JP4606904B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用操舵装置に関するものである。
運転者の操舵に関する負担を軽減する装置として、運転者がステアリングホイールを操作したときに操舵力をアシストする周知のパワーステアリング装置や、車両進行方向道路の車線を検知し該車線に沿って車両が走行するように操舵を補助する操舵装置(以下、レーンキープ・アシストシステム、略してLKASと称す)が知られている。
一般に、パワーステアリング装置はステアリングモータ(転舵アクチュエータ)によって補助操舵力を発生させるが、このステアリングモータをレーンキープ・アシストシステムのアシスト用アクチュエータとして兼用する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
この場合、パワーステアリング装置においては、操舵入力(例えば、操舵トルク)に応じてステアリングモータの目標電流(目標制御量)を算出してステアリングモータを制御しており、レーンキープ・アシストシステムを作動させるときには、車両と車線の位置関係に応じて算出された補正値に基づいて前記目標電流を補正している。
特許第3314866号公報
このようにパワーステアリング装置とレーンキープ・アシストシステムのアクチュエータを兼用した場合に、操舵入力を検出する操舵入力検出手段(例えば、操舵トルクセンサ)の出力信号線が破断してショートするなどの故障により、操舵入力検出手段から制御装置への入力信号が殆どゼロになると、運転者がハンドル操作に違和感を覚える虞がある。
詳述すると、操舵入力検出手段の出力信号に基づいてステアリングモータの目標電流(すなわち、アシスト量)を決定するパワ−アシスト機能では、操舵入力検出手段から制御装置への入力信号が殆どゼロになると、ステアリングモータの目標電流はほぼゼロに設定される。一方、このようなときであっても、レーンキープアシスト機能では、車両と車線との位置関係に応じて算出された補正値に基づいて目標電流の補正を行う。そのため、パワ−アシスト機能が殆ど喪失されているときに、例えば車両が車線の右側に寄り過ぎているため、レーンキープアシスト機能によって車両を車線中央方向に戻すように操舵アシストが行われると、運転者がハンドルを右に切っているときにはパワ−アシスト機能が機能していないときよりもさらに操舵が重く感じられ、運転者がハンドルを左に切っているときには操舵が軽く感じられて、運転者が違和感を覚えることがある。
そこで、この発明は、レーンキープ・アシストシステムの作動時に故障によって操舵入力の検出が困難になったときにも操舵に違和感が感じられない車両用操舵装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の転舵輪を転舵する転舵アクチュエータ(例えば、後述する実施例におけるステアリングモータ10)と、運転者の操舵入力(例えば、後述する実施例における操舵トルク)を検出する操舵入力検出手段(例えば、後述する実施例における操舵トルクセンサ16)と、前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力に応じて前記転舵アクチュエータに対する目標制御量(例えば、後述する実施例におけるEPSアシスト目標電流Ia)を算出する第1制御手段(例えば、後述する実施例におけるEPSアシストトルク算出部41)と、前記車両と車両進行方向車線との位置関係を認識し該位置関係に応じて算出される補正値(例えば、後述する実施例におけるLKASアシスト目標電流IL)に基づいて前記目標制御量を補正する第2制御手段(例えば、後述する実施例におけるLKASアシストトルク算出部42、補正係数算出部43)と、を備え、前記目標制御量にしたがって前記転舵アクチュエータを制御する車両用操舵装置において、前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が基準範囲内の状態が第1設定時間以上継続したときに、前記第1設定時間を超えた継続時間に応じて前記第2制御手段の補正量を低減することを特徴とする。
このように構成することにより、操舵入力検出手段で検出された操舵入力が基準範囲内の状態が第1設定時間以上継続したときは、何らかの原因により操舵入力検出手段からの入力に障害があると疑われるので、このときには前記第2制御手段の補正量を低減することで、車両と車両進行方向車線との位置関係に基づく転舵アクチュエータに対する制御への影響を弱めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記基準範囲内の状態が第1設定時間よりも長い第2設定時間以上継続したときには、前記操舵入力検出手段または操舵入力検出手段からの入力に障害があると判定し、前記第2制御手段による補正を停止することを特徴とする。
このように構成することにより、操舵入力検出手段または操舵入力検出手段からの入力に障害があるか否かを高精度で判定することができ、障害があると判定されたときには、車両と車両進行方向車線との位置関係に基づく転舵アクチュエータに対する制御への影響をなくすことができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記第1設定時間から第2設定時間の間に前記基準範囲から外れたときには、前記第2制御手段の補正量を徐々に前記第1設定時間経過前の通常の補正量に戻していくことを特徴とする。
このように構成することにより、入力障害の疑いがなくなった時点で、転舵アクチュエータの制御を通常の状態に迅速に復帰することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記第1設定時間から第2設定時間の間に前記基準範囲から外れた度合いが大きいほど、前記通常の補正量に戻るまでの時間を短くすることを特徴とする。
このように構成することにより、入力障害の疑いが晴れた時点で、転舵アクチュエータの制御を通常の状態に、より迅速に復帰することができる。
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記第2制御手段の補正量を前記通常の補正量に戻している状態であるときに、前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記基準範囲内となった場合には、該基準範囲内となってから前記第1設定時間よりも短い所定時間経過後に該基準範囲内になってからの継続時間に応じて前記第2制御手段の補正量を低減することを特徴とする。
このように構成することにより、第2制御手段の補正量を通常の補正量に戻している状態であるときに、操舵入力検出手段で検出された操舵入力が基準範囲内となった場合には、早めに第2制御手段の補正量を低減することで、車両と車両進行方向車線との位置関係に基づく転舵アクチュエータに対する制御への影響を迅速に弱めることができる。
請求項1に係る発明によれば、操舵入力検出手段からの入力に障害があると疑われるときに、車両と車両進行方向車線との位置関係に基づく転舵アクチュエータに対する制御への影響を弱めることができる。
請求項2に係る発明によれば、操舵入力検出手段または操舵入力検出手段からの入力に障害があるか否かを高精度で判定することができるので、誤判定を防止することができる。また、前記障害があると判定されたときには、車両と車両進行方向車線との位置関係に基づく転舵アクチュエータに対する制御への影響をなくすことができるので、操舵入力検出手段からの入力に障害が発生したときに、レーンキープアシスト機能による操舵違和感を低減することができる。
請求項3あるいは請求項4に係る発明によれば、入力障害の疑いがなくなった時点で、転舵アクチュエータの制御を通常の状態に迅速に復帰することができる。
請求項5に係る発明によれば、入力障害の疑いが複数回目のときに、車両と車両進行方向車線との位置関係に基づく転舵アクチュエータに対する制御への影響を迅速に弱めることができる。
以下、この発明に係る車両用操舵装置の一実施例を図1から図5の図面を参照して説明する。
この車両用操舵装置は、運転者がステアリングホイールを操作したときに操舵力をアシストする所謂パワーステアリング装置としての機能(以下、パワーアシスト機能という)と、車両進行方向道路の車線に沿って車両が走行するように操舵を補助する機能(以下、レーンキープアシスト機能という)を備えている。
図1に示すように、この車両用操舵装置は手動操舵力発生機構1を備えており、この手動操舵力発生機構1は、ステアリングホイール(操作子)3に一体結合されたステアリングシャフト4が、ユニバーサルジョイントを有する連結軸5を介してラック&ピニオン機構のピニオン6に連結されて構成されている。ピニオン6は、車幅方向に往復動し得るラック軸7のラック7aに噛合し、ラック軸7の両端には、タイロッド8,8を介して転舵輪としての左右の前輪9,9が連結されている。この構成により、ステアリングホイール3の操舵時に通常のラック&ピニオン式の転舵操作が可能であり、前輪9,9を転舵させて車両の向きを変えることができる。ラック軸7とタイロッド8,8は転舵機構を構成する。
また、ラック軸7と同軸上に、パワーアシスト用アクチュエータとレーンキープアシスト用アクチュエータを兼ねたステアリングモータ(アクチュエータ)10が配設されている。このステアリングモータ10により供給される補助操舵力は、ラック軸7に対してほぼ平行に設けられたボールねじ機構12を介して推力に変換され、ラック軸7に作用せしめられる。そのために、ラック軸7を挿通させたステアリングモータ10のロータに駆動側ヘリカルギヤ11を一体的設け、この駆動側ヘリカルギヤ11に噛合する従動側ヘリカルギヤ13を、ボールねじ機構12のスクリューシャフト12aの一端に設け、ボールねじ機構12のナット14をラック7に固定している。
ステアリングシャフト4には、ステアリングシャフト4の操舵角を検出するための操舵角センサ15が設けられ、前記ラック&ピニオン機構(6,7a)を収容するステアリングギアボックス(図示略)内には、ピニオン6に作用する操舵トルクを検出するための操舵トルクセンサ(操舵入力検出手段)16が設けられている。
また、車体の適所には、各前輪9の車輪速を検出するための車輪速センサ17、車両のヨーレートを検出するためのヨーレートセンサ18、アクセルペダルの踏み込み量を検出するためのアクセルセンサ19、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するためのブレーキセンサ20、車両前方を撮影するCCDカメラ21、車両前方に変調波を発進するミリ波レーダ装置22、レーンキープ・アシストシステムの作動(ON)と非作動(OFF)を選択するためのモード切替スイッチ23が取り付けられている。
操舵角センサ15とヨーレートセンサ18とアクセルセンサ19とブレーキセンサ20は各検出値に対応する電気信号をレーンキープアシスト制御装置(LKAS ECU)31に出力し、操舵トルクセンサ16と車輪速センサ17は各検出値に対応する電気信号をレーンキープアシスト制御装置31とステアリング制御装置32に出力する。CCDカメラ21は撮像信号を画像処理制御装置(画像処理ECU)33に出力し、画像処理制御装置33は撮像信号に基づいて道路上の道路区分線(白線)を抽出し、車線情報としてレーンキープアシスト制御装置31に出力する。ミリ波レーダ装置22の出力はレーダ出力処理制御装置(レーダ出力処理ECU)34に送られ、レーダ出力処理制御装置34は、アンテナ(図示略)で受信した受信波とミキシングされて車両進行方向に位置する立体物の有無を判断し、立体物の有無情報としてレーンキープアシスト制御装置31に出力する。モード切替スイッチ23はそのON,OFF信号をレーンキープアシスト制御装置31とステアリング制御装置32に出力する。
なお、レーンキープアシスト制御装置31、ステアリング制御装置32、画像処理制御装置33、レーダ出力処理制御装置34はいずれもマイクロコンピュータで構成されており、レーンキープアシスト制御装置31とステアリング制御装置32は相互に必要な情報を通信可能に接続されている。
次に、この車両用操舵装置におけるステアリングモータ10の出力制御を図2のブロック図を参照して説明する。
EPSアシストトルク算出部41は、運転者がステアリングホイール3を操作したときの操舵力を補助するために必要なステアリングモータ10の制御量を算出するものであり、操舵トルクセンサ16と車輪速センサ17の各出力信号に基づいて、運転者の操舵力を補助するアシストトルクに対応する目標電流(以下、EPSアシスト目標電流という)Iaを算出する。このEPSアシスト目標電流Iaの算出方法は従来の電動パワーステアリングと同じであるので詳細説明は省略するが、概略、操舵トルクが大きくなるにしたがってEPSアシスト目標電流Iaが大きくなり、車速が大きくなるにしたがってEPSアシスト目標電流Iaが小さくなるように設定される。なお、車速は車輪速センサ17の出力信号に基づいて算出される。
LKASアシストトルク算出部42は、車両進行方向道路の車線に沿って車両が走行するように操舵を補助するために必要なステアリングモータ10の制御量を算出するものであり、車両が車線からの所定位置(例えば、車線の中央)を走行するためのアシストトルクに対応する目標電流(以下、レーンキープアシスト目標電流という)ILを算出する。レーンキープアシスト目標電流ILの算出方法は従来のレーンキープ・アシストシステムと同じであるが、簡単に説明すると、画像処理制御装置33によりCCDカメラ21の出力信号が画像処理され、車両進行方向車線から目標点列が求められる。この目標点列から目標ヨーレートを求め、ヨーレートセンサ18で検出される実ヨーレートが目標ヨーレートとなるように、車線中央からの偏位に応じてアシストトルクを算出し、レーンキープアシスト目標電流ILを算出する。
そして、EPSアシスト目標電流Iaをレーンキープアシスト目標電流ILで補正して目標電流Itが算出される。なお、実質的には、ステアリングモータ10の回転方向を含めてEPSアシスト目標電流Iaにレーンキープアシスト目標電流ILを加算して目標電流Itを算出する(It=Ia+IL)。
補正係数算出部43は、操舵トルクセンサ16の出力信号のレーンキープアシスト制御装置31やステアリング制御装置32への入力に障害(以下、「操舵トルクセンサ入力障害」という)が発生したときに目標電流Itを補正するための補正係数Kを算出するものである。補正係数算出部43で算出される補正係数については後で詳述する。
そして、ステアリングモータ10に流れる実電流が目標電流と一致するようにステアリングモータ10への出力電流を制御し、駆動回路35を介してステアリングモータ10に供給することにより、ステアリングモータ10の出力トルクを制御する。
この実施例において、EPSアシストトルク算出部41は、操舵入力検出手段(操舵トルクセンサ16)で検出された操舵入力(操舵トルク)に応じて転舵アクチュエータ(ステアリングモータ10)に対する目標制御量(EPSアシスト目標電流Ia)を算出する第1制御手段を構成する。
また、LKASアシストトルク算出部42と補正係数算出部43は、車両と車両進行方向車線との位置関係を認識し該位置関係に応じて算出される補正値(レーンキープアシスト目標電流IL)に基づいて前記目標制御量(EPSアシスト目標電流Ia)を補正する第2制御手段を構成する。
また、前述したように、この車両用操舵装置ではモード切替スイッチ23によってレーンキープ・アシストシステムの作動・非作動を選択可能になっている。
モード切替スイッチ23をOFFにしてレーンキープ・アシストシステム非作動を選択した場合(以下、EPSモードという)には、LKASアシストトルク算出部42はレーンキープアシスト目標電流ILをゼロとし、EPSアシストトルク算出部41で算出されるEPSアシスト目標電流Iaによりステアリングモータ10の出力制御が実行される。
一方、モード切替スイッチ23をONにしてレーンキープ・アシストシステム作動を選択した場合(以下、レーンキープモードという)には、基本的にレーンキープアシストを実行するのであるが、操舵トルクセンサ16で検出された操舵トルクが予め設定された所定のレーンキープアシスト許可範囲内にあるときには、LKASアシストトルク算出部42で算出されたレーンキープアシスト目標電流ILによりステアリングモータ10の出力制御を実行し、操舵トルクセンサ16で検出された操舵トルクが前記レーンキープアシスト許可範囲から所定時間外れたときにはレーンキープアシストを停止(レーンキープアシスト目標電流ILをゼロ)して、EPSアシストトルク算出部41で算出されるEPSアシスト目標電流Iaによりステアリングモータ10の出力制御を実行する。これにより、レーンキープモードのときにも運転者の意志による車線変更や緊急回避などを可能にしている。なお、レーンキープアシスト許可範囲は後述する故障基準範囲よりも大きい範囲に設定されている。
ところで、操舵トルクセンサ16の出力信号線が破断してショートしたり、あるいは操舵トルクセンサ16の故障でセンサ出力がゼロになるなどにより操舵トルクセンサ入力障害が発生すると、ステアリング制御装置32は操舵トルクセンサ16の検出トルク(すなわち操舵トルク)がほぼゼロであると認識し、EPSアシストトルク算出部41はEPSアシスト目標電流Iaをほぼゼロに設定する。このようにパワ−アシスト機能が殆ど喪失されているときに、レーンキープアシスト機能によって車両を車線中央方向に戻すように操舵アシストが実行されると、運転者がステアリングホイール3を操作したときに、パワ−アシスト機能が機能していないときよりもさらに繰舵が重く感じられたり、その逆に軽く感じられるなど違和感を覚える場合がある。そこで、この車両用操舵装置では、操舵トルクセンサ入力障害の疑いがあるときには、レーンキープアシスト機能によるステアリングモータ10の制御量への影響を徐々に低減しながら状況確認を続け、操舵トルクセンサ入力障害の可能性が高いと判断されたときには、レーンキープアシスト機能によるステアリングモータ10の制御量への影響を完全に停止するようにしている。
以下、操舵トルクセンサ入力障害に対するステアリングモータ10の目標電流Itの補正処理について、図3のフローチャートと図4および図5のタイムチャートにしたがって説明する。なお、操舵トルクセンサ16の出力信号(検出トルク)はステアリングホイール3の回転方向に対応してプラスとマイナスがあるが、図4、図5では検出トルクを絶対値で示している。
まず、ステップS101においてモード切替スイッチ23がONか否か(すなわちレーンキープモードか否か)を判定する。ステップS101における判定結果が「NO」(EPSモード)である場合は、目標電流Itを補正する必要がないのでリターンに進む。この場合、補正係数算出部43は補正係数K=1を算出する。
ステップS101における判定結果が「YES」である場合はステップS102に進み、操舵トルクセンサ16で検出された操舵トルク(以下、検出トルクという)が予め設定した所定の故障基準範囲(基準範囲)内か否かを判定する。前記故障基準範囲は操舵トルクセンサ入力障害の判定基準となる範囲であり、この実施例ではゼロ近傍に設定されている。
ステップS102における判定結果が「NO」(故障基準範囲外)である場合は、操舵トルクセンサ入力障害ではなく、目標電流Itを補正する必要がないのでリターンに進む。この場合、補正係数算出部43は補正係数K=1を算出する。
ステップS102における判定結果が「YES」(故障基準範囲内)である場合は、ステップS103に進み、故障カウンタのカウントを開始して、検出トルクが故障基準範囲内に入った時点(図4、図5においてt0)からの経過時間tを計測する。
次に、ステップS104に進み、経過時間tが予め設定された第1設定時間T1以上になったか否かを判定する。第1設定時間T1は、通常の操舵において検出トルクが一時的に故障基準範囲内に入ったときにステップS105以降の処理が実行されるのを防止するために設定した保持時間である。
ステップS104における判定結果が「NO」(t<T1)である場合は、目標電流Itを補正する必要がないのでリターンに進む。この場合、補正係数算出部43は補正係数K=1を算出する。
ステップS104における判定結果が「YES」(t≧T1)である場合は、ステップS105に進み、第1補正モードの処理を実行して、レーンキープアシスト機能に基づくステアリングモータ10の目標電流Itへの影響を徐々に低減する。つまり、この時点(時間t1)では、操舵トルクセンサ入力障害と確定するのではなく、操舵トルクセンサ入力障害の疑いがあると判断して、レーンキープアシスト機能に基づくステアリングモータ10の目標電流Itへの影響を徐々に低減する。そのために、第1補正モードでは、補正係数算出部43において、第1設定時間T1を経過した後の経過時間にしたがって「1」から徐々に減少する補正係数Kが算出される。なお、このときに補正係数Kを1から0まで減少させてもよいが、この実施例では、補正係数Kが所定値K1に達するとその後は一定となるように設定されている。
そして、ステップS105の処理を実行した後、ステップS106に進み、操舵トルクセンサ16で検出された検出トルクが前記故障基準範囲内か否かを判定する。
ステップS106における判定結果が「YES」(基準範囲内)である場合は、ステップS107に進んで前記故障カウンタのカウントを継続し、さらにステップS108に進んで、経過時間tが予め設定された第2設定時間T2以上になったか否かを判定する。第2設定時間T2は、操舵トルクセンサ入力障害を確定するための保持時間であり、第1設定時間T1よりも長い時間に設定されている(T2>T1)。
ステップS108における判定結果が「NO」(t<T2)である場合は、ステップS105に戻り、第1補正モードを継続する。
一方、ステップS108における判定結果が「YES」(t≧T2)である場合は、ステップS109に進んで操舵トルクセンサ入力障害であると確定して補正係数Kをゼロにし、さらにステップS110に進み図示しない警告灯を点灯して本ルーチンの実行を終了する。図4は、このように操舵トルクセンサ入力障害が確定される場合のタイムチャートである。
このように、経過時間tが第2設定時間T2以上になったときに操舵トルクセンサ入力障害と確定するので、誤判定を防止することができ、判定精度が高い。そして、操舵トルクセンサ入力障害と判定したときには、補正係数Kをゼロにするので、レーンキープアシスト機能に基づくステアリングモータ10の制御を停止することができる。したがって、操舵トルクセンサ入力障害が発生したときに、レーンキープアシスト機能による操舵違和感を低減することができる。
また、図5のタイムチャートに示すように、第1補正モードの処理を実行しているときであって経過時間tが第2設定時間T2に達する前に操舵トルクセンサ16の検出トルクが故障基準範囲外となったとき(図5において時間t3)には、ステップS106における判定結果が「NO」となって、ステップS111に進む。
ステップS111においては、正常復帰モードの処理を実行して、レーンキープアシスト機能に基づくステアリングモータ10の目標電流Itへの影響を徐々に増大し、入力障害のない正常時に復帰させていく。そのために、正常復帰モードでは、補正係数算出部43において、検出トルクが故障基準範囲外となってからの経過時間にしたがって「1」に接近するように徐々に増大する補正係数Kが算出される。
また、この実施例では、操舵トルクセンサ16の検出トルクが故障基準範囲外となった瞬間の検出トルク値に応じて補正係数Kの増加率を変えており、前記検出トルク値が大きいほど補正係数Kの増加率を大きくしている。これは、故障基準範囲外となったときの操舵トルクが大きいときほど、正常時の状態に復帰するまでの時間を短くするためである。
そして、ステップS111の処理を実行した後、ステップS112に進み、補正係数Kが「1」か否か、すなわち、補正係数Kが「1」まで戻ったか否かを判定する。ステップS112における判定結果が「NO」(K≠1)である場合はステップS106に戻り、ステップS112における判定結果が「YES」(K=1)である場合はリターンに進む。
図5のタイムチャートについて説明すると、時間t3において操舵トルクセンサ16の検出トルクが故障基準範囲外となると、正常復帰モードとなり、補正係数Kが徐々に増大していく。その後、時間t4において再び操舵トルクセンサ16の検出トルクが故障基準範囲内になると、再び第1補正モードになって補正係数Kを徐々に減少していく。つまり、この場合は、すでに経過時間tが第1設定時間を経過しているので、検出トルクが故障基準範囲内になると直ちに補正係数Kが減少していく。その後、時間t5において操舵トルクセンサ16の検出トルクが故障基準範囲外となると、再び正常復帰モードとなり、補正係数Kが徐々に増大していく。ただし、時間t3において1回目の正常復帰モードに入るときの検出トルク値よりも、時間t5において2回目の正常復帰モードに入るときの検出トルク値の方が大きいので、2回目の正常復帰モードのときの補正係数Kの増加率は1回目の正常復帰モードのときの補正係数Kの増加率よりも大きく、正常時への復帰が迅速に行われる。そして、時間t6において補正係数Kが「1」に戻り、正常時に戻る。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では操舵トルクセンサ16の検出トルクが故障基準範囲内に入った時点からの経過時間tに応じて補正係数Kを減少したが、操舵トルクセンサ16の検出トルクが故障基準範囲内に入った時点からの検出トルクの積算値に応じて補正係数Kを減少するようにしてもよい。
また、前述した実施例では、EPSアシスト目標電流Iaをレーンキープアシスト目標電流ILで補正した目標電流Itに対して補正係数Kを乗じているが、レーンキープアシスト目標電流ILに対して補正係数Kを乗じて補正し、この補正後のレーンキープアシスト目標電流(IL・K)でEPSアシスト目標電流Iaを補正して目標電流Itを算出してもよい(It=Ia+IL・K)。勿論、この場合には目標電流Itに補正係数Kを乗じない。
また、第1設定時間T1を超えた継続時間に応じてステアリングモータ10の制御量を低減する方法は、前述実施例の乗算による方法に代えて減算による方法を採用することも可能である。
さらに、検出トルクそのものではなく、バンドパスフィルタ等によって、検出トルクの所定周波数帯を用いるようにしてもよい。
この発明に係る車両用操舵装置の一実施例における概略構成図である。 前記実施例の車両用操舵装置におけるステアリングモータの出力制御ブロック図である。 前記実施例の車両用操舵装置におけるステアリングモータの目標電流補正処理を示すフローチャートである。 操舵トルクセンサ入力障害検出時のタイムチャートの一例である。 操舵トルクセンサ入力障害検出時のタイムチャートの別の例である。
符号の説明
6 前輪(転舵輪)
10 ステアリングモータ(転舵アクチュエータ)
16 操舵トルクセンサ(操舵入力検出手段)
41 EPSアシストトルク算出部(第1制御手段)
42 LKASアシストトルク算出部(第2制御手段)
43 補正係数算出部(第2制御手段)

Claims (5)

  1. 車両の転舵輪を転舵する転舵アクチュエータと、
    運転者の操舵入力を検出する操舵入力検出手段と、
    前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力に応じて前記転舵アクチュエータに対する目標制御量を算出する第1制御手段と、
    前記車両と車両進行方向車線との位置関係を認識し該位置関係に応じて算出される補正値に基づいて前記目標制御量を補正する第2制御手段と、
    を備え、前記目標制御量にしたがって前記転舵アクチュエータを制御する車両用操舵装置において、
    前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が基準範囲内の状態が第1設定時間以上継続したときに、前記第1設定時間を超えた継続時間に応じて前記第2制御手段の補正量を低減することを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記基準範囲内の状態が第1設定時間よりも長い第2設定時間以上継続したときには、前記操舵入力検出手段または操舵入力検出手段からの入力に障害があると判定し、前記第2制御手段による補正を停止することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記第1設定時間から第2設定時間の間に前記基準範囲から外れたときには、前記第2制御手段の補正量を徐々に前記第1設定時間経過前の通常の補正量に戻していくことを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記第1設定時間から第2設定時間の間に前記基準範囲から外れた度合いが大きいほど、前記通常の補正量に戻るまでの時間を短くすることを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記第2制御手段の補正量を前記通常の補正量に戻している状態であるときに、前記操舵入力検出手段で検出された操舵入力が前記基準範囲内となった場合には、該基準範囲内となってから前記第1設定時間よりも短い所定時間経過後に該基準範囲内になってからの継続時間に応じて前記第2制御手段の補正量を低減することを特徴とする請求項3に記載の車両用操舵装置。
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