JP4612495B2 - ガス絶縁開閉器 - Google Patents
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図1は、本発明の一実施の形態によるガス絶縁開閉器の閉極状態を示す断面図である。
絶縁性ガスを封入した密閉容器1内には、絶縁スペーサ20によって密閉容器1から電気的に絶縁した状態で高電圧導体11,12が支持されている。密閉容器1内に封入した絶縁性ガスとしては、大気圧以上のSF6ガスなどの負性ガス、空気、窒素、二酸化炭素、もしくはそれらの混合ガス、あるいは負性ガスとこれらの混合ガス等が考えられる。高電圧導体11,12の対向部には、それぞれ主通電を行う可動側接触子6および固定側接触子4が取り付けられ、その外周部にそれぞれ対向側の電界を緩和する可動側電界緩和用シールド7および固定側電界緩和用シールド8が設けられ、また固定側接触子4の中心部にはばねによって右方に付勢された固定側アークコンタクト5が設けられている。可動側接触子6と固定側接触子4および固定側アークコンタクト5間は、図示の閉極状態で可動子2によって接続されている。この可動子2は、図示を省略した操作器に連結した絶縁操作ロッド3を介して軸方向に開路駆動され、可動側接触子6と常時摺動接触しながら先ず固定側接触子4から、次いで固定側アークコンタクト5から開路し、図1の閉極状態から図2の開極状態へと切り替えるもので、図示からも分かるようにその開路動作時にガスを吹き付けるガス吹き付け手段を備えていない。
高電圧導体12の先端部には抵抗体やヒューズなどを介することなく筒状の支持部9が一体的に取り付けられ、この支持部9にはチューリップ形の固定側接触子4が保持され、その中心部には弾性接触部材で構成した集電子16によって支持部9と電気的に接続した耐アーク性の固定側アークコンタクト5が配置されている。この固定側アークコンタクト5は、可動子2の外径以下の外径、望ましくは可動子2よりも小さな外径を有し、またコイルばね10によって右方に付勢されており、弾性接触部材の集電子16による高電圧導体12との電気的な接続を保持しながら固定側アークコンタクト5を右方に所定距離だけ移動させることができる。閉極状態において可動子2は、固定側接触子4に接触すると共にその接触圧を規定値以上とすることにより接触抵抗を低減し発熱を抑えており、また、固定側アークコンタクト5を図の左方向に押してコイルばね10を付勢した状態にして固定側アークコンタクト5の先端との間に接触圧力を付与している。このため可動子2と固定側アークコンタクト5および高電圧導体12は同電位でまた良好な電流通路を形成しているため、この閉極状態で、電流は可動子2から固定側アークコンタクト5を介しても流れることになり、アークコンタクトを備えない場合よりも接触抵抗が低減し、通電時の温度上昇を抑える効果もある。
この実施の形態では、可動子2の先端にアークを駆動するアーク駆動型電極15bを取り付け、固定側アークコンタクト5の先端にもアーク駆動用のアーク駆動型電極15aを取り付け、閉極状態で両アーク駆動型電極15a,15bを突き合わせ接触させている。両アーク駆動型電極15a,15bは、その外径を可動子2の外径よりも小さくしており、また例えばスパイラル溝などの電流制限部分によって形成された電流ループにより両アーク駆動型電極15a,15b間に発生したアークを電磁駆動しながら消弧するものである。
アーク駆動型電極15aは、その外周部に形成した可動子2よりも径小の外径でほぼ環状の接触部23と、その中央部に形成した非接触部24と、約120度間隔で接触部23の外周から斜めに切り込んだ直線的な溝により電流制限部分25a,25b,25cを設けている。このようなアーク駆動型電極15aの電流制限部分25a,25b,25cは、外周から斜めに切り込んだ直線的な溝により形成しているため、その加工が容易である。
これらのアーク駆動型電極15aは、溝などの電流制限部分25a,25b,25cの形状を変えたもので、図9では電流制限部分25a,25b,25cのうち非接触部24に位置する内側部分26a,26b,26cを弧状にし、図10では電流制限部分25a,25b,25c,25dのうち外側の接触部23に位置する切り込み部分27a,27b,27c,27dを径方向にした後、非接触部24に位置する内側部分26a,26b,26c,26dを弧状にしたものである。いずれの場合も、複数本の溝によって接触部23間に発生したアークまでの電流パスを一層円周方向の成分を増した弧状にすることができるので、得られる駆動力も一層円周方向となる。
しかし電流制限部分25a〜25dとして溝を使用する場合、アークによって溝の変形が生じたり発生した金属蒸気が溝を通して他の部分に達することが考えられるので、この溝内、あるいは溝内を含んでアーク駆動型電極15b、15aの接触部分23を除いた部分を絶縁物でモールドして、アークによって溝の変形を防止すると共に、アークによって発生した金属蒸気が溝を通過して他の部分に達するのを防止することができる。
図6に示したアーク駆動型電極15aは、可動子2と開離する最終位置を耐アーク性絶縁物13を含む固定側電界緩和用シールド8の内側端よりもさらに固定側後退した位置としているが、図12では固定側アークコンタクト5の先端に設けたアーク駆動型電極15aが可動子2と開離する最終位置を、固定側電界緩和用シールド8の左側端よりも可動側接触子6側に突出させ、耐アーク性絶縁物13を省略している。
この実施の形態は電界緩和用シールドの構成を簡略化したもので、1対の筒状高電圧導体11,12の対向側先端部に中実のリング状絶縁保護部材17a,17bをそれぞれ取り付けている。このリング状絶縁保護部材17a,17bとしては、エポキシ、ポリエチレン、ナイロン等のプラスチック材料、絶縁ゴム、または他の耐アーク性部材を用いている。筒状高電圧導体11,12は、このリング状絶縁保護部材17a,17bによってその先端外周部、先端部、先端内周部を被覆している。筒状高電圧導体11の内面側には弾性接触部材である集電子16bを介して可動子2を開閉移動可能に設け、その先端部に径小のアーク駆動型電極15bを設けている。固定側アークコンタクト5は弾性接触部材である集電子16cを介して筒状高電圧導体12に直接接触すると共に、コイルばね10によってその先端部をアーク駆動型電極15bに圧接しながら所定距離追従するようにしている。また筒状高電圧導体12の先端内側には固定側接触子4に替えて弾性接触部材である集電子16aを設け、ここでは筒状高電圧導体12の対向側内周面よりも多少大きな内径を持つリング状絶縁物17aとしている。筒状高電圧導体12の対向側内周面と可動子2の外周部間には1mm以下のギャップを形成し、またリング状絶縁保護部材17aの内周部と可動子2の外周部間は、7mm以下のギャップとし、この集電子16aによって可動子2の先端外周部と筒状高電圧導体12間を電気的に接続している。
この実施の形態では、固定側の筒状高電圧導体12の対向側先端部に上述のリング状絶縁物17aを設け、この筒状高電圧導体12とリング状絶縁物17aの内側に閉路状態での主通電を行うチューリップ形の固定側接触子4を設けている。また中心部に所定距離だけ可動子2に追従する固定側アークコンタクト5に先端部に可動子2よりも径小の外径を有するアーク駆動型電極15aを取り付けている。一方、可動子2側は、その先端部に径小のアーク駆動型電極15bを取り付けており図13および図14と同様に構成したものである。
2 可動子
4 固定側接触子
5 固定側アークコンタクト
6 可動側接触子
7 可動側電界緩和用シールド
8 固定側電界緩和用シールド
9 支持部
10 コイルばね
11,12 高電圧導体
13 耐アーク性絶縁物
14 絶縁物
15a,15b アーク駆動型電極
16,16a,16b,16c 弾性接触部材
17a,17b リング状絶縁保護部材
Claims (5)
- 絶縁性ガスを封入した密閉容器内に、一対の高電圧導体と、この高電圧導体の一方と電気的な接続関係を保持しながら他方の上記高電圧導体から開離可能に接続すると共に、ガス吹き付け手段を持たない可動子と、少なくとも上記他方の高電圧導体の対向側先端部の電界を緩和する電界緩和用シールドとを有したガス絶縁開閉器において、上記他方の高電圧導体に直接電気的に接続すると共に、上記可動子との突き合わせ接触を保持しながら上記可動子の開離動作に一定距離追従動作するようばねによって付勢した固定側アークコンタクトを設け、この固定側アークコンタクトの先端部径を上記可動子先端部径以下とし、上記電界緩和用シールドはその中心部に上記可動子を挿入可能な孔部を有する先端部を持ち、上記固定側アークコンタクトの上記一定距離追従動作の終了位置は、上記電界緩和用シールドの上記先端部における反対向側よりも上記一方の高電圧導体側に突出させたことを特徴とするガス絶縁開閉器。
- 絶縁性ガスを封入した密閉容器内に、一対の高電圧導体と、この高電圧導体の一方と電気的な接続関係を保持しながら他方の筒状の上記高電圧導体から開離可能に接続すると共に、ガス吹き付け手段を持たない可動子とを有したガス絶縁開閉器において、上記他方の筒状高電圧導体に直接電気的に接続すると共に、上記可動子との突き合わせ接触を保持しながら上記可動子の開離動作に一定距離追従動作するようばねによって付勢した固定側アークコンタクトを設け、この固定側アークコンタクトの先端部径を上記可動子先端部径以下とし、上記他方の筒状高電圧導体の先端部に、中実で、かつ上記他方の筒状高電圧導体の先端部を環状に包囲するリング状絶縁保護部材を取り付け、このリング状絶縁保護部材の内径部と上記可動子の外径部間に7mm以下のギャップを形成したことを特徴とするガス絶縁開閉器。
- 請求項2に記載のものにおいて、上記一方の高電圧導体の対向部にも中実で、かつ上記一方の高電圧導体の先端部を環状に包囲するリング状絶縁保護部材を取り付け、このリング状絶縁保護部材の内径部と上記可動子の外径部間に7mm以下のギャップを形成したことを特徴とするガス絶縁開閉器。
- 請求項1〜3のいずれか一つに記載のものにおいて、上記固定側アークコンタクトおよび上記可動子の少なくとも一方の対向部に、上記可動子の径以下の外径を持つアーク駆動型電極を設けたことを特徴とするガス絶縁開閉器。
- 請求項4に記載のものにおいて、上記アーク駆動型電極は、外周部にほぼ環状に形成した接触部と、中心部に形成した非接触部と、上記接触部の外周から切り込んだ複数本の溝を有することを特徴とするガス絶縁開閉器。
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