JP4616278B2 - 消音器固定装置 - Google Patents

Description

本発明は、排気ガスターボ過給器の分野に関連する。本発明は、請求項１の上位概念による、圧縮機ケーシングに沿っての消音器の固定装置に関する。

燃焼エンジンを加給するための排気ガスターボ過給器は、大抵の場合、圧縮機流入口においてフィルター消音器を有している。この装着されたフィルターを有する消音器は、固定フランジを用いて、強固に圧縮機ケーシングと結合されている。このような結合は、例えば、ヨーロッパ特許出願公開第１ １８６ ７８１号明細書（特許文献１）から見て取れる。

排気ガスターボ過給器は、直接的に、または特別の脚部を用いて、エンジンブラケットの上に固定される。大抵の場合、脚部と消音器との間の軸線方向の間隔は極めて大きい。エンジン振動によって、この消音器に、あまりにも許容できない程に大きすぎる揺動が励起される。このことは、特に、消音器の固有振動数が、ただ二義的にだけ当該のターボ過給器固定装置を介して位置している場合である。この場合、消音器において、許容されない揺動の過度の上昇が生じる。
ヨーロッパ特許出願公開第１ １８６ ７８１号明細書

従って、本発明の根底をなす課題は、圧縮機ケーシングにおける消音器の固定装置において、この消音器の許容されない揺動の過度の上昇を防止ための、処置を講じることである。

本発明に従い、この課題は、請求項１の特徴を有する固定装置でもって解決される。

消音器は、第１の結合領域内において、固定要素を用いて、強固に圧縮機ケーシングに固定されている。第２の結合領域内において、この消音器は、当接面でもって、圧縮機ケーシングの当接面の上に載置され、その際、この消音器が、この第２の結合領域内における当接によって、この第１の結合領域内における強固な固定に対して、予緊張でもって付勢されている。

予緊張によって、消音器の固有振動数は、確実に高められる。更に別の利点は、従属請求項から与えられる。

次に、図に基づいて本発明による固定装置の多数の実施形態を概略的に図示し、且つ詳しく説明する。全ての図内において、同様に作用する要素は。同じ参照符号を備えている。

図１は、圧縮機ケーシング２およびこの圧縮機の空気流入口に設けられた消音器１を有する、排気ガスターボ過給器の空気流入側の、１つの断面を示している。軸線を中心として回転可能に軸受けされた圧縮機羽根車、並びにこの排気ガスターボ過給器のタービン側全体は図示されていない。

消音器は、多数の半径方向に配設された消音板１１を支持する基体を備えている。圧縮されるべき空気は、矢印に従って、半径方向内において、この消音器の周囲に沿って設けられたフィルター１５を通って、および、これら消音板の間を横切って、圧縮機の空気流入口に供給される。

消音器は、多数の、周囲に沿って分配されたねじ３、または他の適当な固定手段を用いて、圧縮機ケーシング２に固定されている。これらねじは、この消音器を、軸線方向および半径方向において、この圧縮機ケーシングに関連して固定している。

ねじを用いての固定のために、消音器は、圧縮機ケーシングの方を向いたケーシング壁１４の半径方向に外側の領域内において、固定フランジ１２を有している。この圧縮機ケーシングは、同様に、半径方向に外側の領域内において、相応する固定フランジ２２を有している。

消音器の上記のケーシング壁の半径方向に内側の領域内において、支持フランジ１３が設けられている。この支持フランジを介して、この消音器は、圧縮機ケーシングにおける、相応する支持フランジ２３の上に、軸線方向に支持される。

本発明により、消音器の支持フランジは、固定フランジ１２に対して軸線方向に予緊張されている。軸線方向における圧縮機ケーシングの上への、この消音器の載置の際に、先ず第一に、支持フランジ１３および２３の領域内において、この消音器と圧縮機ケーシングとの間の接触の状態になる。固定フランジ１２と２２の接触領域内において、ねじ３の引き続いての締め付けによって初めて閉鎖される、間隙が軸線方向において存在する。この間隙の閉鎖によって、消音器のケーシングは、固定フランジと支持フランジとの間で、本発明によりほんの少しだけ歪められ、且つこのことによって、この消音器がこの軸線方向の予緊張でもって付勢される。

予緊張のもとでの支持は、消音器の固有振動数に対して影響力を持っている。片側で締め込まれた片持ち梁（Kragtraeger）に相応してこの片持ち梁の固有振動数が上がり、この片持ち梁が付加的に支持された場合、本発明により圧縮機ケーシングに沿って固定された消音器の固有振動数が上昇する。この消音器の固有振動数は、このようにして、従来的に固定された消音器に比して３０から６０％だけ上昇される。

更に、軸線方向の予緊張は、圧縮機ケーシングに沿っての消音器の擦り付けを防止する。

図２のａ）からｉ）、およびｋ）は、消音器の支持フランジ１３と、圧縮機ケーシングの支持フランジ２３との間の、図１内において破線で取り囲まれた接触領域の、多数の可能な実施形態を示している。

図２のａ）による１つの面内において、軸線に対して垂直方向に設けられた当接面に比して、ｂ）およびｃ）に図示された、円錐形に形状賦与された当接面は、これら当接面が、消音器の組み付けの際に、圧縮機ケーシングに関連してのこの消音器の調心を容易にすることの利点を有している。最初の３つの実施形態の全ては、それに加えて、極めて簡単な製造可能性によって特徴付けられている。

実施形態ｄ）からｉ）までは、良好な封隙作用、並びに良好な接合位置緩衝作用（Fuegestellendaempfung）を有している。これら全ては、異なる経費をかけて製造されるべき当接面を有する、半径方向に段付けされた実施形態である。

更に改善された封隙、緩衝特性を得るために、段部、またはさねはぎ結合（Stufe oder Nut/Kammverbindung）の代わりに、図２のｋ）内において図示されているように、相応する溝部、または半円形の溝部内に、エラストマーまたは他の適当な材料から成るＯ字形の緩衝リングが、軸線方向に加圧される。

軸線に対して垂直方向に設けられた当接面を有する、第１の最も簡単な実施形態に至るまで、全ての図示された実施形態は、半径方向において形状一体的な結合を有しており、このことは、消音器と圧縮機ケーシングの付加的な安定化を結果として招く。

本発明により、固定フランジおよび支持フランジを用いて互いに結合されている、排気ガスターボ過給器の消音器および圧縮機ケーシングの断面図である。 図２のａ）〜ｉ）、およびｋ）は、異なる実施形態における、図１に従う支持フランジの拡大された図である。

１ 消音器
１１ 消音板
１２ 固定フランジ
１３ 当接面を有する支持フランジ
１４ 消音器ケーシング壁
１５ フィルター
２ 圧縮機ケーシング
２２ 固定フランジ
２３ 当接面を有する支持フランジ
３ 固定要素、 ねじ
４ 緩衝リング

Claims (5)

1. 排気ガスターボ過給器の圧縮機ケーシング（２）に沿っての消音器の固定装置であって、その際、この消音器が、排気ガスターボ過給器の半径方向外側領域に位置する第１の結合領域（１２、２２）内において、固定要素（３）を用いて、圧縮機ケーシング（２）に固定されている様式の上記固定装置において、
   上記第１の結合領域（１２、２２）よりも半径方向内側領域に位置する第２の結合領域（１３、２３）内において、この消音器（１）は、当接面でもって、圧縮機ケーシングの当接面の上に載置されていること、
   この消音器が、この第２の結合領域内における当接によって、この第1の結合領域内における固定に比して、上記排気ガスターボ過給器の中心軸線方向の予緊張でもって付勢されていること、
   上記消音器が、上記第1の結合領域内において、固定フランジ（１２）を有しており、この固定フランジでもって、この消音器が、固定要素（３）を用いて、圧縮機ケーシング（２）の固定フランジ（２２）に固定されていること、および、
   この消音器が、上記第２の結合領域内において、支持フランジ（１３）を有しており、この支持フランジでもって、この消音器が、圧縮機ケーシング（２）の支持フランジ（２３）の上で支持していること、および、
   この消音器の支持フランジ（１３）が、この消音器の固定フランジ（１２）に比して、上記中心軸線方向の予緊張でもって付勢されていること、
   その際、上記中心軸線方向における圧縮機ケーシングの上へのこの消音器の載置の際に、先ず第一に、上記支持フランジ（１３、２３）の領域内において、この消音器と圧縮機ケーシングとの間の接触の状態になり、
   上記固定フランジ（１２、２２）の接触領域内において、固定要素（３）の引き続いての締め付けによって初めて閉鎖される間隙が上記中心軸線方向において存在し、
   この間隙の閉鎖によって、消音器のケーシングが、固定フランジと支持フランジとの間で、ほんの少しだけ歪められ、且つこのことによって、この消音器が上記中心軸線方向の予緊張でもって付勢されること、
   を特徴とする装置。
2. 消音器および圧縮機ケーシングは、第２の結合領域内において、消音器の組み付けの際に圧縮機ケーシングに関連してのこの消音器の調心を容易にする、円錐形の当接面を有していることを特徴とする請求項１に記載の固定装置。
3. 消音器および圧縮機ケーシングは、第２の結合領域内において、排気ガスターボ過給器の半径方向に段付けされた当接面を有していることを特徴とする請求項１または２に記載の固定装置。
4. 消音器および圧縮機ケーシングは、第２の結合領域内において、互いの中へ係合しているさねはぎ当接面を有していることを特徴とする請求項３に記載の固定装置。
5. 消音器および圧縮機ケーシングにおいて、第２の結合領域内において、溝部が当接面内に埋め込まれていること、および、
   緩衝リング（４）が、これら溝部内において配設されていること、
   を特徴とする請求項３に記載の固定装置。

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