JP4614604B2 - 気相重合法 - Google Patents
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Description
本発明は、重合反応器にてα−オレフィンの共重合法により製造されたコポリマーのポリマー凝集を防止すると共に密度を制御する方法に関し、コモノマーとモノマーとの導入の流量比を一定に保つ。
【0002】
オレフィン類(たとえばエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンおよびオクテン)をたとえば流動床で気相にて或いは重合触媒(たとえばチーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン、クロム触媒、鉄もしくはコバルト触媒)の存在下に機械撹拌反応器にて連続的に共重合させることが周知されている。
【0003】
重合反応の制御に関し、刊行物には既に多くの方法が記載されている。メタロセン触媒の存在下に重合反応器にてα−オレフィンの共重合を行う場合、本出願人は公知方法を用いて生成コポリマーの密度を効果的に制御すると同時にポリマー凝集を防止することができなかった(下記する比較例参照)。
【0004】
予想外に本出願人は、メタロセン触媒の存在下に連続気相重合により製造されるコポリマーの密度を効果的に制御しうると共に、ポリマー凝集をコモノマーとモノマーとの導入の流量比を一定に保つことにより効果的に防止しうることを突き止めた。
【0005】
従って本発明は、2〜6個の炭素原子を有する2種のα−オレフィンをメタロセン型触媒の存在下に重合反応器にて気相で共重合させる連続法により生成されたポリマーのポリマー凝集を防止すると共に密度を制御する方法を提供し、コモノマーとモノマーとの導入の流量比を一定に保つことを特徴とする。
【0006】
この特徴は、式
(qCi/qM)=K
[式中、qCiは反応器中へのコモノマーiの導入の流量であり、qMは反応器中へのモノマーの導入の流量であり、Kは従って一定である]
により示すことができる。個々の(コ)モノマーの流量が重量流量(たとえばkg/h)で現される場合、Kは好ましくは0.005〜1である。エチレンが主たるモノマーである場合、Kは好ましくは0.005〜0.333333、より好ましくは0.01〜0.2である。
【0007】
本発明の意味で現してモノマーMはポリマーにおける最高モル濃度を有するオレフィンである。推論によりコモノマーCiはポリマーにおけるそのモル濃度がモノマーMのそれよりも小さいオレフィンである。
【0008】
本発明によれば、一定比は10%以下だけ、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下だけ標準操作条件下で変化する比である。
【0009】
本発明による連続法の主たる利点は、経時的に一定密度の性質を有するコポリマーを得るだけでなく従来よりも簡単かつ効果的に共重合を制御することを可能にする点である。本発明による連続法の予想外の第2の利点は、有害な凝集が実施例に開示されたように効果的に防止される点である。
【0010】
共重合反応器(好ましくは流動床反応器)を通過するガス反応混合物の組成は従ってたとえば2〜6個の炭素原子を有しうるたとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび4−メチル−1−ペンテンのような少なくとも2種のオレフィンで構成される。好ましくはモノマーはエチレンもしくはプロピレンであると共にコモノマーはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンもしくは4−メチル−1−ペンテンである。より好ましくはモノマーはエチレンであると共にコモノマーは1−ブテン、1−ヘキセンもしくは4−メチル−1−ペンテン、好ましくは1−ヘキセンである。さらに、ガス反応混合物はたとえば窒素のような不活性ガスおよび/またはたとえばエタン、プロパン、ブタン、ペンタンもしくはヘキサンのような飽和炭化水素および/または水素をも含むことができる。
【0011】
重合は有利にはそれ自体公知の技術により、たとえばフランス特許第2 207 145号および第2 335 526号またはヨーロッパ特許EP−0 855 411号に記載されたような装置にて流動床反応器で連続的に行われる。重合させるべきα−オレフィンを含むガス反応混合物は一般に、反応器の外部に配置された少なくとも1つの熱交換器により冷却された後、循環導管により循環される。本発明の方法は極めて大きい工業反応器に特に適する。本発明の1具体例において、使用する反応器は300kg/hより大、好ましくは10,000kg/hより大の量のコポリマーを製造することを可能にする。本発明の方法はさらに、工業ガス流動床反応器にて高い生産速度(すなわち単位時間当たり反応器空間の単位容積につき製造されるポリマーの重量に関する空時収率)につき特に適している。従って本発明の更なる具体例によれば、空時収率は25kg/m3/hより大、好ましくは50kg/m3/hより大、より好ましくは80kg/m3/hより大である。
【0012】
本願発明の1つの好適具体例によれば重合反応器にはさらに触媒を一定触媒流量にて供給し、これは重合反応の活性を一層容易に制御させる。事実、この種の条件は予想外に、工業プロセスにつき重要である一定の物理化学的特性を有するコポリマーの製造をもたらす。
【0013】
驚くことに本出願人は、気相メタロセン触媒につき開発された連続制御法が他の重合触媒および他の種類の重合プロセス(たとえば懸濁)にも拡張しうることを突き止めた。
【0014】
酸化クロムもしくはメタロセン型重合触媒を使用する場合、本出願人は更に前記共重合法が或る種の必須条件に合致すればプロセスが一層効果的であることをも突き止めた。コポリマーにおけるコモノマーとモノマーとのモル濃度の比がコモノマーとモノマーとの分圧の比よりも大である共重合の場合、効果的に本発明による密度の制御を酸化クロムもしくはメタロセン型重合触媒を用いる場合にも有利に用いうる。
【0015】
この条件は式
([Ci]/[M])>(pCi/pM)
[式中、[Ci]はポリマーにおけるコモノマーiのモル濃度であり、[M]はポリマーにおけるモノマーMのモル濃度であり、pCiはコモノマーiの分圧であり、pMはモノマーMの分圧である]
により示すことができる。
【0016】
従って同様に本発明は、酸化クロム重合触媒またはメタロセン型重合触媒の存在下に重合反応器にて2〜6個の炭素原子を有するα−オレフィンを共重合させる連続法により製造されたコポリマーのポリマー凝集を防止すると共にその密度を制御する方法をも提供し、製造されたコポリマーにおけるコモノマーとモノマーとのモル濃度の比をコモノマーとモノマーとの分圧の比よりも大にすると共に、コモノマーとモノマーとの導入の流量の比を一定に保つこと、すなわち([Ci]/[M])>(pCi/pM)および(qCi/qM)=Kにすることを特徴とする。
【0017】
本発明の1好適具体例によれば、重合反応は気相にて好ましくは流動床反応器で行われる。
【0018】
モノマーおよびコモノマーは好ましくは2〜12個の炭素原子を有するオレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび4−メチル−1−ペンテンから選択される。
【0019】
本発明の更なる具体例によれば、2〜12個の炭素原子を有するα−オレフィンをメタロセン型重合触媒の存在下に気相重合反応器にて共重合させてポリマー凝集を防止すると共にポリマー密度を制御する連続方法に際し、前記のコモノマーとモノマーとの一定流量比、すなわち(qCi/qM)=Kによる制御の使用も提供される。
【0020】
更に本発明の他の具体例によれば、酸化クロム重合触媒またはメタロセン型重合触媒の存在下に重合反応器にて2〜12個の炭素原子を有するα−オレフィンを共重合させる連続法に際し、コモノマーとモノマーとの一定流量比、すなわち(qCi/qM)=Kによる制御の使用も提供され、製造されたコポリマーにおけるコモノマーとモノマーとのモル濃度の比をコモノマーの分圧の比よりも大、すなわち([Ci]/[M]]>(pCi/pM)にしてポリマー凝集を防止すると共にポリマー密度を制御する。
【0021】
上記の制御用途に関し共重合反応器(好ましくは流動床反応器)を通過するガス反応混合物の組成は、たとえば2〜12個の炭素原子を有しうるたとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンのような少なくとも2種のオレフィンを含む。好ましくはモノマーはエチレンもしくはプロピレンであると共にコモノマーはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンもしくは1−オクテンである。より好ましくはモノマーはエチレンであると共にコモノマーは1−ブテン、1−ヘキセンもしくは4−メチル−1−ペンテン、好ましくは1−ヘキセンである。
【0022】
本発明の好適プロセスによれば、気相重合反応器におけるガス反応混合物の全圧力は一般に0.5〜5MPa、好ましくは1.5〜2.5MPaである。これは0.3MPa未満の最大変化を伴って自由に変化することができ、大抵の場合は0.1MPaの程度である。事実、安全性の理由からガス反応混合物の圧力は一般に使用する反応器に応ずる所定最大圧力を越えてはならないことが明らかである。従って(コ)モノマー流量を減少させ(好ましくは本発明により各流量の比を一定に保ちながら)および/またはガス反応混合物の圧力が最大圧力に達する場合は触媒の注入の流速を増大させることもできる。同様にガス反応混合物の圧力は、所定最小圧力よりも高く保って重合熱の最少および充分な除去を可能にせねばならないことも明らかである。流動床反応器において、この最小圧力は同様に床を形成するポリマー粒子の効果的流動化を可能にせねばならない。良好な熱交換容量を有する不活性ガスを有利に使用して、この最小圧力を達成することができる。本発明の方法によれば、α−オレフィンの分圧も自由に変化することができる。
【0023】
従って、たとえば有機金属化合物(たとえば有機アルミニウム化合物)を含む助触媒と組み合わせて少なくとも1種の遷移金属を含むチーグラー・ナッタ型触媒の触媒の存在下に共重合を行うことができる。触媒は実質的に元素周期律表第IV〜VI族の金属から選択される遷移金属の原子、たとえばチタン、バナジウム、クロム、ジルコニウムもしくはハフニウム、適宜のマグネシウム原子およびハロゲン原子を含む。触媒はたとえばシリカもしくはアルミナのような多孔質耐火性酸化物に支持することができ、或いはたとえばマグネシウムの塩化物、塩化物、ヒドロキシ塩化物もしくはアルコラートのような固体マグネシウム化合物と組み合わせることもできる。例として特許US4,260,709号、EP 0 598 094号、EP 0 099 774号およびEP 0 175 532号に記載された触媒を挙げることができる。更に本発明はシリカ支持チーグラー触媒、たとえば各特許WO 93/09147号、WO 95/13873号、WO 95/34380号およびWO 99/05187号に記載されたものについても特に適している。触媒はそのままで或いは必要に応じ被覆触媒の形態またはたとえば10〜5:3、好ましくは10〜3:10〜1ミリモルの遷移金属をポリマー1g当たりに含有するプレポリマーの形態とすることができる。これは助触媒もしくは活性化剤、たとえば元素周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物、たとえば有機アルミニウム化合物と一緒に使用することもできる。さらに元素周期律表第VIII族から選択される金属、たとえばニッケル、鉄もしくはコバルトにより錯体化された触媒を使用することもできる。例として特許出願WO 98/27124号もしくはWO 98/2638号に記載されたものを挙げることができる。さらに遷移金属として白金もしくはパラジウムに基づく触媒を使用することもできる。この種類の錯体は、たとえば特許WO 96/23010号に記載されている。
【0024】
従って共重合は酸化クロム触媒の存在下に行うこともできる。酸化クロム触媒の例は典型的には耐火性酸化物支持体を含むものであり、この支持体は有利には少なくとも250℃の温度および最高でも粒状支持体が焼結し始める温度に等しい温度にて非還元性雰囲気下、好ましくは酸化性雰囲気下で行われる熱処理により活性化される。この触媒は多数の公知方法により、特に第1段階にてたとえば一般に式CrO3の酸化クロムのようなクロム化合物または焼成により酸化クロムに変化させうるクロム化合物(たとえば硝酸クロムもしくは硫酸クロム、クロム酸アンモニウム、炭酸クロム、酢酸クロムもしくはアセチルアセトン酸クロムまたはクロム酸t−ブチル)をたとえばシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタンもしくはこれら酸化物の混合物、または燐酸アルミニウムもしくは硼素またはこれら燐酸塩と上記酸化物との任意の比率の混合物など耐火性酸化物に基づく粒状支持体と組み合わせるプロセスにより得ることができる。第2段階にて、粒状支持体と組み合わせたクロム化合物を非還元性雰囲気、好ましくは酸化性雰囲気にて少なくとも250℃かつ最高でも粒状支持体が焼結し始める温度にて熱処理するいわゆる活性化操作にかける。熱処理の温度は一般に250〜1200℃、好ましくは350〜1000℃である。この種の触媒は好ましくは0.05〜5%、より好ましくは0.1〜2重量%のクロムを含有する。さらにこれはクロムの他に0.1〜10%のチタンを酸化チタンの形態で或いは弗素および/またはアルミニウムを特に酸化アルミニウムの形態で含有することができる。これはそのまま或いは必要に応じ被覆触媒とて或いはたとえば10〜5:3、好ましくは10〜3:10〜1ミリモルのクロムをポリマー1g当たりに含有するプレポリマーとして含有することができる。酸化クロム触媒は助触媒もしくは活性化剤、たとえば元素周期律表第I〜III族の金属の有機金属化合物(たとえば有機アルミニウム化合物)と一緒に使用することもできる。触媒の例はたとえばEP275675号、EP453116号もしくはWO 99/12978号に見ることができる。
【0025】
本発明の好適具体例によれば、共重合触媒はメタロセン型触媒である。例として式
[L]mM[A]n
[式中、Lは嵩高リガンドであり、Aは離脱基であり、Mは遷移金属であり、mおよびnはリガンドの全電荷が遷移金属の電荷に対応するような数である]
に対応するものを挙げることができる。
【0026】
リガンドLおよびAは架橋することができる。Lは一般にシクロペンタジエニル型のリガンドである。
【0027】
この種類のメタロセン触媒の例は米国特許第4,530,914号、第5,124,418号、第4,808,561号、第4,897,455号、第5,278,264号、第5,278,119号、第5,304,614号、並びにEP−A−0 129 368号、EP−A−0 591 756号、EP−A−0 520 732号、EP−A−0 420 436号、WO 91/04257号、WO 92/00333号、WO 93/08221号、WO 93/08199号に記載されている。
【0028】
有利には米国特許第4,871,705号、第4,937,299号、第5,324,800号、第5,017,714号、第5,120,867号、第4,665,208号、第4,952,540号、第5,091,352号、第5,206,199号、第5,204,419号、第4,874,734号、第4,924,018号、第4,908,463号、第4,968,827号、第5,308,815号、第5,329,032号、第5,248,801号、第5,235,081号、第5,157,137号、第5,103,031号、並びにEP−A−0 561 476号、EP−B1−0 279 586号、EP−A−0 594 218号およびWO 94/10180号に記載されたようなメタロセンに基づく触媒系を使用することもできる。さらに特許WO 92/00333号、WO 94/07928号、WO 91/04257号、WO 94/03506号、米国特許第5,057,475号、第5,096,867号、第5,055,438号、第5,198,401号、第5,227,440号、第5,264,405号、EP−A−0 420 436号、米国特許第5,604,802号、第5,149,819号、第5,243,001号、第5,239,022号、第5,276,208号、第5,296,434号、第5,321,106号、第5,329,031号、第5,304,614号、WO 93/08221号、WO 93/08199号およびEP−A−0 578 838号を挙げることもできる。触媒の好適遷移金属化合物は第4群のもの、特にジルコニウム、チタンおよびハフニウムである。本発明に使用されるメタロセン触媒はさらに一般式(Cp)mMRnR′p[式中、Cpはシクロペンタジエニル型の環であり、Mは第4、5もしくは6群の遷移金属であり、RおよびR′はハロゲンおよびヒドロカルボキシルもしくはヒドロカルビル基から選択することができ、m=1−3,n=0−3、p=0−3であり、m+n+pの合計はMの酸化状態に等しく、好ましくはm=2、n=1およびp=1である]により示すこともできる。本発明に使用されるメタロセン触媒はさらに一般式
(C5R′m)pR″s(C5R′m)MeQ3−p−xもしくは
R″s(C5R′m)2MeQ′
[式中、Meは第4、5もしくは6族の遷移金属であり、少なくとも1つC5R′mは置換シクロペンタジエニルであり、同一でも異なっても良い各R′は水素、アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリールもしくはアリールアルキルであって1〜20個の炭素原子を有し、または2個の炭素原子は互いに結合して置換または未置換の4〜20個の炭素原子を有する環の1部を形成し、R″は1個もしくはそれ以上の炭素、ゲルマニウム、珪素、燐もしくは窒素原子を有し或いはその組合せを有する基であって2個の環(C5R′m)を架橋し或いは1個の環(C5R′m)をp=0、x=1である場合はMに架橋し或いは「x」は常に0であり、同一でも異なっても良い各Qはアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリールもしくはアリールアルキル基であって1〜20個の炭素原子を有し、ハロゲンもしくはアルコキシをも有し、Q′は1〜20個の炭素原子を有するアルキリデンであり、sは0もしくは1であり、さらにsが0であり、mが5であり、かつpが0、1もしくは2である場合およびsが1であり、mが4であり、かつpが1である場合である]により示すこともできる。メタロセン触媒は一般に活性化剤もしくは助触媒と共に使用される。挙げうる例はアルモキサンおよび/またはイオン性もしくは中性イオン化用活性化剤または、たとえばペンタフルオロフェニルトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラボレートまたはトリスペルフルオロフェニルの硼酸メタロイド先駆体を包含し、これは中性メタロセン化合物をイオン化させる。この種類の化合物はEP−A−0 570 982号、EP−A−0 520 732号、EP−A−0 495 375号、EP−A−0 426 637号、EP−A−0 500 944号、EP−A−0 277 003号およびEP−A−0 277 004号、並びに米国特許第5,153,157号、第5,198,401号、第5,066,741号、第5,206,197号および第5,241,025号、WO 94/07928号に記載されている。触媒組合せ物、たとえば米国特許第5,281,679号、第4,701,432号、第5,124,418号、第5,077,255号および第5,183,867号に記載されたものも使用することができる。メタロセン触媒の他の例は米国特許第5,317,036号、EP−A−0 593 083号、米国特許第4,937,217号、第4,912,075号、第4,935,397号、第4,937,301号、第4,914,253号、第5,008,228号、第5,086,025号、第5,147,949号、第4,808,561号、第4,897,455号、第4,701,432号、第5,238,892号、第5,240,894号、第5,332,706号、WO 95/10542号、WO 95/07939号、WO 94/26793号およびWO 95/12622号に記載されている。好ましくはメタロセンは(A)不活性支持体と、
(B)式
【化1】
[式中、Mは元素周期律表第4〜10族の1種の金属であり、
Cpは陰イオン性リガンド基であり、
ZはCpに結合すると共にMに結合して硼素または元素周期律表第14族の元素を含み、さらに窒素、燐、硫黄もしくは酸素をも含む二価の成分であり、
Xは60個までの原子を有する中性共役ジエンリガンド基またはジアニオン性誘導基である]
に対応する第4〜10族金属錯体と、
(C)金属錯体を活性重合触媒まで変換させうるイオン型助触媒と
で構成される。
【0029】
助触媒の例はUS5,132,380号、第5,153,157号、第5,064,802号、第5,321,106号、第5,721,185号および第5,350,723号に記載されている。さらにWO 96/28480号およびWO 98/27119号に記載された錯体も挙げることができる。
【0030】
予備重合工程に際し上記触媒から予め作成されたプレポリマーの形態で触媒を使用することもできる。予備重合は任意のプロセスにより行うことができ、たとえばバッチ式、半連続式もしくは連続式プロセスに従い液体炭化水素にて或いは気相にて予備重合させる。
【0031】
触媒もしくはプレポリマーは、反応器中へ連続的または非連続的に導入することができる。
【0032】
当業者は、各種の技術を任意に有して最終ポリマーにおけるコモノマーの濃度を決定することができる。例として、核磁気共鳴および赤外分光光度法のような方法を挙げることができる。下記する例で使用される方法は赤外分光光度法である。コモノマー含有量の測定は、200〜250μmの範囲の厚さを持った圧縮フィルムを介する伝達によって得られる赤外吸収バンドの強度を測定して得られた。
【0033】
標準化は、NMR分光光度法により特性化されたポリマーを用いて行った。ベースラインの修正に続き、コモノマー含有量を次のように各種の吸収バンドの比から得た:
1−ブテン A772/A4320
1−ヘキセン A1377/A1368
4−メチル−1−ペンテン A920/A4320
吸収率に対応させて、ycm−1のウェーブ数につき観察した。
【0034】
1−ヘキセンの測定につき、1377cm−1の吸収率は、n−ブチル分枝鎖および連鎖末端に位置するものを含め全てのメチル基の寄与を含む。従ってn−ブチル分枝鎖およびポリマーにおける1−ヘキサンの量を考慮するため修正を生データに加えた。この修正は数平均分子量(Mn)の数値に基づき、ポリマーが2個の末端メチル基を有するという事実を考慮する。
【0035】
以下、実施例により本発明を説明する。
【0036】
実施例1
直径5mおよび高さ18.5mを有する垂直シリンダよりなる慣用の流動床反応器にて各操作を行った。この反応器を予め精製して、ヨーロッパ特許出願EP−A−180 420号の例1に記載された方法に従い、用いたガス反応混合物における毒物含有量を減少させた。
【0037】
反応は先ず最初に高さ10mを有する流動床を含み、これは事前の反応から生ずると共に0.92の密度と、190℃の温度にて2.16kgの下で測定して10分間当たり2.4gのメルトインデックスMFI2.16と、3.7の分子量分布と、5ppmのチタン含有量と、9%の1−ブテン含有量とを有するポリマーで構成した。
【0038】
最初に流動床を通過するガス反応混合物は容量で60%の窒素と60%のエチレンと0.27%の1−ヘキセンと0.15%の水素とを含有する。この混合物の初期全圧力は2MPaであると共に、流速は52cm/sである。重合反応の温度は75℃である。
【0039】
特許出願GB9910370.7号(またはPCT/GB00/01611号、2000年4月26日付け出願)の実施例1に示され触媒系を用いる。
【0040】
反応が始動してから5時間後、全圧力は2MPaであり、流速はまだ52cm/sであり、流動床高さは12mである。さらに、反応温度は75℃であると共に生成ポリマーにおけるチタン含有量は3ppmである。この時点にてエチレンの導入の流量は0.5t/hであり、エチレンおよび1−ヘキセンの導入の流量を調整するシステムを調整して、これら重量流量(qC6/qC2)の比を一定にする。この場合、この比は0.1である。
【0041】
次いで毎時エチレン流量を500kg/hだけ増大させ、1−ヘキセンの流量を同時に増大させて0.1の数値に導入の流量比を維持する。並行して、触媒流量も50g/hだけ増大させる。30時間の後、最終的全圧は2.4MPaであり、反応温度は75℃であり、流速は55cm/sであり、流動床高さは19mである。16.5t/hrの速度にて、標的ポリマ粉末の特性を有するポリマーを抜き取る。この生成速度は従って一定に保たれる。品質の顕著な持続性を示す抜き取られたポリマーの生成を観察することができ、特に図1に示すように密度を観察することができる。さらに、各操作は凝集体もしくは微細粒子の形成により中断されなかった。コポリマーにおける1−ヘキセンの重量%は8%であり、コポリマーの密度は0.916であり、190℃の温度にて2.16kgの下で測定したフローインデックスMFI2.16は10分間当たり1.3gである。
【0042】
比較例
先の実施例と同一であると共に予め同様に精製されかつ同一の条件下、すなわち:
−初期床高さ10m
−事前の反応から生ずると共に0.92の密度と190℃の温度にて2.16kgの下で測定した10分間当たり2.4gのフローインデックスMFI2.16と、3.7の分子量分布と、5ppmのチタン含有量と、9%の1−ブテン含有量とを有するポリマーの床
−同一の触媒、
−同一のガス反応混合物
−2MPaの初期全圧力
−52cm/sの流動化速度
−75℃の重合温度
にて各操作を行った。
【0043】
反応の始動の5時間後、全圧力は2MPaであり、流動化速度はまだ52cm/sであり、流動床の高さは12mである。さらに、反応温度は75℃であり、生成ポリマーにおけるチタン含有量は3ppmである。この時点で、エチレンの導入の流量は0.5t/hである。次いで毎時、触媒流量を50g/hだけ増大させる。並行して、エチレン流量も500kg/hだけ増大させる。この段階にて、1−ヘキセンの導入の流量は調整しない。これに対し、コモノマーとモノマーとの分圧の比を一定に保って制御を行うことにより、同一ガス組成を維持する手法を取った。これら条件下に、第1段階にて密度が図面に示されるように標的値(0.916)よりも顕著に低いコポリマーが得られる。極めて低い密度(<0.912)の凝集体が出現する。従って10t/hrまで生産を減少させると共に1−ヘキセン流量を手動で調整して、密度を多かれ少なかれ正確な数値に維持する必要もあるが、本発明の方法により得られる密度制御の程度を達成することがない。実際に、反応器を清浄すべく停止を行わねばならなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 本発明に係る気相重合法によって生成されるポリマーの密度変化を示すグラフである。
【図1B】 本発明に係る気相重合法によって生成されるポリマーの密度変化を示すグラフである。
Claims (11)
- 2〜6個の炭素原子を有する少なくとも2種のα−オレフィンを重合触媒の存在下に重合反応器にて共重合させる連続法により生成されたポリマー凝集を防止すると共にコポリマーの密度を制御する方法において、
コモノマーとモノマーとの導入流量比を一定に保つことを特徴とする方法。 - α−オレフィンをエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび4−メチル−1−ペンテンから選択する請求項1に記載の方法。
- モノマーがエチレンもしくはプロピレンであると共にコモノマーがエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンもしくは4−メチル−1−ペンテンである請求項2に記載の方法。
- モノマーがエチレンであると共にコモノマーが1−ブテン、1−ヘキセンもしくは4−メチル−1−ペンテンである請求項3に記載の方法。
- コモノマーが1−ヘキセンである請求項4に記載の方法。
- 反応を気相重合反応器にて行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 連続気相重合反応を流動床反応器にて行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 連続重合反応を、チーグラー・ナッタ触媒もしくは酸化クロム触媒またはメタロセン型触媒からなる触媒系の存在下に行う請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 連続重合反応を、酸化クロム触媒またはメタロセン型触媒からなる触媒系の存在下に行う請求項8に記載の方法。
- 連続重合反応を、メタロセン型触媒からなる触媒系の存在下に行う請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 2〜12個の炭素原子を有するα−オレフィンを重合触媒の存在下に重合反応器にて共重合させてポリマー凝集を防止すると共にポリマー密度を制御する連続方法に際し、請求項1〜10のいずれか一項に記載のコモノマーとモノマーとの一定流量比(すなわち(qCi/qM)=K)による制御の使用。
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