JP4601471B2 - 超音波トランスデューサアレイ及びその製造方法 - Google Patents

超音波トランスデューサアレイ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、曲面上に配置された複数の圧電素子(超音波トランスデューサ)を含む超音波トランスデューサアレイ及びその製造方法に関する。
超音波トランスデューサアレイは、例えば、超音波撮像装置又は超音波内視鏡等に備えられている超音波用探触子(プローブ)において、超音波を送信及び受信するために用いられる。医療用の超音波撮像装置等に備えられている超音波用探触子においては、超音波画像の画質を向上させたり、被検体への身体的負担を軽減するために、様々な改良が為されている。例えば、送信超音波の強度や受信感度を向上させるために、超音波を送受信する圧電素子(以下において、単に「素子」ともいう)の特性を向上させたり、超音波画像の解像度を向上させるために、素子を高集積化することが行われている。また、超音波内視鏡において被検体に挿入して用いられるプローブにおいては、プローブの性能を維持しつつ全体を小型化することが望まれている。
ところで、超音波撮像において用いられる様々なプローブの内には、コンベックス型プローブやラジアル走査方式のプローブのように、複数の素子が曲面上に配列されている超音波トランスデューサアレイを含むものがある。このような超音波トランスデューサアレイは、例えば、次のように作製される。まず、図21の(a)に示すように、圧電セラミック等によって形成された板状の圧電体層900の両面に電極層901及び902を配置し、さらに、音響材料(音響整合層903やバッキング材等)を配置する。これらの層900〜903を、可撓性を有する平面の基材(シート)904上に配置し、精密切断砥石を用いて溝905を形成する。それにより、それらの層900〜903は、基材904上に配置されたまま、複数の素子910に分割される。次に、図21の(b)に示すように、基材904を、所望の曲率となるように湾曲させる。それにより、基材904の曲面に沿うように配置された複数の素子910を含む超音波トランスデューサアレイが作製される。
関連する技術として、特許文献1には、超音波振動子列を簡便に安価に均質に曲線状に配列するために、両面に電極を付着した複数個の圧電振動子と、圧電振動子の一方の電極面上に密着した一層以上の音響整合層を有し、この音響整合層を可撓性の材料で形成し、上記圧電体振動子群をその音波放射面が曲線状または曲面状になるよう配列した超音波探触子が開示されている。
また、特許文献2には、所望の曲率を得ると共に、カッティングギャップが広がることなく、然もバッキング材裏面からの超音波の反射も防ぐために、アレイ状の振動子と薄手のバッキング材を接着して所定の曲率半径をなすように湾曲し、上記薄手のバッキング材に厚手のバッキング材を成形固着すると共に、両バッキング材を同一の音響インピーダンスとした超音波プローブが開示されている。
一方、近年、超音波トランスデューサを成膜によって作製することが検討されており、成膜技術の1つとして、エアロゾルデポジション法が注目されている。エアロゾルデポジション(aerosol deposition)法(以下、「AD法」ともいう)とは、原料の粉体を含むエアロゾルを生成して基板に噴射し、その際の衝突エネルギーにより粉体を堆積させて成膜する方法であり、噴射堆積法、又は、ガスデポジション法とも呼ばれる。ここで、エアロゾルとは、気体中に浮遊している固体や液体の微粒子のことをいう。AD法によれば、緻密で強固な膜を、接着剤等を用いることなく複数積層することができるので、今後の応用が期待されている。
関連する技術として、特許文献3には、接着層を一切用いず、裁断工程を必要とせず製造し、性能を向上させて、大幅なコスト低減を実現するために、圧電素子層、音響整合層およびダンピング層を基本構成要素とする超音波トランスデューサにおいて、上記基本構成要素の内の少なくとも1つの層が超微粒子を噴射堆積することにより形成されている超音波トランスデューサが開示されている。
特開昭58−54939号公報 特開昭60−124199号公報 特開平6−285063号公報
しかしながら、図21の(a)及び(b)に示すように、基材904を湾曲させることによって超音波トランスデューサアレイを作製する場合には、複数の素子910を精密に配列することは困難である。また、基材904を湾曲させる際に各素子910に機械的負荷がかかってしまうので、薄い脆性材料である圧電体層が破損しやすい。そのため、超音波トランスデューサアレイの組み立て精度の低下及び製造歩留まりの低下が生じており、それに伴って、コストアップや超音波画像の信頼性の低下が招かれている。また、図21の(a)に示すように、精密切断砥石を用いて形成される溝の加工幅Wgapの最小値には限界がある。一方、図21の(b)及び(c)に示すように、加工幅Wgapが同じ場合に、基材904の曲率半径を小さくすると(R>R)、隣接する2つの素子910の為す角度が大きくなってしまう(θ<θ)。従って、超音波トランスデューサアレイを小型化するほど、隣接する素子910の間隔が開いてしまう結果となり、超音波画像の解像度はますます低下してしまう。
また、図22に示すように、特許文献3に開示されているマスクを用いたAD法により、複数の素子920を基材921の曲面上に直接形成することも考えられる。しかしながら、AD法においては、セラミック微粒子が秒速数百mの速度で基材等に衝突するので、そのような衝撃に耐えるために、マスクの強度を向上させる必要がある。そのためには、マスク922において、開口部923以外の領域の長さWを大きくしたり、マスク922の厚さDを厚くしなければならない。その結果、素子920を、狭ピッチ且つ狭ギャップで曲面配列することが困難となり、隣接する素子920の為す角度θは、図21の(c)に示す角度θよりも大きくなってしまう。また、素子920の側面がテーパー状になり易くなる。従って、このような方法によれば、図21に示すようなダイシングを用いる方法以上に、素子の微細化及び高集積化は困難である。
そこで、上記の問題点に鑑み、本発明は、複数の超音波トランスデューサが狭ピッチ且つ狭ギャップで曲面上に配置された超音波トランスデューサアレイを高い歩留まりで製造することができる超音波トランスデューサアレイの製造方法、及び、そのような製造方法によって製造される超音波トランスデューサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法は、曲面上に配列された複数の超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアレイの製造方法であって、曲面を有する基材を用意する工程(a)と、該基材の曲面上に第1の導電体層を形成する工程(b)と、該第1の導電体層上に圧電体層を形成する工程(c)と、圧電体層上に第2の導電体層を形成する工程(d)と、工程(b)〜(d)において形成された第1の導電体層、圧電体層、及び、第2の導電体層を含む積層体に所定の幅を有する溝を所定のピッチで形成することにより、複数の超音波トランスデューサを形成する工程(e)とを具備する。
本発明の1つの観点に係る超音波トランスデューサアレイは、曲面を有する材と、該曲面上に直接的又は間接的に配置され複数の超音波トランスデューサであって、各々が、第1の導電体層と、圧電体層と、第2の導電体層とを含み、圧電体層の材と反対側の面の面積が、圧電体層の材側の面の面積よりも大きく、基材の曲面に沿って隣接する圧電体層の間に略一定の幅を有する複数の溝が所定のピッチで形成された複数の超音波トランスデューサとを具備する。
本発明によれば、曲面の素子配列面を有する基材の表に形成された積層体に対して溝を形成することにより複数の素子を形成するので、複数の素子が曲面上に狭ピッチ且つ狭ギャップで配列された超音波トランスデューサアレイを、容易に作製することができる。従って、解像度の高い超音波を送受信できる超音波トランスデューサを、高歩留まり且つ低コストで製造することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す図である。図1の(a)に示すように、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイ100は、円柱形状に成形されたバッキング材101と、該バッキング材101の円柱側面上に配置された複数の超音波トランスデューサ(以下、「素子」ともいう)110とを含んでいる。この超音波トランスデューサアレイ100は、全体として、例えば、直径Rが10mm程度、長さLが20mm程度の円柱形状を有している。その内で、バッキング材101の直径は、例えば、5mm程度であり、各素子110の高さHは、例えば、2.5mm程度、又は、それ以下である。このような超音波トランスデューサアレイ100は、超音波の送信方向を回転させつつ被検体内を走査するラジアル走査方式において用いられる。なお、図1においては簡略化して示されているが、実際には、さらに多数の素子(例えば、192個、即ち、192チャンネル)が、バッキング材101の周囲に配置される。
図1の(b)は、図1の(a)に示すB−Bにおける超音波トランスデューサアレイ100の断面を示している。また、図1の(c)は、図1の(a)に示す超音波トランスデューサアレイ100の一方の端面(図の側)を示している。
図1の(b)に示すように、各素子110は、圧電体103と、該圧電体103の両端面に配置された下部電極102及び上部電極104とを含んでいる。
圧電体103は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinylidene difluoride)に代表される高分子圧電素子等の圧電性を有する材料によって形成されている。圧電体103の高さは、概ね100μm〜500μm程度であり、高周波用の素子の場合には、概ね200μm以下である。
また、図1の(c)に示すように、超音波トランスデューサアレイ100の一方の端面において、下部電極102から配線106が引き出され、上部電極104から配線107が引き出されている。これらの引き出し配線106及び107は、具体的には、超音波トランスデューサアレイの一方の端面に配線基板を配置することによって形成される。これらの配線106及び107を介して、圧電体103の両端に配置されている下部電極102及び上部電極104にパルス状又は連続波の電気信号を送って電圧を印加すると、圧電体103は伸縮する。この伸縮により、各素子110からパルス状又は連続波の超音波が発生する。また、各素子110は、超音波用探触子において超音波を受信するために用いられる場合に、伝搬する超音波を受信することによって伸縮し、電気信号を発生する。この電気信号は、超音波の検出信号として出力される。なお、上部電極104と下部電極102との内の一方、望ましくは上部電極104を共通電極としても良い。その場合には、図1の(c)に示すように、上部電極104から離れた位置において配線107を共通接続しても良いし、超音波トランスデューサアレイの端面に露出している複数の上部電極104を電気的に互いに接続するための電極をさらに形成しても良い。
バッキング材101は、例えば、ポリイミド樹脂や、ポリイミド樹脂を含む材料のように、超音波を吸収し易い材料によって形成されている。バッキング材101は、素子110から発生した超音波を吸収して速やかに減衰させることにより、超音波トランスデューサアレイ100の内部における超音波の多重反射に起因するノイズを抑制する。
また、素子110は、上部電極104の上面に配置されている音響整合層105を含んでも良い。音響整合層105は、例えば、シリカ(SiO)やガラス等によって形成されており、圧電体103から発生した超音波を被検体に効率良く伝搬させるために設けられている。
後述するように、バッキング材101の円柱側面上に配置されている複数の素子110は、円環柱形状を有する圧電体等に対して、長さL方向に溝を形成して分割することにより形成されている。そのため、図1の(b)に示すように、隣接する素子110を隔てる溝の幅はほぼ一定となっている。それにより、各素子110の断面は、内側(下部電極102側)から外側(上部電極104側)に向けて放射状に広がる扇の一部を為す形状となっている。従って、各素子110においては、上面の面積が下面の面積よりも大きくなっている。また、各素子110の超音波送信面は、その断面が円弧を描くように、曲面となっている。
図2は、図1に示す超音波トランスデューサアレイ100を含む超音波用探触子の概観を示す模式図である。超音波トランスデューサアレイ100は、筐体1に収納されると共に、被覆材3に保護された配線106及び107を介して、超音波撮像装置本体に接続される。また、超音波トランスデューサアレイ100と筐体1との間には、被検体との間における音響インピーダンスを整合させるために、水等の液体2が配置される。このような超音波用探触子は、例えば、内視鏡装置のスコープの先端に取り付けられて被検体に挿入され、ラジアル走査方式により被検体内を走査する。即ち、超音波トランスデューサアレイ100は、配線106及び107を介して供給される駆動信号に従って、周囲360°に渡って1つ又は複数の超音波送信方向を回転させながら超音波を順次送信すると共に、被検体内において生じた超音波エコーを受信する。
図3の(a)は、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイから超音波USが送信される様子を示しており、図3の(b)は、従来の超音波トランスデューサアレイから超音波USが送信される様子を示している。図3の(a)に示すように、各素子110が、下面(バッキング材101側)から上面(超音波送信面側)に向けて放射状に広がる形状を有している場合には、超音波USは、周辺の空間に向けて大きく広がるように伝搬する。これに対して、図3の(b)に示すように、各素子910の下面と上面との面積がほぼ等しい場合には、そこから送信される超音波USの広がりはそれほど大きくはなく、隣接する素子910から送信される超音波USの伝搬領域のすき間が多い。即ち、図3の(a)と(b)とを比較すれば明らかなように、本実施形態における方が、超音波トランスデューサアレイ周辺の空間に、万遍なく超音波を伝搬させることができる。言い換えれば、より多くの領域に関する超音波情報を取得することができ、解像度の高い超音波画像を生成することが可能になる。
次に、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法について、図4〜図7を参照しながら説明する。
まず、図4の(a)に示すように、曲面を有する基材111を用意する。この曲面は、完成品の超音波トランスデューサアレイにおける素子配列面となる。本実施形態においては、ラジアル走査方式の超音波トランスデューサアレイを作製するために、円柱形状の基材111を用いる。
また、基材111は、後述する成膜工程における成膜基材として用いられるだけでなく、完成品におけるバッキング材(図1参照)としても用いられる。そのため、基材111として、成膜可能な程度の硬度を有すると共に、超音波を吸収し易い性質を有する材料を選択する必要がある。また、後述する熱処理工程における耐熱性を考慮することも必要である。そのため、本実施形態においては、基材111として、ポリイミド樹脂を主成分とする材料を用いている。
次に、図4の(b)に示すように、基材111の円柱側面領域に、例えば、スパッタ法やメッキ法等によって白金等の導電材料を成膜することにより、下部電極層112を形成する。ここで、下部電極層112は、完成品における電極として用いられると共に、この後の成膜工程におけるアンカー層としても用いられる。即ち、本実施形態においては、この後で、原料の粉体を下層に衝突させる成膜方法を用いて圧電体層を形成するが、その際に、原料の粉体が下層に食い込む現象(「アンカーリング」と呼ばれる)が生じる。このアンカーリングによって生じるアンカー層(粉体が食い込んだ層)の厚さは、下層(下部電極層112)の材質や粉体の速度等によって異なるが、通常は、10nm〜300nm程度となる。従って、十分にアンカーリングを生じさせることによって圧電体層を下層に密着させると共に、電極としての導電性を十分に確保するためには、下部電極層113の厚さは、200nm〜300nm程度又はそれ以上あることが望ましい。また、下部電極層112の材料としては、圧電体層との密着性が高く、アンカーリングが比較的生じ易い硬さを有する白金を用いることが望ましい。
次に図4の(c)に示すように、下部電極層112の表層に、圧電体層113を形成する。本実施形態においては、圧電体層113として、例えば、1mm程度のPZT膜をエアロゾルデポジション法(AD法)によって形成する。その理由は、以下に説明するように、AD法によれば、PZT等のセラミックの膜を曲面上に容易に形成できるからである。また、AD法により形成されたPZT膜は、緻密且つ強固で、不純物を含まないので、素子の特性を向上できる可能性があるからである。
図5は、AD法を用いた成膜装置を示す模式図である。この成膜装置は、圧力調整部11が設けられたガスボンベ10と、搬送管12及び15と、エアロゾル生成部13と、容器駆動部14と、エアロゾル成膜が行われる成膜室16と、排気ポンプ17と、成膜室16に配置されたノズル18と、ノズル駆動部19と、支持部20と、回転駆動部21とを含んでいる。成膜対象となる基材111は、支持部20にセットされる。
ガスボンベ10には、キャリアガスとして使用される窒素(N)が充填されている。なお、キャリアガスとしては、この他に、酸素(O)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、又は、乾燥空気等を用いても良い。
エアロゾル生成部13は、成膜材料である原料の微小な粉体を配置する容器である。このエアロゾル生成部13に、搬送管12を介してキャリアガスを導入することにより、原料の粉体が噴き上げられてエアロゾルが生成される。その際に、圧力調整部11によってガス圧を調節することにより、エアロゾルの濃度等を制御することができる。
容器駆動部14は、エアロゾル生成部13に、微小な振動や、比較的ゆっくりとした運動を与える。ここで、エアロゾル生成部13に配置された原料の粉体(1次粒子)は、時間の経過と共に、静電気力やファンデルワールス力等によって結合して凝集粒子を形成してしまう。その中でも、数μm〜数mmの巨大な凝集粒子は質量も大きいため容器の底部に溜まるが、それらがキャリアガスの出口付近(搬送管12の出口付近)に留まると、キャリアガスによって1次粒子を噴き上げることができなくなる。そのため、凝集粒子が1箇所に留まらないように、容器駆動部14は、エアロゾル生成部13に振動等を与えることにより、その内部に配置された粉体を攪拌している。
排気ポンプ17は、成膜室16の内部を排気することによって所定の真空度に保っている。
ノズル18は、例えば、長さ5mm、幅0.5mm程度の開口を有しており、搬送管15を介してエアロゾル生成部13から供給されたエアロゾルを、この開口から基材111に向けて高速で噴射する。また、このノズル18は、ノズル駆動部19に設置されている。ノズル駆動部19は、ノズル18を所定の方向(図5においては、左右方向又は奥行き方向)に移動させることにより、基材111に対向するノズル18の開口位置を変化させる。
回転駆動部21は、基材111を支持している支持部20を回転させることにより、ノズル18に対向する基材111上の領域(成膜領域)を変化させる。
なお、ノズル18及び支持部20のいずれか又は両方を駆動させる機構を設けることにより、両者間の距離(即ち、ノズル18の開口と成膜領域との間隔)を調節するようにしても良い。
また、図5において、支持部20は、基材111の中心を貫くようにして基材111を支持しているが、基材111を回転可能な状態で保持できればどのような方式で基材111を支持しても良い。例えば、図の左右両側から基材111を挟み込むようにしても良い。
このような成膜装置において、例えば、平均粒子径0.3μmのPZT粉体をエアロゾル生成部13に配置し、装置を駆動する。それにより、ノズル18からPZT粉体を含むエアロゾルが基材111に向けて噴射され、基材111上の所定の領域にPZT膜が形成される。
図6は、ノズル18と基材111との位置関係を示している。図6の(a)に示すように、基材111を、その回転軸がノズル18に設けられた開口の長辺(開口幅A)に平行となるように配置しても良い。この場合には、基材111を回転させることにより、基材111の周囲に、開口幅に応じた幅で圧電体層113を形成することができる。また、図6の(b)に示すように、基材111を、その回転軸が開口幅Aと垂直となるように配置しても良い。この場合には、基材111を回転させると共に、ノズル18を基材111の回転軸と垂直の方向に移動させることにより、基材111の周囲に圧電体層113を形成することができる。
なお、図6の(b)に示す場合において、ノズル18を移動させる替わりに、基材111を回転させながら平行移動させても良い。この場合には、図5に示す成膜装置に、回転駆動部21に加えて、支持部20を平行移動させる駆動手段を設ければ良い。
次に、基材111を支持部20から外し、基材111〜圧電体層113を含む積層体を、例えば、400℃の酸素雰囲気中において熱処理を行う。それにより、圧電体層113に含まれるPZT結晶のグレインサイズを大きくする。
次に、図4の(d)に示すように、熱処理された圧電体層113の表層に、例えば、スパッタ法やメッキ法等によって導電材料を成膜することにより、上部電極層114を形成する。
さらに、図4の(e)に示すように、上部電極層114の表層に、ガラス等の音響整合層115を形成する。音響整合層115は、図5に示すAD法を用いて形成しても良いし、蒸着法やスパッタ法を含む周知の成膜技術を用いて形成しても良い。それにより、基材111〜音響整合層115を含む円柱形状の積層体116が作製される。なお、音響整合層115は、シート状に成形された音響整合層の材料を上部電極層115の表層に貼り付けることによって形成しても良いが、その場合には、超音波の伝搬効率をなるべく妨げないように、接着剤を使用しないで貼り付けることが望ましい。
また、この後で、積層体116の2つの端面(円柱形状の底面)を研磨又は切断することによって成形すると共に、2つの電極層112及び114を端面に露出させることが望ましい。
次に、図7の(a)に示す積層体116の破線で示す領域に、精密切断砥石を用いてダイシングすることにより、所定のピッチで基材111に至るまで溝を形成する。或いは、ダイシングの替わりに、サンドブラスト法を用いて溝を形成しても良い。これにより、図7の(b)に示すように、溝117によって互いに隔てられ、所定のピッチで基材111上に配列された複数の素子110が形成される。さらに、図7の(c)に示すように、各素子110に含まれる下部電極102及び上部電極104から配線106及び107をそれぞれ引き出す。これにより、図1に示す超音波トランスデューサアレイ100が完成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、曲面上に配列された複数の素子を、円柱形状を有する積層体に溝を形成することによって作製するので、複数の素子を平面の基材上に配列した後で基材を湾曲する従来の製法とは異なり、素子に大きな機械的負担をかけることがなくなる。そのため、製造歩留まりを向上させることができる。また、精密切断砥石による加工幅に応じた間隔で、複数の素子を正確に配列することができる。
以上においては、1つの超音波トランスデューサアレイを作製する場合について説明したが、同様の工程によって複数の超音波トランスデューサアレイを作製することも可能である。即ち、必要な長さ(例えば、1つの超音波トランスデューサの長さ×作製する数+α)を有する円柱形状の積層体(基材111〜音響整合層115)を作製し、図7の(c)に示す配線引き出し工程の前に、円柱形状の積層体を分割すれば良い。
次に、本発明の第2の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイについて説明する。図8は、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイは、バッキング材101と、複数の素子110と、それらの間に配置されている中間層200とを含んでいる。バッキング材101及び複数の素子110の材料や形状や配列等については、本発明の第1の実施形態におけるものと同様である。
中間層200は、マシナブルセラミックス(精密機械加工が容易なセラミックの種類)のように、機械加工が可能で、ある程度の硬度を有する材料によって形成されている。本実施形態においては、中間層200が、後述する成膜工程におけるダミーの成膜基材として用いられるからである。また、中間層200の音響インピーダンスは、素子110に含まれる圧電体103と比較的近いことが望ましい。素子110において発生した超音波を、効率良くバッキング材101に伝搬させるためである。
本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法について、図9及び図10を参照しながら説明する。
まず、図9の(a)に示すように、マシナブルセラミックスの一種であるマコール(登録商標)によって形成された円柱形状を有する基材201を用意する。次に、図9の(b)に示すように、基材201の表層に、下部電極層201及び圧電体層202を順次形成する。これらの層の形成方法については、本発明の第1の実施形態において、図4の(b)及び(c)を参照しながら説明したものと同様である。
次に、図9の(c)に示すように、基材201の内側をくり抜くことにより、基材201を筒状にする。その際には、切削加工、研磨、溶融等の公知の加工方法を用いることができる。本実施形態においては、基材201としてマコール(登録商標)を使用しているので、切削加工を行う。なお、このくり抜き加工は、後述する熱処理工程の後や、上部電極層204及び音響整合層205を形成した後で行っても良い。
その後で、基材201〜圧電体層203を、例えば、400℃の酸素雰囲気中において熱処理を行う。それにより、圧電体層203に含まれるPZT結晶のグレインサイズを大きくする。また、基材201としてセラミックを用いているので、さらに高い温度で熱処理することも可能である。
次に、図9の(d)に示すように、熱処理された圧電体層203の表層に、上部電極層204及び音響整合層205を順次形成する。これらの層の形成方法については、本発明の第1の実施形態において、図4の(d)及び(e)を参照しながら説明したものと同様である。これにより、図10の(a)に示すように、円筒状の積層体206が作製される。
次に、図10の(b)に示すように、円筒状の積層体206の内側に、バッキング材207を充填して硬化させる。バッキング材207としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴムや、それらの内の少なくとも1つを含む材料を用いることができる。このように、圧電体層203の熱処理後にバッキング材206を充填する場合には、バッキング材の耐熱性をあまり考慮する必要がなくなるので、材料選択の幅を広げることができる。なお、このバッキング材206は、熱処理の後、上部電極層204を形成する前に充填しても良い。
次に、図10の(c)に示すように、バッキング材207が充填された積層体206の破線で示す領域に、ダイシング等により、所定のピッチで基材201に至るまで溝208を形成する。これにより、溝208によって互いに隔てられ、所定のピッチで基材201(即ち、図8に示す中間層200)上に配列された複数の素子110が形成される。さらに、各素子110の下部電極及び上部電極から配線を引き出すことにより、超音波トランスデューサアレイが完成する。
以上説明したように、本実施形態においては、セラミックのように適切な硬度を有する材料を成膜基材として用いるので、AD法によって圧電体層を形成する際に、成膜効率を高くすることができる。その際に、音響インピーダンスが圧電体層と比較的近い材料を成膜基材として選択することにより、成膜基材が完成品に残っていても、圧電体層において発生した振動がバッキング材に伝搬するのを大きく妨げることはなくなる。
なお、本実施形態においては、円柱形状を有する基材上にAD法による成膜を行った後で円柱の中身をくり抜いているが、予め筒状に成形された基材を用いても良い。
次に、本発明の第3の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法について、図9及び図11を参照しながら説明する。
まず、本発明の第2の実施形態において、図9の(a)及び(b)を参照しながら説明したのと同様に、マコール(登録商標)の基材201の表層に、下部電極層202及び圧電体層203を形成する。次に、基材201を内側からくり抜き、さらに研磨することにより、基材201を除去して圧電体層203の端面を露出させる。次に、それにより残った円筒状の圧電体層203を、例えば、400℃の酸素雰囲気中において熱処理を行う。なお、本実施形態においては、下部電極層202は、圧電体層203をAD法によって形成する際におけるアンカー層として用いられるのみなので、基材201を除去するときに一緒に剥離しても構わない。
次に、図11の(a)に示すように、熱処理された円筒状の圧電体層203の内側及び外側に、スパッタ法やメッキ法等により導電材料をそれぞれ成膜することにより、下部電極層300及び上部電極層301を形成する。次に、図11の(b)に示すように、上部電極層301の表層に音響整合層302を形成することにより、円環柱形状の積層体304を作製する。さらに、図11の(c)に示すように、下部電極層300の内側にバッキング材303を充填して硬化させる。次に、図11の(d)に示すように、バッキング材303が充填された積層体304の破線で示す領域に、精密切断砥石を用いたダイシング等により、所定のピッチでバッキング材303に至るまで溝305を形成する。これにより、溝304によって互いに隔てられ、所定のピッチでバッキング材303上に配列された複数の素子110が形成される。さらに、各素子110の下部電極及び上部電極から配線を引き出すことにより、図1に示す超音波トランスデューサアレイが完成する。
以上説明したように、本実施形態においては、セラミック等のように、適切な硬度を有する材料を基材として用いるので、AD法によって圧電体層を形成する際に、成膜効率を高くすることができる。また、成膜工程において用いた基材を除去してから圧電体層の熱処理を行うので、基材と圧電体層との間で生じる熱歪みに起因する圧電体層の破損を防ぐことができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイについて、図12を参照しながら説明する。
図12の(a)に示すように、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイ400は、円柱形状に成形されたバッキング材401と、該バッキング材401の円柱側面上に配置された複数の素子410とを含んでいる。超音波トランスデューサアレイ400及び各素子410の形状や大きさについては、本発明の第1の実施形態におけるものとほぼ同じである。
図12の(b)は、図12の(a)に示すB−Bにおける超音波トランスデューサアレイの断面を示している。
図12の(b)に示すように、各素子410は、下部電極層402と、複数の圧電体層403と、複数の圧電体層403の間に配置された内部電極層404a及び404bと、上部電極層405とを含んでいる。また、各素子410の端面には、側面電極406a及び406bが形成されている。これらの側面電極406a及び406bからは、配線408及び409がそれぞれ引き出されている。さらに、各素子410は、音響整合層407を含んでも良い。
内部電極層404a及び404bの各々は、素子410の向かい合う2つの側面(図12の(b)においては、右側面及び左側面)の内で、一方の側面のみに延在するように配置されている。これにより、側面電極406aは、内部電極層404a及び上部電極層405と電気的に接続されると共に、内部電極層404b及び下部電極層402から絶縁される。また、側面電極406bは、内部電極層404b及び下部電極層402と電気的に接続されると共に、内部電極層404a及び上部電極層405から絶縁される。電極層及び側面電極をこのように配置することにより、積層された複数の層が電気的に並列に接続される。このような積層構造を有する構造体は、単層の構造体と比較して、対向する電極の面積を増加させることが可能であるので、電気的インピーダンスを下げることができる。従って、単層の構造体と比較して、印加される電圧に対して効率良く動作するので、強度の小さい駆動信号によって効率良く超音波を送信したり、超音波の受信感度を向上させることができる。なお、本実施形態において、内部電極層404a及び404bを1つずつ設けることにより、3層の圧電体層402を形成しているが、内部電極層404a及び404bの各々を複数設けることにより、圧電体層402の積層数を増やしても良い。
ここで、内部電極層404aを側面電極406bから絶縁するために設けられている絶縁領域、及び、内部電極層404bを側面電極406aから絶縁するために設けられている絶縁領域は、素子410に電圧を印加しても伸縮しない。そのため、この領域に応力が集中して破損し易くなる可能性はある。しかしながら、本実施形態におけるように、絶縁領域の幅(例えば、50μm)と比較して、素子全体の長さが長い場合(例えば、20mm)には、素子の性能に対して大きな影響を及ぼすことなないと考えられる。
次に、本実施形態に係る超音波トランスデューサの製造方法について、図13〜図15を参照しながら説明する。
まず、図13の(a)に示すように、ポリイミド樹脂のように、バッキング材として用いられる材料によって円柱状に形成された基材411を用意し、その円柱側面領域に、スパッタ法等によって白金等の導電材料を成膜することにより、下部電極層412を形成する。
次に、図13の(b)に示すように、下部電極層412の表層に、AD法によって圧電体層413を形成する。
次に、図13の(c)に示すように、圧電体層413の表層の内で、一方の端部に設けられる絶縁領域414aを除く領域に、内部電極層414を形成する。さらに、図13の(d)に示すように、内部電極層414及び絶縁領域414aの表層に、圧電体層415を形成する。
次に、図14の(a)に示すように、圧電体層415の表層の内で、絶縁領域414aとは反対側の端部に設けられる絶縁領域416aを除く領域に、内部電極層416を形成する。さらに、図14の(b)に示すように、内部電極層416及び絶縁領域416aの表層に、圧電体層417を形成する。
この後で、必要であれば、図13の(c)〜図14の(b)に示す工程を所望の回数だけ繰り返す。さらに、基材411〜圧電体層417を含む積層体を、例えば、400℃の酸素雰囲気中において熱処理を行う。
次に、図14の(c)に示すように、熱処理された圧電体層417の表層に、上部電極層418を形成し、図14の(d)に示すように、音響整合層419を形成する。これにより、図15の(a)に示すような積層構造を有する円柱形状の積層体420が形成される。
次に、図15の(b)に示すように、積層体420の2つの端面に側面電極421及び422を形成する。その際に、一方の側面(図の左側)においては、側面電極421を、下部電極層412に接続されると共に上部電極層417から絶縁されるように配置する。また、反対側の側面(図の右側)においては、側面電極422を、上部電極層418に接続されると共に下部電極層412から絶縁されるように配置する。
次に、図15の(c)に示すように、側面電極421及び422が形成された積層体420の破線で示す領域に、ダイシング等により、所定のピッチで基材411に至るまで溝423を形成する。これにより、所定のピッチで基材411上に配列された複数の素子410が形成される。さらに、各素子410の下部電極層及び上部電極層から配線を引き出すことにより、超音波トランスデューサアレイが完成する。
以上説明した本実施形態においては、成膜時に用いた基材411を、完成した超音波トランスデューサアレイにおけるバッキング材401としてそのまま使用している。しかしながら、本発明の第2又は第3の実施形態におけるのと同様に、マシナブルセラミックス等を基材として成膜を行い、圧電体層の熱処理を行う前に基材の一部又は全部を除去し、熱処理後にバッキング材を充填しても良い。
図16は、本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの変形例を示す断面図である。この超音波トランスデューサアレイに含まれる複数の素子の各々は、図1に示す下部電極層402〜上部電極層405及び側面電極406a、406bの替わりに、下部電極層431と、複数の圧電体層432と、内部電極層433a及び433bと、上部電極層434と、絶縁膜435と、側面電極436a及び436bとを含んでいる。ここで、図12に示す超音波トランスデューサアレイにおいては、内部電極層の層内に絶縁領域を設けることにより、側面電極から絶縁した。それに対して、図16においては、内部電極層433a及び433bを、素子の2つの端面に延在するように形成すると共に、素子の端面に露出した2つの端部のいずれか一方に絶縁膜435を形成する。それにより、内部電極層433aは、側面電極436aと接続されると共に、絶縁膜435によって側面電極436bから絶縁される。また、内部電極層433bは、側面電極436bと接続されると共に、絶縁膜435によって側面電極436aから絶縁される。なお、下部電極層431及び上部電極層434についても、端面に絶縁膜435を形成することにより、側面電極436a及び436bからそれぞれ絶縁するようにしても良い。
このような超音波トランスデューサアレイを作製する場合には、図13の(c)〜図14の(b)において、圧電体層413及び415の表層全体に内部電極層414及び416をそれぞれ形成する。そして、図15の(b)及び(c)に示す側面電極421及び422を形成する前に、積層体の端面に露出した内部電極層の所定の端面に絶縁膜を形成する。絶縁膜は、例えば、電気泳動法を用いて、内部電極層の端面をガラスで被膜することにより形成することができる。
図16に示すように各電極層を構成する場合には、層内に絶縁領域を設ける場合と異なり、圧電体層の一部に応力が集中するのを防ぐことができるだけでなく、複数の超音波トランスデューサアレイを効率的に作製することができる。即ち、内部電極層の形成パターンを考慮することなく、必要な長さ(例えば、1つの超音波トランスデューサの長さ×作製する数+α)を有する円柱形状の積層体を作製し、それを複数個に分割した後で、露出した端面に絶縁膜及び側面電極を形成すれば良い。
次に、本発明の第5の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイについて、図17を参照しながら説明する。
図17に示すように、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイ500は、バッキング材101と、該バッキング材101の円柱側面上に2次元状に配置された複数の素子110a及び110bとを含んでいる。複数の素子110a及び110bの各々の構造については、図1に示す素子110におけるものと同様である。また、超音波トランスデューサアレイ500の一方の端面(図の側)においては、複数の素子110aの各々から、配線106a及び107aが引き出されている。一方、超音波トランスデューサアレイ500の他方の端面(図の側)においては、複数の素子110bの各々から、配線106b及び107bが引き出されている。

本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイは、例えば、図7の(b)に示す円柱状の積層体116に溝117を形成する工程において、併せて、溝117と異なる方向(例えば、垂直方向)に、別の溝をバッキング材111に至るまで形成することにより作製することができる。
次に、本発明の第6の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイについて、図18を参照しながら説明する。
図18に示すように、本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイ600は、円柱形状を有するバッキング材601と、該バッキング材601の円柱側面上に2次元状に配置された複数の素子110cとを含んでいる。複数の素子110cの各々の構造については、図1に示す素子110におけるものと同様である。
本実施形態に係る超音波トランスデューサアレイは、例えば、図7の(b)に示す円柱状の積層体116に溝117を形成する工程において、併せて、溝117と異なる方向(例えば、垂直方向)に、別の複数の溝をバッキング材111に至るまで形成することにより作製することができる。
或いは、円柱状の積層体116に溝117を形成した後で、溝117と異なる方向(例えば、垂直方向)に積層体116をスライスすることにより、複数の円盤状の超音波トランスデューサアレイを作製し、それぞれの円盤状の超音波トランスデューサアレイの端面に配線基板を配置した後で、それらの円盤状の超音波トランスデューサアレイを、中央に配置されたバッキング材の部分で、接着剤等を用いて接合しても良い。
ここで、本実施形態においては、内側に配置された素子110cの配線引き出しが困難になると考えられるので、共通配線を設けることが望ましい。配線の形成方法については後で詳しく説明する。
次に、本発明の第7の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイについて、図19を参照しながら説明する。
図19の(a)に示す超音波トランスデューサアレイ700は、曲面の素子配列面701aを有するバッキング材701と、該バッキング材701の素子配列面701a上に配置された複数の素子710とを含むコンベックスアレイである。複数の素子710の各々は、下部電極702と、圧電体703と、上部電極704とを含んでいる。また、各素子は、音響整合層705をさらに含んでも良い。これらの各部分702〜705の材料や機能については、図1に示す下部電極102〜音響整合層105と同様である。なお、図19においては、下部電極702及び上部電極704からの引き出し配線は省略されている。
このような超音波トランスデューサアレイ700は、次のようにして作製することができる。即ち、バッキング材701を基材として用い、その素子配列面701aの表層に、成膜によって下部電極層、圧電体層、上部電極層、及び、音響整合層を順次形成する。次に、これらの積層体に、ダイシング等により、所定のピッチでバッキング材701に至るまで溝を形成する。それにより、溝によって互いに隔てられ、所定のピッチでバッキング材701上に配列された複数の素子710が形成される。
また、図19の(b)に示す超音波トランスデューサアレイ720は、半円柱形状を有するバッキング材721と、該バッキング材721の素子配列面721a上に配置された複数の素子710とを含んでいる。
このように、円柱形状を有する超音波トランスデューサアレイだけでなく、コンベックス型の超音波トランスデューサアレイにおいても、複数の素子を、所望の曲率を有する曲面上に、容易且つ高歩留まりで配置することができる。
以上説明した本発明の第1〜第7の実施形態においては、超音波トランスデューサアレイに含まれる複数の素子の各々において、圧電体層の表層に上部電極層及び音響整合層が設けられている。しかしながら、導電性を有する音響材料によって音響整合層を形成することにより、上部電極層を省略しても良い。この場合には、製造工程を簡単にすることができる。音響整合層として用いることができる導電性の音響材料としては、金属等の無機物を添加したエポキシ樹脂やグラファイト等が挙げられる。
また、第1〜第7の実施形態においては、超音波トランスデューサアレイに含まれる複数の素子の各々に、下部電極及び上部電極の両方が個別に設けられている。しかしながら、それらの電極の内の一方を、複数の素子間において共通としても良い。
図20の(a)は、各素子の上部電極を共通とする例を示している。図20の(a)に示す超音波トランスデューサアレイは、バッキング材101と、下部電極102及び圧電体103を含む複数の素子と、導電性を有する音響整合層120と、隣接する素子間に配置された樹脂材料121と、複数の素子の上部連続して配置されている導電膜122とを含んでいる。個別配線123は、各素子の下部電極102から引き出されており、共通配線124は、導電膜122から引き出されている。なお、バッキング材101、下部電極102、及び、圧電体103の形状や材料については、図1におけるものと同様である。また、樹脂材料121は、隣接する2つの素子を互いに絶縁している。なお、図20の(a)において、樹脂材料121は音響整合層120の高さに至るまで配置されているが、少なくとも隣接する圧電体103の高さまで配置されていれば良い。
導電性を有する音響整合層120は、音響整合層としての機能に加えて、各素子における上部電極としても機能する。導電性を有する音響整合層120の材料としては、先に述べた金属等の無機物を添加したエポキシ樹脂やグラファイト等を用いることができる。
導電膜122は、複数の素子に形成されている導電性を有する音響整合層120を電気的に接続する。導電膜122は、導電性の樹脂材料を成膜したり貼り付けることによって形成しても良いし、白金等の金属や合金、或いはグラファイトを成膜することによって形成しても良い。導電膜122として用いることができる樹脂材料としては、金属等の無機物を添加したエポキシ樹脂のように、導電性を有すると共に、音響整合層120との音響整合性の良好な材料を選択することが望ましい。
音響整合層120としてグラファイトを用いる場合には、音響整合層120の表面に導電膜122を配置する替わりに、隣接する音響整合層120の間に導電性を有する樹脂材料を配置しても良い。この場合には、導電性を有する樹脂材料として、金属等の無機物を添加したエポキシ樹脂のように超音波を吸収し易いものを選択することが望ましい。また、被検体との音響整合性を良くするために、最外周に音響整合層をさらに形成しても良い。最外周の音響整合層は、絶縁体でも良く、例えば、エポキシ樹脂やプラスチック材料を用いることができる。
図20の(b)は、各素子の下部電極を共通とする例を示している。図20の(b)に示す超音波トランスデューサアレイは、バッキング材101と、共通電極130と、圧電体103、上部電極104及び音響整合層105を含む複数の素子とを含んでいる。バッキング材101、圧電体103、上部電極104、及び、音響整合層105の形状や材料については、図1におけるものと同様である。
共通配線131は、複数の素子の下部に連続して形成された共通電極130から引き出されており、個別配線132は、各素子に配置された上部電極104から引き出されている。このような共通電極130は、例えば、図7の(b)において、ダイシング等によってバッキング材101に至るまで溝を入れるのではなく、下部電極層112の表面又は下部電極層112の途中まで溝を入れることによって形成することができる。或いは、バッキング材の全部又は表層部分を、導電性を有する樹脂等によって形成しても良い。そのような材料としては、例えば、タングステン粉末等の導電性粉末とエポキシ樹脂とを混和することによって作製された材料が挙げられる。
或いは、本発明の第2又は第3の実施形態におけるように、成膜時に用いた基材の一部又は全部を除去する場合には、円筒の積層体の内部にバッキング材を充填する前に、円筒の内側に共通電極又は所定の配線パターンを形成することにより配線を引き出す方法も考えられる。また、所定の配線パターンが形成された円柱形状又は円環柱形状のバッキング材を予め作製しておいて、それを円筒の積層体の内部に配置しても良い。この場合には、スパッタ法等により所望の配線パターンを比較的容易に形成することができる。いずれの手法においても、基材の側面領域に形成された積層体に溝を形成して複数の素子を形成し、それらの素子の間に樹脂等を充填することにより素子の配列を固定した後に、基材をくり抜くようにする。
本発明は、曲面上に配置された複数の圧電素子(超音波トランスデューサ)を含む超音波トランスデューサアレイにおいて利用することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイを含む超音波用探触子(プローブ)を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイから超音波が送信される様子を従来の超音波トランスデューサアレイにおけるものと比較して示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第1〜第7の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイを製造する際に用いられる成膜装置の構成を示す模式図である。 図5に示す成膜装置のノズル部分を拡大して示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの製造方法を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの変形例を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す斜視図である。 本発明の第7の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの構成を示す平面図である。 本発明の第1〜第7の実施形態に係る超音波トランスデューサアレイの変形例を説明するための図である。 複数の素子が曲面上に配列されている超音波トランスデューサアレイの従来の作製方法を説明するための図である。 複数の素子が曲面上に配列されている超音波トランスデューサアレイを、マスクを用いたAD法によって作製する様子を示す図である。
符号の説明
1 筐体
2 液体
3 被覆材
10 ガスボンベ
11 圧力調整部
12、15 搬送管
13 エアロゾル生成部
14 容器駆動部
16 成膜室
17 排気ポンプ
18 ノズル
19 ノズル駆動部
20 支持部
21 回転駆動部
100、300、400、500、600、700、720 超音波トランスデューサアレイ
101、207、303、401、601、701、721 バッキング材
102、702 下部電極
103、703 圧電体
104、704 上部電極
105、115、205、302、407、419、705、903 音響整合層
106、106a、106b、107、107a、107b、408、409 配線
110、110a〜110c、410、710、910、920 超音波トランスデューサ(素子)
111、201、411、904、921 基材
112、202、300、402、412、431 下部電極層
113、203、403、413、415、417、432、900 圧電体層
114、204、301、405、418、434 上部電極層
116、206、304、420 積層体
117、208、305、423、905 溝
122 導電膜
124、131、603 共通配線
123、132、604 個別配線
120 導電性を有する音響整合層
121 樹脂材料
130、602 共通電極
200 中間層
404a、404b、414、416、433a、433b 内部電極層
406a、406b、421、422、436a、436b 側面電極
414a、416a 絶縁領域
435 絶縁膜
701a、721a 素子配列面
901、902 電極層
922 マスク
923 開口部

Claims (23)

  1. 曲面上に配列された複数の超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアレイの製造方法であって、
    曲面を有する基材を用意する工程(a)と、
    前記基材の曲面上に第1の導電体層を形成する工程(b)と、
    前記第1の導電体層上に圧電体層を形成する工程(c)と、
    前記圧電体層上に第2の導電体層を形成する工程(d)と、
    工程(b)〜(d)において形成された前記第1の導電体層、前記圧電体層、及び、前記第2の導電体層を含む積層体に所定の幅を有する複数の溝を所定のピッチで形成することにより、複数の超音波トランスデューサを形成する工程(e)と、
    を具備する超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  2. 工程(d)の後で、前記第2の導電体層の表面に音響整合層を形成する工程(d')をさらに具備し、
    工程(e)が、工程(b)〜(d')において形成された前記第1の導電体層、前記圧電体層、前記第2の導電体層、及び、前記音響整合層を含む積層体に対して複数の溝を形成することを含む、
    請求項1記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  3. 曲面上に配列された複数の超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアレイの製造方法であって、
    曲面を有する基材を用意する工程(a)と、
    前記基材の曲面上に第1の導電体層を形成する工程(b)と、
    前記第1の導電体層上に複数の圧電体層と少なくとも1つの内部電極層とを交互に積層する工程(c)と、
    最上層の圧電体層上に第2の導電体層を形成する工程(d)と、
    工程(b)〜(d)において形成された前記第1の導電体層、前記複数の圧電体層、前記少なくとも1つの内部電極層、及び、前記第2の導電体層を含む積層体に所定の幅を有する複数の溝を所定のピッチで形成することにより、複数の超音波トランスデューサを形成する工程(e)と、
    を具備する超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  4. 工程(d)の後で、前記第2の導電体層上に音響整合層を形成する工程(d')をさらに具備し、
    工程(e)が、工程(b)〜(d')において形成された前記第1の導電体層、前記複数の圧電体層、前記少なくとも1つの内部電極層、前記第2の導電体層、及び、前記音響整合層を含む積層体に対して複数の溝を形成することを含む、
    請求項3記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  5. 工程(d)が、音響整合層として働く第2の導電体層を形成することを含む、請求項1又は3記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  6. 工程(c)が、圧電材料の粉体を含むエアロゾルを前記基材に向けて吹き付けることにより前記圧電材料の粉体を堆積させるエアロゾルデポジション法を用いて前記圧電体層を形成することを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  7. 工程(c)の後で、前記圧電体層を熱処理する工程をさらに具備する、請求項6記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  8. 工程(d')が、音響整合層の材料の粉体を含むエアロゾルを前記基材に向けて吹き付けることにより前記音響整合層の材料の粉体を堆積させるエアロゾルデポジション法を用いて前記音響整合層を形成することを含む、請求項2又は4又は5記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  9. 工程(a)が、バッキング材として働く基材を用意することを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  10. 工程(c)の後で、前記基材の一部を除去すると共に、前記基材の一部にバッキング材を配置する工程をさらに具備する請求項1〜8のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  11. 工程(c)の後で、前記基材を除去することにより、前記圧電体層の1つの面を露出させる工程(f)と、
    工程(f)において露出した前記圧電体層の面上に第3の導電体層を形成する工程(g)と、
    工程(g)において形成された第3の導電体層上にバッキング材を配置する工程(h)と、
    をさらに具備する請求項1〜8のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  12. 工程(e)が、互いに平行な複数の溝を形成することにより、曲面上に1次元的に配列された複数の超音波トランスデューサを形成することを含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  13. 工程(e)が、互いに異なる2つの方向に複数の溝を形成することにより、曲面上に2次元的に配列された複数の超音波トランスデューサを形成することを含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  14. 曲面上に配列された複数の超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサアレイの製造方法であって、
    曲面を有する基材を用意する工程(a)と、
    前記基材の曲面上に第1の導電体層を形成する工程(b)と、
    前記第1の導電体層上に圧電体層を形成する工程(c)と、
    工程(b)及び(c)において形成された前記第1の導電体層及び前記圧電体層を含む積層体に所定の幅を有する複数の溝を所定のピッチで形成する工程(d)と、
    前記圧電体層上に第2の導電体層を形成することにより、複数の超音波トランスデューサを形成する工程(e)と、
    を具備する超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  15. 前記基材が円柱形状を有する、請求項1〜14のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイの製造方法。
  16. 曲面を有する材と、
    前記材の曲面上に直接的又は間接的に配置された複数の超音波トランスデューサであって、各々が、第1の導電体層と、圧電体層と、第2の導電体層とを含み、前記圧電体層の前記材と反対側の面の面積が、前記圧電体層の材側の面の面積よりも大きく、前記基材の曲面に沿って隣接する圧電体層の間に略一定の幅を有する複数の溝が所定のピッチで形成された前記複数の超音波トランスデューサと、
    を具備する超音波トランスデューサアレイ。
  17. 前記複数の超音波トランスデューサの各々が、第1の導電体層と、複数の圧電体層と、前記複数の圧電体層と交互に積層された少なくとも1つの内部電極層と、第2の導電体層とを含む、請求項16記載の超音波トランスデューサアレイ。
  18. 前記複数の超音波トランスデューサの各々が、前記第2の導電体層上に形成された音響整合層をさらに含む、請求項16又は17記載の超音波トランスデューサアレイ。
  19. 前記複数の超音波トランスデューサの各々において、前記第2の導電体層が音響整合層として働く、請求項16又は17記載の超音波トランスデューサアレイ。
  20. 前記複数の超音波トランスデューサが、前記材の曲面上に1次元的又は2次元的に配列されている、請求項1619のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイ。
  21. 前記基材が円柱形状を有する、請求項16〜20のいずれか1項記載の超音波トランスデューサアレイ。
  22. ラジアル走査方式に用いられる超音波トランスデューサアレイであって、
    前記材が円柱形状のバッキング材を構成し、
    前記複数の超音波トランスデューサが、該円柱形状のバッキング材の側面の周囲に配置されている、
    請求項20記載の超音波トランスデューサアレイ。
  23. コンベックス式の超音波トランスデューサアレイであって、
    前記材が所定の曲率の凸面を有するバッキング材を構成する、請求項20記載の超音波トランスデューサアレイ。
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