JP2004150565A - ブレーキ付きクラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ接続動作とブレーキ制動動作が互いの動作に抵抗することのない安全なブレーキ付きクラッチ装置が求められている。
【解決手段】ブレーキ付きクラッチ装置1は、原動機に駆動連結された回転駆動軸2と、回転駆動軸2と同軸心Oの配置でハウジングの蓋部13に回動自由に軸支された従動軸15と、従動軸15に取付けられた従動ディスク16と、クラッチディスク部10を有するスラスト移動自由のクラッチユニット34と、遠心力によりクラッチユニット34を従動ディスク16に向けて移動させる駆動機構31と、ブレーキディスク部8を有するスラスト移動自由のブレーキユニット35と、ブレーキユニット35を従動ディスク16に向けて付勢する弾性部材12と、クラッチユニット34の外周面に回動自由に装着されるとともにブレーキユニット35と係合するリング部材7とを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば農機、建築機械、軽車両、小型船舶、ポンプ、風力駆動製品、圧縮機、エンジン、電動機、減速機、変速機などといった原動機または回転軸トルクの動力伝達機構に用いられるブレーキ付きクラッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のブレーキ付きクラッチ装置としては、下記する特許文献1に記載されているように、原動機と連結された回転駆動軸と、先端に刈刃が取付けられた従動軸とをクラッチ装置を介して接続したものが知られている。このブレーキ付きクラッチ装置では、アクセルレバーで操作される回転駆動軸からの遠心力によりクラッチ装置が断続され、更にブレーキレバーの操作により従動軸が制動される。かかるブレーキ付きクラッチ装置を備えた農機具などでは、危険を避けるため、アクセルレバーを緩めるとともにブレーキレバーを手で操作することにより、刈刃の回転を停止させるようになっている。
但し、このタイプのブレーキ付きクラッチ装置は、ブレーキレバーをはじめ、ワイヤーや、このワイヤーを装置内部に通す構造が必要なため、部品点数が多くなり、構成が複雑になるという問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−14225号公報
【0004】
そこで、アクセルレバーの操作だけでクラッチ動作とブレーキ動作を行えるブレーキ付きクラッチ装置が下記の特許文献2に開示されている。特許文献2記載のブレーキ付きクラッチ装置51を図7に示す。ブレーキ付きクラッチ装置51では、ハウジング59と一体のブレーキドラム56内に、従動軸60がベアリング58を介して回動自由に軸支されていて、従動軸60の先端にクラッチドラム55が取付けられている。クラッチドラム55の外面にはブレーキシュー57が揺動自由に取付けられていて、ブレーキドラム56の外周面と離間自由に摺接するようになっている。ブレーキシュー57は図示せぬ弾性部材の付勢力によりブレーキドラム56の外周面に押し付けられるが、クラッチドラム55の回転数が高くなっていくと押付力が低下する。クラッチドラム55の内部には、クラッチドラム55の内周面と離間自由に摺接するクラッチシュー54が配置されている。クラッチシュー54はエンジンクランクシャフトである回転駆動軸52と連結されたホルダ53に揺動自由に取付けられている。
【0005】
【特許文献2】
特開2002−176822号公報
【0006】
前記のブレーキ付きクラッチ装置51において、エンジン出力を上げると、ホルダ53の回転数が上がり或る回転数R1に達する。すると、クラッチシュー54が遠心力によりクラッチドラム55の内周面に摺接し、図8の実線P1で示すクラッチ特性のように、従動軸60にかかる伝達トルクが大きくなる。一方で、ブレーキシュー57はクラッチドラム55の回転数が高くなっていくと、一点鎖線Q1で示すブレーキ特性のように制動トルクが低下する。他方、制動する場合はアクセルを緩めてホルダ53の回転数を下げる。すると、従動軸60への伝達トルクが実線P1のように低下する。このとき、ブレーキシュー57からの制動トルクは一点鎖線Q1のように従動軸60にかかる。そして、回転駆動軸52の回転数が回転数R1を下回ると、クラッチが解除されてブレーキによる制動だけになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したブレーキ付きクラッチ装置51では、ブレーキ制動動作(一点鎖線Q1)とクラッチ伝達動作(実線P1)の双方が同時に働く領域Vが存在する。そのため、クラッチ接続時はブレーキ摺動により従動軸の加速が遅れて作業効率を低下させることがあり、燃料も無駄に消費する。一方、ブレーキ制動時はクラッチ摺動により従動軸の制動が阻害されるため、例えば刈刃を迅速に停止させることができず危険につながるおそれがあった。また、クラッチシューやブレーキシューの摩耗を増大させる一因でもあった。
このような諸々の不具合は、既述した特許文献1開示の装置においてクラッチ伝達時に手動でブレーキを操作した場合にも同様に生じる。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、クラッチ伝達動作とブレーキ制動動作を原動機の出力操作のみで簡単に切り替えることができ、クラッチ接続動作とブレーキ制動動作が互いの動作に抵抗することのない安全なブレーキ付きクラッチ装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るブレーキ付きクラッチ装置は、原動機に駆動連結されてハウジング内で回転する回転駆動軸と、回転駆動軸と同軸心配置でハウジングの蓋部に回動自由に軸支された従動軸と、ハウジング内に配置されて従動軸に取付けられた従動ディスクと、従動ディスクの一側面と対面するクラッチディスク部を有するとともに回転駆動軸に該回転駆動軸軸心方向に摺動自由に設けられたクラッチユニットと、回転駆動軸に設けられて該回転駆動軸の回転による遠心力によりクラッチユニットを従動ディスクに向けて移動させる駆動機構と、従動ディスクの他側面と対面するブレーキディスク部を有するとともにハウジング内面に回転駆動軸軸心方向に摺動自由に設けられたブレーキユニットと、ハウジング内に配備されてブレーキユニットを従動ディスクに向けて付勢する弾性部材と、クラッチユニットの外周面に回転駆動軸軸心回りに回動自由に装着されるとともにブレーキユニットと係合するリング部材とを備え、回転駆動軸の回転数が第1の所定回転数を超えると、駆動機構がクラッチユニットを移動させてクラッチディスク部を従動ディスクの一側面に押し付けるとともにクラッチユニットに随伴するリング部材がブレーキユニットを移動させてブレーキディスク部を従動ディスクの他側面から離し、回転駆動軸の回転数が前記第1の所定回転数よりも小さな第2の所定回転数を下回ると、弾性部材がブレーキユニットを押動してブレーキディスク部を従動ディスクの他側面に押し付けるとともにブレーキユニットに随伴するリング部材がクラッチユニットを移動させてクラッチディスク部を従動ディスクの一側面から離し、回転駆動軸の回転数が前記第1の所定回転数と前記第2の所定回転数の間にあるときは、クラッチユニットのクラッチディスク部およびブレーキユニットのブレーキディスク部の双方が従動ディスクから離れているように構成したものである。
【0010】
また、前記構成におけるクラッチユニットが、回転駆動軸に該回転駆動軸軸心方向に摺動自由に設けられた移動ユニットと、従動ディスクの一側面と対面するクラッチディスク部とに分離独立に構成され、当該移動ユニットとクラッチディスク部とが、移動ユニットからクラッチディスク部への回転力を移動ユニットの一の回転方向にのみ許容するワンウェイ機構を介して連結されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
ここに、図1は本発明の一実施形態に係るブレーキ付きクラッチ装置の側断面図、図2は前記ブレーキ付きクラッチ装置の分解斜視図である。
各図において、本実施形態に係るブレーキ付きクラッチ装置1は、ほぼ円筒状に形成されたハウジング6内で回転する回転駆動軸2を中心に構成されている。回転駆動軸2は図示せぬ原動機(エンジンまたはモータなど)と駆動連結されている。ハウジング6の従動側開口部は蓋部13で封止されている。この蓋部13には回転駆動軸2と同軸心Oの配置で従動軸15がベアリング26を介して回動自由に軸支されている。従動軸15のハウジング6内での軸端部には、平皿状の従動ディスク16が取付けられている。
【0012】
回転駆動軸2の駆動側には、放射状に配置された6つの板片を有するサイドプレート3が固設されている。6つの板片はそれぞれの先端が蓋部13に向けて屈曲している。回転駆動軸2の従動側寄りの外周面にはその軸心O方向(以下、スラスト方向と称する)に平行の案内溝Aが形成されている。回転駆動軸2におけるサイドプレート3の従動側の隣には、放射状配置の6つの案内溝Bを有するスライドプーリー5が回転駆動軸2に装着されている。各案内溝B内にはローラ状のウェイト4がそれぞれ収容されていて、サイドプレート3の各板片の存在により各案内溝Bから脱落しないようになっている。各案内溝Bはいずれも径方向外側になるほど駆動側に近づく傾斜面を有していて、これらの傾斜面上を各ウェイト4が転動する。スライドプーリー5はその内周面にスラスト方向と平行の案内溝Jが形成され、この案内溝Jが回転駆動軸2の案内溝Aと摺動自由に嵌合することにより、スライドプーリー5が回転駆動軸2に対しスラスト方向に移動自由となっている。
【0013】
スライドプーリー5の従動側の面は、スラスト方向に摺動自由に回転駆動軸2に嵌装された移動ユニット18と接している。移動ユニット18はその内周面にスラスト方向と平行の案内溝Iが形成され、この案内溝Iが回転駆動軸2の案内溝Aと摺動自由に嵌合することにより、移動ユニット18が回転駆動軸2に対しスラスト方向に移動自由となっている。
クラッチユニット34は、従動ディスク16の一側面と対面するクラッチディスク部10を有するクラッチディスク基部33と、クラッチディスク基部33とは別個独立の前記移動ユニット18と、後述するワンウェイ機構32とから主に構成されている。
駆動機構31は、サイドプレート3と、スライドプーリー5と、スライドプーリー5の案内溝 Bと、ウェイト4とから構成され、回転駆動軸2の回転による遠心力によりクラッチユニット34を従動ディスク16に向けて移動させるものである。
【0014】
ブレーキユニット35は有底カップ状に形成されていて、その奥底部が従動ディスク16の他側面と対面するブレーキディスク部8となっている。ブレーキユニット35の外周面にスラスト方向と平行に形成された案内溝Eは、ハウジング6の内面に同じくスラスト方向と平行に形成された案内溝Hと摺動自由に嵌合してハウジング6に対しブレーキユニット35をスラスト方向に移動可能としている。蓋部13の内面に穿設された穴部にはコイルスプリングなどからなる弾性部材12の一端が保持されている。弾性部材12の他端はブレーキディスク部8の従動側の面と接している。この弾性部材12により、ブレーキユニット35が従動ディスク16に向けて付勢されている。
【0015】
クラッチユニット34のクラッチディスク基部33の外周面には、リング部材7がベアリング21を介して軸心O回りに回動自由に装着されている。リング部材7の駆動側端部は従動側の胴部よりも大径の大径部7Aとして形成されている。リング部材7の従動側の部分はブレーキユニット35の内周面に摺動自由に装着される。リング部材7をブレーキユニット35内で従動側に向けて挿入していくと、リング部材7の胴部と大径部7aとの境である段部Gがブレーキユニット35の端面部Fと当接するようになっている。
【0016】
移動ユニット18とクラッチディスク基部33とは、回転駆動軸2とつながった移動ユニット18からクラッチディスク基部33への回転力の伝達を移動ユニット18の一の回転方向(図3中の矢印R方向)にのみ許容するワンウェイ機構32を介して連結されている。
ワンウェイ機構32は、図3に示すように、移動ユニット18の外周面に形成された4つの係止溝Cと、クラッチディスク基部33の内周面に形成された4つの内周溝Dと、各係止溝Cと各内周溝Dとに囲まれた空間内に収容された平行ピン19とから構成されている。各係止溝Cは側面視半円状に形成され、内周溝Dは回転駆動軸2の回転駆動方向(矢印R方向)に進むほど移動ユニット18の外周面との間隔が狭くなる形状に形成されている。
【0017】
また、図中符号のうち、20はリング部材7の内周面とクラッチディスク基部33の外周面との間に装着されたベアリング21を保持するための軸用C型止め輪、28はワンウェイ機構32の平行ピン19を抜け止めするためのリングプレート、22はキャップ座金17を回転駆動軸2の従動側端部に固定するための六角穴付きボルト、14は一端が移動ユニット18に接し他端がキャップ座金17に接した状態で回転駆動軸2の従動側端部に嵌装されたセンタースプリング、23は蓋部13の軸穴の内周面と従動軸15の外周面との間に装着されたベアリング26を保持するための穴用C型止め輪、25はハウジング6に蓋部13を固定するための六角穴付きボルトである。
【0018】
本実施形態のブレーキ付きクラッチ装置1は上記したように構成されている。
回転駆動軸2の停止中は、図1に示すように、弾性部材であるセンタースプリング14の付勢力(図1中の矢印K方向の力)によりクラッチユニット34および駆動機構31のスライドプーリー5が、サイドプレート3に最も近づいた位置にあってクラッチディスク部10は従動ディスク16から離れており、伝達力は切断されている。また、弾性部材12の付勢力によりブレーキディスク部8のフェーシング9が従動ディスク16の他側面に押し付けられていて、従動軸15は停止している。ブレーキユニット35の端面部Fはリング部材7の段部Gから離れている。
【0019】
そこで、図外の原動機(エンジン)の起動により回転駆動軸2が回転し始めると、図3(a)に示すように、移動ユニット18が矢印R方向に回転し、これに随伴してワンウェイ機構32の平行ピン19が内周溝D内を回転方向下流側へ移動して係止溝Cに嵌り込む。これにより、回転駆動軸2からの回転駆動力がクラッチディスク基部33へ伝達される。そして、そのときの回動駆動軸2の回転速度に応じたサイドプレート3の径方向外向きの遠心力がウェイト4にかかる。続いて、回転駆動軸2の回転速度が大きくなりそのときの遠心力のスラスト方向成分がセンタースプリング14の付勢力を上回ったとき、駆動機構31はクラッチユニット34を従動ディスク16に向けて(図5の矢印Ka方向)押動し始める。回転駆動軸2の回転数が徐々に大きくなるにつれ、駆動機構31のウェイト4が案内溝B内で径方向外向きに移動する。これにより、スライドプーリー5、クラッチユニット34、ベアリング21、およびリング部材7が一体で従動ディスク16に向かって移動する。
【0020】
このとき、ブレーキディスク8のフェーシング9は従動ディスク16の他側面に摺接したままであり、従動軸15に対しブレーキ作用は働いている。そのうち、クラッチユニット34にベアリング21を介して随伴するリング部材7の大径部7Aの段部Gがブレーキユニット35の端面部Fに当接する。更に、遠心力が高まってブレーキユニット35へのスラスト方向の押動力が弾性部材12の付勢力を上回ると、クラッチユニット34はブレーキユニット35を蓋部13に向けて押す。そうして、図4に示すように、回転駆動軸2の回転数が第2の所定回転数Sに達したとき、ブレーキディスク部8のフェーシング9が従動ディスク16の他側面から離れる。このとき、図5に示すように、クラッチディスク部10のフェーシング11も従動ディスク16の一側面に接していない。すなわち、この状態のブレーキ付きクラッチ装置1は、クラッチディスク部10のフェーシング11およびブレーキディスク部8のフェーシング9の双方が従動ディスク16から離れたニュートラル領域T(図4)にある。
そのうち、回転駆動軸2の回転数が第1の所定回転数Uを超えると、図6に示すように、駆動機構31がクラッチユニット34、ベアリング21、リング部材7、およびブレーキユニット35を矢印Ka方向に更に移動させてクラッチディスク部10のフェーシング11を従動ディスク16の一側面に押し付けて摩擦係合させる。これによって、図4の実線Pで示すクラッチ特性のような伝達トルクが回転駆動軸2から従動軸15へ伝達される。
【0021】
一方、アクセルを緩めて原動機の出力を低下または停止させると、回転駆動軸2の回転数が第1の所定回転数Uを下回り、ブレーキユニット35に随伴するリング部材7とセンタースプリング14がクラッチユニット34を矢印K方向に移動させてクラッチディスク部10を従動ディスク16の一側面から離す。これにより、ニュートラル領域Tに入り、クラッチディスク部10のフェーシング11およびブレーキディスク部8のフェーシング9の双方が従動ディスク16から離なれた状態に戻る。そうして、回転駆動軸2の回転数が第2の所定回転数Sを下回ったとき、弾性部材12がブレーキユニット35を押動してブレーキディスク部8のフェーシング9を従動ディスク16の他側面に押し付けてブレーキ機能が働く。
【0022】
上記したように、本実施形態のブレーキ付きクラッチ装置1は、原動機の駆動力を、例えばアクセル操作だけでブレーキ動作とクラッチ動作を自動的に切り替えて行わせることができる。従って、特許文献1開示の装置のようなブレーキレバーやブレーキワイヤを備える必要がなく、当然にブレーキレバー操作の必要もなくて操作性がよい。また、不意にアクセルを放してしまった時でもブレーキユニット35が自動的に従動軸15を制動するので安全である。
しかも、ブレーキ制動動作とクラッチ伝達動作の間にニュートラル領域Tを設けてあるので、特許文献1および特許文献2開示の装置のようにブレーキ制動動作とクラッチ伝達動作の双方が同時に働く状態が存在しない。これにより、クラッチ接続時のブレーキ摺動による無駄なエネルギー消費、ブレーキ制動時のクラッチ摺動による制動阻害といった不具合を生じることがなく、従動軸15を素早く停止できて安全に寄与する。また、クラッチフェーシングやブレーキフェーシングの摩耗を抑制する効果も得られる。
【0023】
一方、従動軸15の制動時に、アクセルを緩めて回転駆動軸2の回転速度を下げようとしても、そのままでは従動軸5にかかっている慣性力が回転駆動軸2の回転速度を保とうとする。
ところが、このブレーキ付きクラッチ装置1は、スライドボス18とクラッチディスク基部33の間にワンウェイ機構32を備えているので、図3(a)に示すように、回転駆動軸2側から従動軸15側へは一方向(矢印R方向)のみしか回転駆動力を伝えることができない。そのため、制動時には、図3(b)に示すように、移動ユニット18とクラッチディスク基部33の回転数に差が生じる。従動軸15側(クラッチディスク基部33)は慣性力によりそのまま回転しようとするが、ワンウェイ機構32により回転駆動軸2側(移動ユニット18)への慣性力の伝達は切断される。尚、図3(b)では理解を容易にするため、移動ユニット18を矢印Rとは反対方向(矢印Ra方向)に回転させているが、これはクラッチディスク基部33に対する相対的な回転方向を示しており、実質的には、移動ユニット18が停止しているか、あるいは移動ユニット18の回転速度がクラッチディスク基部33よりも遅い場合を意味している。
【0024】
よって、制動時における従動軸15の慣性力は回転駆動軸2に影響を及ぼさないため、回転駆動軸2の回転力はアクセル操作に追随して確実に抑えられる。これに伴うウェイト4の遠心力低下によりクラッチディスク部10にかかる押圧力も抑えられて、いっそう迅速なクラッチ切断に至る。同時に、ブレーキユニット35への押圧力も抑えられることから、ニュートラル領域Tが短時間となって瞬時にブレーキが効く。従って、刈払機などに適用した場合に、アクセルを放すだけで回転刃を瞬時(因みに、2秒以内)に停止させることができ、極めて安全である。
【0025】
尚、上記の実施形態では、ブレーキユニット35とリング部材7を別部品に構成してある。これにより、ブレーキディスク部8のフェーシング9が磨耗してブレーキの効きが低下したときに、ブレーキユニット35の端面部Fを矢印Kの反対方向に削るだけでブレーキディスク部8と従動ディスク16との距離が縮まるので、ブレーキの効きを取り戻すことができる。但し、本発明では、リング部材7を省いてブレーキユニット35の内周面にベアリングを圧入したものや、ブレーキユニット35とリング部材7を一体に形成した部品を用いることも可能である。
【0026】
また、従動軸15の制動力を任意に解除させるため、ブレーキディスク部8のフェーシング9が従動ディスク16から離れる位置までブレーキユニット35を押動しその位置で止めておくブレーキ解除機構(図示省略)を、ハウジング6内に設けることも可能である。かかる機構を設けることにより、停止中の従動軸15を任意に回転させることができる。これにより、従動軸15先端に取付けられている例えば刈刃の補修や取替えを支障なく実施することができる。
【0027】
また、本発明はセンタースプリング14を用いなくても成り立つが、センタースプリング14があることにより、クラッチ動作以外のとき、特に従動軸15を下方にし回転駆動軸2を上方にした姿勢のときでもクラッチディスク部10のフェーシング11を従動ディスク16から確実に離しておくことができる。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るブレーキ付きクラッチ装置によれば、原動機の出力に応じて、クラッチユニットが回動駆動軸と従動軸をクラッチ接続し、ブレーキユニットが従動軸を制動するが、クラッチ伝達動作とブレーキ制動動作の間に、クラッチユニットのクラッチディスク部およびブレーキユニットのブレーキディスク部の双方が従動ディスクから離れている状態が存在するので、ブレーキ制動動作とクラッチ伝達動作の双方が同時に働くことがない。これにより、クラッチ接続時はブレーキ摺動による無駄なエネルギー消費がなく従動軸は迅速に加速される。一方、ブレーキ制動時はクラッチ摺動による制動阻害がなく、従動軸を素早く停止するから安全である。加えて、クラッチフェーシングやブレーキフェーシングの摩耗も抑制する。
【0029】
また、分離独立の移動ユニットとクラッチディスク部とがワンウェイ機構を介して連結されているので、制動時における従動軸の慣性力は回転駆動軸に伝わらないため、回転駆動軸の回転力は原動機の出力低下に追随して素早く下がる。これにより、クラッチユニットおよびクラッチユニットの移動が早まり、より迅速にクラッチ切断およびブレーキ制動を行って従動軸を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るブレーキ付きクラッチ装置の側断面図である。
【図2】前記ブレーキ付きクラッチ装置の分解斜視図である。
【図3】前記ブレーキ付きクラッチ装置のワンウェイ機構を示し、(a)はワンウェイ機構が回転駆動軸からの回転力をクラッチディスク基部へ伝達している状態を示す説明図、(b)は回転駆動軸からの回転力がクラッチディスク基部へ伝わっていない状態を示す説明図である。
【図4】前記ブレーキ付きクラッチ装置によるエンジン回転数と従動軸にかかるトルクとの関係を示すグラフである。
【図5】従動ディスクがブレーキディスク部とクラッチディスク部の双方から離れている状態を示す説明図である。
【図6】従動ディスクがクラッチディスク部とクラッチ係合している状態を示す説明図である。
【図7】従来のブレーキ付きクラッチ装置の側断面図である。
【図8】従来のブレーキ付きクラッチ装置によるエンジン回転数と従動軸にかかるトルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ブレーキ付きクラッチ装置
2 回転駆動軸
3 サイドプレート
4 ウェイト
5 スライドプーリー
6 ハウジング
7 リング部材
7A 大径部
8 ブレーキディスク部
10 クラッチディスク部
12 弾性部材
15 従動軸
16 従動ディスク
18 移動ユニット
19 平行ピン
31 駆動機構
32 ワンウェイ機構
33 クラッチディスク基部
34 クラッチユニット
35 ブレーキユニット
A,B,E,H,I,J 案内溝
C 係止溝
D 内周溝
F 端面部
G 段部
K,R 矢印
O 軸心
S 第2の所定回転数
T ニュートラル領域
U 第1の所定回転数

Claims (2)

  1. 原動機に駆動連結されてハウジング内で回転する回転駆動軸と、回転駆動軸と同軸心配置でハウジングの蓋部に回動自由に軸支された従動軸と、ハウジング内に配置されて従動軸に取付けられた従動ディスクと、従動ディスクの一側面と対面するクラッチディスク部を有するとともに回転駆動軸に該回転駆動軸軸心方向に摺動自由に設けられたクラッチユニットと、回転駆動軸に設けられて該回転駆動軸の回転による遠心力によりクラッチユニットを従動ディスクに向けて移動させる駆動機構と、従動ディスクの他側面と対面するブレーキディスク部を有するとともにハウジング内面に回転駆動軸軸心方向に摺動自由に設けられたブレーキユニットと、ハウジング内に配備されてブレーキユニットを従動ディスクに向けて付勢する弾性部材と、クラッチユニットの外周面に回転駆動軸軸心回りに回動自由に装着されるとともにブレーキユニットと係合するリング部材とを備え、
    回転駆動軸の回転数が第1の所定回転数を超えると、駆動機構がクラッチユニットを移動させてクラッチディスク部を従動ディスクの一側面に押し付けるとともにクラッチユニットに随伴するリング部材がブレーキユニットを移動させてブレーキディスク部を従動ディスクの他側面から離し、回転駆動軸の回転数が前記第1の所定回転数よりも小さな第2の所定回転数を下回ると、弾性部材がブレーキユニットを押動してブレーキディスク部を従動ディスクの他側面に押し付けるとともにブレーキユニットに随伴するリング部材がクラッチユニットを移動させてクラッチディスク部を従動ディスクの一側面から離し、回転駆動軸の回転数が前記第1の所定回転数と前記第2の所定回転数の間にあるときは、クラッチユニットのクラッチディスク部およびブレーキユニットのブレーキディスク部の双方が従動ディスクから離れているように構成したことを特徴とするブレーキ付きクラッチ装置。
  2. クラッチユニットが、回転駆動軸に該回転駆動軸軸心方向に摺動自由に設けられた移動ユニットと、従動ディスクの一側面と対面するクラッチディスク部とに分離独立に構成され、当該移動ユニットとクラッチディスク部とが、移動ユニットからクラッチディスク部への回転力を移動ユニットの一の回転方向にのみ許容するワンウェイ機構を介して連結されている請求項1に記載のブレーキ付きクラッチ装置。
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