JP4613414B2 - Electrical steel sheet for motor core and method for manufacturing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に機械強度が重要視されるモータ、特に電気自動車用モータの鉄心材料として好適な、高周波磁気特性および機械強度特性に優れたモータ鉄心用電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車は、「排ガスがなく環境に優しい」、「エネルギー効率が高い」、「騒音が低い」などの種々の長所を有している。最近では、都市圏の大気汚染およびCO2 増加による地球温暖化などの環境問題がクローズアップされていることもあって、電気自動車の実用化が進行しつつある。
現在、開発されている電気自動車は、エンジンを搭載せず、バッテリーのみでモータを駆動する純電気自動車と、エンジンを併用するハイブリッド電気自動車に分類される。
【0003】
電気自動車の駆動モータとして必要な性能は、高効率で高トルクであることは勿論であるが、限られた空間に設置して走行距離を延ばすために、小型かつ軽量なことが強く要求される。また、発進時、低速運転時および高速運転時における広範囲での回転数において高効率であることが望ましい。さらに、高速運転時や路面の凹凸による車両振動に耐え得る機械的信頼性も必要である。
【0004】
このようなモータに適した鉄心材料としては、低鉄損で高透磁率であることはいうまでもなく、十分な機械強度も同時に有している必要がある。また、高速時には、毎分1万回転以上となるので、商用周波数よりも高い数百Hzあるいは場合によっては1kHz 以上の高周波における鉄損が小さいことも重要である。
通常、モータの固定子と回転子は同じ鋼板から同時に打ち抜いて使用するが、回転子においては機械強度が、固定子においては鉄損が特に重要であるので、両者を具備する素材が最も望ましい。その他、モータの小型化軽量化を実現するためおよび発進時の高トルクを得るために高透磁率であることも望ましい。
【0005】
ところで、現在のモータ用鉄心材料としては、無方向性電磁鋼板が広く用いられている。この無方向性電磁鋼板では、素材中にSiやAl,Mn等を含有させ電気抵抗を増加させることによって鉄損を減少させる方法が用いられている。
しかしながら、これらの元素を添加することによって、飽和磁束密度の低下が免れ得ないため、透磁率が低下するという、電気自動車駆動モータ用鉄心材料としては本質的な問題がある。
【0006】
無方向性電磁鋼板を電気自動車駆動モータ用鉄心材料に適用した例としては、特開平8−49044 号公報、特開平10−298722号公報および特開平11−222653号公報に開示された技術があるが、これらの技術では、抜本的な集合組織の改善がなされていないため、電気自動車駆動モータ用鉄心材料に必要とされる低鉄損かつ高透磁率を得ることは事実上不可能であった。
【0007】
一方、方向性電磁鋼板については、インヒビターと呼ばれる析出物を利用して、最終仕上焼鈍中にゴス方位({110}<001>)に二次再結晶させることが一般的な技術として使用されている。たとえば、特公昭40−15644 号公報にはAlN,MnSを使用する方法が、また特公昭51−13469 号公報にはMnS,MnSeを使用する方法が開示されていて、それぞれ工業的に実用化されている。
かような方向性電磁鋼板においては、ゴス方位の集積度が極めて高いために、圧延方向の磁気特性は非常に良好であるが、圧延方向から外れるにつれて磁気特性は急激に劣化する。そのため、モータ用途として重要な全周方向での平均的な磁気特性はむしろ無方向性電磁鋼板よりも劣っており、電気自動車駆動モータ用鉄心材料としては相応しくない。
【0008】
また、二次再結晶は極少数のゴス方位粒が選択成長する現象であるので、必然的に二次再結晶粒径が大きくなり、通常3〜30mm程度の平均粒径となる。商用周波数の場合、方位集積度が高いことによる履歴損の低減効果が有利に作用するが、周波数が高くなるにつれて製品板の結晶粒径が大きいことによる渦電流損の増加が生じ、1kHz を超える周波数では圧延方向の鉄損さえ無方向性電磁鋼板よりも劣るようになる。電気自動車の高速運転時には、毎分1万回転以上となるので、商用周波数よりも高い数百Hz〜1KHz での高周波鉄損が小さいことが重要なので、この点でも結晶粒径が粗大過ぎる方向性電磁鋼板は不向きである。
【0009】
その他、高周波用途の鉄心材料としては、無方向性電磁鋼板の電気抵抗を高めて渦電流損を低減する技術、特にSi量を 6.5mass%(以下、単に%で示す)まで高める方法が提案されている。しかしながら、6.5 %Si材では硬度(Hv)が390にも達し、冷間圧延荷重が過大になることや、材料の伸び特性が著しく小さく割れ易くなるため、冷間圧延で製造することが難しい。
このような 6.5%Si材を工業的に生産している例として、特開昭62−22703 号公報では、SiCl4 含有雰囲気で浸珪させることにより、すなわちCVD法を利用することによって冷間圧延の問題を回避している。
しかしながら、このCVD法には、生産性や板厚精度に問題が残っている。また、この技術で製造される鋼板は集合組織の発達していない無方向性電磁鋼板なので、磁束密度が低く、電気自動車用モータの小型化に必要な高磁束密度の設計が困難な点にも大きな問題を残している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実状に鑑み開発されたもので、電気自動車駆動モータ用鉄心材料として好適な、高周波磁気特性および機械強度特性に優れたモータ鉄心用電磁鋼板を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、従来から精力的に再結晶集合組織の形成に関する研究を進めてきた。そして、素材の高純度化、特にAl,S,N,Oを低減してやれば、ある限定された条件下において再結晶後の粒成長時にゴス組織が高度に発達することを見出し、特開2000−160305号公報および特開2000−129353号公報において開示した。
本発明は、上記の技術を、電気自動車駆動モータ用鉄心材料への適用を念頭に発展させた末に、完成されたものである。
以下、本発明を成功へと導いた実験例に基づいて説明する。
【0012】
C:25 ppm, Mn:0.03%, Si:3.5 %, Al:20 ppm, S:11 ppm, N:9ppm,O:13 ppmを含有する組成になるスラブを、1100℃に加熱後、熱間圧延により 2.2mm厚としたのち、冷間圧延によて0.45mmとし、ついで 950℃で10秒間の中間焼鈍を施した。その後、常温から 300℃までの種々の温度の冷間圧延によって0.18mmに仕上げたのち、1100℃, 5分間の再結晶焼鈍を行った。
ついで、得られた製品板から打抜き加工後、積層して作成した、外径:150 mmの固定子およびネオジウム希土類磁石を用いた回転子を用い、巻線を施して、出力:300 Wの直流ブラシレスモータを作製した。直流ブラシレスモータは、従来の誘導モータと比較して高効率を得られるので、電気自動車用モータに多く用いられているモータ形式である。
【0013】
このテスト用モータに別の負荷モータを直結することによって負荷トルクを与え、トルクと回転数を測定し、モータ効率(モータ出力/入力電力)を算出した。
すなわち、このテスト用モータを無負荷状態で毎分:2000回転で回転させたのち、負荷モータでトルクを与えて回転数を減少させた。このトルクを変化させてモータ効率を測定し、最大モータ効率を求めた。
【0014】
得られた結果を圧延温度との関係で図1に示す。
なお、比較のため、市販の同じ板厚で同様なSi+Al量を含む無方向性電磁鋼板を用いて作製したモータについて調べた結果も併せて示す。
同図に示したとおり、上記の製品板を用いて製造したモータの最大モータ効率は、全ての圧延温度範囲において、市販の無方向性電磁鋼板から作製したモータよりも優れた値であったが、特に圧延温度が 150℃前後において最大値を示した。
【0015】
さて、発明者らは、上記の製品板を用いて製造したモータの磁気特性の向上は、結晶方位の改善によるものと考え、製品板の結晶粒方位 Electron Back Scattering Pattern (EBSP)を用いて測定した。測定は鋼板表面における10mm×l0mm角の領域における約2000個の結晶粒の方位を測定する方法で行った。
得られた結果を図2に示す。同図には、ゴス方位からの方位差が20°以内の結晶粒の存在頻度(以下、ゴス方位粒存在頻度と称す)と圧延温度との関係を示している。
同図から明らかなように、圧延温度が高くなるほど、ゴス方位粒存在頻度が増加することが判明した。この点、市販の無方向性電磁鋼板はゴス方位粒存在頻度は極めて低いことが分かる。
【0016】
また、図3には、ゴス方位粒存在頻度と最大モータ効率との関係について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、ゴス方位粒存在頻度が25〜70%程度の範囲でとりわけ良好な結果が得られることが判明した。
【0017】
次に、発明者らは、前述の実験における 150℃で冷間圧延を行った冷延板を用い、再結晶焼鈍の温度と時間を種々に変更して結晶粒径を変化させた鋼板から、前述と同様にしてテストモータを作製した。
そして、このテスト用モータについても、前述と同様にして、最大モータ効率を求めた。
図4に、得られた結果を製品板の結晶粒径との関係で示す。
同図に示したとおり、結晶粒径が0.05〜0.50mmの範囲で良好なモータ効率が得られている。
【0018】
また、電気自動車用鋼板においては、高速回転に耐え得る機械強度が必要である。
そこで、具体的に必要とされる機械強度を調査するために、以下の実験を行った。
Si量を種々に変更した製品板を用い、打ち抜き加工後、積層して、回転子の外径:70mmの鉄心を作製し、巻線を施して、出力2kwの誘導モータを作製した。この回転子を、無通電状態で外部モータにより毎分:2万回転で10分間回転させた後、この回転子外径の寸法変化について調査した。
その結果、引張強度が 400 MPa未満では外径比で 0.1〜0.5 %の寸法変化が生じたが、引張強度が 400 MPa以上であれば寸法変化がなく、高速回転に耐え得ることが判明した。なお、引張強度は、圧延方向と圧延直角方向の平均値を用いた。
【0019】
さらに、発明者らは、素材の添加元素についても検討を行った。
その結果、Niを添加することにより、製品の透磁率が向上することが判明した。この理由は、明らかではないが、Niが強磁性体元素であることが何らかの理由で磁束密度の向上に寄与しているものと推察される。
また、Sn,Sb,Cu,Cr等の添加により、鉄損が改善されることも認められた。
この理由は、おそらく電気抵抗を増加させることにより鉄損が低減されているものと考えられる。
さらに、機械強度を増加させるために、固溶強化元素であるPの添加が有効であることも判明した。
【0020】
以上の実験およびその解析結果から、ゴス組織が適度に発達し、平均結晶粒径が0.05〜0.50mmの微細結晶粒で、しかも引張強度が 400 MPa以上の電磁鋼板が電気自動車駆動モータ用鉄心材料として好適であることが究明されたのである。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0021】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.Si:2.5〜4.5 %およびMn:0.005〜1.0 %を含み、かつAlの含有量を 200 ppm以下、S, N, Oの含有量をそれぞれ 30ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、平均結晶粒径が0.05〜0.50mmで、かつ{110}<001>方位からの方位差が20°以内の結晶粒の面積率が25%以上、75%以下であり、さらに引張強度が 400 MPa以上であることを特徴とするモータ鉄心用電磁鋼板。
【0022】
2.鋼板が、さらにP:0.005〜0.20%,Ni:0.01〜3.50%,Sn:0.01〜0.20%、Sb:0.005〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする、上記1記載のモータ鉄心用電磁鋼板。
【0023】
3.Si:2.5〜4.5 %およびMn:0.005〜1.0 %を含み、かつAlの含有量を 200 ppm以下、S, N, Oの含有量をそれぞれ 30ppm以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になるスラブを、熱間圧延後、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで 900〜1200℃で5分以内の連続焼鈍による再結晶焼鈍を施したのち、必要に応じて絶縁コーティングを施すことからなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
最終冷延の圧下率を40〜80%、最終冷延の少なくとも1パスの温度を100〜225℃とし、かつ再結晶焼鈍後の平均結晶粒径を0.05〜0.50mmの範囲に制御することを特徴とするモータ鉄心用電磁鋼板の製造方法。
【0024】
4.スラブが、さらにP:0.005〜0.20%,Ni:0.01〜3.50%,Sn:0.01〜0.20%,Sb:0.005〜0.50%,Cu:0.01〜0.50%およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする、上記3記載のモータ鉄心用電磁鋼板の製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に従い、適度にゴス組織を発達させた集合組織を有する鋼板とすることで、高いモータ効率を得られ、電気自動車駆動用のモータ鉄心として好適となる理由については、明らかではないが、以下のように考えている。
すなわち、方向性電磁鋼板すなわちゴス方位を有する結晶粒における磁区構造に関しては、幅が約0.1mm 程度の間隔で磁化方向が反転する 180°磁区が主体であることが良く知られている。圧延方向に磁化する場合には、180 °磁区間の磁壁の移動により磁化過程が進行する。磁壁の移動による磁化の進行は、明瞭な磁区構造を有しない無方向性電磁鋼板で主体と考えられる磁化回転による磁化過程の進行に比べて、エネルギー的に極めて有利である。そのため方向性電磁鋼板では、圧延方向の磁気特性が極めて好適である。しかしながら、圧延直角方向への磁化は磁壁の移動により進行しないため、磁気特性は大きく劣化する。
【0026】
これに対し、本発明の電磁鋼板は、ゴス方位からの方位分散を適度に持つ集合組織であり、そのため圧延面内の各方向に配向した 180°磁区が存在する。従って、圧延方向だけでなく面内における平均的な磁化が容易となるので、高い透磁率を実現することにより高いモータ効率を得られるものと推察される。
また、方向性電磁鋼板に比べて微細な結晶粒径を有することも、渦電流損を低減し、高周波域での鉄損を低減することによって、モータ効率の向上に大きく寄与しているものと考えられる。
すなわち、本発明の電磁鋼板は、方向性電磁鋼板と無方向性電磁鋼板の長所を兼ね備えた理想的な電磁鋼板と言える。
【0027】
以下、本発明の構成要件の限定理由について述べる。
まず、鋼板の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。
Si:2.5 〜4.5 %
本発明の電磁鋼板の成分としては、Siを含有させて、電気抵抗を増大させ高周波鉄損を低減する必要があるが、高周波鉄損の改善のためには 2.5%以上が必要であり、一方 4.5%を超えると飽和磁束密度が低下するだけでなく、製品の二次加工性が著しく劣化するので、Si量は 2.5〜4.5 %の範囲に限定した。
【0028】
Mn:0.005 〜1.0 %
Mnは、熱間加工性を良好にするために必要な元素であるが、含有量が 0.005%未満ではその添加効果に乏しく、一方 1.0%を超えると飽和磁束密度の低下を招くので、Mn量は 0.005〜1.0 %の範囲に限定した。
【0029】
Al:200ppm以下、S, N, O:それぞれ 30ppm以下
再結晶焼鈍における粒成長を促進させるためには、特にAl,S, NおよびO量を低減することが重要で、Alは 200 ppm以下(好ましくは120ppm以下、より好ましくは 80ppm以下)、S, N, Oはそれぞれ 30ppm以下に抑制する必要がある。Al,S, NおよびOが上記の上限値を超えると方位差角が20〜45°である粒界の選択的移動が抑制されるため、ゴス組織の発達が低下する。
【0030】
以上、必須成分および抑制成分について説明したが、本発明では、その他にも以下の元素を適宜含有させることができる。
P:0.005 〜0.20%
本発明で所期した機械強度を確保するには、Si量を高めることの他、固溶強化元素であるPを添加することが有効である。しかしながら、含有量が 0.005%未満では十分な強化効果が得られず、一方0.20%を超えると二次加工性が劣化するので、Pは 0.005〜0.20%の範囲で含有させることが望ましい。
【0031】
Ni:0.01〜3.50%
Niは、透磁率の向上に有効に寄与するが、含有量が0.01%に満たないとその向上効果に乏しく、一方3.50%を超えると集合組織の発達が不十分で透磁率の低下を招くので、Niは0.01〜3.50%の範囲で含有させることが好ましい。
【0032】
Sn:0.01〜0.20%,Sb:0.005 〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Cr:0.01〜1.50% Sn,Sb,CuおよびCrはいずれも、高周波域における鉄損を向上させる有用元素であるが、それぞれ下限に満たないとその改善効果が小さく、一方添加量が上限を超えると飽和磁束密度の低下を招くので、それぞれ上記の範囲で含有させることが好ましい。
【0033】
その他、Cについては、製品が磁気時効を起こし、モータ効率を劣化させないように 50ppm以下に低減することが望ましい。
【0034】
また、本発明では、製品板の平均粒径を0.05〜0.50mmとすることが、良好なモータ効率を得る上で不可欠である。この平均粒径が0.05mm未満では、粒成長が不十分となってゴス組織が発達しないため、良好なモータ効率が得られず、一方平均粒径が0.50mmを超えると渦電流損が増大してやはりモータ効率は低下する。
【0035】
さらに、製品板の結晶粒における集合組織を適切に制御することが、本発明において重要な要件である。具体的には、ゴス方位結晶粒の面積率を25%以上、75%以下の範囲に制御することである。というのは、ゴス方位結晶粒の面積率が25%よりも小さい場合には、180 °磁区が減少するためにモータ効率が劣化し、一方ゴス方位結晶粒の面積率が75%を超えると圧延直角方向の磁化特性が劣化し、やはりモータ効率の劣化を招くからである。
なお、面積率の測定は、板厚方向任意の位置で行うことが可能であるが、鋼板表面で行うことが測定に簡便で有利である。
【0036】
次に、本発明の製造条件について具体的に説明する。
前記の好適成分に調整した溶鋼は、通常の造塊−分解法あるいは連続鋳造法でスラブにしてもよいし、100mm 以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造してもよい。
スラブは、通常の方法で加熱したのち、熱間圧延するが、鋳造後加熱せずに直ちに熱延に供してもよい。また、薄鋳片の場合には、熱間圧延しても良いし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進んでもよい。
熱間圧延に先立ち加熱する場合、本発明の成分系ではインヒビター成分を含まないので、加熱温度は熱間圧延が可能な最低温度の1100℃程度で十分である。
ついて、必要に応じて熱延板焼鈍施を施し、また必要に応じて中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施したのち、再結晶焼鈍を施す。さらに、必要に応じて無機、半有機、有機系の絶縁コーティングを焼き付けて製品とする。
【0037】
上記した熱延板焼鈍を施すことは、磁気特性を向上させ、ひいてはモータ効率を向上させる上で有利である。また、中間焼鈍を、冷間圧延の間に挟むことも、磁気特性の安定化に有用である。しかしながら、それぞれ生産コストを上昇させることになるので、経済的観点から熱延板焼鈍や中間焼鈍の取捨選択が決定される。
ここに、熱延板焼鈍、中間焼鈍の好適温度範囲は 700℃以上、1050℃以下である。というのは、700 ℃以下では焼鈍時の再結晶が進行しないためにその効果が薄く、一方1050℃を超えると冷延前粒径が粗大化し過ぎてゴス組織の発達が阻害されるからである。
また、最終冷間圧延後あるいは再結晶焼鈍後に、浸珪法によってSi量を増加させる処理を併用してもよい。
【0038】
次に、最終冷延工程において、良好なモータ効率を実現するためには、圧下率を40〜80%の範囲に制限する必要である。というのは、圧下率がこの範囲外だとゴス組織の発達が不十分となり、満足いくほどのモータ効率の向上が望めないからである。また、最終冷延において少なくとも1パスの温度を 100〜225 ℃の範囲で行うことが、ゴス組織を適度に発達させる上で不可欠である。
なお、最終仕上厚は、薄いほど高周波域における鉄損および透磁率を改善し、ひいてはモータ効率を向上させる上で有利であるが、一方で鋼板の剛性低下により作業性が低下するだけでなく、鉄心の積層枚数が増加するので、組み立てコストが増大する。磁気特性と作業性の両者を考慮すると、0.15〜0.35mm程度が好適な板厚範囲といえる。
【0039】
また、前述したとおり、再結晶焼鈍後における平均結晶粒径を0.05〜0.50mmの範囲に制御することが良好な鉄損を得るために必要である。結晶粒径をこの範囲に制御するための再結晶焼鈍条件は、素材の不純物量に応じて幾分変動するが、再結晶焼鈍温度は 900〜1200℃で5分以内の連続焼鈍あるいは 700〜1000℃程度の箱焼鈍とすることが経済的に有利である。
【0040】
なお、表面酸化物が生成していると、打ち抜き加工性が劣化するだけでなく、占積率が低下し、モータの小型化に不利となるので、表面酸化物の生成を極力抑制するために、再結晶焼鈍時の焼鈍雰囲気は低露点の非酸化性雰囲気とすることが望ましい。
【0041】
さらに、高速運転時や路面の凹凸による車両振動に耐える機械的信頼性を確保するためには、400 MPa 以上の引張強度が必要である。
引張強度を 400 MPa以上とするためには、成分組成や結晶粒径を調整することの他、スキンパス圧延を仕上焼鈍後に施すことを有効である。
【0042】
上記のような再結晶焼鈍後、積層した鋼板の鉄損を改善するために、必要に応じて鋼板表面に絶縁コーティングが施される。この目的のためには、2種類以上の被膜からなる多層膜であってもよいし、樹脂等を混合させたコーティングであってもよい。
なお、本発明の電磁鋼板を効果的に使用するためには、鉄心を複数に分解し、磁束がより集中する動径方向に磁化が容易である圧延方向を揃えることが、とりわけ有利である。
【0043】
【実施例】
実施例1
C:30 ppm, Si:4.01%, Mn:0.05%, Al:50 ppm, S:19 ppm, N:5ppm,O:19 ppmを含有し、残部は実質的にFeの組成になるスラブを、連続鋳造にて製造した。ついで、スラブを1170℃で30分加熱後、熱間圧延により 1.8mm厚としたのち、 950℃, 60秒の熱延板焼鈍を施し、ついで 200℃の冷間圧延により表1に示す種々の中間板厚に仕上げた。
ついで、 950℃, 10秒の中間焼鈍後、 120℃の冷間圧延により0.15mmの最終板厚に仕上げた。ついで、露点:−20℃の水素雰囲気中で1050℃, 10秒の再結晶焼鈍を施したのち、重クロム酸アルミニウム、エマルジョン樹脂、エチレングリコールを混合したコーティング液を塗布し、 300℃で焼き付けて、製品とした。
【0044】
かくして得られた製品板から打ち抜き加工後、積層して作成した、外径:150mmの固定子およびネオジウム希土類磁石を用いた回転子を用い、巻線を施してテスト用の出力:300 Wの直流ブラシレスモータを作製した。
このテスト用モータを無負荷状態で毎分:2000回転で回転させた後、負荷モータでトルクを与えて回転数を減少させた。このトルクを変化させモータ効率を測定して最大モータ効率を求めた結果を、ゴス方位粒存在頻度、製品板粒径、引張強度、鉄損(W10/50)、高周波鉄損(W10/1000)、透磁率(μ10/1000)および寸法変化の測定結果と共に、表1に併記する。
なお、製品板の結晶粒方位の測定は、Electron Back Scattering Pattern(EBSP)を用い、鋼板表面における10mm×10mm角の領域における約2000個の結晶粒の方位を測定する方法で行った。その結果から、ゴス方位粒存在頻度(面積率)を求めた。
【0045】
【表1】
【0046】
同表に示したとおり、製品板においてゴス方位粒存在頻度が25〜75%の範囲でかつ平均粒径が0.05〜0.50mmの範囲を満足する場合に、良好なモータ効率と600〜630 MPa の十分な引張強度が得られている。
【0047】
実施例2
表2に示す成分組成になるスラブを、連続鋳造にて製造した後、1150℃で100分加熱後、熱間圧延により0.80mm厚に仕上げた。ついで、 950℃, 30秒の熱延板焼鈍を施したのち、250 ℃の冷間圧延により0.20mm(最終冷延圧下率:75%)の最終板厚に仕上げた。ついで、露点:−40℃の窒素:25%、水素:75%の混合雰囲気中で 100℃, 180 秒間の再結晶焼鈍を施したのち、リン酸アルミニウム、重クロム酸カリウムを混合したコーティング液を塗布し、300 ℃で焼き付けて、製品とした。
【0048】
かくして得られた製品板から打ち抜き加工後、積層して作成した、外径:150mmの固定子およびネオジウム希土類磁石を用いた回転子を用い、巻線を施してテスト用の出力:300 Wの直流ブラシレスモータを作製した。
ついで、実施例1と同様にして、最大モータ効率、ゴス方位粒存在頻度、製品板粒径、引張強度、鉄損(W10/50)、高周波鉄損(W10/1000)、透磁率(μ10/1000)および寸法変化を求めた。
得られた結果を表3に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
表3に示したとおり、Si量を 2.5〜4.5 %とし、Al量を 200 ppm以下、S, N, O量をそれぞれ 30ppm以下に低減した素材を用い、製品板においてゴス方位粒存在頻度が25〜75%で平均粒径が0.05〜0.50mmの範囲において、良好なモータ効率を実現可能な引張強度が 400 MPa以上を有する製品が得られている。
【0052】
実施例3
表4に示す成分組成になるスラブを、連続鋳造にて製造したのち、1250℃で40分加熱後、熱間圧延により2.80mmに仕上げた。ついで、800 ℃,5時間の熱延板焼鈍後、室温での冷間圧延により0.50mmとし、ついで1000℃,30秒間の中間焼鈍後、室温での冷間圧延により0.18mm(最終冷延圧下率:64%)の最終板厚に仕上げた。その後、露点:−20℃のAr雰囲気中で 900℃, 50時間の再結晶焼鈍を施して製品とした。
【0053】
かくして得られた製品板から打ち抜き加工後、積層して作成した、外径:150mmの固定子およびネオジウム希土類磁石を用いた回転子を用い、巻線を施してテスト用の出力:300 Wの直流ブラシレスモータを作製した。
ついで、実施例1と同様にして、最大モータ効率、ゴス方位粒存在頻度、製品板粒径、引張強度、鉄損(W10/50)、高周波鉄損(W10/1000)、透磁率(μ10/1000)および寸法変化を求めた。
得られた結果を表5に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
表5に示したとおり、Al量を 200 ppm以下、S, N, O量をそれぞれ 30ppm以下に低減した素材を用い、製品板においてゴス方位粒存在頻度が25〜75%でかつ平均粒径が0.05〜0.50mmの範囲において、良好なモータ効率を実現可能な引張強度が 400 MPa以上を有する製品が得られている。
【0057】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、商用周波数よりも高い周波数領域での磁気特性に優れ、かつ十分な機械強度を有する、電気自動車駆動モータ鉄心材料としての用途に供して好適な電磁鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 最大モータ効率と冷間圧延における圧延温度との関係を示したグラフである。
【図2】 ゴス方位粒存在頻度と冷間圧延における圧延温度との関係を示したグラフである。
【図3】 最大モータ効率とゴス方位粒存在頻度との関係を示したグラフである。
【図4】 最大モータ効率と製品板粒径との関係を示したグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic steel sheet for motor cores excellent in high-frequency magnetic characteristics and mechanical strength characteristics, which is suitable as a core material for motors, in particular, motors for electric vehicles, where mechanical strength is important, and a method for manufacturing the same. .
[0002]
[Prior art]
An electric vehicle has various advantages such as “no exhaust gas and environmentally friendly”, “high energy efficiency”, and “low noise”. Recently, urban air pollution and CO 2 Due to the close-up of environmental issues such as global warming due to the increase, practical use of electric vehicles is progressing.
Currently developed electric vehicles are classified into a pure electric vehicle that does not have an engine and drives a motor only by a battery, and a hybrid electric vehicle that uses an engine together.
[0003]
The performance required as a drive motor for an electric vehicle is of course high efficiency and high torque, but it is strongly required to be small and lightweight in order to extend the mileage by installing it in a limited space. . Further, it is desirable that the efficiency is high in a wide range of rotation speeds at the time of starting, low speed operation, and high speed operation. Furthermore, mechanical reliability that can withstand vehicle vibration caused by high-speed driving or road surface unevenness is also required.
[0004]
As a core material suitable for such a motor, it is needless to say that it has a low magnetic loss and a high magnetic permeability, as well as sufficient mechanical strength. In addition, at high speed, it is 10,000 revolutions per minute, so it is also important that the iron loss at a high frequency of several hundred Hz higher than the commercial frequency or in some
Usually, the stator and rotor of the motor are punched from the same steel plate at the same time. However, since mechanical strength is particularly important in the rotor and iron loss is particularly important in the stator, a material having both is most desirable. In addition, it is also desirable to have a high magnetic permeability in order to achieve a smaller and lighter motor and to obtain a high torque at the time of starting.
[0005]
By the way, non-oriented electrical steel sheets are widely used as current iron core materials for motors. In this non-oriented electrical steel sheet, a method of reducing iron loss by adding Si, Al, Mn or the like to the material and increasing electric resistance is used.
However, the addition of these elements inevitably lowers the saturation magnetic flux density, so that there is an essential problem as an iron core material for an electric vehicle drive motor that the magnetic permeability is lowered.
[0006]
Examples of applying non-oriented electrical steel sheets to iron core materials for electric vehicle drive motors include the techniques disclosed in JP-A-8-49044, JP-A-10-298722, and JP-A-11-222653. However, these technologies have not drastically improved the texture, so it is virtually impossible to obtain the low iron loss and high magnetic permeability required for the core material for electric vehicle drive motors. .
[0007]
On the other hand, with regard to grain-oriented electrical steel sheets, it is a common technique to use secondary precipitates called inhibitors to perform secondary recrystallization in the Goth orientation ({110} <001>) during final finish annealing. Yes. For example, Japanese Patent Publication No. 40-15644 discloses a method using AlN and MnS, and Japanese Patent Publication No. 51-13469 discloses a method using MnS and MnSe. ing.
In such a grain-oriented electrical steel sheet, since the Goss orientation has a very high degree of integration, the magnetic properties in the rolling direction are very good, but the magnetic properties rapidly deteriorate as the direction deviates from the rolling direction. For this reason, the average magnetic characteristics in the entire circumferential direction, which are important for motor applications, are rather inferior to non-oriented electrical steel sheets, and are not suitable as iron core materials for electric vehicle drive motors.
[0008]
In addition, secondary recrystallization is a phenomenon in which a very small number of Goss-oriented grains are selectively grown, so that the secondary recrystallization grain size inevitably increases, and usually has an average grain size of about 3 to 30 mm. In the case of the commercial frequency, the effect of reducing the hysteresis loss due to the high degree of orientation integration works, but as the frequency increases, the eddy current loss increases due to the crystal grain size of the product plate being larger, and the frequency exceeds 1 kHz. Even at the frequency, the iron loss in the rolling direction becomes inferior to the non-oriented electrical steel sheet. When driving an electric vehicle at a high speed, it will be 10,000 revolutions per minute, so it is important that the high-frequency iron loss at a few hundred Hz to 1 KHz, which is higher than the commercial frequency, is small. Electrical steel sheets are not suitable.
[0009]
In addition, as a core material for high-frequency applications, a technique for reducing the eddy current loss by increasing the electrical resistance of non-oriented electrical steel sheets, particularly a method for increasing the Si content to 6.5 mass% (hereinafter simply expressed as%), has been proposed. ing. However, with a 6.5% Si material, the hardness (Hv) reaches 390, the cold rolling load becomes excessive, and the elongation property of the material becomes extremely small and easily cracked, so that it is difficult to manufacture by cold rolling.
As an example of industrial production of such 6.5% Si material, Japanese Patent Laid-Open No. 62-22703 discloses SiCl. Four The problem of cold rolling is avoided by immersing in a contained atmosphere, that is, by using the CVD method.
However, this CVD method still has problems in productivity and plate thickness accuracy. In addition, the steel sheets manufactured by this technology are non-oriented electrical steel sheets with no texture, so the magnetic flux density is low and it is difficult to design the high magnetic flux density necessary for downsizing motors for electric vehicles. It leaves a big problem.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been developed in view of the above circumstances, and proposes an electromagnetic steel sheet for motor cores excellent in high-frequency magnetic characteristics and mechanical strength characteristics, which is suitable as an iron core material for electric vehicle drive motors, together with its advantageous manufacturing method. The purpose is to do.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The inventors have been intensively researching the formation of recrystallized textures. Further, it has been found that if the purity of the material is increased, especially when Al, S, N, and O are reduced, the Goth structure is highly developed during grain growth after recrystallization under certain limited conditions. This is disclosed in Japanese Patent No. 160305 and Japanese Patent Laid-Open No. 2000-129353.
The present invention has been completed after the above technique has been developed with the application to the core material for electric vehicle drive motors in mind.
Hereinafter, the present invention will be described based on experimental examples that have led to success.
[0012]
C: 25 ppm, Mn: 0.03%, Si: 3.5%, Al: 20 ppm, S: 11 ppm, N: 9 ppm, O: 13 ppm Slabs heated to 1100 ° C and heated The thickness was reduced to 2.2 mm by rolling, 0.45 mm by cold rolling, and then subjected to intermediate annealing at 950 ° C. for 10 seconds. Then, after finishing to 0.18 mm by cold rolling at various temperatures from room temperature to 300 ° C., recrystallization annealing was performed at 1100 ° C. for 5 minutes.
Next, after punching from the product plate obtained and laminating, using a stator with an outer diameter of 150 mm and a rotor using a neodymium rare earth magnet, winding was performed, and the output was 300 W DC A brushless motor was produced. A DC brushless motor is a motor type that is often used in electric motors because it can achieve higher efficiency than conventional induction motors.
[0013]
A load torque was applied by directly connecting another load motor to the test motor, the torque and the rotational speed were measured, and the motor efficiency (motor output / input power) was calculated.
That is, the test motor was rotated at 2000 rpm per minute in an unloaded state, and then the torque was applied by the load motor to reduce the rotational speed. The motor efficiency was measured while changing this torque, and the maximum motor efficiency was obtained.
[0014]
The obtained results are shown in FIG. 1 in relation to the rolling temperature.
For comparison, the result of examining a motor manufactured using a non-oriented electrical steel sheet containing the same Si + Al content with the same sheet thickness on the market is also shown.
As shown in the figure, the maximum motor efficiency of the motor manufactured using the product plate described above was superior to that of a motor made from a commercially available non-oriented electrical steel sheet in all rolling temperature ranges. In particular, the maximum value was exhibited when the rolling temperature was around 150 ° C.
[0015]
The inventors considered that the improvement in the magnetic characteristics of the motor manufactured using the product plate described above was due to the improvement of the crystal orientation, and measured using the crystal grain orientation Electron Back Scattering Pattern (EBSP) of the product plate. did. Measurement was performed by measuring the orientation of about 2000 crystal grains in a 10 mm × 10 mm square region on the steel sheet surface.
The obtained results are shown in FIG. This figure shows the relationship between the rolling frequency and the existence frequency of crystal grains whose orientation difference from the Goss orientation is within 20 ° (hereinafter referred to as goss orientation grain existence frequency).
As is clear from the figure, it has been found that the higher the rolling temperature, the higher the Goss orientation grain existence frequency. In this regard, it can be seen that a commercially available non-oriented electrical steel sheet has a very low Goss orientation grain existence frequency.
[0016]
FIG. 3 shows the result of examining the relationship between the Goss orientation grain existence frequency and the maximum motor efficiency.
As shown in the figure, it was found that particularly good results can be obtained when the Goss orientation grain existence frequency is in the range of about 25 to 70%.
[0017]
Next, the inventors used a cold-rolled sheet that had been cold-rolled at 150 ° C. in the above-described experiment, and changed the crystal grain size by changing the temperature and time of recrystallization annealing in various ways. A test motor was produced in the same manner as described above.
For this test motor, the maximum motor efficiency was determined in the same manner as described above.
FIG. 4 shows the obtained results in relation to the crystal grain size of the product plate.
As shown in the figure, good motor efficiency is obtained when the crystal grain size is in the range of 0.05 to 0.50 mm.
[0018]
Moreover, the steel sheet for electric vehicles requires mechanical strength that can withstand high-speed rotation.
Therefore, the following experiment was conducted in order to investigate the required mechanical strength.
Using product plates with various amounts of Si, punched, stacked, and manufactured an iron core with a rotor outer diameter of 70 mm, wound, and manufactured an induction motor with an output of 2 kw. The rotor was rotated by an external motor for 10 minutes at 20,000 revolutions per minute in a non-energized state, and the dimensional change of the rotor outer diameter was investigated.
As a result, it was found that when the tensile strength was less than 400 MPa, a dimensional change of 0.1 to 0.5% occurred in the outer diameter ratio, but when the tensile strength was 400 MPa or more, there was no dimensional change and it could withstand high-speed rotation. For the tensile strength, the average value in the rolling direction and the direction perpendicular to the rolling was used.
[0019]
Furthermore, the inventors also examined the additive element of the material.
As a result, it has been found that the magnetic permeability of the product is improved by adding Ni. The reason for this is not clear, but it is assumed that Ni is a ferromagnetic element that contributes to the improvement of the magnetic flux density for some reason.
It was also observed that iron loss was improved by the addition of Sn, Sb, Cu, Cr and the like.
This is probably because the iron loss is reduced by increasing the electrical resistance.
Furthermore, it has been found that the addition of P, which is a solid solution strengthening element, is effective for increasing the mechanical strength.
[0020]
From the above experiments and the analysis results, the electromagnetic steel sheet with a moderately grown goth structure, an average crystal grain size of 0.05 to 0.50 mm, and a tensile strength of 400 MPa or more is the core material for electric vehicle drive motors. As a result, it has been found that it is suitable.
The present invention is based on the above findings.
[0021]
That is, the gist configuration of the present invention is as follows.
1. Si: 2.5-4.5% and Mn: 0.005-1.0%, Al content is reduced to 200 ppm or less, S, N, O content is reduced to 30 ppm or less respectively. Fe and inevitable impurities The average grain size Diameter Is 0.05 to 0.50 mm, the area ratio of crystal grains with an orientation difference within 20 ° from the {110} <001> orientation is 25% or more and 75% or less, and the tensile strength is 400 MPa or more. Features Rumo Magnetic steel sheet for data cores.
[0022]
2. The steel plate was further selected from P: 0.005 to 0.20%, Ni: 0.01 to 3.50%, Sn: 0.01 to 0.20%, Sb: 0.005 to 0.50%, Cu: 0.01 to 0.50% and Cr: 0.01 to 1.50% 2. The composition according to 1 above, wherein the composition contains at least one kind. No Magnetic steel sheet for data cores.
[0023]
3. Si: 2.5-4.5% and Mn: 0.005-1.0%, Al content is reduced to 200 ppm or less, S, N, O content is reduced to 30 ppm or less respectively. Fe and inevitable impurities After hot rolling, the slab having the following composition is subjected to hot-rolled sheet annealing as necessary, and then subjected to cold rolling twice or more sandwiching intermediate annealing or finishing to the final thickness. By continuous annealing at 900-1200 ° C within 5 minutes Recrystallization annealing Gave Later, in the method of manufacturing a grain-oriented electrical steel sheet comprising applying an insulating coating as necessary,
40-80% reduction in final cold rolling The temperature of at least one pass of the final cold rolling is 100 ~ 225 ℃ And the average crystal grain size after recrystallization annealing is controlled in the range of 0.05 to 0.50 mm. Rumo A method for producing electrical steel sheets for data cores.
[0024]
4). Slab was further selected from P: 0.005 to 0.20%, Ni: 0.01 to 3.50%, Sn: 0.01 to 0.20%, Sb: 0.005 to 0.50%, Cu: 0.01 to 0.50% and Cr: 0.01 to 1.50% 3. The composition according to 3 above, wherein the composition contains at least one kind. No A method for producing electrical steel sheets for data cores.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to the present invention, by using a steel sheet having a texture that has developed a goth structure appropriately, the reason why it is possible to obtain high motor efficiency and is suitable as a motor core for driving an electric vehicle is not clear, but I think like that.
That is, it is well known that the magnetic domain structure in grain-oriented electrical steel sheets, that is, crystal grains having Goss orientation, is mainly composed of 180 ° magnetic domains whose magnetization direction is reversed at intervals of about 0.1 mm in width. When magnetizing in the rolling direction, the magnetization process proceeds by the movement of the domain wall in the 180 ° magnetic section. The progress of magnetization due to the movement of the domain wall is extremely advantageous in terms of energy compared to the progress of the magnetization process due to the magnetization rotation considered to be the main component in the non-oriented electrical steel sheet having no clear magnetic domain structure. Therefore, in the grain-oriented electrical steel sheet, the magnetic properties in the rolling direction are extremely suitable. However, since the magnetization in the direction perpendicular to the rolling does not proceed due to the movement of the domain wall, the magnetic properties are greatly deteriorated.
[0026]
On the other hand, the electrical steel sheet of the present invention has a texture that has an appropriate orientation dispersion from the Goss orientation, and therefore there are 180 ° magnetic domains oriented in each direction within the rolling surface. Therefore, since average magnetization not only in the rolling direction but also in the plane is facilitated, it is assumed that high motor efficiency can be obtained by realizing high magnetic permeability.
In addition, having a fine crystal grain size compared to grain-oriented electrical steel sheets also contributes greatly to improving motor efficiency by reducing eddy current loss and reducing iron loss in the high frequency range. Conceivable.
That is, it can be said that the electrical steel sheet of the present invention is an ideal electrical steel sheet having the advantages of a directional electrical steel sheet and a non-oriented electrical steel sheet.
[0027]
The reasons for limiting the constituent requirements of the present invention will be described below.
First, the reason why the component composition of the steel sheet is limited to the above range will be described.
Si: 2.5-4.5%
As a component of the electrical steel sheet of the present invention, it is necessary to contain Si to increase electric resistance and reduce high-frequency iron loss. However, in order to improve high-frequency iron loss, 2.5% or more is necessary. If it exceeds 4.5%, not only does the saturation magnetic flux density decrease, but the secondary workability of the product deteriorates remarkably, so the Si content is limited to the range of 2.5 to 4.5%.
[0028]
Mn: 0.005 to 1.0%
Mn is an element necessary for improving the hot workability. However, if the content is less than 0.005%, the effect of addition is poor, while if it exceeds 1.0%, the saturation magnetic flux density is reduced. Was limited to a range of 0.005 to 1.0%.
[0029]
Al: 200 ppm or less, S, N, O: 30 ppm or less each
In order to promote grain growth in recrystallization annealing, it is particularly important to reduce the amount of Al, S, N and O. Al is 200 ppm or less (preferably 120 ppm or less, more preferably 80 ppm or less), S, N and O must each be controlled to 30ppm or less. When Al, S, N, and O exceed the above upper limit values, selective movement of grain boundaries having an orientation difference angle of 20 to 45 ° is suppressed, so that the development of the goth structure is lowered.
[0030]
As described above, the essential component and the suppressing component have been described. However, in the present invention, the following elements can be appropriately contained.
P: 0.005 to 0.20%
In order to ensure the desired mechanical strength in the present invention, it is effective to add P, which is a solid solution strengthening element, in addition to increasing the amount of Si. However, if the content is less than 0.005%, a sufficient reinforcing effect cannot be obtained. On the other hand, if it exceeds 0.20%, the secondary workability deteriorates. Therefore, P is preferably contained in the range of 0.005 to 0.20%.
[0031]
Ni: 0.01 to 3.50%
Ni effectively contributes to the improvement of magnetic permeability, but if the content is less than 0.01%, the improvement effect is poor, while if it exceeds 3.50%, the texture development is insufficient and the magnetic permeability is lowered. , Ni is preferably contained in the range of 0.01 to 3.50%.
[0032]
Sn: 0.01 to 0.20%, Sb: 0.005 to 0.50%, Cu: 0.01 to 0.50%, Cr: 0.01 to 1.50% Sn, Sb, Cu and Cr are all useful elements that improve iron loss in the high frequency range. However, if the amount is less than the lower limit, the improvement effect is small. On the other hand, if the addition amount exceeds the upper limit, the saturation magnetic flux density is lowered.
[0033]
In addition, it is desirable to reduce C to 50 ppm or less so that the product does not cause magnetic aging and deteriorate motor efficiency.
[0034]
In the present invention, the average particle size of the product plate is 0.05 to 0.50 mm, which is essential for obtaining good motor efficiency. If the average particle size is less than 0.05 mm, the grain growth is insufficient and the goth structure does not develop, so that good motor efficiency cannot be obtained, while if the average particle size exceeds 0.50 mm, eddy current loss increases. As a result, motor efficiency decreases.
[0035]
Furthermore, it is an important requirement in the present invention to appropriately control the texture in the crystal grains of the product plate. Specifically, the area ratio of the goth-oriented crystal grains is controlled in the range of 25% or more and 75% or less. This is because when the area ratio of goth-oriented grains is smaller than 25%, the motor efficiency deteriorates because the 180 ° magnetic domain decreases, while when the area ratio of goth-oriented grains exceeds 75%, rolling occurs. This is because the magnetization characteristics in the perpendicular direction are deteriorated and the motor efficiency is also deteriorated.
The area ratio can be measured at an arbitrary position in the plate thickness direction, but it is convenient and advantageous for the measurement to be performed on the surface of the steel plate.
[0036]
Next, the production conditions of the present invention will be specifically described.
The molten steel adjusted to the above preferred components may be slabd by a normal ingot-decomposition method or continuous casting method, or a thin cast piece having a thickness of 100 mm or less may be produced by a direct casting method.
The slab is heated by a normal method and then hot-rolled, but may be immediately subjected to hot rolling without being heated after casting. In the case of a thin cast slab, hot rolling may be performed, or the hot rolling may be omitted and the process may proceed as it is.
In the case of heating prior to hot rolling, the component system of the present invention does not contain an inhibitor component, and therefore, a heating temperature of about 1100 ° C., the lowest temperature at which hot rolling is possible, is sufficient.
Then, hot-rolled sheet annealing is performed as necessary, and, if necessary, after one or more cold rolling sandwiching the intermediate annealing, recrystallization annealing is performed. Furthermore, if necessary, an inorganic, semi-organic or organic insulating coating is baked into a product.
[0037]
Applying the above-described hot-rolled sheet annealing is advantageous in improving the magnetic characteristics and thus improving the motor efficiency. In addition, sandwiching the intermediate annealing during cold rolling is also useful for stabilizing magnetic properties. However, since the production costs are increased, the selection of hot-rolled sheet annealing and intermediate annealing is determined from an economic viewpoint.
Here, the preferred temperature range for hot-rolled sheet annealing and intermediate annealing is 700 ° C. or higher and 1050 ° C. or lower. This is because recrystallization at annealing does not proceed at 700 ° C or lower, so the effect is weak.On the other hand, when it exceeds 1050 ° C, the grain size before cold rolling becomes too coarse and the development of goth structure is hindered. .
Further, after the final cold rolling or after the recrystallization annealing, a treatment for increasing the Si amount by a siliconization method may be used in combination.
[0038]
Next, in the final cold rolling process, in order to achieve good motor efficiency, it is necessary to limit the rolling reduction to a range of 40 to 80%. This is because if the rolling reduction is outside this range, the goth structure is insufficiently developed, and a satisfactory improvement in motor efficiency cannot be expected. In addition, at least one pass in the final cold rolling should be performed at a temperature in the range of 100 to 225 ° C in order to develop the goth structure appropriately. necessary It is.
In addition, the final finish thickness is more advantageous in improving the iron loss and magnetic permeability in the high frequency range and thus improving the motor efficiency, but not only the workability is lowered due to the reduction in the rigidity of the steel plate, Since the number of laminated iron cores increases, the assembly cost increases. Considering both the magnetic characteristics and workability, it can be said that the preferred thickness range is about 0.15 to 0.35 mm.
[0039]
Further, as described above, it is necessary to control the average crystal grain size after recrystallization annealing in the range of 0.05 to 0.50 mm in order to obtain a good iron loss. The recrystallization annealing conditions for controlling the crystal grain size within this range vary somewhat depending on the amount of impurities in the material, but the recrystallization annealing temperature is 900-1200. At ℃ It is economically advantageous to perform continuous annealing within 5 minutes or box annealing at about 700-1000 ° C.
[0040]
In addition, if surface oxide is generated, not only punching workability is deteriorated, but also the space factor is reduced, which is disadvantageous for miniaturization of the motor. The annealing atmosphere during recrystallization annealing is preferably a non-oxidizing atmosphere with a low dew point.
[0041]
In addition, a tensile strength of 400 MPa or higher is required to ensure mechanical reliability that can withstand vehicle vibration caused by high-speed driving and road surface unevenness.
In order to increase the tensile strength to 400 MPa or more, it is effective to perform skin pass rolling after finish annealing in addition to adjusting the component composition and crystal grain size.
[0042]
After the recrystallization annealing as described above, an insulating coating is applied to the steel sheet surface as necessary in order to improve the iron loss of the laminated steel sheets. For this purpose, it may be a multilayer film composed of two or more kinds of coatings, or a coating in which a resin or the like is mixed.
In order to effectively use the electrical steel sheet of the present invention, it is particularly advantageous to disassemble the iron core into a plurality of parts and align the rolling direction in which magnetization is easy in the radial direction in which the magnetic flux is more concentrated.
[0043]
【Example】
Example 1
C: 30 ppm, Si: 4.01%, Mn: 0.05%, Al: 50 ppm, S: 19 ppm, N: 5 ppm, O: 19 ppm, with the balance being a slab having a substantially Fe composition. Manufactured by continuous casting. Next, the slab was heated at 1170 ° C for 30 minutes, then hot rolled to a thickness of 1.8 mm, then subjected to hot rolled sheet annealing at 950 ° C for 60 seconds, followed by cold rolling at 200 ° C for various types shown in Table 1. Finished to an intermediate thickness.
Next, after an intermediate annealing at 950 ° C. for 10 seconds, a final thickness of 0.15 mm was obtained by cold rolling at 120 ° C. Next, after decrystallization: 1050 ° C for 10 seconds in a hydrogen atmosphere at -20 ° C, apply a coating solution containing aluminum dichromate, emulsion resin, and ethylene glycol, and bake at 300 ° C. And product.
[0044]
The test plate was punched from the product plate and laminated to create a stator with an outer diameter of 150 mm and a rotor using a neodymium rare earth magnet. The test output was 300 W of direct current. A brushless motor was produced.
The test motor was rotated at 2000 rpm per minute in an unloaded state, and then the torque was applied by the load motor to reduce the rotational speed. The result of obtaining the maximum motor efficiency by changing the torque and measuring the motor efficiency is the Goss orientation grain existence frequency, product grain size, tensile strength, iron loss (W 10/50 ), High frequency iron loss (W 10/1000 ), Permeability (μ 10/1000 ) And measurement results of dimensional change are also shown in Table 1.
The crystal grain orientation of the product plate was measured by using Electron Back Scattering Pattern (EBSP) and measuring the orientation of about 2000 crystal grains in a 10 mm × 10 mm square region on the steel plate surface. From the results, the Goss orientation grain existence frequency (area ratio) was determined.
[0045]
[Table 1]
[0046]
As shown in the table, good motor efficiency and 600 to 630 MPa are achieved when the Goss orientation grain frequency in the product plate is in the range of 25 to 75% and the average grain size is in the range of 0.05 to 0.50 mm. Sufficient tensile strength is obtained.
[0047]
Example 2
A slab having the composition shown in Table 2 was manufactured by continuous casting, heated at 1150 ° C. for 100 minutes, and then finished by hot rolling to a thickness of 0.80 mm. Next, after hot-rolled sheet annealing at 950 ° C. for 30 seconds, it was finished to a final sheet thickness of 0.20 mm (final cold rolling reduction: 75%) by cold rolling at 250 ° C. Next, after recrystallization annealing at 100 ° C for 180 seconds in a mixed atmosphere of nitrogen: 25% and hydrogen: 75% at a dew point of -40 ° C, a coating solution containing aluminum phosphate and potassium dichromate was applied. It was applied and baked at 300 ° C to obtain a product.
[0048]
The test plate was punched from the product plate and laminated to create a stator with an outer diameter of 150 mm and a rotor using a neodymium rare earth magnet. The test output was 300 W of direct current. A brushless motor was produced.
Next, in the same manner as in Example 1, the maximum motor efficiency, the Goss orientation grain existence frequency, the product plate grain size, the tensile strength, the iron loss (W 10/50 ), High frequency iron loss (W 10/1000 ), Permeability (μ 10/1000 ) And dimensional change.
The obtained results are shown in Table 3.
[0049]
[Table 2]
[0050]
[Table 3]
[0051]
As shown in Table 3, using a material with a Si content of 2.5-4.5%, an Al content of 200 ppm or less, and S, N, O content of 30 ppm or less respectively, In the range of ~ 75% and average particle size of 0.05 ~ 0.50mm, products with a tensile strength of 400 MPa or more that can achieve good motor efficiency have been obtained.
[0052]
Example 3
Slabs having the composition shown in Table 4 were produced by continuous casting, heated at 1250 ° C. for 40 minutes, and then finished to 2.80 mm by hot rolling. Next, after hot-rolled sheet annealing at 800 ° C for 5 hours, it was made 0.50mm by cold rolling at room temperature, then after intermediate annealing at 1000 ° C for 30 seconds and then cold-rolling at room temperature to 0.18mm (under the final cold rolling pressure) (Rate: 64%). Thereafter, recrystallization annealing was performed at 900 ° C. for 50 hours in an Ar atmosphere at a dew point of −20 ° C. to obtain a product.
[0053]
The test plate was punched from the product plate and laminated to create a stator with an outer diameter of 150 mm and a rotor using a neodymium rare earth magnet. The test output was 300 W of direct current. A brushless motor was produced.
Next, in the same manner as in Example 1, the maximum motor efficiency, the Goss orientation grain existence frequency, the product plate grain size, the tensile strength, the iron loss (W 10/50 ), High frequency iron loss (W 10/1000 ), Permeability (μ 10/1000 ) And dimensional change.
The results obtained are shown in Table 5.
[0054]
[Table 4]
[0055]
[Table 5]
[0056]
As shown in Table 5, using a material in which the Al content is reduced to 200 ppm or less, and the S, N, and O contents are reduced to 30 ppm or less respectively, the Goss orientation grain frequency in the product plate is 25 to 75% and the average grain size is In the range of 0.05 to 0.50 mm, products with a tensile strength of 400 MPa or more that can achieve good motor efficiency have been obtained.
[0057]
【The invention's effect】
Thus, according to the present invention, it is possible to obtain a suitable electrical steel sheet for use as an electric vehicle drive motor core material that has excellent magnetic properties in a frequency region higher than the commercial frequency and has sufficient mechanical strength. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between maximum motor efficiency and rolling temperature in cold rolling.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between Goss orientation grain existence frequency and rolling temperature in cold rolling.
FIG. 3 is a graph showing the relationship between maximum motor efficiency and Goss orientation grain existence frequency.
FIG. 4 is a graph showing the relationship between maximum motor efficiency and product plate particle size.
Claims (4)
最終冷延の圧下率を40〜80%、最終冷延の少なくとも1パスの温度を100〜225℃とし、かつ再結晶焼鈍後の平均結晶粒径を0.05〜0.50mmの範囲に制御することを特徴とするモータ鉄心用電磁鋼板の製造方法。Si: 2.5-4.5 mass% and Mn: 0.005-1.0 mass%, Al content is reduced to 200 ppm or less, S, N, O content is reduced to 30 ppm or less respectively, the balance is Fe and inevitable After hot rolling, the slab that has the impurity composition is subjected to hot-rolled sheet annealing as necessary, and then subjected to one or more cold rollings sandwiching intermediate annealing to finish the final sheet thickness. In the manufacturing method of grain-oriented electrical steel sheet, which comprises performing recrystallization annealing by continuous annealing at 900 to 1200 ° C. within 5 minutes , and then applying insulation coating as necessary.
The rolling reduction of the final cold rolling should be 40 to 80% , the temperature of at least one pass of the final cold rolling should be 100 to 225 ° C , and the average grain size after recrystallization annealing should be controlled in the range of 0.05 to 0.50mm. method of manufacturing features and to makes the chromophore at the distal end over data core for an electromagnetic steel sheet.
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