JP4609963B2 - プラズマトーチ用の電極 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切断面の品質を向上させ、或いは寿命を向上させることが出来るプラズマトーチ用の電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移行式プラズマトーチを利用して通電性を有する被切断材を切断する場合、プラズマトーチに取り付けた電極の先端面の周囲にプラズマ化させるガスを供給すると共に該電極とノズルとの間に通電してパイロットアークを形成してノズルから吹き出し、吹き出したパイロットアークが被切断材と接触したとき、電極との間に通電してメインアークを形成すると同時に電極とノズルとの間の通電を停止してパイロットアークを停止させ、その後、メインアークによって被切断材を溶融すると共に溶融物を母材から排除しつつプラズマトーチを移動させることで切断している。
【0003】
特に、被切断材が鋼板である場合、プラズマ化させるガスとして酸素ガスを用いるのが一般的である。ここで、プラズマガスとして酸素ガスを用いるプラズマトーチの構成について図3,図4により簡単に説明する。
【0004】
図3に示すように、電極51は、内部にネジを形成した取付部51aと、外周が円筒状に形成された胴部51bと、先端面51cとからなり、胴部51bの先端側と先端面51cとの間にテーパ部51dが形成されている。電極51の中心にはハフニウムからなる電極材51eが埋設されており、該電極材51eを起点としてパイロットアーク,メインアークが形成される。
【0005】
電極51は、図4に示すように、導電性を有し且つ片持ち梁状に形成された電極台52に取り付けられ、胴部51bに絶縁性を持ったセンタリングストーン53が装着されている。またセンタリングストーン53には導電性を持ったノズル部材54が装着され、更に、キャップ55が装着されている。このキャップ55はプラズマトーチの本体56に螺合されており、これにより、電極51は片持ち梁状の電極台52に取り付けられているにも関わらず、本体56の軸心と略一致して固定されている。
【0006】
センタリングストーン53はセラミックスによって形成されており、電極51に装着されたとき、該電極51の外周部との間にプラズマ化させるガスの供給路57を形成すると共に、電極51が本体56の軸心からズレているような場合、キャップ55の本体56に対する装着に伴って該電極51を本体56の軸心に一致させる機能と、電極51と本体56とを電気的に絶縁する機能を有する。
【0007】
ノズル部材54の内部であって、該ノズル部材54の内周面と電極51の先端面51cとによってガス室58が形成されている。即ち、センタリングストーン53に連続して電極51の胴部51,テーパ部51dに沿ったガスの供給路が形成され、該供給路を経て供給されたガスがガス室58に到達し得るように構成されている。また電極台52の内部には冷却パイプ59が配置されており、電極51を電極台52に取り付けたとき、冷却パイプ59の先端が電極51の内部に挿入され、矢印に沿って供給された冷却水によって電極51は裏面側から強制的に冷却される。
【0008】
上記構成に於いて、センタリングストーン53から供給されたガスは、電極51の胴部51b,テーパ部51dからなる外周面に沿って流れてガス室58に供給される。ガスの供給と同時に行なわれる先端面51cとノズル部材54または被切断材との間の通電に伴ってプラズマ化し、ノズル部材54に形成されたノズル54aから外部に噴射される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
酸素ガスを用いて鋼板を切断するプラズマトーチでは、電極は高酸化性雰囲気のなかで且つ超高温下という過酷な条件の基に使用されるため、極めて寿命が短いという問題がある。プラズマトーチの電極にとって寿命を如何にして延長するかは絶えることのない課題である。
【0010】
本件発明者は、電極の寿命を延長させるために種々の実験を試みているが、その中で、ハフニウムからなる電極材の太さを太くするということがある。この場合、太い電極材を埋設することによって寿命が延長された。しかし、電極材を太くした結果、切断性能が劣化してしまうという問題が生じた。また切断性能を向上させる目的でガス室に供給するガスの旋回を強くしたところ、電極材の溶損が増加して結果的に寿命が短くなってしまういう問題が生じた。
【0011】
本発明の目的は、切断性能の劣化を招くことなく、寿命を延長させることが出来るプラズマトーチ用の電極を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本件発明者は、上記課題を解決するために各種の実験と考察を重ねたところ、以下の結論を得た。即ち、電極に太い電極材を埋設するのに伴って電極の先端面の外径が増加し、ノズル部材に形成されているノズルの径が同一であるにも関わらず、電極先端径が太くなることによって切断性能が劣化する。しかし、電極に於ける先端面の外径の値の如何に関わらず、ガスを先端面に於ける中心部位に可及的に接近させて供給することで見掛け上の電極先端径を細くすることによって切断性能の劣化を防止することが出来る。
【0013】
また旋回を強くした場合、電極の先端面の中心はガスの旋回によって圧力が低下し、電極の蒸発が促進されることによって寿命が短くなる。このことは先端面の中心の近傍にガスを供給して圧力の低下を防止することで防ぐことが出来る。
【0014】
従って、上記問題を解決するために本発明に係るプラズマトーチ用の電極は、一端の端面に形成され、流路を貫通させる貫通孔を有する先端面と、他端が開放され、他端に形成されたプラズマトーチへの取付部と、前記先端面と取付部との間に形成された胴部と、を有し、先端面側に供給されたガスをプラズマ化してノズルから噴射させ且つ先端面の裏面側に供給された冷却水によって冷却されたプラズマトーチ用の電極であって、一端が先端面を貫通して配置され他端が胴部の外周面の所定位置に配置されたガス流通路を設けたものである。
【0015】
上記プラズマトーチ用の電極(以下、単に「電極」という)では、一端が先端面に配置されたガス流通路を設けたので、電極の先端面の径の大きさに関わらずガス流通路の電極中心からの距離を設定することが出来、見掛け上の電極先端径を細くすることが出来る。このため、電極材を太くして寿命の延長をはかった場合であっも、切断性能を劣化させることがない。
【0016】
上記電極に於いて、ガス流通路が複数形成されており、各ガス流通路の一端が電極の先端面を貫通して該先端面に設定された円周上に略等間隔に配置されていることが好ましく、ガス流通路の電極の先端面を貫通して配置された一端と胴部の外周面に配置された他端が、電極の中心軸に対し平行な方向に配置され又は異なる方向に配置されることが好ましい。
【0017】
上記電極では、電極の先端面に充分な量のガスを供給することが可能であり、且つ電極の中心に向けて集中させて供給することが出来る。このため、プラズマアークを安定した状態で発生させると共に先端面の中心部分に圧力の低い部位を発生させることがない。また、ガスを電極の軸心に平行な軸流として供給し、或いは軸心を中心として右旋回又は左旋回させた旋回流として供給することが出来る。
【0018】
上記電極に於いて、ガス流通路の電極の胴部の外周面に配置された他端が、プラズマ化させるガスの供給路に接続されていることが好ましい。電極をこのように構成することによって、プラズマトーチに対するガスの供給源を増加させることなく、電極の先端面に於ける中心に接近させてガスを供給することが出来、これにより、安定したプラズマアークを形成することが出来る。
【0019】
更に、上記電極に於いて、電極の胴部の外周に溝が形成されており、前記ガス流通路の胴部の外周面に配置された他端が前記溝に開口していることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、上記電極の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は電極の構成を説明する図である。図2は本実施例に係る電極を取り付けたプラズマトーチの構成例を示す断面図である。
【0021】
電極Aは、図1に示すように、プラズマトーチBの本体11に設けた電極台12に取り付けるための取付部1と、胴部2とを有している。取付部1の内部には電極台12のネジ部に螺合するネジ1aが形成されており、外周部位は六角材を切削してスパナを掛ける直線部1bと切削による曲面部1cとが形成されている。
【0022】
胴部2には全周にわたってリング状の溝3が形成され、該溝3と連続して予め設定された値の外径を持ったガイド部2aが形成されている。またガイド部2aよりも先端側には段部2b及びテーパ部2cが形成されている。そしてテーパ部2cの先端側に先端面4が形成され、該先端面4の中心にハフニウムからなる電極材5が埋設されている。
【0023】
先端面4には、一端が該先端面4に配置され且つ他端が胴部2の外周面の所定位置(本実施例では、胴部2の外周に形成された溝3に於けるガイド部2a側の面)に配置されたガス流通路6が形成されている。また電極Aの内部には冷却水を流通させる穴7が形成されており、該穴7の底面である先端面4の裏面には表面積を増加させて熱の交換効率を向上させるための突起8が形成されている。
【0024】
上記の如く構成された本実施例に係る電極Aの従来の電極と異なる点は、従来の電極が胴部にガスを流通させる手段を持たなかったのに対し、本実施例では、一端が先端面4に配置されると共に他端が胴部2の外周所定位置に配置されたガス流通路6を有する点にある。
【0025】
本実施例では、このようなガス流通路6を設けることによって、ガスを電極Aの先端面4の外周部以外の位置から、即ち、先端面4の外径の値に関わらず、電極材5の近傍に設けた位置から供給して見掛け上の電極先端径を細くすることが可能となる。このため、先端面の外径を大きくすることによる寿命の向上を維持しつつ、切断性能を現状に維持し、或いは切断性能の向上をはかり、且つ小径のノズルに適用することが可能となる。
【0026】
ガス流通路6の数は特に限定するものではないが、電極Aに対する均一なガスの供給を保証するためには、複数であることが好ましく、複数のガス流通路6は略等間隔で配置されることが好ましい。このため、本実施例では、電極Aには3個のガス流通路6が形成されると共に互いに120度の角度間隔を保持している。ガス流通路6をこのように形成することによって、電極Aに於ける電極材5の周囲には略均一のガスを供給することが可能である。
【0027】
またガス供給路6は、電極Aの胴部2に形成した溝3から先端面4にかけて該電極Aの中心に向けて傾斜して形成されている。このように、ガス流通路6を傾斜させることで、電極Aに於ける電極材5から大きく離隔することのない部位にガス流通路6から供給されたガスを収斂させることが可能であり、見掛け上のプラズマアークの径を細くすることが可能である。
【0028】
特に、電極Aの胴部2に於ける外周部に溝3を形成し、この溝3のガイド部2a側に斜面を形成してガス流通路6の他端を開口させることで、ガス流通路6の電極Aの中心方向への傾斜角度を所望の値に設定することが可能となる。
【0029】
ガス流通路6は本実施例に示すように穴によって形成することが可能であり、またスリットによって形成することも可能である。ガス流通路6を穴によって形成する場合、穴のピッチ円径d(図1(a)参照)は、6mm〜先端面4の外径までの範囲に設定することが好ましい。このように、ガス流通路6の先端面4に於ける開口位置を設定することによって、該ガス流通路6から供給されたガスを電極Aを構成する電極材5の近傍に供給することが可能となり、プラズマアークを形成する際に、電極材5の近傍の圧力が低下してハフニウムの蒸発が促進されるようなことがない。
【0030】
上記ガス流通路6のピッチ円径を6mmとした場合、先端面4の外径の値に関わらず、プラズマアークの太さを6mmに対応した太さとすることが可能であり、細いプラズマアークを実現することが可能である。またピッチ円径を6mm以上に設定した場合であっても、プラズマアークの太さを先端面4の外径よりも細くすることが可能である。
【0031】
ガス流通路6は電極Aの中心軸に対し平行であるか、或いは軸心に沿った方向に傾斜させることが好ましい。ガス流通路6が電極Aの中心軸に対し平行である場合、該ガス流通路6から先端面4の前面に供給されたガスは、電極Aの軸心と平行な所謂軸流となり、切断面の改善に寄与することが可能である。またガス流通路6が電極Aの軸心に対し傾斜させた場合、ガス流通路6から電極Aの先端面4に供給されたガスは電極Aの軸心を中心とする旋回流となり、安定したプラズマアークを形成することが可能となる。
【0032】
次ぎに電極Aを取り付けたプラズマトーチBの構成について図2により説明する。
【0033】
電極Aは、取付部1のネジ部1aをプラズマトーチBの本体11に設けた電極台12のネジ部12aに締結して取り付けられている。電極台12の内部には冷却水を供給する冷却パイプ13が設けられており、電極Aを電極台12に取り付けたとき、該冷却パイプ13が電極Aの内部に形成された穴7に挿通されて該冷却パイプ13の内外に冷却水の流通路14を形成する。しかし、プラズマトーチの形式によっては、電極Aを単に電極台12に差し込むことで取り付けることが可能なものもある。
【0034】
電極Aの胴部2に形成されたガイド部2aは、センタリングストーン15の内径よりも僅かに小さい外径を持って形成されている。このため、電極Aを電極台12に取り付けた後、該電極Aにセンタリングストーン15,ノズル部材16及びキャップ17を順に装着し、キャップ17を本体11に螺合することによって、自由状態にある電極台12がプラズマトーチの軸心18に対し傾斜しているような場合、この傾斜を矯正して電極Aの電極材5を軸心18に略一致させることが可能である。
【0035】
プラズマガスは、電極台12の外周に形成された通路19を介して供給される。この通路19のセンタリングストーン15の配置部位には充分に広いガス供給室19aが形成されており、センタリングストーン15を電極Aに装着したとき、該センタリングストーン15の内周面と電極Aとの間にガスの通路19bが形成され、センタリングストーン15の外周面側にはガス供給室19aによるガスの通路が形成される。
【0036】
センタリングストーン15の先端側の所定部位には複数の穴15aが形成されており、該穴15aを通してガス供給室19aから電極Aの胴部2側にガスを供給することが可能である。特に、通路19を介して供給されたプラズマガスを電極Aとノズル部材16との間に形成されたプラズマ室20に旋回させた状態で供給し得るように、センタリングストーン15に形成された穴15aは、軸心18に対し所定の角度で傾斜して形成されている。
【0037】
尚、プラズマ室20は、電極Aの先端面4とノズル部材16の内周面とによって形成されている。ノズル部材16は、センタリングストーン15に装着したとき一部が導電性を有する本体11に接触しており、パイロットアークを形成する際に通電される。
【0038】
上記の如く、電極Aは本体11に片持ち梁状に設けられ、且つ図示しない電源に接続された電極台12に螺合されることで取り付けられている。そしてパイロットアークを形成する場合には電極Aとノズル部材16の間に、またメインアークを形成する場合には電極Aと被切断材との間に、夫々予め設定された電圧が印加され、ノズル部材16との間で、或いは被加工材との間で放電される。
【0039】
電極Aを電極台12に取り付けたとき、電極Aに形成した穴7の内部には冷却パイプ13の先端部分が挿入され、該冷却パイプ13を介して供給された冷却水は流通路14を通り、電極Aに配置された電極材5の裏面側に形成した突起8に衝突した後、電極Aの内面と接触して該電極Aを冷却する。その後、冷却水は通路21を通りノズル部材16を冷却して外部に排出される。
【0040】
電極台12に取り付けられた電極Aにセンタリングストーン15が装着されている。このとき、電極Aに形成されたガイド部2aの外周がセンタリングストーン15の内面と接触して案内される。前記状態では、センタリングストーン15は単に電極Aのガイド部2aに接触されているに過ぎず、電極Aに対しなんの規制も行なってはいない。そしてノズル部材16にキャップ17を装着し、該キャップ17を本体11に螺合することで電極Aを軸心18に略一致させるように規制することが可能である。またキャップ17を本体11に螺合したとき、該キャップ17とノズル部材16との間に二次気流室22が形成され、該二次気流室22に供給された二次ガスをノズル部材16のノズル16aから噴射するプラズマアークの周囲にさや状に噴射することが可能である。
【0041】
電極Aと被切断材との間に通電してプラズマアークを形成する場合、通路19から供給されたプラズマ化させるガス(酸素ガス)は、ガス供給室19aからセンタリングストーン15に形成された穴15aを通って電極Aの胴部2に於ける段部2bに向けて噴射され、更に、電極Aのテーパ部2cとノズル部材16のテーパ状の内面とによって形成された通路を経て電極Aの先端面4との間に形成されたプラズマ室20に供給される。
【0042】
一方、通路19から供給された酸素ガスは、センタリングストーン15と電極Aの間に形成された通路19bを通って電極Aの胴部2に形成された溝3に至り、該溝3に隣接したガイド部2aの斜面に開口したガス流通路6を経て電極Aの先端面4からプラズマ室20に供給される。
【0043】
上記の如く、電極Aの先端面4には、該先端面4の外径部位から及び先端面4の内部(先端面4の外径部位よりも中心側)から酸素ガスが供給される。このため、先端面4に於ける電極材5の近傍に酸素ガスが供給されることとなり、先端面4の外径部位から旋回させた酸素ガスを供給することに伴う電極材5周囲の圧力低下を阻止することが可能となる。従って、プラズマアークを形成する際に溶融した電極材5が圧力の低下に伴って蒸発が促進されることによる寿命の低下を防止することが可能である。
【0044】
電極Aのガス流通路6から先端面4を経て電極材5の近傍に於けるプラズマ室20に供給された酸素ガスはプラズマ化し、切断に寄与するプラズマアークとして機能する。また電極Aの先端面4の外径部位からプラズマ室20に供給された酸素ガスもプラズマ化し、同様にプラズマアークとしての機能を発揮するものの一部はプラズマアークを鞘状に包み込むガス気流として機能する。
【0045】
このため、プラズマアークの太さは電極Aの先端面4の外径の値に関わらず、ガス流通路6のピッチ円径によって規定されて細い状態を維持する。従って、切断性能を劣化させることなく、良好な状態に維持することが可能である。
【0046】
特に、電極Aに於ける電極材5の太さを太くすることによって電極Aの寿命を延長することが可能である。この場合、電極材5を太くするのに伴って先端面4の外径を大きくすることが必要となり、更に、外径を大きくするのに伴ってプラズマ室20の容積が大きくなる。このため、電極材5からプラズマ室20に対する酸素ガスの供給部位までの距離が大きくなってプラズマアークを充分に細く絞れず、切断性能が劣化するという問題が生じていたが、この問題を解決して良好な切断性能を維持して寿命の延長をはかることが可能となる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係るプラズマトーチ用の電極では、一端が先端面に配置され他端が胴部の所定位置に配置されるガス流通路を設けたので、先端面の外径の値に関わらず、ガスを電極の中心近傍に供給することが出来る。このため、プラズマアークの起点となる電極材の近傍にガスを供給して該部位に於ける圧力低下を防止することが出来、該圧力の低下に伴う電極材の蒸発の促進を阻止することが出来る。従って、電極の寿命を延長することが出来る。
【0048】
また電極材の近傍に供給されたガスがプラズマ化してプラズマアークとしての機能を発揮することが出来る。このため、電極の先端面の外径の値に関わらず、プラズマアークの太さを細くして切断性能を維持することが出来る。
【0049】
従って、電極の寿命を延長すると共に切断性能を維持することが出来る。
【0050】
また先端面に於けるガス流通路を円周上に略等間隔で複数設けることによって、電極材の周囲に略均一にガスを供給することが出来る。またガス流通路を先端面の中心に向けて傾斜させることによって、先端面からプラズマ室に噴射したガスを電極の中心に収斂させることが可能となり、効率良く圧力低下を阻止することが出来る。
【0051】
またガス流通路を電極の中心と平行とし、或いは中心に対して旋回方向に傾斜させることによって、電極の先端面からプラズマ室に供給されるガスを電極の中心軸に対し平行な軸流、或いは旋回流とすることが出来る。この流れ方向を適宜選択することによって、切断面の品質を保持し、或いは安定したプラズマアークを形成することが出来る。
【0052】
また電極に形成したガス流通路をプラズマガスの供給路と接続することによって、プラズマトーチの本体側に大きな変更を加えることなく、寿命の延長と切断性能の保持を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極の構成を説明する図である。
【図2】本実施例に係る電極を取り付けたプラズマトーチの構成例を示す断面図である。
【図3】従来の電極の構成を説明する図である。
【図4】従来の電極を取り付けたプラズマトーチの構成を説明する図である。
【符号の説明】
A 電極
B プラズマトーチ
1 取付部
1a ネジ部
2 胴部
2a ガイド部
2b 段部
2c テーパ部
3 溝
4 先端面
5 電極材
6 ガス流通路
7 穴
8 突起
11 本体
12 電極台
13 冷却パイプ
14 流通路
15 センタリングストーン
15a 穴
16 ノズル部材
16a ノズル
17 キャップ
18 軸心
19,19a,19b,21 通路
22 二次気流室

Claims (5)

  1. 一端の端面に形成され、流路を貫通させる貫通孔を有する先端面と、他端が開放され、他端に形成されたプラズマトーチへの取付部と、前記先端面と取付部との間に形成された胴部と、を有し、先端面側に供給されたガスをプラズマ化してノズルから噴射させ且つ先端面の裏面側に供給された冷却水によって冷却されたプラズマトーチ用の電極であって、一端が先端面を貫通して配置され他端が胴部の外周面の所定位置に配置されたガス流通路を設けたことを特徴とするプラズマトーチ用の電極。
  2. 前記ガス流通路が複数形成されており、各ガス流通路の一端が電極の先端面を貫通して該先端面に設定された円周上に略等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載したプラズマトーチ用の電極。
  3. 前記ガス流通路の電極の先端面を貫通して配置された一端と胴部の外周面に配置された他端が、電極の中心軸に対し平行な方向に配置され又は異なる方向に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載したプラズマトーチ用の電極。
  4. 前記ガス流通路の電極の胴部の外周面に配置された他端が、プラズマ化させるガスの供給路に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したプラズマトーチ用の電極。
  5. 前記電極の胴部の外周に溝が形成されており、前記ガス流通路の胴部の外周面に配置された他端が前記溝に開口していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載したプラズマトーチ用の電極。
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JPH04167996A (ja) * 1990-10-29 1992-06-16 Koike Sanso Kogyo Co Ltd アーク加工用非消耗電極の製造方法

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