JP4607363B2 - 分電盤の分岐ブレーカー1次送り接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,電源側がプラグイン接続端子である分岐ブレーカーを有する分電盤の分岐ブレーカーの1次送り接続装置に関する。
【0002】
分電盤は,主幹ブレーカーの2次側に分岐用銅バーを配し,該分岐用銅バーに複数の分岐ブレーカーを接続し,分岐ブレーカーから負荷機器へ電気を供給する構成となっているが,火災報知器などの安全監視機器については,過負荷や漏電などで主幹ブレーカーが切となった場合,電源電圧の供給が停止されるので監視機器が働らかなくなり,安全上問題があるので,そのような機器については主幹ブレーカーの1次側から専用分岐ブレーカーを介して電源を供給(1次送り)するように構成し,主幹ブレーカーが切れても安全監視機器への電源電圧が継続して供給されるようになっている。
【0003】
【従来の技術】
従来,前述の1次送りの配線は,図8に示すように主幹ブレーカー100の1次側端子から1次送りされる専用分岐ブレーカー101の電源側までは絶縁電線102で配線していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,近年,分岐ブレーカーに,端子がねじ式でなく,分電バーにワンタッチで差し込み接続するような電源側がプラグイン方式の端子を有するものが現れ,その場合,分岐ブレーカーの端子に電線が接続できず,図8のようには1次送りができないという問題があった。
【0005】
また,分電バーと分岐ブレーカーの接続がプラグイン方式の場合は,1次送り電線の接続に対して主幹ブレーカー2次側の分岐用分電バーが邪魔になり,1次送り回路用の専用分岐ブレーカーをその他の2次側の分岐ブレーカーと同一場所にまとめて配設できず,別の場所に専用の取付スペースを確保しなければならないという問題があった。
【0006】
そこで,本件発明は,分岐ブレーカーの電源側端子がプラグイン方式であっても1次送り配線が行なえ,1次送り専用分岐ブレーカーをその他の2次側の分岐ブレーカーと同一場所に配設できる分電盤の分岐ブレーカー1次送り接続構造を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで,本件発明の請求項1は,主幹ブレーカーと,2列に配列され,電源側の端子がプラグイン接続方式の複数の分岐ブレーカーと,該主幹ブレーカーと複数の分岐ブレーカー間を電気的に接続し,2列に配列された複数の分岐ブレーカーの列間に配された分電バーとから成り,分電バーには,L1相とN相とL2相の3本の主導体と,100Vと200Vの電圧切替手段と,隣り合う電圧切替手段間の絶縁を保持する絶縁枠体を含む単相3線式分電盤において,前記分電バーを挟んで対峙する一組の分岐ブレーカーと,該一組の分岐ブレーカーに接続する,L1相とL2相の主導体のプラグイン接続足部と,100Vと200V電圧切替手段を取り除き,その替わりにひとつの1次送り専用分岐ブレーカーを設置し,さらに該1次送り専用分岐ブレーカーの電源側プラグイン端子に接続する一組の接続バーを前記の取り除いた一組の分岐ブレーカーの100Vと200V電圧切替手段の絶縁枠体の枠内に設置し,該絶縁枠体から接続バーのプラグイン接続部と電線接続部を絶縁枠体から延出させ,主幹ブレーカーの1次側から接続バーの電線接続部までを電線で接続したことを特徴とする分電盤の分岐ブレーカー1次送り接続構造を提供したものである。
【0008】
それにより,本件発明は,分岐ブレーカーの電源側端子がプラグイン方式であっても1次送りができるとともに,1次送り専用分岐ブレーカーをその他の分岐ブレーカーと並べて配設できる分電盤の分岐ブレーカー1次送り接続構造を提供できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本件発明を,図面を用いて詳細に説明する。図4から図7は,分岐ブレーカーの電源端子がプラグイン方式で1次送り専用分岐ブレーカーがない分電盤の説明図である。
図4において1は主幹ブレーカー,2と3は2列に配列された複数の分岐ブレーカーで,図では,2側に4個,3側に4個,計8個の分岐ブレーカーを有し,主幹ブレーカーと複数の分岐ブレーカーは,9と4の分電バーにより,主幹ブレーカーの2次側端子102と複数の分岐ブレーカーの電源側端子を接続している。5と6は図の一番左側の上下の分岐ブレーカーの電圧切替装置で5は上側7の分岐ブレーカーの,6は下側8の分岐ブレーカーの電圧切替装置で夫々の分岐ブレーカーへの供給電圧を単相3線式の100Vと200Vに切替えるようになっている。
【0010】
図5は図4の主幹ブレーカーと分岐ブレーカーと分電バーの部分を詳細に表した図で,図6は100V200V電圧切替手段を含む分電バーの分解構造を示す。図6において,11〜13は主導体で11は単相3線式のL1極,12はN極,13はL2極で,それぞれ主幹ブレーカー1の2次側に接続される。12のN極の主導体からは1201のように分岐ブレーカーの数だけU字状切欠部が設けられており,11と13の主導体には,U字状切欠部1101,1301および,接続部1102,1302が片方の列の分岐ブレーカーの数分だけ設けられている。501と601は切替ねじ,502と602は接続板,503と603は切替接続子,504と604は雌ねじ部材で,501〜504と1101,1201で5の電圧切替装置を,601〜604,1202,1301で6の電圧切替装置を構成している。
【0011】
図7の10は各電圧切替装置間を絶縁する絶縁枠体で,内部が電圧切替装置の数分の区画に仕切られており,夫々の区画には接続板と主導体の分岐ブレーカーへの接続部を延出する切欠窓部1001と1002が設けられている。
【0012】
図6の電圧切替装置は次のように組み合わせられる。ねじ501は接続板502の長穴部と切替接続子503を貫通し,雌ねじ部材504に螺装されるが,雌ねじ部材504と切替接続子503の間にU字状切欠部1101または1201を挟んで螺着される。1101と1201のU字状切欠部は互いにU字の開放部が向かい合わせになるよう配置されており,ねじ501を緩めた状態では,ねじ501と切替接続子503と雌ねじ部材504は,接続板502の長穴内を移動して,U字状切欠部1101と1201の間を行き来できるよう構成されている。
【0013】
図6において,分電バーと分岐ブレーカーは,絶縁枠体10から延出した接続板602と接続部1102に分岐ブレーカー8の電源側プラグイン端子801と802が差し込まれて弾性的に接続される。この状態でねじ601を送り板602の長穴内で分岐ブレーカー8に近い位置に寄せてねじを締めつければ,接続板602は,N極に電気的に接続されて,分岐ブレーカー8は単相3線式のN極とL2極に接続され,100Vの電圧が分岐ブレーカー8に供給され,また長穴内で分岐ブレーカー8から遠い位置に寄せてねじを締めつければ,接続板602は,L1極に電気的に接続されて,分岐ブレーカー8は単相3線式のL1極とL2極に接続され,200Vの電圧が分岐ブレーカー8に供給されることになる。同様に向かい合って設置される分岐ブレーカー7も電圧切替装置5により供給電圧を切替えることができる。
【0014】
図1は,図4に示す分電盤の左下のひとつの分岐回路20を1次送りとした場合の図であり,図4の分電盤の分電バー4に対し向かい合わせて配置される分岐ブレーカー7と8,および電圧切替装置5と6を取り除いて,その代わりに1次送り専用分岐ブレーカー20と,接続バー21と22を配置し,1次送り電線23,24で主幹ブレーカー1の1次側端子から1次送りした場合の例である。
【0015】
図2は,1次送りブレーカー20の電源側接続状況を示した図で,絶縁枠体10に接続バー21と22が組み付けられ,該接続バー21と22に1次送り電線23,24が,また1次送りブレーカー20が組みつけられる様子を示した図である。
【0016】
図3は接続バー21と22の取り付け構造の詳細を示した図であり,図6に示す1次送り分岐ブレーカーのない場合の構造から,ねじ501と601,接続板502と602,切替接続子503と603,雌ねじ部材504と604,L1極の主導体11とL2極の主導体12のU字状切欠部1101,1301,および接続部1102,1302の部分を取り除いてあり,代わりに絶縁枠体10の区画内に接続バー21,22,接続バー固定部材25,26,接続バー固定ねじ27,28を組み付けてある。
【0017】
1003と1004は,絶縁枠体10の区画内に設けられたリブで,図において,U字状切欠部1101と1201,ならびに1202と1301のU字内縁に連なり,該リブとU字の内縁で接続板502と602の長円穴と同様の長円穴を構成するようにしてあり,ねじ501と601,切替接続子503と603,雌ねじ部材504と604が長円の端と端を行き来する際に切替接続子503と雌ねじ部材504,および603と604の間隔を保持する構成となっている。2501と2601は,接続バー固定部材25,26に設けられた,前記リブ1003,1004と嵌合する溝で,絶縁枠体10の区画内のリブ1003,1004のない部分から接続バー固定部材25と26を挿入し,横に滑らせてリブ1003,1004と溝2501,2601を嵌合させ,図の上下方向の固定部材25と26の移動を阻止する。
【0018】
接続バー21には,穴2102が設けられ,その部分から一方には折れ曲がり段差部を経てプラグ接続部2101が,他方には電線接続端子部2104が形成され,穴2102と電線接続端子部2104の中間には切欠き部2103が設けられている。また,接続バー22には,穴2203が設けられ,その部分から一方にはプラグ接続部2201が,2201と2202の中間には切欠き部2202が設けられ,また穴2203から他方には,折れ曲がり段差部を経て電線接続端子部2204が設けられている。
【0019】
該接続バー21は,プラグ接続部2101方向から絶縁枠体の区画に挿入されて該プラグ接続部2101をL2極分岐導体のU字切欠接続部1101を嵌め込むための開口1002から延出させ,切欠部2103を絶縁枠体10の接続板502を延出させる開口10005に嵌め込み,その後ねじ27を穴2102を貫通させて接続バー固定部材25のねじ穴2502に螺着させる。なお穴2102は,固定部材25の溝2501がリブ1003から外れない位置に設けられている。
【0020】
接続バー22は,21とは逆に電線接続端子2204側から絶縁枠体10の区画に挿入し,21と同様に切欠部2202を開口1001に嵌め込んでねじ28で固定される。
【0021】
以上は,1次送り専用分岐ブレーカーをその他の分岐ブレーカー設置部にひとつ配置した例であるが,本発明によれば,図1において,1次送り専用分岐ブレーカー20の隣も,またその隣も同様に電圧切替装置と分岐ブレーカーを取り除いて,1次送り装置を設置することで,1次送りブレーカーを二つ,三つと増やして設置することが容易であることは明白である。
【0022】
【発明の効果】
以上のように,本件発明によれば,分岐ブレーカーの電源側端子がプラグイン方式であっても1次送りが容易に構成できるとともに,1次送り専用分岐ブレーカーをその他の分岐ブレーカー配置スペース内に並べて配設できて,分電盤をコンパクト化でき,1次送りブレーカーを複数設置できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明の分岐ブレーカー1次送り接続構造を使用した分電盤の実施例の図
【図2】本件発明の分岐ブレーカー1次送り接続構造と1次送り専用分岐ブレーカーの接続状態を現した図
【図3】本件発明の分岐ブレーカー1次送り接続構造の分解構造図
【図4】1次送り専用分岐ブレーカーを取り付けてない場合の電源側プラグイン接続方式の分岐ブレーカーを使用した分電盤の図
【図5】図4の主幹ブレーカーと分電バーと分岐ブレーカーを詳細に現した図
【図6】100V200V電圧切替装置の構造を示した図
【図7】電圧切替装置の絶縁枠体の図
【図8】電源端子がねじ端子の分岐ブレーカーを使用した場合の1次送りの構造図
【符号の説明】
1 ・・主幹ブレーカー
2 ・・上側の列の分岐ブレーカー群
3 ・・下側の列の分岐ブレーカー群
4 ・・分電バー
5,6・・100V200V電圧切替装置
7,8・・分岐ブレーカー
10 ・・絶縁枠体
11 ・・L1極の主導体
12 ・・N極の主導体
13 ・・L2極の主導体
20 ・・1次送り専用分岐ブレーカー
21 ・・接続板
22 ・・接続板
Claims (1)
- 主幹ブレーカーと,2列に配列され,電源側の端子がプラグイン接続方式の複数の分岐ブレーカーと,該主幹ブレーカーと複数の分岐ブレーカー間を電気的に接続し,2列に配列された複数の分岐ブレーカーの列間に配された分電バーとから成り,分電バーには,L1相とN相とL2相の3本の主導体と,100Vと200Vの電圧切替手段と,隣り合う電圧切替手段間の絶縁を保持する絶縁枠体を含む単相3線式分電盤において,前記分電バーを挟んで対峙する一組の分岐ブレーカーと,該一組の分岐ブレーカーに接続する,L1相とL2相の主導体のプラグイン接続足部と,100Vと200V電圧切替手段を取り除き,その替わりにひとつの1次送り専用分岐ブレーカーを設置し,さらに該1次送り専用分岐ブレーカーの電源側プラグイン端子に接続する一組の接続バーを前記の取り除いた一組の分岐ブレーカーの100Vと200V電圧切替手段の絶縁枠体の枠内に設置し,該絶縁枠体から接続バーのプラグイン接続部と電線接続部を絶縁枠体から延出させ,主幹ブレーカーの1次側から接続バーの電線接続部までを電線で接続したことを特徴とする分電盤の分岐ブレーカー1次送り接続構造。
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