑かつ確実にするため、連動カム手段8は上下2段のカム溝81,82,83,84から構成しているが、連動カム手段の働きはクラッチハウジングのカム溝とドライブハウジングのカム溝とを対に設ければよいため、1段構成にしてもよい。この1段構成の連動カム手段の働きは、例えば図13における上段のカム溝81,82のみ又は下段のカム溝83,84のみを想定してもらえば、容易に理解できる。このため、この1段構成の連動カム手段については、図示及び説明は省略する。
ドライブハウジングは、回転しながら回転軸方向に変位するため、連動カム手段の係合体として、2方向に転動できる係合ボールが好ましいが、カム溝に対する摺接抵抗が低ければ、カム溝に摺接する係合突部を係合体として利用できる。図17はクラッチハウジング3のカム溝101,101とドライブハウジング4の係合突部102,102とからなる連動カム手段100を表す図4相当部分断面図であり、図18はクラッチハウジング3の係合突部201,201とドライブハウジング4のカム溝202,202とからなる連動カム手段200を表す図4相当部分断面図である。カム溝101,202及び係合突部102,201からなる連動カム手段100,200は、連動カム手段としての働き、カム溝の勾配方向の違いやカム溝が1段構成の場合の働きは、上述までの例に準ずるため、以下では係合突部102,201を用いた利点について説明し、上述までの例に準ずる部分は説明を省略する。
カム溝及び係合突部からなる連動カム手段は、図17に見られるように、回転方向に下り勾配で傾斜したカム溝101,101をクラッチハウジング3の外周面に上下2段で設け、前記各カム溝101,101に嵌まり込む上下一対の係合突部102,102をドライブハウジング4の内周面に設けた構成や、図18に見られるように、係合突部201,201をクラッチハウジング4の外周面に上下一対で設け、前記各係合突部201,201を嵌め込む上下2段のカム溝202,202をドライブハウジング4の内周面に設けた構成となる。別例の各連動カム手段100,200は、クラッチハウジング3のカム溝101,101をドライブハウジング4の係合突部102,102により、又はクラッチハウジング3の係合突部201,201をドライブハウジング4のカム溝202,202で、それぞれ挟み込まなければならないため、各例のドライブハウジング4は、上述の例同様、ドライブハウジング本体43を上ハウジング431及び下ハウジング432に分割し、上ハウジング431及び下ハウジング432それぞれに係合突部102,102又はカム溝202,202を形成するとよい。
係合ボールに代えて係合突部102,201を用いた利点は、係合突部102,201の回転方向及び回転軸方向の位置がクラッチハウジング3又はドライブハウジング4に拘束されているため、上述の各例で用いた位置保持リングを省略できる点にある。すなわち、図17に示す連動カム手段100で説明すれば、ドライブハウジング4の内周面に上下一対に設けた係合突部102,102は、それぞれがドライブハウジング4と一体に回転し、また回転軸方向に移動するので、回転方向又は回転軸方向の移動による各係合突部102,102の位置ずれが生じず、別途位置保持リングによる位置ずれ防止を図る必要がない。係合ボールが位置保持リングを必須とするわけではないが、ドライブハウジングの回転と回転軸方向の変位とを円滑かつ確実にするには、カム溝に対する係合ボールの噛み込みを防止する位置保持リングを用いることが好ましい。裏返せば、ドライブハウジング4の回転と回転軸方向の変位が円滑かつ確実にできることが保証されれば、係合突部102,201を用いた連動カム手段100,200が好ましい。
カム溝及び係合ボールからなる連動カム手段を用いた本発明のブレーキ付きクラッチ装置を表す断面図である。 シューハウジングとドライブハウジングとの間に介装させた変位補助ボールの位置関係を表す部分断面図である。 クラッチハウジング及びドライブハウジングの分解斜視図である。 ドライブハウジング回転前のカム溝及び係合ボールの位置関係を表す部分断面図である。 ドライブハウジング回転前の圧接部及び制動部の位置関係を表す部分断面図である。 ドライブハウジング回転後のブレーキ付きクラッチ装置を表す図1相当断面図である。 ドライブハウジング回転後のカム溝及び係合ボールの位置関係を表す部分断面図である。 ドライブハウジング回転後の圧接部及び制動部の位置関係を表す部分断面図である。 ドライブハウジング制動時のブレーキ付きクラッチ装置を表す図1相当断面図である。 ドライブハウジング制動時のカム溝及び係合ボールの位置関係を表す部分断面図である。 ドライブハウジング制動時の圧接部及び制動部の位置関係を表す部分断面図である。 ドライブハウジングに装着する草刈機用のブレードの回転を表す斜視図である。 別例の連動カム手段におけるドライブハウジング回転後のカム溝及び係合ボールの位置関係を表す図7相当部分断面図である。 別例のブレーキ手段におけるドライブハウジング回転後の圧接部及び制動部の位置関係を表す図8相当部分断面図である。 別例の連動カム手段及におけるドライブハウジング制動時のカム溝及び係合ボールの位置関係を表す図10相当部分断面図である。 別例のブレーキ手段におけるドライブハウジング制動時の圧接部及び制動部の位置関係を表す図11相当部分断面図である。 クラッチハウジングのカム溝とドライブハウジングの係合突部とからなる連動カム手段を表す図4相当部分断面図である。 クラッチハウジングの係合突部とドライブハウジングのカム溝とからなる連動カム手段を表す図4相当部分断面図である。
符号の説明
1 回転軸
11 取付本体
2 シューハウジング
21 シューハウジング本体
3 クラッチハウジング
31 クラッチハウジング本体
34 クラッチハウジング支持部
35 カム溝突起部
4 ドライブハウジング
41 変位補助ボール
43 ドライブハウジング本体
46 ボール保持リング
47 制動パッド
5 連動カム手段
51 クラッチハウジングの上段のカム溝
52 上ドライブハウジングのカム溝
53 クラッチハウジングの下段のカム溝
54 下ドライブハウジングのカム溝
55 上段のカム溝に嵌め込む係合ボール
56 下段のカム溝に嵌め込む係合ボール
57 クラッチハウジングのカム溝の略水平面
58 ドライブハウジングのカム溝の略水平面
59 位置保持リング
591 凹溝
6 ブレーキ手段
61 環状フランジからなる圧接部
62 環状フランジからなる制動部
64 制動パッド
7 クラッチ手段
71 クラッチシュー
8 別例の連動カム手段
9 別例のブレーキ手段
100 別例の連動カム手段
200 別例の連動カム手段

Claims (16)

  1. 取付本体から突出する回転軸に固着するシューハウジングと、回転軸方向に位置固定でシューハウジングに外嵌するクラッチハウジングと、回転数の上がったシューハウジングにクラッチハウジングを連れ回りさせるクラッチ手段と、回転軸方向に変位自在でクラッチハウジングに外嵌するドライブハウジングと、回転数の上がったクラッチハウジングにドライブハウジングを連れ回りさせる連動カム手段と、回転数の落ちたドライブハウジングを制動させるブレーキ手段とからなり、クラッチ手段はシューハウジングが保持するクラッチシューからなり、該クラッチシューは半径方向に進退自在で、回転数の上がったシューハウジングから半径方向外側へ進出したクラッチシューをクラッチハウジングの内周面に圧接させて該クラッチハウジングをシューハウジングに連れ回りさせてなり、連動カム手段は回転方向に傾斜したカム溝と、該カム溝に沿って移動する係合体とからなり、カム溝及び係合体の一方をクラッチハウジングの外周面に設け、残る他方をドライブハウジングの内周面に設けてなり、ブレーキ手段は取付本体に固着した制動部と、ドライブハウジングに設けた圧接部とからなり、該圧接部を前記ドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って制動部に圧接又は離反してなるブレーキ付きクラッチ装置。
  2. ドライブハウジングは、回転軸、シューハウジング又はクラッチハウジングとの間に、該ドライブハウジングの回転方向及び回転軸方向に転動する変位補助ボールを介装してなる請求項1記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  3. ドライブハウジングは、カム溝に沿って移動した係合体が前記カム溝前端又はカム溝後端から離れた際に該ドライブハウジングを失速させる抵抗手段を設けてなる請求項1記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  4. 連動カム手段は、回転方向に傾斜した一対のカム溝と、係合体として各カム溝に沿って移動する係合ボールとからなり、一対のカム溝の一方をクラッチハウジングの外周面、残る他方をドライブハウジングの内周面にそれぞれ設け、両カム溝内に係合ボールを嵌め込んでなる請求項1記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  5. 連動カム手段は、カム溝の一方をクラッチハウジングの外周面に上下2段で設け、前記各カム溝に対となるカム溝の他方をドライブハウジングの内周面に上下2段に設け、前記上下2段の各カム溝内それぞれに係合ボールを1個ずつ嵌め込んでなる請求項記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  6. 連動カム手段は、係合ボールに係合して該係合ボールの周方向の位置を保持する位置保持リングを、クラッチハウジングの外周面とドライブハウジングの内周面との間に介装してなる請求項4又は5いずれか記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  7. クラッチハウジングに設けるカム溝の一方はカム溝後端に略水平面を、ドライブハウジングに設けるカム溝の他方はカム溝前端に略水平面をそれぞれ設けてなる請求項4又は5いずれか記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  8. 連動カム手段は、回転方向に傾斜したカム溝と、係合体として該カム溝に沿って移動する係合突部とからなり、カム溝及び係合突部の一方をクラッチハウジングの外周面に設け、残る他方をドライブハウジングの内周面に設けてなる請求項1記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  9. 連動カム手段は、カム溝をクラッチハウジングの外周面に上下2段で設け、前記各カム溝に嵌まり込む上下一対の係合突部をドライブハウジングの内周面に設けてなる請求項8記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  10. 連動カム手段は、係合突部をクラッチハウジングの外周面に上下一対で設け、前記各係合突部を嵌め込む上下2段のカム溝をドライブハウジングの内周面に設けてなる請求項8記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  11. カム溝は、ドライブハウジングをクラッチハウジングに連れ回りする際に係合突部が係合するカム溝前端又はカム溝後端に略水平面を設けてなる請求項8、9又は10いずれか記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  12. ブレーキ手段は、取付本体に固着した環状フランジである制動部と、ドライブハウジングから半径方向外向きに突出し、該ドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って前記制動部に圧接又は離反する環状フランジである圧接部とからなる請求項1記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  13. ブレーキ手段は、取付本体に固着した環状フランジである制動部と、ドライブハウジングから半径方向内向きに突出し、該ドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って前記制動部に圧接又は離反する環状フランジである圧接部とからなる請求項1記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  14. ブレーキ手段は、取付本体に固着した環状フランジである制動部と、ドライブハウジングの端面に設け、該ドライブハウジングの回転軸方向の変位に従って前記制動部に圧接又は離反する環状フランジである圧接部とからなる請求項1記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  15. ブレーキ手段は、圧接部が制動部に圧接又は離反する距離を、係合体が移動するカム溝の高低差より短くしてなる請求項1、12〜14いずれか記載のブレーキ付きクラッチ装置。
  16. ブレーキ手段は、圧接する圧接部又は制動部の部位いずれか一方又は双方に制動パッドを固着してなる請求項1、12〜14いずれか記載のブレーキ付きクラッチ装置。
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