JP4618749B2 - 時計部を備える小型機器用充電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発電機能を有する時計において、ジェネレータで発電された交流起電力を整流部で整流し、その整流後の電力を電源部で蓄電して時計部の電源として使用する時計部を備える小型機器用充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の充電装置において、発電された起電力を昇圧して蓄電するため、チョッパ制御による昇圧を行うものとして、たとえば特公昭61−15385号公報および特開平10−282264号公報に開示されたものがある。
【0003】
前者の場合は、ステップモータのコイルの出力端の電圧をチョッパ制御により昇圧する。
【0004】
後者の場合は、発電部の出力端を短絡するスイッチ部をチョッパ制御して昇圧し、その昇圧した電力を充電する。また、起電圧をコンパレータを用いて検知してチョッパ動作を制御、つまり起電圧が一定以下のときはチョッパ制御を行い、一定電圧以上のときはチョッパ制御を行わないようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来では、コイルの両端を短絡させてチョッパ制御しているため、充電回路への入力に当たっては半波整流が一般的であり、全波整流の場合には、後者の特開平10−282264号公報に開示されているような、出力同期回路を有する複雑なチョッパ制御が必要であった。また、半波整流による場合も、チョッパ制御用トランジスタやFET等の逆電流防止手段を講ずる必要があり、これがチョッパ制御部の制約条件となっていた。
【0006】
また、特開平10−282264号公報における発電電圧を検出してチョッパ動作を制御する方法は、コンパレータによるものであり、数μAの発電量を問題とする時計用の発電システムには、実際上、利用するには困難であった。
【0007】
ところで、チョッパ制御は充電量を上げるために行うが、反面、チョッピングすることで蓄電の速度を低下させることになる。
【0008】
そこで、この発明の第1目的は、蓄電の速度低下を抑えながら、しかもジェネレータの発電状態の変動に影響されずに、充電効率を向上させて高効率の充電ができる、時計等の小型機器用充電装置を提供することにある。
【0009】
第2の目的は、常に最適な充電が行える時計等の小型機器用充電装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、この発明は、ジェネレータで発電された交流起電力を整流部で整流し、その整流後の電力を電源部で蓄電して時計部の電源として使用する時計部を備える小型機器用充電装置において、整流部の後段に、該整流部の出力端をスイッチ部で周期的にオン・オフして整流後の電圧をチョッパ制御するチョッパ制御手段と、発電周波数を検出する発電周波数検出手段と、その発電周波数から加速度を検出する加速度検出手段とを設け、チョッパ制御手段のチョッパ制御により昇圧された電力を電源部に蓄電するとともに、加速度検出手段が検出した加速度にしたがってチョッパ制御手段によるチョッパ制御を行うか行わないかを判断することを特徴とする。すなわち、発電周波数から加速度を見て、この先、高い速度になるかどうかで、チョッピングをかけるか、かけないかを判断する。
【0011】
発電周波数検出手段は、スイッチ部の一方の電圧によりオン・オフするインバータのオン・オフの時間から発電周波数を検出する。
【0012】
第2の目的を達成するため、発電周波数の高低に応じて整流部を半波整流と全波整流とに切り換える整流切換手段を備える。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面にしたがって詳細に説明する。
図1には、この発明による時計用充電装置の構成をブロック図にして示す。
【0014】
この時計用充電装置は、ジェネレータ1と、このジェネレータ1で発電された交流起電力を整流する整流部2と、該整流部2の出力端を周期的にオン・オフするスイッチ部3と、充電のためのコンデンサまたは二次電池4を含む電源部5と、時計回路6を含む時計部7と、スイッチ部3の一方の電圧によりオン・オフするインバータ8と、基準信号を発生する基準信号発生回路9と、インバータ8のオン・オフの時間から発電周波数を検出する発電周波数検出手段である第1の波形合成回路10と、その発電周波数を速度に変換する速度変換手段である第2の波形合成回路11と、その速度と発電周波数とから加速度を検出する加速度検出手段である第3の波形合成回路12と、チョッパ制御するチョッパ制御手段である第4の波形合成回路13と、発電周波数の高低に応じて整流部2を半波整流と全波整流とに切り換える整流切換部14とで構成されている。
【0015】
次に、動作について説明する。
ジェネレータ1で発電された交流起電力は整流部2で半波整流または全波整流される。その整流後の電圧は、スイッチ部で周期的にオン・オフしてチョッパ制御することにより、図3に示すように昇圧され、その昇圧された電圧が電源部5に蓄電され、時計部7の電源として使用される。図2には、図1における○の1の点および○の3の点の電圧波形を示す。
【0016】
一方、インバータ8によりジェネレータ1の発電の有無を判定し、その判定信号を第1の波形合成回路10に入力する。この第1の波形合成回路10は、基準信号発生回路9からの基準信号と上記判定信号とにより、発電周波数に応じた信号を第2の波形合成回路11へ出力する。図3に、測定レンジが5msecの場合における図1の▲4▼および▲6▼の点の波形を示す。
【0017】
第2の波形合成回路11は、第1の波形合成回路10からの発電周波数を発電速度に応じた信号に変換して第3の波形合成回路12へ出力する。図4には、測定レンジが20msecの場合における図1の▲4▼、▲6▼および▲8▼の点の波形を示す。
【0018】
第3の波形合成回路12は、図5に示すように、第1の波形合成回路10からの発電周波数に応じた信号▲6▼と第2の波形合成回路11からの速度に応じた信号▲8▼との周期の差から、加速度を検出し、加速度に応じた信号を第4の波形合成回路13へ出力する。
【0019】
第4の波形合成回路13は、第3の波形合成回路12からの加速度に応じた信号により、加速度の大小を判断してチョッパ制御のオン・オフを判定し、つまりチョッパ制御を行うか行わないかを判定する。そして、チョッパ制御を行うときには、基準信号発生回路9からの基準信号に従ったチョッパ信号を制御して、スイッチ部2にオン・オフ信号を出力する。図6には、図1の○の9の点の波形を示す。また、図7には、チョッピング無しの場合と、加速度の大小に応じてチョッピングをかけない通常制御の場合と、上述したように加速度の大小を判断して加速度の大小によりチョッピングをかける加速度制御の場合の電圧波形を示す。
【0020】
第4の波形合成回路13は、同時に、チョッパ制御信号に同期して、整流切換部14を発電周波数の高低に応じて制御する。すなわち、第2の波形合成回路11からの速度に応じた信号○の8から、発電周波数が高いときは整流部2を半波整流、低いときは全波整流とする。
【0021】
発電周波数に応じて整流方式を切り換えると、発電周波数に応じた高効率の充電が行える。図8には、整流方式による発電周波数と充電エネルギーの関係を示す。
【0022】
ところで、上述した例では、この発明による充電装置を時計に適用した場合について説明した。しかし、この発明は、時計に限らず、その他の小型機器用充電装置にも適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
この発明による効果を、請求項毎にあげると、次のとおりである。
【0024】
<請求項1>
整流部の後段でチョッパ制御するため、整流はダイオードの組み合わせのみで可能になる。
スイッチ部における逆流防止が不要になる。そのため、電源部に入力する充電電流を直接スイッチ部の端子で測定でき、チョッパ制御のための制約条件がなくなり、電圧検出が容易になる。
【0025】
発電周波数から加速度を見て、この先、高い速度になるかどうかで、チョッピングをかけるか、かけないかを判断するので、蓄電の速度低下を抑えながら、しかもジェネレータの発電状態の変動に影響されずに、充電効率を向上させて高効率の充電ができる。
全波・半波と整流方式の制約がない。特に、全波整流は、簡単な構成となり、実用が容易な全波チョッパ制御充電装置を提供できる。
【0026】
<請求項2>
スイッチ部の一方の電圧によりオン・オフするインバータのオン・オフの時間から発電周波数を検出するため、発電周波数の検出を非常に簡単な構成で行えることになり、全体のシステム構成が単純になり、またコンパレータ等の消費電流の大きい回路も不要になるので、制御部の低電力化が可能になる。
【0027】
<請求項3>
例えばロータ錘を用いて発電する場合、発電周波数が高いときは、半波整流の方がロータ錘の発電負荷が小さくなり、ロータ錘の動作速度が速くなり発電効率がアップする。逆に、発電周波数が低いときには、起電力が小さく、チョッパ制御が必要となる。さらに、微小電流を無駄なく充電できるようにするためには、全波整流が良い。したがって、発電周波数の高低に応じて整流部を半波整流と全波整流とに切り換えれば、常に最適な充電が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による時計用充電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における▲1▼および▲3▼の点の電圧波形図である。
【図3】測定レンジが5msecの場合における図1の▲4▼および▲6▼の点の波形図である。
【図4】測定レンジが20msecの場合における図1の▲4▼、▲6▼および▲8▼の点の波形図である。
【図5】図1における第1の波形合成回路からの発電周波数に応じた信号▲6▼と第2の波形合成回路からの速度に応じた信号▲8▼との周期の差から、加速度を検出することを示すタイミングチャートである。
【図6】図1の▲9▼の点の波形図である。
【図7】チョッピング無しの場合と、通常制御の場合と、加速度制御の場合の電圧波形図である。
【図8】整流方式による発電周波数と充電エネルギーの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ジェネレータ
2 整流部
3 スイッチ部
4 コンデンサまたは二次電池
5 電源部
6 時計回路
7 時計部
8 インバータ
9 基準信号発生回路
10 第1の波形合成回路
11 第2の波形合成回路
12 第3の波形合成回路
13 第4の波形合成回路
14 整流切換部

Claims (3)

  1. ジェネレータで発電された交流起電力を整流部で整流し、その整流後の電力を電源部で蓄電して時計部の電源として使用する時計部を備える小型機器用充電装置において、前記整流部の後段に、該整流部の出力端をスイッチ部で周期的にオン・オフして整流後の電圧をチョッパ制御するチョッパ制御手段と、発電周波数を検出する発電周波数検出手段と、その発電周波数から加速度を検出する加速度検出手段とを設け、前記チョッパ制御手段のチョッパ制御により昇圧された電力を前記電源部に蓄電するとともに、前記加速度検出手段が検出した加速度にしたがって前記チョッパ制御手段によるチョッパ制御を行うか行わないかを判断することを特徴とする、時計部を備える小型機器用充電装置。
  2. 前記発電周波数検出手段は、前記スイッチ部の一方の電圧によりオン・オフするインバータのオン・オフの時間から発電周波数を検出することを特徴とする、請求項1に記載の時計部を備える小型機器用充電装置。
  3. 発電周波数の高低に応じて整流部を半波整流と全波整流とに切り換える整流切換手段を備えたことを特徴とする、請求項1、または2に記載の時計部を備える小型機器用充電装置。
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