以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)電子ブックシステムの全体構成
図1において、1は全体として本発明における電子ブックシステムを示し、ユーザが携帯して用いる電子ブック2、複数種類の書籍の書籍データを格納した電子ブックサーバ3及び書籍データのダウンロードを行うため例えば本屋等に設置されたキオスク端末5が例えばインターネット4のネットワークを介して接続された構成を有する。
また電子ブックシステム1は、インターネット4を介して出版社のコンピュータ装置6や執筆家又は作家の使用するパーソナルコンピュータ7と電子ブックサーバ3とが接続されており、これにより電子ブックサーバ3には出版社や作家から直接送信された書籍データを格納し得、キオスク端末5を介してユーザ所有の電子ブック2へ最新の書籍データを提供したり、インターネット4を介して電子ブック2へ当該書籍データを直接提供し得るようにもなされている。
図2に示すように電子ブック2は、左側表示部10及び右側表示部11がほぼ中心に位置された回動軸部12に対して回動自在に取り付けられ、あたかも実際の書籍を開くかのように回動軸部12を中心として左側表示部10及び右側表示部11の開閉動作を行い得るようになされている。
ここで左側表示部10及び右側表示部11には、それぞれに左側LCD(Liquid Crystal Display)24L及び右側LCD24Rが取り付けられており、当該左側表示部10及び右側表示部11に実際の書籍と同様の内容が1ページ分づつ表示される。
また電子ブック2は、回動軸部12の下方位置に、矢印a方向及び矢印b方向へ回動自在でかつ押下操作可能なジョグダイヤル12Aが設けられており、当該ジョグダイヤル12Aの回動操作に応じて左側表示部10及び右側表示部11に表示した内容を切り換え、あたかも実際に書籍のページを捲っているかのような印象をユーザに対して与えるようになされている。
因みにジョグダイヤル12Aは、当該ジョグダイヤル12Aに対する回転操作に対して所定回転角度毎に軽い引っ掛かり感をユーザに与えるようになされており、この軽い引っ掛かり感に相当する1回分の回転操作量(以下、これを1ページ捲りに相当する回転クリックと呼ぶ)をユーザに対して指先の触感を通じて認識させるようになされている。
従って電子ブック2は、ジョグダイヤル12Aに対する回転クリック数に応じたページ捲り動作を行い、当該回転クリック数に対応して表示内容を切り換えるようになされている。
実際上、図3に示すように電子ブック2は例えばユーザの左手で把持された際に当該左手の親指で回動操作可能な位置にジョグダイヤル12Aが設けられ、ユーザが左手で把持した状態のまま当該左手の親指により当該ジョグダイヤル12を回動操作し得るような操作性に優れた構成を有しており、これによりページ捲り操作を容易に実行させ得るようになされている。
因みに電子ブック2では、左側表示部10又は右側表示部11の背面側に加速度センサ(図示せず)が内蔵されており、図4に示すようにユーザが手首を返す動きの動作方向を当該加速度センサにより検出し、その検出結果に応じてページ捲り動作を実行するようにもなされている。これによりユーザはジョグダイヤル12を操作し難い状況下であっても、容易にページ捲り動作を実行することができる。
なお電子ブック2では、手首を返したときの動作方向を検出する手段として加速度センサを用いたが、当該加速度センサの代わりに傾き検出用の水銀スイッチや、可変抵抗器に重りをぶら下げたものを左側表示部10又は右側表示部11の背面側に内蔵して動作方向を検出しても良い。
さらに電子ブック2では、図5に示すように左側表示部10及び右側表示部11の液晶ディスプレイ表面に静電容量センサ又は感圧センサ等の接触センサ(図示せず)を設ければ、当該液晶ディスプレイ表面が指でなぞられたときの方向を検出してページ捲り動作を実行することもできる。
同様にして電子ブック2では、図6に示すように左側表示部10及び右側受光部11にそれぞれ赤外線発光部15、17及び赤外線受光部16、18を設ければ、左側表示部10の赤外線発光部15及び赤外線受光部16でユーザの手を感知した後、右側表示部11の赤外線発光部17及び赤外線受光部18でユーザの手を感知することにより動作方向を検出し、当該動作方向へページ捲り動作を実行することができる。
同様に電子ブック2では、右側表示部11の赤外線発光部17及び赤外線受光部18でユーザの手を感知した後、左側表示部10の赤外線発光部15及び赤外線受光部16でユーザの手を感知することにより動作方向を検出し、上述のページ捲り動作とは逆方向へページ戻し動作を実行することもできる。
なお電子ブック2は、回動軸部12の背面側上方には引出収納式でなるアンテナ13が設けられており、電子ブックサーバ3とインターネット4を介して通信接続し、当該電子ブックサーバ3から書籍データをダウンロードする際に用いられるようになされている。
またキオスク端末5(図1)は、所定の装着口5Aへ装着された電子ブック2に対して、端末画面を介してユーザにより選択された書籍の書籍データを電子ブックサーバ3からダウンロードして書き込むようになされており、またキオスク端末5自身で当該書籍データを所有している場合には電子ブック2に対して直接書き込むようになされている。
なおキオスク端末5は、多くの冊数を店頭に並べることが困難な小規模な小売店に配置された場合に特に有効であり、当該小売店が所有していない書籍についても電子ブックサーバ3を介してダウンロードすることができるので、ユーザのあらゆるニーズに応えることが可能となる。
これにより電子ブック2のユーザは、電子ブックサーバ3へ直接アクセスすることにより所望書籍の書籍データをダウンロードできると共に、キオスク端末5を介して所望書籍の書籍データをダウンロードできるようにもなされており、書籍データの取得方法を任意に選択し得るようになされている。
(2)書籍データの取得処理
図7に示すように電子ブック2は、当該電子ブック2全体を統括制御するCPU(Central Processing Unit)20、ワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)21、基本プログラム及び種々のアプリケーションプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)22、左側表示部10に左側ページの内容を表示する左側LCD(Liquid Crystal Display)24L、右側表示部11に右側ページの内容を表示する右側LCD24R、電子ブックサーバ3からダウンロードした書籍データを格納する内蔵型の不揮発性メモリ23、ジョグダイヤル12Aの回動操作及び押下操作に応じた命令や、電子ブック2の筐体表面に設けられた操作ボタン(図示せず)の操作に応じた命令を生成してCPU20へ伝達する入力インターフェース25、キオスク端末5を介して電子ブックサーバ3との間でデータ通信を行うためのネットワークインターフェース26、無線により電子ブックサーバ3と直接データ通信するための変復調等の送受信処理を行う送受信回路27及びバッテリ28がバス29を介して相互に接続された構成を有する。
この電子ブックシステム1においては、その使用形態としてユーザの購入した書籍データを電子ブックサーバ3から電子ブック2にダウンロードして表示し、当該ユーザに対して読ませるようになされているが、実際上ユーザは購入した書籍の書籍データを電子ブックサーバ3から自由にダウンロードして何時でも読むことができる権利を取得したに過ぎず、購入した書籍の書籍データを全ページ分全て一括してダウンロードできるわけではない。
すなわち電子ブックシステム1では、電子ブックサーバ3が電子ブック2に対して書籍1冊分の書籍データを全て一括してダウンロードすることを禁じており、これにより1冊分の書籍データに対する不正コピーや不正転送若しくは不正使用等を未然に防止し得るようになされている。
なお電子ブックシステム1では、使用形態として書籍の書籍データを購入させる購入方法以外にも一定期間だけ書籍データのダウンロードする権利(以下、これをダウンロード権利と呼ぶ)を認める貸出方法が考えられ、サービス提供者側の希望により書籍データの提供形態が決定される。
ところで電子ブック2においては、電子ブックサーバ3から書籍データを購入するための購入モードと、既に購入済みの書籍データの内容を左側表示部10及び右側表示部11に表示して書籍データの内容をユーザに読ませるための読書モードとがあり、この購入モード及び読書モードについてそれぞれ説明する。
なお電子ブック2では、購入モードにおいて当該電子ブック2からインターネット4を介して電子ブックサーバ3と無線により直接アクセスし、当該電子ブックサーバ3から所望書籍の書籍データをダウンロードする直接方式と、上述のキオスク端末5を介して電子ブックサーバ3から所望書籍の書籍データを有線により間接的にダウンロードする間接方式とがあり、ユーザはいずれかを選択し得るようになされている。
(2−1)直接方式の購入モード
まず、直接方式の購入モードにおいて電子ブック2のCPU20は、ユーザによってアンテナ13が引き出されたことを認識すると、ユーザが電子ブックサーバ3から書籍データをダウンロードすることを希望していると判断し、バッテリ28から各種回路部へ電力を供給すると共に基本プログラム及びアプリケーションプログラムを立ち上げることにより起動する。
そして電子ブック2のCPU20は、ユーザにより入力されたユーザID及びパスワードを予め送信先として登録されている電子ブックサーバ3へ送信し、当該電子ブックサーバ3によって電子ブック2が正規の登録ユーザであることが認証されると、当該電子ブックサーバ3から図8に示すような本屋選択画面40(40L及び40R)をダウンロードして左側表示部10及び右側表示部11に表示する。
この場合、電子ブック2のCPU20は、パーソナルコンピュータのように起動までに多数の工程を経る必要がない専用端末であることから瞬時に起動し得、アンテナ13が引き出されてから僅かな時間で本屋選択画面40を初期画面として表示するようになされており、これによりユーザに対して時間的なストレスを感じさせることなく使用させ得るようになされている。
この本屋選択画面40には、例えば旅行関係の書籍を専門的に扱う本屋を示す「ブックストラベル」の表示部分41、ビジネス書を専門的に扱う本屋を示す「ビジネス書専門店」の表示部分42等が表示され、この他にもページを進めるに連れて種々の本屋が表れるようになされている。
ここで本屋選択画面40には、現在フォーカスの当っている選択可能な本屋(「ビジネス書専門店」)の表示部分42に網掛処理が施されるようになされており、ジョグダイヤル12Aの回動操作に応じて当該フォーカス部分が回動操作方向へ移動して表示される。
ユーザは、本屋選択画面40に表示された中から所望の本屋を見つけ、ジョグダイヤル12Aを操作することにより、所望の本屋(この場合、「ビジネス書専門店」)の表示部分42にフォーカスを当て、その状態でジョグダイヤル12Aを押下操作すればよい。
これにより電子ブック2のCPU20は、図9に示すような「ビジネス書専門店」に対応した書籍選択画面44(44L及び44R)を電子ブックサーバ3からダウンロードして左側表示部10及び右側表示部11に表示し、あたかもユーザが実際に「ビジネス書専門店」の本屋に入店して書籍を選択するかのような印象を与えるようになされている。
ここで書籍選択画面44は、左側表示部10に表示された書籍内容画面44Lと、右側表示部11に表示された書籍棚画面44Rとによって構成されている。当該書籍棚画面44Rでは、本棚に背表紙が向けられている状態の書籍が複数並べられて表示され、本棚の下部には本屋名称(「ビジネス書専門店」)、取扱書籍数(「20000種」)、週間来客数(「1200人」)及び本日来客数(「15人」)が表示されると共に本屋内における当該本棚の現在地点が表示されている。
書籍棚画面44Rにおいて、ユーザが所望の書籍例えば「ウィンテル神話の嘘」とタイトルされた書籍45をジョグダイヤル12A等の操作により選択した場合、電子ブック2のCPU20は当該書籍45を手前側へ倒しかけた状態に表示し、あたかも書籍45にユーザが手をかけて取り出そうとしているかのような印象を与えると共に、書籍45を選択したことを視覚的かつ直感的に認識させ得るようになされている。
また書籍内容画面44Lでは、書籍棚画面44Rでユーザによって選択された書籍45に対応した「タイトル」、「著作者」及び「概要」が所定のキャラクタ46による吹出47を介して示される。これによりユーザは、書籍棚画面44R及び書籍内容画面44Lでなる書籍選択画面44の中から所望の書籍45をその内容を把握しながら容易に選択し得るようになされている。
電子ブック2のCPU20は、書籍45が選択された状態でジョグダイヤル12Aが押下操作されると、ユーザによって当該書籍45が決定されたことを認識し、図10に示すような書籍購入画面50(50L及び50R)を電子ブックサーバ3からダウンロードして左側表示部10及び右側表示部11に表示する。
書籍購入画面50は、決済内容画面50L及び購入決定画面50Rによって構成されており、購入決定画面50Rにはユーザによって選択された書籍の表紙表示部51、大まかな「あらすじ」を示した概要表示部52、購入決定ボタン53及びキャンセルボタン54が設けられると共に、決済内容画面50Lには書籍45の価格及び決済方法等を示した吹出55が表示されている。
電子ブック2のCPU20は、書籍購入画面50上でユーザによって購入決定ボタン53が押下操作されたことを認識すると、例えばプリペイドカード型電子マネーによる決済を行うための電子決済画面(図示せず)を表示し、当該プリペイドカード型電子マネーのカード裏面に記入されている文字の入力をユーザに対して促すようになされている。
ここでプリペイドカード型電子マネーとは、ビットキャッシュでの支払いに対応したコンテンツ(この場合には書籍データ)の購入を希望するユーザが所定の取扱店で入手したプリペイドカードの裏面に記入されている文字を入力することにより、当該プリペイドカードの購入額上限を限度にWeb上で決済することが可能なシステムである。ユーザは直接クレジットカード番号を入力する必要がないので個人情報がインターネット4上に流出することを予め防止できるといった特徴を有する。
電子ブック2のCPU20は、操作ボタン等を介してユーザにより入力されたプリペイドカード型電子マネーの文字を送受信回路27及びアンテナ13を介して電子ブックサーバ3へ送信し、当該電子ブックサーバ3による認証結果を待つ。
図11に示すように電子ブックサーバ3は、当該電子ブックサーバ3全体を統括制御するCPU30、ワークエリアとして用いられるRAM32、電子ブック2、出版社のコンピュータ装置6、作家の使用するパーソナルコンピュータ7及びキオスク端末5とインターネット4を介してデータ通信を行うためのネットワークインターフェース33、基本プログラム及び種々のアプリケーションプログラムを格納すると共に、複数種類の書籍データを蓄積した書籍データ格納部34A、ユーザの書籍データに関する利用状況の利用履歴を蓄積した利用履歴データベース34B、電子決済を行うための決済データベース34C及びユーザによりダウンロード権利の購入された書籍の書籍データを格納管理する購入済書籍データベース34Dを構築するハードディスク34がバス35を介して相互に接続された構成を有する。
電子ブックサーバ3のCPU30は、ネットワークインターフェース33を介して電子ブック2からプリペイドカード型電子マネーの文字を受信し、当該文字に基づいて決済データベース34Cを参照することにより正規ユーザであることの認証を行い、その認証が済むと正規ユーザである旨及びプリペイドカード型電子マネーの使用可能残金額を電子ブック2へ通知する。
電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3から正規ユーザである旨の認証結果の通知を受けると、決済内容画面50L(図10)の吹出55中に「あなたの残高は10000felica-ptです」といった使用残高を表示し、購入ボタン53のクリックを再度待ち受ける。
この後、電子ブック2のCPU20は購入ボタン53が再度クリックされたことを認識すると、当該電子ブックサーバ3に対して書籍データのダウンロードを許可してもらうためのダウンロード権利取得要求を送信する。
電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2からのダウンロード権利取得要求に基づいて書籍データのダウンロードを許可する(以下、これを「ダウンロード権利を与える」と呼ぶ)と共に当該許可した書籍データを購入済書籍データベース34Dに格納した後、その書籍データに対応する課金データを決済データベース34Cにおけるユーザの決済データに対して更新することにより課金処理を行うようになされている。
このとき電子ブックサーバ3のCPU30は、図12に示すように書籍名に対して固有の書籍データID(Identification)コードが割り当てられた書籍名対応テーブル37を書籍データ格納部34Aに所有しており、ダウンロード権利を与えた書籍名に対応付けられた書籍データIDコードを当該書籍名対応テーブル37から読み出して電子ブック2へ送信する。
このとき電子ブックサーバ3のCPU30は、図13に示すように書籍データIDコードに対してダウンロード権利を与えた電子ブック2の利用者IDコードが登録されている書籍購入者対応テーブル38を書籍データ格納部34Aに所有しており、当該書籍購入者対応テーブル38の書籍データIDコードに対して先程ダウンロード権利を与えた電子ブック2の利用者IDコードを追加登録するようになされている。
これにより電子ブックサーバ3のCPU30は、どの書籍に対して誰がダウンロード権利を所有しているかを一元的に管理し得るようになされている。
また電子ブックサーバ3のCPU30は、図14に示すように利用者IDコードに対して書籍データIDコード及び読みかけフラグが対応付けられた利用履歴対応テーブル39を利用履歴データベース34Bに所有しており、当該利用履歴対応テーブル39の読みかけフラグを介して書籍データIDコードに対応した書籍が「未読」であるか又は「読みかけ」であるかを識別し得るようになされている。
すなわち電子ブックサーバ3のCPU30は、読みかけフラグが「0」のとき「未読」であることを認識し、読みかけフラグが「1」のとき「読みかけ」であることを認識し、電子ブック2から要求に応じて利用履歴に関する情報を提供し得るようになされている。
なお利用履歴対応テーブル39には、説明の便宜上、読みかけフラグについてのみ説明したが、当該読みかけフラグの他にも、何日以上にもわたって全く読まれていない書籍や、既に1度読み終えている書籍に関するフラグ、及び当該書籍における「読みかけ途中の見開き2ページ」のページ数を読書進行状況情報とする種々の属性情報が対応付けられており、ユーザの書籍データに関する種々の利用状況が利用履歴として記録されている。
これに対して電子ブック2のCPU20は、ユーザにより選択された書籍データのダウンロード権利を電子ブックサーバ3から取得すると、当該権利取得した書籍に対する書籍データIDコードの通知を電子ブックサーバ3から受け、これを不揮発性メモリ23に記憶する。
このように電子ブック2のCPU20は、ダウンロード権利を取得した書籍の書籍データIDコードを順次不揮発性メモリ23に記憶することにより、権利取得した書籍についてダウンロードを希望する際には当該書籍データIDコードを電子ブックサーバ3へ送信するだけで良く、何時でも簡易に書籍データを取得し得るようになされている。
実際上、電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3に対して自身で購入した書籍に関する情報の要求を行うと、当該電子ブックサーバ3から図15に示すような「マイ本棚」画面60をダウンロードして左側表示部10及び右側表示部11に表示するようになされている。
この「マイ本棚」画面60は、利用履歴対応テーブル39(図14)に基づいて作成されており、ユーザ自身で購入(ダウンロード権利を取得)した書籍が本棚に実際に並べられたかのような様子が表示されている。
電子ブック2のCPU20は、「マイ本棚」画面60を介して先程ダウンロード権利を取得した書籍(「ウィンテル神話の嘘」)61を手前側に倒しかけた状態で表示することにより、当該書籍61が先程ダウンロード権利を取得した書籍であって現在選択されていることをユーザに対して視覚的に認識させ得るようになされている。
また「マイ本棚」画面60では、現在選択されている書籍61の「タイトル」、「著者」、「最後に読んだ日」、「購入日」、「ページ数」及び「その他の情報(既に読み終えたページ数等)」等の属性情報が吹き出し部62に表示されると共に、読みかけの書籍63が全て斜めに倒された状態で表示され、ここ最近全く読まれていない書籍64が横倒しされた状態で表示されており、書籍63及び64等の表示形態によって当該書籍に対する利用履歴等を視覚的かつ直感的に認識させ得るようになされている。
また電子ブック2のCPU20は、「マイ本棚」画面60における「買った順」ボタン65、「読んだ順」ボタン66、「著者名」ボタン67及び「EXIT」ボタン68のいずれかが選択されると、当該「マイ本棚」画面60の本棚に並べられている書籍の順番を変更して表示し、ユーザが好む順番に変更して表示し得るようになされている。
この後、ユーザによって書籍61を読書することが決定されると、電子ブック2のCPU20は、当該書籍61に対応した書籍データIDコードを電子ブックサーバ3へ送信する。
これにより電子ブックサーバ3のCPU30は、購入済書籍データベース34Dから書籍データIDコードに対応した書籍61の書籍データを予め決められた所定ページ分(例えば10ページ分)だけ読み出して電子ブック2へ送信するようになされている。
この結果、電子ブック2のCPU20は、図16に示すように、ユーザによるジョグダイヤル12Aに対するページ捲り動作に応じて最初の目次部分69を右側表示部10及び左側表示部11に表示するようになされている。
(2−2)間接方式の購入モード
これに対して間接方式の購入モードは、本屋等に設置されたキオスク端末5を介して書籍データのダウンロード権利を電子ブックサーバ3から間接的に取得するようになされており、ユーザが例えば何らかの書籍を所有していた場合に、当該書籍を一つの「きっかけ」として当該書籍と何らかの関係を有する他の書籍を容易に検索してダウンロード権利を取得することが可能な購入方式であって、以下具体的に説明する。
図17に示すようにキオスク端末5の制御部80はマイクロプロセッサ構成でなり、電子ブック装着口5Aを介して電子ブック2がデータ書込部87に電気的に接続された状態で、スキャナー等でなる書籍情報読取部81にユーザ所有の実際の書籍における表紙部分が翳されると、書籍データ格納部84からコンテンツ検索提示プログラムを立ち上げ、当該コンテンツ検索提示プログラムに従って当該書籍情報読取部81により当該表紙部分を読み取り、その画像を表示部85に表示するようになされている。
この場合、図18に示すようにキオスク端末5は、書籍情報読取部81によって読み取った書籍の表紙部分90(書籍の表紙部分及び帯状のカバー部分)を表示部85に表示し、当該表紙部分90の下部に当該表紙部分90から抽出した著者(「村下竜」)、題名(「三分後の世界」)、出版社(「幻夏舎文庫」)を表示すると共に、当該書籍をWeb上で購入した場合のネット価格(「480円」)を表示し、さらに書籍予約ボタン91及び電子書籍購入ボタン92を表示するようになされている。
また、表示部85に表示された表紙部分90には、キーワードとして抽出可能な文字列に対して所定色の太枠で囲われた例えば著者名(「村下竜」)選択部分93、出版社名(「幻夏舎文庫」)選択部分94、カバーデザイン者名(「横尾忠則」)選択部分95及び賞(「芥川賞」)選択部分96が関連情報として表示されており、操作入力部(図示せず)の操作によって検索時に用いるキーワードを任意に選択させ得るようになされている。
キオスク端末5の制御部80は、例えば賞部分96がユーザによって選択されたことを認識すると、「芥川賞」の文字列をキーワードとして抽出した後、これを書籍情報データベース83で照合する。
実際上、キオスク端末5の制御部80は、図19に示すように書籍情報データベース83に格納されているキーワード対応テーブル98を基に「芥川賞」のキーワードに対応付けられている書籍データIDコードを全て読み出し、これを図20に示すような書籍データIDコードに対応した書籍の表紙部分を羅列した検索結果画面100として表示部85に表示する。
この検索結果画面100では、例えば過去3年間に渡る芥川賞受賞作品の書籍における表紙部分が年度別に表示されており、ユーザは画面右側の三角形状のスクロールボタンを操作しながら所望の書籍を見つけるようになされている。
この検索結果画面100中に所望の書籍が存在しない場合、ユーザは画面上端に表示された「キーワード」ボタン101、「出版社」ボタン102、「著者」ボタン103、「ジャンル」ボタン104、「あの人のおすすめ」ボタン105及び「今月の新刊10」ボタン106の中から任意のボタンを選択してクリックすればよい。
キオスク端末5の制御部80は、例えば「今月の新刊10」ボタン106がクリックされたことを認識すると、「今月の新刊」というキーワードに対応付けられている書籍データIDコードを全て書籍情報データベース83から読み出し、図21に示すような「今月の新刊」に関する検索結果画面110を表示部85に表示する。
「今月の新刊」に関する検索結果画面110では、今月新刊となった書籍の表紙部分が円環状に羅列表示され、操作入力部の操作に伴って回転表示されるようになされている。
例えば、この検索結果画面110中にユーザが購入を希望する所望の書籍111が存在する場合、当該書籍111を選択して書籍予約ボタン91をクリックし、最後に電子書籍購入ボタン92をクリックすればよい。
これによりキオスク端末5の制御部80は、表示部85に所定の認証画面(図示せず)を表示し、電子ブックサーバ3に予め登録されている正規ユーザであることを証明するためのパスワード及び電子決済のためのクレジットカード番号等の入力を促し、当該入力されたパスワードに基づいて電子ブックサーバ3に対して認証処理を要求し、正規ユーザであることを確認するようになされている。
そしてキオスク端末5の制御部80は、認証確認が終了すると、予約書籍表示部112に表示された書籍111に対する書籍データのダウンロード要求をネットワークインターフェース86を介して電子ブックサーバ3へ行う。
電子ブックサーバ3のCPU30は、キオスク端末5からのダウンロード要求に基づいて書籍111の書籍データのダウンロードを許可すると共に、その書籍データに対応する課金データを決済データベース34Cにおける決済データに対して加算して更新することにより課金処理を行う。
その後、電子ブックサーバ3のCPU30は、当該ダウンロード要求された書籍データを書籍データ格納部34Aから所定の10ページ分だけ読み出してキオスク端末5へ送信する。
キオスク端末5の制御部80は、電子ブックサーバ3から受信した10ページ分の書籍データをデータ書込部87を介して電子ブック装着口5Aに装着された電子ブック2に書き込むようになされている。
またキオスク端末5は、書籍111に対する書籍データを予め書籍データ格納部84に格納している場合には当該書籍データ格納部84から10ページ分の書籍データを読み出し、データ書込部87を介して電子ブック装着口5Aに装着された電子ブック2に書き込むようになされている。
この場合、キオスク端末5は書籍データを10ページ分ダウンロードしたことを利用履歴情報として電子ブックサーバ3へ通知するようになされている。
このようにして電子ブック2による書籍データの購入処理が終了すると、キオスク端末5の制御部80は、図22に示すような書籍データ購入終了画面120を表示部85に表示し、書籍データの購入が無事に済んだことをユーザに対して認識させるようになされている。
なおキオスク端末5では、ユーザ所有の書籍の表紙部分を書籍情報読取部81によって読み取るのではなく、出版社名、著者名等のキーワードをユーザに対して直接入力させることにより書籍の検索結果を表示し、その中からユーザ所望の書籍を選択させることも可能である。
(2−3)書籍データの取得表示処理
次に、電子ブック2において直接購入モード若しくは間接購入モードを介して購入(ダウンロード権利取得)した書籍データを電子ブックサーバ3から所定ページ分(10ページ分)づつダウンロードして左側LCD24L及び右側LCD24Rに表示する書籍データの取得表示処理について説明する。
電子ブック2の所有者であるユーザは、予めダウンロード権利を取得しておいた書籍を読む場合、まずアンテナ13を引き出し、インターネット4を介して電子ブックサーバ3と通信可能な状態を確立する。
電子ブック2のCPU20は、アンテナ13が引き出されたことを認識すると、電子ブックサーバ3から予め購入(ダウンロード権利取得)しておいた書籍データをダウンロードすることを希望していると判断し、バッテリ28から各種回路部へ電力を供給すると共に基本プログラム及びアプリケーションプログラムを立ち上げることにより起動し、電子ブックサーバ3から図15で示したような「マイ本棚」画面60をダウンロードして左側表示部10及び右側表示部11に表示する。
そして電子ブック2のCPU20は、「マイ本棚」画面60の中からユーザが読むことを希望している例えば書籍61が選択されてクリックされたことを認識すると、当該書籍61に対する書籍データIDコード及び利用者IDコードを電子ブックサーバ3へ送信する。
電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2から受信した利用者IDコード及び書籍データIDコードを基に書籍名対応テーブル37(図12)及び書籍購入者対応テーブル38(図13)を参照することにより、電子ブック2のユーザが要求している書籍が予めダウンロード権利の取得された書籍データであるか否かを確認し、その確認を得た場合に初めて当該ダウンロード要求された書籍データを電子ブック2へ送信する。
このとき電子ブックサーバ3のCPU30は、利用履歴対応テーブル39(図14)に基づいて書籍データが未読のものであることを認識した場合には、書籍データを最初の10ページ分だけ送信し、読みかけフラグを「1」に書き換えると共に10ページ分の書籍データを送信したことを利用履歴情報として書き加えることにより、電子ブック2の書籍データに対する利用状況を管理し得るようになされている。
また電子ブックサーバ3のCPU30は、利用履歴対応テーブル39(図14)に基づいて書籍データが概読のものであることを認識した場合には、未読部分以降の書籍データを10ページ分だけ送信し、送信済みの合計ページ数を利用履歴情報として書き換えることにより、電子ブック2の書籍データに対する利用状況を正確に管理し得、常に未読部分以降の書籍データを送信し得るようになされている。
なお電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3からダウンロードした10ページ分の書籍データのうち例えば3ページ分だけを読み、残り7ページを未読の状態のまま残してしまう場合には、読み終えたページ数を利用状況データとして電子ブックサーバ3へ通知し、利用履歴対応テーブル39を書き換えさせるようになされている。
これにより電子ブック2のCPU20は、次に書籍データをダウンロードする際には正確に未読部分からダウンロードすることができるので、無駄でかつ意味のない書籍データのダウンロードを防止し得るようになされている。
(2−4)直接方式の購入モードによる書籍データのダウンロード権利所得及び表示処理手順
ここで、これまで説明した直接方式の購入モードによる書籍データのダウンロード権利取得処理手順及び書籍データの表示処理手順についてまとめてみると、図23に示すように、まずステップSP1において電子ブック2のCPU20は電子ブックサーバ3に対してユーザID及びパスワードを送信することにより認証要求を行い、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2のユーザが正規ユーザであることを認証すると、次のステップSP3において本屋選択画面40(図8)及び書籍選択画面44(図9)を電子ブック2へ提示し、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において電子ブック2のCPU20は、書籍選択画面44を介してユーザにより選択された書籍45の書籍データに対するダウンロード権利所得要求を電子ブックサーバ3のCPU30へ行い、次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において電子ブックサーバ3のCPU30は、書籍購入画面(図10)を電子ブック2へ送信し、次のステップSP6へ移る。ステップSP6において電子ブック2のCPU20は、書籍購入画面50の「購入する」ボタン53を介してダウンロード権利所得要求の意思表示及びその際の決済要求を電子ブックサーバ3に対して行い、次のステップSP7へ移る。
ステップSP7において電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2のユーザによって要求された書籍データのダウンロード権利を認めると共に当該書籍データのダウンロード権利に対する課金処理を実行し、さらに電子ブック2のユーザに対する書籍購入者対応テーブル(図13)及び利用履歴対応テーブル39(図14)を作成した後、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2のユーザからダウンロード要求された書籍データに対して所定の10ページ分だけを購入済書籍データベース34Dから読み出して電子ブック2へ送信すると共に、利用履歴対応テーブル39の内容を更新し、次のステップSP9へ移る。
ステップSP9において電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3から書籍データを受信して表示することによりユーザに対して読書させ、次のステップSP10へ移る。
ステップSP10において電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3からダウンロードした書籍データを読みかけで残り数ページを未読の状態のまま残してしまう場合には、現時点で読み終えたページ数を利用状況データとして電子ブックサーバ3に送信し、次のステップSP11へ移る。
ステップSP11において電子ブックサーバ3のCPU30は、利用状況データに基づいて利用履歴対応テーブル39を更新し、電子ブック2による直接方式の書籍データのダウンロード権利取得処理手順及び書籍データの表示処理手順を終了する。
(2−5)間接方式の購入モードによる書籍データのダウンロード権利所得及び表示処理手順
次に、間接方式の購入モードによる書籍データのダウンロード権利取得処理手順及び書籍データの表示処理手順についてまとめてみると、電子ブックシステム1は、図24に示すように、まずステップSP21において電子ブック2がキオスク端末5の電子ブック装着口5Aに装着されると、次のステップSP22へ移る。
ステップSP22においてキオスク端末5の制御部80は、電子ブック2のユーザによって書籍情報読取部81にユーザ所有の書籍の表紙部分が翳されると、当該書籍情報読取部81によって当該表紙部分を読み取り、次のステップSP23へ移る。
ステップSP23においてキオスク端末5の制御部80は、表紙部分から抽出されユーザによって選択されたキーワードに関連する複数種類の書籍の検索結果画面100(図20)を表示部85に表示し、次のステップSP24へ移る。
ステップSP24においてキオスク端末5の制御部80は、検索結果画面100の中でユーザによって選択決定された購入すべき書籍111を認識し、次のステップSP25へ移る。
ステップSP25においてキオスク端末5の制御部80は、ユーザによって入力されたパスワード及び電子決済のためのクレジットカード番号等に基づいて電子ブックサーバ3に対して認証処理を要求し、次のステップSP26へ移る。
ステップSP26において電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2の所有者が正規ユーザであるか否かを認証し、当該正規ユーザであることを確認できた場合に次のステップSP27へ移る。
ステップSP27においてキオスク端末5の制御部80は、選択決定された書籍111の書籍データに対するダウンロード要求を電子ブックサーバ3のCPU30へ行い、次のステップSP28へ移る。
ステップSP28において電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2のユーザによってダウンロード要求された書籍データのダウンロード権利を認めると共に当該書籍データのダウンロード権利に対する課金処理を実行し、さらに電子ブック2のユーザに対する書籍購入者対応テーブル(図13)及び利用履歴対応テーブル39(図14)を作成した後、次のステップSP29へ移る。
ステップSP29において電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2のユーザからダウンロード要求された書籍データに対して所定の10ページ分だけを購入済書籍データベース34Dから読み出してキオスク端末5の制御部80へ送信すると共に、利用履歴対応テーブル39の内容を更新し、次のステップSP30へ移る。
ステップSP30においてキオスク端末5の制御部80は、電子ブックサーバ3から10ページ分の書籍データを受信して書籍データ格納部84に一旦格納すると共に、電子ブック装着口5Aに装着された電子ブック2に対して当該書籍データをデータ書込部87を介して書き込み、次のステップSP31へ移る。
ステップSP31において電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3からキオスク端末5を介して書き込まれた書籍データを表示することによりユーザに対して読書させ、次のステップSP32へ移る。
ステップSP32において電子ブック2のCPU20は、キオスク端末5を介して取得した書籍データを読みかけで残り数ページを未読の状態のまま残してしまう場合には、現時点で読み終えたページ数を利用状況データとして電子ブックサーバ3に送信し、次のステップSP33へ移る。
ステップSP33において電子ブックサーバ3のCPU30は、利用状況データに基づいて利用履歴対応テーブル39を更新し、電子ブック2による間接方式の書籍データのダウンロード権利取得処理手順及び書籍データの表示処理手順を終了する。
(3)書籍データの表示処理
次に、電子ブック2にダウンロードした書籍データをユーザが実際に読書する際の読書モードについて説明する。
(3−1)読書モードにおけるページ表示処理
電子ブック2のCPU20は、読書モードにおいて電子ブックサーバ3からダウンロードした「マイ本棚」画面60(図15)を表示し、その中からユーザにより選択された書籍61に対応する「タイトル」、「著者」、「最後に読んだ日」、「購入日」、「ページ数」及び「その他の情報(既に読み終えたページ数等)」等の属性情報が含まれた吹出部62を介して当該書籍61に対する概要を表示する。
そして電子ブック2のCPU20は、当該書籍61が選択決定されると、電子ブックサーバ3から図25に示すような当該書籍61に関する読書決定画面130をダウンロードして表示する。
この読書決定画面130には、右側表示部11に書籍61の表紙部分が表示されると共に、左側表示部10には当該書籍61に関する属性情報が含まれた吹出部62が「マイ本棚」画面60と同様に表示される。
ユーザは、この読書決定画面130を確認した後、読書するか否かを決定し、読書する場合には「読む」ボタン133をクリックし、読書しない場合には「中止」ボタン134をクリックする。
電子ブック2のCPU20は、読書決定画面130で「読む」ボタン133がクリックされたことを認識すると、電子ブックサーバ3に対して当該書籍61に対するダウンロード要求を行う。
これにより電子ブックサーバ3のCPU30は、利用履歴データベース34Bの利用履歴対応テーブル39から書籍61の読書進行状況情報を取得し、当該読書進行状況情報と、未読部分の10ページ分の書籍データとを電子ブック2へ送信するようになされている。
この場合、図26に示すように電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3からダウンロードした10ページ分の最初の2ページ(例えば15/350ページと16/350ページ)を右側表示部11及び左側表示部10にそれぞれ表示する。
このとき同時に電子ブック2のCPU20は、読書進行状況情報に応じて現在表示するページが書籍全体の総ページ数に対してどの当りの位置に相当するのかを認識し、その認識結果として、右側表示部11の15/350ページ及び左側表示部10の16/350ページの外縁部にそれぞれ実際の書籍と同様の厚みを有する縦縞模様136及び137を表示するようになされている。
なお電子ブック2のCPU20は、ページ数として「15/350」や「16/350」といった分数表示を15/350ページ及び16/350ページに対して行うようにしたことにより、現在のページ数だけでなく書籍全体の総ページ数に対してどの当りの位置に相当するのかを数字上でも正確に提示するようになされている。
すなわち電子ブック2のCPU20は、右側表示部11の15/350ページ及び左側表示部10の16/350ページの外縁部に実際の書籍と同様の厚みを有する縦縞模様136及び137を表示することにより、現在表示しているページが書籍全体としてどの当りの位置に相当するのかをユーザに対して直感的かつ大まかに認識させ得ると共に、当該15/350ページ及び16/350ページの片隅に「15/350」及び「16/350」といった分数表示を行うことにより、現在表示しているページが書籍全体としてどの当りの位置に相当するのかを数字的にも正確に認識させ得るようになされている。
ところで電子ブック2のCPU20は、読書進行状況情報に応じて現在表示すべきページが書籍全体としてどの当りの位置に相当するのかを「0」、「0.1」、「0.2」、「0.3」、……「0.9」、「1.0」までの11段階に分けて認識し、当該11段階毎に縦縞模様136及び137の厚さを細かく変更するようになされている。
なお本実施の形態においては、11段階に分けて認識するようにしたが、これに限るわけではなく、総ページ数の違いや、左側表示部10及び右側表示部11における液晶ディスプレイの表示能力に応じて縦縞模様136及び137の厚さを細かく変更するようにしても良い。
従って電子ブック2のCPU20は、読書進行状況情報が「0」であると認識した場合には、これまで一切読書されておらず未だ1ページも表示されていなかったと認識して右側の縦縞模様136を一切表示せず、左側の縦縞模様137だけを最も厚く表示する。
同様に電子ブック2のCPU20は、読書進行状況情報が「0.5」であると認識した場合には、約半分程度まで進行していると認識して縦縞模様136及び137を同等程度の厚さで表示するようになされている。
このように電子ブック2のCPU20は、読書進行状況情報を11段階に分けて認識し、当該11段階毎の細かさで縦縞模様136及び137の厚さを調整することにより、現実の読書進行状況と縦縞模様136及び137の厚さとの間に違和感が生じることを防止している。
因みに電子ブック2のCPU20は、図26で示したように右側表示部11に表示されるページが書籍表側で、左側表示部10に表示されるページが書籍裏側となり、読書進行状況が進むに連れて縦縞模様136におけるページの重なり具合が次第に厚くなると共に、縦縞模様137におけるページの重なりが次第に薄くなるようになされている。
また電子ブック2のCPU20は、書籍の属性情報に基づいて縦書表示であるか横書表示であるかを判断し得るようになされており、横書表示であると判断した場合には、縦書表示の場合とは正反対に、左側表示部10に表示されるページが書籍表側で、右側表示部11に表示されるページが書籍裏側となり、読書進行状況が進むに連れて縦縞模様137におけるページの重なり具合が次第に厚くなると共に、縦縞模様136におけるページの重なりが次第に薄くなるようになされている。
なお電子ブック2のCPU20は、縦縞模様136及び縦縞模様137におけるページの重なり具合がある程度薄くなってきた場合には、残りページ数に応じて縦縞の線を当該残りページ数と実際に合致させるようになされている。
なお、この場合縦縞模様136及び137に表示できる縦縞の線数は、あくまで左側表示部10及び右側表示部11における液晶ディスプレイの表示能力に依存するものであり、例えば残5ページ以下になった場合に残りページ数に応じた縦縞の線を当該残りページ数と実際に合致させて表示するようになされている。
これによりユーザは、実際の残りページ数を縦縞模様136及び縦縞模様137におけるページの重なり具合を示す縦縞の線により、ある程度正確に認識できると共に、あたかも実際の書籍を読書しているかのように体感することができる。
(3−2)読書進行状況に応じたページ表示処理手順
すなわち図27に示すように、電子ブック2のCPU20は、ルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP41に移る。
ステップSP41において電子ブック2のCPU20は、「マイ本棚」画面60(図15)を介してユーザにより選択された書籍61を認識し、当該書籍61に関する読書決定画面130(図25)を電子ブックサーバ3からダウンロードして表示し、次のステップSP42へ移る。
ステップSP42において電子ブック2のCPU20は、読書決定画面130を介して当該書籍61を読書することが決定されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはユーザにより「中止」ボタン134がクリックされて当該書籍61を読書する意思がないことを表しており、このとき電子ブック2のCPU20は「マイ本棚」画面60に戻り、他の書籍をユーザに選択させるようになされている。
これに対してステップSP42で肯定結果が得られると、このことは「読む」ボタン133がクリックされて当該書籍61を読書する意思がユーザにあることを表しており、このとき電子ブック2のCPU20は次のステップSP43へ移る。
ステップSP43において電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3の利用履歴データベース34Bから当該書籍61に関する11段階の読書進行状況情報を取得すると共に、書籍データ格納部34Aから当該書籍61の書籍データをダウンロードして取得し、次のステップSP44へ移る。
ステップSP44において電子ブック2のCPU20は、ダウンロードした書籍データを表示する際、読書進行状況情報に基づいて既読部分までが全体ページの何段階に相当するかを認識し、当該段階に応じた厚さの縦縞模様136及び縦縞模様137をページ外縁部に表示し、次のステップSP45へ移る。
ステップSP45において電子ブック2のCPU20は、ユーザによって読書モードを終了する命令が入力されたか否かを判定し、否定結果が得られたときには次のステップSP46へ移る。
ステップSP46において電子ブック2のCPU20は、ジョグダイヤル12A等を介してページ捲り操作が行われたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると電子ブック2のCPU20はステップSP44へ戻って縦縞模様136及び縦縞模様137を継続表示する。
これに対してステップSP46で肯定結果が得られると、電子ブック2のCPU20は次のステップSP47へ移り、ページ捲り操作に応じたページ数分のページ捲り動作を行った後、ステップSP44へ戻り当該ステップSP44以降の処理を繰り返す。
ところで電子ブック2のCPU20は、ステップSP45において肯定結果が得られたときには読書モードを終了することを認識し、次のステップSP48へ移る。
ステップSP48において電子ブック2のCPU20は、現時点で読み終わった見開き2ページ分のページ数を利用状況データとして電子ブックサーバ3へ送信して利用履歴データベース34Bを更新させ、次のステップSP49で読書進行状況に応じたページ表示処理手順を終了する。
(3−3)読書進行状況に応じた進行状況体感的通知処理
また電子ブック2のCPU20は、図28(A)及び(B)に示すように例えば右側表示部11の内部に重み移動部150が設けられており、CPU20によって右側表示部11の重心位置を移動制御し得るようになされている。
重み移動部150は、バッテリ28を搭載したバッテリブラケット151がラック153に固定されており、当該ラック153がピニオンギア154と係合されると共に当該ピニオンギア154がウォームギア155と系合されている。
また重み移動部150は、CPU20の制御に基づいて駆動するステッピングモータ156によりウォームギア155を回転駆動するようになされており、当該ウォームギア155からピニオンギア154へ伝達された回転力によって、ラック153を右側表示部11の回動軸部12側から開放端部側までの間を平行移動し得るようになされている。
これにより重み移動部150は、ラック153の平行移動に伴ってバッテリ28も一緒に平行移動させることになり、右側表示部11の重心位置を移動させ得るようになされている。
実際上、図29に示すように電子ブック2のCPU20は、ルーチンRT2の開始ステップから入ってステップSP51へ移る。ステップSP51において電子ブック2のCPU20は、「マイ本棚」画面60(図15)を介してユーザにより選択された書籍61を認識し、当該書籍61に対応した読書決定画面130を電子ブックサーバ3へ要求すると、次のステップSP52へ移る。
ステップSP52において電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3からダウンロードした読書決定画面130(図25)を介して当該書籍61を読むことがユーザによって決定されたか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、「中止」ボタン134がクリックされて書籍61を読む意思がユーザにはないことを表しており、このとき電子ブック2のCPU20はステップSP51に戻って再度、書籍をユーザに選択し直させる。
これに対してステップSP52で肯定結果が得られると、このことは「読む」ボタン133がクリックされて当該書籍61を読む意思がユーザにあることを表しており、このとき電子ブック2のCPU20は次のステップSP53へ移る。
ステップSP53において電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3の利用履歴データベース34Bから当該書籍61に関する11段階の読書進行状況情報を取得すると共に、書籍データ格納部34Aから書籍データをダウンロードして取得し、次のステップSP54へ移る。
ステップSP54において電子ブック2のCPU20は、11段階の読書進行状況情報に応じてバッテリ28の右側表示部11内における位置を示した重り位置対応テーブル(図示せず)を有しており、当該重り位置対応テーブルに基づいて読書進行状況情報の段階に応じたバッテリ28の位置を検出し、次のステップSP55へ移る。
ステップSP55において電子ブック2のCPU20は、現時点におけるバッテリ28の右側表示部11内における位置と、ステップSP54で読書進行状況情報に基づいて重り位置対応テーブルから検出したバッテリ28の右側表示部11内における位置との差分を算出して把握し、次のステップSP56へ移る。
ステップSP56において電子ブック2のCPU20は、ステップSP55で算出した差分だけを動かすための駆動命令をステッピングモータ156に与えることによりバッテリ28を平行移動し、次のステップSP57へ移る。
この場合、電子ブック2のCPU20は、読書進行状況情報に基づく段階が「0」段階に近く読書の進行具合が浅い場合には、バッテリ28を回動軸部12側に近い個所に位置させるための駆動命令を出力し、読書進行状況情報に基づく段階が「1」段階に近く読書の進行具合が深い場合にはバッテリ28を右側表示部11の開放端部側の個所に位置させるための駆動命令を出力するようになされている。
ステップSP57において電子ブック2のCPU20は、ユーザによってページ捲り操作が行われたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、電子ブック2のCPU20は実際にページ捲り動作を行うと共に、ステップSP54に戻り、上述の処理を繰り返す。
すなわち電子ブック2のCPU20は、ページ捲り動作を行うと共に読書進行状況情報を把握し、ページ捲り動作に伴って読書進行状況情報が変化したことを認識すると、その変化分に応じてバッテリ28を再度平行移動させる。
これに対してステップSP57で否定結果が得られると、このことはユーザによりページ捲り操作が行われておらず、現時点のページを表示し続けると共にバッテリ28の位置を動かす必要がないことを表しており、このとき電子ブック2のCPU20は次のステップSP58に移って重心移動制御処理手順を終了する。
従って電子ブック2のCPU20は、読書進行状況が未だ浅く殆どページを読み進めていない場合には、バッテリ28を回動軸部12側に最も近い個所へ位置させ、読書進行状況が深く読書し終わりそうなページまで読み進めている場合には、バッテリ28を右側表示部11の開放端部側に最も近い個所へ位置させることにより、本を読み進めていく際のページ進行状況に応じて右側表示部11における重さの印象が実際の書籍のように変化する様子をごく自然に体感させ得るようになされている。
従ってユーザは、電子ブック2の体感重さが読書進行状況と共に自然に変化することを無意識に認識することになり、読書進行状況を縦縞模様136及び137を目視して確認しなくても直感的に把握することができる。
なお電子ブック2では、重り制御部150を右側表示部11に内蔵するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、左側表示部10に内蔵したり、若しくは左側表示部10及び右側表示部11の双方に内蔵するようにしても良い。
(4)動作及び効果
以上の構成において、電子ブックサーバ3のCPU30は購入モード時、電子ブック2からのダウンロード権利取得要求に基づいて書籍データのダウンロード権利を与えると共に、当該ダウンロード権利を与えた書籍データの書籍データIDコードと電子ブック2の利用者IDコードとを対応付けて書籍購入者対応テーブル38(図13)に登録し、どの書籍に対して誰がダウンロード権利を所有しているかを一元的に管理する。
また、このとき電子ブックサーバ3のCPU30は、利用者IDコードに対して書籍データIDコード、読みかけフラグ及び読書進行状況情報といった属性情報を対応付けることにより利用履歴対応テーブル39(図14)を生成し、当該利用履歴対応テーブル39を介してユーザの書籍データに関する種々の利用履歴を管理する。
一方、電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3を介して書籍データをダウンロードするためのダウンロード権利を取得すると、当該権利取得した書籍データに対する書籍データIDコードの通知を電子ブックサーバ3から受け、以後当該書籍データをダウンロードする際には書籍データIDコードを電子ブックサーバ3へ送信するだけで済む。
電子ブックサーバ3のCPU30は、電子ブック2から書籍データのダウンロード要求を受けると、利用履歴対応テーブル39(図14)に基づいて利用状況を確認し、未読部分以降の10ページ分の書籍データを電子ブック2へ送信する。
これにより電子ブック2のCPU20は、書籍データのダウンロードを要求した場合、電子ブックサーバ3から未読部分の10ページ分の書籍データを自動的に取得し得、当該10ページ分を読み終えた時点で再度ダウンロードを要求すれば、さらに先の未読部分から10ページ分の書籍データをダウンロードすることができる。
従って電子ブック2は、RAM21のデータ容量が大きくなくても、ダウンロード権利に基づいて電子ブックサーバ3から未読部分以降の必要なページ数分だけを何時でも何処でも何回でも取得して表示することができる。
またキオスク端末5の制御部80は、装着口5Aに電子ブック2が装着された状態で、書籍情報読取部81にユーザ所有の実際の書籍における表紙部分が翳されると、当該表紙部分から読み取った画像中のキーワードを複数抽出し、その中からユーザによって選択されたキーワードに関連した書籍の検索結果画面100(図20)を表示することにより、ユーザ自身が考えつく範疇以外の書籍の検索結果を提示することができる。
またキオスク端末5の制御部80は、検索結果画面100中に「キーワード」ボタン101、「出版社」ボタン102、「著者」ボタン103、「ジャンル」ボタン104、「あの人のおすすめ」ボタン105及び「今月の新刊10」ボタン106を表示しており、さらに幅広い書籍の検索結果をユーザに提示することもできる。
そしてキオスク端末5の制御部80は、検索結果画面100を介して書籍111が選択されると、当該書籍111の書籍データを電子ブックサーバ3から受信して、若しくは自身の書籍データ格納部84から読み出して装着口5Aに装着された電子ブック2に書き込む。
これによりユーザは、自分自身では決して思い付かないような書籍でさえも、煩雑な検索のための操作を行うことなく検索結果画面100を介して選択することができると共に、当該検索を行ったその場で直ちに書籍データを電子ブック2にダウンロードすることができる。
このように電子ブック2は、電子ブックサーバ3に対して直接アクセスする場合だけでなく、キオスク端末5を介して書籍の検索を行うと同時に当該キオスク端末5を介して書籍データをその場で容易に取得することもできる。
また電子ブック2のCPU20は、読書モード時、ダウンロード要求を行った書籍61に関する書籍データの読書進行状況情報を電子ブックサーバ3から取得すると共に、当該読書進行状況情報に応じた未読部分の10ページ分の書籍データを受信する。
これにより電子ブック2のCPU20は、電子ブックサーバ3からダウンロードした10ページ分の最初の2ページ(例えば15/350ページと16/350ページ)を右側表示部11及び左側表示部10にそれぞれ表示すると共に、右側表示部11の15/350ページ及び左側表示部10の16/350ページの外縁部に読書進行状況情報に応じた厚みを有する縦縞模様136及び137を表示する。
このとき同時に電子ブック2のCPU20は、ページ数として「15/350」や「16/350」といった分数表示を行うことにより、現在のページ数だけでなく書籍全体としてどの当りの位置に相当するのかを数字上でも正確に提示する。
このように電子ブック2のCPU20は、右側表示部11の15/350ページ及び左側表示部10の16/350ページの外縁部に読書進行状況情報に合致した実際の書籍と同様の厚みを有する縦縞模様136及び137を表示することにより、現在表示しているページが書籍全体としてどの当りの位置に相当するのかをユーザに対して直感的かつ大まかに認識させることができる。
また同時に電子ブック2のCPU20は、当該15/350ページ及び16/350ページの片隅に「15/350」及び「16/350」といった分数表示を行うことにより、現在表示しているページが書籍全体としてどの当りの位置に相当するのかをユーザに対して数字的にも正確に認識させることができる。
さらに電子ブック2のCPU20は、残5ページ以下になった場合に残りページ数に応じた縦縞の線を当該残りページ数と実際に合致させて表示することにより、実際の残りページ数を縦縞模様136及び縦縞模様137におけるページの重なり具合を示す縦縞の線により、ユーザに残ページ数をある程度正確に認識させることができると共に、あたかも実際の書籍を読書しているかのように印象付けることができる。
さらに電子ブック2のCPU20は、縦縞表示部136及び137を表示すると共に、そのときの読書進行状況情報にあった右側表示部11内における最適な位置に重り移動部150のバッテリ28を平行移動して位置させ、ページを読み進めていくに連れて当該バッテリ28の位置を段階的に移動させることにより、縦縞表示部136及び137の変化と、右側表示部11における重さの体感的な変化とに基づいてあたかも実際の書籍を読書しているかのような印象をユーザに与えることができる。
また電子ブック2のCPU20は、重り移動部150を介して重心移動を行う対象としてバッテリ28を併用することにより、専用の重りを用いる場合と比較して省スペース化を図ることができると共に軽量化を図ることができる。
以上の構成によれば、電子ブック2のCPU20は、書籍データのダウンロード権利を電子ブックサーバ3から取得し、予め権利取得した書籍データに対してダウンロード要求するだけで、電子ブックサーバ3から未読部分の10ページ分の書籍データを自動的に取得して表示することができるので、RAM21のデータ容量が大きくなくても、ダウンロード権利に基づいて未読部分から必要なページ数分だけを電子ブックサーバ3から何時でも何処でも何回でも容易に取得して表示することができる。
またキオスク端末5は、ユーザ自身が所有する書籍の表紙部分が翳され、当該書籍の表紙部分から得たキーワードをユーザに選択させるだけで、当該キーワードに関する多種類の書籍に関する検索結果を提示することができ、ユーザに対して煩雑な操作を強いることなくユーザ自身が思いも付かないような書籍の検索結果を提示すると共に、その場で当該書籍データのダウンロード権利を与えて電子ブック2に書き込むことができる。
また電子ブック2は、書籍データを左側表示部10及び右側表示部11に表示する際、読書進行状況情報に応じた厚さの縦縞模様136及び縦縞模様137を表示すると共に、そのときの読書進行状況情報にあった右側表示部11内における最適な位置に重り移動部150のバッテリ28を位置させ、ページを読み進めていくに連れて当該バッテリ28の位置を段階的に移動させることにより、実際に書籍を読み進めていくときと同様の印象を体感的に与えることができる。
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、電子ブック2におけるページ捲り動作を回動軸部12の下端に設けられたジョグダイヤル12Aの回動操作に応じて実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図30に示すように回動軸部12の中心軸の延長線上に設けられたジョグダイヤル状のジョグダイヤル摘み160を介してページ捲り動作を実行したり、また図31に示すように例えば右側表示部11の背面側に設けられた円盤状のジョグダイヤル161を介してページ捲り動作を実行しても良い。
また上述の形態においては、電子ブック2のCPU20によって表示される文字が一定の大きさである場合について述べたが、本発明はこれに限らず、書籍データの表示前又は表示中において、相対値又は絶対値の入力により文字サイズをデフォルトの状態よりも任意に大きく又は小さく変更して表示するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、電子ブック2のCPU20が書籍データを予め所定文字数で区分けされたページ単位で表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、文字サイズの変更に伴ってページの区分け単位を変更した新たなページ単位で表示するようにしても良い。
この場合、電子ブック2のCPU20は、新たなページに基づく総ページ数を算出し直すと共に、読書進行状況を算出し直して縦縞模様136及び137の厚さを再調整するようにすれば良い。これにより電子ブック2のCPU20は、書籍データが所定文字数でページ単位に区分けされていない場合でも柔軟に対応することができる。
さらに上述の実施の形態においては、電子ブック2のCPU20が書籍データに応じた文字を単に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ユーザ所望する個所の文字や分節等をジョグダイヤル12Aや他の入力手段等で指定し、当該指定した範囲の文字や分節等の背景色を所定の色に変更して表示したり、当該文字や分節等自体を所定の色に変更して表示することによりマーキングするようにしても良い。
これにより電子ブック2のCPU20は、再度書籍データを表示する際にマーキングした状態で表示することができるので、ユーザが所望する個所が何処にあるかを当該マーキングを介して一目瞭然に判別させ得ることができる。
さらに上述の実施の形態においては、電子ブック2のCPU20が書籍データに応じた文字を単に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意に指定された文字等の単語について辞書検索を実行するようにしても良い。この場合、電子ブック2のCPU20は、自身の不揮発性メモリ23に格納している辞書アプリケーションプログラムを利用したり、若しくは電子ブックサーバ3の書籍データ格納部に格納されている辞書アプリケーションプログラムを利用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、電子ブック2のCPU20が電子ブックサーバ3から書籍データを10ページ分ずつダウンロードするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ユーザ自身が所有するパーソナルコンピュータ等に書籍データを全てダウンロードし、必要に応じて当該パーソナルコンピュータから10ページ分づつ書籍データを転送すると共に、読書進行状況を当該パーソナルコンピュータによって管理するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、縦縞模様136及び137の厚さを調整することにより読書進行状況を直感的かつ大まかにユーザに認識させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図32(A)及び(B)に示すように矢印のサイズや矢印の個数の差によって読書進行状況を直感的にユーザに認識させるようにしてもよく、また図32(C)に示すように縦縞模様136及び137に代えて厚さ部分を赤色表示部190及び青色表示部191として表示したり、階調を変更することにより読書進行状況を直感的かつ大まかにユーザに認識させるようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、図16に示したように書籍61を決定した後に直接ページを捲る状態から表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図33(A)、(B)及び(C)に示すように、先ず最初に書籍61の背表紙を表示し、その後に当該書籍61を開く過程を示し、最後にページを開いた状態へ段階的に以降するようにしても良い。これによれば、当該書籍61が右開きであることを最初に認識させることができる。
さらに上述の実施の形態においては、書籍データの文字を通常の表示形態で表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図34及び図35に示すように所定のボタン操作等に対応して書籍データの文字をS字上に曲げて表示したり、散点的に表示する等の特殊形態で表示するようにしても良い。この場合も電子ブック2のCPU20は、ページ数の区分を変更して総ページ数を算出し直し、新たな総ページ数に対応して読書進行状況を再度検出して縦縞模様136及び137を新に表示し直すことにより、特殊表示形態における読書進行状況をユーザに対して直感的に認識させ得るようになされている。
さらに上述の実施の形態においては、ラックアンドピニオン構成でなる重み移動部150を右側表示部11に内蔵するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、重り171が直線的に矢印方向へ平行移動する直動タイプのリニアモータ170等を右側表示部11に内蔵するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、キオスク端末5を介して書籍の表紙部分90を読み取ることにより関連する他の書籍を検索して表示し、その中から選択された他の書籍データを電子ブック2に書き込むようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コンテンツ記録媒体であるCDやゲームソフトの表紙カバー等を読み取ることにより関連する他のCDやゲームソフトを検索して表示し、その中から選択された他のCDの音楽データやゲームソフトのプログラムデータ等を電子ブック2に書き込むようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、電子ブックサーバ3のCPU30が書籍データ格納部34Aに予め格納された書籍データ提供プログラムとしてのアプリケーションプログラムをRAM32上に展開し、当該書籍データ提供プログラムに従って上述の書籍データの権利取得処理手順及び表示処理手順を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、書籍データ提供プログラムが格納されたプログラム格納媒体を電子ブックサーバ3にインストールすることにより行うようにしても良い。
このように上述した一連の処理を実行するための書籍データ提供プログラムを電子ブックサーバ3にインストールして実行可能な状態にするためのプログラム格納媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)等のパッケージメディアのみならず、書籍データ提供プログラムが一時的もしくは永続的に格納される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。またこれらプログラム格納媒体に書籍データ提供プログラムを格納する手段として、ローカルエリアネットワークやインターネット、ディジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用してもよく、ルータやモデム等の各種通信インターフェースを介して格納するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、電子ブックサーバ3から書籍データをダウンロードして表示するものとして専用端末である電子ブック2を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、小型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の他の種々の情報処理装置を用いるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、電子ブック2に対して書籍データのダウンロード権利を与える権利授与手段としてのCPU30と、当該ダウンロード権利を与えたことに対して電子ブック2の利用者IDコードと書籍データIDコードとを対応付けた書籍購入者対応テーブル38を生成して記憶する管理手段としてのCPU30及び書籍データ格納部34Aと、電子ブック2から書籍データのダウンロード要求を受けると、書籍購入者対応テーブル38に基づいて当該書籍データが予めダウンロード権利が取得されたものであることを確認し、当該確認を得た場合に書籍データを予め決められた10ページ分だけ電子ブック2へ送信する制御手段としてのCPU30及び書籍データ格納部34Aとによって本発明の電子ブックサーバを構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、書籍購入者対応テーブル38を購入済書籍データベース34Dに格納していても良く、この他の種々の構成による権利授与手段、管理手段及び制御手段によって電子ブックサーバを構成するようにしても良い。
1……電子ブックシステム、2……電子ブック、3……電子ブックサーバ、5……キオスク端末、10……左側表示部、11……右側表示部、12……回動軸部、12A……ジョグダイヤル、20、30……CPU、28……バッテリ、34……HDD、80……制御部、150……重り移動部。