JP4607128B2 - 飲料を調製するためのインサート、機械およびシステム - Google Patents

Description

本発明は、飲料（ｂｅｖｅｒａｇｅ）を調製するためのインサート、機械およびシステムに関する。

コーヒー、茶、チョコレート飲料などの飲料を調製するための機械およびシステムを提供することが知られている。このようなシステムでは一般に、飲料原料成分（ｂｅｖｅｒａｇｅ ｉｎｇｒｅｄｉｅｎｔ）がばら物の形態（ｌｏｏｓｅ ｆｏｒｍ）で、または収納容器の中に収納された状態で使用される。ある機械では、焙煎され粉砕されたコーヒーまたは茶葉（ｌｅａｆ ｔｅａ）を含む濾紙バッグなどの柔軟な収納容器を使用することが知られている。さらに、他の機械では、飲料の調製時に孔があけられるカートリッジの形態の収納容器を使用することが知られており、このカートリッジは、剛性または半剛性を有する、または柔軟なカートリッジでよく、飲料の調製時に孔があけられる。いずれにしても、このような収納容器とともに使用される機械は、特定の設計の収納容器を抽出ヘッド（ｂｒｅｗ ｈｅａｄ）の中に受け取り、その収納容器に水および／または水蒸気を通して飲料を調製し、次いでこの飲料が供給されるように特に適合されている。このような飲料調製機械（ｂｅｖｅｒａｇｅ ｐｒｅｐａｒａｔｉｏｎ ｍａｃｈｉｎｅ）は、商業市場または家庭で使用されるであろう。家庭において、消費者は、異なる飲料原料成分収納容器から、または異なるばら物飲料原料成分から飲料を調製するときに、別個の機械を使用することを望まないであろう。

欧州特許第０３８９１４１号明細書 欧州特許第０３３４５７２号明細書

したがって本発明の目的は、消費者が１台の飲料調製機械で様々な収納容器またはばら物原料成分を使用することができるインサート、飲料調製機械および飲料調製システムを提供することにある。一態様では本発明の目的が、主に剛性または半剛性を有する、または柔軟なカートリッジとともに使用するように設計された飲料調製機械向けのインサートであって、この飲料調製機械が、濾過バッグなどの柔軟な収納容器から飲料原料成分を供給することを可能にするインサートを提供することである。

したがって本発明は、剛性または半剛性を有するカートリッジを受容するのに適した抽出ヘッドを含むタイプの飲料調製機械の中で使用するためのインサートにおいて、前記抽出ヘッドが、前記抽出ヘッドに水を供給するための上向きの注入口と、前記機械によって作り出された飲料を流出させるための下向きの放出口と、開位置および閉位置間で移動可能な閉鎖機構と、を含み、前記インサートが容器と、密封手段とを含み、前記容器は、使用時にある量の飲料原料成分を内部に注入可能な開口を含み、前記インサートの下部は注入口および放出口を含み、前記密封手段は、使用時には前記インサートの前記飲料調製機械の前記抽出ヘッドへの挿入および前記閉鎖機構の前記閉位置への移動に応じて前記抽出ヘッドに対して接触可能およびシール可能となることで前記容器の前記開口を閉鎖して前記ある量の飲料原料成分を収容する抽出容積を画定し、前記インサートの前記抽出ヘッドへの挿入に応じて前記インサートの前記注入口および前記放出口がそれぞれ前記抽出ヘッドの注入口および放出口と連絡するように配置されることで、使用時に、前記抽出ヘッドの前記注入口からの水が前記インサートの前記注入口を上向きに通過して前記抽出容積に入り、水と前記ある量の飲料原料成分とから作り出された飲料が前記インサートの前記放出口を下向きに通過して前記抽出ヘッドの前記放出口から流出するようにしたインサートを提供する。

有利には、このインサートが、剛性、半剛性および柔軟カートリッジを収容するように設計された飲料調製機械から、ある量の飲料原料成分を供給することを可能にし、この場合、飲料原料成分は必ずしもカートリッジの中に含まれていなくてもよい。

使用時にインサートの中に装填されるこのある量の飲料原料成分はばら物とすることができる。例えば、焙煎され粉砕されたばらのコーヒーまたはばらの茶葉をこのインサートに装填することができる。この場合、インサートは、インサートの抽出容積と放出口の間に濾過手段を含むことが好ましい。これは、粉砕された粉または葉がカップに供給されることを防ぐ。あるいは濾過手段は放出口の開口自体を覆うものとすることもできる。

代替態様では、使用時にインサートの中に装填されるこのある量の飲料原料成分が、濾過手段を含む収納容器の中に収納されている。この収納容器は柔軟なものとすることができる。この収納容器は、少なくともその一部を、濾紙または濾過膜から形成することができる。特定の一態様ではこの収納容器が濾過バッグである。有利には、このインサートは、濾過バッグ等のサイズを抽出ヘッドのサイズに正確に合わせる必要なしに、それらのバッグの中の飲料原料成分を供給することを可能にする。

代替態様では、この収納容器が剛性または半剛性を有するカートリッジである。このカートリッジは、半球形、円筒形、円形および正方形のうちのいずれかとすることができる。インサート自体がカートリッジを含んでもよい。これによって飲料調製機械は、その特定の抽出ヘッドに合ったサイズを持たないカートリッジを利用することができる。

容器の開口は、好ましくは上方を向いている。

密封手段は、インサートの上部に配置することができる。密封手段は、好ましくはインサートの上部リムに配置される。あるいは、密封手段は容器とは分離したものとなっている。あるいは、密封手段がインサートの下部位置するものであってもよい。

好ましくは、密封手段は、抽出容積の外周を密封するためのリングシールを含む。密封手段がＯリングを含んでいてもよい。

密封手段はエラストマー材料から形成されるものとすることができる。

容器はカップ形状であってもよい。カップは、抽出ヘッドに挿入されたときに、上方を向いていることが好ましいが、下に向いた状態で配置されるものであってもよい。

好ましくは、インサートが剛性または半剛性を有し、その結果、使用中、飲料調製機械の前記閉鎖機構の閉鎖時に、前記閉鎖機構によってインサートに加えられる圧力は、密封手段が抽出ヘッドを密封するに足る十分な力で、インサートを圧搾（ｓｑｕｅｅｚｅ）する。

インサートは、閉鎖機構の目視窓を密閉可能であってもよい。

好ましくは、インサートが剛性または半剛性を有し、その結果、使用中、飲料調製機械の前記閉鎖機構の閉鎖時に、前記閉鎖機構によってインサートの上部に加えられる圧力は、飲料調製機械の抽出ヘッドの入口に対してインサートの下面を密封する。この圧力は、供給中に、抽出ヘッドとインサートとの間での漏れを防ぐ。

インサートは単一片として形成されるものであり得る。

あるいは、インサートが２片以上から形成されるものであってもよい。

インサートは円盤形とすることができる。

インサートはプラスチックから形成することができる。

インサートの注入口と放出口とは同一平面上にあるものとすることができる。あるいは、インサートの注入口と放出口とが同一平面上にないものでもよい。

インサートは、飲料機械に挿入されたときに、前記機械のバーコードリーダまたはＲＦＩＤリーダの窓を受容する開口を含むことができる。

この開口は、インサートの注入口および放出口と同一平面とすることができる。

好ましくは、インサートの注入口はインサートの外縁または外縁の近くに配置され、インサートの放出口はインサートの中央に配置される。その結果、使用時、インサート内の流れは注入口から放出口へ向かうものとなる。好ましくは、使用時に、インサート内の流れは、注入口から放出口へ、概して内側方向へ向かうものとされる。有利には、中央にある放出口に向かう内側への流れは、飲料調製機械が特にコンパクトなサイズを有することを可能にする。

インサートは、飲料調製機械にインサートを回転可能に取り付けるための手段を含むことができる。好ましくは、回転可能にする手段は、閉鎖機構の閉鎖時にインサートが回転して水平方向を向くことを許容し、その結果、インサートの下面は抽出ヘッドの注入口に対して密封される。回転可能にする手段は、１本または数本の脚を含むことができ、その脚を抽出ヘッドの１つまたは複数のピボット点に取り付け可能で、かつそこを中心に回転可能とすることができる。

好ましくは、インサートはさらに、前記飲料調製機械の動作を制御するためのコーディング手段を含む。このコーディング手段は、バーコードまたは高周波識別装置（ｒａｄｉｏ ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ ｄｅｖｉｃｅ；ＲＦＩＤ）を含むことができる。

インサートは再使用されないものである。インサートの注入口と放出口との少なくとも一方は、初期には破壊し易い膜によって閉鎖されたものとすることができる。

あるいは、インサートを再使用可能なものとすることもできる。容器の注入口をリッドによって開閉可能とすることもできる。リッドは容器に対して押圧または摺動して嵌るものとすることができる。

本発明はまた、飲料調製機械と、前記機械の中で使用するためのインサートとを含み、前記インサートが前述のインサートである飲料調製システムを提供する。 有利には、インサートへの流入が上向きとなり、流出が下向きとなるため、この飲料調製機械は特にコンパクトである。これは、抽出ヘッドの上部が、水、飲料または電力を流すための管路を備える必要性を排除し、その結果、より単純な機械構造および機械の全高の低減が達成される。

好ましくは、飲料調製機械が、剛性または半剛性を有するカートリッジを受容するのに適した抽出ヘッドを含み、抽出ヘッドは、抽出ヘッドに水を供給するための上向きの注入口と、機械によって作り出された飲料を流出させるための下向きの放出口とを含む。

抽出ヘッドの注入口は抽出ヘッドの外縁または外縁の近くに配置することができ、抽出ヘッドの放出口は抽出ヘッドの中央に配置することができる。

抽出ヘッドにインサートが挿入されたときに、インサートの注入口および放出口は、抽出ヘッドの上向きの注入口および下向きの放出口の上にあることが好ましい。

好ましくは、飲料調製機械の抽出ヘッドは閉鎖機構を含み、この閉鎖機構は、抽出ヘッドにインサートを挿入することができる開位置と、閉鎖機構によってインサートが十分な力で圧搾される閉位置との間で移動可能である。十分な力とは、インサートの密封手段が抽出ヘッドを密封して容器の注入口を閉鎖するに足る力である。

好ましくは、飲料調製機械の抽出ヘッドは閉鎖機構を含み、この閉鎖機構は、抽出ヘッドにインサートを挿入することができる開位置と、飲料調製機械の抽出ヘッドの注入口に対してインサートが密封される閉位置との間で移動可能である。

一態様では、抽出ヘッドは、固定された下部と回転可能な上部とを含む。固定された下部は、抽出ヘッドの注入口および放出口を含み、上部は、抽出ヘッドにインサートを挿入することができる開位置、および固定された下部と回転可能な上部の間にインサートが係合された閉位置から、回転可能である。

インサートは、抽出ヘッドに対する回転可能なアタッチメントとすることができ、その結果、開位置から閉位置への抽出ヘッドの上部の回転は、インサートを回転させて固定された下部と接触させる。

あるいは、インサートを、抽出ヘッドの上部が開位置にあるときに、抽出ヘッドの固定された下部の上に直接に位置づけることができる。インサートを抽出ヘッドに取り付ける必要はない。

飲料調製機械は、インサートの表面に位置するバーコードまたはＲＦＩＤを検出するためのリーダを含むことができる。

このシステムはさらに、ある量の飲料原料成分を含むことができる。一態様では、このある量の飲料原料成分が、濾過手段を含む収納容器の中に含まれている。飲料原料成分は、焙煎され粉砕されたコーヒー、茶葉、粉コーヒー、粉茶、クリーマ、カプチーノミックス、チョコレートおよび液体チョコレート、コーヒー、茶ならびにミルクを含むグループから選択することができる。この収納容器は柔軟なものとすることができる。この収納容器は、少なくともその一部を、濾紙または濾過膜から形成することができる。

本発明はさらに、剛性または半剛性を有するカートリッジを受容するのに適した抽出ヘッドを含む飲料調製機械を使用して飲料を供給する方法であって、この抽出ヘッドが、抽出ヘッドに水を供給するための上向きの注入口と、この機械によって作り出された飲料を流出させるための下向きの放出口とを含み、前記方法は、
飲料調製機械の閉鎖機構を開くステップと、
抽出ヘッドにインサートを挿入するステップであって、インサートは、請求項１から４０のいずれかに記載のインサートであり、インサートがある量の飲料原料成分を収納しているものである当該ステップと、
閉鎖機構を閉じて、インサートの密封手段が抽出ヘッドを密封して容器の注入口を閉鎖するに十分な力で、インサートを圧搾するステップと、
飲料調製機械を動作させて、抽出ヘッドの注入口から、インサートの注入口を通して、インサートの抽出容積に水を上向きに通すステップと、
水と飲料原料成分とから形成された抽出容積の中の飲料を、インサートの放出口および抽出ヘッドの放出口を通して下向きに供給するステップと、
を含む方法を提供する。

本発明のインサートには、飲料製品の生成に適した１種または数種の飲料原料成分を装填することができる。この飲料製品は例えば、コーヒー、茶、チョコレート飲料およびミルクを含む乳製品ベースの飲料のうちの１つである。飲料原料成分は、粉末、粉砕されたもの、葉ベースまたは液体とすることができる。飲料原料成分は不溶性でもまたは可溶性でもよい。飲料原料成分の例には、焙煎され粉砕されたコーヒー、茶葉、粉末チョコレートおよびスープ、ミルクベースの液体飲料、炭酸飲料、ならびに濃縮フルーツジュースが含まれる。

以下の説明では、用語「上側」および「下側」ならびにこれらの等価表現が、本発明の特徴部の相対位置を記述するために使用される。用語「上側」および「下側」ならびにこれらの等価表現は、飲料調製機械への挿入およびその後の供給のためのその通常の向きにあるインサート（または他の構成要素）に関することを理解されたい。さらに、用語「内側」および「外側」ならびにこれらの等価表現も、本発明の特徴部の相対位置を記述するために使用される。用語「内側」および「外側」ならびにこれらの等価表現はそれぞれ、インサート（または他の構成要素）の相対位置が、インサート（または他の構成要素）の中心または主軸Ｘにより近い、またはより遠いことに関することを理解されたい。

次に、添付の図面を参照して本発明のいくつかの実施形態を例としてのみ説明する。

飲料調製システム
本発明の飲料調製システムの飲料調製機械２０１を図１ａから図９ｂに示す。飲料調製機械２０１は一般に、水タンク２２０、水ヒータ２２５、水ポンプ２３０、空気圧縮機２３５、制御プロセッサ、ユーザインターフェース２４０および抽出ヘッド２５０を含むハウジング２１０を含む。抽出ヘッド２５０は一般に、ホルダ２５１、認識手段２５２ならびに注入口および放出口穿孔装置（ｐｉｅｒｃｅｒ）２５３、２５４を含む。

飲料調製機械２０１は、図１０から図２１に示されているものなどのカートリッジ１から飲料原料成分を供給することができるように設計される。具体的には、抽出ヘッド２５０が、このようなカートリッジ１を収容し、その中に含まれる飲料原料成分を適切に供給するように設計される。本発明の一態様によれば、抽出ヘッドがさらに、ばら物飲料原料成分と、柔軟なバッグなどの他の収納容器の中に含まれた飲料原料成分の両方を供給することを可能にするインサートが提供される。しかし、飲料調製機械および抽出ヘッドのこの柔軟な動作の理解を助けるため、インサート自体を説明する前に、カートリッジ１の例を最初に説明し、飲料調製機械２０１の中でのカートリッジの使用を説明する。

システムの中で使用されるカートリッジ
図１０から図２１に示すように、カートリッジ１は一般に、外側部材２、内側部材３およびラミネート５を含む。外側部材２、内側部材３およびラミネート５は組み立てられてカートリッジ１を形成し、カートリッジ１は、１種または数種の飲料原料成分を収容するための内部１２０、注入口１２１、放出口１２２、および注入口１２１を放出口１２２につなぐ内部１２０の中を延びる飲料流路を有する。注入口１２１および放出口１２２は当初、ラミネート５によって密封されており、使用時には、ラミネート５に穴をあけまたはラミネート５を切ることによって開かれる。飲料流路は、後に論じる外側部材２、内側部材３およびラミネート５の間の空間的な相互関係によって画定される。任意選択で、後に詳述する濾過材４などの他の構成要素をカートリッジ１に含めてもよい。

カートリッジ１は特に、焙煎され粉砕されたコーヒー、茶葉などの濾過製品を供給する際に使用されるように設計される。しかし、カートリッジ１は、チョコレート飲料、コーヒー、茶、甘味料、コーディアル（ｃｏｒｄｉａｌ）、香味料、アルコール飲料、風味をつけ加えたミルク、フルーツジュース、スカッシュ、ソース、デザートなど、他の製品とともに使用することもできる。

図１５から分かるように、カートリッジ１の全体形状は一般に円形または円盤形であり、カートリッジ１の直径はその高さよりもかなり大きい。図１１に示すように主軸Ｘは外側部材の中心を通る。外側部材２の全体直径は一般に７４．５ｍｍ±６ｍｍであり、全高は１６ｍｍ±３ｍｍである。組み立てられたとき、カートリッジ１の容積は一般に３０．２ｍｌ±２０％である。

外側部材２は一般に、湾曲した環状壁１３、閉じた頂部１１および開いた底部１２を有するお椀形のシェル１０を含む。閉じた頂部１１から開いた底部１２にかけて環状壁１３はラッパ状に広がっているため、外側部材２の頂部１１の直径は底部１２の直径に比べて小さい。環状壁１３と閉じた底部１１は合わせて、内部３４を有する容器を画定する。

閉じた頂部１１には、主軸Ｘを中心に、内側を向いた円筒形の中空延長部分１８が提供される。図１２により明確に示されているが、円筒形延長部分１８は、第１、第２および第３の部分１９、２０および２１を有する段差のついた断面を含む。第１の部分１９は直円柱である。第２の部分２０は円錐台形であり、内側に向かって次第に細くなっている。第３の部分２１も直円柱であり、下面３１によって閉じられている。第１、第２および第３の部分１９、２０および２１の直径は次第に小さくなり、その結果、円筒形延長部分１８の頂部１１から閉じた下面３１にかけて円筒形延長部分１８の直径が小さくなる。円筒形延長部分１８の第２の部分２０と第３の部分２１の間の接合部には、概ね水平な肩３２が形成される。

外側部材２の底部１２の近くに、外側へ延びる肩３３が形成される。この外側へ延びる肩３３は、環状壁１３と同軸の第２の壁１５を形成して、この第２の壁１５と環状壁１３の間にマニホールド１６を形成する環状トラックを画定する。マニホールド１６は外側部材２の周囲を巡っている。マニホールド１６と外側部材２の内部３４との間に気体および液体連絡を提供するため、環状壁１３には、マニホールド１６と同じ高さに一連のスロット１７が提供される。図１３に示すようにスロット１７は、環状壁１３の縦のスリットを含む。２０から４０個のスロットが設けられる。図示の実施形態には、マニホールド１６の円周に沿って、概ね等間隔に３７個のスロット１７が設けられている。スロット１７の長さは１．４から１．８ｍｍであることが好ましい。それぞれのスロットの長さは一般に１．６ｍｍであり、これは外側部材２の全高の１０％に相当する。それぞれのスロットの幅は０．２５から０．３５ｍｍである。それぞれのスロットの幅は一般に０．３ｍｍである。スロット１７の幅は、保管中または使用中に飲料原料成分がスロット１７を通ってマニホールド１６の中に入ることを防ぐために十分に狭いものとなっている。

外側部材２の外縁には注入口室２６が形成される。図１５に最も明確に示されているが、外側部材２の内部３４に注入口室２６を画定し、外側部材２の内部３４から注入口室２６を分ける円筒形の壁２７が提供される。円筒形の壁２７は、主軸Ｘに垂直な平面上に形成された閉じた上面２８と、外側部材２の底部１２と同一の平面にある開いた下端２９とを有する。注入口室２６は、図１１に示された２つのスロット３０を介してマニホールド１６と連絡する。あるいは、マニホールド１６と注入口室２６の間を連絡するのに、１つから４つのスロットを使用してもよい。

外側へ延びる肩３３の下端は、主軸Ｘに垂直に外側へ延びるフランジ３５を備える。フランジ３５は一般に２から４ｍｍの幅を有する。それによって外側部材２を持つことができる取っ手２４を形成するため、フランジ３５の一部が拡大されている。握りをよくするため、取っ手２４は、上に向けられたリム２５を備える。

外側部材２は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはポリエステルから、あるいはこれらのうちの２つ以上の材料からなるラミネートから一体の単一片として形成される。適当なポリプロピレンは、ＤＳＭ ＵＫ Ｌｉｍｉｔｅｄ社（英国Ｒｅｄｄｉｔｃｈ）から入手可能なポリマー群である。外側部材は不透明、透明または半透明とすることができる。製造プロセスは射出成形とすることができる。

図１７から図２０に示すように、内側部材３は、環状のフレーム４１および下方へ延びる円筒形のファンネル４０を含む。図１７に示すように主軸Ｘは内側部材３の中心を通る。

図１８に最もよく示されているが、環状フレーム４１は、等間隔の１０本の放射状スポーク５３によって接合された外側リム５１および内側ハブ５２を含む。内側ハブ５２は円筒形ファンネル４０と一体であり、円筒形ファンネル４０から延びている。環状フレーム４１の放射状スポーク５３と放射状スポーク５３の間に濾過開口５５が形成される。環状フレーム４１の表面に、濾過開口５５を覆うように濾過材（ｆｉｌｔｅｒ）４が配置される。この濾過材は、高い湿潤強さを有する材料、例えばポリエステルの不織繊維材料から作られることが好ましい。使用することができる他の材料には、織られた紙繊維を含むセルロース材料など、水不浸透性のセルロース材料が含まれる。この織られた紙繊維を、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルおよび／またはポリエチレンの繊維と混合することができる。このセルロース材料へのこれらのプラスチック材料の組込みは、このセルロース材料をヒートシール可能（ｈｅａｔ ｓｅａｌａｂｌｅ）にする。濾過材４をさらに、熱および／または圧力によって活性化される材料で処理しまたはコーティングして、濾過材４を熱および／または圧力によって環状フレーム４１に密封することができるようにすることができる。

図１７の断面図に示されているように、内側ハブ５２は外側リム５１よりも低い位置に位置し、その結果、環状フレーム４１は傾斜した下側輪郭を有する。

それぞれのスポーク５３の上面は、環状フレーム４１の上の空間を複数の通路５７に分割する直立したウェブ５４を備える。それぞれの通路５７は、両側面がウェブ５４によって、下面が濾過材４によって境界されている。通路５７は、外側リム５１から円筒形ファンネル４０に向かって下向きに延び、ウェブ５４の内側端によって画定された開口５６のところで円筒形ファンネル４０の中に開いている。

円筒形ファンネル４０は、内側放出スパウト（ｓｐｏｕｔ）４３を取り囲む外側管４２を含む。外側管４２は円筒形ファンネル４０の外面を形成する。放出スパウト４３は、放出スパウト４３の上端で環状フランジ４７によって外側管４２に接合される。放出スパウト４３は、通路５７の開口５６と連絡した注入口４５を上端に含み、調製された飲料がカップまたは他の容器の中に放出される放出口４４を下端に含む。放出スパウト４３は、円錐台形部分４８を上端に含み、円筒形部分５８を下端に含む。円筒形部分５８は、放出口４４に向かって細くなるわずかなテーパを有することができる。円錐台形部分４８は、飲料の乱流を引き起こすことなく通路５７から放出口４４に向かって飲料を下方へ導くのを助ける。円錐台形部分４８の上面は、円筒形ファンネル４０の円周に沿って等間隔に配置された４つの支持ウェブ４９を備える。支持ウェブ４９は互いの間に流路５０を画定する。支持ウェブ４９の上縁は互いに同じ高さにあり、主軸Ｘに垂直である。

内側部材３は、ポリプロピレンまたは前述の同様の材料から、射出成形によって、外側部材２と同じように、一体の単一片として形成することができる。

内側部材３および／または外側部材２はあるいは、生分解性ポリマーから作られたものでもよい。適当な材料の例には、分解性ポリエチレン（例えばＳｙｍｐｈｏｎｙ Ｅｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔａｌ社（英国Ｂｏｒｅｈａｍｗｏｏｄ）によって供給されているＳＰＩＴＥＫ）、生分解性ポリエステルアミド（例えばＳｙｍｐｈｏｎｙ Ｅｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔａｌ社によって供給されているＢＡＫ １０９５）、ポリ乳酸（Ｃａｒｇｉｌ社（米国ミネソタ州）によって供給されているＰＬＡ）、デンプンベースのポリマー、セルロース誘導体およびポリペプチドが含まれる。

ラミネート５は、アルミニウムの第１の層と注型されたポリプロピレンの第２の層の、２つの層から形成される。アルミニウム層の厚さは０．０２から０．０７ｍｍである。注型されたポリプロピレン層の厚さは０．０２５から０．０６５ｍｍである。一実施形態では、アルミニウム層の厚さが０．０６ｍｍ、ポリプロピレン層の厚さが０．０２５ｍｍである。このラミネートは、組立て中のカール（ｃｕｒｌｉｎｇ）に対して高い抵抗性を有するため特に有利である。その結果、ラミネート５は、適切なサイズおよび形状に予め切断し、その後に、歪みを生じることなく、生産ライン上の組立てステーションへ運ぶことができる。したがってラミネート５は溶接に特によく適している。ＰＥＴ／アルミニウム／ＰＰ、ＰＥ／ＥＶＯＨ／ＰＰ、ＰＥＴ／メタライゼーション／ＰＰおよびアルミニウム／ＰＰラミネートを含む他の積層材料を使用することもできる。ラミネートダイカットストック（ｄｉｅ ｃｕｔ ｓｔｏｃｋ）の代わりにロールストック（ｒｏｌｌ ｓｔｏｃｋ）を使用してもよい。

カートリッジ１は、柔軟なラミネートの代わりに剛性または半剛性を有するリッドによって閉じることもできる。
カートリッジ１の組立ては以下のステップを含む。
ａ）外側部材２に内側部材３を挿入する。
ｂ）濾過材４をカットして成形し、次いで、円筒形ファンネル４０越しに受容され、環状フレーム４１に載るようにして内側部材３の上に置く。
ｃ）内側部材３、外側部材２および濾過材４を超音波溶接によって接合する。
ｄ）カートリッジ１に１種または数種の飲料原料成分を充填する。
ｅ）外側部材２にラミネート５を貼り付ける。

次にこれらのステップを詳細に論じる。
開いた底部１２が上を向くように外側部材２を置く。次いで、外側部材２に内側部材３を挿入し、カートリッジ１の頂部１１の軸方向延長部分１４の中に外側リム５１が動きばめで受容されるようにする。同時に、外側部材２の円筒形延長部分１８が、内側部材３の円筒形ファンネル４０の上部の中に受容される。円筒形ファンネル４０の中に、円筒形延長部分１８の第３の部分２１を着座させ、円筒形延長部分１８の閉じた下面３１が内側部材３の支持ウェブ４９の上に支承（ｂｅａｒ）されるようにする。次いで、内側部材３の上に、環状リム５１と接触するように濾過材４を置く。次いで、超音波溶接プロセスを使用して濾過材４を内側部材３に接合し、同時に、同じプロセスステップで、内側部材３を外側部材２に接合する。内側部材３と濾過材４は外側リム５１の周囲で溶接する。内側部材３と外側部材２は、外側リム５１の周囲およびウェブ５４の上縁の溶接線によって接合する。

図２１に最も明確に示されているが、互いに接合されたとき、外側部材２と内側部材３は、内部１２０の中、環状フランジ４１の下、円筒形ファンネル４０の外側に、濾過室を形成する空間１３０を画定する。濾過室１３０と環状フレーム４１の上側の通路５７とは、濾紙４によって分離される。

濾過室１３０は、１種または数種の飲料原料成分２００を含む。この１種または数種の飲料原料成分は濾過室１３０の中に充填される。濾過式の飲料では原料成分が一般に、焙煎され粉砕されたコーヒーまたは茶葉である。濾過室１３０中の飲料原料成分の充填密度は希望に応じて変更することができる。濾過式コーヒー製品では一般に、濾過室が、一般に厚さ５から１４ｍｍの濾過床の中に、焙煎され粉砕されたコーヒーを５．０から１０．２グラム含む。飲料の放出中に乱流を引き起こし、飲料原料成分の沈澱状態を崩すことによって混合を促進するため、適宜、内部１２０は、内部１２０の中で自由に移動可能な球体などの１つまたは複数の物体を含むことができる。

次いで、ラミネート５の周縁に溶接部１２６を形成して、外側へ延びるフランジ３５の下面にラミネート５を接合することによって、外側部材２にラミネート５を貼り付ける。注入口室２６の円筒形の壁２７の下縁に対してラミネート５を密封するように、溶接部１２６を延長する。さらに、ラミネート５と円筒形ファンネル４０の外側管４２の下縁との間に溶接部１２５を形成する。ラミネート５は濾過室１３０の下壁を形成し、さらに注入口室２６および円筒形ファンネル４０を密封する。しかし、供給の前のラミネート５と放出スパウト４３の下縁との間には小さなすき間１２３が存在する。ラミネート５の材料特性に応じて、熱溶接、超音波溶接など、様々な溶接法を使用することができる。

有利には、内側部材３が外側部材２とラミネート５の間に延びる。内側部材３は、ポリプロピレンなどの比較的剛性に富む材料から形成される。そのため、内側部材３は、カートリッジ１が圧縮されたときにラミネート５と外側部材２とを離隔した状態に保つ働きをする荷重支持部材を形成する。カートリッジ１は、使用中に１３０から２８０Ｎの圧縮荷重を受けることが好ましい。この圧縮力は、内部加圧のもとでカートリッジが壊れることを防ぐ働きをし、さらに内側部材３と外側部材２を一体に圧搾する役目を果たす。このことは、カートリッジ１の中の通路および開口の内部寸法が固定され、カートリッジ１の加圧中に変化できないことを保証する。

カートリッジ１を使用するためには、最初にカートリッジ１を飲料調製機械に挿入し、次いで、ラミネート５に孔をあけ折り返す飲料調製機械の穿孔部材によって、注入口１２１および放出口１２２を開く。加圧された水性媒質、一般に水が、注入口１２１を通して、０．１〜２．０ｂａｒの圧力でカートリッジ１の注入口室２６中に入る。この水はそこから、スロット３０を通り、マニホールド１６を回り、複数のスロット１７を通ってカートリッジ１の濾過室１３０に流入する。この水は、濾過室１３０の中を半径方向内側へ押され、濾過室１３０の中に含まれる飲料原料成分２００と混ざり合う。水は同時に、飲料原料成分の中を上方へ押し上げられる。飲料原料成分の中を水が通過したことによって形成された飲料は、濾過材４および濾過開口５５を通過し、環状フレーム４１の上側にある通路５７に入る。スポーク５３に対する濾過材４の密封およびリム５１と外側部材２の溶接は、短絡回路なくすべての飲料が濾過材４を必ず通過することを保証する。

飲料は次いで、ウェブ５４間に形成された半径方向の通路５７に沿って下方へ流れ、開口５６を通って円筒形ファンネル４０に入る。この飲料は、支持ウェブ４７間の流路５０に沿って流れ、放出スパウト４３を下り、放出口４４に達し、そこでカップなどの容器に放出される。

飲料調製機械は、供給サイクルの終わりにカートリッジ１の中に圧縮空気を送り込んで、残った飲料を容器の中へ一気に放出させるエアパージ機能を含むことが好ましい。

前述のカートリッジ１は、飲料調製機械の抽出ヘッドが供給することができるタイプのカートリッジの一例として与えられた。他の飲料タイプ、例えば泡立てられたミルク、エスプレッソスタイルのコーヒー、チョコレート飲料を供給するためには、同様のタイプの他のカートリッジを提供することができる。

飲料調製機械
図１ａに示すように、ハウジング２１０は、機械２０１のその他の構成要素をその中に含み、それらを所定の位置に保持する。ハウジング２１０は、その全体または一部が、ＡＢＳなどの丈夫なプラスチック材料から作られることが好ましい。あるいは、ハウジング２１０全体またはその一部を、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属材料から作ることもできる。ハウジング２１０は、前半体２１１および後半体２１２を有する二枚貝の殻のような設計を含むことが好ましく、前半体２１１および後半体２１２は、組立て中に、機械２０１の構成要素をはめ込むための接近を許し、その後に一体に接合して、ハウジング２１０の内部２１３を画定することができる。後半体２１２は、水タンク２２０を取り付けるための凹み２１４を提供する。ハウジング２１０は、別個のシャーシを必要とすることなく機械２０１の構成要素を所定の位置に保持するために、移動止め（ｄｅｔｅｎｔ）、当接部（ａｂｕｔｍｅｎｔ）、ボスおよびねじ部などの手段を用いて形成される。これは、機械２０１の全体コストおよび重量を低減させる。機械を安定して立てるために、ハウジング２１０のベース２１５は足（ｆｏｏｔ）を備えることが好ましい。あるいは、ベース２１５自体が、安定な支えを形成する形状を有することができる。

ハウジング２１０の前半体２１１は、飲料の供給が行われる供給ステーション２７０を含む。供給ステーション２７０は、ドリップトレイ２７２を形成する中空の内部を有する容器スタンド２７１を含む。容器スタンドの上面２７３は、その上に容器が置かれるグリル２７４を備える。集められた水を空けることを容易にするため、ドリップトレイ２７２はハウジング２１０から取り外すことができる。ハウジング２１０の前半分の容器スタンド２７１の上には、容器の寸法を収容する凹み２７５が形成される。

図１ａおよび１ｂに示すように、抽出ヘッド２５０は、容器スタンドの上のハウジング２１０の頂部の近くに位置する。様々なサイズの容器を収容するために、抽出ヘッド２５０に対してグリル２７４の高さを調節できることが好ましい。供給された飲料が容器と接触するまでに落下しなければならない高さを最小化するため、容器が抽出ヘッド２５０のできるだけ近くにあり、なおかつ、供給ステーション２７０に容器を抜き差しできることが好ましい。これは、飲料のしぶきやはねを最小化し、混入気泡が存在する場合にはその損失を最小限に抑える働きをする。グリル２７４と抽出ヘッド２５０の間に、高さ７０ｍｍから１１０ｍｍの容器を挿入できることが好ましい。

ハウジング２１０の前面には機械ユーザインターフェース２４０が位置し、これは、始動／停止ボタン２４１および複数の状態表示器２４３〜２４６を含む。

状態表示器２４３〜２４６は、機械２０１が始動可能であることを示す発光ダイオード（ＬＥＤ）２４３、機械２０１の動作中にエラーが起こったかどうかを示すＬＥＤ２４４、および機械２０１が手動モードと自動モードのどちらで動作しているかを示す１つまたは複数のＬＥＤ２４５〜２５６を含むことが好ましい。ＬＥＤ２４３〜２４６は一定の強度で発光し、または点滅し、あるいは機械２０１の状態に応じてその両方を行うように制御することができる。ＬＥＤ２４３〜２４６は、緑、赤および黄色を含む様々な色を有することができる。

始動／停止ボタン２４１は供給サイクルの開始を制御し、このボタンは、手で操作する押しボタン、スイッチ等である。

供給される飲料の体積を、他の動作特性を変更することなく機械２０１の使用者が手動で調整することができる体積調整制御機構を提供することができる。この体積調整制御機構は、プラスまたはマイナス２０％の体積調整を可能にすることが好ましい。この体積調整制御機構は、回転つまみ、直線スライダ、増量および減量ボタンを有するデジタル表示器等とすることができる。より一般的には、始動／停止ボタン２４１を使用者が操作することによって体積が制御される。

機械２０１に手動の電源スイッチ（図示せず）を設けることができる。あるいは単純に、主電源から電源プラグを抜き差しすることによって電源を制御するようにすることもできる。

ハウジング２１０の背面には水タンク２２０が位置し、これはハウジング２１０の後半体２１２に接続されている。水タンク２２０は概ね円筒形の胴体２２１を含み、これは、美的理由による希望に応じて直円柱または錐台とすることができる。このタンクは、タンクに水を満たすための注入口を含み、使用時にはこの注入口が、手で取り外すことができるリッド２２２によって閉じられる。タンクの下端の近くに、水ポンプ２３０と連絡した放出口が設けられる。水タンク２２０は、消費者がタンクの中に残っている水の量を見ることができる透明または半透明の材料から作ることができる。あるいは、水タンク２２０を不透明な材料から作り、そこに目視窓を設けてもよい。上記のことに加えて、またはそれらの代わりに、水タンク２２０は、タンクの水位が予め選択された高さまで低下したときに水ポンプ２３０の運転を防止し、適宜ＬＥＤなどの警告表示器を始動させる低水位センサを備えることができる。水タンク２２０は約１．５リットルの内容積を有することが好ましい。

図８に概略的に示すように、水ポンプ２３０は、水タンク２２０と水ヒータ２２５の間に動作可能に接続され、制御プロセッサによって制御される。このポンプは、２．５ｂａｒの最大圧力で９００ｍｌ／分（水）の最大流量を提供する。通常使用では圧力が２ｂａｒに制限されることが好ましい。機械２０１内の水の流量は、制御プロセッサにより、ポンプへの電力供給をサイクルチョッピング（ｃｙｃｌｅ ｃｈｏｐｐｉｎｇ）することによってポンプの最大流量のある割合となるように制御することができる。最大定格流量の１０％、２０％、３０％、４０％、５０％、６０％、７０％、８０％、９０％および１００％のうちの任意の流量でポンプを駆動することができることが好ましい。ポンプによって送られる水量の正確さが＋または−５％であり、それによって供給された飲料の最終体積の正確さが＋または−５％になることが好ましい。適当な１つのポンプは、Ｕｌｋａ Ｓ．ｒ．１．社（イタリア、Ｐａｖｉａ）製のＥｖｏｌｕｔｉｏｎ（ＲＴＭ）ＥＰ８ポンプである。水ポンプ２３０の流線上の上流または下流に、体積流量センサ（図示せず）が提供されることが好ましい。この体積流量センサは回転センサであることが好ましい。

水ヒータ２２５はハウジング２１０の内部に位置する。ヒータ２２５は１５５０Ｗの電力定格を有し、水ポンプ２３０から受け取った水を、約２０℃の出発温度から約８５℃の動作温度まで１分未満で加熱することができる。１回の供給サイクルの終わりから、ヒータ２２５が次の供給サイクルを開始することができるようになるまでのドウェル時間は１０秒未満であることが好ましい。供給サイクル中、ヒータは水温を、選択された温度の＋２℃または−２℃以内に維持する。供給サイクル用の水は、８３℃または９３℃で抽出ヘッド２５０に供給することができる。ヒータ２２５は、送達温度を８５℃の公称水温から８３℃または９３℃にすぐに調整することができる。ヒータ２２５は、温度が９８℃を超えた場合にヒータを停止させる過熱時遮断機構を含む。ヒータ２２５から放出された水は三方弁によって抽出ヘッド２５０に供給される。水流の圧力が許容される圧力の場合、この水はカートリッジ１に渡される。この圧力が所定の限界よりも低いかまたはそれよりも高い場合、この水は、三方弁によって、ドリップトレイ回収容器２７０へ送られる。

空気圧縮機２３５は、一方向弁によって抽出ヘッド２５０に動作可能に接続され、制御プロセッサによって制御される。空気圧縮機２３５は１．０ｂａｒで５００ｍｌ／分（空気）の最大流量を提供する。使用時、３５ｍｌの使用体積（ｗｏｒｋｉｎｇ ｖｏｌｕｍｅ）が２．０ｂａｒまで加圧される。空気圧縮機２３５は、高（または最大）流量と低流量の２段階の流量を生み出すことができることが好ましい。

飲料調製機械２０１の制御プロセッサは処理モジュールおよびメモリを含む。この制御プロセッサは、水ヒータ２２５、水ポンプ２３０、空気圧縮機２３５およびユーザインターフェース２４０に動作可能に接続され、これらの動作を制御する。

制御プロセッサのメモリは、飲料調製機械２０１の１つまたは複数の動作パラメータの１つまたは複数の変量を含む。この動作パラメータは、動作段階中に飲料カートリッジ１を通過する水の温度、飲料カートリッジ１に注入する速度、浸漬ステップの有無、供給される飲料の総体積、放出段階中の水の流量、およびパージ段階の流量および時間である。

これらの動作パラメータの変量はメモリに記憶される。カートリッジ１は、カートリッジ１の表面または内部に、そのカートリッジ１の中の飲料を最適に供給するために必要な動作パラメータを表すコードを含む。このコードは２進形式で書かれており、制御プロセッサのメモリの中に記憶された変量に対応する複数のデータビットを含む。

図４から図７に抽出ヘッド２５０を示す。抽出ヘッド２５０のホルダ２５１は、固定された下部２５５、回転可能な上部２５６、および固定された下部２５５と回転可能な上部２５６の間に配置された回動可能なカートリッジマウント２５７を含む。上部２５６、下部２５５およびカートリッジマウント２５７は、共通の蝶番軸２５８を軸に回転される。図４から図７は、分かりやすくするために機械２０１のいくつかの構成要素が省略されたホルダ２５１を示す。

回転可能な上部２５６および回動可能なカートリッジマウント２５７は、締付け機構２８０によって、固定された下部２５５に対して移動される。締付け機構２８０は、第１および第２の部材または部分２８１および２８２を有する締付けレバーを含む。締付けレバーの第１の部分２８１は、ホルダ２５１の両側にそれぞれ１つずつある２つの第１のピボット点２８３のところで上部２５６に回動可能に取り付けられたＵ字形のアームを含む。

締付けレバーの第２の部分は、ホルダ２５１の両側にそれぞれ１本ずつある２本のオーバーセンターアーム２８２を含み、これらのアームはそれぞれ、固定された下部２５５に上部２５６を結合している蝶番軸２５８上に位置する第２のピボット点２８５のところで、上部２５６に回動可能に取り付けられている。それぞれのオーバーセンターアーム２８２は、シリンダ２８２ａ、ステム２８２ｂおよび弾性スリーブ２８２ｃを含む往復部材である。シリンダ２８２ａは内部ボアを有し、一端が蝶番軸２５８に回転可能に取り付けられている。ステム２８２ｂの第１の端部は、シリンダ２８２ａのボアの中に滑動可能に受け取られる。ステム２８２ｂの反対端は、第３のピボット点２８６のところで、Ｕ字形アーム２８１に回転可能に取り付けられる。第３のピボット点２８６は、上部２５６および下部２５５に接続されておらず、上部２５６および下部２５５に対して自由に移動可能である。弾性スリーブ２８２ｃは、ステム２８２ｂの外側に取り付けられ、使用時には、シリンダ２８２ａとステム２８２ｂの当接面と当接面の間に延びる。弾性スリーブ２８２ｃは、オーバーセンターアーム２８２の収縮を収容するが、伸長構成の方向にオーバーセンターアーム２８２をバイアスする。したがって、シリンダ２８２ａ内でのステム２８２ｂの相対移動によって、第３のピボット点２８６の蝶番軸２５８に近づく方向の移動および蝶番軸２５８から遠ざかる方向の移動が可能である。弾性スリーブ２８２ｃはシリコーンから形成されることが好ましい。図示の実施形態は２本のオーバーセンターアーム２８２を使用するが、１本のオーバーセンターアーム２８２だけを有する閉鎖機構を構成することもできることは明らかである。

Ｕ字形アーム２８１は、ホルダ２５１の前面に沿って延び、垂下した２つのフック部材２８７を、ホルダ２５１の両側にそれぞれ１つずつ含み、それぞれが、蝶番軸２５８の方を向いたカム面２８８を含む。ホルダ２５１の固定された下部２５５は、その前縁２６０または前縁２６０の近くに、フック部材２８７と概ね位置が一致した２つのボス２５９または移動止めを、下部２５５の両側にそれぞれ１つずつ備える。

図４に示すように、Ｕ字形アーム２８１は、このアームと一体の人間工学的な（ｅｒｇｏｎｏｍｉｃ）ハンドグリップおよびフック部材２８７を含む単片プラスチック成形品から形成することができる。

カートリッジマウント２５７は、ホルダ２５１の上部２５６と下部２５５との間に回転可能に取り付けられる。マウント２５７は、使用時に飲料カートリッジ１を受容する実質的に円形の凹み２９０を備える。凹み２９０は、飲料カートリッジ１の取っ手部分２４を収容するための不規則部分２９１を含み、この部分はさらに、ホルダ２５１内での飲料カートリッジ１の回転を妨げる働きをする。カートリッジマウント２５７は、固定された下部２５５から跳ね上げられ、その結果、図７に示された開位置では、カートリッジマウント２５７が、固定された下部２５５と接触しないようにバイアスされ、そのため、カートリッジマウント２５７は、放出口および注入口穿孔装置部材２５４、２５３と接触しないように移動される。カートリッジマウント２５７は、閉位置に移動されたときにカートリッジマウント２５７が、そこを通して、注入口および放出口穿孔装置部材２５３、２５４ならびにカートリッジ認識手段２５２のヘッド３００を受容するための開口２９２を備える。

上部２５５は、円形の目視窓３１２を収容する概ね円形の胴体３１０を含み、消費者は目視窓３１２を通して、供給サイクル中に飲料カートリッジ１を見ることができ、さらに、機械２０１の中にカートリッジ１が装填されているかどうかを視覚的に確認することができる。目視窓３１２は、下向きに延びるリム３１１を有するカップ形である。目視窓３１２は、上部２５５の胴体３１０に対して軸方向に移動することができる。この相対移動を達成する１つの配置は、波形ばね（図示せず）、またはゴム引きした（ｒｕｂｂｅｒｉｓｅｄ）リングなどの同様の弾性手段を、目視窓３１２と円形の胴体３１０との間に配置することである。代替配置では、目視窓３１２と胴体３１０の間に延びる一連の圧縮コイルばね（図示せず）が設けられる。いずれの場合も、これらの弾性手段によって、目視窓３１２が円形の胴体３１０に対して軸方向にわずかに移動することが可能となる。

ホルダ２５１が閉位置にあるとき、目視窓３１２は、飲料カートリッジ１に対して支承され、飲料カートリッジ１を下部２５６に対してバイアスする。一配置では、目視窓のリム３１１が飲料カートリッジのフランジ３５と接触し、これに支承される。同時に、窓３１２はカートリッジ１の閉じた頂部１１と接触する。代替配置では、目視窓３１２がカートリッジ１の閉じた頂部１１と接触するだけで、リム３１１とフランジ３５の間の支承による接触はない。リム３１１によってフランジ３５に加えられる圧力および／または窓３１２によって閉じた頂部１１に加えられる圧力は、カートリッジ１とホルダ２５１の間の流体が通らない緊密なシールを保証する。

下部２５５は、注入口および放出口穿孔装置２５３、２５４ならびにカートリッジ認識手段２５２のヘッド３００を含む。注入口穿孔装置２５３は、使用時に飲料カートリッジ１のラミネート５に孔をあけるための尖端部２６１を有する、中空針に似た管２６０を含む。注入口穿孔装置２５３は、図７に示された水管２６２と流体連通しており、水管２６２は、下部２５５の中を通り、水ヒータ２２５の放出管路２６３に接続されている。放出口穿孔装置２５４は、本明細書の出願人による特許文献１および特許文献２に記載された放出口穿孔装置と同様のタイプの穿孔装置であり、放出スパウト４３よりも大きな寸法を有する円形またはＤ字形断面の端の開いたシリンダ２６４を含む。飲料カートリッジ１のラミネートを突き通して最終的にはカットするために、放出口穿孔装置２５４の上端のアーチ形の部分２６５は鋸歯状である。飲料が放出口を通して供給される前に、カットされたラミネート５を折りたたみまたは引っ張って放出口の開口から遠ざけるために、上端の残りの部分は、少なくとも鋸歯状部分の歯２６６の基部まで、シリンダの縦方向に切り詰められている。放出口穿孔装置２５４は、放出スパウト４３の外側のラミネート５を突き通し、カートリッジマウント２５７が閉位置にあるときに、放出スパウト４３と放出ファンネル４０の外壁４２との間の環状の部分の中に納まる。放出口穿孔装置２５４は、カットされたラミネート１０５をこの環状部分の中に折り返す。それによって放出口穿孔装置２５４とカットされたラミネート１０５はともに、放出された飲料の邪魔にならない位置に保持される。

放出口穿孔装置２５４は、その周囲よりも０．５ｍｍ高いレッジ（ｌｅｄｇｅ）２５４ａによって取り囲まれる。

放出口穿孔装置２５４を例えば食器洗い機の中で徹底的に洗浄することを可能にするために、有利には、放出口穿孔装置２５４を下部２５５から取り外すことができる。取外し可能な放出口穿孔装置２５４は、下部２５５の凹み２６７の中に受容され、そこに着座する。注入口穿孔装置２５３および／または放出口穿孔装置２５４は、ステンレス鋼などの金属、またはプラスチック材料からから製作することができる。有利には、非金属材料によって穿孔しカットすることができるラミネート５の使用によって、プラスチック製のカッティング要素の使用が可能になる。その結果、穿孔装置２５３、２５４をより鋭くないものにすることができ、このことは消費者が負傷する危険性を低下させる。さらに、プラスチック製の穿孔要素は錆びにくい。注入口穿孔装置２５３と放出口穿孔装置２４とは、下部２５５から取り外すことができる一体の単一ユニットとして形成されることが好ましい。

使用時、ホルダ２５１の上部２５６は、上部２５６が垂直にまたは垂直に近い向きに立てられた図１ｂに示された開位置から、上部２５６が実質的に水平方向に向けられ、固定された下部２５５およびカートリッジマウント２５７と互いに係合した閉位置に、移動することができる。上部２５６は、締付けレバーの操作によって開位置から閉位置に移動される。上部２５６を閉じるためには、使用者が、締付けレバーのＵ字形アーム２８１をつかみ、下方へ引く。その結果、上部２５６が回転し、これにより最初に、目視窓３１２のリム３１１が、カートリッジマウント２５７の中の飲料カートリッジ１のフランジ３５と接触し、かつ／または、窓３１２自体が、カートリッジ１の閉じた頂部１１と接触する。上部２５６をさらに回転させると、上部２５６およびカートリッジマウント２５７が下へ回転し、下部２５５と接触する。Ｕ字形アーム２８１をさらに回転させると、Ｕ字形アーム２８１が、上部２５６および下部２５５に対して回転し、その結果、上部２５６のフック部材２８７が、下部２５５のボス２５９と係合し、カム面２８８がボス２５９をまたぐ。この最後の回転段階の間、カートリッジ１は、カートリッジマウント２５７と目視窓３１２の間で圧縮される。その結果、目視窓３１２は、波形ばねまたはコイルばねのバイアスに逆らって、上部２５６の円形の胴体３１０に対して軸方向に移動される。この移動は、飲料カートリッジ１および飲料調製機械の許容誤差の引上を可能にし、カートリッジに加わる圧縮力の量が許容される範囲内に維持されることを保証する。波形ばねまたはコイルばねの作用によって和らげられるこの機構の締付け力は、カートリッジに対する締付け圧を保証する。カートリッジ１のフランジ３５と閉じた頂部１１の両方に支承圧が加えられる配置に関しては、１３０から２８０Ｎの圧力が必要であることが分かっている。この力は約２００Ｎであることが好ましい。約１３０Ｎ未満の力は十分な密封を提供せず、約２８０Ｎを超える力は、カートリッジ１の構成要素のプラスチックの破壊につながる。カートリッジ１の閉じた頂部１１だけに支承圧が加えられる配置に関しては、５０から２８０Ｎの圧力が必要であることが分かった。この配置では、カートリッジ１の密封に対して不利な影響を生じることなく上記よりも低い圧力レベルが可能であることに留意されたい。抽出ヘッドの閉鎖中、カートリッジ１が放出口穿孔装置２５４を取り囲むレッジ２５４ａと接触すると、円筒形ファンネルの外側管４２の遠位端がフランジ３５よりも０．５ｍｍ上方へ移動されるので、カートリッジ１のラミネート５に張力がかかり、それによってラミネート５は平面から屈曲する。この移動はさらに、カートリッジに加えられた大部分の圧縮力が、荷重支持内側部材３を介して、カートリッジ１の中心領域を通して作用することを保証する。したがって閉位置では、目視窓３１２のリム３１１によってカートリッジ１をフランジ３５に沿って固定することができ、カートリッジ１は、目視窓３１２およびレッジ２５４ａとの接触によって、カートリッジの閉じた頂部１１と内側部材３の外側管４２の間で常にしっかりと締め付けられる。これらの締付け力は、加圧中のカートリッジ１の破壊を防ぐのに役立ち、さらに、内側部材３と外側部材２が互いに対して十分に固定され、したがって、内部加圧中であっても、すべての内部通路および開口がそれらの意図された寸法を維持することを保証する。

ホルダ２５１の第１のピボット点２８３と第２のピボット点２８５の間に仮想の基準線を引くことができる。図７から分かるように、開位置では、第３のピボット点２８６が、基準線の固定された下部２５５に近い方の側に位置する。上部２５６が閉位置に到達すると、締付けレバーの第３のピボット点２８６は、第１のピボット点２８３と第２のピボット点２８５を結ぶ基準線を通過して、この線の固定された下部２５５から遠い方の側に移る。その結果、Ｕ字形アーム２８１は第１の安定な位置から第２の安定な位置へ「スナップスルー（ｓｎａｐ ｔｈｒｏｕｇｈ）」する。このスナップスルー動作は、オーバーセンターアーム２８２の収縮および結果として生じる弾性スリーブ２８２ｃの圧縮によって収容される。第３のピボット点２８６が仮想の基準線を通り過ぎると、弾性スリーブ２８２ｃの復元が、仮想の基準線から遠ざかる第３のピボット点２８６の移動を継続させる働きをする。したがって締付けレバーは、開位置または閉位置では安定だが、第１のピボット点２８３と第２のピボット点２８５を結ぶ仮想の基準線上に第３のピボット点２８６があるときには不安定な双安定動作を有する。したがって、締付けレバーのこのスナップスルー動作は、締付けレバーの回転の最終段階において、Ｕ字形アーム２８１および第２のアーム２８４のスナップスルー動作が、フック部材２８７をボス２５９としっかりと係合させる、確定的な閉鎖動作をもたらす積極的な閉鎖機構を提供する。さらに、第１のピボット点２８３と第２のピボット点２８５を結ぶ基準線と一直線に戻るまで第３のピボット点２８６を移動させるためにスリーブ２８２ｃを十分に圧縮するのに最小限の力が必要となるので、弾性スリーブ２８２ｃは、上部２５６が再び開くことに対する抵抗となる。有利には、フック部材２８７とボス２５９の相互係合が、締付けレバーの回転による以外の上部と下部の分離を防ぐ。これは、動作時、抽出ヘッド２５０が内部加圧を受けているときに、抽出ヘッド２５０が開くことを防止するのに役立つ。

認識手段２５２の目的は、機械２０１が、挿入された飲料カートリッジ１のタイプを認識し、それに応じて１つまたは複数の動作パラメータを調整できるようにすることである。一般的な実施形態では、認識手段２５２が、図１０に示すように飲料カートリッジ１のラミネート５の表面に印刷されたバーコード３２０を読み取る光学式バーコードリーダを含む。バーコード３２０は対照的な色の複数のバーから形成される。コントラストを最大にするためにバーが黒、背景が白であることが好ましい。バーコード３２０は、公表された規格に従う必要はないが、ＥＡＮ−１３、ＵＰＣ−ＡまたはＩｎｔｅｒｌｅａｆ ２ ｏｆ ５などのバーコードの標準書式を使用してもよい。光学式バーコードリーダは、バーコード３２０を照らすための１つまたは複数のＬＥＤ３２１、バーコードの像を得るための集束レンズ３２２、得られた像を表わす電気信号を生成するための電荷結合デバイス（ＣＣＤ）３２３、ならびにＬＥＤおよびＣＣＤの支持回路を含む。バーコードリーダを収容するための下部の内部の空間は限られている。１枚または数枚の鏡３２４を使用して、ＬＥＤ３２１からの光を、下部２５５の中に位置しない集束レンズに反射してもよい。概略的な配置が図９ａおよび図９ｂに示されている。下部２５５は、飲料カートリッジ１のバーコード３２０と同じサイズの開口３２６を含む。開口３２６は、バーコードリーダによって生み出される信号を透過することができる窓、好ましくはガラスによって閉じられている。使用時、生み出された電気信号は信号処理ソフトウェアによってデコードされ、その結果が制御プロセッサに転送される。このソフトウェアは、バーコードの読取りにエラーが含まれるかどうかを認識することができる。エラーメッセージを消費者に提示する前に、バーコード３２０を数回スキャンしなおすことができる。機械２０１がバーコードを読み取ることができない場合、消費者は、その飲料カートリッジ１を使用し、手動モードを使用して飲料を供給することができる。あるいは、機械は、カートリッジ１上のＲＦＩＤコードを検出するためのＲＦＩＤリーダを含むことができる。

抽出ヘッド２５０はさらに、ホルダ２５１の中にカートリッジが存在するかどうかを検出するためのカートリッジセンサを含むことができる。

抽出ヘッド２５０はさらに、ホルダ２５１が適切に閉じられているかどうかを検出するロックセンサを含むことができる。ロックセンサは、ホルダ２５１が閉じられロックされたときに始動するマイクロスイッチを含むことが好ましい。両方のセンサの出力が満足のいくものでない限り、すなわちカートリッジが存在し、かつ機構がロックされていない限り、供給サイクルを開始することができないように、カートリッジセンサとロックセンサは直列に接続されることが好ましい。

機械２０１の動作は、抽出ヘッド２５０への飲料カートリッジ１の挿入、飲料が供給される供給サイクルの実行、および機械からのカートリッジ１の取出しを含む。

機械２０１の動作は、制御プロセッサに埋め込まれたソフトウェアによって決定される。

カートリッジ１を挿入するためには、前述のとおりにホルダ２５１を開き、カートリッジマウント２５７を露出させる。次いで、凹み２９０の中に受容され、カートリッジの取っ手２４が不規則部分２９１の中に位置するように、カートリッジマウント２５７の上にカートリッジ１を置く。カートリッジ１の光学または磁気バーコード３２０は、カートリッジマウント２５７の開口３２６の上に直接に配置される。次いで、締付けレバーを前述のように操作することによってホルダ２５１を閉鎖する。閉鎖時に、注入口および放出口穿孔装置２５３、２５４はカートリッジ１のラミネート５に孔をあけて、カートリッジの注入口１２１および放出口１２２を形成する。前述のとおり、放出口穿孔装置２５４によってカットされたラミネート５は、放出スパウト４３を取り囲む環状部分の中へ折り返される。閉鎖されるとホルダ２５１は、リム３５に沿ってカートリッジマウント２５７と上部２５６の間にカートリッジ１を把持し、かつ／または窓３１１とカートリッジ１の頂部１１の間でカートリッジ１を把持して、供給サイクル中に高まる圧力に耐える十分な完全性を有する、流体を通さない緊密なシールを形成する。

動作サイクルを開始するためには、消費者が始動／停止ボタン２４１を操作する。

動作サイクルは、カートリッジ認識ステップおよび放出サイクルを含む。

カートリッジ認識は、カートリッジセンサおよびロックセンサからの出力が満足のいくものであるときに、前述の光学式認識手段２５２によって実行される。バーコード３２０またはＲＦＩＤがデコードされた後、制御プロセッサによって機械２０１の動作パラメータが調整される。次いで放出サイクルが自動的に開始される。

放出サイクルは４つの主要な段階を有する。すべての飲料タイプでこれらがすべて使用されるというわけではない。
（ｉ）予湿（Ｐｒｅ−ｗｅｔ）
（ｉｉ）休止（Ｐａｕｓｅ）
（ｉｉｉ）抽出／混合（Ｂｒｅｗ／Ｍｉｘｉｎｇ）
（ｉｖ）パージ（Ｐｕｒｇｅ）

予湿段階では、水ポンプ２３０によって貯水タンク２２０からカートリッジ１に水が注入される。この水の注入によって、濾過室１３０の中の飲料原料成分２００が湿らされる。この注入は、６００ｍｌ／分の「高」流量または３２５ｍｌ／分の「低」流量で実施することができる。低注入流量は、ある程度希釈してからでないとより高い体積流量でポンピングすることができない粘性の液体飲料原料成分を含むカートリッジに対して特に有用である。カートリッジ１に注入される水の体積は、この段階中にカートリッジ放出口１２２から水または飲料がしたたり落ちないことが保証されるように選択される。

休止段階は、予湿段階中に注入された水の中に飲料原料成分２００を所定の時間漬けることを可能にする。この予湿および浸漬段階はともに、飲料原料成分２００からの抽出可能物（ｅｘｔｒａｃｔｉｂｌｅ）の収率を増大させ、飲料の最終的な風味を向上させることが知られている。予湿および浸漬は特に、飲料原料成分が焙煎され粉砕されたコーヒーである場合に使用される。

抽出／混合段階では、飲料原料成分２００から飲料を作るために、カートリッジ１に水が通される。水の温度は制御プロセッサによって決定され、制御プロセッサは、水タンク２２０から抽出ヘッド２５０へ流れている水を加熱するよう水ヒータ２２５に命令を送る。水は、ホルダ２５１の下部２５５に入り、管路２６２を通り、注入口弁および注入口穿孔装置２５３を経て、飲料カートリッジ１の注入口室１２６に入る。抽出および／または混合、ならびにその後の飲料カートリッジ１からの飲料の供給は、飲料カートリッジ１の説明について先述したとおりである。

エアパージは、すべての飲料が供給され流路が空になって、別の飲料を供給する準備が整うことを保証するために、飲料調製機械および飲料カートリッジ１の中に加圧された空気を吹き込むことを含む。大部分の流体が流路を空にすることを可能にするため、エアパージは抽出／混合段階の停止後すぐには始まらない。これは、エアパージの開始時の内部圧力の受け入れがたい急上昇を防ぐ。

通常動作において、使用者は、始動／停止ボタン２４１を操作することによって機械２０１を手動で停止させる。

動作サイクルが完了した後、消費者は、ホルダ２５１を開け、カートリッジを手で取り出し、廃棄することによって、カートリッジ１を除去する。あるいは、ホルダ２５１を開けるとカートリッジを自動的に除去する自動排出機構を機械２０１が備えられてもよい。

システムの中で使用されるインサート
前述の飲料調製機械の中で使用される本発明の一態様に基づくインサート４００を図２２から図２４に示す。

インサート４００は概して、先に説明した形態を有する。しかし、インサート４０１に直立した円筒状延長部分４０１を設け、使用時にある量の飲料原料を収容可能な容器が画成されるようにしてもよい。ゴム引きした、またはエラストマー製の「Ｏ」リング４０３の形態の密封手段が、開放された延長部分４０１の上部リムに挿入されまたは取り付けられる。Ｏリング４０３は延長部分４０１に対し取外し可能であっても、または恒久的に取り付けられるものであってもよい。あるいは、Ｏリング４０２は、抽出ヘッド、例えば目視窓３１２に取り付けられるものでもよい。

マウント２５７と同様、インサート４００は、垂下した２本の脚４０７を含み、これらはその引き出し端（ｄｉｓｔｉｌ ｅｎｄ）にＣ字形のクリッピング手段４０６を有する。該手段は、飲料調製機械２０１のマウント２５７を取り付けるために先に説明した方法と同じ方法で飲料調製機械２０１のピボット軸に取り付けるためのものである。インサート４００は、延長部分４０１によって画成される容器の外縁の近くに注入口開口４０５を備え、容器の中央に放出口開口４０４を備える。図２３に、インサート４００を下から見た図を示す。図示のように、注入口開口４０５を皿形の凹みによって取り囲むことができる。あるいは、注入口開口４０５を平らな平面上の単純な穴とすることができる。インサート４００の下面４１７はさらに、前述のカートリッジ１のバーコードまたはＲＦＩＤの読取りと同じ方法で飲料調製機械２０１のバーコードリーダまたはＲＦＩＤリーダによって読み取るためのバーコードまたはＲＦＩＤを受容する凹み４１５を備える。あるいは、凹み４１５を必要とすることなくインサート４００の下面４１７に直接バーコードが適用されてもよい。

インサート４００の放出口開口４０４は、垂下した円筒形の延長部分４１０を備え、取外し可能な注入口および放出口穿孔装置２５３、２５４を取り外すことによって、延長部分４１０は、抽出ヘッドの閉鎖後に図２４に示すように収容される。

使用時、インサート４００は抽出ヘッド２５５とともに、インサート４００の注入口開口４０５によって提供される注入口およびインサート４００の放出口開口４０４によって提供される放出口を有する抽出容積を画定する。抽出容積への注入口は上向きであり、抽出容積からの放出口は下向きであることを理解されたい。

機械の閉鎖機構が閉鎖されると、「Ｏ」リング４０３が抽出容積を取り囲む周縁シールを提供して、インサート４００の端から流体が漏れることを防ぐ。

図２４に示すように、回転可能なマウント２５７ならびに取外し可能な注入口および放出口穿孔装置２５３、２５４の代わりに、インサート４００を、前述のタイプの飲料調製機械に挿入することができる。マウント２５７と同様に、インサート４００は、飲料調製機械のピボットアクセスを軸に回転可能である。

使用時、延長部分４０１により画成される容器内に飲料原料が位置するようにして、インサート４００によって画定された抽出容積の中にある量の飲料原料成分が装填される。この装填操作は、飲料調製機械にインサート４００を取外し可能に取り付ける前または後に実施することができる。好ましくは、インサート４００が飲料調製機械２０１に取り付けられたままにされ、使用者が、このある量の飲料原料成分を容器に装填する。

この飲料調製機械の閉鎖機構の動作は前述のものとまったく同じである。具体的には、閉鎖機構の閉鎖時に抽出ヘッドが、インサート４００の延長部分４０１およびＯリング４０３に下向きの圧力を加えることで、インサートを抽出ヘッドに対してシールすることに留意されたい。この圧力は、延長部分４０１の構造および寸法付けに応じ、目視窓３１１の頂部によって、または目視窓の垂下したリムによってリムに加えられるものでもよい。さらに、飲料調製機械の閉鎖機構によって加えられた下向きの圧力は、抽出ヘッドの固定された下部２５５に対してインサート４００の下面４１７を密封し、それによってインサート４００の注入口開口４０５と抽出ヘッドの上向きの注入口との間の密封を保証して、供給中にこの位置から水が漏れないことを保証する。抽出ヘッド２５０の下部２５５は、その上向きの注入口とインサート４００との間に改良されたシールを生み出すため、この注入口のところに、下部２５５の平面からわずかに突き出た、ゴム引きのシール４２０を備えることが好ましい。

インサート４００の抽出容積に装填される飲料原料成分はばら物とし、または濾紙でできた柔軟な濾過バッグなどの収納容器の中に含まれたものとすることができる。濾過バッグの使用は、飲料原料成分の装填がごく短時間ですみ、供給後の飲料原料成分の除去がより容易となるという利点を有する。

供給中に、飲料調製機械は、抽出ヘッド２５０の上向きの注入口から抽出容積の中へ水を上方へ注入する。この水は、抽出容積中に保持されたある量の飲料原料成分と混ざり合い、その結果得られた飲料は、放出口開口４０４を下方へ通過して、抽出ヘッド２５０の下に位置する容器の中に供給される。飲料調製機械の動作の他の態様は、カートリッジの動作に関して先に説明したものと同じである。具体的には、飲料調製機械の認識手段を使用して、下面、好ましくは凹み４１５の中に位置するバーコードまたはＲＦＩＤを読み取ることができる。

インサート４００は特に、濾過バッグなどの収納容器の中に含まれた飲料原料成分とともに使用するためのものとして説明した。先に指摘したとおり、飲料原料成分はあるいはばら物の形態でもよい。この場合、残留飲料原料成分の放出を防ぐために、インサート４００の中に別個の濾過材を提供することができる。好ましい１つの配置は、放出口開口４０４の上端を横切って平面状の濾過材を配置するものである。

閉鎖機構によって生み出された下向きの圧力をシール４０３および抽出ヘッドの下部２５５に伝えて良好な密封を保証することができるようにする目的で、インサート４００は剛性または半剛性を有するものであることが有利であることを理解されたい。

インサート４００の中の流れは概して、注入口４０５から放出口４０４へ向かう内側方向である。さらに、有利には、注入口４０５と放出口４０４の両方が部分４０２に設けられるため、インサート４００の構造が単純化される。

以上の説明では、インサートを抽出容積を画定するものとして説明した。このインサートおよび飲料調製機械は、本発明の範囲から逸脱することなく、抽出を必要としないが、その代わりに、水に溶解され、水で希釈されまたは他の方法で水と混合される必要がある飲料原料成分とともに使用することができることを理解されたい。

上記の例ではインサートを特に、機械２０１のマウント２５７の代替物として説明した。しかし、このインサートは、特許請求の範囲に記載されているように、ばら物の形態の飲料原料成分または柔軟なバッグなどの収納容器の中に含まれた飲料原料成分（これに限られるものでもない）の供給を可能にする、飲料調製機械に挿入可能な任意の物品の形態をとることができることを理解されたい。また、この物品が飲料調製機械に取り付けられるか否かは問わない。

本発明の飲料調製機械の正面側からの斜視図である。 抽出ヘッドが開位置にある、図１ａの機械の正面側からの斜視図である。 分かりやすくするためにいくつかの部品が省略された、図１ａの機械の背面側からの斜視図である。 分かりやすくするためにいくつかの部品が省略された、図１ａの機械の背面側から見た別の斜視図である。 分かりやすくするためにいくつかの部品が省略された、図１ａの機械の抽出ヘッドの斜視図である。 分かりやすくするためにいくつかの部品が省略された、図１ａの機械の抽出ヘッドの別の斜視図である。 閉位置にある抽出ヘッドの断面図である。 カートリッジを含む、開位置にある抽出ヘッドの断面図である。 図１ａの機械の概略的なレイアウトである。 図１ａの機械の第１のコード認識手段の概略的なレイアウトである。 図１ａの機械の第２のコード認識手段の概略的なレイアウトである。 バーコードを含む本発明の飲料の平面図である。 本発明の飲料調製機械の中で使用することができるカートリッジの外側部材の断面図である。 内側へ延びる円筒形の延長部分を示す、図１１の外側部材の細部の断面図である。 スロットを示す、図１１の外側部材の細部の断面図である。 図１１の外側部材の上からの透視図である。 逆さにした図１１の外側部材の上側からの斜視図である。 図１１の外側部材の上からの平面図である。 カートリッジの内側部材の断面図である。 図１７の内側部材の上側からの斜視図である。 逆さにした図１７の内側部材の上側からの斜視図である。 図１７の内側部材の上からの平面図である。 組み立てられた状態のカートリッジの断面図である。 本発明に基づくインサートの上側からの斜視図である。 図２２のインサートの下側からの斜視図である。 図２２のインサートの収容を図示した、開位置にある飲料調製機械の抽出ヘッドの断面図である。

Claims (56)

1. 剛性または半剛性を有するカートリッジを受容するのに適した抽出ヘッドを含むタイプの飲料調製機械の中で使用するためのインサートにおいて、前記抽出ヘッドが、前記抽出ヘッドに水を供給するための上向きの注入口と、前記機械によって作り出された飲料を流出させるための下向きの放出口と、開位置および閉位置間で移動可能な閉鎖機構と、を含み、前記インサートが容器と、密封手段とを含み、前記容器は、使用時にある量の飲料原料成分を内部に注入可能な開口を含み、前記インサートの下部は注入口および放出口を含み、前記密封手段は、使用時には前記インサートの前記飲料調製機械の前記抽出ヘッドへの挿入および前記閉鎖機構の前記閉位置への移動に応じて前記抽出ヘッドに対して接触可能およびシール可能となることで前記容器の前記開口を閉鎖して前記ある量の飲料原料成分を収容する抽出容積を画定し、前記インサートの前記抽出ヘッドへの挿入に応じて前記インサートの前記注入口および前記放出口がそれぞれ前記抽出ヘッドの注入口および放出口と連絡するように配置されることで、使用時に、前記抽出ヘッドの前記注入口からの水が前記インサートの前記注入口を上向きに通過して前記抽出容積に入り、水と前記ある量の飲料原料成分とから作り出された飲料が前記インサートの前記放出口を下向きに通過して前記抽出ヘッドの前記放出口から流出するようにしたことを特徴とするインサート。
2. 使用時に前記容器の中に装填される前記ある量の飲料原料成分はばら物であることを特徴とする請求項１に記載のインサート。
3. 前記インサートの前記抽出容積と前記放出口の間に濾過手段を含むことを特徴とする請求項２に記載のインサート。
4. 使用時に前記容器の中に装填される前記ある量の飲料原料成分は、濾過手段を含む収納容器の中に含まれていることを特徴とする請求項１に記載のインサート。
5. 前記収納容器は柔軟であることを特徴とする請求項４に記載のインサート。
6. 前記収納容器は、少なくともその一部が、濾紙または濾過膜から形成されていることを特徴とする請求項４または請求項５に記載のインサート。
7. 前記収納容器は濾過バッグであることを特徴とする請求項４ないし請求項６のいずれかに記載のインサート。
8. 前記収納容器は剛性または半剛性を有するカートリッジであることを特徴とする請求項４に記載のインサート。
9. 前記カートリッジは、半球形、円筒形、円形および正方形のうちのいずれかであることを特徴とする請求項８に記載のインサート。
10. 前記容器の開口は上向きであることを特徴とする請求項１ないし請求項９のいずれかに記載のインサート。
11. 前記密封手段は、前記インサートの上部に位置することを特徴とする請求項１ないし請求項１０のいずれかに記載のインサート。
12. 前記密封手段は、前記インサートの上部リムに位置することを特徴とする請求項１１に記載のインサート。
13. 前記密封手段は前記容器と分離していることを特徴とする請求項１ないし請求項１１のいずれかに記載のインサート。
14. 前記密封手段は、前記抽出容積の外周を密封するためのリングシールを含むことを特徴とする請求項１ないし請求項１３のいずれかに記載のインサート。
15. 前記密封手段はＯリングを含むことを特徴とする請求項１４に記載のインサート。
16. 前記密封手段はエラストマー材料から形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項１５のいずれかに記載のインサート。
17. 前記容器はカップの形状であり、該カップは、前記インサートが前記機械に配置されたときに上または下向きとなることを特徴とする請求項１ないし請求項１６のいずれかに記載のインサート。
18. 前記インサートが剛性または半剛性を有することで、使用中、前記飲料調製機械の閉鎖機構の閉鎖時に、前記閉鎖機構によって前記インサートに加えられる圧力が、前記密封手段が前記抽出ヘッドを密封するに足る十分な力で、前記インサートを圧搾することを特徴とする請求項１ないし請求項１７のいずれかに記載のインサート。
19. 前記インサートは前記閉鎖機構の目視窓をシール可能であることを特徴とする請求項１８に記載のインサート。
20. 前記インサートが剛性または半剛性を有することで、使用中、前記飲料調製機械の閉鎖機構の閉鎖時に、前記閉鎖機構によって前記インサートに加えられる圧力により、前記飲料調製機械の前記抽出ヘッドの前記注入口に対して前記インサートの前記下部を密封することを特徴とする請求項１ないし請求項１９のいずれかに記載のインサート。
21. 前記インサートは単一片として形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項２０のいずれかに記載のインサート。
22. 前記インサートは２片以上で形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項２０のいずれかに記載のインサート。
23. 前記インサートは円盤形であることを特徴とする請求項１ないし請求項２２のいずれかに記載のインサート。
24. プラスチックで形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項２３のいずれかに記載のインサート。
25. 前記インサートの前記注入口と放出口は同一平面上にあることを特徴とする請求項１ないし請求項２４のいずれかに記載のインサート。
26. 前記飲料機械に前記インサートが挿入されたときに、前記機械のバーコードリーダまたはＲＦＩＤリーダの窓を受容する開口をさらに含むことを特徴とする請求項１ないし請求項２５のいずれかに記載のインサート。
27. 前記開口は、前記インサートの前記注入口および放出口と同一平面上にあることを特徴とする請求項２６に記載のインサート。
28. 前記インサートの前記注入口は前記インサートの外縁または外縁の近くに配置され、前記インサートの前記放出口は前記インサートの中央に配置されていることを特徴とする請求項１ないし請求項２７のいずれかに記載のインサート。
29. 使用時、前記インサート内の流れは前記注入口から前記放出口へ向かうことを特徴とする請求項１ないし請求項２８のいずれかに記載のインサート。
30. 使用時、前記インサートの中の流れは、前記注入口から前記放出口へ、概して内側方向へ向かうことを特徴とする請求項２９に記載のインサート。
31. 前記飲料調製機械に前記インサートを回転可能に取り付けるための手段をさらに含むことを特徴とする請求項１ないし請求項３０のいずれかに記載のインサート。
32. 前記回転可能手段は、前記閉鎖機構の閉鎖時に前記インサートが回転されて水平方向を向くことを可能とし、これにより前記インサートの下面が前記抽出ヘッドの前記注入口に対して密封されることを特徴とする請求項３１に記載のインサート。
33. 前記回転可能とする手段は１以上の脚を含み、該１以上の脚は、前記抽出ヘッドの１以上のピボット点に取り付け可能で、かつそこを中心に回転可能であることを特徴とする請求項３１または請求項３２に記載のインサート。
34. 前記飲料調製機械の動作を制御するためのコーディング手段をさらに含むことを特徴とする請求項１ないし請求項３３のいずれかに記載のインサート。
35. 前記コーディング手段は、バーコードまたは高周波識別装置を含むことを特徴とする請求項３４に記載のインサート。
36. 再使用されないものであることを特徴とする請求項１ないし請求項３５のいずれかに記載のインサート。
37. 前記インサートの前記注入口および放出口の少なくとも一方は、初期には破壊し易い膜によって閉鎖されていることを特徴とする請求項３６に記載のインサート。
38. 再使用可能であることを特徴とする請求項１ないし請求項３５のいずれかに記載のインサート。
39. 前記インサートの前記開口は、リッドにより閉鎖できることを特徴とする請求項３８に記載のインサート。
40. 前記リッドは前記容器に対して押圧または摺動して嵌るものであることを特徴とする請求項３９に記載のインサート。
41. 飲料調製機械と、該機械の中で使用するためのインサートとを含み、該インサートは、請求項１ないし請求項４０のいずれかに記載のインサートであることを特徴とする飲料調製システム。
42. 前記飲料調製機械は、剛性または半剛性を有するカートリッジを受容するのに適した抽出ヘッドを含み、該抽出ヘッドは、これに水を供給するための上向きの注入口と、機械によって作り出された飲料を流出させるための下向きの放出口とを含むことを特徴とする請求項４１に記載の飲料調製システム。
43. 前記抽出ヘッドの前記注入口は前記抽出ヘッドの外縁または外縁の近くに配置され、前記抽出ヘッドの前記放出口は前記抽出ヘッドの中央に配置されることを特徴とする請求項４２に記載の飲料調製システム。
44. 前記抽出ヘッドに前記インサートが挿入されたときに、前記インサートの前記注入口および放出口は、前記抽出ヘッドの上向きの注入口および下向きの放出口の上に位置することを特徴とする請求項４２または請求項４３に記載の飲料調製システム。
45. 前記飲料調製機械の前記抽出ヘッドは閉鎖機構を含み、該閉鎖機構は、前記抽出ヘッドに前記インサートを挿入することができる開位置と、前記密封手段が前記抽出ヘッドを密封して前記容器の前記注入口を閉鎖するに十分な力で、前記閉鎖機構によって前記インサートが圧搾される閉位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項４２ないし請求項４４のいずれかに記載の飲料調製システム。
46. 前記飲料調製機械の前記抽出ヘッドは閉鎖機構を含み、該閉鎖機構は、前記抽出ヘッドに前記インサートを挿入することができる開位置と、前記飲料調製機械の前記抽出ヘッドの前記注入口に対して前記インサートが密封される閉位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項４２ないし請求項４４のいずれかに記載の飲料調製システム。
47. 前記抽出ヘッドは、固定された下部と回転可能な上部とを含み、前記固定された下部は、前記抽出ヘッドの前記注入口および放出口を含み、前記上部は、前記抽出ヘッドに前記インサートを挿入することができる開位置、および前記固定された下部と前記回転可能な上部の間に前記インサートが係合された閉位置から回転可能であることを特徴とする請求項４２ないし請求項４６のいずれかに記載の飲料調製システム。
48. 前記インサートは、前記抽出ヘッドに対して回転可能なアタッチメントであり、前記開位置から前記閉位置への前記抽出ヘッドの前記上部の回転によって、前記インサートが回転して前記固定された下部と接触することを特徴とする請求項４７に記載の飲料調製システム。
49. 前記インサートは、前記抽出ヘッドの前記上部が前記開位置にあるときに、前記抽出ヘッドの前記固定された下部の上に直接配置可能であることを特徴とする請求項４７に記載の飲料調製システム。
50. 前記飲料調製機械は、前記インサートに配置されたバーコードまたは高周波識別装置を検出するためのリーダを含むことを特徴とする請求項４１ないし請求項４９のいずれかに記載の飲料調製システム。
51. ある量の飲料原料成分をさらに含むことを特徴とする請求項４１ないし請求項５０のいずれかに記載の飲料調製システム。
52. 前記ある量の飲料原料成分は、濾過手段を含む収納容器の中に収納されていることを特徴とする請求項５１に記載の飲料調製システム。
53. 前記飲料原料成分は、焙煎され粉砕されたコーヒー、茶葉、粉コーヒー、粉茶、クリーマ、カプチーノミックス、チョコレートおよび液体チョコレート、コーヒー、茶ならびにミルクを含むグループから選択されることを特徴とする請求項５１または請求項５２に記載の飲料調製システム。
54. 前記収納容器は柔軟であることを特徴とする請求項５２または請求項５３に記載の飲料調製システム。
55. 前記収納容器は、少なくともその一部が、濾紙または濾過膜から形成されていることを特徴とする請求項５２ないし請求項５４のいずれかに記載の飲料調製システム。
56. 剛性または半剛性を有するカートリッジを受容するのに適した抽出ヘッドを含む飲料調製機械を使用して飲料を供給する方法であって、前記抽出ヘッドが、前記抽出ヘッドに水を供給するための上向きの注入口と、前記機械によって作り出された飲料を流出させるための下向きの放出口とを含み、前記方法は、
    前記飲料調製機械の閉鎖機構を開くステップと、
    前記抽出ヘッドにインサートを挿入するステップであって、前記インサートが、請求項１ないし請求項４０のいずれかに記載のインサートにしてある量の飲料原料成分を収納しているものである当該ステップと、
    前記閉鎖機構を閉じて、前記インサートの前記密封手段が前記抽出ヘッドを密封して前記容器の前記注入口を閉鎖するに十分な力で前記インサートを圧搾するステップと、
    前記飲料調製機械を動作させて、前記抽出ヘッドの前記注入口から、前記インサートの前記注入口を通して、前記インサートの前記抽出容積に水を上向きに通すステップと、
    前記水と前記飲料原料成分とから形成された前記抽出容積の中の飲料を、前記インサートの前記放出口および前記抽出ヘッドの前記放出口を通して下向きに供給するステップと、
    を含んでいることを特徴とする方法。

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