JP4602866B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Description
理想的には、エアフィルタに付着している塵埃を定期的に除去し、熱交換効率の向上を図る必要がある。そのため、室内機本体の前面を構成する前面パネルを回動自在に設け、前面パネルを開放するとエアフィルタが露出する。エアフィルタの下端部を摘んで引き下ろせば、容易に室内機本体から取外せる。エアフィルタに付着している塵埃を除去したあと、再びエアフィルタの上端部を室内機本体に当てて押上げれば、元の位置に戻せるようになっている。
そこで、たとえば[特許文献1]に開示されるように、エアフィルタに付着するゴミを自動的に除去する空気調和機が提供されるに至った。具体的には、エアフィルタを本体の吸込み口の内側に沿って回動させる回動手段を備えるとともに、エアフィルタ上のゴミ(塵埃)を除去するゴミ除去手段および、除去したゴミを収集するゴミ収納部とから構成されている。
したがって、エアフィルタ全体を移動してゴミを除去するために、エアフィルタの移動距離が長くなり、除去に必要な時間がかかってしまう。また、本体の大型化を抑制するために、巻き取ったエアフィルタの直径を可能な限り小さくしなければならず、そのためにはエアフィルタは極薄状のものを使用することとなる。
長期の使用に亘ると、必然的にエアフィルタの柔軟性が低下してきて部分的に皺が発生することが避けられず、この部分にゴミが残り易い。エアフィルタがロール軸に巻き取られる際に、皺部分に残ったゴミが重ね合った部分に転移分散する。エアフィルタの汚れが大きくなると、均等な巻き取りがし難くなってゴミの除去が効果的に行えず、信頼性の低下を招いてしまう。
図1は空気調和機の室内機における前面パネルを外した状態の概略の側断面図である。(なお、説明中に符号を付していない部品は図示していない。以下同じ)
室内機本体1は、この室内機本体1の前面側筐体を構成する前面パネルと部品を配置する後板筐体3とから構成されていて、横長状をなす。室内機本体1の前面側一部に前部吸込み口4が開口され、前部吸込み口4に対向する前面パネルには開閉駆動機構に支持された可動パネルが嵌め込まれている。
運転停止時において、上記可動パネルは前面パネル表面に接合して同一面となり前部吸込み口4を室内側から閉成するが、運転時には手前側に突出変位して周囲に室内側と連通する隙間が生じるようにして前部吸込み口4が室内側に開放するよう制御される。
室内機本体1内には、前側熱交換器部10Aと後側熱交換器部10Bとで略逆V字状に形成される熱交換器10が配置される。上記前側熱交換器部10は、室内機本体1の前面パネル取り付け面の部分と間隙を存してほぼ平行な湾曲状に形成され、後側熱交換器部10Bは直状に形成されて上部吸込み口6と斜めに傾斜して対向する。
そして、これら前部吸込み枠7Aの上端部と、上部吸込み枠7Bの前端部との間に沿って、エアフィルタ清掃機構(以下、「掃除ユニット」と呼ぶ)Zが介設される。これら前部吸込み枠7Aと、上部吸込み枠7Bおよび掃除ユニットZについては後述する。
上記傘状に形成される熱交換器10の前後側熱交換器部10A,10B相互間に室内送風機12が配置される。上記室内送風機12は、室内機本体1の一側端のスペースKに配置されたファンモータと、このファンモータの回転軸に一方の支軸が機械的に連結される横流ファンとから構成される。室内機本体1の他側端のスペースには上記室内送風機12に隣設され、かつこの軸心の延長上に軸心を有する換気ユニットが設けられる。
上記送風機構を構成するファンケーシングは吹出し口体を備えていて、この吹出し口体は屋外と連通する。したがって、ファンケーシング内のファンを回転駆動すれば、熱交換器二次側空気もしくは熱交換器一次側空気が屋外へ排出される、いわゆる換気作用をなす。これら一次側と二次側の選択は、被空調室内の状態ばかりでなく室内機本体1内の状態に応じて選択される。
上記掃除ユニットZと換気ユニットを連通する接続ホースは、換気ユニットにおける送風機構のファンケーシングの吸気口と吹出し口体との間に接続される。したがって、吸気口を閉塞してもファンケーシング内のファンを回転駆動すれば、接続ホースを介して掃除ユニットZに負圧がかかることとなる。
前後ドレンパン13a,13bの一部側壁外面は室内送風機12に近接した位置に設けられ、これらで室内送風機12の横流ファンに対するノーズを構成している。ノーズとなる前後ドレンパン13a,13bの側壁部分と吹出し口9の各辺部との間は、隔壁部材14によって連結される。隔壁部材14で囲まれる空間が、ノーズと吹出し口9とを連通する吹出し通風路15となっている。
図2は空気調和機の室内機における室内機本体1など構成部品の一部を省略して示す斜視図である。図3は前部吸込み枠7Aと上部吸込み枠7Bおよび掃除ユニットZの斜視図、図4は掃除ユニットZを分解した斜視図、図5は掃除ユニットZの一部を断面にした斜視図である。
上記前部吸込み枠7Aと上部吸込み枠7Bはともに、室内機本体1の幅方向全体に亘って形成される幅方向と、前部吸込み口4と上部吸込み口6の幅方向とは直交する方向の長さに対応する寸法形状の枠体である。これらの吸込み枠7A,7Bの幅方向中央部に、幅方向とは直交する方向に亘って中央仕切り部16a,16bが設けられ、枠体を左右に仕切る。
前,上部エアフィルタ5A,5Bは、格子状の桟部によってエアフィルタが補強される構成であり、それぞれの吸込み枠7A,7Bの断面形状に応じて湾曲成される。中央仕切り部16a,16bを境にして、前部吸込み枠7Aには左右2枚の前部エアフィルタ5Aが取付けられ、上部吸込み枠7Bには左右2枚の上部エアフィルタ5Bが取付けられていて、この室内機には合計4枚のエアフィルタ5A,5Bが取付けられることになる。
前部吸込み枠7Aにおいては、ガイド片17aと枠体表面との間に前部エアフィルタ5Aの両側端を支持し、上部吸込み枠7Bにおいては、ガイド片17bと枠体背面との間に上部エアフィルタ5Bの両側端を支持している。したがって、前部吸込み枠7Aのガイド片17aと枠体背面との間に空間スペースaが確保され、上部吸込み枠7Bのガイド片17bと枠体表面との間に空間スペースbが確保されている。
また、上部吸込み枠7Bは上部吸込み口6と対向して配置され、上部エアフィルタ5Bを保持するとともに、前部吸込み口方向4へ移動自在に支持する。詳しくは、掃除ユニットZを介して前部吸込み枠7Aのガイド片17aと枠体背面との間の空間スペースa方向へ移動自在に支持する。
上記前部エアフィルタ清掃機構20Aは、前部エアフィルタ5Aを後述するように移動させる前部移動手段である前部移動機構22aと、前部エアフィルタ5Aに付着する塵埃を除去する前部塵埃除去手段である前部用ブラシ23aと、前部用ブラシ23aが除去した塵埃を収集する前部塵埃収集部である前部ダストボックス24aを備えている。
上記前部ダストボックス24aは、メーンダストボックス上25aと、ダストカバー上26aと、シール上27aとを組合せてなる。上記メーンダストボックス上25aは、断面逆U字状に曲成される部位と、断面U字状に形成される部位とを一体に連設してなる。断面逆U字状に曲成される部位で前部用ブラシ23aを上部側から覆い、残りの開口部分をシール上27aで開閉自在に塞いで、これらで前部用ブラシ23aを収容する。
また、メーンダストボックス上25aの断面U字状に形成される部位は、側部に塵埃案内口cを有し、かつ上端開口部はダストカバー上26aによって閉成される。したがって、メーンダストボックス上25aとダストカバー上26aとの間に空間室28aが形成され、メーンダストボックス上25aとシール上27aとに収容される前部用ブラシ23aが除去した塵埃は、上記塵埃案内口cを介して空間室28aに導かれ収集されるようになっている。
上記第3のギヤ33aの中心部には矩形状の孔部dが設けられていて、ここに図4で示す断面矩形状のエアフィルタ駆動軸34aが挿通する。エアフィルタ駆動軸34aは中央部が第3のギヤ33aに嵌着固定され、左右両側端部にエアフィルタ駆動ギヤ35aが取付けられる。全て組立てられた状態で、先に説明したように前部エアフィルタ5Aにおける中央部補強桟mの裏面に設けられるラックに上記エアフィルタ駆動ギヤ35aが噛合するようになっている。
このようにして構成される空気調和機の室内機であって、リモコンの運転スイッチをオンに切換えると、可動パネルが前部吸込み口4を開放し、冷房運転と暖房運転の指定に応じて吹出し口9に備えられる吹出しルーバー8a,8bが回動して姿勢が設定される。同時に、室内送風機12が送風作用をなす一方で、室外機の圧縮機が駆動され冷凍サイクル運転が開始される。
使用者がリモコン(遠隔操作盤)を操作して「エアフィルタ掃除モード」を選択する、もしくは所定の期間毎で空調運転の終了後、もしくは予め設定された時間、もしくは予め決められた時間帯などに、「エアフィルタ掃除モード」が自動的に行われる。
図6(A)ないし(F)は、エアフィルタ掃除モードが選択された場合の掃除ユニットZの動作を順に示す説明図である。
すなわち、前部エアフィルタ5Aは前部用ブラシ23aと接触していないが、上部エアフィルタ5Bの前端部は上部用ブラシ23bと接触している。当然、前部エアフィルタ5Aは前部吸込み口4に対向し、上部エアフィルタ5Bは上部吸込み口6に対向して位置している。
前部エアフィルタ5Aの上端部はシール上27aに接触してこれを押下げ、前部用ブラシ23aとシール上27aとの間を通過していく。図6(B)に示すように、前部エアフィルタ5Aは前部用ブラシ23aに接触しながら上昇移動し、同時に前部用ブラシ23aは同方向(反時計回り方向)に回転する。
掻き落とされた塵埃は、順次、メーンダストボックス上25aの案内口cから、メーンダストボックス上25aとダストカバー上26aとで形成される空間室28aに導かれ収集される。前部エアフィルタ清掃機構20Aと上部エアフィルタ清掃機構20Bとは上下に重ねられた状態で構成されているが、上記空間室28aがほとんど密閉状態となっているので、掻き落とされた塵埃が空間室28aから周辺へ飛散することはない。
図6(C)に示すように、前部エアフィルタ5Aの上昇移動が継続して、この下端部が前部用ブラシ23aに対向すると、前部エアフィルタ5Aに対する塵埃の除去が完了することとなり、駆動モータ21aの駆動を停止する。このときはまだ、前部エアフィルタ5Aの下端部がメーンダストボックス上25aとシール上27aとの間に介在した状態を保持する。
つぎのタイミングで、駆動モータ21aは逆転駆動され、同時に上部エアフィルタ清掃機構20Bの駆動モータ21bが駆動される。上部用ブラシ23bは時計回り方向に回転し、上部移動機構22bを介して左右の上部エアフィルタ5Bは同時に下降移動を開始する。
掻き落とされた塵埃は、順次、メーンダストボックス下25bの案内口cから、メーンダストボックス下25bとダストカバー下26bとで形成される空間室28bに導かれ収集される。前部エアフィルタ清掃機構20Aと上部エアフィルタ清掃機構20Bとは上下に重ねられた状態で構成されているが、上記空間室28bがほとんど密閉状態となっているので、掻き落とされた塵埃が空間室28bから周辺へ飛散することはない。
図6(E)に示すように、上部エアフィルタ5Bの下降移動が継続して、この後端部が上部用ブラシ23bとシール下27bの間を通過すると、上部エアフィルタ5Bに対する塵埃の除去が完了するので、上部エアフィルタ清掃機構20Bの駆動モータ21bの駆動を停止する。スプリングの弾性力でシール下27bが押上げられ、メーンダストボックス下25bの開口部を閉成する。
前部エアフィルタ清掃機構20Aにおいて、前部エアフィルタ5Aから塵埃を除去する作用中は、メーンダストボックス上25aにおける前部用ブラシ23aを収容する開口部からシール上27aが離間して開口状態になっているが、上記開口部がシール上27aで閉成されることで、ダストカバー上26aとメーンダストボックス上25aとで形成され塵埃を収集する空間室28aが完全密閉状態となる。
そして、上記換気ユニットはダンパ全閉モードを選択したうえで、送風機構のファンが回転駆動される。この影響で、接続ホースを介して前,上部エアフィルタ清掃機構20A,20Bに負圧がかかり、空間室28a,28bに収集されている塵埃は全て換気ユニットに吸引され、ついには屋外へ排出される。
再び図6(A)に示すように、上部エアフィルタ5Bの前端部がメーンダストボックス下25bとシール下27bとの間に介在した状態で駆動モータ21bが停止する。そして、次のエアフィルタ清掃モードの選択を待機する。左右の前部エアフィルタ5Aおよび上部エアフィルタ5Bにおいては、それぞれに対向する前,上部吸込み口4,6から導入される室内空気を通過させ、室内空気に含まれる塵埃を捕捉する作用をなす。
したがって、前部吸込み口4および上部吸込み口6の両方に対向する1枚型のエアフィルタを備えたものと比較して、塵埃除去中の前,上部エアフィルタ5A,5Bの移動量が半分ですみ、塵埃の除去時間が半分に短縮されて作業性の向上化を得られる。そして、それぞれのエアフィルタ5A,5Bの移動位置が、他方のエアフィルタの配置位置と同じであるので、特に移動先にスペースを確保する必要がない。
前部吸込み枠7Aと上部吸込み枠7Bおよび掃除ユニットZを室内機本体1の前面に配置することで、これまで用いられていた室内機の構造を大きく変更することがなく取付けられ、汎用性が高い。前部エアフィルタ5Aと上部エアフィルタ5Bが前部吸込み枠7Aと上部吸込み枠7Bとの間を往復移動し、これら組立ての中間部に配置される換気ユニットが塵埃を除去するので、装置構成に無駄がなく、室内機の大型化を最小限に抑制する。
前部エアフィルタ5Aの上面側に前部用ブラシ23aが接触して塵埃を除去し、上部エアフィルタ5Bの上面側に上部用ブラシ23bが接触して塵埃を除去する。いずれも、除去された塵埃がエアフィルタ5A,5Bの上面を移動して前,上部ダストボックス24a,24bに収集される。したがって、各エアフィルタ5A,5Bから塵埃を除去する際に、除去した塵埃が下方に落下することがなく、周辺部の汚れの防止を確実に行える。
また、塵埃除去用のブラシと各エアフィルタの移動手段を1つの駆動手段でカムあるいは駆動ベルトを使用して行なうのではなく、それぞれを直接モータなどの駆動手段と直結して運転するようにしても良い。この場合、それぞれの回転速度、回転方向を独立して運転制御が可能であり、きめ細かな運転制御が行なえるなど、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
Claims (2)
- 室内機本体に形成する前部吸込み口および上部吸込み口にそれぞれ対向して設置される前部エアフィルタおよび上部エアフィルタと、
上記前部エアフィルタを前部吸込み口との対向部位から上部吸込み口と対向する位置へ移動する前部移動手段と、
上記上部エアフィルタを上部吸込み口との対向部位から前部吸込み口と対向する位置へ移動する上部移動手段と、
この前部吸込み口と上部吸込み口との間に配置され、上記前部エアフィルタと上部エアフィルタの移動により、各エアフィルタに付着する塵埃を除去して収集するエアフィルタ清掃機構と
を具備することを特徴とする空気調和機の室内機。 - 室内機本体に形成する前部吸込み口および上部吸込み口にそれぞれ対向して設置される前部エアフィルタおよび上部エアフィルタと、
上記前部吸込み口と対向して配置され、前部エアフィルタを保持するとともに、上部吸込み口方向へ移動自在に支持する前部吸込み枠と、
上記上部吸込み口と対向して配置され、上部エアフィルタを保持するとともに、前部吸込み口方向へ移動自在に支持する上部吸込み枠と、
上記前部吸込み枠に保持される前部エアフィルタを上部吸込み枠へ往復移動させる前部移動機構と、
上記上部吸込み枠組立てに保持される上部エアフィルタを前部吸込み枠へ往復移動させる上部移動機構と、
この前部吸込み枠と上部吸込み枠との間に配置され、上記前部エアフィルタと上部エアフィルタの移動により各エアフィルタに付着する塵埃を除去する塵埃除去手段および、この塵埃除去手段によって除去された塵埃を収集する塵埃収集部を備えたエアフィルタ清掃機構と
を具備することを特徴とする空気調和機の室内機。
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