JP4616001B2 - 有機物フィルムによって表面をコーティングするための方法 - Google Patents

有機物フィルムによって表面をコーティングするための方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面に有機物コーティングを形成するという技術分野に関するものであり、コーティングは、有機物フィルムの形態とされる。特に、本発明は、有機物フィルムを使用して、電気的に開始される反応によって、表面上にライニングを形成するための方法に関するものである。ライニングは、導体表面上においてまたは半導体表面上において、1μm以下というスケールにおいてさえも、一様な厚さとされる。
多くの応用の中で、特に1μm以下というスケールにおいて、一様な厚さの有機物ライニングまたは有機物コーティングを得ることは、重要である。特に、このコーティングが、例えば耐腐食性コーティングや生体適合性コーティング等といったような保護コーティングとして作用する場合には、あるいは、電気絶縁性コーティングや導電性コーティングや光吸収性コーティングやバイオチップ上のコーティングや化学センサ等といったように、コーティングに起因する特性がコーティングの厚さにほぼ直接的に関連するようなものとして作用する場合には、一様な厚さの有機物ライニングまたは有機物コーティングを得ることは、重要である。そのような場合には、厚さに関するわずかの局所的非一様さであっても、要求される性能の局所的欠陥の原因となる。
ほぼすべてのタイプの表面上において、したがって、特に導体表面上や半導体表面上において、動作し得る有機物ライニングを成膜するための各種プロセスが、公知である。例えば、物理的なまたは化学的な気相蒸着法(CVD、PVD、等)や、遠心分離プロセスや、スピンコーティングプロセス、が公知である。
しかしながら、PVDおよびCVDは、成膜を得るのに必要な反応的蒸気を形成するに際して、適切な前駆体の存在に依存する。したがって、限られたタイプのコーティングしか行うことができず、コーティングが発揮する機能を最適化することが困難である。また、特にマイクロエレクトロニクスにおいては、PVDが、表面の3次元的トポロジーに敏感であること、特に深さ対幅に関してのアスペクト比が大きい構造といったように、ポイント効果に敏感であることが、判明している。この敏感さは、おそらく、幾何学的突起を有した領域の反応性が大きいことの結果であり、構造が薄いもの(<0.13μm)である場合には、より顕著な厚さ不均一さの原因となる。
フィルムの厚さ不均一性は、また、PVDまたはCVDをマスクデバイスと組み合わせて使用しなければならない場合に観測され、この場合、マスクエッジ効果が観測されることとなる。最後に、CVDによる有機物成膜の厚さのチェックは、現状では、産業的規模では極薄コーティングの場合には不十分である。特に、数μm以下という厚さにおいては、不十分である。このため、この厚さ範囲を取り扱うことができない。
エッジ効果は、また、遠心分離による成膜(『スピンコーティング』)においても、観測される。このプロセスは、遠心力の影響下で成膜される液体が層状のままである限りにおいては、良好な一様性の厚さを得ることができる。一般に、表面のエッジにおいては、そのような状況とはならず、また、鉛直方向の粗面さが流れに擾乱をもたらす原因となる(『Eckman螺旋』)。また、極薄フィルムの場合には、プロセスの適用中の溶剤が蒸発して、流体の粘性が増加し(多くの場合、局所的な不均一性)、これが、厚さ不均一性を引き起こすことが、観測されている。また、このようなプロセスを利用したデバイスは、複雑である。なぜなら、飽和蒸気圧や、温度や、湿度までも、制御する必要があるからである。
『スピンコーティング』によって成膜される有機物コーティングに関しての溶媒アニールプロセスが、上記欠点を克服するために開発されている。しかしながら、それらは、追加的ステップを必要とし、かなりのコスト増加をもたらす。
調整可能な厚さを有した有機物コーティングを得るために、電気化学に基づいた他のプロセスが開発されてきた。以前のプロセスとは異なり、これらプロセスは、導体表面および半導体表面の電気的特性を直接的に使用するものであり、これら表面上においてのみ適用可能である。例えば、長年にわたって、導体表面あるいは半導体表面上に、フィラーを有したポリマーを電気的に成膜し得ることが、公知である。例えば、また、金属を電気メッキする手法が公知であり、また、例えばピロールやアニリンやチオフェンやEDOTなどといったようなモノマーから導電性高分子の前駆体を経て電解重合し得ることが公知である。これら反応に共通していることは、電気的に駆動される反応であるということである。言い換えれば、これら反応は、処理対象をなす表面が一方の電極を形成しているような電気回路の中を電流が流れていなければ継続しないような反応である。これら反応と、電気的に開始される反応とは、区別されるべきである。電気的に開始される反応においては、ただ1つのステップ(初期的ステップ)だけが電気化学的であり、電流とは無関係であるような、結合化学反応が生成される。
しかしながら、これらプロセスは、マイクロエレクトロニクスにおける使用を極度に限定させるような、より一般的には、半導体表面上における有機物コーティングの形成に関してそれらプロセスの使用を極度に限定させるような、以下のような2つの深刻な欠点を有している。
−電気的に駆動される反応の進展が、フィルム成長時の全体にわたって電解セル内で維持されるの電圧および/または電流に依存すること。そのため、得られるコーティングの厚さは、回路内を通って流れた電荷の総量に依存する。
−電気的に駆動される反応が、マイクロエレクトロニクスにおける典型的な状況であるような例えば数cm という面積の表面上において、数十nmという範囲内のフィルム厚さの均一性を得るに際して、不十分であること。2つの導体領域または半導体領域がインピーダンスを介して電気的に直列接続された場合には、これら2つの表面が接続されているにもかかわらず、一方に対して印加された電圧のすべてが、他方に対して同等に伝達されることはない。つまり、2つの領域間には、抵抗による電圧降下が存在する。この抵抗による電圧降下のために、2つの表面に対して印加される見かけの電圧が相違し、そのため、それらを流れる電流は、面積が同じでも互いに相違することとなる。同じ電解時間について、各領域を通過する電荷量が、互いに相違することとなり、電気的に駆動される反応を使用して得られるフィルムの厚さも、また、互いに相違することとなる。
結局のところ、電気的に駆動される反応は、初期表面の幾何学的トポロジーではなく、実施しているプロセスとデバイスとに関連した抵抗的な電圧降下に関するトポロジーに直結するような、コーティングをもたらす。
また、現時点では、マイクロエレクトロニクスにおける典型的な状況であるような例えば数cm という面積の表面上において数十nmという範囲内のフィルム厚さの均一性を得ることが重要であるような場面においては、有機物コーティングを得るに際して、電気的に駆動される反応に基づくプロセスは、全く使用されていない。
表面抵抗という観点から非一様性を一切有していないような表面を形成することが現時点で困難であることを考慮すれば、さらに、電流分布の非一様性が全く存在しないような完璧な電解セルを形成することが現時点で困難であることを考慮すれば、与えられた表面上におけるあるポイントと他のポイントとの間の抵抗的電圧降下の影響を均質化し得るような有機的なフィルム成膜プロセスが、実際に要望されている。
この必要性は、例えばマイクロエレクトロニクスやセンサやマイクロマシンといったようなマイクロシステムなどにおいて半導体材料が使用されるようなすべての応用分野において、特に重要である。それは、半導体材料が、それらの表面が等電位的ではなく、表面上の任意の2箇所の間において常に抵抗的電圧降下が存在することによって、特徴づけられるものであるからである。
よって、厚さに関して良好な制御性を有しつつ導体表面または半導体表面上に有機物コーティングを成膜するに際して現在利用可能なプロセスの効率が、例えば電気化学的プロセスとは別の粗面性といったような表面トポロジーに密接に関連していること、および、電気化学的プロセスに関する抵抗損失についてのトポロジーに密接に関連していること、が判明している。なお、本出願人の知る限りにおいては、本出願に関連性を有する先行技術文献は存在しない。
本発明は、任意の形状の支持体表面上においてしたがって特にトポロジーとは無関係に、1μm以下というフィルム厚さに対してさえも、一様な厚さの有機物フィルムを高速にかつ再現性良く得ることができるようなプロセスを提供することにおり、上記従来技術における様々な問題点を解決するものである。
本発明において使用するプロセスは、少なくとも1つの前駆体を原料として有機物フィルムによって単純な形状のまたは複雑な形状の導体表面または半導体表面をライニングするための方法であって、有機物フィルムによる表面のコーティングを、表面上に少なくとも1つの前駆体を電気的に開始される懸架によって行い、その際、表面に対して少なくとも1回の電圧走査を行い、その電圧走査においては、表面のすべての場所に対して、各電圧走査に関する上限電圧を印加し、その上限電圧を、参照電極に対する絶対値において、所定電圧(Vbloc)以上の電圧値とし、その所定電圧(Vbloc)を、表面上に電気懸架される前駆体の量を電圧走査回数の関数として示すグラフにおける各曲線が重なり始める電圧値とすることを特徴としている。
例えばmol/cm という単位での実際の数値(単位表面積あたりでの濃度)や得られた有機物フィルムの厚さ(最大懸架比率に関して)といったような様々な測定を使用することにより、電気的に懸架される前駆体の量を評価することができる。場合によっては、前駆体の化学的性質および最終的に得られた有機物フィルムの化学的性質に応じて、いくつかの測定の中から容易な測定を行うことができる。最も容易な手法を選択することができる。例えば、厚さ測定に関しては、側面計測法や、偏光解析法や、原子強度顕微鏡や、トンネル効果顕微鏡、を使用することができる。
本発明のある特別の実施形態においては、有機物フィルムは、有機物ポリマーフィルムとすることができ、モノマーは、有機物ポリマーフィルムをもたらすような電気的に活性化される前駆体モノマーとすることができる。この特別の実施形態においては、電気的に開始される反応は、明らかに、少なくとも1つの前駆体モノマーに関しての、電気的に開始される重合である。この実施形態においては、グラフは、電圧走査回数の関数として有機ポリマーフィルムの厚さを示すグラフとすることができる。
一般に、以下においては電気的に開始される反応と称されるような、本発明における電気的に開始される懸架反応は、電気的に駆動される反応とは別異のものと考えることができる。つまり、電気的に駆動される反応は、電気的に開始されるものではあるけれども、電解セル内において電圧および/または電流が維持され続けなければ継続し得ないような反応である。言い換えれば、電気的に開始される反応とは、少なくとも1つの電気化学的反応を含有した結合化学反応を生成するような電気化学的反応である。上述したように、電気的に駆動される反応によって得られるコーティングの厚さは、回路を通って流れた電流の総量に依存し、したがって、抵抗に基づく局所的電圧降下に依存する。
本発明によるプロセスは、それらパラメータに依存しない。実際、電気的起動ステップとも称されるような電気的開始ステップだけは、電流に依存する。特に、開始は、有機物フィルムの前駆体の電気的活性化に依存する。例えば、前駆体の酸化または還元による種の形成に依存する。そのため、その後は、分子または巨大分子の供給源のみに依存し、使用されている電極電圧における電気活性には依存しない。
例えば、導体表面または半導体表面上において電気的に活性化されたモノマーの懸架によって得られる本発明によるプロセスのこの特別の実施形態を使用して懸架されるポリマーフィルムは、表面を基点とした重合反応の電気的開始によって得られ、その後は、モノマーごとに、チェインが成長する。懸架されたチェインは、純粋な化学的重合によって成長することができる。言い換えれば、懸架の起点となる導電性表面における重合とは個別的に成長することができる。したがって、電圧プロトコルが溶液の組成物とは個別的な役割を果たすことは、極めて明瞭である。チェインの成長が始まった後には、フィルムの成長は、溶液の組成によって管理される。すべてのチェインは、同じ長さとなる。なぜなら、表面に対向する溶液が、すべての成長チェインに対して同じであるからである。したがって、表面上に懸架される有機物フィルムの厚さは、表面上における懸架比率を調節することによって、調節され、この厚さは、懸架比率が最大である場合には、どの場所でも同じとなる。
したがって、本発明においては、すべてが厳密に同じであるような連続する表面上において一連のコーティングが行われ得る場合には、さらに、各表面上において互いに同じ適切な操作条件が課される場合には、Vblocよりも大きな電圧を使用することにより、各表面上において各時点において、最大の懸架比率を得ることができる。厚さは、単に溶液の組成を変更することにより、様々な表面上において変更することができる。
本発明によるプロセスにおいては、チェインの成長を終了させるための競合反応を備えることができる。このような反応は、チェインの成長を遮断し、これにより、チェインが本発明によるプロセスによってブラシの形態とされた場合には、フィルムの最大厚さを固定することに寄与する。ラジカル的重合反応におけるラジカル的禁止剤および活性サイト移送剤(特に、酸化還元対)や、プロトン(および、拡張プロトン性分子)および求電子物質および特にカチオンや、求核物質および特にアニオンは、本発明において電気的に開始された反応を終端させるように作用することができて必要に応じて厚さの制御を可能とし得るような、候補物質である。
本発明によるプロセスにおいて使用し得るような電気的に開始される反応は、表面上においておよび溶液内において、電流を使用したモノマーの還元または酸化に対して電気的な開始が対応し得るような反応、あるいは、電気的に還元されたモノマーがアニオン的重合反応の開始剤をなすような反応、あるいは、電気的に酸化されたモノマーがカチオン的重合反応の開始剤をなすような反応、である。また、電気的に活性化される媒介物質を使用することによって開始される反応とすることができる。酸化または還元を受けた後に、そのような媒介物質は、通常のラジカル的重合開始剤として作用する。媒介物質の候補には、ジアゾニウム塩や、スルホニウム塩や、ホスホニウム塩や、ヨードニウム塩や、パーオキソジサルフェートや、スルファメートや、金属イオンや、金属イオンの錯体、糖がある。
上述した本発明の特別の実施形態においては、有機物フィルムの少なくとも1つの電気的に活性化可能な前駆体モノマーは、例えば、ビニルモノマーとすることができる。ビニルモノマーの場合には、このビニルモノマーは、有利には、アクリロニトリルと、メタクリロニトリルと、メチルメタクリレートと、エチルメタクリレートと、ブチルメタクリレートと、プロピルメタクリレートと、ヒドロキシエチルメタクリレートと、ヒドロキシプロピルメタクリレートと、グリシジルメタクリレートと、アクリルアミドと、アミノエチルメタクリルアミドと、プロピルメタクリルアミドと、ブチルメタクリルアミドと、ペンチルメタクリルアミドと、ヘキシルメタクリルアミドと、シアノアクリレートと、ジメタクリレートポリエチレングリコールと、アクリル酸と、メタクリル酸と、スチレンと、パラクロロ−スチレンと、N−ビニルピロリドンと、4−ビニルピリジンと、ビニルハライドと、塩化アクリロイルと、塩化メタクロイルと、これらの派生物と、からなるグループの中から選択されたものとすることができる。
また、これらモノマーのうちの1つを任意の分子あるいは巨大分子によって修飾することによって得られたビニルモノマーの類似体を、使用することもできる。この分子または巨大分子には、例えば、ポリエチレングリコールといったようなポリマーや、例えばアデノシンや3−デアゾアデノシンといったような窒素系の塩基やその派生物や、DNAチップ上で使用されるシーケンスプローブといったようなトレースヌクレオチドや、例えばプリオンといったようなペプチドや、例えば酵素や抗体等といったようなタンパク質や、例えばリノール酸といったような脂肪酸や、例えばグルコースといったような糖質や、デキシトランまたはデキシトラン派生物を有していても有していなくても良いような多糖類や、セルロースおよびその派生物や、キトサンおよびその派生物、等がある。この場合、前駆体は、このような分子または巨大分子が結合したビニルポリマーとなる。
結合を可能とする反応の性質に依存して、いくつかの活性化されたビニル基を付帯した分子や巨大分子を、逆に備えることができる。分子や巨大分子は、上述したものとすることができる。
本発明によるプロセスにおいていくつかの前駆体モノマーが使用される場合には、上述したビニルポリマーのいくつかを混合することができる。一般に、イオン的酸化還元生成物を有した電気活性開始剤によって成長を開始し得るようなポリマーを使用することができる。媒介物質が使用される場合には、使用されるポリマーの成長は、ラジカル的な酸化還元生成物を有した電気活性媒介物質によって開始される。
また、本発明によるプロセスは、例えばエポキシドやラクトンやε−カプロラクトン等といったような求核攻撃や求電子攻撃によって劈開可能な環式モノマーの電気懸架反応を使用することができる。これら反応の原理は、ビニルモノマーの場合と同じであるものの、ポリマーフィルムの成長は、開環によって行われる。
また、本発明によるプロセスにおいては、ジアゾニウム塩や、スルホニウム塩や、ホスホニウムや、ヨードニウム塩や、アルコールや、チオール、等の電気懸架反応を、使用することもできる。これらは、還元されたときに表面上に直接的に自己吸着(化学的吸収)され、成長を形成しない(パッシベーション)ようなラジカルを形成する分子である。例えば、これは、分子単一層に近いような非常に薄い厚さを形成するためにプロセスが使用されるような、場合である。なぜなら、ポリマータイプのチェインが成長しないからである。この記載の中で言及し阻止現象は、その後のプロセスで形成される他のチェインの成長を妨害するような種の成長を妨害する現象ではなく、電流を流し得る金属サイトに関する直接的な現象である。
また、本発明によるプロセスにおいては、例えば過酸化物やチオレート(thiolate)やジアゾニウム塩やスルホニウム塩やホスホニウム塩やヨードニウム塩といったような、例えばアクリロニトリル等のような上述したビニルポリマーのようなラジカル的手法によって重合し得るモノマーの存在下において、酸化還元生成物が重合開始ラジカルとなるような化合物を使用した、電気重合反応を使用することもできる。
また、イオン的にポリマーを得ることができるようなプロセスを、使用することもできる。例えば、ナフタレンや金属塩や他の化合物のアニオンラジカルまたはカチオンラジカルによって開始された求核攻撃または求電子攻撃によって劈開し得るような活性化ビニルポリマーや環式分子は、重合開始剤となる。
本発明の意味合いにおいて、単純な表面とは、表面粗さを有していない単一表面であって、通常は、滑らかな表面を有しているような表面、あるいは、特に厚さという点で制御された表面粗さを有しているような表面、を意味している。本発明の意味合いにおいて、複雑な表面とは、組成および/または形状という点において互いに区別し得るような複数の部材からなりかつそれら部材が互いに導電的にまたは半導電的に連結されてなるような表面、あるいは、構造化された表面、あるいは、凹所が形成された部材やエッチングされた部材や接着された部材やこれらの組合せを有していて構造化されていない表面、あるいは、支持体の様々な部材上に位置していて本発明によるプロセスを使用して懸架されるフィルムが連結されている表面、を意味している。
本発明によるプロセスによれば、電気的に開始される反応によって成膜された有機物フィルムまたは有機物コーティングの一様にかつ微細に制御することができ、1μm以下という厚さの極薄の有機物ライニングまたは有機物コーティングを、一様な厚さのものとして形成することができる。言い換えれば、上記従来技術においては産業的規模で得ることが困難であったようなスケールのものを、単純な表面または複雑な表面上において得ることができる。
驚くべきことに、各電圧走査における最大値を、参照電極に対しての絶対値として、本発明によるプロセスにおける最小所定電圧(Vbloc)よりも大きなものとすることにより、最大の占有率を得ることができ、第1回目の電圧走査において懸架されるモノマーが、導体表面または半導体表面の50%以上を占有し、数回の操作後には、80%以上を、さらには90%以上さえをも、占有することができる。本発明者らは、驚くべきことに、本発明に基づく2〜5回の電圧走査によって、表面の最大占有を得るに十分であることを観測した。この最大占有状況は、『阻止』状況と称される。表面上でモノマーが電気懸架されることによって開始されたチェインの成長は、純粋的な化学的重合によって行われる。言い換えれば、懸架を引き起こす導電性表面のバイアスとは無関係に行われる。占有が最大であることにより、ポリマーチェインは、支持体上において稠密に懸架される。なぜなら、ポリマーチェインは、表面上においてほぼ直立しており、『ブラシ』を形成しているからである。その結果、フィルム厚さは、引き伸ばしたチェインの長さと同等であり、自己制御的であって、一様である。
したがって、分子スケールといったような厚さでさえ一様な厚さの有機的なポリマーフィルムを作製したのは、本発明者らが、最初であろう。
明らかなように、最大の表面占有を得るための電圧走査の回数は、操作条件や、表面のタイプや、電気懸架される有機物ポリマーフィルムのタイプ、に依存する。例えば、電圧走査回数は、N回とすることができ、Nは、1≦N≦15とすることができる。この例は、本発明を何ら制限するものではなく、一般的には、前駆体モノマーによって準最大または最大の占有率をが得られれば、十分である。
明らかなように、本発明においては、走査回数の関数として電気懸架される前駆体の量を示すグラフは、好ましくは、本発明によるプロセスを使用した電気懸架の場合に使用されるのと同様の物理化学的動作条件下において、決定される。
例示するならば、本発明による特別の実施形態においては、本発明の方法に基づいてポリマーフィルムを電気懸架するのに必要とされるモノマーおよび溶媒は、グラフによってVblocを決定するために使用されたものと、同じである。この場合、Vblocの決定は、本発明による方法に基づく電気的に開始される懸架のために使用されるのと同じ物理化学的操作条件下において、走査回数の関数として有機物ポリマーフィルムの厚さを与えるグラフを描くことによって行われる。
本発明においては、電圧の走査は、連続的なものともまた不連続的なものともすることができ、また、正弦的なものまたはセグメント的なものとすることができる。例えば、走査は、ボルタメトリック条件下においてまたは複数のセグメントによるバイアスによって行うことができる。複数のセグメントによるバイアスにより、少ない回数の走査を使用してボルタメトリック条件下で同様の結果が得られることが一般的に観測されているにしても、バイアス時間と待機時間との間の関係を補助的に調節することができる。
本発明による方法により、また、表面が単純であるかあるいは複雑であるかにかかわらず、本発明による方法に基づき表面のすべての場所で電圧走査を適用することによって、例えば有機物ポリマーフィルムの前駆体モノマーといったような前駆体によって、表面の最大占有比率を得ることができる。
よって、本発明の意味合いにおいて表面が単純であるかあるいは複雑であるかにかかわらず、本発明による方法を適用することによって、表面のある場所と他の場所との間の効果を均一化することにより、表面抵抗が不均一であることに基づく電圧降下の影響に関連した従来技術による問題点を解決したのは、本発明者らが、最初である。
本発明による方法は、特に以下のような表面に関して、非常に興味深い応用を見出すことができる。
肌めが完全に制御されているものの、複数の半導体材料から構成されているとともに、表面の大部分が、既に凹凸加工されているあるいはパターン加工されているような表面。これは、例えば、マイクロエレクトロニクスにおいて、銅による相互連結のためのコーティングが形成されているシリコンウェハの場合である。この応用においては、小さな誘電的透過率(『小さな誘電率k』)、かつ、一般的には500nm以下といったような薄い厚さを有した成膜体を形成することが必要である。厚さの制御は、200〜300mmという直径を有したディスク上において、数十分の1の程度でもってすなわち数十mmという程度で行われる。任意の電気化学的成膜により、電気コンタクトが形成される。多くの場合、この電気コンタクトは、ウェハの周縁部で行なわ、周縁電気コンタクトとウェハ中心部との間には、抵抗性電圧降下が存在する。本発明による方法によれば、また、このような表面上において1μm以下という厚さでもってさえ、一様な厚さの有機物フィルムを得ることができる。
ドーピングされた半導体材料からなる表面は、ドーピングの不均一性を有する可能性がある。このため、コンタクトのところと、表面上の様々な箇所と、の間において様々な抵抗性電圧降下が発生する。これは、例えば、複数のドーピング領域を有するとともに、周縁部(コロナ)からあるいは裏面から電流の供給が行われるウェハの場合である。裏面からの電流供給とは、言い換えれば、ウェハの裏面の全体に対してまたは一部に対して、コンタクトが形成されている場合である。本発明による方法によれば、また、このタイプの表面上においても、1μm以下という厚さでさえ、一様な厚さの有機物フィルムを得ることができる。ドーピングされた半導体材料からなる表面は、ドーピングの不均一性を有する可能性がある。このため、コンタクトのところと、表面上の様々な箇所と、の間において様々な抵抗性電圧降下が発生する。これは、例えば、複数のドーピング領域を有するとともに、周縁部(コロナ)からあるいは裏面から電流の供給が行われるウェハの場合である。裏面からの電流供給とは、言い換えれば、ウェハの裏面の全体に対してまたは一部に対して、コンタクトが形成されている場合である。本発明による方法によれば、また、このタイプの表面上においても、1μm以下という厚さでさえ、一様な厚さの有機物フィルムを得ることができる。導体または半導体の表面には、エッチングを施すことができる。このような表面に関し、従来技術による電解手段によって成膜を行おうとした場合、言い換えれば、そのような表面上にわたって電気的に継続する反応によって成膜を行おうとした場合、対向電極は、一般に、平面状表面とされ、表面と同じ複雑な構造を有していない。よって、対象物の表面が、対向電極に対向して配置されたときには、対象物と対向電極との間の距離が、場所ごとに相違し、場所ごとに電圧降下の大きさが相違する。なぜなら、2つの電極間における電解溶液の量が同じではないからであり、場所ごとに電圧値が相違することとなる。この結果、数百nmという幅広いエッチングが施されたウェハの場合には、エッチングのトポロジーにできるだけ適合した有機物コーティング付与する必要がある。従来技術においては、例えば金属成膜体に関しては、イオン強度を強くした溶液を使用することによって、抵抗性電圧降下を最小化することが試みられた。しかしながら、
この手法では、マイクロエレクトロニクス的スケールでは、部分的にしか対応することができず、一般に、被処理表面上に到着する電流を完璧に一様化するためには、対向電極のトポロジーを複雑化させる必要があった。本発明による方法によれば、従来技術のこのような欠点を克服することができ、このタイプの表面においても、1μm以下という厚さでさえ、一様な厚さの有機物フィルムを得ることができる。
導体表面または半導体表面のエッチングにより、局所的な凹凸形状が形成される。これら領域は、『尖端効果』の原因となり、電界が集中し、このため、見かけの抵抗性電圧降下が局所的に大きく変動する原因となる。一般に、この変動は、局所的な電流増加の原因となり、成膜される材料の量を局所的に増大させる(突出させる)効果を有している。これにより、厚さの均一性によるコーティングの適合性が損なわれる。本発明によれば、また、このタイプの表面においても、1μm以下という厚さでさえ、一様な厚さの有機物フィルムを得ることができる。
本発明は、例えば、表面上における任意の有機的機能付加方法に応用することができる。すなわち、基板または支持体の表面上に有機物フィルムを設けるという任意の方法に応用することができる。
本発明は、例えば、検出器やマイクロマシン等のマイクロシステムの分野に応用することができる。この分野においては、特にコスト的な理由で、プリント基板が元々ウェハタイプの支持体である場合、コーティング(チップスケールパッケージ)等のためのリソグラフィーのための有機物層を成膜することによって、プリント基板を大量生産的に機能付加する必要がある。また、この分野においては、表面にさらに他の有機的機能付加を行う必要がある。例えば、ポリマーフリップチップや電気絶縁や生物学的分子付着防止のための接着剤を設ける必要がある。
本発明は、また、マイクロシステムにおける絶縁層やバリア層の形成に対して応用することができ、マイクロエレクトロニクスにおいても、同様にして、応用することができる。
本発明の様々な応用において成膜されるべき有機質層の厚さは、数百nmの程度とすることができ、全体的寸法200〜300mmであるような波状表面に対しては、数μm〜数十μmの程度とすることができる。
本発明は、また、例えば、バイオチップの製造に応用することができる。バイオチップにおいては、従来技術による方法では、例えばバイオ分子といったような分子に対して大量にアドレッシングを行っていた。実際、例えば、突出型の(フリップチップ)センサ支持体(ウェハ)上においては、例えば金スポットといったような個別的構成部材を、同じ厚さの有機物コーティングでもって被覆する必要がある。それは、沈降を起こすことなく第2構成部材を組み付けることを可能とするためである。本発明による方法においては、そのような有機的なコーティングを形成する有機物ポリマーフィルムを形成することができるとともに、沈降を起こすことなく第2構成部材を組み付けることを可能とすることができる。
本発明は、また、ウェハの全体を被覆する単一領域にまで表面粗さが低減されているような、マイクロエレクトロニクスにおいて応用することができる。この場合、厚さは、100nm以下の程度とすることができ、直径が200〜300mmという対象物のスケールに対して数%でもって制御しなければならない。本発明による方法は、そのような制御を可能とする。
本発明は、また、光学の分野に多様に応用することができる。この分野においては、成膜体の一様さが、巨視的対象物の性能に対して直接的に関連している。当業者であれば、蛍光の検出のためのバイオチップという分野においては、より一般的には、光学的検出(合計周波数の形成、第2高調波の形成、等)による蛍光検出のためのバイオチップという分野においては、ラベル付きオリゴヌクレオチドシーケンスを捕獲し得るよう主に機能する有機物コーティングの厚さが、ハイブリッド化の診断を特徴づける蛍光信号の消滅において、重要であることは、周知である。このコーティングの性質にかかわらず、物理学的現象は、信号雑音比を最適化し得るよう、10〜20%という精度で、数十nmの程度の厚さを要求する。例えば、60nm(10nmは、Cy3タイプの蛍光物質)という厚さを要求したり、80nm(10nmは、CY5タイプの蛍光物質ラベル)という厚さを要求したり、する。同じ研究により、オリゴヌクレオチドの固定用のコーティングの厚さが100nmに近づくと、蛍光信号がほぼすべて消滅することをを示した。バイオチップ支持物の小型化は、現在開発中であるものの、これら支持物は、未だ、数十μmや数百μmよりも大きいような特徴的寸法を有している。本発明によれば、光学のこのような分野において要求されるフィルム厚さを得ることができる。よって、小型化されたバイオチップの新たな世代に関する性能を最適化することができる。
同じ特徴点は、明らかに、オプトエレクトロニクスや光起電力といった分野において、より一般的には、光学の分野において、同じ制限となる。本発明は、また、このタイプの制限に対しても、適応することができる。
加えて、本発明は、ファッションアクセサリーの光学的仕上げに応用することができる。この場合には、表面の外観は、対象物の形状というよりも、可視波長の程度の厚さが関連している。
本発明の他の特徴点や利点は、添付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではなく単なる例示としての好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
本発明による方法においては、電気的に開始される重合反応によって有機物フィルムを懸架および成長させる。このような反応は、電気化学的反応であって、形成物の少なくとも1つが、表面上への物理的吸収または化学的吸収によって、吸収される。この形成物自体が、電荷の移動に関連した化学反応に関与することができ、特に、電気的に開始される表面上における有機物フィルムの成長を誘起する化学反応に関与することができる。
この化学反応の特別性は、その動力学および/または熱力学が、電気的な開始を行う電流に関係していないことである。このような反応は、化学反応であって自律的なものである。言い換えれば、電気化学的な反応ではなく、進行または中断に関するパラメータは、例えば、電気的に活性化された種の集中に関連することができ、また、温度に関連することができ、また、溶媒の性質に関連することができ、さらには、溶液内の特定の添加剤の存在に関連することができる。しかしながら、そのような反応においては、電流は、最後的に得られるコーティングすなわち有機物フィルムの厚さに対して直接的には関連しないパラメータのままである。
図1aおよび図1bは、有機ポリマーのモノマー前駆体がアクリロニトリルである場合に関し、本発明による方法の例示としての一実施形態において使用される電気化学的反応メカニズムを示している。電気懸架は、カソード極性の下で行われ、懸架されたチェインの成長は、アニオン重合によって行われる。
測定される電流は、図1aにおける電子移動によって表面(S)上へのアニオンラジカル吸着の発生に対応する。この反応機構が示すように、このようにして形成されたアニオンラジカルの一部しか、重合反応の開始剤となり得るような十分な寿命を有していない。アニオンラジカルの残部は、吸収されて、溶液内でポリマーを生成する。これにより、金属サイトを解放し、これら金属サイト上において、他のモノマーを吸収することができ、それらを還元することができる(図1b)。
このことは、ボルタメトリック電流と、本発明による方法において得られる懸架と、の間において、直接的な相関関係が存在していないことを意味している。
一般に、ボルタメトリック電流は、各走査ごとに減少する。この減少は、懸架されたポリマーチェインによる表面(S)の金属サイトの漸次的占有の増大化に対応する。この電流は、十分な数の走査回数の終了後にその電流自体がなくなることによって終了する。その時点では、初期表面におけるサイトの占有比率が、新たなチェインの成長のために利用可能なスペースがもはやなくなってしまうような、ものとなっている。この場合、通常は非常に弱いものであるにしても存在する可能性のあるすべての残留電流は、反応図の図1bに示すステップに対して、すなわち、成熟状態に到達している限りにおいては懸架に対して、大いに関連する。すなわち、単位表面積あたりにおけるチェインを形成し得る最大比率に関連する。
ここで、成長している懸架ポリマーチェインに関して起こっていることを検証することは、重要である。すなわち、反応図の図1aのステップにおいては、チェインの成長が、すべての点において、電気的に開始されるかどうかは別として、任意のアニオン的重合の中で進展するものと同一であることがわかる。
この成長は、本質的に、モノマー濃度によって案内され、また、重合禁止剤の濃度によって案内される。電気懸架により得られたチェイン長さが短いことは、隣接している成長先端部どうしの間にある種の障害があることを示唆し、また、伝搬の動力学が、おそらく、溶液内での開始に基づいて観測し得るものよりも少ないことを示唆する。いずれにせよ、懸架されたポリマーチェインの成長に関連する詳細なメカニズムが完全に解明されていなくても、電気懸架されたチェインの長さが、電気懸架ステップに関連していないことは概略的に理解される。すなわち、チェインの開始時に形成される各懸架モノマーは、1つだけの電子を消費し、電気化学的プロトコルは、もはや、伝搬反応を制御することができない。本発明による方法の本質的な結果は、多少でもサイトの占有比率を増大させることにより、十分な精度でもって厚さを制御し得ることである。すなわち、チェインが支持体上に『薄く』懸架された場合に、それらチェインは、表面上に延在する傾向を有しており、得られたフィルムの測定厚さは、薄いものであり、少なくとも分子レベルではおそらく均質なものではない。
ポリマーチェインが支持体上において厚く懸架された場合には、言い換えれば、本発明による方法に基づく電圧走査条件下で懸架された場合には、それらチェインは、表面上においてほぼ起立しており、『ブラシ』を形成し、フィルムの厚さは、チェインを引き伸ばした長さに近いものとなる。
よって、与えられた組成の電解溶液に関しては、表面における被覆比率を大きくすることが、本発明による方法によって得られる厚さを調節し、チェイン自体の成長は調節しない。さて、上述したように、被覆比率は、限界値まで徐々に増加させることができる。限界値においては、チェインの成長が、表面上への過度の導入によって、防止される。この被覆比率が厚さを決定することにより、本発明による方法に基づく電気懸架コーティングの厚さは、いわば、『自律的』なものとなる。
本発明による方法においては、有機的なポリマーのモノマー前駆体を使用する。活性化されたときには、すなわち、還元または酸化を受けたときには、このモノマーは、化学反応の源となり、分子あるいは巨大分子を生成し、分子あるいは巨大分子自体は、プロセス全体を阻止するところにまで、その種の形成を低減させる。プロセスが阻止されると、電気活性モノマーは、還元または酸化を受け続けることができる。しかしながら、電荷の搬送に関連した化学反応は、可溶性の種の形成に制限される、あるいは、もはや、支持体の表面に固定された前駆体モノマーからなる第1分子層の修正を誘起することがない。このため、例えば厚さといったような、フィルムまたはコーティングの特性は、安定化する。このメカニズムは、おそらく、本発明による方法を使用する際に観測されるフィルムの厚さの自律性(自己制御性)の起源である。
実用的には、表面の被覆比率の最大値が得られる操作条件を検証する必要がある。すなわち、上述した阻止および自律が行われる操作条件を検証する必要がある。また、電圧降下という観点でのある種の許容誤差を検証する必要がある。言い換えれば、電圧範囲を検証する必要がある。
電圧(Bbloc)の決定は、すなわち、本発明による方法に基づく有機ポリマーフィルムの懸架および成長に関してボルタメトリック条件下での停止電圧として使用されるあるいは複数のセグメントの分極におけるプラトー電圧として使用される最低電圧値をなす電圧(Bbloc)の決定は、電気懸架される有機ポリマーフィルムの厚さを走査回数の関数として示すグラフを描くことにより、行われる。
添付の図5は、そのようなグラフの一例を示している。この図においては、Tr(%)は、電気懸架されたフィルムのCNニトリルバンドの振動に基づく吸収波長における透過率(赤外反射分光法(infrared reflection spectroscopy)すなわちIRRASによって測定された)を示しており、また、Nは、走査回数を示している。図4のグラフは、この透過率(%)が、側面計測法によって独立に測定された電気懸架フィルムの厚さに対して、関連性を有していることを示している。
この図においては、Vblocは、走査回数の関数として電気懸架フィルム厚さを示す複数の曲線がすべて重なり始めるような電圧値である。
モノマー前駆体がメタクリロニトリルとされているようなこの例においては、Vblocは、−2.3〜−2.5V/(Ag /Ag)であり、好ましくは約−2.4V/(Ag /Ag)である。
本発明による電気懸架は、添付の図2に示すような、電気懸架反応に関する典型的なボルタモグラムによって記録することができる。この図は、表面に対して印加された電圧(−E)の関数として、電流(単位:mA)を示している。この電圧は、銀参照電極に対する値として表されている。横軸は、電圧の走査を示している。Vは、走査時における電圧値を表わしている。
このボルタモグラムは、以下のような様々な臨界電圧値によって特徴づけられる。
・“V ”を、電流がほとんど流れていない範囲に関するしきい値とした場合に、V<V に関しては、システムは、電気的交換という観点からは、準静的なものであって、表面は、不変のままである。
・“V ”を、モノマー前駆体が表面上に懸架され始める電圧とした場合に、V <V<V に関しては、電流は、添付の図1bのメカニズムに本質的に基づくものであって、電気的に懸架されるフィルムは、観測されない。
・“Vbloc”を、阻止電圧とした場合に、V <V<Vblocに関しては、電流の一部は、電気懸架フィルムに関するものであり、電流の他の一部は、溶液内でのポリマー形成に使用される。これは、図1aの図に関連する。阻止電圧は、正確に決定するには繊細なものである。しかしながら、阻止電圧は、ピーク電圧(V )よりも大きいものと考えることができる。懸架が起こるのは、したがって、表面の被覆比率の増加が起こるのは、電圧が、この範囲に位置しているときである。例えば、初期電圧(V )と停止電圧(Vfin )との間において、ボルタメトリック走査を行うことができる。繰返し走査によって、本発明による阻止状態に到達し得るのは、Vfin >Vblocである場合である。本発明の他の実施形態においては、同じ結果は、電圧の様々な領域において得ることができる。
・V>Vblocにおいては、電流は、拡散、あるいは、溶液内での重合反応、のいずれかによって、制限される。一般に、この電圧範囲においては、得られたフィルムの厚さは、最小走査回数を超えた場合には、もはや敏感には変更されない。それは、懸架反応の阻止状態が既に起こっているためである。
図5においては、様々な停止電圧(Vfin )に関して、電気懸架フィルムの厚さが、走査回数の関数として示されている。つまり、様々な曲線は、走査回数の関数として厚さを与えるものであって、漸近線となっている。これにより、1つの合成パラメータとして与えられた停止電圧(Vfin )を使用することによって、得られる厚さの限界値を評価することができる。
図6は、図5のデータに基づき、ボルタメトリック走査の停止電圧(Vfin )の関数として、厚さの限界値に対応するようなニトリルを標識とした透過率(%)を示している。カソード電圧(Vbloc)が存在し、このカソード電圧(Vbloc)を超えると、電気懸架フィルムの厚さが、使用された停止電圧(Vfin )に無関係となることが観測される。この観測により、阻止電圧(Vbloc)を決定することができる。
よって、本発明においては、懸架を行うべき表面上にわたって停止電圧(Vfin )を阻止電圧(Vbloc)よりも大きなものとなるようにして、『フラット』な停止電圧(Vfin )を使用したボルタメトリック走査を連続的に行うことにより、例えば寄生的電圧降下の影響があったとしてもまた表面が複雑な形状をしていたとしても、懸架された有機物フィルムの品質に影響を与えることはない。特に、表面に関して、懸架された有機物フィルムの品質に影響を与えることはない。
よって、本発明に基づき、例えば、テトラエチルアンモニウムパークロレート(TEAP)を10−2mol/lだけ存在させたジメチルフォルムアミド(DMF)中での5mol/lというメタクリロニトリル溶液を使用して、金の表面上において、初期電圧を−0.7V/(Ag /Ag)とし、走査速度を100mV/sとして、ボルタメトリック走査によって電気懸架を行った場合には、V は、−1.6V/(Ag /Ag)であり、V は、−2.25V/(Ag /Ag)であり、V は、−2.2V/(Ag /Ag)であり、Vblocは、−2.3V/(Ag /Ag)である。観測される電流は、ミリアンペアの程度である。
その結果、本発明による方法においては、フィルム厚さを一様なものとするためには、各電圧走査の際の最大電圧が、最小でも、ポリマーフィルムが懸架される表面上のすべての場所で達成されなければならない。
金製の第1表面と金製の第2表面とが、100kΩという電気抵抗を介して互いに直列に接続されていると仮定する。一方の表面は、定電圧源に対して接続されている。本発明の一例として、複雑な表面とする。ミリアンペアという程度の電流については、2つの金表面の間の電圧降下は、100mVの程度である。ここで、例えば、第1表面が定電圧源に対して接続されているとして、第1表面に対するバイアス電圧が、ボルタメトリック条件下において、−2.35V/(Ag /Ag)である場合には、第1表面に対して接続された第2表面に関しては、約−2.25、V/(Ag /Ag)という電圧しか印加されない。すなわち、懸架電圧(V )に非常に近いような電圧しか得られない。数回の走査の後においてさえ、本発明者らは、定電圧源に対して直接的に接続された第1表面上における方が、第2表面上と比較して、電気懸架フィルムが厚いことを観測した。
定電圧源に対して接続された第1表面に対するバイアス電圧が、ボルタメトリック条件下において、−2.6V/(Ag /Ag)である場合には、走査の停止電圧(Vfin )が、Vfin =−2.6V/(Ag /Ag)となり、第2表面に対するバイアス電圧が、−2.5V/(Ag /Ag)となって、阻止電圧よりも大きなものとなる。すなわち、各走査の最大電圧が、この複雑な表面上のすべての場所において、阻止電圧(Vbloc)よりも大きくなる。十分な回数のボルタメトリック走査を行った後には、2つの表面上において、互いに同じ厚さの電気懸架フィルムが得られる。10回という走査に関しては、得られたフィルムは、すべての表面上にわたって、約90nmという一様な厚さであった。
の値とVblocの値とは、一般に、高精度で示すことが困難である。実際、V とは、電気懸架フィルムを形成し始め得る値である。この評価は、検出を行うのに使用する表面分析手段によっても、変わり得るものである。それは、赤外反射吸収分光装置の感度が、例えば、光電子X線分光装置の感度とは、同じでないからである。
以下のいくつかの実験例において示されるように、誤差レベルは、例えば側面計測法や偏光解析法といったような、使用される手段に基づく厚さに関連している。『厚さの一様性』という概念に関する許容誤差と組み合わせて、飽和電圧(Vbloc)の値に対しては、ある程度の不正確さが存在することができる。この不正確さが、操作に固有のものではないこと、および、制御の繊細さに関しての操作者の裁量に関連すること、に注意されたい。
当業者であれば、表面全体にわたって一様な厚さのフィルムを得るに際して、本明細書中において開示された指示に従って、本発明によるプロセスを容易に修正することができる。
本発明者らは、また、本発明による方法に基づく電気的に開始される反応が、電圧トリガーのしきい値が不正確さを有している反応であることを、示した。このような不正確さもこの観測の中においては考慮されており、これにより、互いに離間した2つの領域に関し、これら2つの領域を直列的に接続するインピーダンスを注意深く選択することにより、それら領域上において、互いに異なる厚さの有機物成膜体を、同時に得ることができる。例えば、同じ単一のウェハ上に、100kΩの電気抵抗を介して、2つの金製スポットを形成することができる。上述したボルタメトリック条件のもとで、停止電圧をVfin =−2.30V/(Ag /Ag)とすることにより、定電圧源に対して接続された表面の電圧は、−2.30V/(Ag /Ag)と『なるであろう』。これに対し、そのような表面に対して接続された他の表面は、−2.20V/(Ag /Ag)という電圧までにしか到達しない。すなわち、図5によれば、定電圧源に対して接続された表面上においては、1.5%という透過率をもたらすようなフィルムを形成し、一方、電気抵抗を介してその表面に対して接続された他の表面上においては、0.9%という透過率に対応した厚さのフィルムが形成されることとなる。
これに対し、互いに異なる2つの場所において2つの厚さを得ようとした場合には、停止電圧は、2つの厚さのうちの大きな方が得られるものとして選択され(図5)、また、図5のデータにより、成膜したい第2厚さが『現れることとなる』領域をもたらす電圧を決定することができる。電気懸架反応に関連する電流が既知であれば、表面上において互いに異なる厚さが要望されている2つの領域の間に介装すべきインピーダンスを、決定することができる。
添付図面において、『S』は、表面を示しており、『V 』は、ピーク電圧を示しており、『V 』は、表面上において電気懸架が現れ始めるしきい値電圧を示しており、『V 』は、表面上に電流が流れ始めるしきい値電圧を示しており、『V 』は、走査開始電圧を示しており、『B』は、電圧の走査を示しており、『V 』は、Vblocと同義であって、阻止電圧を示しており、『V 』は、最終的な阻止電圧を示しており、『Vfin 』は、電圧による表面走査に関しての走査停止電圧を示しており、『C』は、mAという単位でもって電流を示しており、『I』は、μAという単位でもって電流強度を示しており、『e』は、nmという単位でもって厚さを示しており、『Tr』は、%という単位でもって透過率を示しており、『N』は、サイクル回数すなわち電圧走査回数を示しており、『NO』は、cm−1という単位でもって波数を示している。
[実験例]
[実験例1]金上におけるメタクリロニトリルの電気懸架に関しての臨界電圧値の決定
クロム製下層上に金が蒸着によってコーティングされた、例えば顕微鏡用スライドといったような、ガラスプレートを、動作電極として使用した。標準的な3電極型構成を使用し、参照電極としては、銀を使用した。
3つの電極を、テトラエチルアンモニウムパークロレート(TEAP)を10−2mol/lだけ存在させたジメチルフォルムアミド(DMF)中での2.5mol/lというメタクリロニトリル溶液の中に、含浸させた。定電圧源を使用して、V =−0.6V/(Ag /Ag)という電圧と停止電圧(Vfin )との間にわたる電圧走査を、100mV/sという走査速度でもって、動作電極に対して印加した。
添付の図3は、システムの動作時において、第1回目の掃引(1B)と第10回目の掃引(10B)とに関するボルタモグラムを示している。
動作電極として使用された各プレートは、与えられた停止電圧な(Vfin )に関し、電圧(V )と電圧(Vfin )との間にわたっての電圧掃引を所定回数にわたって受けた。プレートを取り外して、DMFの中で濯いだ後に、乾燥させた。得られた電気懸架フィルムの厚さを、添付の図4に示されたスケールを使用して、赤外反射スペクトル(IRRAS)によって測定した。
同じ操作を、停止電圧(Vfin )を、それぞれ、−2.10,−2.15,−2.20,−2.25,−2.30,−2.35,および,−2.40V/(Ag /Ag)として、複数のプレートに関して行った。
様々な停止電圧すなわち様々な走査最大電圧に関しての所定回数にわたっての走査の関数として、様々なプレート上において得られたフィルムの厚さを与える複数の曲線が、添付の図5に与えられている。
様々な曲線が、Vfin =−2.30V/(Ag /Ag)に一致することが観測された。この電圧値は、厚さ測定の結果によれば(図6参照)、飽和電圧すなわち阻止電圧に対応している。この電圧値は、この有機物ポリマーフィルムに関しては、本発明の見地におけるVblocに対応する。
また、停止電圧が飽和停止よりも大きい場合には、厚さの再現性が非常に良好であることが観測された。この例においては、厚さの変動が、5〜10nmの程度と非常に良好であった。
この実験例は、各走査における最大電圧として、添付の図5のグラフ上で決定された電圧値(Vbloc)を使用することにより、本発明による方法によって、均一なフィルム厚さを得ることができることを示している。
[実験例2]ゼロインピーダンスおよび非ゼロインピーダンスのそれぞれを介した場合に、2つの端子上において得られた同様の厚さの電気懸架フィルム
この実験例の目的は、定電圧源と、電気懸架が起こる導体表面と、の間に電圧降下の存在した場合であっても、電気懸架フィルムの厚さの制御が可能であることを実証することである。
この実験例を示すために選択された表面は、SOI(SiO )基板上にシリコンをエピタキシャル成長させさらにその後n型ドーピングを行い、さらに、このプレートの半分に関しては、数nm厚さのチタン/ニッケル付着性下層を成膜しさらにこの下層上に金を真空蒸着してなる、複合プレートである。
得られた試料は、添付の図6において概略的に示されている。試料は、本発明の意味合いにおいて、複雑な表面を有している。
これら試料を、3電極型電解セル内において、動作電極として使用した。
合成は、以下のプロトコルに従って行った。
−溶液:テトラエチルアンモニウムパークロレート(TEAP)を5×10−2mol/lだけ存在させたジメチルフォルムアミド(DMF)中でのメタクリロニトリル溶液(40%)。
−セル:テフロン(登録商標)製。仕切壁なし。容量は、13ml。
−対向電極:10.4cm のPtシート。
−参照電極:Ag/AgClO
−動作電極の表面積:6.6cm
−電気化学的操作:Nサイクル。ボルタメトリック条件は、100mV/sという走査速度で、かつ、Von=−0.6V/(Ag /Ag)〜Vfin (変数)。プレート全体を、合成媒体内へと含浸させた。電気コンタクト(わに口クリップ)は、金上またはシリコン上に設置される。
−電極の濯ぎ:アセトン中での15分間の超音波洗浄+水中での15分間の超音波洗浄。
追加的な試験を行った。
(i)動作電極の電気コンタクトを、金端子上に設置した。プレートは、停止電圧を−2.4V/(Ag /Ag)としたボルタメトリック走査によって処理した。
(ii)動作電極の電気コンタクトを、シリコン端子上に設置した。プレートは、停止電圧を−2.4V/(Ag /Ag)としたボルタメトリック走査によって処理した。
(iii)動作電極の電気コンタクトを、シリコン端子上に設置した。プレートは、停止電圧を−2.6V/(Ag /Ag)としたボルタメトリック走査によって処理した。
金上で得られたポリメタクリロニトリルコーティングの厚さ(mm)を、IRRASによって得られた2200cm−1におけるPMANのニトリル基バンドの透過率(単位:%)の関数として、側面計測法によって測定した。結果は、添付の図4に示されている。
以下の表1は、操作条件と、電気コンタクト(わに口クリップ)が金端子上である場合(i)とシリコン端子上である場合(ii,iii)とについて、図6に示されたタイプの試料に関し、金端子上で得られたポリアクリロニトリルコーティングの厚さと、を要約している。
Figure 0004616001
選択された操作条件においては、阻止電圧(Vbloc)は、実験例1の場合と実質的に同じであった。
実験(i,ii)における条件は、停止電圧が阻止電圧と同様であるという点においては同様であるものの、実験(ii)においては、定電圧源と金端子と間に電圧降下が存在する。その結果、金端子に対して実際に『印加される』電圧は、阻止電圧よりも小さい。よって、実験(i)の場合に得られる厚さと比較して、ポリメタクリロニトリルの厚さが実質的に小さくなっている。
実験(iii)においては、実験(ii)が再現されている。しかしながら、この場合には、カソード停止電圧が、阻止電圧よりも大きい。そのため、金端子上において、実験(i)の場合に得られた厚さと同等の厚さが得られることが観測された。
したがって、シリコン端子によって引き起こされた電圧降下は、測定されていないものの、約200mVであったものと推定することができる。
この結果は、実際に、動作電極に対する電圧値によって、十分な数のボルタメトリック走査が行われた場合には、電気懸架フィルムの厚さを制御し得ることを、示している。
加えて、得られるフィルムは、本発明においては、表面上のすべてのポイントにおいてVblocよりも大きければ、すなわち、上記のような(電気抵抗による)電圧降下を考慮すれば、実験(ii)において電気コンタクトの電圧が絶対値で Vbloc+200mV 以上であれば、一様な厚さが得られる。実際、金端子上の電圧は、Vbloc以上であって、本発明の意味合いでのこの複雑な表面上において、一様なフィルム厚さが確保される。
[実験例3]金上における4−ビニルピリジンの電気懸架に関してのVbloc電圧値の決定
実験例1の場合と同様に、金によってコーティングされたガラスプレートを、動作電極として使用した。
標準的な3電極型構成を使用し、参照電極としては、銀を使用した。3つの電極を、テトラメチルアンモニウムパークロレート(TMAP)を5×10−2mol/lだけ存在させた市販のジメチルフォルムアミド(DMF)中での4−ビニルピリジンの30%濃度溶液の中に、含浸させた。
定電圧源を使用して、初期電圧(V )と停止電圧(Vfin )との間にわたる電圧走査を、100mV/sという走査速度でもって、20サイクルにわたって、動作電極に対して印加した。サイクル数は、本発明者らにより、このモノマーに関しておよびこれら操作条件下において、ボルタメトリック条件下でのサイクル数の関数として厚さを与える曲線の漸近線が得られるような最少数に対応するものとして、選択された。
−2.4,−2.5,−2.6,および,−2.7V/(Ag /Ag)という4つの停止電圧(Vfin )について、検証した。この場合の操作条件下においては、ピーク電圧は、−2.4V/(Ag /Ag)であった。
各プレートを取り外して、DMFの中で濯いだ後に、窒素流中で乾燥させた。得られた電気懸架フィルムの厚さを、適切なスケールを使用して添付の図8に示すように、IRRAS赤外反射スペクトルによって測定した。これら厚さは、また、側面計測法によっても、測定された。双方の測定結果が一致することが観測された。
様々な停止電圧の関数として、様々なプレート上において得られたフィルムの厚さを示すグラフが、添付の図9に示されている。
厚さの漸近線から、Vfin =−2.60V/(Ag /Ag)であることが観測された。このVfin の値が、行われた測定に関して、金上の4ビニルピリジンの飽和電圧(Vbloc)に対応する。停止電圧が飽和停止よりも大きい場合には、厚さの再現性が非常に良好であり、厚さの変動が5〜10nmの程度であることが観測された。
[実験例4]金上におけるブチルメタクリレート(BUMA)の電気懸架に関してのVbloc電圧値の決定
実験例1の場合と同様に、金によってコーティングされたガラスプレートを、動作電極として使用した。
標準的な3電極型構成を使用し、参照電極としては、銀を使用した。3つの電極を、テトラメチルアンモニウムパークロレート(TMAP)を5×10−2mol/lだけ存在させた市販のジメチルフォルムアミド(DMF)中でのブチルメタクリレート(BuMA)の30%濃度溶液の中に、含浸させた。
定電圧源を使用して、初期電圧(V )と停止電圧(Vfin )との間にわたる電圧走査を、100mV/sという走査速度でもって、20サイクルにわたって、動作電極に対して印加した。サイクル数は、本発明者らにより、このモノマーに関しておよびこれら操作条件下において、ボルタメトリック条件下でのサイクル数の関数として厚さを与える曲線の漸近線が得られるような最少数に対応するものとして、選択された。
−2.4,−2.7,および,−2.9V/(Ag /Ag)という3つの停止電圧(Vfin )について、検証した。この場合の操作条件下においては、ピーク電圧は、−2.73V/(Ag /Ag)であった。
各プレートを取り外して、DMFの中で濯いだ後に、窒素流中で乾燥させた。得られた電気懸架フィルムの厚さを、適切なスケールを使用して添付の図10に示すように、IRRAS赤外反射スペクトルによって測定した。これら厚さは、また、側面計測法によっても、測定された。双方の測定結果が一致することが観測された。
様々な停止電圧の関数として、様々なプレート上において得られたフィルムの厚さを示すグラフが、添付の図11に示されている。
厚さの漸近線から、Vfin =−2.60V/(Ag /Ag)であることが観測された。このVfin の値が、行われた測定に関して、金上の4ビニルピリジンの飽和電圧(Vbloc)に対応する。停止電圧が飽和停止よりも大きい場合には、厚さの再現性が非常に良好であり、厚さの変動が5〜10nmの程度であることが観測された。
[実験例5]平坦化の効果および導電性ポリマーと電気懸架ポリマーとの間の相違
半導体基板上において(TiN表面上において)、ピロールの溶液内の3分の2にわたって浸漬させたTiN(ブレード)の表面をバイアスすることによって、ポリピロールの電解重合を試みた(溶液外におけるクリップの接続)。
長時間にわたってバイアス電圧を印加した後においても、ポリピロールフィルムは、メニスカス近傍においてしか、観測されなかった。長時間にわたってさらにバイアス電圧を印加しても、フィルムが、ブレードの端部に向けて『下降する』のみであり、メニスカスでの厚さ増加が主要事象であった。
適切なモノマーを使用して、本発明に基づいたプロトコルを使用して、同じ操作を行ったところ、ブレードの表面全体にわたって、一様なフィルムが得られた。
有機ポリマーのモノマー前駆体がアクリロニトリルである場合に関し、本発明による方法における電気化学的反応を示す図である。 有機ポリマーのモノマー前駆体がアクリロニトリルである場合に関し、本発明による方法における電気化学的反応を示す図である。 活性化されたビニルモノマーの電気懸架反応の際の典型的なボルタモグラムであって、電圧は、絶対値で示されており、電圧は、実際に、カソード的極性の際には負であり、アノード的分極の際には正である。 TEAPの存在下においてDMF中に2.5mol/lという濃度でメタクリロニトリルを含有した溶液に関し、100mV/sという走査速度で、第1回目の走査時におよび第10回目の走査時に、金上において得られたボルタモグラムである。 IRRASによって得られた2,200cm−1におけるポリメタクリロニトリル(PMAN)のニトリル基バンドの透過率(Tr(%))の関数として、側面計測法によって測定されたPMANの厚さを示すグラフである。 様々な停止電圧に関して、走査回数の関数として、金上におけるボルタメトリー条件によって電気懸架されたポリメタクリロニトリル(PMAN)フィルムの厚さを示すグラフである。 ボルタメトリー条件下の操作プロトコルで使用された停止電圧(Vfin )の関数として、ボルタメトリー条件下で金上に電気懸架されたポリメタクリロニトリル(PMAN)フィルムの厚さ(IRRASにおいて、ニトリル基の透過レベルによって評価された)を示すグラフであって、使用された透過率は、図5のプロトコルにおいて観測された漸近線を利用している。 使用されたブレードを示す平面図であって、SOI基板上においてエピタキシャル成長させた後にn型ドーピングした場合には、半分に関しては、チタン/ニッケル製の下層が形成され、最後に、下層上に、真空下で金が成膜されている。 様々な停止電圧(Vfin )に関し、金上における電気懸架によって得られたポリ4−ビニルピリジン(P4VP)に関してのIRRASスペクトルを示すグラフである。 平衡電圧と様々な停止電圧(Vfin )との間にわたっての20回にわたるボルタメトリー走査によって得られたP4VPフィルムに関し、側面計測法によって測定された厚さの変化を示すグラフである。 様々な停止電圧(Vfin )に関し、金上における電気懸架によって得られたポリ4−ビニルピリジン(P4VP)に関してのIRRASスペクトルを示すグラフである。 平衡電圧と様々な停止電圧(Vfin )との間にわたっての20回にわたるボルタメトリー走査によって得られたPBUMAフィルムに関し、側面計測法によって測定された厚さの変化を示すグラフである。
符号の説明
e 厚さ
N 電圧走査回数
NO 波数
Tr 透過率
bloc 阻止電圧
fin 走査停止電圧
表面上において電気懸架が現れ始めるしきい値電圧
走査開始電圧
ピーク電圧
表面上に電流が流れ始めるしきい値電圧

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの前駆体を原料として有機物フィルムによって単純な形状のまたは複雑な形状の導体表面または半導体表面をコーティングするための方法であって、
    前記有機物フィルムによる前記表面のコーティングを、前記表面上に前記少なくとも1つの前駆体を電気的に開始される懸架によって行い、
    その際、前記表面に対して少なくとも1回の電圧走査を行い、
    その電圧走査においては、前記表面のすべての場所に対して、各電圧走査に関する上限電圧を印加し、
    その上限電圧を、参照電極に対する絶対値において、所定電圧(Vbloc)以上の電圧値とし、
    前記前駆体が、得られるコーティングの厚さが前記電圧走査の走査回数の関数として漸近線をなすものであるという前提条件下において、すなわち、得られるコーティングの厚さが前記電圧走査の走査回数の関数として厚さの限界値を有するものであるという前提条件下において、前記所定電圧(V bloc )を、前記電圧走査の停止電圧の関数として前記厚さの限界値を示すグラフにおいて、前記厚さの限界値が前記停止電圧に対して無関係となり始める電圧値とすることを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記有機物フィルムを、有機物ポリマーフィルムとし、
    前記前駆体を、前記有機物ポリマーフィルムをもたらすような電気的に活性化される前駆体モノマーとすることを特徴とする方法。
  3. 請求項2記載の方法において、
    前記有機物ポリマーの前記前駆体モノマーを、ビニルモノマー、または、ビニルモノマーの混合物、とすることを特徴とする方法。
  4. 請求項2記載の方法において、
    前記有機物ポリマーの前記少なくとも1つの前駆体モノマーを、ビニルモノマーとし、
    このビニルモノマーを、アクリロニトリルと、メタクリロニトリルと、メチルメタクリレートと、エチルメタクリレートと、ブチルメタクリレートと、プロピルメタクリレートと、ヒドロキシエチルメタクリレートと、ヒドロキシプロピルメタクリレートと、グリシジルメタクリレートと、アクリルアミドと、アミノエチルメタクリルアミドと、プロピルメタクリルアミドと、ブチルメタクリルアミドと、ペンチルメタクリルアミドと、ヘキシルメタクリルアミドと、シアノアクリレートと、ジメタクリレートポリエチレングリコールと、アクリル酸と、メタクリル酸と、スチレンと、パラクロロ−スチレンと、N−ビニルピロリジンと、4−ビニルピリジンと、ビニルハライドと、塩化アクリロイルと、塩化メタクロイルと、これらの派生物と、からなるグループの中から選択されたものとすることを特徴とする方法。
  5. 請求項2記載の方法において、
    前記電気的に開始される重合を、求核攻撃または求電子攻撃によって劈開可能な環式モノマーの電気懸架とすることを特徴とする方法。
  6. 請求項2記載の方法において、
    前記電気的に開始される重合を、ジアゾニウム塩またはスルホニウム塩またはホスホニウム塩またはヨードニウム塩の電気懸架とすることを特徴とする方法。
  7. 請求項2記載の方法において、
    前記電気的に開始される重合を、フリーラジカル手段によって重合可能なモノマーの存在下において、ジアゾニウム塩またはスルホニウム塩またはホスホニウム塩またはヨードニウム塩によって開始することを特徴とする方法。
  8. 請求項7記載の方法において、
    フリーラジカル手段によって重合可能な前記モノマーを、ビニルモノマーまたは劈開可能な環式分子とすることを特徴とする方法。
  9. 請求項1記載の方法において、
    前記前駆体を、分子または巨大分子に対して結合したビニルモノマーとし、
    前記分子または巨大分子を、ポリエチレングリコールといったようなポリマーと、窒素含有塩基またはその派生物と、オリゴヌクレオチドと、ペプチドと、脂肪酸と、糖質と、多糖類またはその派生物と、セルロースまたはその派生物と、キトサンまたはその派生物と、からなるグループの中から選択されたものとすることを特徴とする方法。
  10. 請求項2記載の方法において、
    電圧走査を、N回にわたって行い、
    Nを、1≦N≦15とすることを特徴とする方法。
  11. 請求項2記載の方法において、
    電圧走査を、ボルタメトリック的に行う、あるいは、マルチスロット掃引的に行うことを特徴とする方法。
  12. 請求項2記載の方法において、
    前記前駆体モノマーを、メタクリロニトリルとし、
    前記所定電圧(Vbloc)を、−2.3〜−2.5V(Ag /Ag)とすることを特徴とする方法。
  13. コーティング膜であって、
    請求項1記載の方法によって形成されたことを特徴とするコーティング膜。
  14. 請求項1記載の方法の使用方法であって、
    表面を有機物によって機能付加するに際して使用することを特徴とする使用方法。
  15. 請求項1記載の方法の使用方法であって、
    バイオチップまたはセンサの製造に際して使用することを特徴とする使用方法。
  16. 請求項1記載の方法の使用方法であって、
    マイクロシステムにおいて絶縁層またはバリア層を形成するに際して使用することを特徴とする使用方法。
  17. 請求項1記載の方法の使用方法であって、
    マイクロエレクトロニクスにおいて絶縁層またはバリア層を形成するに際して使用することを特徴とする使用方法。
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