JP4616062B2 - 角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法 - Google Patents

角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4616062B2
JP4616062B2 JP2005121087A JP2005121087A JP4616062B2 JP 4616062 B2 JP4616062 B2 JP 4616062B2 JP 2005121087 A JP2005121087 A JP 2005121087A JP 2005121087 A JP2005121087 A JP 2005121087A JP 4616062 B2 JP4616062 B2 JP 4616062B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
polishing
guide ring
square
square substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005121087A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006297524A (ja
Inventor
恒夫 沼波
正幸 中津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2005121087A priority Critical patent/JP4616062B2/ja
Publication of JP2006297524A publication Critical patent/JP2006297524A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4616062B2 publication Critical patent/JP4616062B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、フォトマスク基板、液晶基板等の角型基板を研磨する際、基板の周辺部の過剰な研磨を防ぐために使用されるガイドリングに関する。
近年、DRAM等の集積回路の高集積化に伴い、回路設計のパターンルールの微細化の要求が年々高くなってきている。それに伴い、光リソグラフィー工程に使用する光源の使用波長は、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーと、より短波長のものを使用する方向にシフトしてきている。
露光波長の短波長化は、限界解像度が向上する反面、焦点深度が浅くなるため、焦点深度を浅くしてしまう他の要因を除去することが重要な課題となってきている。リソグラフィー工程で使用するフォトマスクにおける基板の平坦度が低いと、マスクパターンとレンズとの距離がマスクパターンの位置により異なってしまうことになり、結果として焦点深度を浅くしてしまうことになる。そこでフォトマスクの材料となるフォトマスク基板においては、より高い平坦度が求められるようになってきており、例えば、152mm×152mmのフォトマスクにおいて、平坦度が0.5μm以下、更には0.3μm以下が望まれるようになってきている。
フォトマスク基板には、主に合成石英ガラス基板が使用されている。このようなフォトマスク基板を製造する場合、通常、原料となるガラスインゴットを形成した後、熱溶融させて角型に成形し、これをスライスして基板状にする。そして、粗研磨から精密な研磨へと精度をあげるため数回の研磨を行うことで平坦なフォトマスク基板を得ることができる。
このようなフォトマスク基板の製造において基板の研磨を行う場合、複数枚の基板を両面研磨装置にて研磨する方法がある。複数枚の基板の両面を同時に研磨すれば、量産の点で有利である。また、主に使用される透過型マスクでは、露光光を十分透過させるために、フォトマスク基板の両面にスクラッチ等の欠陥のないことが要求されており、両面研磨はスクラッチ対策にも有効である。
一般的な両面研磨装置では、マスク基板の対称性が崩れるのを抑制すべく、マスク基板が研磨定盤上を自転しつつ公転しながら研磨されるように設計されている。しかし、基板の定盤に対する相対速度は回転中心から最も遠い基板の角部で最も速く、中央部で最も遅くなるため、基板角部において過剰な研磨が生じやすい。そこで、マスク基板の対称性を崩さず、かつ、基板中央部と角部における研磨の度合いを均一にするには研磨条件を工夫する必要がある。
例えば、粒径の異なる研磨剤を混合して研磨を行うことで平坦度の高い基板に仕上げる方法が提案されている(特許文献1参照)。また、最初に両面研磨装置により基板の中央部が早く研磨される条件で凹型の基板を作った後、片面研磨装置で周辺部がより早く研磨される条件で研磨を行なうことで平坦度の高い基板を得る方法が提案されている(特許文献2参照)。
片面研磨装置は研磨布と基板の間に働く圧力をより均一に制御することができるため、特に仕上げの研磨ではそれを用いるのが一般的である。図7は、一般的な片面研磨装置21の構成を概略的に示している。フォトマスク基板27を研磨ヘッド26で吸着保持し、研磨布25が貼り付けられた定盤24と研磨ヘッド26をそれぞれ所定の方向に回転させる。研磨布25に対し、研磨剤供給ノズル23から研磨剤22を供給するとともに基板27を押圧することにより研磨が行われる。
しかし、フォトマスク基板に対してより高い平坦度が要求される場合、片面研磨装置を用いて研磨を行っても、面全体にわたって平坦度が高い基板を得ることは極めて困難であり、特に角部が過研磨されるという問題が起こりやすい。
そこで、上記のような片面研磨装置21を用いてフォトマスク基板の研磨を行う場合、図8に示したようなガイドリング30と呼ばれる環状の治具を用いて研磨を行う方法がある。研磨ヘッドに設けたガイドリング30内にフォトマスク基板27を収容した状態で保持し、研磨布に対して所定の圧力で押圧する。ガイドリング30により基板27の周囲の研磨布が押圧されることで、基板27の周辺部の過剰な研磨を抑制する効果が得られる。
しかし、ガイドリング30を用いてフォトマスク基板27の研磨を行っても、基板27の角部は回転中心からの距離が最も遠いため、研磨布との相対速度が大きく、また、よりフレッシュな研磨剤の供給を受け易いため、角部において過研磨が生じ易い。
また、対象性が崩れた形のフォトマスク基板から良好な平坦度を持つ基板を得ようとする場合、図8のような一般的なガイドリング30を用いても平坦度を修正する効果が得られないという問題がある。
一方、ガイドリングをいくつかの部分に分割し、各部分の押圧を独立して制御する方法が提案されている(特許文献3、4参照)。例えば、図9に示したように8分割したガイドリング40において、基板の角部に対応する段片41,43,45,47では、基板の辺の部分に対応する段片42,44,46,48よりも押圧を強く設定して研磨を行う。このようにガイドリング40の各段片41〜48の押圧を個々に制御して研磨を行うことで、基板の辺の部分と角部との研磨速度の差を小さくすることが可能となるとしている。
また、高い平坦度を有するマスク基板に仕上げる手段として、基板に対し、複数の加圧体により個々に独立して圧力制御する方法も提案されている(特許文献5参照)。
しかし、これらの方法による制御は技術的に非常に難しく、これらの方法により基板の研磨を行っても必ずしも高い平坦度が達成されない場合があった。
特開2004−314294号公報 特開2005−43838号公報 特開2003−48148号公報 特開2003−51472号公報 特開2004−29735号公報
上記問題に鑑み、本発明は、フォトマスク基板等の角型基板を研磨する際、容易にかつ確実に高い平坦度を有する角型基板に仕上げることができるガイドリングを提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、角型基板を研磨布に対して押圧しながら研磨する際に、前記基板の周囲で前記研磨布を押圧することにより基板の周辺部の過剰な研磨を防ぐためのガイドリングであって、前記基板を収容する収容部を有し、少なくとも前記研磨布と接する側の面において、前記収容部の周辺の角型基板の周辺部の研磨速度を高くし、研磨を促進したい部分に対応する位置に該ガイドリングの外部に通じる切り欠き部が形成されていることを特徴とする角型基板研磨用ガイドリングが提供される(請求項1)。
このような角型基板研磨用ガイドリングであれば、収容部に収容された角型基板の周辺部のうち切り欠き部に面する部分は、切り欠き部を通じてガイドリングの外側から相対的に多くの研磨剤が供給されるとともに研磨布による弾性力を強く受けるので、研磨が促進され、研磨効率が向上することになる。従って、このようなガイドリングであれば、複雑な押圧機構を持たない場合にも選択的な研磨が可能となり、基板の角部と辺の部分を同程度に研磨したり、対称性が崩れた基板の平坦度を修正することができ、容易にかつ確実に高い平坦度及び対称性を有する角型基板に仕上げることができる。
前記収容部が、四角形状の角型基板を収容するものとすることができる(請求項2)。
高い平坦度が要求されるフォトマスク基板は一般的に四角形であるため、上記のようなガイドリングを好適に使用することができる。
前記切り欠き部が、前記収容部に収容される角型基板の少なくとも1つの辺に対応する位置に(請求項3)、好ましくは、各辺に対応する位置に形成されている角型基板用ガイドリングとすることができる(請求項4)。
角型基板は辺の部分よりも角部が過剰に研磨され易いが、基板の辺の部分に対応する位置に切り欠き部が形成されているガイドリングを用いれば、対応する基板の辺の部分における研磨が促進され、角部と辺の部分をほぼ同じ研磨速度で研磨することが可能となる。
前記切り欠き部は、前記収容部から外部に向けて幅広となるように形成されたものとすることができる(請求項5)。
このように外部に向けて幅広となる切り欠き部が形成されていれば、切り欠き部を通じてガイドリングの外側から研磨剤を呼び込み易くなり、研磨効率を確実に向上させることができるものとなる。
また、前記角型基板の辺に対応する位置に、該基板の角部に対応する位置よりも基板とのクリアランスが大きくなる部分が形成されており、該大きなクリアランスと外部に通じる切り欠き部が連通するように形成されているものとすることもできる(請求項6)。
このようなガイドリングであれば、ガイドリングと基板の辺の部分との間に形成される大きなクリアランスの部分は、切り欠き部を通じて外部から研磨剤が呼び込まれるとともに、研磨布の沈み込みが小さくなる。従って、基板の辺の部分の研磨効率がより向上し、高い平坦度及び対称性を有する角型基板に仕上げることができる。
また、本発明によれば、角型基板を保持し、該基板を研磨布に押圧して研磨するための研磨ヘッドであって、少なくとも、前記基板を吸着保持するための基板保持手段と、前記基板を研磨布に押圧するための基板押圧手段と、前記本発明に係るガイドリングとを具備することを特徴とする角型基板用研磨ヘッドが提供される(請求項7)。
本発明に係るガイドリングを備えた研磨ヘッドであれば、研磨中、切り欠き部が形成されている部分にはガイドリングの外側から相対的に多くの研磨剤が供給されるとともに、研磨布の沈み込みが小さくなり、対応する基板の周辺部の研磨を促進することができるものとなる。従って、この研磨ヘッドを用いれば、複雑な押圧機構を持たない場合にも位置選択的な研磨が可能となり、容易にかつ確実に高い平坦度及び対称性を有する角型基板に仕上げることができる。
さらに本発明によれば、角型基板を保持し、研磨布に対して研磨剤を供給するとともに、該研磨布に前記基板を押圧しながら研磨する方法において、前記本発明に係るガイドリングを用い、該ガイドリングの収容部に前記角型基板を収容して研磨を行うことを特徴とする角型基板の研磨方法が提供される(請求項8)。
本発明に係るガイドリングを用いて角型基板の研磨を行えば、収容部に収容された角型基板の周辺部のうち切り欠き部に面している部分は、ガイドリングの外側から相対的に多くの研磨剤が供給され、また、研磨布の沈み込みが小さくなることで研磨布による弾性力を強く受けることになる。従って、この方法によれば、複雑な押圧機構を持たない場合にも、位置選択的に研磨速度を高くすることができ、容易にかつ確実に高い平坦度及び対称性を有する角型基板に仕上げることができる。
この場合、前記角型基板として、フォトマスク基板を研磨することができる(請求項9)。
フォトマスク基板は特に高い平坦度が要求される角型基板であるので、本発明に係るガイドリングを用いた研磨方法が特に有効となる。
本発明に係るガイドリングは、研磨布と接する側の面において収容部の周辺の一部にガイドリングの外部に通じる切り欠き部が形成されている。収容部に収容された角型基板の周辺部のうち切り欠き部に面している部分は、ガイドリングの外側から相対的に多くの研磨剤が供給され、また、研磨布の沈み込みが小さくなることで研磨布による弾性力を強く受けることになる。従って、このようなガイドリングを用いてフォトマスク基板等の角型基板の研磨を行えば、容易にかつ確実に位置選択的に研磨効率が向上し、基板の角部と辺の部分を同程度の研磨速度で研磨したり、対称性が崩れた基板の平坦度を修正して高い平坦度及び対称性を有する角型基板に仕上げることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明者らはフォトマスク基板等の角型基板の研磨について鋭意検討を重ねたところ、基板を収容する収容部の周辺の一部においてガイドリングの外部に通じる切り欠き部が形成されているガイドリングとすれば、基板の周辺部のうち、ガイドリングの切り欠き部に面している部分は、相対的に多量の研磨剤が供給されるとともに研磨布の強い弾性力を受けることにより、研磨を促進することができることを見出した。従って、角型基板の周辺部の研磨速度を高くしたい部分に対応する位置に外部に通じる切り欠き部が形成されたガイドリングとすれば、基板の周辺部をほぼ均一に研磨したり、あるいは対称性の崩れた基板の平坦性を修正することができ、全体として平坦度の高い基板に仕上げることができることを見出し、本発明の完成に至った。
以下、添付の図面に基づいてより具体的に説明する。
図1は、本発明に係る角型基板用ガイドリングの一例を概略的に示している。このガイドリング1は四角形状のフォトマスク基板6を収容するため、基板6の形状に対応した収容部2を有している。そして、ガイドリング1の研磨布と接する側の面3には、収容部2に収容される基板6の各辺6aに対応する位置に、収容部2からガイドリング1の外部に通じる切り欠き部4が形成されている。各切り欠き部4は外部に向けて幅広となるように形成されており、いわば開口部となるような形状をしている。
一方、基板6の四隅の角部6bに対応する位置には、基板6の角部6bを支持することにより位置決めする支持部5が形成されている。
ガイドリング1の材質は特に限定されないが、成形性、耐久性のほか、基板に対するキズや汚染を防止する観点から、例えば、塩化ビニル樹脂、PPS、PEEKなどの合成樹脂を用いることができる。また、フォトマスク基板と同じ材質となる石英を用いることもできる。
図2(A)(B)は、図1に示したガイドリング1を備えた研磨ヘッド10の断面を概略的に示したものであり、図2(A)は図1のA−A′線に沿った断面を、図2(B)はB−B′線に沿った断面をそれぞれ示している。この研磨ヘッド10は、フォトマスク基板6を保持して研磨布13に押圧する手段として、基板6と同様の四角形状のトップリング9を有し、トップリング9を囲むように円形状のガイドリング1が設けられている。
トップリング9の内部には基板6を真空吸着するための通気路8が形成されている。また、トップリング9の下面には基板6の裏面側の周辺部に当接するゴムリング(ゴムパッキン)7が貼り付けられている。ゴムリング7は、トップリング9と基板6との間の空間をシールして基板6を真空吸着保持するためのものであり、シリコーンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム等から構成することができる。あるいは、ポリアセタール樹脂、フッ素系樹脂などの合成樹脂製のリングを用いることもできる。このようなゴムや合成樹脂からなるリング7を介すことで基板6をキズを付けずに吸着保持することができる。ただし、基板6の汚染やキズによるフォトマスクの露光への影響をより確実に防ぐため、ゴムリング7は、フォトマスクの露光に影響しない裏面の周辺部、例えば、基板6の最外周部(縁部)から1〜3mmの領域で接するように設けることが好ましい。
このような研磨ヘッド10によりフォトマスク基板6を保持して研磨を行う場合、まず、基板6をガイドリング1の収容部2に収容する。基板6の四隅の角部6bがガイドリング1の支持部5で支持されることで位置決めされる。そして、通気路8を通じて真空吸引することにより、ゴムリング7を介して基板6が吸着保持される。
研磨布13が貼り付けられた定盤と研磨ヘッド10をそれぞれ所定の方向に回転させ、研磨布13に対して研磨剤を供給するともに、研磨ヘッド10に保持された基板6を研磨布13に押圧する。このとき、基板6はゴムリング7を介して周辺部に荷重がかかるので、周辺部が研磨され易くなる。そこで、基板6を研磨布13に接触させた後、通気路8を通じて空気や窒素を供給して基板6の裏面側を加圧すれば、基板全体の研磨荷重をほぼ均一にすることができる。通気路8から空気等を供給して加圧することにより基板6の吸着は解除されることになるが、ガイドリング1の収容部2内で基板6の少なくとも角部6bが支持されているので、基板6がガイドリング1内で位置ずれしたり、ガイドリング1から外れることはない。
なお、トップリング9とガイドリング1は同じ押圧機構により押圧が制御されてもよいし、トップリング9の押圧機構とは別にガイドリング1用の押圧機構を設けてもよい。
また、研磨剤は、図7の研磨装置と同様に研磨ヘッドの外側から供給することができるが、研磨ヘッドの内部に研磨剤を供給する機構を設けてもよい。
また、ゴムリング7の代わりに、図3に示したようなゴム製のバッキングパッド11を介して基板6を保持してもよい。全面に多数の通気孔が形成されたバッキングパッド11を用いることでトップリング9の通気路8を通じて基板6を真空吸着することができ、バッキングパッド11を介して基板6の全面を均一に押圧することができる。
上記のように本発明のガイドリング1を用いて基板6と研磨布13を摺接させて研磨を行うと、図2(A)に示されるように、基板6の各辺6aの中央部分には、ガイドリング1の開口部4を通じて研磨剤が呼び込まれる。また、ガイドリング1の開口部4の下では研磨布13の沈み込みが小さくなるため、開口部4に面する基板6の各辺6aの中央部分は研磨布13による弾性力を強く受けることになる。すなわち、収容部2に収容されたフォトマスク基板6の辺6aの中央部分には、相対的に多くの研磨剤が供給されるとともに研磨布13による弾性力を強く受けることにより、研磨が促進されることになる。
一方、基板6の角部6bの周囲では、図2(B)に見られるように研磨布13がガイドリング1の支持部5により押圧され大きく沈み込まれる。従って、基板6の角部6bの付近では、辺6aの中央部分に比べ、研磨剤の供給量が少なく、研磨布13の弾性力も小さいため、研磨が抑制される。
すなわち、このようなガイドリング1を備えた研磨ヘッド10で角型のフォトマスク基板6を保持して研磨を行えば、一般的に研磨速度が小さくなる基板6の辺6aの中央部分では相対的に研磨効率が高くなり、研磨速度が大きくなり易い角部6bの周辺では相対的に研磨効率が小さくなり、過研磨を効果的に防止することができる。その結果、基板6の周辺部全体にわたって高い平坦度を有するフォトマスク基板に仕上げることができる。
本発明では、トップリング、ガイドリング等の形状は図1、図2に示したものに限定されず、他の形状のものも採用することができる。
図4は、本発明に係るガイドリングの他の例を示している。このガイドリング51は、研磨布と接する側の面において、フォトマスク基板6の1つの辺6aに対応する位置に、収容部52から外部に向けて幅広となる切り欠き部(開口部)54が形成されている。このようなガイドリング51は、対称性が崩れた基板の平坦度を修正する場合に好適に使用することができる。例えば、初期の研磨において、両面研磨装置により基板の左右で対称性が崩れた形で研磨された場合、基板の平坦度を上げるために、より削り取るべき側が開口部54に面するように基板6を収容して研磨を行う。開口部54に面する部分には相対的に多量の研磨剤が供給されるとともに研磨布による弾性力を強く受けるので、研磨が促進され、平坦度が大きく改善されることになる。従って、このようなガイドリング51を用いれば、複雑な押圧機構を設けなくても位置選択的な研磨が可能となり、対称性が崩れた基板の平坦度を修正することができる。
また、本発明に係るガイドリングの切り欠き部は、図1、図4に示したような外部に向けて幅広となる形状に限定されず、例えば幅が略一定となる溝形状としてもよい。
図5に示すガイドリングは、フォトマスク基板6の1つの辺6aに対応する位置に、基板6の角部6bに対応する位置よりも基板6とのクリアランス65が大きくなる部分が形成され、この大きなクリアランス65と、ガイドリング61の外部に通じる切り欠き部(溝部)64a,64bとが連通している。このようなガイドリング61の収容部62内にフォトマスク基板6を収容して研磨を行えば、溝部64a,64bを通じてガイドリング61の外側から研磨剤がクリアランス65内に取り込まれ、また、大きなクリアランス65が形成されている部分では研磨布の沈み込みが小さくなる。すなわち、大きなクリアランス65が形成されている基板6の辺6aの中央部分は、相対的に多量の研磨剤が供給されるとともに、研磨布による弾性力を強く受けることで研磨が促進されることになる。従って、このガイドリング61を用いれば、複雑な押圧機構を設けなくても位置選択的な研磨が可能となり、対称性が崩れた基板の平坦度を修正することができる。
なお、上記のようなクリアランスと溝部の数、位置、形状等は図5に示したものに限定されるものではない。例えば図6に示したように基板6の4つの各辺6aに対応する位置に、大きなクリアランス75と、これに連通する溝74a,74bをそれぞれ形成したガイドリング71とすれば、基板6の各辺6aの中央部分では相対的に研磨効率を高くし、角部6bの周辺では研磨効率を小さくすることができる。その結果、基板6の周辺部全体にわたって高い平坦度を有するフォトマスク基板に仕上げることができる。
また、クリアランスとこれに連通する溝も図5、6の形態に限定されず、必要に応じ、フォトマスク基板の2つあるいは3つの辺に対応する位置に形成されるようにしてもよい。
また、目的に応じてフォトマスク基板の角部における研磨をより促進したい場合には、角部に対応する位置に図1に示したような外部に通じる開口部を設けてもよいし、図5に示したような大きなクリアランスとこれに連通する溝を設けてもよい。
さらに、ガイドリングは円形状のものに限定されず、例えば図13に示したような四角形状のガイドリング91とすることもできる。なお、このガイドリング91には、四角形の基板の各辺に対応する位置に一定幅の開口部94が形成されている。
以上説明したように、本発明に係るガイドリングを備えた研磨ヘッドでフォトマスク基板を保持して研磨を行えば、例えば基板の最外周部から内側の5mmを除く領域において0.3μm以下の平坦度を達成することができる。そして、研磨後のフォトマスク基板を用いてフォトマスクを作製すれば、LSI、VLSI等の高密度集積回路を安定的に半導体ウエーハ上に転写することができるフォトマスクを得ることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
(実施例)
図10に示したようにフォトマスク基板6の各辺に対応する位置に外側に向けて幅広となる開口部(切り欠き部)84を形成した四角形状のガイドリング81(PPS製)を作製した。このガイドリング81を研磨ヘッドに装着し、片面研磨装置を用いて152mm×152mm×6.35mmの合成石英ガラス基板の研磨を行った。研磨では、基板の押圧荷重を20kPaとし、研磨剤としてコロイダルシリカを用い、研磨布はスエード状のものを使用し、10分間研磨を行った。なお、凹形状の基板から研磨を開始し、基板の辺の中央部分が基板の中心部と標高がほぼ同じ高さとなる時点を研磨終了の目安とした。
研磨前後において、142mm×142mmの内側領域の平坦度を測定した。図11は研磨前後における基板の平坦度を示している。研磨前(A)の平坦度は0.314μmであったが、研磨後(B)は0.139μmの平坦度が達成された。
(比較例)
図8に示したような研磨側の面も切り欠き部がなく、クリアランスも一定となっているガイドリングを用いて実施例と同様に合成石英ガラス基板の研磨を行った。
研磨前後において、142mm×142mmの内側領域の平坦度を測定した。図12は研磨前後における基板の平坦度を示している。研磨前(A)の平坦度は0.322μmであったが、研磨後(B)の平坦度は0.376μmに悪化していた。特に辺部に比べて四隅の角部の過研磨が著しかった。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施形態では略正方形のフォトマスク基板を研磨する場合について説明したが、本発明により研磨する角型基板はこれに限定されず、液晶基板やディスク基板等の高い平坦度が要求される角型基板の研磨にも適用できるし、基板の形状は、長方形等の四角形状のほか、多角形の基板でもよい。
また、本発明に係るガイドリングは、切り欠き部に面する部分で研磨効率が高められるので、ガイドリングに対する複雑な押圧機構を設けずに位置選択的な研磨が可能となるが、選択的な研磨の効果を一層高めるため、複数の押圧機構を設けてガイドリングを部分的に加重を高めてもよいし、ガイドリングを複数に分割したものとしてもよい。
本発明に係るガイドリングの一例を示す概略平面図である。 図1のガイドリングを備えた研磨ヘッドの一例を示す概略断面図である。(A)A−A′線断面 (B)B−B′線断面 バッキングパッドを介して基板を保持した状態を示す概略断面図である。 本発明に係るガイドリングの他の例を示す概略平面図である。 本発明に係るガイドリングのさらに他の例を示す概略平面図である。 本発明に係るガイドリングのさらに他の例を示す概略平面図である。 片面研磨装置の構成の一例を示す概略図である。 角型基板用の一般的なガイドリングの一例を示す概略平面図である。 分割されたガイドリングの一例を示す概略平面図である。 実施例で用いたガイドリングを示す概略平面図である。 実施例における研磨前後の基板の平坦度を示す図である。(A)研磨前 (B)研磨後 比較例における研磨前後の基板の平坦度を示す図である。(A)研磨前 (B)研磨後 本発明に係る四角型のガイドリングを示す概略平面図である。
符号の説明
1…ガイドリング、 2…収容部、 3…研磨布と接触する側の面、 4…切り欠き部(開口部)、 5…支持部、 6…フォトマスク基板、 6a…辺の部分、 6b…角部、 7…ゴムリング(ゴムパッキン)、 8…通気路、 9…トップリング、 10…研磨ヘッド、 11…バッキングパッド、 13…研磨布、 64a,64b…切り欠き部(溝部)、 65…クリアランス。

Claims (9)

  1. 角型基板を研磨布に対して押圧しながら研磨する際に、前記基板の周囲で前記研磨布を押圧することにより基板の周辺部の過剰な研磨を防ぐためのガイドリングであって、前記基板を収容する収容部を有し、少なくとも前記研磨布と接する側の面において、前記収容部の周辺の角型基板の周辺部の研磨速度を高くし、研磨を促進したい部分に対応する位置に該ガイドリングの外部に通じる切り欠き部が形成されていることを特徴とする角型基板研磨用ガイドリング。
  2. 前記収容部が、四角形状の角型基板を収容するものであることを特徴とする請求項1に記載の角型基板研磨用ガイドリング。
  3. 前記切り欠き部が、前記収容部に収容される角型基板の少なくとも1つの辺に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角型基板研磨用ガイドリング。
  4. 前記切り欠き部が、前記収容部に収容される角型基板の各辺に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の角型基板研磨用ガイドリング。
  5. 前記切り欠き部が、前記収容部から外部に向けて幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の角型基板研磨用ガイドリング。
  6. 前記角型基板の辺に対応する位置に、該基板の角部に対応する位置よりも基板とのクリアランスが大きくなる部分が形成されており、該大きなクリアランスと外部に通じる切り欠き部が連通するように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の角型基板研磨用ガイドリング。
  7. 角型基板を保持し、該基板を研磨布に押圧して研磨するための研磨ヘッドであって、少なくとも、前記基板を吸着保持するための基板保持手段と、前記基板を研磨布に押圧するための基板押圧手段と、前記請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のガイドリングとを具備することを特徴とする角型基板用研磨ヘッド。
  8. 角型基板を保持し、研磨布に対して研磨剤を供給するとともに、該研磨布に前記基板を押圧しながら研磨する方法において、前記請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のガイドリングを用い、該ガイドリングの収容部に前記角型基板を収容して研磨を行うことを特徴とする角型基板の研磨方法。
  9. 前記角型基板として、フォトマスク基板を研磨することを特徴とする請求項8に記載の角型基板の研磨方法。
JP2005121087A 2005-04-19 2005-04-19 角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法 Active JP4616062B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121087A JP4616062B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121087A JP4616062B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006297524A JP2006297524A (ja) 2006-11-02
JP4616062B2 true JP4616062B2 (ja) 2011-01-19

Family

ID=37466222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005121087A Active JP4616062B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4616062B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110545958A (zh) * 2017-04-24 2019-12-06 株式会社荏原制作所 基板的研磨装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4926675B2 (ja) * 2006-12-01 2012-05-09 ニッタ・ハース株式会社 被加工物保持枠材および被加工物保持具

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0251057U (ja) * 1988-10-03 1990-04-10
JPH069859U (ja) * 1992-07-13 1994-02-08 日本板硝子株式会社 研磨装置
JPH08187657A (ja) * 1994-11-04 1996-07-23 Sumitomo Metal Ind Ltd 板状部材の研磨装置
JP2000094308A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Canon Inc 矩形基板保持治具および矩形基板研磨方法
JP2003048148A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Shin Etsu Chem Co Ltd 角形基板の研磨方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6434661A (en) * 1987-07-29 1989-02-06 Hitachi Ltd Wafer polishing device

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0251057U (ja) * 1988-10-03 1990-04-10
JPH069859U (ja) * 1992-07-13 1994-02-08 日本板硝子株式会社 研磨装置
JPH08187657A (ja) * 1994-11-04 1996-07-23 Sumitomo Metal Ind Ltd 板状部材の研磨装置
JP2000094308A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Canon Inc 矩形基板保持治具および矩形基板研磨方法
JP2003048148A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Shin Etsu Chem Co Ltd 角形基板の研磨方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110545958A (zh) * 2017-04-24 2019-12-06 株式会社荏原制作所 基板的研磨装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006297524A (ja) 2006-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5402391B2 (ja) 半導体用合成石英ガラス基板の加工方法
CN100545748C (zh) 中间掩模用基板及其制造方法和光刻掩模板及其制造方法
JP5637062B2 (ja) 合成石英ガラス基板及びその製造方法
US9505166B2 (en) Rectangular mold-forming substrate
JP2005316448A (ja) マスクブランク用のガラス基板、マスクブランク、マスクブランク用のガラス基板の製造方法、及び研磨装置。
JP2006011434A (ja) マスクブランク用基板、マスクブランクおよび転写用マスクの製造方法
WO2020137186A1 (ja) ウェーハの製造方法およびウェーハ
TW201321130A (zh) 研磨頭、研磨裝置及工件的研磨方法
JP4025960B2 (ja) 角形ホトマスク基板の研磨方法、角形ホトマスク基板、ホトマスクブランクス及びホトマスク
JP2004327547A (ja) ウエーハ研磨装置及びその研磨ヘッド並びにウエーハ研磨方法
JP2015207655A (ja) インプリントモールド、インプリントモールド用ブランクス、並びにインプリントモールド用基板の製造方法及びインプリントモールドの製造方法
JP4616062B2 (ja) 角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法
JP4616061B2 (ja) 角型基板研磨用ガイドリング及び研磨ヘッド並びに角型基板の研磨方法
JP4803576B2 (ja) マスクブランク用基板、マスクブランク、露光用マスク、半導体デバイスの製造方法、及びマスクブランク用基板の製造方法
EP1283551B1 (en) Angular substrates
JP4352229B2 (ja) 半導体ウェーハの両面研磨方法
JP2004311506A (ja) ウエーハ研磨装置及びその研磨ヘッド並びにウエーハ研磨方法
JP2004302280A (ja) マスクブランクス用基板の製造方法、及びマスクブランクスの製造方法、並びに転写マスクの製造方法
JP6384303B2 (ja) ガラス基板の研磨方法
US20140174655A1 (en) Polishing tool with diaphram for uniform polishing of a wafer
JP4887073B2 (ja) 角型基板用キャリア及び角型基板用両面研磨装置並びに角型基板の研磨方法
JP2002252191A (ja) 半導体ウェーハの研磨装置
JP4435500B2 (ja) 基板の両面研磨方法および両面研磨用ガイドリングならびに基板の両面研磨装置
JP2024006625A (ja) ウェーハ研磨条件の決定方法、ウェーハの製造方法およびウェーハ片面研磨システム
JP2019197768A (ja) インプリントモールド用合成石英ガラス基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100121

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101005

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4616062

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029

Year of fee payment: 3